JP3823675B2 - 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の吸気弁及び/又は排気弁(吸排気弁)のバルブリフト特性を機関運転状態に応じて変えることができる内燃機関の吸排気弁駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、機関運転状態に応じた所望のバルブリフト特性を得るために、吸排気弁のバルブリフト特性を変えることができる吸排気弁駆動制御装置が種々提案されている。一例として、特開平8−177434号には、低速カムと高速カムの切換により吸排気弁の作動角及びバルブリフト量を2段階に変化させるバルブリフト調整機構(第1可変動弁機構)と、クランクシャフトに対してカムシャフトを相対的に回動させることにより、上記作動角の中心位相を変化させるバルブタイミング調整機構(第2可変動弁機構)と、を兼ね備えた吸排気弁駆動制御装置が開示されている。
【0003】
このように、リフト作動角(バルブリフト及び/又は作動角)及びその中心位相の両者を変更できると、バルブリフト特性の自由度が高く、機関運転性能を大幅に高めることができる。また、上記の公報では、両可変動弁機構がそれぞれ油圧切換弁を介して油圧により駆動制御され、その駆動源に共通のオイルポンプが用いられているため、駆動系の簡素化が図られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような2つの可変動弁機構を同時に駆動すると、機関運転状態によっては、切換途中のバルブリフト特性が不正確になり、運転性や燃費・排気性能等の低下を招くおそれがある。
【0005】
特に、リフト作動角及びその中心位相の双方が連続的に変化する形式のものでは、両者ともに中間位置を取り得るため、切換途中のバルブリフト特性がさらに不正確となりやすい。
【0006】
加えて、上記公報のように両可変動弁機構が共通の駆動源によって駆動されるものでは、両動弁機構を同時に駆動した場合に、共通の駆動源であるオイルポンプ等への負荷が大きく、オイルポンプの大型化を招いてしまう。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明に係る内燃機関の吸排気弁駆動制御装置は、吸排気弁の作動角及び/又はバルブリフト量を変化させる第1可変動弁機構と、上記吸排気弁の作動角の中心位相を変化させる第2可変動弁機構と、上記第1,第2可変動弁機構の双方を駆動制御する制御部と、上記作動角及び/又はバルブリフト量の現在値を検出又は推定する第1現在値取得手段と、上記中心位相の現在値を検出又は推定する第2現在値取得手段と、を有している。
【0008】
そして、上記制御部は、機関運転状態に応じて上記作動角及び/又はバルブリフト量の目標値と上記中心位相の目標値とを設定し、少なくとも上記作動角及び/又はバルブリフト量の目標値と現在値との差が所定量の第1しきい値を越えているとともに、上記中心位相の目標値と現在値との差が所定量の第2しきい値を越えている場合に、上記第1,第2可変動弁機構の一方を先に駆動する順次駆動制御を行い、それ以外の場合には上記順次駆動制御を行わない。
【0009】
すなわち、リフト作動角(作動角及び/又はバルブリフト量)及び中心位相の双方の切換量(目標値と現在値との差)がそれぞれのしきい値を越えている場合に、一方の可変動弁機構のみを先に駆動する。このため、2つの可変動弁機構を同時に駆動開始する場合に比して、駆動用の油圧や電圧の低下が抑制され、バルブリフト特性のバラツキの低減化,バルブオーバーラップ量等のバラツキの低減化等を図ることができ、かつ、リフト特性の切換応答性が向上し、運転性や燃費・排気性能等が向上する。
【0010】
上記順次駆動制御では、より好ましくは、上記作動角及び/又はバルブリフト量,上記中心位相の一方が先に目標値へ到達するまで、第1,第2可変動弁機構の一方のみを駆動した後、第1,第2可変動弁機構の他方のみを駆動する。
【0011】
この場合、両動弁機構が同時に駆動されることがないので、上述した作用効果をより確実に得ることができる。
【0012】
また、上記の順次駆動制御において、第1,第2可変動弁機構の駆動順序は、要求リフト特性や、制御の簡素化,低コスト化等の要求や、そのときの機関運転状態等に応じて異なる。
【0013】
第1の例として、上記作動角及び/又はバルブリフト量の現在値が目標値よりも小さい場合、上記第2可変動弁機構を先に駆動し、上記作動角及び/又はバルブリフト量の現在値が目標値よりも大きい場合、上記第1可変動弁機構を先に駆動する。
【0014】
この場合、リフト作動角が相対的に小さい状態で、中心位相が切り換えられる形となる。このため、中心位相を変更する第2可変動弁機構の駆動エネルギーが抑制され、更なるバルブリフト特性のバラツキの低減化,切換応答性の向上を図ることができる。
【0015】
第2の例として、加速時には第2可変動弁機構を先に駆動し、減速時には第1可変動弁機構を先に駆動する。
【0016】
この場合も、加速,減速時共に、リフト作動角が相対的に小さい状態で、中心位相が切り換えられる形となる。このため、中心位相を変更する第2可変動弁機構の駆動エネルギーが抑制され、更なるバルブリフト特性のバラツキの低減化,切換応答性の向上を図ることができる。更に、順次駆動制御において、加速,減速の判定を行うことにより、上記第1の例のような目標値と現在値との比較,判定処理を省略でき、その分、制御が簡素化される。
【0017】
第3の例として、燃費,排気性能等の向上を図るために、アイドル域のバルブリフト量及び/又は作動角が低速全開域よりも更に小さく設定されているような場合、好ましくは、このようなアイドル域つまり小リフト状態からの加速時に、第1可変動弁機構を先に駆動する。これにより、吸入抵抗が迅速に低減して、加速性が向上し、かつ、不整運動,サージ音の発生を有効に防止できる。
【0018】
第4の例として、減速時には第1可変動弁機構を先に駆動する。これによって、バルブオーバーラップによる燃焼改善効果をある程度維持しつつ、ガス流動が迅速に強化される。
【0019】
第5の例として、減速時における不整運動やサージ音の発生を抑制するために、この減速時に第2可変動弁機構を先に駆動する。
【0020】
ところで、燃料カット領域(アイドルSWがONの状態)では、燃焼が行われないため、バルブリフト特性が多少ばらついても運転性等が悪化することはない。
【0021】
そこで、好ましくは、少なくとも燃料カット領域を除く機関運転状態で、上記順次駆動制御を行う。つまり、燃料カット領域では、制御の簡略化を図るために、上記の順次駆動制御を行わない。
【0022】
特に、2つの可変動弁機構が油圧により駆動制御される場合、油圧OFFのときにアイドル域となるように設定すれば、アイドルSWのONと同時に2つの可変動弁機構の制御油圧をOFFとすれば良く、制御が簡素化されるとともに切換応答性も向上する。
【0023】
請求項10の発明では、上記第1可変動弁機構が、制御軸を回動することにより吸排気弁のバルブリフト量及び/又は作動角を変化させ、上記第1現在値取得手段が、上記制御軸の回転角に基づいてバルブリフト量及び/又は作動角の現在値を推定し、上記第2可変動弁機構が、吸排気弁を駆動する駆動軸をクランクシャフトに対して相対的に回動することにより作動角の中心位相を変化させ、上記第2現在値取得手段が、上記駆動軸及びクランクシャフトの回転角の位相差に基づいて上記作動角の中心位相の現在値を推定するものを前提としている。
【0024】
このような場合、中心位相の現在値はカム1回転に1回しか得られないため、この中心位相を目標値に安定制御するまでにかかる時間が相対的に長くなる。従って、好ましくは目標バルブリフト特性に到達するまでの時間を短縮するために、上記順次駆動制御において上記第2可変動弁機構を先に駆動する。
【0025】
特に、上記第1,第2可変動弁機構が共通の駆動源により駆動される場合、仮に両動弁機構を同時に駆動した場合に駆動エネルギーが不足し易いために、本発明のように、2つの同弁機構を順次駆動制御することが非常に有効である。
【0026】
【発明の効果】
以上のように本発明では、リフト作動角及び中心位相の双方を所定のしきい値以上変化させる場合に、2つの可変動弁機構の一方を先に駆動するようにした。このため、2つの可変動弁機構を同時に駆動開始する場合に比して、駆動用の油圧や電圧の低下が抑制され、バルブリフト特性のバラツキの低減化,バルブオーバーラップ量等のバラツキの低減化等を図ることができ、かつ、リフト特性の切換応答性が向上し、運転性や燃費・排気性能の悪化を効果的に防止できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1〜3は、本発明に係る吸排気弁駆動制御装置を、車両用内燃機関の吸気弁側に適用した一実施形態を示している。内燃機関の各気筒には一対の吸気弁12,12及び図外の排気弁が設けられ、各吸排気弁はシリンダヘッド11に図外のバルブガイドを介して摺動自在に支持されている。そして、吸排気弁駆動制御装置は、吸気弁12,12の作動角及びバルブリフト量(リフト作動角)を連続的に変化させる第1可変動弁機構1と、吸気弁12,12の作動角の中心位相(バルブタイミング)を連続的に変化させる第2可変動弁機構2と、両機構1,2を機関運転状態に応じて駆動制御するコントローラ(制御部)37と、を備えている。
【0028】
第1可変動弁機構1は、図1〜図3に示すように、シリンダヘッド11上部の軸受14に回転自在に支持された中空状の駆動軸13と、この駆動軸13に圧入などによって固設された偏心回転カムである2つの駆動カム15,15と、駆動軸13に揺動自在に支持されて、各吸気弁12,12の上端部に配設されたバルブリフタ16,16の平坦な上面16a,16aに摺接して各吸気弁12,12を開作動させる摺動カム17,17と、駆動カム15と揺動カム17,17との間に連係されて、駆動カム15の回転力を揺動カム17,17の揺動力として伝達する伝達機構18と、この伝達機構18の作動位置を可変制御する制御機構19とを備えている。
【0029】
駆動軸13は、機関前後方向に沿って配置されていると共に、一端部に設けられた後述する可変機構2のタイミングスプロケット40に巻装された図外のタイミングチェーン等を介して機関のクランクシャフトから回転力が伝達されている。
【0030】
軸受14は、図1に示すようにシリンダヘッド11の上端部に設けられて、駆動軸13の上部を支持するメインブラケット14aと、このメインブラケット14aの上端部に設けられて、後述する制御軸32を回転自在に支持するサブブラケット14bとを有し、両ブラケット14a,14bが一対のボルト14c,14cによって上方から共締め固定されている。
【0031】
両駆動カム15は、図1〜図3に示すようにほぼリング状を呈し、カム本体15aと、このカム本体15aに一体に設けられた筒状部15bとからなり、内部軸方向に駆動軸挿通孔15cが貫通形成されていると共に、カム本体15aの軸心Xが駆動軸13の軸心Yから径方向へ所定量だけオフセットしている。また、この各駆動カム15は、両バルブリフタ16,16に干渉しない軸方向外側位置で駆動軸13に駆動軸挿通孔15cを介して圧入固定されていると共に、両方のカム本体15a,15aの外周面15d,15dが同一のカムプロフィールに形成されている。
【0032】
揺動カム17は、外周にカム面22が形成された偏心板状の一対のカム本体を主体とし、その一端部側の円環状の基端部20には駆動軸13が嵌挿されて回転自在に支持される支持孔20aが貫通形成されていると共に、他端部のカムノーズ部21にピン孔21aが貫通形成されている。上記のカム面22には、基端部20側の基円面22aと、この基円面22aからカムノーズ部21側に円弧状に延びるランプ面22bと、このランプ面22bの先端側に有するリフト面22cと、が形成され、これらの基円面22a,ランプ面22b及びリフト面22cが、揺動カム17の揺動位置に応じて各バルブリフタ上面16aの所定位置に当接するようになっている。
【0033】
伝達機構18は、図2に示すように駆動軸13の上方に配置されたロッカアーム23と、このロッカアーム23の一端部23aと駆動カム15とを連係するリンクアーム24と、ロッカアーム23の他端部23bと揺動カム17とを連係する連係部材であるリンクロッド25とを備えている。ロッカアーム23は、図3に示すように、平面からみてほぼクランク状に折曲形成され、中央に有する筒状基部23cが後述する制御カム33に回転自在に支持されている。また、各基部23cの各外端部に突設された一端部23aには、図2及び図3にも示すように、リンクアーム24と相対回転自在に連結するピン26が挿通されるピン孔23dが貫通形成されている一方、各基部23cの各内端部に夫々突設された他端部23bには、各リンクロッド25の一端部25aと相対回転自在に連結するピン27が挿通されるピン孔23eが形成されている。
【0034】
また、リンクアーム24は、比較的大径な円環状の基部24aと、この基部24aの外周面所定位置に突設された突出端24dとを備え、基部24aの中央位置には、駆動カム15のカム本体15aの外周面に回転自在に嵌合する嵌合孔24cが形成されている一方、突出端24bには、ピン26が回転自在に挿通するピン孔24dが貫通形成されている。
【0035】
さらに、リンクロッド25は、図2にも示すように所定長さのほぼく字形状に折曲形成され、両端部25a,25bには、図3に示すようにピン挿通孔25c,25dが形成されており、この各ピン挿通孔25c,25dに、ロッカアーム23に他端部23bに有するピン孔23eと揺動カム17のカムノーズ部21に有するピン孔21aにそれぞれ挿通した各ピン27,28の端部が回転自在に挿通している。
【0036】
そして、このリンクロッド25は、揺動カム17の最大揺動範囲をロッカアーム23の揺動範囲内に規制するようになっている。
【0037】
なお、各ピン26,27,28の一端部には、リンクアーム24やリンクロッド25の軸方向の移動を規制するスナップリング29,30,31が設けられている。
【0038】
制御機構19は、機関前後方向に配設された制御軸32と、この制御軸32の外周に固定されてロッカアーム23の揺動支点となる制御カム33と、制御軸32の回転位置を制御するアクチュエータ34とから構成されている。
【0039】
制御軸32は、駆動軸13と並行に設けられて、前述のように軸受14のメインブラケット14aの上端部の軸受溝とサブブラケット14bとの間に回転自在に支持されている。一方、各制御カム33は、夫々円筒状を呈し、図2に示すように軸心P1位置が制御軸32の軸心P2からα分だけ偏心している。
【0040】
アクチュエータ34は、駆動シャフト34aの先端部に設けられた第1平歯車35と制御軸32の後端部に設けられた第2平歯車36との噛合いを介して、制御軸32に回転力を伝達するようになっている。
【0041】
なお、このアクチュエータ34は、油圧式又は電気制御式のどちらでもよいが、ここではより安価なステップモータ式の油圧アクチュエータとしている。そして、この油圧アクチュエータ34と、ソレノイド型の流路切り換え弁60とを用いて、機関の運転状態を検出するコントローラ37からの制御信号に基づいて、制御軸32の回転位相が多段階に調整,制御される。
【0042】
一方、第2可変動弁機構2は、図1に示すように駆動軸13の先端部側に設けられ、図外のタイミングチェーンによって機関のクランクシャフトから回転力が伝達されてこのクランクシャフトと同期して回転するタイミングスプロケット40と、駆動軸13の先端部にボルト41によって軸方向から固定されたスリープ42と、タイミングスプロケット40とスリープ42との間に介装された筒状歯車43と、この筒状歯車43を駆動軸13の前後軸方向へ駆動させる駆動機構である油圧回路44とから構成されている。
【0043】
タイミングスプロケット40は、筒状本体40aの後端部にチェーンが巻装されるスプロケット部40bがボルト45により固定されていると共に、筒状本体40aの前端開口がフロントカバー40cによって閉塞されている。また、筒状本体40aの内周面には、はす歯形のインナ歯が形成されている。
【0044】
スリープ42は、後端側に駆動軸13の先端部が嵌合する嵌合溝が形成されていると共に、前端部の保持構内にはフロントカバー40cを介してタイミングスプロケット40を前方に付勢するコイルスプリング47が装着されている。また、スリープ42の外周面には、はす歯形のアウタ歯48が形成されている。
【0045】
筒状歯車43は、軸直角方向から2分割されて前後の歯車構成部がピンとスプリングによって互いに接近する方向に付勢されていると共に、内外周面には各インナ歯46とアウタ歯48に噛合いするはす歯形の内外歯が形成されており、前後に形成された第1,第2油圧室49,50へ相対的に供給される油圧によって各歯間を摺接しながら前後軸方向へ移動するようになっている。また、この筒状歯車43は、フロントカバー40cに突当った最大前方移動位置で吸気弁12を最遅角位置に制御する一方、最大後方移動位置で最進角位置に制御するようになっている。さらに、第2油圧室50内に弾装されたリターンスプリング51によって第1油圧室49の油圧が供給されない場合に最大前方移動位置に付勢されるようになっている。
【0046】
油圧回路44は、図外のオイルパンと連通するオイルポンプ52に下流側に接続されたメインギャラリ53と、このメインギャラリ53の下流側で分岐して第1,第2油圧室49,50に接続された第1,第2油圧通路54,55と、分岐位置に設けられたソレノイド型の流路切り換え弁56と、この流路切り換え弁56に接続されたドレン通路57とから構成されている。
【0047】
流路切り換え弁56は、第1可変動弁機構1のアクチュエータ34を流路切り換え弁60を介して駆動制御する同じコントローラ37からの制御信号によって、切り換え駆動されるようになっている。
【0048】
このように、2つの可変動弁機構1,2を共通の駆動源としてオイルポンプ52によって駆動しているため、特に駆動系の構成の簡素化,低コスト化が図られている。
【0049】
コントローラ37は、クランク角センサからの機関回転数信号、エアフロメータからの吸気流量信号(負荷)及び機関油温センサなど各種のセンサからの検出信号に基づいて現在の機関運転状態を演算等により検出すると共に、制御軸32の現在の回転位置を検出する第1位置検出センサ58や、駆動軸13とタイミングスプロケット40(クランクシャフト)との相対回転位相差を間接的に検出する第2位置検出センサ59からの信号に基づいて、流路切り換え弁60及び流路切り換え弁56に制御信号を出力している。
【0050】
すなわち、コントローラ37は、機関回転数、負荷、油温、機関始動後の経過時間などの情報に基づいて、吸気弁12のリフト作動角(バルブリフト量又は作動角)の目標値Qtを設定する。また、第1位置検出センサ58により検出される制御軸32の回転位置に基づいて、リフト作動角の現在値Qnを推定する。これらの目標値Qtと現在値Qnとに基づいて、後述するように、流路切り換え弁60へ指令信号を出力してアクチュエータ34を駆動させることにより、制御軸32を介して制御カム33を所定回転角度位置まで回転制御する。
【0051】
同様に、コントローラ37は、機関回転数、負荷、油温、機関始動後の経過時間などの情報に基づいて、吸気弁12の作動角の中心位相(あるいはバルブリフト量が最大となるときの位相)の目標値Rtを決定する。また、第2位置検出センサ59により、中心位相の現在値Rnを検出する。これらの目標値Rt及び現在値Rnに基づいて、流路切り換え弁56へ指令信号を出力する。例えば、第1油圧通路54とメインギャラリ53とを所定時間連通させると共に、第2油圧通路55とドレン通路57とを所定時間連通させる。この場合、筒状歯車43を介してタイミングスプロケット40と駆動軸13との相対回転位置が進角側へ移動する。
【0052】
なお、上記リフト作動角及び中心位相をより正確に調整,制御するために、好ましくは、第1,第2位置検出センサ58,59からの検出信号に基づいてフィードバック制御が行なわれる。
【0053】
図4は、上記第1,第2可変機構1,2によるバルブリフト特性の変化の様子を示している。同図に示すように、第1可変動弁機構1を駆動した場合、矢印(イ)に示すように、その構造上、作動角の中心位相が略一定のままで、作動角及びバルブリフト量の双方が連続的に増減する。一方、第2可変動弁機構2を駆動すると、矢印(ロ)に示すように、作動角及びバルブリフト量が一定のままで、作動角の中心位相が進角又は遅角側へ移動する。
【0054】
図5〜8は、吸気弁12のバルブリフト特性の制御マップを示しており、これらのマップは、例えば上記のコントローラ37に予め記憶されている。図中、横軸の右方向が吸気弁開時期(IVO)の進角方向に対応し、縦軸の上方向が吸気弁閉時期(IVC)の遅角方向に対応している。また、網線領域は両動弁機構1,2によるリフト特性の可変制御範囲を表しており、矢印A1は第1可変動弁機構1による作動角の変化方向に対応し、矢印A2は第2可変動弁機構2による作動角の中心位相の変化方向に対応している。
【0055】
アイドル域では、リフト作動角が最小値Q1となるように制御され、かつ、中心位相が最遅角値R1となるように制御される。これにより、作動角及びバルブリフト量の低減化により、フリクションの低減化及びガス流動向上による燃焼改善を図ることができる。また、IVOの遅角化により、バルブオーバーラップのマイナス化による残留ガスの低減化を図ることができる。更に、作動角の低減化により、ピストン上面の吸入負圧にさらされる期間が短縮化され、ポンプ損失が抑制される。また、IVCの遅角化により、下死点近傍での有効圧縮比が増し、燃焼安定性が向上する。
【0056】
また、部分負荷域(加速代表点)では、その回転速度及び負荷により多少異なるが、典型的には、リフト作動角が小リフト作動角寄りの中間値Q2となるように制御され、かつ、中心位相が最進角値R2となるように制御される。これにより、小作動角化及び小リフト化によるフリクションの低減化,小リフト化によるガス流動の向上及び燃焼改善を図ることができる。また、IVOの進角化により適切なバルブオーバーラップが与えられ、内部EGRの増加によるポンプ損失が低減化される。更に、IVCの進角化によりポンプ損失が低減される。
【0057】
更に、低速全開域〜中速全開域〜高速全開域では、好ましくは、中心位相が最遅角値R1となるように制御される。また、リフト作動角は、機関回転速度の増加に応じて大きくなるように制御され、特に高速全開域では最大値Q3となるように制御される。これにより、IVO及びIVCが機関回転速度に応じた適切なものとなり、所望のバルブオーバーラップが得られるため、充填効率が向上し、燃焼安定性を確保しつつ最大出力の向上を図ることができる。
【0058】
ここで、2つの可変動弁機構1,2で共用される駆動用のエンジン油圧(又は電圧)が十分に供給できない低回転低負荷域等でも、回転速度や負荷等の運転条件によっては、両動弁機構1,2の双方を駆動して、リフト作動角及び中心位相の双方をある程度変更しなければならない場合がある。例えば、図5に示すように、アイドル域と部分負荷域との間の過渡時、すなわち、回転速度及び負荷が共に増加又は減少する加速時又は減速時には、リフト作動角を変化させるとともに(Q1〜Q2)、中心位相も大きく変化させる必要がある(R1〜R2)。
【0059】
このような過渡時におけるバルブリフト特性のバラツキを抑制するために、中間目標値Q0,R0を設定し、この中間目標値Q0,R0を経由してリフト特性の切換を行うことも考えられる。しかしながら、この場合、リフト作動角及び中心位相の双方が中間目標値Q0,R0に到達するまで2つの可変動弁機構1,2を駆動制御した後に、最終的な目標値Q2,R2又はQ1,R1へ向けて両動弁機構1,2をあらためて駆動させることになり、制御が複雑化するとともに、リフト特性の切換応答性も低下する。
【0060】
そこで、上記過渡時のような所定の運転状態では、動弁機構1,2の一方のみを先に駆動して、バルブ作動角又は中心位相の一方を目標値に到達させた後に、動弁機構1,2の他方を駆動して、バルブ作動角又は中心位相の他方を目標値に到達させる。これにより、バルブリフト特性のバラツキを抑制しつつ、リフト特性の切換応答性を向上することができる。
【0061】
特に、2つの動弁機構1,2を、上記のオイルポンプ52のように同一のエネルギー源で駆動する構成の場合、両機構1,2によるバルブリフト特性の切換中に、駆動用の油圧(又は電圧)すなわち駆動エネルギーが不足して、バルブリフト特性のバラツキが発生し易いため、上記のように動弁機構1,2を順次駆動制御することは非常に有効である。
【0062】
図9は、コントローラ37により実行されるフローチャートの一部であり、上記のような動弁機構1,2の順次駆動制御を行うか否かの判定処理の一例を示している。
【0063】
先ず、各種センサ等から読み込まれる機関運転状態(ステップ1)に基づいて、第1可変動弁機構1により変更されるリフト作動角の目標値Qtと、第2可変動弁機構2により変更される中心位相の目標値Rtと、が設定される(ステップ3)。
【0064】
続くステップ4では、リフト作動角の目標値Qtと現在値Qnとの差、すなわちリフト作動角の変更量(切換量)が、所定のしきい値Qsと比較される。また、ステップ5では、中心位相の目標値Rtと現在値Rnとの差、すなわち中心位相の変更量が、所定のしきい値Rsと比較される。そして、リフト作動角の変更量が所定値Qsを越えており、かつ、中心位相の変更量が所定値Rsを越えている場合、つまり、リフト作動角及び中心位相の双方を所定量Qs,Rs以上変更する必要がある場合、ステップ6へ進み、以下の実施例で詳述するように、両動弁機構1,2の一方を先に駆動し、次いで他方を駆動する順次駆動制御ルーチンが実行される。それ以外の場合には、例えば両動弁機構1,2を同時に駆動する通常の制御処理が行われる(ステップ7)。
【0065】
ここで、動弁機構1,2の駆動順序は、要求リフト特性や、制御の簡素化等の要求や、機関運転状態等に応じて異なるものとなり、その幾つかの実施例を、図5〜14を参照して詳述する。なお、図10〜14は、図9(及び図15)のステップ6で実行される順次駆動制御ルーチンを表している。
(第1実施例,図5及び図10参照)
この第1実施例では、図5に示すように、主に制御の簡素化を図る目的で、アイドル域から部分負荷域への加速時や、部分負荷域からアイドル域への減速時等にかかわらず、第2可変動弁機構2のみを先に駆動制御し(矢印Y1,Y3)、次いで第1可変動弁機構1のみを駆動制御している(矢印Y2,Y4)。
【0066】
図10に基づいて具体的に説明すると、先ず、ステップ11,12では、第2位置検出センサ59からの検出信号に基づいて、中心位相の現在値Rnが目標値Rtに達するまで、第2可変動弁機構2のみが先に駆動制御される。続くステップ13,14では、第1位置検出センサ58からの検出信号に基づいて、リフト作動角の現在値Qnが目標値Qtに達するまで、第1可変動弁機構1のみが先に駆動制御される。
(第2実施例,図6及び図11参照)
この第2実施例では、図6に示すように、第2可変動弁機構2を駆動するために必要な駆動エネルギーをできるだけ抑制するために、第2可変動弁機構2による中心位相の変更(矢印Y5,Y8)を、リフト量が相対的に小さい状態で行うようにしている。つまり、アイドル域から部分負荷域へ移行する場合のように、リフト作動角の目標値Q2が現在値Q1よりも大きい場合、先に中心位相を変更し(矢印Y5)、後からリフト作動角を増加させる(矢印Y6)。一方、部分負荷域からアイドル域へ移行する場合のように、リフト作動角の目標値Q1が現在値Q2よりも小さい場合には、先にリフト作動角を減少させてから(矢印Y7)、中心位相を変更する(矢印Y8)。
【0067】
図8を参照してより具体的に説明すると、ステップ21で、リフト作動角の現在値Qnが目標値Qtよりも小さいと判定されると、ステップ22,23へ進み、中心位相の現在値Rnが目標値Rtに到達するまで、第2可変動弁機構2のみを先に駆動制御する。続くステップ24,25では、リフト作動角の現在値Qnが目標値Qtに達するまで、第1可変動弁機構1が駆動制御される。
【0068】
一方、ステップ21で、リフト作動角の現在値Qnが目標値Qt以上であると判定されると、ステップ26,27へ進み、リフト作動角の現在値Qnが目標値Qtに到達するまで、第1可変動弁機構1のみが先に駆動制御される。そして、第1可変動弁機構1によるリフト作動角の切換が終了すると、ステップ28,29へ進み、中心位相の現在値Rnが目標値Rtに到達するまで、第2可変動弁機構2が駆動制御される。
【0069】
このような本実施例は、上記の第1実施例に比して、その制御が若干複雑化するものの、第2可変動弁機構2の駆動力が効果的に抑制されるため、駆動系の小型化が図られるとともに、切換応答性が更に向上する。
(第3実施例,図6及び図12参照)
図6に示すように、一般的に、アイドル域から部分負荷域へ移行する場合のような加速時には、リフト作動角は増加方向へ変更され(Y6)、部分負荷域からアイドル域へ移行する場合のような減速時には、リフト作動角は減少方向へ変更される(Y7)。そこで、この第3実施例では、機関回転数等に基づいて機関運転状態が加速又は減速状態であるかを判定し、加速時には第2可変動弁機構2を先に駆動制御し(Y5)、減速時には第1可変動弁機構1を先に駆動制御している(Y7)。
【0070】
より具体的には、図12に示すように、ステップ31において機関回転数等に基づいて加速,減速の判定を行い、加速と判定された場合には、ステップ32,33へ進み、中心位相の現在値Rnが目標値Rtに到達するまで、第2可変動弁機構2のみを先に駆動制御する。続くステップ34,35では、リフト作動角の現在値Qnが目標値Qtに達するまで、第1可変動弁機構1が駆動制御される。
【0071】
一方、ステップ31で減速と判定されると、ステップ36,37へ進み、リフト作動角の現在値Qnが目標値Qtに到達するまで、第1可変動弁機構1のみが先に駆動制御される。そして、第1可変動弁機構1によるリフト作動角の切換が終了すると、ステップ38,39へ進み、中心位相の現在値Rnが目標値Rtに到達するまで、第2可変動弁機構2が駆動制御される。
【0072】
この第3実施例では、加速時及び減速時の双方で、第2可変動弁機構2の駆動力が有効に抑制され、上記の第2実施例と同様、切換時のバルブリフト特性のバラツキを抑制しつつ、切換応答性を向上させて、運転性の悪化を確実に抑制することができることに加え、加速,減速の判定処理(ステップ31)を行うことにより、第2実施例のようなリフト作動角の目標値Qtと現在値Qnとの比較,判定処理(ステップ21)を省略することができ、より制御が簡素化される。
(第4実施例,図7及び図13)
この第4実施例では、図7の矢印Y10に示すように、小リフトからの加速時には、先にリフト量が増加するように、第1可変動弁機構1のみを先に駆動制御している。これによって、吸入抵抗が迅速に低減され、加速性の向上を図ることができる。また、機関回転速度が上昇する加速時に、先にバルブリフト量が増加するために、運動限界的にも有利であり、かつ、過渡時におけるサージ音の発生を有効に防止できる。
【0073】
ところで、上記の第1可変動弁機構1のようにリフト量及び作動角を連続的に変更可能な動弁機構を用いたシステムでは、図7にも示すように、アイドル域におけるバルブリフト量及び作動角Q1を、低速全開域よりも更に小さく設定することにより、燃費・排気等の更なる向上を図ることができる。しかしながら、このような極小リフト作動角Q1の状態のままで加速が行われると、吸入抵抗が大きいために充填効率が低下し、加速性の悪化を招き易い。また、リフト量が極めて小さいためにバルブスプリング力の余裕が小さく、このため、不整運動発生・サージ音の発生を招きやすい。従って、このような極小リフト作動角Q1等の小リフト状態からの加速時には、上記のように先にリフト量を増加させることにより、加速性の低下が有効に抑制され、かつ、バルブスプリング力の余裕分が迅速に増加することとなるため、不整運動・サージ音等の発生を抑制することができる。
【0074】
一方、部分負荷域からアイドル域への過渡時のように、バルブオーバーラップ量が比較的大きい状態(中心位相が進角している状態)からの減速時には、先ず第1可変動弁機構1のみを駆動制御し、先にリフト量を優先的に減少させる(矢印Y11)。これによって、バルブオーバーラップによる燃焼改善効果を維持しつつ、ガス流動が迅速に強化され、運転性や燃費・排気性能を有効に向上することができる。
【0075】
一例として、図13に示すルーチンでは、主に制御の簡素化を図る目的で、加速時及び減速時共に、先ず第1可変動弁機構1のみを駆動制御して、リフト作動角を先に目標値Qtまで変化させている(ステップ41,42)。次いで、ステップ43,44において、中心位相の現在値Rnが目標値Rtに到達するまで、第2可変動弁機構2を駆動制御している。
(第5実施例,図8及び図14参照)
減速時には、エンジンイナーシャにより急激な回転低下は発生しないが、不整運動・サージ音は起こり得る。そこで、この第5実施例では、減速時には、バルブスプリング力の余裕分が相対的に大きな大リフト状態で、中心位相を優先して目標値に到達させてから(Y12)、リフト作動角を変更している(Y13)。これにより、減速時における不整運動やサージ音の発生等をより確実に防止できる。
【0076】
一方、加速時には、上記第4実施例と同様、リフト作動角を先に変更した後(Y14)、中心位相を変化させている(Y15)。
【0077】
具体的には、図14に示すように、ステップ51で加速と判定された場合、リフト作動角の現在値Qnが目標値Qtに達するまで第1可変動弁機構1が駆動制御された後に(ステップ52,53)、中心位相の現在値Rnが目標値Rtに達するまで第2可変動弁機構2が駆動制御される(ステップ54,55)。一方、ステップ51で減速と判定された場合、中心位相の現在値Rnが目標値Rtに達するまで第2可変動弁機構2を駆動してから(ステップ56,57)、リフト作動角の現在値Qnが目標値Qtに達するまで第1可変動弁機構1を駆動する(ステップ58,59)。
(第6実施例,図15参照)
図15は、上述した図9に示す順次駆動制御を行うか否かの判定ルーチンの他の例を示している。アイドルSWがONで燃料カットを行っているような燃料カット領域では、燃焼が行われないため、バルブリフト特性が多少ばらついても機関運転性への悪影響は少ない。そこで、この実施例では、主に制御の簡略化を図るために、ステップ1で読み込まれる機関運転状態に基づいて、燃料カット領域であるか否かを判定し(ステップ2)、燃料カット中と判定された場合には、ステップ7へ進んで両動弁機構1,2を同時に駆動させる通常の制御を行い、上記第1〜5実施例のような順次駆動制御を行わないようにしている。
【0078】
特に、上記吸排気弁駆動制御装置のように、両動弁機構1,2が共に油圧駆動の場合には、その制御油圧がOFFのときにアイドル位置となるように設定すれば、アイドルSWのONと同時に両可変動弁機構1,2への制御油圧をOFFとすれば良く、制御が簡素化されるとともに切り換え応答性も向上する。
(第7実施例)
上記吸排気弁駆動制御装置のように、第1位置検出センサ58により検出される制御軸32の角度に基づいてリフト作動角(バルブリフト量又は作動角)の現在値Qnを推定する一方、第2位置検出センサ59により検出される駆動軸13の回転角とクランクシャフトの回転角との位相差に基づいて、中心位相の現在値Rnを推定する形式の可変動弁システムでは、中心位相の現在値Rnが最速でもカム1回転に1回しか得られないため、目標値に安定制御されるまでにかかる時間も相対的に長くなる。そこで好ましくは、実質的に目標値に到達するまでにかかる時間差の分、第2可変動弁機構2を先に駆動制御して、中心位相を先行して変更させる。そして、上記の時間差が過ぎた時点で、第1可変動弁機構1も駆動して、リフト作動角を変更させる。これにより、目標バルブリフト特性への到達時間を更に短縮することができる。
【0079】
なお、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変形,変更を含むものである。
【0080】
例えば、上記の例ではリフト作動角又は中心位相の一方が先に目標値に到達してから他方を変更する処理としているが、これに限らず、目標値に対して一定の割合、例えばオーバーシュート防止のために油量(又は電流)の低減を開始する時点で、他方のバルブリフト特性の変更を開始するようにしても良い。
【0081】
また、上記の例では、第1可変動弁機構がバルブリフト量と作動角の双方を変化させる構成となっているが、バルブリフト量のみ、あるいは作動角のみを変化させるものであっても良い。
【0082】
更に、第1,第2可変動弁機構を共に吸気弁側にのみ設定した場合について説明してきたが、これに限らず、例えば2つの可変動弁機構を共に排気弁側に適用したり、一方の可変動弁機構を吸気弁側,他方の可変動弁機構を排気弁側に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る内燃機関の吸排気弁駆動制御装置を示す概略構成図。
【図2】図1のA−A線に沿う断面対応図。
【図3】図1の吸排気弁駆動制御装置の第1可変動弁機構を示す平面対応図。
【図4】上記吸排気弁駆動制御装置の第1,第2可変動弁機構によるバルブリフト特性の変化を示す特性図。
【図5】上記第1,第2可変動弁機構の制御マップ。
【図6】同じく上記第1,第2可変動弁機構の制御マップ。
【図7】同じく上記第1,第2可変動弁機構の制御マップ。
【図8】同じく上記第1,第2可変動弁機構の制御マップ。
【図9】上記第1,第2可変動弁機構の駆動制御の流れを示すフローチャート。
【図10】図9,15のフローチャートで実行される順次駆動制御ルーチン。
【図11】図9,15のフローチャートで実行される順次駆動制御ルーチン。
【図12】図9,15のフローチャートで実行される順次駆動制御ルーチン。
【図13】図9,15のフローチャートで実行される順次駆動制御ルーチン。
【図14】図9,15のフローチャートで実行される順次駆動制御ルーチン。
【図15】上記第1,第2可変動弁機構の駆動制御の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
1…第1可変動弁機構
2…第2可変動弁機構
12…吸気弁
13…駆動軸
32…制御軸
34…アクチュエータ
37…コントローラ
52…オイルポンプ
Claims (11)
- 吸排気弁の作動角及び/又はバルブリフト量を変化させる第1可変動弁機構と、上記吸排気弁の作動角の中心位相を変化させる第2可変動弁機構と、上記第1,第2可変動弁機構の双方を駆動制御する制御部と、上記作動角及び/又はバルブリフト量の現在値を検出又は推定する第1現在値取得手段と、上記中心位相の現在値を検出又は推定する第2現在値取得手段と、を有し、
上記制御部は、機関運転状態に応じて上記作動角及び/又はバルブリフト量の目標値と上記中心位相の目標値とを設定し、少なくとも上記作動角及び/又はバルブリフト量の目標値と現在値との差が所定量の第1しきい値を越えているとともに、上記中心位相の目標値と現在値との差が所定量の第2しきい値を越えている場合に、上記第1,第2可変動弁機構の一方を先に駆動する順次駆動制御を行い、それ以外の場合には上記順次駆動制御を行わないことを特徴とする内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。 - 上記順次駆動制御では、上記作動角及び/又はバルブリフト量,上記中心位相の一方が先に目標値へ到達するまで、第1,第2可変動弁機構の一方のみを駆動した後、第1,第2可変動弁機構の他方のみを駆動することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
- 上記順次駆動制御において、上記作動角及び/又はバルブリフト量の現在値が目標値よりも小さい場合、上記第2可変動弁機構を先に駆動し、上記作動角及び/又はバルブリフト量の現在値が目標値よりも大きい場合、上記第1可変動弁機構を先に駆動することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
- 上記順次駆動制御において、加速時には第2可変動弁機構を先に駆動し、減速時には第1可変動弁機構を先に駆動することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
- 上記順次駆動制御において、少なくとも小リフト状態からの加速時には第1可変動弁機構を先に駆動することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
- アイドル域のバルブリフト量及び/又は作動角が低速全開域よりも更に小さく設定され、
上記順次駆動制御において、少なくとも上記アイドル域からの加速時には、第1可変動弁機構を先に駆動することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。 - 上記順次駆動制御において、減速時には第1可変動弁機構を先に駆動することを特徴とする請求項5又は6に記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
- 上記順次駆動制御において、減速時には第2可変動弁機構を先に駆動することを特徴とする請求項5又は6に記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
- 少なくとも燃料カット領域を除く機関運転状態で、上記順次駆動制御が行われることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
- 上記第1可変動弁機構が、制御軸を回動することにより吸排気弁のバルブリフト量及び/又は作動角を変化させ、
上記第1現在値取得手段が、上記制御軸の回転角に基づいてバルブリフト量及び/又は作動角の現在値を推定し、
上記第2可変動弁機構が、吸排気弁を駆動する駆動軸をクランクシャフトに対して相対的に回動することにより作動角の中心位相を変化させ、
上記第2現在値取得手段が、上記駆動軸及びクランクシャフトの回転角の位相差に基づいて上記作動角の中心位相の現在値を推定し、
かつ、上記順次駆動制御では、上記第2可変動弁機構を先に駆動することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。 - 上記第1,第2可変動弁機構が共通の駆動源により駆動されることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
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