JP4116126B2 - 商品処理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装機の下流に、被包装物にラベルを貼付するラベル貼付機を配設した商品処理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術と問題点】
従来より、伸縮性のあるフィルムを筒状に形成し、該筒状に形成したフィルム内に商品が入った状態で、前記フィルムにおける商品の後方の部位を溶着すると共に切断して商品を包装するストレッチ包装機が知られている。該包装機はストレッチフィルムが連続した状態で次々と包装するので、処理能力が高い。該包装機の下流には、計量コンベヤやラベル貼付機が配設されて、包装済の商品を計量した後、該商品にラベルが貼付される。かかる計量コンベヤやラベル貼付機においては、以下に説明するように、商品の重量を正確かつ迅速に計量したり、あるいは、商品の所定の位置にラベルを貼付するために、商品を載せたトレー(包装容器)の大きさを知る必要がある。
【0003】
前記計量コンベヤは、商品を搬送しながら計量するので、重量検出器の生データには振動成分が含まれているから、商品が計量コンベヤに完全に乗り移った後の一定時間後に、振動成分が安定するのを待って、振動成分を除去し易くして重量を測定する。ここで、図8に示す商品Mを載せるトレーTが大きい場合には、商品Mが計量コンベヤ2上に完全に乗り移った後、計量コンベヤ2から搬出されるまでの搬送距離X1が短いので、前記振動成分が安定するまでの時間を確保するために、搬送速度を小さくする必要がある。かかる搬送速度の制御は、トレーTの長さXに基づいてなされるから、トレーTの大きさを知る必要がある。
【0004】
また、前記計量コンベヤ2は、トレーTの重量を含んだ風袋込みの重量を測るので、計量値から風袋重量を減算して商品Mの正味重量を求めている。かかる風袋重量は、トレーTの大きさによって決まるから、やはり、トレーTの大きさを知る必要がある。
【0005】
また、前記トレーTに対するラベルの貼付位置は、たとえば図9のトレーTの高さZに応じて、貼付高さを変える必要がある。したがって、ラベルを貼付するに際してトレーTの大きさを知る必要がある。
【0006】
そこで、従来は、トレーNo. ごとにトレーのX,Y,Z寸法を予め記憶すると共に、商品ごとに使用するトレーNo. を記憶させておき、商品の呼び出しNo. からトレーの寸法を検索して、計量・値付を行っていた。しかし、パックセンターでは、使用するトレーを日々変更する場合があり、こうした場合に、その都度、使用するトレーNo. 等を変更設定するのは面倒で、作業性が悪い。また、かかる従来の方法では、予め、トレーのサイズを登録する作業が必要になる。
【0007】
本発明は前記従来の問題に鑑みてなされたもので、その目的は、商品処理システムにおいて、トレーが変更されても、使用するトレーの登録を行う必要をなくして、作業性を向上させることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、包装容器に載った商品をフィルムで包装する包装機と、該包装機の下流に配設され、該包装機で包装された商品をコンベヤで搬送しながら計量する計量コンベヤおよび計量された商品にコンベヤ上でラベルを貼付するラベル貼付機とを組み合わせた商品処理システムであって、前記包装機には前記包装機を制御する第1制御装置が、前記計量コンベヤおよびラベル貼付機には前記計量コンベヤおよびラベル貼付機を制御する第2制御装置が、それぞれ備えられ、前記第1制御装置から第2制御装置に包装容器の大きさに関する包装容器情報を出力し、該包装容器情報に基づいて、前記第2制御装置が前記計量コンベヤの搬送速度を設定すると共に、前記第2制御装置が前記ラベル貼付機のラベル貼付のタイミング設定を行って、商品の所定の位置にラベルが貼付されるようにしたものである。
【0009】
削除。
【0010】
本発明によれば、包装機の第1制御装置から第2制御装置にトレーの大きさに関するトレー情報が出力されるので、トレーの寸法が変更されても、第1制御装置からのトレー情報に基づいて、コンベヤの搬送速度を設定することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の理解に役立つ参考例を図面にしたがって説明する。
図1において、包装機1の下流には、金属検出器80、計量コンベヤ2およびラベル貼付機3が設けられている。前記包装機1は、いわゆるストレッチ包装機で、たとえば図2に示すように、伸縮性のあるフィルムFを筒状に形成し、トレーT上に載った商品Mが前記筒状のフィルムF内に入った状態で、前記フィルムFにおける商品Mの後方の部位を溶着すると共に切断して、フィルムFが商品Mに密着したような状態で商品Mを連続的に包装する。
なお、包装機1の詳細な構造としては、たとえば特公昭53−48152号に開示された構成を採用することができる。
【0012】
図1の前記計量コンベヤ2は、包装機1で包装された商品Mをトレー(風袋)Tごと、コンベヤベルト20で搬送しながら計量するもので、振動成分を含んだ測定信号(生データ)を図5の重量検出器21が計量手段22に出力する。該計量手段22は、図示しないローパスフィルタなどを備えており、コンベヤベルト20(図1)に商品Mが完全に乗り移った後の所定時間後の前記測定信号から振動成分を除去すると共に、振動成分を除去した測定信号を重量に変換して、風袋込みの重量を出力する。
なお、かかる計量コンベヤ2の詳細な構成としては、たとえば特開昭60−79227号に開示された構成を採用することができる。
【0013】
図1の前記計量コンベヤ2の下流には、包装・計量された商品Mを搬送する貼付用コンベヤ33が設けられており、該貼付用コンベヤ33の上方にラベル貼付機3が設けられている。該ラベル貼付機3は、ラベルプリンタ30(図3)から発行されたラベルを前記貼付用コンベヤ33上の商品Mに貼付するものである。
【0014】
図3は前記ラベル貼付機3の概略構造の一例を示す。
図3(a)において、ラベル貼付機3は、ラベルプリンタ30の印字ヘッド31によって印字されたラベルLを貼付ヘッド32が負圧で吸着して保持する。該貼付ヘッド32は、図示しない昇降機構によって、ラベルLの発行位置と、下方の商品のフィルムF上にラベルLを貼付する貼付レベルとの間を往復動する。前記貼付ヘッド32は、図3(b)のように、下降する間に旋回機構(図示せず)によって所定角度だけ鉛直軸線のまわりに左右に回転することで、設定された貼付姿勢に従ってラベルLを商品のフィルム上に貼付する。また、ラベル貼付機3のケースはラベルプリンタ30と共に、図示しないアクチュエータによって図1の流れ方向Dx、幅方向Dyおよび高さ方向Dzに移動することで、設定された貼付位置にラベルLを貼付する。
なお、ラベル貼付機3の詳細な構造については、たとえば、特開昭63−272649号公報に開示されたものを採用することができる。
【0015】
前記貼付用コンベヤ33には、図4の平面図に示すように、トレーTの先端を検出するトレー検出器34が設けてある。該トレー検出器34はラベルLを貼付するタイミングの基準時を検出するためのもので、前記ラベル貼付機3は、該トレー検出器34がトレーTを検出した後の所定時間後にラベルLを貼付する。
【0016】
また、前記貼付用コンベヤ33には、トレーTを幅方向に位置決めする位置決め手段35が設けてある。該位置決め手段35は、たとえば、一対のガイド部材35aを幅方向に駆動させることによってトレーTを貼付用コンベヤ33のセンタに寄せて位置決めする。
【0017】
図5に示すように、前記包装機1は第1制御装置4によって制御され、一方、前記計量コンベヤ2およびラベル貼付機3は第2制御装置5によって制御される。第1制御装置4は、第1ローカル制御器41と第1のマイコン42とを備えており、一方、第2制御装置5は第2ないし第4ローカル制御器52〜54と第2のマイコン55とを備えている。第1、第2、第3および第4ローカル制御器41,52,53,54は、それぞれ、第1または第2のマイコン42,55の命令に従って、包装機1、計量コンベヤ2、ラベル貼付機3およびラベルプリンタ30の図示しないモータの回転や回転速度などを制御する。
【0018】
前記包装機1の上流には、トレーTの3軸方向の寸法(トレー寸法)X,Y,Zを検出するトレー寸法検出手段6が設けられている。該トレー寸法検出手段6としては、たとえば、CCDカメラでトレーTの平面寸法X,Yを検出し、超音波距離計でトレーの高さを検出するものなど任意の手段を採用することができる。該トレー寸法検出手段6で検出したトレー寸法X,Y,Zは第1のマイコン42に出力され、該第1のマイコン42はトレー寸法X,Y,Zに基づいて、第4ローカル制御器41を介して包装機1を制御すると共に、該トレーの寸法情報を第2のマイコン55に出力する。
【0019】
前記第2のマイコン55はCPU56およびメモリ57を備えている。前記メモリ57は商品情報記憶部57aを備えており、該商品情報記憶部57aには、図6のように、各商品の呼び出しNo. ごとに、品名、単価、貼付位置および貼付姿勢などの商品の情報が記憶されている。
【0020】
一方、図5の前記CPU56は搬送速度算出手段56a、フィルタ定数算出手段56b、風袋算出手段56cおよび貼付機位置算出手段56dを備えている。前記搬送速度算出手段56aは、たとえば下記の(1)式に従って計量コンベヤ2の搬送速度vを算出する。
Ti=(Cx−X)/v …(1)
但し、Ti:計量に必要な時間(定数),
Cx:計量コンベヤの長さ(図8),
x:トレーの流れ方向の長さ(図8)
なお、フィルタ定数算出手段56bは、搬送速度vが変化するのに伴って変化するカットオフ周波数を算出する。
【0021】
前記風袋算出手段56cは、たとえば下記の(2)式に従ってトレーTの重量Wを算出する。
W={(X・Y)+2Z・(X+Y)}・σ …(2)
但し、σ:トレーの単位面積当たりの重量
【0022】
前記貼付機位置算出手段56dは、以下に説明するように、図3のラベル貼付機3の高さ位置Zz、図4の流れ方向位置Xxおよび幅方向Yyを算出して設定する。
Xx=(Xt−X)+Lx …(3)
但し、Xt=Vc・Tc
Vc:コンベヤ33の搬送速度(一定)
Tc:ラベル貼付タイミング時間(ラベルの貼付位置ごとにより定まる一定時間)
Lx:ラベルの貼付姿勢により定まるトレー端からの距離
なお、流れ方向位置Xxは、ラベルLを破線で示すようにトレーTの右下および右上の位置に貼付する場合、下記の(4)式に従って算出され、トレー寸法Xの大きさにかかわらず一定となる。
Xx=Xt−Lx …(4)
【0023】
前記幅方向Yyは、たとえば下記の(5)式に従って算出される。
Yy=0.5Y−Ly …(5)
Ly:ラベルの貼付姿勢により定まるトレー端からの距離
【0024】
前記図3の高さ位置Zzは、たとえば下記の(6)式に従って算出される。
Zz=Zc+Z …(6)
Zc:貼付ストローク(一定)
【0025】
つぎに、前記構成の動作について説明する。
図5のトレー寸法検出手段6がトレーの寸法X,Y,Zを検出すると、包装機1の第1制御装置4は該トレーの寸法情報X,Y,Zを第2制御装置5に出力すると共に、該トレーの寸法情報X,Y,Zに基づいて商品をトレーごと包装する。包装機で包装された商品は、図1の金属検出器80を通過した後、コンベヤベルト20に供給される。
【0026】
包装済の商品Mは、計量コンベヤ2で風袋込みの重量が計量される。この際、図5のCPU56は前述の(1)式に従って計量コンベヤ2の搬送速度vを算出すると共にカットオフ周波数を算出する。これにより、計量精度が維持される。また、CPU56はトレー寸法X,Y,Zに基づき前記(2)式に従って、風袋重量(トレー重量)を算出し、これを風袋込みの重量から減算することで、商品の正味重量を算出する。なお、該正味重量はラベルLに印字される。
【0027】
一方、図5第2制御装置5のCPU56は、第1制御装置4からのトレー寸法X,Y,Zおよび前述の(4)〜(6)に基づいて、ラベル貼付機3の位置Xx,Yy,Zzを算出する。ラベル貼付機3は第4ローカル制御器54に制御されて前記算出された位置に予め移動する。
計量された商品Mは、図1の貼付用コンベヤ33上に搬送され、図4のトレー検出器34でトレーTが検出された後、位置決め手段35で幅方向に位置決めされる。前記トレーTの検出後、ラベルの貼付位置により予め定められた所定の時間が経過した後に、フィルムF上にラベルLが貼付される。
【0028】
このように、本システムによれば、第1制御装置4から第2制御装置5にトレーTの寸法情報Xx,Yy,Zzを出力するので、トレーTの大きさが変わっても、その都度、トレーNo. やトレーの大きさを入力する必要がない。したがって、包装から値付までの作業性が向上する。
【0029】
また、本発明では、第1制御装置4からのトレー寸法情報を利用するので、包装機1と計量コンベヤ2との間に、トレーTの寸法検出手段を別途設ける必要もない。
【0030】
ところで、前記参考例では、ラベル貼付機3の図4の流れ方向位置Xxを変化させたが、本発明では、流れ方向位置Xxを一定にして、ラベル貼付のタイミングを変化させる。たとえば、トレー検出器34がトレーTの先端を検出してから貼付するまでの時間を変化させて、所定の貼付位置にラベルLを貼付する。
【0031】
また、前記参考例では、トレー寸法X,Y,Z自体を、図5の第1制御装置4から第2制御装置5に出力したが、本発明では、第1制御装置4から第2制御装置5に「トレーの寸法に関する情報」を出力すれぱよい。たとえば、図7のトレー情報記憶部57bをメモリ57に設け、各トレーNo. ごとに予めトレー寸法X,Y,Zとトレー重量を登録しておき、図5の第1制御装置4から第2制御装置5にトレーNo. を出力することで、トレー寸法に関する情報を出力してもよい。
【0032】
また、前記参考例では、図1の包装機1とラベル貼付機3との間に金属検出器80を設けたが、本発明では、金属検出器80を必ずしも設ける必要はない。また、図3(a)のラベル貼付機3は、エアーでラベルLを吹き付けて貼付するなど他の構造を採用してもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、包装機の第1制御装置から第2制御装置に包装容器の大きさに関する包装容器情報が出力されるので、包装容器の寸法が変更されても、包装容器情報に基づいて、計量コンベヤの搬送速度を設定することができる。したがって、包装容器が変更されても、オペレータは包装容器の登録等を行う必要がないので、包装から計量までの作業性が向上する。しかも、計量コンベヤやラベル貼付機の直上流に包装容器の寸法を検出する検出器を別途設ける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の理解に役立つ参考例を示す商品処理システムのレイアウトを示す概略斜視図である。
【図2】 包装方法を示す斜視図である。
【図3】 ラベル貼付機の構造を示す概略側面図および貼付ヘッドの斜視図である。
【図4】 貼付用コンベヤを示す平面図である。
【図5】 システムの概略構成図である。
【図6】 メモリの記憶内容を示す図表である。
【図7】 メモリの記憶内容を示す図表である。
【図8】 計量コンベヤを示す平面図である。
【図9】 包装状態のトレーを示す側面図である。
【符号の説明】
1:包装機
3:ラベル貼付機
4:第1制御装置
5:第2制御装置
F:フィルム
M:商品
Claims (2)
- 包装容器に載った商品をフィルムで包装する包装機と、該包装機の下流に配設され、該包装機で包装された商品をコンベヤで搬送しながら計量する計量コンベヤおよび計量された商品にコンベヤ上でラベルを貼付するラベル貼付機とを組み合わせた商品処理システムであって、
前記包装機には前記包装機を制御する第1制御装置が、前記計量コンベヤおよびラベル貼付機には前記計量コンベヤおよびラベル貼付機を制御する第2制御装置が、それぞれ備えられ、
前記第1制御装置から第2制御装置に包装容器の大きさに関する包装容器情報を出力し、
該包装容器情報に基づいて、前記第2制御装置が前記計量コンベヤの搬送速度を設定すると共に、前記第2制御装置が前記ラベル貼付機のラベル貼付のタイミング設定を行って、商品の所定の位置にラベルが貼付されるようにした商品処理システム。 - 請求項1において、
前記第2制御装置は、前記包装容器情報に基づいて風袋重量を求め、風袋込みの計量値から風袋重量を減算して商品の正味重量を求めるようにした商品処理システム。
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