JP4114261B2 - 新規ビアントラキノン誘導体 - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
本発明は医薬,殊に抗菌活性を有する化合物及び発酵法による該化合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,微生物が生産する種々の抗生物質にはペニシリン,セファロスポリン,カルバペネム等のβラクタム系抗生物質,エリスロマイシン,ジョサマイシン,ロキタマイシン等のマクロライド抗生物質,カナマイシン,ゲンタマイシン,トブラマイシン等のアミノグリコシド抗生物質などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は抗菌作用を有する新規化合物を提供すること、該化合物を産生する能力を有する微生物を用いた製造法を提供すること、更に新規微生物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは天然に存在する多くの微生物が生産する化合物について鋭意研究した結果,バーティシリウム(Verticillium)属に属し,かつ抗菌活性を有する化合物を生産する能力を有する微生物を見いだした。さらに該微生物を培地に培養し,該培養物から下記式で示される新規化合物を単離することにより本発明を完成した。
すなわち,本発明は▲1▼下記一般式に示されるビアントラキノン誘導体またはそれらの塩、
【0005】
【化2】
(式中Rは、水素原子または水酸基を意味する。)
▲2▼前記▲1▼記載のビアントラキノン誘導体またはそれらの塩を有効成分とする医薬、または▲3▼抗菌剤である前記▲2▼記載の医薬である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明につき詳述する。
本発明ビアントラキノン誘導体またはそれらの塩は、バーティシリウム(Verticillium)属に属する該化合物生産菌を栄養培地にて培養し、該化合物を蓄積させた培養物から常法によって得られる。該化合物の製造方法において使用する微生物は、バーティシリウム属に属し当該化合物の生産能を有する微生物であればいずれも用いることができる。このような微生物としては、例えば、鹿児島県屋久島で採集された土壌より分離されたバーティシリウム属に属する不完全糸状菌バーティシリウム レカニィ
(Verticillium lecanii) Q57371株を挙げることができる。
【0007】
本菌株の菌学的性状は次の通りである。
1.各種培地における性状
(1)バレイショ・ブドウ糖寒天培地
24℃、14日間の培養でコロニーは直径39mmになる。コロニーの表面は気生菌糸が発達して羊毛状にゆるく盛り上がり、白色からうすピンク色を帯びる。フィアロ型分生子が良好に形成される。コロニー裏面はうす茶色になる。
(2)麦芽エキス寒天培地
24℃、14日間の培養でコロニーは直径49mmになる。コロニーの表面は気生菌糸が発達して羊毛状にゆるく盛り上がり、白色からうすピンク色を帯びる。フィアロ型分生子がまばらに形成される。コロニー裏面はうす黄から橙色になる。
(3)ツァペック寒天培地
24℃、14日間の培養でコロニーは直径39mmになる。コロニーの表面は気生菌糸がビロード状に拡がるが、中心部は羊毛状にゆるく盛り上がる。コロニーの色調は黄茶色で、中心部はうすピンク色である。フィアロ型分生子が非常に良好に形成される。コロニー裏面は黄茶色になる。
(4)サブロー寒天培地
24℃、14日間の培養でコロニーは直径46mmになる。コロニー表面は羊毛状で、白色からうすピンク色を帯びる。フィアロ型分生子がまばらに形成される。コロニー裏面はうす黄から橙色になる。
【0008】
2.生理学的性質
生育温度:10乃至32℃の範囲で生育し、最適生育温度は20乃至25℃である。
3.形態的特徴
バレイショ・ブドウ糖寒天培地、ツァペック寒天培地に生育した菌株を顕微鏡下で観察した。
菌糸は無色で隔壁を有し、表面は平滑である。有性世代は観察されず、匍匐状に伸長した気生菌糸上に分生子柄を形成する。分生子柄は無色で細長く、隔壁を有し、表面は平滑である。ツァペック寒天培地上では2乃至3本輪生状に、バレイショ・ブドウ糖寒天培地上では単生または2乃至3本輪生状にフィアライドを形成する。フィアライドは長さが様々で(10乃至50x1乃至2μm)、細長く、先端に向かって徐々に細くなり、先端にフィアロ型分生子を生じ、後に分生子塊を形成する。フィアロ型分生子は単細胞、無色、表面は平滑で、両端は丸みを帯びており、大きさ(2乃至7x1.5乃至2.5μm)と形状(亜球形、楕円形、円柱形など)において変化に富む。厚膜胞子は観察されない。
【0009】
以上の菌学的性質から、Q57371株の分類学上の位置をザ・ジェネラ・オブ・ファンジャイ・スポルレイティング・イン・ピュア・カルチャー第3版(J.A. von Arx著; The Genera of Fungi Sporulating in Pure Culture,3rd ed., 424頁, Cramer, Vaduz, 1981年発行) に従って検索した。その結果、本菌株は不完全菌類のバーティシリウム(Verticillium)属に属するものと判断された。さらに下記の文献などに従って既知菌種との比較検討を行ったところ、本菌株の性状はバーティシリウム レカニィ(Verticilliumlecanii) の記載とほぼ一致した。
文献
・W. Gams著; Cephalosporium-artige Schimmelpilze (Hyphomycetes),190頁, G. Fischer, Stuttgart, 1971年発行
・K. H. Domsch, W. Gams and T.-H. Anderson著; Compendium of SoilFungi, vol. 1, 859頁, Academic Press, London, 1980年発行
そこで、本菌株をバーティシリウム レカニィ (Verticilliumlecanii) と同定し、バーティシリウム レカニィ (Verticilliumlecanii) Q57371と命名した。なお、本菌株は工業技術院生命工学工業技術研究所に受託番号FERM P−17197号として寄託されている。また、微生物は人工的に又は自然に変異を起こしやすいので、本発明において用いられるバーティシリウム レカニィ(Verticilliumlecanii)Q57371株は、天然から分離された微生物の他に、これに紫外線、X線、化学薬剤などで人工的に変異させたもの及びそれらの天然変異株についても包含する。
【0010】
(製造法)
本発明化合物の製造法を実施するに当たり,該化合物の生産菌株バーティシリウム レカニィ(Verticilliumlecanii) Q57371株の栄養源を含有する培地に接種し,好気的に発育させることにより,本発明の新規目的化合物を含む培養物が得られる。栄養物としては,糸状菌の栄養源として公知のものを使用すればよい。
例えば市販されているペプトン,肉エキス,コーン・スティープリカー,綿実粉,落花生粉,大豆粉,酵母エキス,NZ−アミン,カゼインの水解物,魚粉,硝酸ソーダー,硝酸アンモニュウム等の無機または有機の窒素源,市販されている糖蜜,澱粉,デキストリン,蔗糖,グルコース,マルトース,フラクトース,キシロース,ラムノース,マンニトール,グリセリン等の炭水化物あるいは脂肪等の炭素源が使用できる。
また金属塩として,Na,K,Mg,Ca,Zn,Fe等の硫酸塩,塩酸塩,硝酸塩,燐酸塩,炭酸塩等が必要に応じて添加される。さらに必要に応じてバリン,ロイシン,イソロイシン,スレオニン,フェニルアラニン,トリプトファン,メチオニン,リジン,アルギニン,システイン,シスチン等の他,通常知られているアミノ酸類や,オレイン酸メチル,ラード油,シリコン油,界面活性剤等の抗生化合物生成促進化合物または消泡剤が適宜使用される。これらのもの以外でも,該生産菌が利用し,本発明の新規抗生化合物の生産に役立つものであれば何れでも使用することができる。培用法としては,一般の抗生化合物の生産方法と同様に行えばよく,その培養方法は固体培養でも液体培養でもよい。
【0011】
液体培養の場合は静置培養,撹拌培養,振盪培養等のいずれを実施してもよいが,特に通気撹拌培養が好ましい。また,培養温度は生産菌が発育し,本発明の化合物を生産する温度,すなわち15℃乃至37℃の範囲で適宜変更出来るが,およそ24℃が好ましい。培地のpHは4乃至9の範囲で適宜変更できるが,pH6乃至8が好ましい。培養時間は種々の条件によって異なり,1日乃至30日くらいである。培養物から目的化合物を採取するには,微生物の生産する代謝産物に用いる通常の抽出,分離,精製の手段が適宜利用される。培養物中の目的化合物は培養物をそのままか,又は遠心分離あるいは培養物に濾過助剤を加え濾過して得られた培養濾液に,酢酸エチル,クロロホルム,ベンゼン,トルエン等の水と混和しない有機溶媒を加えて抽出する。
また培養濾液を適宜の担体に接触させ,濾液中の目的化合物を吸着させ,次いで適当な溶媒で溶出する事により目的化合物を抽出する事ができる。更に詳しく述べるならば,例えばアンバーライトXAD−2,ダイヤイオンHP20,ダイヤイオンCHP20PまたはダイヤイオンSP900のごとき多孔性吸着樹脂に接触させて目的化合物を吸着させる。ついでメタノール,エタノール,アセトン,アセトニトリル等の有機溶剤と水の混合液を用いて目的物を溶出させる。この時の溶媒の混合比は,目的化合物が最も効率よく溶出しうる値にすることはいうまでもない。すなわち溶媒比率を低濃度より段階的,または連続的に高濃度まで上げて行くことにより,目的化合物の含まれる比率の,より高い画分を得ることが出来る。
つぎに上記の各操作法を用いて得られた目的化合物含有画分は常用の吸着担体,例えば活性炭,アルミナ,シリカゲル,セルロース等を担体に用いたカラムクロマトグラフィーや,シリカゲル系ODS逆相担体のカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーや遠心液々分配クロマトグラフィ−等の常法により,更に純粋に分離精製することができる。
【0012】
本発明化合物は酸と塩を形成することができる。好適な塩としては塩酸塩,臭化水素酸塩,ヨウ化水素酸塩,硫酸塩,硝酸塩,リン酸塩等の鉱酸塩やギ酸塩,酢酸塩,プロピオン酸塩,シュウ酸塩,マロン酸塩,コハク酸塩,フマール酸塩,マレイン酸塩,乳酸塩,リンゴ酸塩,クエン酸塩,酒石酸塩,炭酸塩,ピクリン酸塩,メタンスルホン酸塩,エタンスルホン酸塩,グルタミン酸塩等の有機酸塩を挙げることができる。
【0013】
以下に本発明化合物の製剤化法、投与方法を詳述する。
本発明化合物やその製薬学的に許容される塩の1種又は2種以上を有効成分として含有する医薬組成物は,通常用いられている製剤用の担体や賦形剤,その他の添加剤を用いて,錠剤,散剤,細粒剤,顆粒剤,カプセル剤,丸剤,液剤,注射剤,坐剤,軟膏,貼付剤等に調製され,経口的又は非経口的に投与される。
本発明化合物のヒトに対する臨床投与量は適用される患者の症状,体重,年令や性別等を考慮して適宜決定される。
本発明による経口投与のための固体組成物としては,錠剤,散剤,顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては,一つ又はそれ以上の活性化合物が,少なくとも一つの不活性な希釈剤,例えば乳糖,マンニトール,ブドウ糖,ヒドロキシプロピルセルロース,微結晶セルロース,デンプン,ポリビニルピロリドン,メタケイ酸アルミン酸マグネシウムと混合される。組成物は,常法に従って,不活性な希釈剤以外の添加剤,例えばステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤や繊維素グリコール酸カルシウムのような崩壊剤,ラクトースのような安定化剤,溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要によりショ糖,ゼラチン,ヒドロキシプロピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどの糖衣または胃溶性あるいは腸溶性化合物のフィルムで被膜してもよい。
【0014】
経口投与のための液体組成物は,薬剤的に許容される乳濁剤,溶液剤,懸濁剤,シロップ剤,エリキシル剤等を含み,一般的に用いられる不活性な希釈剤,例えば精製水,エチルアルコールを含む。この組成物は不活性な希釈剤以外に溶解補助剤,湿潤剤,懸濁剤のような補助剤,甘味剤,風味剤,芳香剤,防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤としては,無菌の水性又は非水性の溶液剤,懸濁剤,乳濁剤を包含する。水性の溶液剤,懸濁剤の希釈剤としては,例えば注射剤用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。非水溶性の溶液剤,懸濁剤の希釈剤としては,例えばプロピレングリコール,ポリエチレングリコール,オリーブ油のような植物油,エチルアルコールのようなアルコール類,ポリソルベート80(商品名)等がある。このような組成物は,さらに等張化剤,防腐剤,湿潤剤,乳化剤,分散剤,安定化剤(例えば,ラクトース),溶解補助剤のような添加剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過,殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。これらは又無菌の固体組成物を製造し,使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
本発明化合物の溶解性が低い場合には,可溶化処理を施してもよい。可溶化処理としては,医薬製剤に適用できる公知の方法,例えば界面活性剤(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類,ポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール類,ショ糖脂肪酸エステル類等)を添加する方法,薬物と可溶化剤例えば高分子(ハイドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC),ポリビニルピロリドン(PVP),ポリエチレングリコール(PEG)等の水溶性高分子,カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC),ハイドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP),メタアクリル酸メチル−メタアクリル酸共重合体(オイドラギットL,S,商品名;ローム・アンド・ハース社製)等の腸溶性高分子)との固体分散体を形成する方法が挙げられる。更に必要により,可溶性の塩にする方法,サイクロデキストリン等を用いて包接化合物を形成させる方法等も採用できる。可溶化の手段は,目的とする薬物に応じて適宜変更できる[「最近の製剤技術とその応用I」,内海勇ら,医薬ジャーナル157−159(1983)及び「薬学モノグラフNo.1,生物学的利用能」,永井恒司ら,ソフトサイエンス社,78−82](1988)参照]。
このうち,好ましくは,薬物と可溶化剤との固体分散体を形成させ溶解性を改善する方法が採用される(特開昭56−49314号,FR2460667号参照)。
【0015】
【実施例】
以下、実施例にて具体的に本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例 1
グルコース10g、ポテトスターチ20g、ポリペプトン5g、酵母エキス5g、炭酸カルシウム4g、蒸留水1Lを含む培地(pH7.0)を100mlずつ500ml容のへそ付き三角フラスコに分注し、120℃で20分間滅菌した。ポテトデキストロース寒天培地に良く生育させたバーティシリウム レカニィ(Verticillium lecanii)をかき取って接種し、24℃、200回転/分の条件で4日間振とう培養した。同様に作製した培地4本に上記培養液を3%の割合で植菌し、24℃、200回転/分の条件で3日間振とう培養し、種培養液とした。つぎに生産培地として、500ml容の三角フラスコにオートミール30g、VFミックスジュース100mlを含む培地を100本作製し、120℃で20分間滅菌した。この培地に種培養液を3%の割合で植菌し、24℃で14日間、静置培養を行った。
【0016】
このようにして培養した10Lの培養物に80%アセトン水20Lを加え5時間攪拌した。その後濾過し濾液を減圧下アセトンを留去し。この濃縮液(pH7)に酢酸エチル10Lで2回抽出した。この酢酸エチルの抽出液を減圧下で300mlまで濃縮した。この酢酸エチル溶液に200mlの5%炭酸水素ナトリュウム水を加え、振盪した。分離した酢酸エチル層に再度pH2.0の水200mlを加え振盪する。分離した酢酸エチル層を濃縮乾固し,粗抽出物を得た。この粗抽出物を,ODS−7515−12A(センシュウ科学社製)を用いたフラッシュクロマトグラフィーに付し,メタノールで溶出し活性画分を得た。このメタノ−ル画分を濃縮乾固後、少量のメタノ−ルを加えて沈殿する活性画分31mgを得た。最終的に,L−column ODS(化学品検査協会製)20φx250mmのカラムを用い,テトラヒドロフラン:アセトニトリル:0.02Mリン酸一ナトリュウム(10:60:20)の混合溶液を用いたHPLCにより精製を行い,18.2分に溶出されてくる活性画分YM187781化合物9.7mg及び19.9分に溶出されてくる活性画分YM187787化合物7.2mgを単離した。液体クロマトグラフィー(HPLC)の条件は以下の通りである。
【0017】
カラム:L−column ODS(化学品検査協会製,20φx250mm)
溶出溶媒:テトラヒドロフラン:アセトニトリル:0.02Mリン酸一ナトリュウム(10:60:20)の混合溶液
流出速度:5ml/min
検出波長:210nm
上記抽出,分離,精製されたYM187781化合物は下記の物理化学的性質を有する。
【0018】
(1)色及び形状:赤色粉末。
(2)酸性,中性,塩基性の区分:中性。
(3)溶解性:ジメチルスルホキシドには溶けるが水にはほとんど溶けない。
(4)紫外部吸収スペクトル:202,227,261,299,501nmに吸収極大を示し,第1図通りである(溶剤:メタノール)。
(5)分子量:586.47
(6)マススペクトル(FAB−Mass):587[M+H]+,585[M−H]-
(7)分子式:C30H18O13
(8)赤外吸収スペクトル(KBr)は,第2図通りである。
(9)1H−NMRスペクトル(500MHz,CDCl3):YM187781化合物の1H−NMRスペクトルは第3図の通りである。
(10)13C−NMRスペクトル(125MHz,CDCl3):YM187781化合物の13C−NMRスペクトルは第4図の通りである。
上記の物理化学的性質からYM187781化合物の化学構造式は下記のように決定された。
【0019】
【化3】
【0020】
上記抽出,分離,精製されたYM187787化合物は下記の物理化学的性質を有する。
(1)色及び形状:赤色粉末。
(2)酸性,中性,塩基性の区分:中性。
(3)溶解性:ジメチルスルホキシドには溶けるが水にはほとんど溶けない。
(4)紫外部吸収スペクトル:201,224,264,297,467nmに吸収極大を示し,第5図通りである(溶剤:メタノール)。
(5)分子量:570.47
(6)マススペクトル(FAB−Mass):571[M+H]+,569[M−H]-
(7)分子式:C30H18O12
(8)赤外吸収スペクトル(KBr)は,第6図通りである。
(9)1H−NMRスペクトル(500MHz,CDCl3):YM187787化合物の1H−NMRスペクトルは第7図の通りである。
(10)13C−NMRスペクトル(125MHz,CDCl3):YM187787化合物の13C−NMRスペクトルは第8図の通りである。
上記の物理化学的性質からYM187787化合物の化学構造式は下記のように決定された。
【0021】
【化4】
【0022】
実施例2
抗菌試験例:本発明化合物をジメチルスルホキシドに1mg/mlの濃度に溶解して、その20μlを抗菌測定用ディスク(径8mm)にしみこませ、いわゆるペ−パ−ディスク法で抗菌活性(阻止円径:mm)を測定した。
その結果、Staphyrococcus aureus FDA209P菌に対し、YM187781は9.0mmを、YM187787では10.5mmの阻止円を示した。またBacillussubtilis ATCC6633に対し、YM187787は9.0mmの阻止円を示した。
【0023】
【発明の効果】
本発明化合物は,各種細菌に活性を有し,医薬特に抗菌剤及び薬剤探索の母核として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はYM187781化合物の紫外部吸収スペクトルである。
【図2】 図2はYM187781化合物の赤外吸収スペクトルである。
【図3】 図3はYM187781化合物の1H−NMRスペクトルである。
【図4】 図4はYM187781化合物の13C−NMRスペクトルである。
【図5】 図5はYM187787化合物の紫外部吸収スペクトルである。
【図6】 図6はYM187787化合物の赤外吸収スペクトルである。
【図7】 図7はYM187787化合物の1H−NMRスペクトルである。
【図8】 図8はYM187787化合物の13C−NMRスペクトルである。
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