JP4674455B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、チタン元素を成分として含む電解質を用いた非水電解質二次電池に関する。
近年、カメラ一体型VTR(Videotape Recorder;ビデオテープレコーダ),携帯電話あるいはノートパソコンなどのポータブル電子機器が多く登場し、その小型軽量化が図られている。これらの電子機器のポータブル電源として用いられている電池、特に二次電池はキーデバイスとして、エネルギー密度の向上を図る研究開発が活発に進められている。中でも、非水電解質二次電池(例えば、リチウムイオン二次電池)は、従来の水系電解液二次電池である鉛電池、ニッケルカドミウム電池と比較して大きなエネルギー密度が得られるため、その改良に関する検討が各方面で行われている。
リチウムイオン二次電池に使用される負極材料としては、比較的高容量を示し良好なサイクル特性を有する難黒鉛化性炭素あるいは黒鉛などの炭素材料が広く用いられている。ただし、近年の高容量化の要求を考えると、炭素材料の更なる高容量化が課題となっている。
このような背景から、炭素化原料と作成条件とを選ぶことにより炭素材料で高容量を達成する技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、かかる炭素材料を用いた場合には、負極放電電位が対リチウムで0.8V〜1.0Vであり、電池を構成したときの電池放電電圧が低くなることから、電池エネルギー密度の点では大きな向上が見込めない。さらには、充放電曲線形状にヒステリシスが大きく、各充放電サイクルでのエネルギー効率が低いという欠点もある。
一方で、炭素材料を上回る高容量負極として、ある種の金属がリチウム(Li)と電気化学的に合金化し、これが可逆的に生成・分解することを応用した合金材料に関する研究も進められている。例えば、Li−Al合金を用いた高容量負極が開発され、さらには、Si合金からなる高容量負極が開発されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、Li−Al合金あるいはSi合金は、充放電に伴って膨張収縮し、充放電を繰り返すたびに負極が微粉化するので、サイクル特性が極めて悪いという大きな問題がある。
そこで、サイクル特性を改善する手法として、リチウムやケイ素(Si)にリチウムの吸蔵および放出に関与しない元素を添加等することにより、これらの膨張収縮を抑制することが検討されている。例えばLim SiOn (0≦m,0<n<2)、Lih Si1-j j k (0≦h,0<j<1,0<k<2,Mは、アルカリ金属を除く金属あるいはケイ素を除く半金属を表す。)あるいはLi−Ag−Te合金が提案されている(例えば、特許文献3〜5参照)。
特開平8−315825号公報 米国特許第4950566号明細書等 特開平6−325765号公報 特開平7−230800号公報 特開平7−288130号公報
しかしながら、これらの手法を用いた場合においても、サイクル特性改善の効果は十分とは言えず、合金材料における高容量負極の特長を十分に活かしきれていないのが実状である。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、サイクル特性に優れた非水電解質二次池を提供することにある。
本発明による非水電解質二次電池は、正極および負極と共に電解質を備え、負極は、スズ(Sn)を構成元素として含む材料を含有し、電解質は、溶媒、電解質塩および金属チタンを含むと共に、当該電解質に成分として含まれるチタン元素の含有量は、1質量ppm以上5000質量ppm以下である
本発明の非水電解質二次電池によれば、チタン元素を成分として含むようにしたので、サイクル特性を向上させることができる。
特に、負極に、スズ(Sn)を構成元素として含む材料を含有するようにしたので効果的である。
また、電解におけるチタン元素の含有量を1質量ppm以上5000質量ppm以下となるようにしたので、サイクル特性をより向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る二次電池の断面構造を表すものである。この二次電池は、いわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、帯状の正極21と負極22とがセパレータ23を介して積層し、巻回された巻回電極体20を有している。電池缶11は、例えばニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe)により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12,13がそれぞれ配置されている。
電池缶11の開放端部には、電池蓋14と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁機構15および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)16とが、ガスケット17を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶11の内部は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板15Aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子16は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものである。ガスケット17は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
巻回電極体20の中心には例えばセンターピン24が挿入されている。巻回電極体20の正極21にはアルミニウム(Al)などよりなる正極リード25が接続されており、負極22にはニッケルなどよりなる負極リード26が接続されている。正極リード25は安全弁機構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接続されており、負極リード26は電池缶11に溶接され電気的に接続されている。
図2は図1に示した巻回電極体20の一部を拡大して表すものである。正極21は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体21Aと、正極集電体21Aの両面あるいは片面に設けられた正極活物質層22Bとを有している。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
正極活物質層21Bは、正極活物質として、例えば電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料を含んで構成されている。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、硫化チタン(TiS2 ),硫化モリブデン(MoS2 ),セレン化ニオブ(NbSe2 )あるいは酸化バナジウム(V2 5 )などのリチウムを含有しない金属硫化物あるいは金属酸化物などが挙げられる。また、Lix MO2 (式中、Mは一種以上の遷移金属を表し、xは電池の充放電状態によって異なり、通常0.05≦x≦1.10である)を主体とするリチウム複合酸化物なども挙げられる。このリチウム複合酸化物を構成する遷移金属Mとしては、コバルト、ニッケル、マンガン等が好ましい。このようなリチウム複合酸化物の具体例としては、LiCoO2 ,LiNiO2 ,Liy Niz Co1-z 2 (式中、y,zは電池の充放電状態によって異なり、通常0<y<1,0<z<1である)、スピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物等を挙げることができる。
正極活物質層21Bは、また、例えば導電剤を含んでおり、必要に応じて更に結着剤を含んでいてもよい。導電剤としては、例えば、黒鉛,カーボンブラックあるいはケッチェンブラックなどの炭素材料が挙げられ、1種または2種以上が混合して用いられる。また、炭素材料の他にも、導電性を有する材料であれば金属材料あるいは導電性高分子材料などを用いるようにしてもよい。結着剤としては、例えば、スチレンブタジエン系ゴム,フッ素系ゴムあるいはエチレンプロピレンジエンゴムなどの合成ゴム、またはポリフッ化ビニリデンなどの高分子材料が挙げられ、1種または2種以上が混合して用いられる。
負極22は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体22Aと、負極集電体22Aの両面あるいは片面に設けられた負極活物質層22Bとを有している。
負極集電体22Aは、リチウムと金属間化合物を形成しない金属元素の少なくとも1種を含む金属材料により構成されていることが好ましい場合もある。リチウムと金属間化合物を形成すると、充放電に伴い膨張および収縮し、構造破壊が起こって、集電性が低下する他、負極活物質層22Bを支える能力が小さくなり負極活物質層22Bが負極集電体22Aから脱落する場合があるからである。なお、本明細書において金属材料には、金属元素の単体だけでなく、2種以上の金属元素あるいは1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とからなる合金も含める。リチウムと金属間化合物を形成しない金属元素としては、例えば、銅(Cu),ニッケル,チタン(Ti),鉄あるいはクロム(Cr)が挙げられる。
負極活物質層22Bは、例えば、負極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能であり、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む負極材料を含有している。このような負極材料を用いれば、高いエネルギー密度を得ることができるからである。この負極材料は金属元素あるいは半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、本発明において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体,共晶(共融混合物),金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
この負極材料を構成する金属元素あるいは半金属元素としては、スズ(Sn),鉛(Pb),アルミニウム,インジウム(In),ケイ素,亜鉛(Zn),アンチモン(Sb),ビスマス(Bi),カドミウム(Cd),マグネシウム(Mg),ホウ素(B),ガリウム(Ga),ゲルマニウム(Ge),ヒ素(As),銀(Ag),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y)またはハフニウム(Hf)が挙げられる。これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
また、これらの金属元素あるいは半金属元素の合金または化合物としては、例えば、化学式Mas Mbt Liu 、あるいは化学式Map Mcq Mdr で表されるものが挙げられる。これらの化学式において、Maはリチウムと合金を形成可能な金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を表し、MbはリチウムおよびMa以外の金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を表し、Mcは非金属元素の少なくとも1種を表し、MdはMa以外の金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を表す。また、s、t、u、p、qおよびrの値はそれぞれs>0、t≧0、u≧0、p>0、q>0、r≧0である。
中でも、この負極材料としては、長周期型周期表における14族の金属元素あるいは半金属元素を構成元素として含むものが好ましく、特に好ましいのはケイ素およびスズの少なくとも一方を構成元素として含むものである。ケイ素およびスズは、リチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、組み合わせによっては、従来の黒鉛と比較して負極22のエネルギー密度を高くすることができるからである。具体的には、例えば、ケイ素の単体,合金,あるいは化合物、またはスズの単体,合金,あるいは化合物、またはこれらの1種あるいは2種以上の相を少なくとも一部に有する材料が挙げられる。
このような合金または化合物について具体的に例を挙げれば、SiB4 ,SiB6 ,Mg2 Si,Mg2 Sn,Ni2 Si,TiSi2 ,MoSi2 ,CoSi2 ,NiSi2 ,CaSi2 ,CrSi2 ,Cu5 Si,FeSi2 ,MnSi2 ,NbSi2 ,TaSi2 ,VSi2 ,WSi2 ,ZnSi2 ,SiC,Si3 4 ,Si2 2 O,SiOv (0<v≦2),SnOw (0<w≦2),SnSiO3 ,LiSiO,LiSnO,銅・スズ含有合金あるいはコバルト・スズ含有合金などがある。この負極材料は1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
このような合金あるいは化合物、またはこれらの1種あるいは2種以上の相を少なくとも一部に有する材料は、例えば、メカニカルアロイング法あるいはメカニカルミリング法などのメカノケミカル反応を利用した方法、または原料を混合して不活性雰囲気下あるいは還元性雰囲気下で加熱処理する方法、メルトスピニング法、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法により得られる。また、これらは粉砕した状態のものであってもよいし、粉砕せずに塊のままの状態であってもよい。
この負極活物質層22Bは、気相法,液相法あるいは焼成法により形成されたものでも、塗布により形成されたものでもよい。焼成法というのは、粒子状の負極活物質を結着剤あるいは溶剤などと混合して成形したのち、例えば結着剤などの融点よりも高い温度で熱処理する方法である。このうち気相法,液相法あるいは焼成法による場合には、負極活物質層22Bと負極集電体22Aとが界面の少なくとも一部において合金化していることが好ましい。具体的には、界面において負極集電体22Aの構成元素が負極活物質層22Bに、または負極活物質の構成元素が負極集電体22Aに、またはそれらが互いに拡散していることが好ましい。充放電に伴う負極活物質層22Bの膨張・収縮による破壊を抑制することができると共に、負極活物質層22Bと負極集電体22Aとの間の電子伝導性を向上させることができるからである。
また、塗布による場合には、負極活物質に加えて、ポリフッ化ビニリデンなどの結着剤および導電剤などの他の材料を含んでいてもよい。焼成法による場合も同様である。
なお、負極活物質としては、リチウムを吸蔵および放出することが可能な炭素材料を用いてもよく、また、これらの炭素材料と、上述した負極材料とを共に用いるようにしてもよい。炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非常に少なく、例えば上述した負極材料と共に用いるようにすればようにすれば、高エネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができ、更に導電剤としても機能するので好ましい。
このような炭素材料としては、例えば、人造黒鉛,天然黒鉛,熱分解炭素類,コークス類、グラファイト類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼結体、繊維状炭素、活性炭、カーボンブラック類あるいは難黒鉛化性炭素などが挙げられる。コークス類としては、ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークスなどが挙げられる。なお、有機高分子化合物焼結体とは、フェノール類やフラン類などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどよりなる合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されており、これらの2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。
セパレータ23には、液状の電解質である電解液が含浸されている。電解液は、溶媒と、この溶媒に溶解された電解質塩とを含んでいる。
溶媒としては、高誘電率溶媒と、低粘度溶媒とを混合して用いることが好ましい。これにより高いイオン伝導性を得ることができるからである。
高誘電率溶媒としては、例えば、炭酸エチレン,炭酸プロピレン,1,3−ジオキソール−2−オン,4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン,γ−ブチロラクトン,、スルホランあるいはメチルスルホランが挙げられる。高誘電率溶媒には、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、低粘度溶媒としては、例えば、炭酸ジエチル,炭酸ジメチル,1,2−ジメトキシエタン,1,2−ジエトキシエタン,テトラヒドロフラン,1,3−ジオキソラン,酢酸エステル,酪酸エステルあるいはプロピオン酸エステルなどが挙げられる。低粘度溶媒には、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
溶媒としては、また、種々の特性を向上させるために、他の溶媒を用いてもよい。他の溶媒としては、例えば、2−メチルテトラヒドロフラン,4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、アセトニトリル、プロピオニトリルあるいはフッ化ベンゼンが挙げられる。
電解質塩としては、例えば、LiPF6 ,LiBF4 ,LiClO4 ,LiAsF6 ,LiB(C6 5 4 ,CH3 SO3 Li,CF3 SO3 Li,LiClあるいはLiBrなどのリチウム塩が挙げられる。電解質塩には、1種を単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
電解液は、更に、チタン元素を成分として含んでいる。負極22における溶媒の分解反応を抑制することができると共に、余分な被膜形成を抑制することができると考えられ、サイクル特性を向上させることができるからである。ここでいうチタン元素は、具体的には、電解液中に、チタンイオンあるいは金属チタンとして存在するもの、またはチタン化合物に構成成分として含まれて存在するものなどをいう。チタン元素の含有量は、電解液全体に対して10000質量ppm以下であることが好ましく、1質量ppm以上5000質量ppm以下の範囲内であることがより好ましい。高い効果が得られるからである。なお、チタン元素の含有量は、例えば、ICP-AES (Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy :誘導結合プラズマ発光分析)により測定することができる。
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、例えば、正極集電体21Aに正極活物質層21Bを形成し正極21を作製する。正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質の粉末と導電剤と結着剤とを混合して正極合剤を調製したのち、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとし、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し乾燥させ、圧縮成型することにより形成する。
また、例えば、負極集電体22Aに負極活物質層22Bを形成し負極22を作製する。負極活物質層22Bは、例えば、気相法、液相法、焼成法、または塗布のいずれにより形成してもよく、それらの2以上を組み合わせてもよい。気相法、液相法または焼成法により形成する場合には、形成時に負極活物質層22Bと負極集電体22Aとが界面の少なくとも一部において合金化することがあるが、更に、真空雰囲気下または非酸化性雰囲気下で熱処理を行い、合金化するようにしてもよい。
なお、気相法としては、例えば、物理堆積法あるいは化学堆積法を用いることができ、具体的には、真空蒸着法,スパッタ法,イオンプレーティング法,レーザーアブレーション法,熱CVD(Chemical Vapor Deposition;化学気相成長)法あるいはプラズマCVD法等が利用可能である。液相法としては電解鍍金あるいは無電解鍍金等の公知の手法が利用可能である。焼成法に関しても公知の手法が利用可能であり、例えば、雰囲気焼成法,反応焼成法あるいはホットプレス焼成法が利用可能である。塗布の場合には、正極21と同様にして形成することができる。
次いで、正極集電体21Aに正極リード25を溶接などにより取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード26を溶接などにより取り付ける。そののち、正極21と負極22とをセパレータ23を介して巻回し、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接すると共に、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接して、巻回した正極21および負極22を一対の絶縁板12,13で挟み電池缶11の内部に収納する。正極21および負極22を電池缶11の内部に収納したのち、電解液を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させる。そののち、電池缶11の開口端部に電池蓋14,安全弁機構15および熱感抵抗素子16をガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図1に示した二次電池が完成する。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極活物質層21Bからリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極活物質層22Bに吸蔵される。また、放電を行うと、例えば、負極活物質層22Bからリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極活物質層21Bに吸蔵される。その際、電解液には、チタン元素をチタンイオン,金属チタンあるいはチタン化合物の構成成分などとして含んでいるので、サイクル特性が改善される。
このように本実施の形態によれば、電解液に、チタン元素を成分として含むようにしたので、サイクル特性を向上させることができる。
特に、負極22に電極反応物質を吸蔵および放出することが可能であり、構成元素として金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を含む負極材料を含有するようにした場合に効果的である。
また、電解液におけるチタン元素の含有量を10000質量ppm以下となるようにすれば、サイクル特性をより向上させることができる。
図3は、本発明の他の実施の形態に係る二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、いわゆるラミネートフィルム型といわれるものであり、正極リード31および負極リード32が取り付けられた巻回電極体30をフィルム状の外装部材40の内部に収容したものである。
正極リード31および負極リード32は、外装部材40の内部から外部に向かい例えば同一方向にそれぞれ導出されており、アルミニウム,銅,ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されている。
外装部材40は、例えば、ナイロンフィルム,アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に張り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装部材40は、例えば、ポリエチレンフィルム側と巻回電極体30とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材40と正極リード31および負極リード32との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム41が挿入されている。密着フィルム41は、正極リード31および負極リード32に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装部材40は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム,ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
図4は、図3に示した巻回電極体30のI−I線沿った断面構造を表すものである。巻回電極体30は、正極33と負極34とをセパレータ35および電解質層36を介して積層し、巻回したものであり、最外周は保護テープ37により保護されている。
正極33は、正極集電体33Aの片面あるいは両面に正極活物質層33Bが設けられた構造を有しており、負極34も、負極集電体34Aの片面あるいは両面に負極活物質層34Bが設けられた構造を有している。正極33と負極34とは、正極活物質層33Bと負極活物質層34Bとが対向するように配置されている。正極集電体33A,正極活物質層33B,負極集電体34A,負極活物質層34Bおよびセパレータ35の具体的な構成は、上述した正極集電体21A,正極活物質層21B,負極集電体22A,負極活物質層22Bおよびセパレータ23と同様である。
電解質層36は、電解液と、この電解液を保持する保持体となる高分子化合物とを含み、いわゆるゲル状となっている。ゲル状の電解質は高いイオン伝導率を得ることができると共に、漏液を防止することができるので好ましい。電解液の構成は、図1に示した円筒型の二次電池と同様である。
高分子化合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンあるいはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ素系高分子化合物、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、またはポリアクリロニトリルなどが挙げられる。特に、酸化還元安定性の観点からは、フッ素系高分子化合物が望ましい。
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、正極21および負極22と同様にして作製した正極33および負極34のそれぞれに、高誘電率溶媒およびこれに溶解した電解質塩を含み、更にチタン元素を含むチタン溶液と、高分子化合物と、混合溶剤とを含む前駆溶液を塗布し、混合溶剤を揮発させて電解質層36を形成する。そののち、正極集電体33Aの端部に正極リード31を溶接により取り付けると共に、負極集電体34Aの端部に負極リード32を溶接により取り付ける。次いで、電解質層36が形成された正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層し積層体としたのち、この積層体をその長手方向に巻回して、最外周部に保護テープ37を接着して巻回電極体30を形成する。最後に、例えば、外装部材40の間に巻回電極体30を挟み込むと共に、低粘度溶媒を注入し、外装部材40の外縁部同士を熱融着などにより密着させて封入する。その際、正極リード31および負極リード32と外装部材40との間には密着フィルム41を挿入する。これにより、図3および図4に示した二次電池が完成する。
また、この二次電池は、次のようにして作製してもよい。まず、正極21および負極22と同様にして正極33および負極34を作製し、正極33および負極34に正極リード31および負極リード32を取り付けたのち、正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層して巻回し、最外周部に保護テープ37を接着して、巻回電極体30の前駆体である巻回体を形成する。次いで、この巻回体を外装部材40に挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状とし、外装部材40の内部に収納する。続いて、電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、必要に応じて重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を用意し、外装部材40の内部に注入する。
電解質用組成物を注入したのち、外装部材40の開口部を真空雰囲気下で熱融着して密封する。次いで、熱を加えてモノマーを重合させて高分子化合物とすることによりゲル状の電解質層36を形成し、図3および図4に示した二次電池を組み立てる。
この二次電池は、図1に示した円筒型の二次電池と同様に作用し同様の効果を有する。
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
実験例1−1〜1−8)
図1に示した円筒型の二次電池を作製した。まず、炭酸リチウム(Li2 CO3 )と炭 酸コバルト(CoCO3 )とを0.5:1のモル比で混合し、空気中において890℃で5時間焼成してリチウム・コバルト複合酸化物(LiCoO2 )を得た。得られたLiCoO2 についてX線回折測定を行ったところ、JCPDS(Joint Committee of Powder Di ffraction Standard)ファイルに登録されたLiCoO2 のピークとよく一致していた。続いて、このリチウム・コバルト複合酸化物を粉砕して平均粒子径が10μmの粉末状とし、正極材料とした。
次いで、このLiCoO2 95質量部と、Li2 CO3 粉末5質量部とを混合し、この混合物91質量部と、導電剤としてグラファイト(ロンザ製 KS-15 )6質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとした。そののち、この正極合剤スラリーを厚み20μmの帯状のアルミニウム箔よりなる正極集電体21Aの両面に均一に塗布して乾燥させ、圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し正極21を作製した。そののち、正極集電体21Aの一端にアルミニウム製の正極リード25を取り付けた。
また、銅粉末5質量部と、スズ粉末5質量部とを直径9mmの鋼玉約400gと共に、伊藤製作所製の遊星ボールミルの反応容器中にセットした。反応容器中をアルゴン雰囲気に置換し、毎分250回転の回転速度による10分間の運転と、10分間の休止とを、運転時間の合計が20時間になるまで繰り返した。そののち、反応容器を室温まで冷却して合成されたCu−Sn合金粉末を取り出し、200メッシュのふるいを通して粗粉を取り除き、負極材料とした。
次いで、このCu−Sn合金粉末80質量部と、導電剤としてグラファイト(ロンザ製 KS-15 )11質量部およびアセチレンブラック1質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン8質量部とを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとした。そののち、この負極合剤スラリーを厚み10μmの帯状銅箔よりなる負極集電体22Aの両面に均一に塗布して乾燥させ、一定圧力で圧縮成型して負極活物質層22Bを形成し負極22を作製した。続いて、負極集電体22Aの一端にニッケル製の負極リード26を取り付けた。
正極21および負極22をそれぞれ作製したのち、厚み25μmのポリエチレン製セパレータ23(東燃化学製 E25MMS)を用意し、負極22,セパレータ23,正極21,セパレータ23の順に積層してこの積層体を渦巻状に多数回巻回し、粘着テープを用いて巻き終わり部分を固定して巻回電極体20を作製した。
巻回電極体20を作製したのち、巻回電極体20を一対の絶縁板12,13で挟み、負極リード26を電池缶11に溶接すると共に、正極リード25を安全弁機構15に溶接して、巻回電極体20をニッケルめっきした鉄製の電池缶11の内部に収納した。そののち、電池缶11の内部に電解液を減圧方式により注入して、直径18mm、高さ65mmの円筒型の二次電池を作製した。電解液には、高誘電率溶媒である炭酸エチレンと、低粘度溶媒である炭酸ジメチルとを等体積で混合した混合溶媒に、電解質塩としてLiPF6 を1mol/lとなるように溶解させ、更に金属チタンを添加して溶解させ、一昼夜放置したのち、上澄液をろ紙(ADVANTEC製5C )でろ過して、溶解しなかった金属チタンを除去したものを用いた。その際、電解液に含まれるチタン元素の量を調整した。
実験例1−1〜1−8に対する比較例1−1として、金属チタンを溶解させなかったことを除き、他は実験例1−1〜1−8と同様にして二次電池を作製した。
作製した実験例1−1〜1−8および比較例1−1の二次電池について、充放電を2サイクル行い、この電池を解体して電解液におけるチタン元素の含有量を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0004674455
なお、チタンの含有量は、電解液を純水で希釈した希釈溶液を用い、堀場製作所製ICP-AES 装置により、334.94nmおよび336.121nmにおけるチタンの発光波長に基づき測定した。
また、充放電は次のようにして行った。まず、23℃の環境中において、1Aの定電流定電圧充電を上限電圧4.2Vまで行ったのち、1Aの定電流放電を終止電圧2.5Vまで行い、同一の充放電条件で2サイクル行った。
また、これとは別に作製した実験例1−1〜1−8および比較例1−1の二次電池について、サイクル特性を測定した。得られた結果を表1に示す。
なお、サイクル特性は、上記条件で充放電を行い、1サイクル目の放電容量を100とした場合の100サイクル目の容量維持率(%)を求めた。
表1から分かるように、チタン元素を成分として含む実験例1−1〜1−8によれば、チタン元素を成分として含まない比較例1−1よりも容量維持率が高かった。
また、実験例1−1〜1−8によれば、容量維持率は、チタン元素の含有量が大きくなるに伴い上昇し、極大値を示したのち低下した。
すなわち、電解液にチタン元素を成分として含むようにすれば、容量維持率を向上させることができ、チタン元素の含有量は、10000質量ppm以下が好ましく、1質量ppm以上5000質量ppm以下の範囲内であればより好ましいことが分かった。
実験例2−1〜2−5)
負極活物質としてグラファイトを用いて負極22を作製したことを除き、他は実験例1−3〜1−7と同様にして二次電池を作製した。すなわち、実験例2−1〜2−5では、チタン元素の含有量を0.5質量ppm〜4850質量ppmとした。
実験例2−1〜2−5の比較例2−1として、金属チタンを添加せずに電解液を作製したことを除き、他は実験例2−1〜2−5と同様にして二次電池を作製した。
作製した実験例2−1〜2−5および比較例2−1の二次電池について、実験例1−1〜1−8と同様にしてチタン元素の含有量およびサイクル特性を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0004674455
表2から分かるように、実験例1−1〜1−8と同様の結果が得られた。また、負極活物質としてCu−Sn合金を用いた実験例1−1〜1−8よれば、比較例1−1に比べて容量維持率を大幅に向上させることができたのに対して、炭素材料を用いた実験例2−1〜2−5では、比較例2−1に比べて僅かに向上させることができたのみであった。
すなわち、負極22に電極反応物質を吸蔵および放出することが可能であり、構成元素として金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を含む負極材料を含有するようにした場合に、電解液にチタン元素を成分として含むようにすれば、効果的であることが分かった。
実験例3−1〜3−3)
金属チタンに代えて、塩化チタン,ヨウ化チタンまたはシュウ酸チタンを用いて電解液
を作製したことを除き、他は実験例1−6と同様にして二次電池を作製した。これらの二次電池についても実験例1−6と同様にしてチタン元素の含有量および容量維持率を求めた。それらの結果を実験例1−6の結果と共に表3に示す。
Figure 0004674455
表3から分かるように、実験例1−6と同様の結果が得られた。すなわち、電解液にチタン元素を成分として含むようにすれば、チタン化合物を用いて電解液を作製しても、容量維持率を向上させることができることが分かった。
実験例4−1)
図3および図4に示した二次電池を作製した。まず、実験例1−1〜1−8と同様にして負極34を作製した。その際、導電剤は、グラファイト(大阪ガス製 MCMB5 )とした。そののち、負極34の一端に、ニッケル製の負極リード32を取り付けた。
また、実験例1−1〜1−8と同様にして正極材料としてのLiCoO2 を作製した。
続いて、このLiCoO2 95質量部と、導電剤として比表面積が800m2 /gであるケッチェンブラック(ライオン株式会社製)2質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとした。そののち、この正極合剤スラリーを厚み20μmの帯状のアルミニウム箔よりなる正極集電体33Aの両面に均一に塗布して乾燥させ、圧縮成型して正極活物質層33Bを形成し正極33を作製した。そののち、正極集電体33Aの一端にアルミニウム製の正極リード31を取り付けた。
次いで、高分子化合物としてフッ化ビニリデンと、ヘキサフルオロプロピレンとの共重合体のうち分子量が重量平均分子量で70万であるもの(A)と、31万であるもの(B)とを(A):(B)=9:1の質量比で混合したものを用意した。共重合体におけるヘキサフルオロプロピレンの割合は7質量%とした。続いて高分子化合物と、チタン溶液と、混合溶剤である炭酸ジメチルとを、高分子化合物:チタン溶液:炭酸ジメチル=1:8:13の質量比で混合し、70℃で攪拌して溶解させ、ゾル状の前駆溶液を作製した。チタン溶液には、高誘電率溶媒である炭酸エチレンと、炭酸プロピレンと、1,3−ジオキソール−2−オンとを、炭酸エチレン:炭酸プロピレン:1,3−ジオキソール−2−オン=44:44:2の質量比で混合した溶媒に、電解質塩としてLiPF6 を0.6mol/lとなるように溶解させ、更に、塩化チタンを添加して溶解させ、一昼夜放置したのち、上澄液をろ紙でろ過して、溶解しなかった塩化チタンを除去したものを用いた。
得られた前駆溶液を、正極33および負極34のそれぞれにバーコーターを用いて塗布したのち、70℃の恒温槽で混合溶剤を揮発させゲル状の電解質層36を形成した。
そののち、電解質層36をそれぞれ形成した正極33と負極34とを、厚み16μmのポリエチレンからなるセパレータ35(東燃化学製 E16MMS )を介して積層し、平たく巻回して巻回電極体30を形成した。
得られた巻回電極体30をラミネートフィルムよりなる外装部材40に入れると共に、低粘度溶媒である炭酸ジメチルを注入し、減圧封入することにより図3および図4に示した二次電池を作製した。その際、炭酸ジメチルの注入量は、溶媒全体において10質量%となるようにした。
実験例4−1に対する比較例4−1として、塩化チタンを添加せずに電解液を作製したことを除き、他は実験例4−1と同様にして二次電池を作製した。
作製した実験例4−1および比較例4−1の二次電池について、実験例1−1〜1−8と同様の条件で充放電を2サイクル行い、この電池を解体してゲル状の電解質から電解液を抽出し、実験例1−1〜1−8と同様にして電解液におけるチタン元素の含有量を測定した。また、実験例1−1〜1−8と同様にしてサイクル特性を測定した。それらの結果を表4に示す。
Figure 0004674455
表4から分かるように、実験例3−1と同様の結果が得られた。すなわち、ゲル状の電解質を用いても、電解液にチタン元素を成分として含むようにすれば、サイクル特性を向上させることができることが分かった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は実施の形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、電極反応物質としてリチウムを用いる電池について説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの他のアルカリ金属、またはマグネシウムあるいはカルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属、またはアルミニウムなどの他の軽金属を用いる場合についても、本発明を適用することができる。その際、負極活物質には、上記実施の形態で説明したような負極材料を同様にして用いることができる。
加えて、上記実施の形態および実施例では、円筒型の二次電池およびラミネートフィルムなどの外装部材を用いた二次電池について具体的に挙げて説明したが、本発明は、ボタン型、角型などの他の形状を有する二次電池、または積層構造などの他の構造を有する二次電池についても同様に適用することができる。また、本発明は、二次電池に限らず、一次電池などの他の電池についても同様に適用することができる。
本発明の一実施の形態に係る二次電池の構成を表す断面図である。 図1に示した二次電池における巻回電極体の一部を拡大して表す断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る二次電池の構成を表す断面図である。 図3に示した巻回電極体のI−I線に沿った構成を表す断面図である。
符号の説明
11…電池缶、12,13…絶縁板、14…電池蓋、15…安全弁機構、15A…ディスク板、16…熱感抵抗素子、17…ガスケット、20,30…巻回電極体、21,33…正極、21A,33A…正極集電体、21B,33B…正極活物質層、22,34…負極、22A,34A…負極集電体、22B,34B…負極活物質層、23,35…セパレータ、24…センターピン、25,31…正極リード、26,32…負極リード、36…電解質層、37…保護テープ、40…外装部材、41…密着フィルム。

Claims (2)

  1. 正極および負極と共に電解質を備え
    前記負極は、スズ(Sn)を構成元素として含む材料を含有し、
    前記電解質は、溶媒、電解質塩および金属チタンを含むと共に、当該電解質に成分として含まれるチタン元素の含有量は、1質量ppm以上5000質量ppm以下である
    非水電解質二次電池。
  2. 前記電解質は高分子化合物を含み、ゲル状となっている
    請求項1記載の非水電解質二次電池。
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