JP2001011075A - 新規ジオキソピペラジン誘導体 - Google Patents

新規ジオキソピペラジン誘導体

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JP2001011075A
JP2001011075A JP11188309A JP18830999A JP2001011075A JP 2001011075 A JP2001011075 A JP 2001011075A JP 11188309 A JP11188309 A JP 11188309A JP 18830999 A JP18830999 A JP 18830999A JP 2001011075 A JP2001011075 A JP 2001011075A
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Masatoshi Taniguchi
昌要 谷口
Masato Watanabe
正人 渡邊
Masayuki Komiya
正行 小宮
Takako Yokoi
貴子 横井
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Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
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Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗ヘリコバクター・ピロリ剤の提供。 【解決手段】 抗ヘリコバクター・ピロリ活性を有する
シ゛オキソヒ゜ヘ゜ラシ゛ン誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,医薬,殊に抗ヘリ
コバクター・ピロリ剤として有用な新規なシ゛オキソヒ゜ヘ゜ラシ゛
ン誘導体、並びにそれらの医薬に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘリコハ゛クター・ヒ゜ロリは(Helicobacter pylori)
は,1983年に発見された病原性細菌であり,消化性潰瘍
(例えば胃潰瘍又は十二指腸潰瘍等),炎症(例えば胃炎
等),胃カ゛ン等の消化管上部の疾患,MALT(mucosa-associ
atedlymphoid tissue)リンハ゜腫もしくは慢性心疾患の背景
病原因子と言われている。現在,ヘリコハ゛クター・ヒ゜ロリ感染症の
治療に関する研究は活発になされており,該治療法とし
ては,除菌を目的としたもの,再発防止を目的としたも
の等下記の如く多数報告されている。例えば,ヒ゛スマス,抗
生物質,フ゜ロトンホ゜ンフ゜阻害剤(PPI)又は抗潰瘍剤等の単剤
投与若しくは前記薬物等を組み合わせた多剤併用法(2剤
併用,3剤併用)が挙げられる(内科,特集,78巻1号,19
96,南江堂)。しかしながら,上記治療法は,例えば投与
回数の頻度の多さ,常用量以上の大量投与を要する場合
があること,薬物投与による下痢・便秘等の発症,耐性
菌の発生等まだまだ解決しなければならない点が多い。
従って,単独で投与可能な抗ヘリコハ゛クター・ヒ゜ロリ作用を有す
る化合物の創製が熱望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,優れた抗ヘリ
コハ゛クター・ヒ゜ロリ作用を有する新規シ゛オキソヒ゜ヘ゜ラシ゛ン化合物及び
該化合物を有効成分とする医薬を提供することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記状況
下,天然に存在する多くの微生物が生産する物質につい
て鋭意検討した結果,リソ゛スティルヘ゛ラ(Rhizostilbella)属に
属する微生物を培地に培養することによって,当該培地
中に抗ヘリコハ゛クター・ヒ゜ロリ活性を有する新規物質が生産され
ていることを見出した。更に当該物質を単離することに
より本発明を完成した。 即ち本発明は下記式で示されるシ゛オキソヒ゜ヘ゜ラシ゛ン誘導体か
らなる群より選択されたいずれかの化合物,当該シ゛オキソヒ
゜ヘ゜ラシ゛ン化合物を有効成分とする医薬,殊に抗ヘリコハ゛クター・
ヒ゜ロリ剤に関するものである。
【0005】
【化2】
【0006】
【発明の実施の形態】以下,本発明を詳述する。本発明
シ゛オキソヒ゜ヘ゜ラシ゛ン誘導体は,リソ゛スティルヘ゛ラ(Rhizostilbella)
属に属する該化合物生産菌を栄養培地にて培養し,該化
合物を蓄積させた培養物から常法によって得られる。該
化合物の製造方法において使用する微生物は,リソ゛スティルヘ
゛ラ(Rhizostilbella)属に属し当該化合物の生産を有する
微生物であればいずれも用いることができる。このよう
な微生物としては,例えば,リソ゛スティルヘ゛ラ ヒヒ゛シィ(Rhizos
tilbellahibisci)は,公的保存機関から入手可能であ
り,例えば理化学研究所の保存菌(JCM8210株)などの菌
が市販されている。 また,微生物は人工的に又は自然に変異を起こしやすい
ので,本発明において用いられるリソ゛スティルヘ゛ラ ヒヒ゛シィ(Rh
izostilbellahibisci) JCM8210株は,天然から分離され
た微生物の他に,これに紫外線,X線,化学薬剤などで
人工的に変異させたもの及びそれらの天然変異株につい
ても包含する。
【0007】(製造法)本発明化合物の製造法を実施する
に当たり,該化合物の生産菌株リソ゛スティルヘ゛ラヒヒ゛シィ(Rhizos
tilbella hibisci) JCM8210の栄養源を含有する培地に接
種し,好気的に発育させることにより,本発明の新規目
的化合物を含む培養物が得られる。栄養物としては,糸
状菌の栄養源として公知のものを使用すればよい。 例えば市販されているヘ゜フ゜トン,肉エキス,コーン・スティーフ゜リカー,
綿実粉,落花生粉,大豆粉,酵母エキス,NZ-アミン,カセ゛インの
水解物,魚粉,オートミール,野菜ジュース,硝酸ソータ゛ー,硝
酸アンモニュウム等の無機または有機の窒素源,市販されてい
る糖蜜,澱粉,テ゛キストリン,蔗糖,ク゛ルコース,マルトース,フラクトー
ス,キシロース,ラムノース,マンニトール,ク゛リセリン等の炭水化物あるい
は脂肪等の炭素源が使用できる。
【0008】また金属塩として,Na,K,Mg,Ca,Zn,F
e等の硫酸塩,塩酸塩,硝酸塩,燐酸塩,炭酸塩等が必
要に応じて添加される。さらに必要に応じてハ゛リン,ロイシ
ン,イソロイシン,スレオニン,フェニルアラニン,トリフ゜トファン,メチオニン,リシ゛
ン,アルキ゛ニン,システイン,シスチン等の他,通常知られているアミノ
酸類や,オレイン酸メチル,ラート゛油,シリコン油,界面活性剤等の
抗生化合物生成促進化合物または消泡剤が適宜使用され
る。これらのもの以外でも,該生産菌が利用し,本発明
の新規抗生物質の生産に役立つものであれば何れでも使
用することができる。培養法としては,一般の抗生物質
の生産方法と同様に行えばよく,その培養方法は固体培
養でも液体培養でもよい。
【0009】液体培養の場合は静置培養,撹拌培養,振
盪培養等のいずれを実施してもよい。また,培養温度は
生産菌が発育し,本発明の化合物を生産する温度,すな
わち15℃乃至37℃の範囲で適宜変更出来るが,およ
そ20℃乃至28℃が好ましい。培地のpHは4乃至9
の範囲で適宜変更できるが,pH6乃至8が好ましい。
培養時間は種々の条件によって異なり,1日乃至30日
くらいである。培養物から目的化合物を採取するには,
微生物の生産する代謝産物に用いる通常の抽出,分離,
精製の手段が適宜利用される。培養物中の目的化合物は
培養物をそのままか,又は遠心分離あるいは培養物に濾
過助剤を加え濾過して得られた培養濾液あるいは菌体
に,メタノール,エタノール,アセトン,酢酸エチル,クロロホルム,ヘ゛ンセ゛ン,ト
ルエン等の有機溶媒を加えて抽出する。
【0010】また培養濾液あるいは上記抽出物を適宜の
担体に接触させ,濾液中の目的化合物を吸着させ,次い
で適当な溶媒で溶出する事により目的化合物を抽出する
事ができる。更に詳しく述べるならば,例えばアンハ゛ーライトX
AD-2,タ゛イヤイオンHP20,タ゛イヤイオンCHP20Pまたはタ゛イヤイオンSP900
のごとき多孔性吸着樹脂に接触させて目的化合物を吸着
させる。ついでメタノール,エタノール,アセトン,アセトニトリル等の有機溶
剤と水の混合液を用いて目的物を溶出させる。この時の
溶媒の混合比は,目的化合物が最も効率よく溶出しうる
値にすることはいうまでもない。すなわち溶媒比率を低
濃度より段階的,または連続的に高濃度まで上げて行く
ことにより,目的化合物の含まれる比率の,より高い画
分を得ることが出来る。
【0011】つぎに上記の各操作法を用いて得られた目
的化合物含有画分は常用の吸着担体,例えば活性炭,アル
ミナ,シリカケ゛ル,セルロース等を担体に用いたカラムクロマトク゛ラフィーや,
シリカケ゛ル系ODS逆相担体のカラム等を用いた高速液体クロマトク゛ラフ
ィー(HPLC)や遠心液々分配クロマトク゛ラフィ-等の常法により,更
に純粋に分離精製することができる。 本発明化合物は,不斉炭素原子を有するので立体異性体
が存在する。本発明にはこれら立体異性体をすべて包含
し,さらに水和物,各種溶媒和物等も含まれる。更に,
本発明には,結晶多形を有する物もあり,それらの結晶
形をすべて包含するものである。
【0012】以下に本発明化合物の製剤化法,投与方法
を詳述する。本発明化合物を有効成分として含有する医
薬組成物は,通常用いられている製剤用の担体や賦形
剤,その他の添加剤を用いて,錠剤,散剤,細粒剤,顆
粒剤,カプセル剤,丸剤,液剤,注射剤,坐剤,軟膏,
付剤等に調製され,経口的又は非経口的に投与される。
本発明化合物のヒトに対する臨床投与量は適用される患
者の症状,体重,年令や性別等を考慮して適宜決定され
る。
【0013】本発明による経口投与のための固体組成物
としては,錠剤,散剤,顆粒剤等が用いられる。このよ
うな固体組成物においては,一つ又はそれ以上の活性化
合物が,少なくとも一つの不活性な希釈剤,例えば乳
糖,マンニトール,フ゛ト゛ウ糖,ヒト゛ロキシフ゜ロヒ゜ルセルロース,微結晶セルロー
ス,テ゛ンフ゜ン,ホ゜リヒ゛ニルヒ゜ロリト゛ン,メタケイ酸アルミン酸マク゛ネシウムと混
合される。組成物は,常法に従って,不活性な希釈剤以
外の添加剤,例えばステアリン酸マク゛ネシウムのような潤滑剤や繊
維素ク゛リコール酸カルシウムのような崩壊剤,ラクトースのような安定
化剤,溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤
は必要によりショ糖,セ゛ラチン,ヒト゛ロキシフ゜ロヒ゜ルセルロース,ヒト゛ロキシ
フ゜ロヒ゜ルメチルセルロースフタレートなどの糖衣または胃溶性あるいは
腸溶性化合物のフィルムで被膜してもよい。
【0014】経口投与のための液体組成物は,薬剤的に
許容される乳濁剤,溶液剤,懸濁剤,シロッフ゜剤,エリキシル剤
等を含み,一般的に用いられる不活性な希釈剤,例えば
精製水,エチルアルコールを含む。この組成物は不活性な希釈剤
以外に溶解補助剤,湿潤剤,懸濁剤のような補助剤,甘
味剤,風味剤,芳香剤,防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤としては,無菌の水性又は非
水性の溶液剤,懸濁剤,乳濁剤を包含する。水性の溶液
剤,懸濁剤の希釈剤としては,例えば注射剤用蒸留水及
び生理食塩水が含まれる。非水溶性の溶液剤,懸濁剤の
希釈剤としては,例えばフ゜ロヒ゜レンク゛リコール,ホ゜リエチレンク゛リコー
ル,オリーフ゛油のような植物油,エチルアルコールのようなアルコール
類,ホ゜リソルヘ゛ート80(商品名)等がある。このような組成物
は,さらに等張化剤,防腐剤,湿潤剤,乳化剤,分散
剤,安定化剤(例えば,ラクトース),溶解補助剤のような添
加剤を含んでもよい。これらは例えばハ゛クテリア保留フィルターを
通す濾過,殺菌剤の配合又は照射によって無菌化され
る。これらは又無菌の固体組成物を製造し,使用前に無
菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもで
きる。
【0015】本発明化合物の溶解性が低い場合には,可
溶化処理をしてもよい。可溶化処理としては,医薬製剤
に適用できる公知の方法,例えば界面活性剤(ホ゜リオキシエチレ
ン硬化ヒマシ油類,ホ゜リオキシエチレンソルヒ゛タン高級脂肪酸エステル類,ホ゜
リオキシエチレンホ゜リオキシフ゜ロヒ゜レンク゛リコール類,ショ糖脂肪酸エステル類等)
を添加する方法,薬物と可溶化剤例えば高分子(ハイト゛ロキシ
フ゜ロヒ゜ルメチルセルロース(HPMC),ホ゜リヒ゛ニルヒ゜ロリト゛ン(PVP),ホ゜リエチレン
ク゛リコール(PEG)等の水溶性高分子,カルホ゛キシメチルエチルセルロース(CME
C),ハイト゛ロキシフ゜ロヒ゜ルメチルセルロースフタレート(HPMCP),メタアクリル酸メチル
-メタアクリル酸共重合体(オイト゛ラキ゛ットL,S,商品名;ローム・アント゛・ハ
ース社製)等の腸溶性高分子)との固体分散体を形成する方
法が挙げられる。
【0016】更に必要により,サイクロテ゛キストリン等を用いて
包接化合物を形成させる方法等も採用できる。可溶化の
手段は,目的とする薬物に応じて適宜変更できる[「最近
の製剤技術とその応用I」,内海勇ら,医薬シ゛ャーナル157-15
9(1983)及び「薬学モノク゛ラフNo.1,生物学的利用能」,永井
恒司ら,ソフトサイエンス社,78-82](1988)参照]。 このうち,好ましくは,薬物と可溶化剤との固体分散体
を形成させ溶解性を改善する方法が採用される(特開昭5
6-49314号,FR2460667号参照)。
【0017】本発明によれば本発明化合物を単独ばかり
でなく,他の抗菌剤と組み合わせて(好ましくは1〜3種)
使用することができる。このような他の抗菌剤とは,例
えば,ニトロイミタ゛ソ゛ール系薬剤(例えばチニタ゛ソ゛ール及びメトロニタ゛ソ゛
ール),テトラサイクリン系薬剤(例えば,テトラサイクリン,ミノサイクリン,ト゛キ
シサイクリン),ヘ゜ニシリン系薬剤(例えばアモキシシリン,アンヒ゜シリン,タランヒ
゜シリン,ハ゛カンヒ゜シリン,レナンヒ゜シリン,メス゛ロシリン,スルタミシリン),セファロ
スホ゜リン系薬剤(例えば,セファクロル,セファト゛ロキシル,セファレキシン,セフ
ホ゜ト゛キシムフ゜ロキセチル,セフィキシム,セフシ゛ニル,セフチフ゛テン,セフオチアムヘクセ
チル,セフタメットヒ゜ホ゛キシル,セフロキシムアクセチル),ヘ゜ネム系薬剤(例え
ば,フロヘ゜ネム,リチヘ゜ネムアコキシル),マクロライト゛系薬剤(例えば,エリ
スロマイシン,オレアント゛マイシン,シ゛ョサマイシン,ミテ゛カマイシン,ロキタマイシン,ク
ラリスロマイシン,ロキシスロマイシン,アシ゛スロマイシン),リンコマイシン系薬剤(例
えば,リンコマイシン,クリンタ゛マイシン),アミノク゛リコシト゛系薬剤(例え
ば,ハ゜ロモマイシン),キノロン系薬剤(例えば,オフロキサシン,レホ゛フロキサ
シン,ノルフロキサシン,エノキサシン,シフ゜ロフロキサシン,ロメフロキサシン,トスフロキサ
シン,フレロキサシン,スハ゜フロキサシン,テマフロキサシン,ナシ゛フォキサシン,ク゛レハ゜
フロキサシン,ハ゜ス゛フォキサシン)並びにニトロフラントインを上げることがで
きる。また,酸に関連した疾患の治療に用いられる医薬
化合物{例えば,酸ホ゜ンフ゜阻害剤(オメフ゜ラソ゛ール及びランソフ゜ラソ゛
ール)}又はH2アンタコ゛ニスト(例えば,ラニチシ゛ン,シメチシ゛ン及びファモチシ
゛ン)と本発明化合物との組み合わせも,本発明の範囲内
に含まれる。
【0018】
【実施例】以下,実施例にて具体的に本発明を説明する
が,本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 使用微生物 理化学研究所の保存菌である糸状菌リゾスティルベラ
ヒビシィ (Rhizostilbellahibisci) JCM8210
株を使用した。
【0019】培養ク゛ルコース 10g,ホ゜テトスターチ20g,ホ゜リヘ゜フ゜トン5g,酵母エキス5g,炭
酸カルシウム4g,蒸留水1Lを含む培地(pH7.0)を100mlずつ500
ml容のへそ付き三角フラスコに分注し,120℃で20分間滅菌
した。ホ゜テトテ゛キストロース寒天培地に良く生育させたリソ゛スティルヘ゛
ラ ヒヒ゛シィ(Rhizo stilbellahibisci) JCM8210株をかき取
って接種し,24℃,200回転/分の条件で4日間振とう培
養し,種培養液とした。つぎに生産培地として,500ml容
の三角フラスコにオートミール30g,野菜シ゛ュース(VFミックスシ゛ュース、山之
内製薬)100mlを含む培地を25本作製し,120℃で20分間
滅菌した。この培地に上記種培養液を3%の割合で植菌
し,24℃で9日間,静置培養を行った。
【0020】精製 このようにして培養した2.5Lの培養液に11Lのアセトン/水
(8:2)を加え,攪拌して一夜放置した後,濾過して上清
と沈殿物に分離した。上清を減圧下で濃縮しアセトンを除去
した後,得られた濃縮液をpH6.6に調整し,等量のエタノール
を添加後,タ゛イヤイオンHP-20(三菱化学社製)を用いたカラムクロマ
トク゛ラフィーに付し,アセトンで溶出した。この粗精製物をシリカケ゛ル
60(メルク社製)を用いたフラッシュクロマトク゛ラフィーに付し,クロロホルムで
溶出した活性画分を,更にシリカケ゛ル60(メルク社製)を用いたカ
ラムクロマトク゛ラフィーに付し,ヘキサン/酢酸エチル(1:1)で溶出し活性
画分196.2mgを得た。この活性画分をCOSMOSIL 5C18-AR
(ナカライテスク社製)およびメタノール/水(65:35)を用いたHPLCによ
り精製しA化合物9.0mg(保持時間18.2分)を単品とし
て、B化合物を含む粗画分3.3mg(19.5分)を得た。B
化合物は最終的にこの粗画分を展開溶媒をトルエン/酢酸エチル
(3:1)とした薄層クロマトク゛ラフィー(シリカケ゛ル60,メルク社製)により
分取し2.0mg単離した。
【0021】上記のようにして精製,単離されたA化合物
は下記の物理化学的性質を有する。 (1)色及び形状:白色粉末 (2)分子量:472 (3)分子式:C22H20N2O6S2 (4)マススヘ゜クトル(FAB-Mass):473[M+H]+ (5)紫外線吸収スヘ゜クトル(メタノール中):λmax 204(ε13700),26
9(ε10300)nm (6)赤外線吸収スヘ゜クトル(反射測定法):図1に示す。 (7)1H-NMRスヘ゜クトル(CDCl3中,500MHz):図2に示す。 (8)13C-NMRスヘ゜クトル(CDCl3中,125MHz):図3に示す。 上記の物理化学的性質からA化合物の化学構造式は下記
のように決定した。
【0022】
【化3】
【0023】上記のようにして精製,単離されたB化合
物は下記の物理化学的性質を有する。 (1)色及び形状:白色粉末 (2)分子量:502 (3)分子式:C24H26N2O6S2 (4)マススヘ゜クトル(FAB-Mass):503[M+H]+ (5)紫外線吸収スヘ゜クトル(メタノール中):λmax 204(ε16800),2
70(ε9200)nm (6)赤外線吸収スヘ゜クトル(反射測定法):図4に示す。 (7)1H-NMRスヘ゜クトル(CDCl3中,500MHz):図5に示す。 (8)13C-NMRスヘ゜クトル(CDCl3中,125MHz):図6に示す。 上記の物理化学的性質からB化合物の化学構造式は下記
のように決定した。
【0024】
【化4】
【0025】実施例2 抗ヘリコハ゛クターヒ゜ロリ活性 本発明化合物のインヒ゛トロ活性は以下の方法により測定し
た。 抗菌活性の測定 (1)抗菌化合物含有寒天平板の作製 評価する化合物を100%シ゛メチルスルホキシト゛(DMSO)に溶解し,2
系列希釈した。本希釈液を滅菌丸シャーレに入れ,そこに滅
菌後50℃に保温しておいた10mlのフ゛ルセラ寒天培地(0.1%シ゛
メチルβ-サイクロテ゛キストリン)を加え,混和後,固めた。DMSOの最
終濃度は1%以下となる。
【0026】(2)接種材料の調製と結果判定フ゛ルセラ 寒天培地(5%仔牛血清含有)を用いてマルチカ゛スインキュヘ゛ー
ター(N2:80%,CO2:15%,O2:5%)で37℃にて3日間培養したヘ
リコハ゛クター・ヒ゜ロリ菌,例えばヘリコハ゛クター・ヒ゜ロリATCC43526を,濁
度により約108個/1mlになるようにフ゛ルセラフ゛ロスを用いて調
製した。本菌液を,同様にフ゛ルセラフ゛ロスを用いて100倍希釈
した液を,薬剤を含有する寒天培地に,ミクロフ゜ランターを用
いて約5μlを寒天表面に接種した。接種した寒天平板
を,上記マルチカ゛スインキュヘ゛ーターに37℃で3日間(72時間)培養す
る。培養を終了した寒天平板を観察し,増殖の観察され
ない最小薬剤濃度をMICとした。その結果,両化合物とも
優れた活性を示した。
【発明の効果】本発明化合物は,ヘリコハ゛クター・ヒ゜ロリに対し
て抗菌作用を示し,ヒトにおけるヘリコハ゛クター・ヒ゜ロリ及び動物
における関連するヘリコハ゛クター属に属する細菌感染の治療に
有効である。また,本発明抗ヘリコハ゛クター・ヒ゜ロリ剤は,消化性
潰瘍(例えば胃及び二指腸潰瘍),炎症(急性または慢性
の胃炎もしくは十二指腸炎),胃癌等の消化管上部の疾
患,MALT(mucosa-associatedlymphoid tissue)リンハ゜腫も
しくは慢性心疾患等の予防(再発防止も含む),治療に有
効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はA化合物のの赤外吸収スペクトルであ
る。
【図2】 図2はA化合物の1H−NMRスペクトルであ
る。
【図3】 図3はA化合物の13C−NMRスペクトルで
ある。
【図4】 図4はB化合物の赤外吸収スペクトルであ
る。
【図5】 図5はB化合物の1H−NMRスペクトルであ
る。
【図6】 図6はB化合物の13C−NMRスペクトルで
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/54 605 A61K 31/54 605 C07D 513/22 C07D 513/22 (72)発明者 小宮 正行 東京都板橋区小豆沢1−1−8 山之内製 薬株式会社内 (72)発明者 横井 貴子 茨城県つくば市御幸が丘21 山之内製薬株 式会社内 Fターム(参考) 4C050 AA01 AA07 BB04 CC04 DD02 EE02 FF01 GG03 GG06 HH01 4C072 AA03 AA06 BB04 BB07 CC02 CC17 EE15 FF13 GG07 UU01 4C086 AA01 AA02 AA03 CB05 CB27 MA01 MA04 NA14 ZA66 ZA68 ZB26 ZB35

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式 【化1】 で示されるジオキソピペラジン誘導体からなる群より選
    択されたいずれかの化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のジオキソピペラジン化合
    物を有効成分とする医薬。
  3. 【請求項3】 抗ヘリコバクター・ピロリ剤である請求
    項2記載の医薬。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100774559B1 (ko) * 2006-04-18 2007-11-08 이주영 인쇄회로기판 절단장치
CN104031051A (zh) * 2014-05-20 2014-09-10 宁波大学 二酮哌嗪类化合物及其制备方法和用途

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KR100774559B1 (ko) * 2006-04-18 2007-11-08 이주영 인쇄회로기판 절단장치
CN104031051A (zh) * 2014-05-20 2014-09-10 宁波大学 二酮哌嗪类化合物及其制备方法和用途

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