JP4940571B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Description
図1は本発明の第1の実施の形態に係る二次電池の断面構造を表すものである。この二次電池はいわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、帯状の正極21と帯状の負極22とがセパレータ23を介して積層し巻回された巻回電極体20を有している。電池缶11は、例えばニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe)により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、電解液が注入され、セパレータ23に含浸されている。また、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12,13がそれぞれ配置されている。
第2の実施の形態に係る二次電池は、負極22の構成が異なることを除き、他は第1の実施の形態と同様の構成・作用および効果を有しており、同様にして製造することができる。よって、図1および図2を参照し、対応する構成要素には同一の符号を付して同一の部分の説明は省略する。
図3は、第3の実施の形態に係る二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、いわゆるラミネートフィルム型といわれるものであり、正極リード31および負極リード32が取り付けられた巻回電極体30をフィルム状の外装部材40の内部に収容したものである。
図1,2に示した円筒型の二次電池を作製した。まず、炭酸リチウム(Li2 CO3 )と炭酸コバルト(CoCO3 )とを0.5:1のモル比で混合し、空気中において890℃で5時間焼成してリチウム・コバルト複合酸化物(LiCoO2 )を得た。得られたLiCoO2 についてX線回折を行ったところ、JCPDS(Joint Committee of Powder Diffraction Standard)ファイルに登録されたLiCoO2 のピークとよく一致していた。続いて、このリチウム・コバルト複合酸化物を粉砕して平均粒子径が10μmの粉末状とし、正極活物質とした。
SnCoC含有材料の組成を変化させたことを除き、他は実験例1−1と同様にして二次電池を作製した。作製した実験例2−1〜2−6のCoSnC含有材料についても、実験例1−1と同様にして組成の分析を行った。それらの結果を表8,9に示す。また、実験例1−1,2−1〜2−6のCoSnC含有材料についてX線回折を行ったところ、回折角2θ=20°〜50°の間に、回折角2θが1.0°以上の広い半値幅を有する回折ピークが観察された。更に、これらのCoSnC含有材料についてXPSを行ったところ、図5に示したようにピークP1が得られた。ピークP1を解析すると、表面汚染炭素のピークP2と、ピークP2よりも低エネルギー側にSnCoC含有材料中におけるC1sのピークP3とが得られた。このピークP3は、284.5eVよりも低い領域に得られた。すなわち、SnCoC含有材料中の炭素が他の元素と結合していることが確認された。
負極22の構成を変えたことを除き、他は実験例1−1と同様にして二次電池を作製した。その際、実験例3−1では、負極集電体22Aに電子ビーム蒸着によりケイ素よりなる負極活物質層22Bを形成したのち、加熱処理することにより負極22を作製した。実験例3−2では、負極集電体22Aにスパッタによりケイ素よりなる負極活物質層22Bを形成することにより負極22を作製した。実験例3−3では、平均粒径1μmのケイ素粉末90質量%と、結着材であるポリフッ化ビニリデン10質量%とを、分散媒に分散させて負極集電体22Aに塗布したのち、焼成することにより負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製した。実験例3−4では、負極集電体22にめっきによりスズよりなる負極活物質層22Bを形成することにより負極22を作製した。
溶媒の組成を変えたことを除き、他は実験例1−1と同様にして二次電池を作製した。その際、実験例4−1〜4−9では、実験例1−1と同様に、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンと炭酸エチレンと炭酸ジメチルとを混合した溶媒を用い、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンと炭酸エチレンとの割合を表11に示したように変化させた。また、実験例4−10〜4−16では、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンと炭酸ジメチルとを混合した溶媒を用い、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンと炭酸ジメチルとの割合を表11に示したように変化させた。更に、実験例4−17,4−18では、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンと炭酸プロピレンと炭酸ジメチルとを混合した溶媒を用い、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンと炭酸プロピレンとの割合を表11に示したように変化させた。
イミド塩LiN(Cn F2n+1SO2 )2 の含有量または種類を変えたことを除き、他は実験例1−1と同様にして二次電池を作製した。その際、実験例5−1〜5−5では、電解質塩としてLiN(C2 F5 SO2 )2 と六フッ化リン酸リチウムとを用い、合計の含有量が1mol/lとなるようにそれぞれの含有量を表12に示したように変化させた。実験例5−6,5−7では、電解質塩としてLiN(C2 F5 SO2 )2 のみを用い、その含有量を表12に示したように変化させた。実験例5−8〜5−10では、イミド塩としてLiN(CF3 SO2 )2 ,LiN(C3 F7 SO2 )2 またはLiN(C4 F9 SO2 )2 を用い、イミド塩の含有量を0.1mol/l、六フッ化リン酸リチウムの含有量を0.9mol/lとした。
図3および図4に示した二次電池を作製した。まず、実験例1−1と同様にして正極33を作製した。導電材にはケッチェンブラック(ライオン製)を用いた。次いで、負極34を作製した。その際、実験例6−1〜6−4で負極34の構成を変化させた。実験例6−1では、実験例1−1と同様に、SnCoC含有材料を用いて負極34を作製した。導電材にはグラファイト(JFE スチール製 球晶黒鉛 MESOPHASE FINE CARBON ・ GRAPHITE POWDER)を用いた。実験例6−2では、実験例3−1と同様に、電子ビーム蒸着によりケイ素よりなる負極活物質層34Bを形成することにより負極34を作製した。実験例6−3では、実験例3−2と同様に、スパッタによりケイ素よりなる負極活物質層34Bを形成することにより負極34を作製した。実験例6−4では、実験例3−3と同様に、ケイ素粉末を用いて焼成することにより負極活物質層34Bを形成し、負極34を作製した。
Claims (7)
- 正極および負極と共に電解液を備え、
前記負極は、構成元素としてケイ素(Si)およびスズ(Sn)のうちの少なくとも一方を含む負極活物質を含有し、
前記電解液は、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを含む溶媒と、LiN(Cn F2n+1SO2 )2 (nは1から4の整数である)で表されるイミド塩および六フッ化リン酸リチウムとを含有する、リチウムイオン二次電池。 - 前記負極は、第1の構成元素であるスズと、第2の構成元素と、第3の構成元素とを含む負極活物質を含有し、
前記第2の構成元素は、コバルト(Co),鉄(Fe),マグネシウム(Mg),チタン(Ti),バナジウム(V),クロム(Cr),マンガン(Mn),ニッケル(Ni),銅(Cu),亜鉛(Zn),ガリウム(Ga),ジルコニウム(Zr),ニオブ(Nb),モリブデン(Mo),銀(Ag),インジウム(In),セリウム(Ce),ハフニウム(Hf),タンタル(Ta),タングステン(W),ビスマス(Bi)およびケイ素(Si)からなる群のうちの少なくとも1種であり、
前記第3の構成元素は、ホウ素(B),炭素(C),アルミニウム(Al)およびリン(P)からなる群のうちの少なくとも1種である、請求項1記載のリチウムイオン二次電池。 - 前記負極は、スズと、コバルトと、炭素とを構成元素として含み、炭素の含有量が9.9質量%以上29.7質量%以下であり、かつスズとコバルトとの合計に対するコバルトの割合が30質量%以上70質量%以下である負極活物質を含有する、請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記負極は、前記負極活物質を含む負極活物質層と、この負極活物質層が設けられた負極集電体とを有し、
前記負極活物質層と前記負極集電体とは界面の少なくとも一部において合金化している、請求項1記載のリチウムイオン二次電池。 - 前記負極は、前記負極活物質を含む負極活物質層と、この負極活物質層が設けられた負極集電体とを有し、
前記負極活物質層は、気相法,液相法および焼成法からなる群のうちの少なくとも1つの方法により形成された、請求項1記載のリチウムイオン二次電池。 - 前記溶媒における4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンの含有量は、0.1質量%以上80質量%以下である、請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記電解液における前記イミド塩の含有量は、0.01mol/l以上1.5mol/l以下である、ことを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
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