JP4117102B2 - 電子部品の外部電極形成方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層コンデンサや積層コンデンサアレイなどの電子部品の製造方法及び装置に関し、特に外部電極の形成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の電子部品の製造装置としては特許第2824888号公報に記載されているものが知られている。この製造装置は、電子部品の製造工程のうち外部電極の形成工程に用いられる装置である。この製造装置は、チップを保持しながら搬送するキャリアテープと、キャリアテープにチップを供給する装置と、キャリアテープに保持されているチップに導体ペーストを塗布する装置を主たる構成要素としている。
【0003】
キャリアテープは、ステンレスなどからなるテープ本体と、シリコンゴム等からなる弾性体とを備えている。テープ本体には、テープの幅方向に長く延びた孔がテープの長さ方向に等間隔で多数形成されている。弾性体は、テープ本体の中央部両面をテープの長さ方向に連続して覆うように形成されている。また、この弾性体には、前記テープ本体の各孔の中央部に該孔の長手方向に延びる保持孔が形成されている。この保持孔の幅は、チップの厚みよりも僅かに小さくなっている。これにより、保持孔の内側にチップを保持可能となっている。
【0004】
導体ペーストの塗布装置は、周面に転写シートが貼付された円柱を用い、前記転写シートに予め塗布した導体ペーストをキャリアテープに保持されているチップに押しつけることによりチップの側面に導体ペーストを塗布する。このとき、転写シートは、チップの一面に当接させるだけでなく、該転写シートがチップの他の側面に回り込む程度の力でチップに押しつける。これにより、チップの一面から該面と隣り合う他の面の端部に亘って導体ペーストが塗布される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の製造装置ではキャリアテープを用いてチップを搬送しているので、キャリアテープを駆動するための複数の駆動リールや、チップの両側面に導体ペーストを塗布するために用いるチップの反転装置などが必要となり、装置全体が大規模なものになるという難点があった。
【0006】
また、近年の電子部品の小型化に伴い、前記キャリアテープではチップを安定的に保持することが困難であった。そして、このチップ保持の不安定化により、高精度で所望の形状に導体ペーストを塗布できないという問題が生じていた。
【0007】
さらに、部品の小型化に伴い、導体ペーストの塗布時に転写シートの導体ペーストがキャリアテープに付着しないように、保持孔に保持されたチップをキャリアテープの厚み方向に移動させる必要が生じた。このとき、図20に示すように、チップ90の移動とともに弾性体91の縁部がめくれる現象が生じる場合がある。そして、この状態で導体ペーストを塗布すると該めくれ部分92に導体ペーストが付着するため、所望の形状に導体ペーストを塗布できないだけでなく、次回チップ挿入時に該チップに導体ペーストが付着してしまうという問題が生じていた。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡便な構成で実現でき且つ高精度で導体ペーストを塗布可能な電子部品の外部電極形成方法及び装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明では、周縁部にチップ保持部が形成され連続的又は間欠的に回転する円盤状の回転体の該チップ保持部に略直方体形状のチップを供給し、保持させる。ここで、チップは、チップ端面がチップ保持部の底面に当接しチップ側面がチップ保持部から突出した状態で回転体のチップ保持部に保持させる。そして、チップ保持部にチップを保持した状態で回転を回転させることによりチップを搬送し、チップ保持部に保持された状態でチップの両側面に導体ペーストを付着させる。そして更に、チップ保持部にチップを保持した状態で回転を回転させることによりチップを搬送し、チップ保持部に保持された状態で導体ペーストを乾燥させる。そして更に、チップ保持部にチップを保持した状態で回転を回転させることによりチップを搬送し、チップをチップ保持部から離反させる。また、回転体の一面側に支持板を密着させ、一方がチップ保持部底面に開口するとともに他方が支持板との当接面に開口した吸引通路を回転体に形成し、チップ保持工程から乾燥工程において回転体の吸引通路と連通するとともにチップ離反工程において連通が解除される吸引室を支持板の回転体との当接面に形成し、支持板の吸引室をエア吸引することによりチップを保持する。
【0010】
本発明によれば、チップは回転体に形成されたチップ保持部に保持された状態で円盤状の回転体の回転により円軌道を描いて搬送される。そして、その搬送途中においてチップの外面に導体ペーストが付着・乾燥される。このように、従来のようなキャリアテープを用いることなくチップの搬送を行うので、小規模な装置で外部電極形成を実現できる。
【0011】
また、本発明によれば、回転体の回転により支持板の吸引室と回転体の吸引通路とが連通するので、チップはエア吸引によりチップ保持部に保持される。また、さらに回転体を回転させると吸引室と吸引通路との連通が解除されるので、チップの吸引力が解除されるので、チップは回転体のチップ保持部から離反する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態に係る外部電極の形成方法及び装置について図面を参照して説明する。図1は外部電極の形成装置の概略構成図である。
【0016】
図1に示すように、この外部電極の形成装置は、投入された多数のチップ2を後述するチップ搬送板20に1個ずつ供給するチップ供給装置10と、周縁部に形成されたチップ保持部にチップ2を保持した状態で連続的又は間欠的に回転する円盤状のチップ搬送板20と、該チップ搬送板20により搬送されるチップ2の保持位置を補正する位置補正装置30と、チップ搬送板20により搬送されるチップ2の外面に導体ペーストを塗布する塗布装置40と、チップ2に塗布された導体ペーストを乾燥させる乾燥装置50とを備えている。
【0017】
ここで、本実施の形態では、電子部品の一例として図2に示すような積層コンデンサアレイ1を示す。図2は積層コンデンサアレイの外観斜視図である。この積層コンデンサアレイ1は、内部電極が埋設された略直方体形状のチップ2と、該チップ2の側面2aに厚さ方向に形成された4対の外部電極3とを備えている。この外部電極3は、チップ2の側面2aから上面及び下面の端部に亘って形成された回り込み部3aを備えている。本実施の形態では、チップ2の外形寸法は、厚み<幅<長さとなっている。
【0018】
チップ供給装置10について、図1,図3及び図4を参照して説明する。図3はチップ供給装置の図1におけるA−A’線断面図、図4はチップ供給装置の図1におけるB−B’線断面図である。
【0019】
チップ供給装置10は、円盤状の回転板11と、上部を除き回転板11の周縁及び背面側を囲む枠体12と、チップ2をチップ搬送板20方向に案内する案内板13とを備えている。チップ供給装置10は、回転体11の表面がやや上方を向くように回転軸14が水平よりやや傾いて配置されている。
【0020】
回転板11の表面周縁部には、直径方向に延びる案内溝15が等間隔で多数形成されている。案内溝15は、図3及び図4に示すように、回転体11の中心側では浅く形成されており、回転体11の縁部では深く形成されている。案内溝15の幅はチップ2の厚みよりやや大きい。また、回転体11の周縁部において案内溝15は、回転体11の厚み方向とチップ2の幅方向が一致し且つ回転体11の直径方向とチップ2の長さ方向が一致する方向でチップ2が収容可能な大きさとなっている。回転体11の周縁は前記枠体12に内接している。このような構成により、回転体11の表面側に多数投入されたチップ2は、1個ずつ案内溝15に案内されて、枠体12と回転体11の隙間、すなわち案内溝15の端部内に収容される(図3参照)。
【0021】
回転板11の背面側には、図3及び図4に示すように、前記案内板13が回転体11に衝突しないように同心円状に形成された凹部16が形成されている。また、該凹部16の外周側の壁面には、案内板13の周縁部が通過可能な溝17が形成されている。この溝17は、回転体11の周縁部まで延びており、且つ、前記案内溝15を貫通している。
【0022】
案内板13は、円盤状の案内板本体13aと、駆動モータ13bとを備えており、回転体11と同方向で回転する。案内板本体13aは、周縁部が回転体11の前記溝17に配置されている。これにより、図4に示すように、案内溝15に収容されたチップ2は回転体11の回転に伴い案内板本体13aに当接し、徐々に上方(図4では右方向)に押し出される。押し出されたチップ2は、チップ搬送板20に受け渡される。
【0023】
次に、チップ搬送板20について、図1,図5乃至図9を参照して説明する。図5はチップ搬送板の周面を拡大した図、図6はチップ搬送板の図5におけるC−C’線断面図、図7はチップ搬送板の図5におけるD−D’線断面図、図8及び図9はチップ搬送板の図5におけるE−E’線断面図である。
【0024】
チップ搬送板20は、図1に示すように、円盤状のチップ搬送板本体21と、該搬送板本体21一面側に密着して配置された円盤状の支持板22と、該支持板21に固定されチップ搬送板本体21を駆動する駆動モータ(図示省略)を備えている。チップ搬送板20は、前記チップ供給装置10の回転体11と同一平面上で、且つ、チップ搬送板本体21の下部(図1の紙面下方)が前記回転体11の上部の近傍に位置するように配置されている。チップ搬送板本体21の周面と回転体の11の周縁との距離は、チップ2の長さ方向とほぼ等しい。チップ搬送板本体21は、前記回転体11と反対方向に回転する。
【0025】
チップ搬送板本体21の周面には、図5乃至図9に示すように、チップ2を保持するチップ保持部23がチップ搬送板本体21と一体となって等間隔で形成されている。チップ保持部23は、チップ搬送板本体21の周面から台形状に突出して形成されており、その上面には保持孔24が形成されている。この保持孔24は、底面24aに向かって面積が小さくなるように壁面が傾斜して形成されている。保持孔24の底面24aは、チップ搬送板本体21の周面よりも回転軸との距離が大きい。すなわち、チップ保持部23の突出高さは、保持孔24の深さよりも大きい。保持孔24の底面24aの大きさは、チップ2の端面(幅方向と厚み方向で規定される面)の大きさとほぼ一致する。保持孔24の深さは、チップ2の端面から外部電極3までの距離よりも小さい。
【0026】
保持孔24の底面24aの中央部には、チップ搬送板本体21に埋設された吸引通路25が開口している。この吸引通路25は、チップ2をエア吸引するためのものである。この吸引通路25は、図6に示すように、チップ搬送板本体21の回転軸に向かって延びている。吸引通路25の他端側はチップ搬送板本体21の前記支持板22との当接面に開口している。該吸引通路25の開口位置は、前記支持板22に形成された吸引室26に連通する。該吸引室26は、チップ搬送板本体21との当接面に開口している。また、吸引室26は、図1に示すように、チップ搬送板本体21の回転軸を中心として弧を描くように形成されている。さらに吸引室26は、一端側とチップ搬送板本体21の回転軸とを結ぶ線が、チップ2の受け渡し位置よりもやや逆回転方向の位置で交差するよう形成され、チップ搬送板本体21の回転方向に延びている。一方、吸引室26の他端側は、該端部とチップ搬送板本体21の回転軸とを結ぶ線が、後述するチップ2の離反位置よりもややチップ搬送板本体21の回転方向に回転した位置で交差するよう形成されている。具体的には、該チップ搬送板本体21の下部よりも逆回転方向に約60°回転した場所に位置する。該吸引室26は、図示しない吸引装置によりエア吸引されている。
【0027】
このような構成により、チップ搬送板本体21を回転させると、チップ2の受け渡し位置のやや手前で吸引室26と吸引通路25が連通するので、チップ2はエア吸引により保持孔24に保持される。このときチップ2は、端面(幅方向及び厚み方向で規定される面)が保持孔24の底面24aに当接した状態で保持されており、チップ2の側面(厚み方向及び長さ方向で規定される面),上面及び下面(幅方向及び長さ方向で規定される面)の殆どが保持孔24から突出した状態で保持される。そして、さらにチップ搬送板本体21を回転させ、吸引室26と吸引通路25の連通が解除されると、チップ2の吸引力が解除されるので、チップ2はチップ搬送板本体21の保持孔25から離反する。
【0028】
チップ搬送板本体21の前記チップ保持部23には、図5に示すように、チップ2を厚み方向で挟持してチップ2の移動を規制する一対の規制部材27が周方向に並んで設けられている。該規制部材27は、保持孔24の壁面に形成された孔に収納されており、該孔から上下に移動可能に配置されている。具体的には、規制部材27は、図7乃至図9に示すように、収納時に先端部が保持孔24の壁面の一部をなす角柱状の部材からなる。規制部材27には、端部がチップ搬送板本体21の一面側に突出したL字状の駆動ピン27a及びバネ27bが設けられている。バネ27bは、規制部材27をチップ搬送板本体21の回転軸方向に付勢している。
【0029】
チップ搬送板本体21の該駆動ピン27aが突出している側には、図1に示すように、チップ搬送板本体21の回転軸を中心として弧を描き、前記駆動ピン27aと係合する係合板28が設けられている。該係合板28は、一端側とチップ搬送板本体21の回転軸とを結ぶ線が、チップ2の受け渡し位置よりもチップ搬送板本体21の回転方向に回転した位置で交差するように配置されている。係合板28の他端側は、該端部とチップ搬送板本体21の回転軸とを結ぶ線が、後述する塗布装置40による導体ペーストの塗布位置よりも回転方向に回転した場所で交差するように配置されている。係合板28の前記一端側は先端部に向かって徐々に幅が小さくなるように形成されている。
【0030】
このような構成により、図9に示すように、チップ搬送板本体21を回転させると、駆動ピン27aが係合板28と係合して徐々にチップ搬送板本体21の外周方向に移動する。これにより、駆動ピン27aと連結している規制部材27がチップ搬送板本体21の外周から突出し、該規制部材27によりチップ2が厚み方向で挟持される。そして、さらにチップ搬送板本体21を回転させると、駆動ピン27aと係合板28の係合が解除され、駆動ピン27aはバネ27bの付勢によりチップ搬送板本体21に形成された穴に収容される。
【0031】
位置補正装置30は、図1及び図10に示すように、チップ2の受け渡し位置よりもチップ搬送板20の回転方向に回転した位置であり且つチップ搬送板本体21の周縁よりも外側に配置されている。また、位置補正装置30は、円板31と該円板31を駆動する駆動モータ32とを2組備えており、チップ搬送板本体21の厚み方向に並んで配置されている。一対の円板31の間隔はチップ2の幅とほぼ等しい。各円板31は、駆動モータ32によりチップ2の搬送方向に沿って回転する。チップ搬送板20により搬送されたチップ2は、該円板31の間を通過することによりチップ搬送板20の厚み方向に保持位置が補正される。
【0032】
塗布装置40は、図1及び図11に示すように、位置補正装置30よりもチップ搬送板20の回転方向に回転した位置であり且つチップ搬送板20の外側に配置されている。また、塗布装置40は、周縁に転写シート41が貼付された塗布ローラ42と該塗布ローラ42を駆動する駆動モータ43と、転写シート41に導体ペースト44を供給するケース45と、転写シート41に付着した余分な導体ペースト44を剥ぎ取るスキージ46とをそれぞれ2組備えており、チップ搬送板本体21の厚み方向に並んで配置されている。一対の塗布ローラ42の間隔はチップ2の幅よりやや小さい。
【0033】
転写シート41は、シリコンゴムなどの弾性体から形成されている。転写シート41の周面には、図12に示すように、環状の溝41aが等間隔で形成されている。該溝41aの数,幅及び間隔は、チップ2に形成する外部電極3の数,幅及び間隔と対応している。該転写シート41の一部は、前記ケース45の導体ペースト44に浸漬している。
【0034】
前記スキージ46は、ケース45において転写シート41に付着した導体ペースト44のうち上面に付着したものを剥ぎ取る。これにより、スキージ46を通過後の転写シート41は溝41a内にのみ導体ペースト44が充填された状態となる。
【0035】
この塗布装置40は、該転写シート41の回転方向がチップ2の搬送方向と一致し、且つ、チップ保持板20に保持されたチップ2が転写シート41にやや押し込まれる位置に配置されている。この塗布装置40により、チップ2の側面(厚み方向と長さ方向で規定される面)に、導体ペースト44が転写される。このとき、転写シート41はチップ2との当接により弾性変形することにより、チップ4の側面だけでなく該側面に隣り合う上面及び底面にまで回り込み、該部位にも導体ペースト44が転写される。
【0036】
乾燥装置50は、塗布装置40よりもチップ搬送板20の回転方向に回転した位置に配置されている。該乾燥装置50の内側には、チップ搬送板20の一部が配置されている。該乾燥装置50により、前記塗布装置40により導体ペースト44が塗布されたチップ2がチップ搬送板20による搬送途中において乾燥される。
【0037】
乾燥装置50よりもチップ搬送板20の回転方向側には、図1に示すように、チップ搬送板20から離反し落下したチップ2を案内する案内レール61と、チップ2を収容する収容箱62とが配置されている。
【0038】
次に、この外部電極の形成装置の動作について説明する。まず、多数のチップ2をチップ供給装置1に投入すると、チップ2は1個ずつ回転体11の案内溝15に案内されて回転体11の周縁部に収容される。このときチップ2は、チップ2の幅方向と回転体11の厚み方向が一致し、チップ2の長さ方向と回転体11の直径方向が一致する。チップ2は回転体11の回転により枠体12の内壁に沿って上方に搬送される。そして、チップ2は、案内板13と当接して徐々に上方に押し出され、チップ搬送板本体21のチップ保持部23と対向する。
【0039】
案内板13により押し出されたチップ2は、対向するチップ保持部23の吸引通路25内に負圧が作用されているので、チップ保持部23に保持される。チップ搬送板本体21の回転に伴い駆動ピン27aが係合板28と当接すると、チップ搬送板本体21の周面から一対の規制部材27が突出する。チップ保持部23に保持されたチップ2は、該規制部材27により厚さ方向で挟持される。これにより、チップ2の保持力が向上するとともに、チップ2が長さ方向を軸として回転することを防止できる。さらにチップ搬送板本体21が回転すると、チップ保持部23に保持され且つ規制部材27により挟持されたチップ2は、位置補正装置30の円板31間を通過することにより、チップ2の幅方向の位置が補正される。
【0040】
さらにチップ搬送板本体21が回転すると、チップ2は塗布装置40の転写シート41に側面が当接し、これにより外部電極3に対応する導体ペーストが塗布される。このとき転写シート41が弾性変形することにより、導体ペーストはチップ2の側面だけでなく該側面に隣り合う外面にまで回り込んで付着する。
【0041】
導体ペーストが塗布されたチップ2は、チップ搬送板本体21に搬送されて乾燥装置50内を通過することにより導体ペーストが乾燥される。チップ搬送板本体21がさらに回転すると、チップ搬送板本体21の吸引通路25と支持板22の吸引室26との連通が解除される。これにより、エア吸引によりチップ保持部23に保持されていたチップ2は自重により案内レール61に落下し、収納箱62に収容される。
【0042】
このように、本実施の形態に係る外部電極の形成装置によれば、チップ2はチップ搬送板本体21に形成されたチップ保持部23に保持された状態でチップ搬送板本体21の回転により円軌道を描いて搬送される。そして、その搬送途中においてチップ2の外面に導体ペーストが付着され、そして導体ペーストが乾燥される。このように、従来のようにキャリアテープを用いることなくチップの搬送を行うので、小規模な装置で外部電極形成を実現できる。
【0043】
また、この外部電極の形成装置によれば、チップ2はエア吸引によりチップ保持部23に保持されるので、従来の弾性体を用いたものと比較して保持状態が安定したものとなる。これにより、導体ペーストの塗布精度が向上する。
【0044】
なお、本実施の形態では、チップ2をチップ搬送板20に保持する手段としてエア吸引を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図13に示すように、保持孔24の底面24aに粘着テープ71を貼付し、該粘着テープ71の粘着力によりチップ2を保持するようにしてもよい。
【0045】
また、本実施の形態では、保持孔24内に端部が保持されたチップ2を規制部材27及び位置補正装置30を用いてチップ搬送板20に対するチップ2の保持位置を一定にしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図14及び図15に示すように、保持孔24の底面24aだけでなく壁面24b及び24cに吸引通路25を開口させることにより、チップ2を壁面24b及び24cに吸着させてもよい。ここで、保持孔24の底面24aは、チップ2の断面積よりやや大きく形成する。また、保持孔24の壁面24b及び24cは、底面24aに対して垂直になっている。さらに、吸引通路25が開口する壁面24b及び24cは互いに隣り合っている。このような構成により、チップ2の端部は保持孔24の一角に安定して保持される。
【0046】
さらに、本実施の形態では、電子部品の一例としてチップの側面に複数の外部電極を有するものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、チップの外面に外部電極を有するものであれば、外部電極の形状や個数は問わない。例えば、チップの両端部にのみ外部電極を有する電子部品の製造にも有用である。
【0047】
さらに、本実施の形態では、電子部品をチップ搬送板20に供給する手段として図1,図3及び図4で示したチップ供給装置10を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。チップ搬送板20に対してチップを1個ずつ供給するものであれば他の構成であってもよい。他の例に係るチップ供給装置について図16乃至図19を参照して説明する。図16は他の例に係るチップ供給装置の構成図、図17はチップ供給装置の図16におけるF−F’線断面図、図18はチップ供給装置の図16におけるG−G’線断面図、図19は他の例に係るチップ供給装置の構成図である。
【0048】
図16に示すように、チップ供給装置70は、同軸で回転する円盤状の一対の回転板71と、回転板71の周縁から突出しチップ2を支持する支持片72と、支持片72に支持されたチップ2をチップ搬送板20方向に案内する案内板73と、回転板71を駆動する駆動モータ(図示省略)と、回転版71にチップ2を供給するチップ供給レール74とを備えている。前記支持片72は、回転板71の周縁であって一対の回転板71の間隙側に形成されている。該支持片72は、一対の回転板71の双方に互いに対峙するように同数且つ同位置にそれぞれ形成されている。案内板71は、一対の回転板71の間であって、且つ、チップ搬送板20へのチップ2の受け渡し位置に配置されている。案内板71の周縁は、チップ2の搬送経路に対して緩やかに交差している。チップ供給レール74は、チップ2を所定向きで連続又は間欠的に回転板71方向に移動させる。
【0049】
このような構成により、図17に示すように、チップ供給レール74から移動してきたチップ2は、回転板71の支持片72により持ち上げられ、該支持片72及び回転板71の周縁部に支持された状態で搬送される。そして、図18に示すように、チップ2は、回転板71の回転とともに案内板71に当接してチップ搬送板20方向に押し出される。押し出されたチップ2は、チップ搬送板20により保持される。
【0050】
また、例えば、図19に示すように、チップ搬送板20に対してチップ供給レール74から直接チップ2を供給するようにしてもよい。
【0051】
さらに、本実施の形態では、チップ2の長さ方向がチップ搬送板20の直径方向に一致し、且つ、チップ2の厚み方向がチップ搬送板20の回転方向に一致するようにチップ2を保持したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、電子部品に形成される外部電極の位置や個数に応じて適宜保持方向を変更してもよい。
【0052】
さらに、本実施の形態では、電子部品の一例として積層コンデンサアレイを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、積層インダクタアレイ、抵抗アレイなどの各種アレイ部品、積層フィルタ、積層アンテナなどの電子部品、単体の積層コンデンサや積層インダクタなどの電子部品であっても本願発明は有用である。
【0053】
【発明の効果】
以上詳述したように、本願発明によれば、チップは回転体に形成されたチップ保持部に保持された状態で回転体の回転により円軌道を描いて搬送される。そして、その搬送途中においてチップの外面に導体ペーストが付着される。このように、従来のようにキャリアテープを用いることなくチップの搬送を行うので、小規模な装置で外部電極形成を実現できる。
【0054】
また、本願発明によれば、チップに塗布された導体ペーストは、回転体のチップ保持部に保持されたまま乾燥される。すなわち、回転体による搬送の過程において、導体ペーストの塗布及び該導体ペーストの乾燥を順次行うことができるので、小規模な装置で外部電極形成を実現できる。
【0055】
さらに、本願発明によれば、チップはエア吸引によりチップ保持部に保持されるので、従来の弾性体を用いたものと比較して保持状態が安定したものとなる。これにより、導体ペーストの塗布精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】外部電極の形成装置の概略構成図
【図2】積層コンデンサアレイの外観斜視図
【図3】チップ供給装置の図1におけるA−A’線断面図
【図4】チップ供給装置の図1におけるB−B’線断面図
【図5】チップ搬送板の周面を拡大した図
【図6】チップ搬送板の図5におけるC−C’線断面図
【図7】チップ搬送板の図5におけるD−D’線断面図
【図8】チップ搬送板の図5におけるE−E’線断面図
【図9】チップ搬送板の図5におけるE−E’線断面図
【図10】位置補正装置の構成を説明する図
【図11】塗布装置の構成を説明する図
【図12】塗布ローラの断面図
【図13】他の例に係るチップ保持部の拡大平面図
【図14】他の例に係るチップ保持部の一部切り欠き拡大斜視図
【図15】他の例に係るチップ保持部の拡大平面図
【図16】他の例に係るチップ供給装置の構成図
【図17】チップ供給装置の図16におけるF−F’線断面図
【図18】チップ供給装置の図16におけるG−G’線断面図
【図19】他の例に係るチップ供給装置の構成図
【図20】従来の外部電極の形成方法における問題点を説明する図
【符号の説明】
1…コンデンサアレイ、2…チップ、3…外部電極、10…チップ供給装置、20…チップ搬送板、21…チップ搬送板本体、22…支持板、23…チップ保持部、24…保持孔、25…吸引通路、26…吸引室、27…規制部材、28…係合板、30…位置補正装置、40…塗布装置、41…転写シート、42…塗布ローラ、44…導体ペースト、45…ケース、46…スキージ、50…乾燥装置
Claims (2)
- 略直方体形状の電子部品のチップの両側面に厚さ方向に延びる外部電極を形成する電子部品の外部電極形成方法において、
周縁部にチップ保持部が形成され連続的又は間欠的に回転する円盤状の回転体の該チップ保持部にチップを供給し、チップ端面がチップ保持部の底面に当接しチップ側面がチップ保持部から突出した状態でチップを回転体のチップ保持部に保持させる工程と、
回転体の回転により前記チップ供給位置から搬送されたチップの両側面に対してチップ保持部に保持された状態で導体ペーストを付着させる工程と、
回転体の回転により前記導体ペースト付着位置から搬送されたチップに対してチップ保持部に保持された状態で導体ペーストを乾燥させる工程と、
回転体の回転により前記導体ペースト乾燥位置から搬送されたチップをチップ保持部から離反させる工程とを備え、
回転体の一面側に支持板を密着させ、一方がチップ保持部底面に開口するとともに他方が支持板との当接面に開口した吸引通路を回転体に形成し、チップ保持工程から乾燥工程において回転体の吸引通路と連通するとともにチップ離反工程において連通が解除される吸引室を支持板の回転体との当接面に形成し、支持板の吸引室をエア吸引することによりチップを保持する
ことを特徴とする電子部品の外部電極形成方法。 - 略直方体形状の電子部品のチップの両側面に厚さ方向に延びる外部電極を形成する電子部品の外部電極形成装置において、
チップ端面が底面に当接し且つチップ側面が突出した状態でチップを保持可能なチップ保持部が周縁部に形成され、連続的又は間欠的に回転する円盤状の回転体と、
回転体のチップ保持部にチップを供給するチップ供給手段と、
前記チップ供給位置よりも回転体の回転方向下流に位置し、チップ保持部に保持された状態でチップの両側面に導体ペーストを付着させる導体ペースト付着手段と、
前記導体ペースト付着位置よりも回転体の回転方向下流に位置し、チップ保持部に保持された状態でチップに付着した導体ペーストを乾燥させる乾燥手段と、
前記導体ペースト乾燥位置よりも回転体の回転方向下流に位置し、回転体の回転により前記導体ペースト乾燥位置から搬送されたチップをチップ保持部から離反させるチップ離反手段と、
回転体の一面側に密着させた支持板とを備え、
回転体には一方がチップ保持部底面に開口するとともに他方が支持板との当接面に開口した吸引通路が形成され、支持板の回転体との当接面にはチップ保持工程から乾燥工程において回転体の吸引通路と連通するとともにチップ離反工程において連通が解除される吸引室が形成され、支持板の吸引室を吸引手段によりエア吸引することによりチップを保持する
ことを特徴とする電子部品の外部電極形成装置。
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