JP2007332942A - 内燃機関の可変動弁制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】中心位相を固定として作動角のみを変化させた場合に得られる開時期を推定すると共に、作動角を固定として中心位相のみを変化させた場合に得られる開時期を推定する。そして、前記推定した開時期のうち少なくとも一方が目標開時期よりも進角側であるときには、作動角又は中心位相の目標を制限する必要があると判断する。例えば、中心位相の遅角制御と同時に作動角を増大させる制御を行わせる場合は、そのときの中心位相で目標開時期となる作動角を目標に設定し、遅角制御に対して作動角の増大が速過ぎることによる開時期の過進角を抑止する。
【選択図】図6
Description
このため、加速要求に対して中心位相は応答良く変化させることができるが、リフトの変更が後回しにされるため、吸気バルブの開口面積が大きくならず、吸入空気量の増大変化が遅れるため、加速性が低下するという問題があった。
上記発明によると、2つの可変機構を同時に動作させて機関バルブ(吸気バルブ及び/又は排気バルブ)のリフト特性を変化させるときに、一方の可変機構の動作をその時点で停止させ、かつ、他方の可変機構をそのまま制御目標に向けて動作させたと仮定した場合に、機関バルブの開時期又は閉時期が最終的にどの角度位置になるかを推定する。
従って、2つの可変機構を同時に動作させながら、機関バルブの開時期又は閉時期が目標に対して過進角・過遅角されることを抑止することが可能になり、機関バルブのリフト特性が不正になることを防止しつつ、過渡時の運転性を向上させることができる。
上記発明によると、一方の可変機構の制御量の現在値で目標開時期又は目標閉時期が得られるように、他方の可変機構の制御目標を設定する。
従って、一方の可変機構で制御される制御量の変化に合わせて、他方の可変機構の制御目標が設定されることになり、目標開時期又は目標閉時期から大きく逸脱することなく、作動角と中心位相とを同時に変化させることができる。
上記発明によると、作動角の変更、若しくは、中心位相の変更によって、吸気バルブの開時期が進角側に行き過ぎると推定される場合に、制御目標を制限して前記進角側への開時期の行き過ぎを防止する。
図1〜図3は、本発明に係る可変動弁制御装置を、車両用内燃機関の吸気バルブ側に適用した一実施形態を示している。
内燃機関の各気筒には、一対の吸気バルブ12,12及び図外の排気バルブが設けられ、各吸排気バルブはシリンダヘッド11に摺動自在に支持されている。
前記軸受14は、駆動軸13の上部を支持するメインブラケット14aと、このメインブラケット14aの上端部に設けられて、制御軸32を回転自在に支持するサブブラケット14bとを有し、両ブラケット14a,14bが一対のボルト14c,14cによって共締め固定されている。
また、この各駆動カム15は、両バルブリフタ16,16に干渉しない位置で駆動軸13に固定されていると共に、両方のカム本体15a,15aの外周面15d,15dが同一のカムプロフィールに形成されている。
上記のカム面22には、基端部20側の基円面22aと、この基円面22aからカムノーズ部21側に円弧状に延びるランプ面22bと、このランプ面22bの先端側に有するリフト面22cと、が形成され、これらの基円面22a,ランプ面22b及びリフト面22cが、揺動カム17の揺動位置に応じて各バルブリフタ上面16aの所定位置に当接する。
前記ロッカアーム23の中央に設けられる筒状基部23cが、制御カム33に回転自在に支持される。
また、リンクアーム24は、円環状の基部24aと、この基部24aの外周面所定位置に突設された突出端24dとを備え、基部24aの中央位置には、駆動カム15のカム本体15aの外周面に回転自在に嵌合する嵌合孔24cが形成されている一方、突出端24bには、ピン26が回転自在に挿通するピン孔24dが貫通形成されている。
そして、このリンクロッド25は、揺動カム17の最大揺動範囲をロッカアーム23の揺動範囲内に規制するようになっている。
前記制御機構19は、制御軸32と、この制御軸32の外周に固定されてロッカアーム23の揺動支点となる制御カム33と、制御軸32の回転位置を制御するアクチュエータ34とから構成されている。
一方、各制御カム33は、夫々円筒状を呈し、軸心P1位置が制御軸32の軸心P2からα分だけ偏心している。
前記アクチュエータ34として、本実施形態では、油圧アクチュエータを用いるが、ステップモータ等を用いることもできる。
尚、上記リフト・作動角可変機構1は、リフト及び作動角を同時に変化させるが、吸気バルブ12の少なくとも作動角を可変とする機構であれば良く、作動角可変機構を、上記構造のリフト・作動角可変機構1に限定するものではない。
また、筒状本体40aの内周面には、はす歯形のインナ歯が形成されている。
前記スリープ42は、後端側に駆動軸13の先端部が嵌合する嵌合溝が形成されていると共に、前端部にはフロントカバー40cを介してタイミングスプロケット40を前方に付勢するコイルスプリング47が装着されている。
前記筒状歯車43は、軸直角方向から2分割されて前後の歯車構成部がピンとスプリングによって互いに接近する方向に付勢されていると共に、内外周面には各インナ歯46とアウタ歯48に噛合いするはす歯形の内外歯が形成されており、前後に形成された第1,第2油圧室49,50へ相対的に供給される油圧によって各歯間を摺接しながら前後軸方向へ移動するようになっている。
更に、第2油圧室50内に弾装されたリターンスプリング51によって第1油圧室49の油圧が供給されない場合に最大前方移動位置に付勢されるようになっている。
前記流路切り換え弁56は、コントロールユニット37からの制御信号によって、油路の切り換え動作を行う。
前記コントロールユニット37は、マイクロコンピュータを含んで構成され、各種センサからの信号を入力して機関の運転条件を検出し、機関運転条件に基づいて前記リフト・作動角可変機構1及び中心位相可変機構2の制御目標を決定し、該制御目標に基づいてそれぞれに制御信号を出力する。
また、制御軸32の回転位置を検出する第1位置センサ58,駆動軸13の回転位置を検出する第2位置センサ59が設けられており、前記コントロールユニット37は、前記第2位置センサ59からの信号と、前記クランク角センサ101からの信号とから、駆動軸13とクランクシャフトとの相対回転位相差(換言すれば、吸気バルブ12の作動角の中心位相)を演算する。
同図に示すように、リフト・作動角可変機構1を駆動した場合、矢印(イ)に示すように、吸気バルブ12の作動角の中心位相が略一定のままで、吸気バルブ12の作動角及びバルブリフトの双方が連続的に増減する。
ところで、リフト・作動角可変機構1と中心位相可変機構2とを同時に駆動制御して吸気バルブ12のリフト特性を変化させるときに、両可変機構1,2の応答特性の差によって、吸気バルブ12の開時期が過渡的に大きく進角され、該進角によってバルブオーバーラップが過剰に大きくなって燃焼性が悪化する可能性がある。
そこで、本実施形態では、吸気バルブ12の開時期が過渡的に過進角することを抑止すべく、コントロールユニット37が、図5のフローチャートに示すように、リフト・作動角可変機構1・中心位相可変機構2の制御目標を制限する機能をソフトウェア的に備えている。
前記目標開時期(目標IVO)は、リフト・作動角可変機構1の目標値TGVELと中心位相可変機構2の目標値TGVTCとから求められる。即ち、目標値TGVELから吸気バルブ12の目標作動角を判断でき、目標中心位相から前記目標作動角の半分の角度だけ前のクランク角位置が目標開時期となる。
尚、本実施形態において、吸気バルブ12の開時期は、圧縮上死点からのクランク角で示されるものとし、開時期を示す角度の増大は開時期の遅角変化を示し、開時期を示す角度の減少は開時期の進角変化を示すものとする。
ステップS11で、実際の開時期(実IVO)が目標開時期(目標IVO)よりも進角していると判断されたときには、ステップS12以降へ進み、実際の開時期(実IVO)が目標開時期(目標IVO)と略一致しているか、又は、実際の開時期(実IVO)が目標開時期(目標IVO)よりも遅角していると判断されたときには、過進角抑止のための制御目標の制限は不要であると判断し、そのまま本ルーチンを終了させる。
ステップS12では、現時点からリフト・作動角可変機構1のみを動作させたと仮定した場合、及び、現時点から中心位相可変機構2のみを動作させたと仮定した場合に得られる吸気バルブ12の開時期をそれぞれ推定する。
即ち、現時点の開時期(実IVO)から、作動角の要求変化量の半分だけ開時期が変化した時期が、前記推定開時期(1)として求められる。
ステップS13では、リフト・作動角可変機構1による作動角の変更、及び/又は、中心位相可変機構2による中心位相の変更によって、吸気バルブ12の開時期が目標よりも進角変化させられる状態であるか否か、即ち、制御目標を制限することで過進角を抑止する要求があるか否かを判断する。
一方、前記推定開時期(1),(2)が、共に目標開時期に一致するか、又は、目標開時期よりも遅角側であるときには、リフト・作動角可変機構1による作動角の変更、及び、中心位相可変機構2による中心位相の変更は、共に吸気バルブ12の開時期を進角させようとしていないと判断して、そのまま本ルーチンを終了させる。
ここで、前記推定開時期(1)が目標開時期よりも進角側であるが、前記推定開時期(2)は目標開時期か或いは目標開時期よりも遅角側であると判断されている場合には、リフト・作動角可変機構1による作動角の変更が吸気バルブ12の開時期を進角させようとしていることになる。
前記条件では、作動角の増大制御に対して中心位相の遅角制御が遅れると、吸気バルブ12の開時期の過進角が発生することになり、作動角の増大が過進角の要因になるから、作動角の増大変化を抑制すれば、前記過進角の抑止が可能となるので、リフト・作動角可変機構1の制御目標を制限すべく(作動角の目標をより小さく制限すべく)、ステップS15へ進む。
例えば、図6に示したリフト特性の変化の逆方向への変化、即ち、作動角を目標に向けて減少制御すると同時に、作動角の中心位相を進角制御することで、目標のリフト特性に変化させる条件であるときが、前記推定開時期(2)が目標開時期よりも進角側であるが、前記推定開時期(1)は目標開時期か或いは目標開時期よりも遅角側であると判断されることになる。
具体的には、推定開時期(1)と目標開時期との偏差の絶対値が、推定開時期(2)と目標開時期との偏差の絶対値よりも大きい場合には、作動角の増大変化が開時期の過進角を大きくする主な要因であると見なし、リフト・作動角可変機構1の制御目標を優先的に制限すべくステップS15へ進む。
ステップS15では、リフト・作動角可変機構1の制御目標(目標作動角)を、本来の目標値から、現在の中心位相で吸気バルブ12の開時期が目標開時期になる作動角(目標作動角=(目標開時期−現在の中心位相)×2)に変更することで、制御目標を制限する。
ステップS16では、中心位相可変機構2の制御目標を、本来の目標値の変化に対して、現在の作動角のままで吸気バルブ12の開時期が目標開時期になる変化量(目標変化量=実開時期−目標開時期)に変更することで、制御目標を制限する。
従って、吸気バルブ12の開時期が過渡的に過進角状態(不正状態)となることでオーバーラップが一時的に過拡大し、燃焼性が悪化することを抑止できると共に、目標を制限しつつもリフト・作動角可変機構1と中心位相可変機構2とを同時に動作させるから、例えば加速時に吸気バルブ12の開口面積の増大が遅れて、加速性が低下することを抑止できる。
(イ)前記作動角可変機構の可変動作を停止した場合の前記中心位相可変機構の制御目標に向けての可変動作で得られる前記吸気バルブの開時期が、目標開時期と一致又は目標開時期よりの遅角側であり、かつ、前記中心位相可変機構の可変動作を停止した場合の前記作動角可変機構の制御目標に向けての可変動作で得られる前記吸気バルブの開時期が、目標開時期と一致又は目標開時期よりの遅角側であるときに、前記制御目標の制限を行わないことを特徴とする請求項3記載の内燃機関の可変動弁制御装置。
(ロ)前記作動角可変機構の可変動作を停止した場合の中心位相可変機構の制御目標に向けての可変動作で得られる前記機関バルブの開時期又は閉時期を推定すると共に、前記中心位相可変機構の可変動作を停止した場合の作動角可変機構の制御目標に向けての可変動作で得られる前記機関バルブの開時期又は閉時期を推定し、目標開時期に対する偏差がより大きい推定結果を得た側での動作側とした可変機構について制御目標を優先的に制限することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の内燃機関の可変動弁制御装置。
Claims (3)
- 機関バルブの少なくとも作動角を変更する作動角可変機構と、前記機関バルブの作動角の中心位相を変更する中心位相可変機構とを備えた内燃機関の可変動弁制御装置において、
前記2つの可変機構の一方の可変動作を停止した場合の他方の可変機構の制御目標に向けての可変動作で得られる前記機関バルブの開時期又は閉時期を推定し、該推定した開時期又は閉時期と目標時期との比較結果に基づいて前記他方の可変機構の前記制御目標を制限することを特徴とする内燃機関の可変動弁制御装置。 - 前記一方の可変機構の制御量の現在値で目標開時期又は目標閉時期となる制御目標を、前記他方の可変機構の制御目標とすることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の可変動弁制御装置。
- 前記機関バルブが吸気バルブであり、前記2つの可変機構の一方の可変動作を停止した場合の他方の可変機構の制御目標に向けての可変動作で得られる前記吸気バルブの開時期を推定し、該推定した開時期が目標開時期よりも進角しているときに制御目標を制限することを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の可変動弁制御装置。
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