JP4115053B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、高温保存性などの電池寿命および充放電特性に優れた非水電解液、および、非水電解液二次電池に関する。より詳細には、特定の金属アルコキサイドを含む非水電解液および特定の微多孔性セパレーターと、金属アルコキサイドを含有する電解液を有するリチウム二次電池用の非水電解液二次電池に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
非水電解液を用いた電池は、高電圧でかつ高エネルギー密度を有しており、また貯蔵性などの信頼性も高いので、民生用電子機器の電源として広く用いられている。
【0003】
このような電池として非水電解液二次電池があり、その代表的存在は、リチウムイオン二次電池である。それに用いられる非水溶媒として、誘電率の高いカーボネート化合物が知られており、各種カーボネート化合物の使用が提案されている。また電解液として、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなどの前記高誘電率カーボネート化合物溶媒と、炭酸ジエチルなどの低粘度溶媒との混合溶媒に、LiBF4、LiPF6、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、Li2SiF6などの電解質を混合した溶液が用いられている。
【0004】
一方で、電池の高容量化を目指して電極の研究も進められており、リチウムイオン二次電池の負極として、リチウムの吸蔵、放出が可能な炭素材料が用いられている。特に黒鉛などの高結晶性炭素は、放電電位が平坦であるなどの特徴を有していることから、現在市販されているリチウムイオン二次電池の大半の負極として採用されている。
【0005】
しかしながら、黒鉛などの高結晶性炭素を負極に用いる場合、電解液用の非水溶媒として、凝固点の低い高誘電率溶媒であるプロピレンカーボネートや1,2‐ブチレンカーボネートを用いると、充電時に溶媒の還元分解反応が起こり、活物質であるリチウムイオンの黒鉛への挿入反応がほとんど進行しなくなり、電解液の機能を果たさなくなる。その結果、特に初回の充放電効率は極端に低下する。
【0006】
このため、電解液に使用される高誘電率の非水溶媒として、常温で固体ではあるものの、還元分解反応が継続的に起こりにくいエチレンカーボネートをプロピレンカーボネートに混合することにより、非水溶媒の還元分解反応を抑える試みがなされている。さらに還元分解反応の抑制に加えて非水溶媒の粘度特性を改善するため、低粘度溶媒との組み合わせ方を工夫したり、様々な添加剤を加えたり、電解液中のプロピレンカーボネートの含有量を制限することなどが提案されている。これらの対策により、電池の充放電特性及び低温特性の向上が図られてきたが、さらに、例えば高温保存や充放電サイクルを繰り返した場合の、微少な電気分解反応に起因する電池寿命の低下を改善したり、またさらに、低温特性を向上する電解液が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の要請に応えるために、高温保存試験や充放電サイクル試験を行なった場合の、溶媒の還元分解反応に起因する特性の劣化を抑制し、さらに負荷特性及び低温特性に優れる非水電解液二次電池の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明における第1の発明は以下の(1)から(6)の構成になっている。
(1)正極、負極、リチウム塩を含む非水電解液と、微多孔性のセパレーターからなる非水電解液二次電池において、負極が、金属リチウム、リチウム含有合金、またはリチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料を活物質とするものであり、微多孔性セパレーターが、水銀ポロシメーターで測定される孔径分布のピーク値が0.15ミクロン以上の微多孔性セパレーターであり、かつ、非水電解液が、リチウム塩と、非水溶媒と、下記一般式[1]で表されるチタンアルコキサイドおよび一般式[3]で表されるアルミニウムアルコキサイドから選ばれる金属アルコキサイドとからなり、かつ、非水電解液中の金属アルコキサイドの含有量が非水電解液全体に対して0.01〜1.5質量%であることを特徴とする非水電解液二次電池。
【化13】
Figure 0004115053
[1](R1からR4は、互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基である。
化15】
Figure 0004115053
(RからR11は、互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基である。)
(2)金属アルコキサイドが、テトラエトキシチタンである(1)記載の非水電解液二次電池。
(3)非水溶媒が、一般式[4a]または[4b]で表される環状炭酸エステルのうち少なくとも1種および/または鎖状炭酸エステルとからなることを特徴とする(1)または(2)記載の非水電解液二次電池。
【化16】
Figure 0004115053
(式[4a]または[4b]中、R12〜R15は、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基である。)
(4)前記一般式[4a]または[4b]で表される環状炭酸エステルが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、またはビニレンカーボネートから選ばれる1種または混合物であることを特徴とする(3)記載の非水電解液二次電池。
(5)前記鎖状炭酸エステルが、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、またはメチルエチルカーボネートから選ばれる1種または混合物であることを特徴とする(3)ないし(4)記載の非水電解液二次電池。
(6)前記一般式[4a]または[4b]で表される環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルの重量比率が15:85〜55:45であることを特徴とする(3)ないし(5)のいずれかに記載の非水電解液二次電池。
(7)負極が、前記リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料が、X線解析で測定した(002)面における面間隔距離(d002)が、0.340nm以下である炭素材料であることを特徴とする(1)ないし(6)のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
【0009】
【発明の具体的説明】
次に、本発明に係る非水電解液および非水電解液二次電池について具体的に説明する
非水電解液
本発明の第1の発明及び第2の発明に使用する非水電解液は、リチウム塩と、非水溶媒と金属アルコキサイドとからなっている。以下各々について詳述する。
金属アルコキサイド
本発明で電解液に含有させる金属アルコキサイドとしては一般式[1]または[2]で表されるチタンアルコキサイド、または、一般式[3]で表わされるアルミニウムアルコキサイドが使用される。
【化17】
Figure 0004115053
Figure 0004115053
(R1からR4は、互いに同一であっても異なっていてもよく、アルキル基、アリール基、またはカルボニル基および/またはオキシ基および/または二重結合を含有する有機基である。)
【化18】
Figure 0004115053
Figure 0004115053
(RからR8は、互いに同一であっても異なっていてもよく、アルキル基、アリール基、またはカルボニル基および/またはオキシ基および/または二重結合を含有する有機基である。nは1以上の整数を現わす。)
【化19】
Figure 0004115053
(RからR11は、互いに同一であっても異なっていてもよく、アルキル基、アリール基、またはカルボニル基および/またはオキシ基および/または二重結合を含有する有機基である。)
からR11の有機基として具体的には、例えばメチル基、エチル基、ビニル基、プロピル基、イソプロピル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、アセチル基、アクリル基、メタクリル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、2-メチル-2-プロペニル基、1-メチレンプロピル基、1-メチル-2-プロペニル基、1,2-ジメチルビニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1-メチル-2-メチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、フェニル基、o-,p-,及び/またはm-位置をメチル基で置換したフェニル基、 o-,p-, 及び/またはm-位置をエチル基で置換したフェニル基、o-,p-, 及び/またはm-位置をプロピル基で置換したフェニル基、 o-,p-及び/または,m-位置をメトキシ基で置換したフェニル基、 o-,p-及び/または,m-位置をエトキシ基で置換したフェニル基、その他、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素数1〜20の直鎖または分岐アルキル基またはアリール基を挙げることができる。
【0010】
前記一般式[1]または[2]で表される具体的な化合物としては、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロピロキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラnブトキシチタン、テトラsec-ブトキシチタン、テトラtert-ブトキシチタン、テトライソブトキシチタン、テトラペントキシチタン、テトラヘキシロキシチタン、テトラフェノキシチタン、テトラメチルフェノキシチタン、テトラアクリルチタン、メタクリルトリイソプロポキシチタン、ジメタクリルジイソプロポキシチタン、トリメタクリルイソプロポキシチタン、テトラメタクリルチタン、テトラメトキシチタンテトラマー(ここでテトラアルコキシチタンテトラマーとは、[2]式でnが4であるものを現わす。)、テトラエトキシチタンテトラマー、テトラプロピロキシチタンテトラマー、テトライソプロポキシチタンテトラマー、テトラnブトキシチタンテトラマー、テトラsec-ブトキシチタンテトラマー、テトラtert-ブトキシチタンテトラマー、テトライソブトキシチタンテトラマー、テトラペントキシチタンテトラマー、テトラヘキシロキシチタンテトラマー、テトラフェノキシチタンテトラマー、テトラメチルフェノキシチタンテトラマー、ポリ(ジメトキシチタン)、ポリ(ジエトキシチタン)、ポリ(ジプロピロキシチタン)、ポリ(ジイソプロピロキシチタン)、ポリ(ジnブトキシチタン)、ポリ(ジsec-ブトキシチタン)、ポリ(ジtert-ブトキシチタン)、ポリ(ジイソブトキシチタン)、ポリ(ジペントキシチタン)、ポリ(ジヘキシロキシチタン)、ポリ(ジフェノキシチタン)、ポリ(ジメチルフェノキシチタン)、
トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリプロピロキシアルミニウム、トリソプロポキシアルミニウム、トリnブトキシアルミニウム、トリsec-ブトキシアルミニウム、トリtert-ブトキシアルミニウム、トリイソブトキシアルミニウム、トリペントキシアルミニウム、トリヘキシロキシアルミニウム、トリフェノキシアルミニウム、トリメチルフェノキシアルミニウム、トリアクリルアルミニウム、メタクリルジイソプロポキシアルミニウム、ジメタクリルイソプロポキシアルミニウム、トリメタクリルアルミニウムを例示することができる。
【0011】
本発明においては金属アルコキサイドの電解液への溶解性の点から、R1〜R11の炭素数は6以下、さらには、4以下が望ましい。本発明では特にR1〜R11が炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基である事が最も好ましい。また、同じ理由で、[1]式、[2]式、[3]式の構造のうち、[1]式の構造の方が望ましい。
このような好ましい化合物として、具体的には、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、ポリジメチルチタネート、ポリジエチルチタネート、ポリジプロピルチタネート、ポリジブチルチタネート、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリプロポキシアルミニウム、トリブトキシアルミニウムが、挙げられ、特に、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタンが特に好ましい。。
【0012】
このような前記一般式[1]、[2]、または[3]で表される金属アルコキサイドを以下の量で含む電解液は、電池を高温保存したときの電池特性の劣化を抑制する効果がある。
【0013】
金属アルコキサイドの電解液中の含有量は、電池特性の向上効果から定められるが、本発明者等は添加剤による電池特性の向上効果がセパレーターの細孔径に影響されることを見出した。即ち本発明者等は▲1▼金属アルコキサイドは、セパレータを使用した電池においてセパレーターの細孔径が大きい場合(水銀ポロシメーターで測定される孔径分布のピーク値が0.15ミクロン以上)はその含有量が0.01重量%以上1.5重量%以下の範囲で、高温保存後の電池の負荷特性の劣化を抑制する効果があるが、そのセパレーターの細孔径が小さい(水銀ポロシメーターで測定される孔径分布のピーク値が0.15ミクロン未満)の場合、その含有量(添加量)が0.5質量%以上であると逆に電池の負荷特性が低下するという副作用が生じること、及び▲2▼電解液全体に対して0.01質量%以上0.5質量%未満、好ましくは、0.02質量%〜0、49質量%、より好ましくは、0.1〜0.4質量%)で金属アルコキサイドを含む非水電解液は電池のセパレーターの細孔径に拘らず、(例えば水銀ポロシメーターで測定される孔径分布のピーク値が0.15ミクロン未満の再孔径の小さいセパレーターを用いた場合でも)高温保存後の電池の負荷特性の劣化を抑制する効果が認められることを見出した。
本発明の第1の発明における電解液中の金属アルコキサイドの含有量は、電解液全体(すなわちリチウム塩と非水溶媒と金属アルコキサイドおよび必要に応じて添加される添加剤の合計量)に対して0.01質量%以上0.5質量%未満であり、好ましくは、0.02質量%〜0.49質量%、より好ましくは、0.1〜0.4質量%である。上記範囲で金属アルコキサイドを含む非水電解液は電池を高温保存したときの電池の負荷特性の劣化を抑制する効果がある。
一方、細孔径が0.15ミクロン以上のセパレーターを使用した場合(第2の発明)では、金属アルコキサイドの含有量が0.5重量%以上でも副作用が現れ難くなり、1.5重量%未満まで電池の負荷特性が低下するという副作用が現れ難くなる。従って第2の発明では金属アルコキサイドの含有量は電解液全体に対して0.01重量%以上1.5重量%以下、さらには、0.05重量%以上1重量%以下がのぞましい。
非水溶媒
本発明における非水電解液に使用される溶媒は、リチウム電解質に安定で、電解質の溶解性が高く、電気化学的に安定な溶媒ならばいずれでもよい。
このような溶媒としては、具体的には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ヂエチルカーボネート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸メチルなどの鎖状エステル;リン酸トリメチルなどのリン酸エステル;1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジプロピルエーテルなどの鎖状エーテル;1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、3-メチル-1,3-ジオキソラン、2-メチル-1,3-ジオキソランなどの環状エーテル;ジメチルホルムアミドなどのアミド;メチル‐N,N‐ジメチルカーバメートなどの鎖状カーバメート;γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、3-メチル-γ-ブチロラクトン、2-メチル-γ-ブチロラクトンなどの環状エステル;スルホランなどの環状スルホン;N‐メチルオキサゾリジノンなどの環状カーバメート;N‐メチルピロリドンなどの環状アミド;N,N‐ジメチルイミダゾリジノンなどの環状ウレア;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、4,4-ジメチル-5-メチレンエチレンカーボネート、4-メチル-4-エチル-5-メチレンエチレンカーボネート、4-メチル-4-プロピル- 5-メチレンエチレンカーボネート、4-メチル-4-ブチル-5-メチレンエチレンカーボネート、4,4-ジエチル-5-メチレンエチレンカーボネート、4-エチル-4-プロピル-5-メチレンエチレンカーボネート、4-エチル-4-ブチル-5-メチレンエチレンカーボネート、4,4-ジプロピル-5-メチレンエチレンカーボネート、4-プロピル-4-ブチル-5-メチレンエチレンカーボネート、4,4-ジブチル-5-メチレンエチレンカーボネート、4,4-ジメチル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4-メチル-4-エチル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4-メチル-4-プロピル- 5-エチリデンエチレンカーボネート、4-メチル-4-ブチル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4,4-ジエチル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4-エチル-4-プロピル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4-エチル-4-ブチル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4,4-ジプロピル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4-プロピル-4-ブチル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4,4-ジブチル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4-メチル-4-ビニル-5-メチレンエチレンカーボネート、4-メチル-4-アリル-5-メチレンエチレンカーボネート、4-メチル-4-メトキシメチル-5-メチレンエチレンカーボネート、4-メチル-4-アクリルオキシメチル-5-メチレンエチレンカーボネート、4-メチル-4-アリルオキシメチル-5-メチレンエチレンカーボネートなどの環状炭酸エステル;4-ビニルエチレンカーボネート、4,4-ジビニルエチレンカーボネート、4,5-ジビニルエチレンカーボネートなどのビニルエチレンカーボネート誘導体;4-ビニル-4-メチルエチレンカーボネート、4-ビニル-5-メチルエチレンカーボネート、4-ビニル-4,5-ジメチルエチレンカーボネート、4-ビニル-5,5-ジメチルエチレンカーボネート、4-ビニル-4,5,5-トリメチルエチレンカーボネートなどのアルキル置換ビニルエチレンカーボネート誘導体;4-アリルオキシメチルエチレンカーボネート、4,5-ジアリルオキシメチルエチレンカーボネートなどのアリルオキシメチルエチレンカーボネート誘導体;4-メチル-4-アリルオキシメチルエチレンカーボネート、4-メチル-5-アリルオキシメチルエチレンカーボネートなどのアルキル置換アリルオキシメチルエチレンカーボネート誘導体;4-アクリルオキシメチルエチレンカーボネート、4,5-アクリルオキシメチルエチレンカーボネートなどのアクリルオキシメチルエチレンカーボネート誘導体;4-メチル-4-アクリルオキシメチルエチレンカーボネート、4-メチル-5-アクリルオキシメチルエチレンカーボネートなどのアルキル置換アクリルオキシメチルエチレンカーボネート誘導体;スルホラン、硫酸ジメチルなどのような含イオウ化合物;トリメチルリン酸、トリエチルリン酸などの含リン化合物;および下記一般式で表わされる化合物などを挙げることができる。HO(CH2CH2O)aH、HO{CH2CH(CH3)O}b H、CH3O(CH2CH2O)c H、CH3O{CH2CH(CH3)O}d H、CH3O(CH2CH2O)e CH3、CH3O{CH2CH(CH3)O}f CH3、C919PhO(CH2CH2O)g {CH(CH3)O}h CH3(Phはフェニル基)、CH3O{CH2CH(CH3)O}iCO{O(CH3)CHCH2}jOCH3(前記の式中、a〜fは5〜250の整数、g〜jは2〜249の整数、5≦g+h≦250、5≦i+j≦250である。)などを挙げる事ができる。
このうちで、特に、下記一般式[4a]または[4b]で表される環状炭酸エステルから選ばれる一種または混合物と、および/または鎖状炭酸エステルとからなる非水溶媒であると、高温保存時の電池特性の劣化が特に小さくなる為に望ましい。
これらの非水溶媒の非水溶媒中の含有量は本発明の第1の発明では電解液全体に対して99.4〜99.99質量% 、特に99.5〜99.98質量%が好ましく、
第2の発明では電解液全体に対して98.4〜99.99質量%、特に98.8〜99.95質量%が好ましい。
またさらに、下記一般式[4a]または[4b]で表される環状炭酸エステルから選ばれる一種または混合物、および鎖状炭酸エステルとからなる非水溶媒からなると、高温保存特性の劣化が特に小さくなり、また、負荷特性や低温特性が向上するので最も望ましい。
【化20】
Figure 0004115053
(式[4a]または[4b]中、R12〜R15は、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基である。)
この中でアルキル基としては、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、isoプロピルを例示することができる。
【0014】
前記一般式[4a]または[4b]で表される環状炭酸エステルの例として具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2‐ブチレンカーボネート、2,3‐ブチレンカーボネート、1,2‐ペンチレンカーボネート、2,3‐ペンチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどが挙げられる。特に、誘電率が高いエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートが好適に使用される。負極活物質として、特にX線解析で測定した(002)面の面間隔(d002)が0.340nm以下の炭素材料を使用し、電池寿命の向上を特に意図した場合は、特にエチレンカーボネートが好ましい。また、これら環状炭酸エステルは2種以上混合して使用してもよい。
【0015】
鎖状炭酸エステルとして具体的には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネートなどが挙げられる。特に、粘度が低い、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートが好適に使用される。これら鎖状炭酸エステルは2種以上混合して使用してもよい。
【0016】
非水溶媒の環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルの組合せとして具体的には、エチレンカーボネートとジメチルカーボネート、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジエチルカーボネート、プロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、プロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、プロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートなどが挙げられる。
【0017】
このような鎖状炭酸エステルが非水溶媒中に含まれていると、非水電解液の粘度を低くすることが可能となり、電解質の溶解度をさらに高め、常温または低温での電気伝導性に優れた電解液とすることできる。このため電池の負荷特性、および、低温特性を改善することができる。
【0018】
非水溶媒中に、前記一般式[4a]または[4b]で表される環状炭酸エステルのうち少なくとも1種と鎖状炭酸エステルとの混合割合は、重量比で表して、前記一般式[4a]または[4b]で表される環状炭酸エステルのうち少なくとも1種:鎖状炭酸エステルが、0:100〜100:0、好ましくは5:95〜80:20、さらに好ましくは10:90〜70:30、特に好ましくは15:85〜55:45である。このような比率にすることによって、電解液の粘度上昇を抑制し、電解質の解離度を高めることができる為、電解液の伝導度を高めることができ、電池の負荷特性や低温特性を向上する事が出来る。
【0019】
したがって、本発明の非水電解液二次電池の最も望ましい電解液実施の形態は、リチウム塩と、金属アルコキサイドと、前記一般式[4a]または[4b]で表される環状炭酸エステルのうち少なくとも1種および/または前記鎖状炭酸エステルを含むものである。
【0020】
またそれらに加えて、前述の、通常電池用非水溶媒として広く使用されている溶媒をさらに混合あるいは少量添加して使用することも可能である。
添加する溶媒として、具体的には、γブチロラクトン、ジメトキシエタン、プロピオン酸メチルなどが挙げられる。
【0021】
リチウム塩
本発明に使用される電解質としては、通常、非水電解液用電解質として使用されているものであれば、いずれをも使用することができる。
【0022】
リチウム塩の具体例としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、Li2SiF6、LiC49SO3、LiC817SO3などが挙げられる。また、次の一般式で示されるリチウム塩も使用することができる。LiOSO213、LiN(SO214)(SO215)、LiC(SO216)(SO217)(SO218)、LiN(SO2OR19)(SO2OR20)(ここで、R13〜R20は、互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である)。これらのリチウム塩は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0023】
これらのうち、特に、LiPF6、LiBF4、LiOSO28、LiN(SO29)(SO210)、LiC(SO211)(SO212)(SO213)、LiN(SO2OR14)(SO2OR15)が好ましい。
【0024】
このようなリチウム塩は、通常、0.1〜3モル/リットル、好ましくは0.5〜2モル/リットルの濃度で非水電解液中に含まれていることが望ましい。
【0025】
本発明における非水電解液は、上記金属アルコキサイドと、非水溶媒と、電解質とを構成成分として含むが、必要に応じて他の添加剤等を0.05重量%から5重量%程度加えてもよい。
このような添加剤としては、以下の物が挙げられる。
ビニレンカーボネート、ジメチルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、ジビニルエチレンカーボネート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、スルホレン、ジビニルスルホン、1,3−プロパンスルトン、亜硫酸エチレン、亜硫酸ジメチル、メチル-N,N-ジメチルカーバメート、無水マレイン酸、など。
【0026】
以上のような本発明に係る非水電解液は、リチウムイオン二次電池用の非水電解質として好適であるばかりでなく、一次電池用の非水電解液としても用いることが出来る。
【0027】
二次電池
本発明(第1および第2の発明)に係る非水電解液二次電池は、負極と、正極と、前記の非水電解液と、特定の細孔径のセパレーターから構成されている。
【0028】
負極を構成する負極活物質としては、金属リチウム、リチウム合金、リチウムイオンをドーブ・脱ドーブすることが可能な炭素材料、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な酸化チタン、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な遷移金属窒素化物、リチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可能な酸化スズ、またはリチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可能なシリコンのいずれを用いることができる。これらの中でも、金属リチウム、リチウム合金、またはリチウムイオンをドーブ・脱ドーブすることが可能な炭素材料が好ましい。特に、リチウムイオンをドーブ・脱ドーブすることが可能な炭素材料が好ましい。このような炭素材料は、グラファイトであっても非晶質炭素であってもよく、活性炭、炭素繊維、カーボンブラック、メソカーボンマイクロビーズ、天然黒鉛などが用いられる。
【0029】
特に、X線解析で測定した(002)面の面間隔(d002)が0.340nm以下の炭素材料が好ましく、密度が1.70g/cm3以上である黒鉛またはそれに近い性質を有する高結晶性炭素材料が望ましい。このような炭素材料を使用すると、電池のエネルギー密度を高くすることができる。
【0030】
正極を構成する正極活物質としては、MoS2、TiS2、MnO2、V25などの遷移金属酸化物または遷移金属硫化物、LiCoO2、LiMnO2、LiMn24、LiNiO2、LiNiXCo(1-X)O2などのリチウムと遷移金属とからなる複合酸化物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリアセン、ジメルカプトチアジアゾール/ポリアニリン複合体などの導電性高分子材料等が挙げられる。これらの中でも、特にリチウムと遷移金属とからなる複合酸化物が好ましい。負極がリチウム金属またはリチウム合金である場合は、正極として炭素材料を用いることもできる。また、正極として、リチウムと遷移金属の複合酸化物と炭素材料との混合物を用いることもできる。
【0031】
微多孔性セパレーター
本発明の非水電解液二次電池に使用する微多孔性セパレーターは、正極と負極を電気的に絶縁隔離するもので、また、特定の細孔径を有し、この細孔中に電解液を保持し、正極と負極間のイオン伝導体の保持材として働くものである。その材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリー4―メチルペンテンなどのポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、エポキシ樹脂などの合成樹脂や、アルミナ、シリカ、チタニアなどのセラミックス、その他ガラス質の物などで、電解液と反応性を有しない絶縁性物質を挙げる事ができる。とくに合成樹脂の物が、強度、伸縮性などの点ですぐれ、その中でも、ポリオレフィンの物がもっとも望ましい。
セパレーターの細孔径は、一般的には、電解液の含浸性、透過性、また、電極粒子の目詰まりや通過を防ぐとの観点から要求が定まるものである。セパレーターの細孔径分布は、一般的には水銀ポロシメーターを使用して測定され、本発明ではセパレーターの細孔径を、水銀ポロシメーターで測定される細孔分布のピーク値と定めた。前述のポリオレフィン性のセパレーターでは、一般的には細孔径が0.1um程度のものが使用されている。
細孔径は大きいほど、電解液の含浸性・透過性に優れ有利であるが、大きくなりすぎると、電極活物質の細孔中への目詰まりが起こったり、また、セパレーターの強度が低下する傾向がある。逆に、小さすぎる場合は、電解液を保持できなくなる。このため、第1の発明でのセパレーターの細孔径としては、0.02ミクロン以上、3ミクロン以下の範囲であり、。好適には、0.05ミクロン以上1ミクロン以下である。
本発明の非水電解液二次電池に使用されるセパレーターの細孔径は、前述の電解液に添加される金属アルコキサイドの添加量にあわせて、最適なものが選ばれる。
また本発明の第2の発明では、セパレーターの細孔径が0.15ミクロン以上のもの、好ましくは0.15ミクロン以上、3ミクロン以下のものを使用する。この場合、電解液中の金属アルコキサイドの含有量(添加量)は、0.01重量%以上1.5重量%以下である。
【0032】
このような非水電解液二次電池は、円筒型、コイン型、角型、その他任意の形状に形成することができる。しかし、電池の基本構造は形状によらず同じであり、目的に応じて設計変更を施すことができる。次に、円筒型およびコイン型電池の構造について説明するが、各電池を構成する負極活物質、正極活物質およびセパレータは、前記したものが共通して使用される。
【0033】
例えば、円筒型非水電解液二次電池の場合には、負極集電体に負極活物質を塗布してなる負極と、正極集電体に正極活物質を塗布してなる正極とを、非水電解液を注入したセパレータを介して巻回し、巻回体の上下に絶縁板を載置した状態で電池缶に収納されている。
【0034】
また、コイン型電池では、円盤状負極、セパレータ、円盤状正極、場合によってアルミニウムの板および圧力バネが、この順序に積層された状態でコイン型電池缶に収納されている。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、実施例および比較例を通して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0036】
【実施例1】
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とを、EC:MEC=40:60(質量比)の割合で混合し、次に電解質であるLiPF6を非水溶媒に溶解し、電解質濃度が1.0モル/リットルとなるように非水電解液を調製した。この非水電解液に、非水電解液の重量に対して、所定量の金属アルコキサイド混合・溶解した。
表に、使用した金属アルコキサイドと、電解液全体に対する含有量を示した。
【表1】
Figure 0004115053
<セパレーター>
セパレーターは微多孔性ポリプロピレンフィルム製の物を使用した。セパレーターの細孔径は、水銀ポロシメータ(湯浅アイオニクス株式会社製オートスキャン33)を使用して測定し、孔径分布のピーク値(極大細孔径)を孔径とした。
セパレーターとして、細孔径が0.096ミクロン、0.20ミクロン、0.40ミクロンのセパレーターを使用した。
【0037】
<負極の作製>天然黒鉛(中越黒鉛製LF−18A)87重量部と結着剤のポリフッ化ビニリデン(PVDF)13重量部を混合し、溶剤のN−メチルピロリジノンに分散させ、天然黒鉛合剤スラリーを調製した。次に、この負極合剤スラリーを厚さ18μmの帯状銅箔製の負極集電体に塗布し、乾燥させた後、圧縮成型し、これを14mmの円盤状に打ち抜いて、コイン状の天然黒鉛電極を得た。この天然黒鉛電極合剤の厚さは110ミクロン、重量は20mg/Φ14mmであった。
<LiCoO電極の作製>LiCoO2(本荘FMCエナジーシステムズ(株)製 HLC−21)90重量部と、導電剤の黒鉛6重量部及びアセチレンブラック1重量部と結着剤のポリフッ化ビニリデン3重量部を混合し、溶剤のN−メチルピロリドンに分散させ、LiCoO2合剤スラリーを調製した。このLiCoO2合剤スラリーを厚さ20ミクロンのアルミ箔に塗布、乾燥させ、圧縮成型し、これをΦ13mmにうちぬき、LiCoO2電極を作製した。このLiCoO2合剤の厚さは90ミクロン、重量は35mg/Φ13mmであった。
<電池の作製>図1に示したコイン型電池を作製した。直径14mmの天然黒鉛電極13、直径13mmのLiCoO2電極14、厚さ25μm、直径16mmの微多孔性ポリプロピレンフィルムからできたセパレータ15を、ステンレス製の2032サイズの電池缶16内に、天然黒鉛電極13セパレーター15、LiCoO2電極14の順序で積層した。その後、セパレータに前記非水電解液0.03mlを注入し、アルミニウム製の板17(厚さ1.2mm、直径16mm、およびバネ20を収納した。最後に、ポリプロピレン製のガスケット18を介して、電池缶蓋19をかしめることにより、電池内の気密性を保持し、直径20mm、高さ3.2mmのコイン型電池を作製した。
<高温保存後の負荷特性の測定>前述のように作製したコイン電池を使用し、この電池を0.5mA定電流4.2V定電圧の条件で、4.2V定電圧の時の電流値が0.05mAになるまで充電し、その後、1mA定電流3.0V定電圧の条件で、3.0V定電圧の時の電流値が0.05mAになるまで放電した。次に、この電池を1mA定電流4.20V定電圧の条件で、4.2V定電圧の時の電流値が0.05mAになるまで充電した。その後、この電池を、60℃の恒温槽で7日間高温保存を行なった。高温保存後、1mAの定電流・定電圧条件で、終了条件を定電圧時の電流値0.05mAとして、4.2V〜3.0Vの充放電を一回行ない放電容量を測定した(低負荷放電容量とする。)。次に、同様の条件で4.2Vに充電した後、10mA定電流、電池電圧が3.0Vになった時点で放電を終了する条件で、放電を行い、放電容量を測定した(高負荷放電容量とする)。そして、この時の低負荷放電容量に対する高負荷放電容量の比率をもとめ、負荷特性指標と定めた。
負荷特性指標=高負荷放電容量/低負荷放電容量×100(%)
この負荷特性指標値が大きいほど、高温保存後の負荷特性の劣化が抑制されていることを示す。表2に、コイン電池作製に使用した電解液、使用したセパレーターの細孔径、および、そのコイン電池の高温保存試験後の負荷特性指標を示した。
【表2】
Figure 0004115053
上記表に示されるとうり、本発明の非水電解液電池は高温保存後の負荷特性の劣化が抑制されている事が分かる。また、金属アルコキサイドの添加量が0.5重量%以上では、細孔径が0.2ミクロン、0.4ミクロンのセパレーターを使用した場合には高温保存後の負荷特性の劣化が抑制されているが、細孔径が0.096ミクロンのセパレーターではかえって負荷特性が無添加の電解液を使用した場合よりも悪くなることが分かる。また、金属アルコキサイドの添加量が0.5重量%未満では、いずれのセパレーターを使用しても、高温保存後の負荷特性の劣化が、無添加の電解液に比べて小さく抑えられている事がわかる。
【発明の効果】
本発明の非水電解液二次電池は、高温保存後の負荷特性の低下が抑制され、従って、高温保存特性などの電池寿命にすぐれる。また、負荷特性、低温における電池特性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非水電解液二次電池の一実施例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の実施例で用いるコイン型電池の概略断面図である。
【符号の説明】
1、13・・・・負極
2、14・・・・正極
3、15・・・・セバレータ
4・・・・・・・・絶縁板
5、16・・・・電池缶
6・・・・・・・・封口ガスケット
7・・・・・・・・電池蓋
8・・・・・・・・電流遮断用薄板
9・・・・・・・・負極集電体
10・・・・・・・・正極集電体
11・・・・・・・・負極リード
12・・・・・・・・正極リード
17・・・・・・・・ステンレス製の板
18・・・・・・・・ガスケット
19・・・・・・・・電池缶(蓋)
20・・・・・・・・バネ

Claims (7)

  1. 正極、負極、リチウム塩を含む非水電解液と、微多孔性のセパレーターからなる非水電解液二次電池において、負極が、金属リチウム、リチウム含有合金、またはリチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料を活物質とするものであり、微多孔性セパレーターが、水銀ポロシメーターで測定される孔径分布のピーク値が0.15ミクロン以上の微多孔性セパレーターであり、かつ、非水電解液が、リチウム塩と、非水溶媒と、下記式[1]で表されるチタンアルコキサイドおよび一般式[3]で表されるアルミニウムアルコキサイドから選ばれる金属アルコキサイドとからなり、かつ、非水電解液中の金属アルコキサイドの含有量が非水電解液全体に対して0.01〜1.5質量%であることを特徴とする非水電解液二次電池。
    Figure 0004115053
    [1](R1からR4は、互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基である。
    Figure 0004115053
    (RからR11は、互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基である。)
  2. 金属アルコキサイドが、テトラエトキシチタンである請求項1記載の非水電解液二次電池。
  3. 非水溶媒が、一般式[4a]または[4b]で表される環状炭酸エステルのうち少なくとも1種および/または鎖状炭酸エステルとからなることを特徴とする請求項1または2記載の非水電解液二次電池。
    Figure 0004115053
    (式[4a]または[4b]中、R12〜R15は、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基である。)
  4. 前記一般式[4a]または[4b]で表される環状炭酸エステルが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、またはビニレンカーボネートから選ばれる1種または混合物であることを特徴とする請求項3記載の非水電解液二次電池。
  5. 前記鎖状炭酸エステルが、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、またはメチルエチルカーボネートから選ばれる1種または混合物であることを特徴とする請求項3ないし4に記載の非水電解液二次電池。
  6. 前記一般式[4a]または[4b]で表される環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルの重量比率が15:85〜55:45であることを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の非水電解液二次電池。
  7. 負極が、前記リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料が、X線解析で測定した(002)面における面間隔距離(d002)が、0.340nm以下である炭素材料であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
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