JPH09301997A - 新規環状ペプチド系化合物 - Google Patents

新規環状ペプチド系化合物

Info

Publication number
JPH09301997A
JPH09301997A JP8123118A JP12311896A JPH09301997A JP H09301997 A JPH09301997 A JP H09301997A JP 8123118 A JP8123118 A JP 8123118A JP 12311896 A JP12311896 A JP 12311896A JP H09301997 A JPH09301997 A JP H09301997A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cyclic peptide
peptide compound
compound
bacillus
culture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8123118A
Other languages
English (en)
Inventor
Isao Takahashi
勇夫 高橋
Kazuyoshi Yazawa
一良 矢澤
Kenichi Koyama
謙一 小山
Yasuyo Takeda
靖代 武田
Kenichi Suzuki
賢一 鈴木
Koji Nagai
浩二 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sagami Chemical Research Institute
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Sagami Chemical Research Institute
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sagami Chemical Research Institute, Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Sagami Chemical Research Institute
Priority to JP8123118A priority Critical patent/JPH09301997A/ja
Publication of JPH09301997A publication Critical patent/JPH09301997A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗真菌剤として有用な新規化合物の提供。 【解決手段】下記一般式(I) 【化1】 (式中、Rはエチル基、イソプロピル基又はブチル基を
表す)で示される環状ペプチド系化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、医薬特に抗真菌剤
として有用な新規環状ペプチド系化合物、発酵法による
該化合物の製造法及び該環状ペプチド系化合物を含有す
ることからなる医薬に関する。
【0002】
【従来の技術】1950年代以降の抗生物質に関する研
究開発の急速な進歩及びその広範な普及により、細菌性
の感染症の多くが駆逐されるに至っている。その一方
で、平素は無害な弱病原性微生物による感染症(日和見
感染)が近年大きな問題となりつつある。 このような
日和見感染症は(1)免疫不全症や悪性腫瘍等の疾病又
は免疫抑制剤や抗炎症剤等の投与によって免疫機能が低
下した場合、(2)抗生物質投与による共生菌の抑制か
ら生じる菌交代、(3)医療機関内におけるいわゆる院
内感染等がその原因とされる。このような日和見感染の
中でも真菌症がその多くを占めている。従来、真菌感染
症治療剤として、アンフォテリシンB、グリセオフルビ
ン、ナイスタチン、ケトコナゾール、フルコナゾール等
が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
のように、近年、真菌症が増大する中でより有効的な抗
真菌性抗生物質の提供を目的とする。また、本発明のそ
の他の目的は該新規抗真菌性抗生物質を得るための新規
な製造法の提供、及び該抗真菌性抗生物質を有効成分と
して含有することを特徴とする医薬の提供をも目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる状況下、本発明者
らは天然に存在する多くの微生物が生産する物質につい
て研究を行ったところ、バチルス属に属する細菌で、抗
真菌活性を有する物質を生産する能力を有する微生物を
見いだし、この微生物を培養し、培養物から新規抗真菌
性抗生物質を単離することに成功し本発明を完成した。
すなわち、本発明は下記一般式(I)で示され新規環状
ペプチド系化合物、その製造法、並びに上記化合物を有
効成分として含有する抗真菌剤である。
【0005】
【化2】
【0006】(式中、Rはエチル基、イソプロピル基又
はブチル基を表す) 以下本発明につき詳述する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明化合物は、バチルス属に属
する上記化合物生産菌を栄養培地にて培養し、該化合物
を蓄積させた培養物から常法により得られる。本発明の
製造方法において使用する微生物は、バチルス属に属
し、上記化合物の生産能を有する微生物であればいずれ
も用いることができる。このような微生物としては、具
体的には例えば、海水魚カサゴの腸内より分離された微
生物バチルス エス ピー(Bacillus sp.) STC45
46株をあげることができる。
【0008】以下、この菌株の菌学的性状を説明する。 バチルス エス ピー(Bacillus sp.) STC4546
株の菌学的性質: 1)形態的特徴 栄養寒天培地上、27℃で28〜48時間培養後、本菌
は、0.5 〜 1.5 x 2.0 〜 5μmの桿菌で、運動性を有
しグラム陽性を示す。菌体の中央またはやや末端よりに
1個の楕円形の胞子を形成する。この胞子は100℃、
10分間の加熱に対し耐性である。また72時間以上培
養のものではグラム染色は必ずしも陽性は示さない。 2)各種培地における生育状態 各種培地における生育状態は以下に示す通りである。培
養は27℃で2〜7日間行い、定法に従って観察した。
色調の記載については色の標準(日本色彩研究所)によ
った。 肉汁寒天培地(27℃、2ー7日) クリーム〜黄味灰で光沢のある円形のコロニーを形成す
る。菌体内および菌体外への色素の生産は認められな
い。 グルコース肉汁寒天培地 クリーム〜黄味灰で光沢のある不透明円形のコロニーを
形成する。色素の産生は認められない。 肉汁液体培地 皮膜を形成し、培地上部が混濁する。 3)生理学的性質 下記表1に示す通りである。
【0009】
【表1】
【0010】4)炭素源の利用性 下記表2に示す。
【0011】
【表2】
【0012】5)メナキノンの分析 主要なメナキノンはMK−7である。 6)DNAのGC含量 mol% G+C= 41. 5 以上の菌学的性質をまとめると、本菌株はグラム陽性有
芽胞桿菌で運動性を有する。また好気性であり、VPテ
スト陰性、オキシダーゼ試験陽性、カタラーゼ試験陽
性、硝酸塩の還元性を有し、15〜37℃の中温で生育
する。このような性状を有する菌をバージーズ・マニュ
アル・オブ・システマティック・バクテリオロジー(Ber
gey's Manual of Systematic Bacteriology, 1984)およ
びその他の文献によって検索した結果、本菌株はバチル
ス(Bacillus)属に属する細菌であると判断された。また
本菌株に類似した菌種を検索すると、バチルスブレビス
(Bacillus brevis)があげられる。 しかしB.brevis と
は炭素源の利用性、生育温度(B. brevis は50℃で生
育する。)、NaCl添加培地での生育(B. brevis は3%
以下で生育)などにおいて本菌株とは異なっていた。
【0013】一方、その他の文献検索などによっても、
本菌株の性状が既知菌種と一致する結果は得られていな
い。同時に、本菌株は海洋動物の腸内から分離された微
生物であり、分離源の特殊性からも土壌等由来の既知菌
種との比較が難しく、本菌株の種のレベルでの新規性の
結論を出すにはさらに詳細な分類学的検討が必要である
と考えられる。従って、今回、本菌株をバチルス エス
・ピー(Bacillus sp.)STC4546と命名した。本菌
株は工業技術院生命工学工業技術研究所に、FERM
P−15614として寄託されている。なお、微生物は
人工的に、また自然に変異を起こしやすいが、本発明に
おいて用いられるバチルス エス・ピー(Bacillus sp.)
STC4546株は、天然から分離された菌株の他
に、これを紫外線、X線、化学薬剤などで人工的に変異
させたもの、およびそれらの天然変異株についても包含
するものである。
【0014】(製造法)本発明の新規抗生物質の製造法
を実施するに当たり、該物質の生産菌株バチルス エス
ピー STC4546株を各種栄養源を含有する培地に
接種し、好気的に発育させることにより本発明の新規物
質を含む培養物が得られる。培養に用いられる培地は、
使用する微生物が生育可能な培地であればよく、合成培
地、半合成培地あるいは天然培地を用いることができ
る。培地に添加する栄養物としては、細菌の栄養源とし
て公知のものを使用できる。例えば窒素源(炭素源)と
しては、市販されているペプトン類、肉エキス類、コー
ンスティープリカー、綿実粕、落花生粉、大豆粉、酵母
エキス、小麦胚芽、カゼイン類、魚粉、デンプン類、オ
ウギ、および硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム等の無
機または有機物、炭素源としては市販されている糖蜜、
グルコース、マルトース、フルクトース、マンニトー
ル、ポテトスターチ、コーンスターチ、デキストリン、
可溶性デンプン等の炭水化物あるいは油脂、脂肪類など
が使用できる。
【0015】また金属塩としては、Na、K、Mg、C
a、Zn、Fe、Mn、Co、Cu、等の硫酸鉛、塩酸
塩、硝酸塩、燐酸塩、炭酸塩等を必要に応じて添加でき
る。さらに必要に応じてバリン、ロイシン、イソロイシ
ン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、
リジン、アルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸等
のアミノ酸や、ビタミン類、オレイン酸、オレイン酸メ
チル、ラード油、シリコン油、海面活性剤等の二次代謝
物生産促進物質又は消泡剤を適宣使用できる。これらの
もの以外でも、本発明化合物生産菌が利用し、本発明化
合物の生産に役立つものであれば、いずれの添加物も使
用することができる。培養法としては、一般の抗生物質
などの培養法と同様に行えば良く、その培養方法は固体
培養でも液体培養でも良い。液体培養の場合は静置培
養、振とう培養、攪拌培養のいずれを実施してもよい
が、特に通気攪拌培養が望ましい。培養条件として、培
養温度は生産菌が発育し、本発明の抗生物質を生産しう
る温度、すなわち15℃〜37℃の範囲で適宣適用でき
る。pHは、pH7〜8が望ましい。培養時間は種々の
条件によって異なり、10時間〜168時間であるが、
通常24時間程度で培養液中に蓄積される本発明の物質
が最高力価に達する。
【0016】培養物から目的とする本発明化合物を単離
するには、微生物の産生する代謝産物を単離する際に用
いる通常の抽出、精製の手段が適宣利用できる。培養物
中の該物質は培養液をそのままか、又は遠心分離あるい
は培養物に濾過助剤を加えて濾過して得られた培養液に
ブタノール等の水と混和しない有機溶剤を加えて抽出す
る。また、培養液を適宣の坦体に接触させ、濾液中の生
産物質を吸着させ、次いで適当な溶媒で溶出することに
より該物質を抽出することができる。例えば、アンバー
ライトXAD−2、ダイヤイオンHP−20、ダイヤイ
オンCHP−20、又はダイヤイオンSP−900のよ
うな多孔性吸着樹脂に接触させて該物質を吸着させる。
【0017】次いでメタノール、エタノール、アセト
ン、ブタノール、アセトニトリル等の有機溶媒と水の混
合液を用いて該物質を溶出させる。このときの有機溶媒
の混合比率を低濃度より段階的に又は連続的に高濃度ま
で上げていくことにより、該物質の含まれる比率のより
高い画分を得ることができる。次に、上記の各操作法を
用いて得た該物質含有画分は、シリカゲル、ODS等を
用いたカラムクロマトグラフィー、遠心液々分配クロマ
トグラフィー、ODSを用いた高速液体クロマトグラフ
ィー(HPLC)等の常法により、さらに純粋に分離精
製することができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を製造例、試験例により、さら
に詳しく説明するが、本発明はもちろんこれらの例に限
定されるものではない。 (実施例)グルコース1.0%、ポテトスターチ2.0
%、ポリペプトン0.5%、酵母エキス0.5%、炭酸
カルシウム0.4%を含む培地(PH7.0)を作成
し、500mlの三角フラスコに100ml分注して、
120℃で20分間滅菌した。ベネット寒天培地に良く
生育させたバチルス エスピー STC4546株を掻
き取って接種し、28℃で2日間、振幅5cm、回転数
200rpmで培養し、種培養液とした。 次にシュー
クロウス1.2%、大豆粉5.0%、硫酸アンモニウム
0.2%、炭酸カルシウム0.2%を含む培地(PH
7.0)を作成し、500mlの三角フラスコに100
ml分注して、120℃で20分間滅菌したものに、上
記前培養で得られた培養物を2%の割合で接種し、振幅
5cm、回転数200rpmの回転振とう機上で、28
℃で4日間培養した。
【0019】このようにして得られた培養物3リットル
に等量のアセトンを加え、撹拌して一夜放置した後、濾
過して上清と沈殿物に分離した。上清を減圧濃縮してア
セトンを除去してから、酢酸エチルで洗浄して、PH
7.0で、等量のn−ブタノールで2回抽出した。水層
を除去後、抽出液を減圧濃縮してn−ブタノールを除去
した。得られた残渣を500mlのシリカゲル(ワコー
ゲルC−200、和光純薬工業社製)のカラムにチャー
ジし、ブタノール:メタノール:水=3:1:1の展開
溶出液で溶出した。生物活性を測定後、活性画分を集め
て減圧濃縮した。得られた残渣を1リットルの水に溶解
させて、塩酸によりPH3.0にした後、これを500
mlのダイヤイオンHP−20(三菱化成製)を充填し
たカラムに通して吸着させた。カラムを1リットルの水
および1リットルの含水メタノール(メタノール:水=
4:6)で洗浄した後、含水アセトン(アセトン:水=
1:1 続いて アセトン:水=4:1)で溶出させて
分画した。生物活性を測定後、活性画分を集めて減圧濃
縮でアセトンを除去してから、クロロホルムで洗浄し
て、減圧濃縮した。得られた残渣を少量のジメチルスル
ホキシド(DMSO)とメタノール(MeOH)混液に
溶解した。これを試料として、HPLCによって更に精
製し、YL−03831B−A,B,C物質を単離し
た。なお、上記HPLCの条件を以下に示す。 カラム:STR−PREP−ODS−M (20×25
0mm) 移動相:アセトニトリル:メタノール:水=50:1
5:35 流 速:10.0ml/min 温 度:室温 検出器:紫外吸光光度計 (UV) 210nm
【0020】3種の活性物質のHPLCのピークを保持
時間の長い順にA,B,Cとし、さらに下記の条件で2
回HPLCを繰り返すことによって、各々の純品を得る
ことができた。 HPLCの保持時間がCより短いピー
クD,E,Fがあったが、これらの物質はジャーナル
オブ アンチバイオテックス(The Journal of Antibio
tics)第48卷、第11号、第1240頁に報告されて
いるBacillomycinLcの(#4)、(#
2)、(#0)と同一物質であった。HPLCの条件は
以下に示す。 カラム:STR−PREP−ODS−M (20×250mm) 流 速:10.0ml/min 温 度:室温 検出器:紫外吸光光度計 (UV) 210nm 移動相:Aピークは アセトニトリル:メタノール:水=50:15:35 B,Cピークは アセトニトリル:メタノール:水=40:15:45 次に本発明化合物と、HPLCのA,B,Cピークとそ
の対応する本発明化合物についての関係、および同一条
件におけるHPLCの保持時間を表3として示す。
【0021】
【表3】
【0022】以下に本発明化合物のYL−03831B
−A物質、YL−03831B−B物質、 及びYL−
03831B−C物質の3つの化合物の物理化学的性質
を表4にまとめて示す。
【0023】
【表4】
【0024】下記に表5及び表6にDMSO−d溶液
(TMS標準)でのH−NMR(500MHz)、
13C−NMR(125MHz)の化学シフト値(pp
m)を記載する。
【0025】
【表5】
【0026】
【表6】
【0027】次に、本発明化合物 YL−03831B
−A物質、YL−03831B−B物質、 及びYL−
03831B−C物質の3つの化合物の完全加水分解物
のαアミノ酸組成について記す。なお、化学構造上のア
スパラギンはアスパラギン酸、グルタミン酸γメチルエ
ステル(GluOMe)はグルタミン酸として検出され
ることを確認している。 (1)YL−03831B−A物質 アスパラギン酸2個(L体とD体)、チロシン1個(D
体)、セリン2個(L体とD体)、グルタミン酸1個
(L体)、スレオニン1個(L体) (2)YL−03831B−B物質 アスパラギン酸2個(L体とD体)、チロシン1個(D
体)、セリン2個(L体とD体)、グルタミン酸1個
(L体)、スレオニン1個(L体) (3)YL−03831B−C物質 アスパラギン酸2個(L体とD体)、チロシン1個(D
体)、セリン2個(L体とD体)、グルタミン酸1個
(L体)、スレオニン1個(L体) 上記の物理化学的性質から、YL−03831B−A,
B及びC物質の化学構造を以下のように決定した。
【0028】
【化3】
【0029】式中、Rがブチル基、イソプロピル基又は
エチル基のとき、それぞれYL−03831B−A、Y
L−03831B−B、又はYL−03831B−Cを
表す。
【0030】
【発明の効果】次に本発明化合物は、ヒトの病原菌であ
るカンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカス属を含
む真菌類に広範囲な抗真菌活性を示し、医薬特に抗真菌
物質およびその母核として有用である。YL−0383
1B−A,B又はC物質の抗真菌活性を調べた結果、下
記の菌に有効な活性を示した。 試験菌: カンジダ アルビカンス Candida albicans YFC-48 サッカロミセス セレビシエ Saccharomyces cerevisiae YFC-250 シゾサッカロミセス ポンベ Shizosaccharomyces pombe YFC-429 アスペルギルス ニガー Aspergillus niger YFC-36 ロドトルラ アクタ Rhodotolura acta YFC-422 クリプトコッカス エスピー Cryptococcus sp. YFC-75 ムコール ヒエマリス Mucor hiemalis YFC-174 トリコフィトン インテルディジターレ Trichophyton interdigitale YFC-283 抗菌試験例:本発明化合物をジメチルスルホキシド(D
MSO)に一定の濃度に溶解して、その20μlを抗菌
測定用ディスク(径8.0mm)にしみこませ、いわゆ
るペーパーデスク法で、抗かび活性を測定した。
【0031】以下に本発明化合物の製剤化法、投与方法
を詳述する。一般式(I)で示される化合物やその製薬
学的に許容される塩の1種又は2種以上を有効成分とし
て含有する医薬組成物は,通常用いられている製剤用の
担体や賦形剤,その他の添加剤を用いて,錠剤,散剤,
細粒剤,顆粒剤,カプセル剤,丸剤,液剤,注射剤,坐
剤,軟膏,貼付剤等に調製され,経口的又は非経口的に
投与される。本発明化合物のヒトに対する臨床投与量は
適用される患者の症状,体重,年令や性別等を考慮して
適宜決定される。通常成人1日当り経口で0.1〜50
0mg,非経口で0.01〜100mgであり,これを
1回あるいは数回に分けて投与する。投与量は種々の条
件で変動するので,上記投与量範囲より少ない量で十分
な場合もある。
【0032】本発明による経口投与のための固体組成物
としては,錠剤,散剤,顆粒剤等が用いられる。このよ
うな固体組成物においては,一つ又はそれ以上の活性物
質が,少なくとも一つの不活性な希釈剤,例えば乳糖,
マンニトール,ブドウ糖,ヒドロキシプロピルセルロー
ス,微結晶セルロース,デンプン,ポリビニルピロリド
ン,メタケイ酸,アルミン酸マグネシウムと混合され
る。組成物は,常法に従って,不活性な希釈剤以外の添
加剤,例えばステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤
や繊維素グリコール酸カルシウムのような崩壊剤,ラク
トースのような安定化剤,グルタミン酸又はアスパラギ
ン酸のような可溶化乃至は溶解補助剤を含有していても
よい。錠剤又は丸剤は必要によりショ糖,ゼラチン,ヒ
ドロキシプロピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロースフタレートなどの胃溶性あるいは腸溶性物
質のフィルムで被膜してもよい。
【0033】経口投与のための液体組成物は,薬剤的に
許容される乳濁剤,溶液剤,懸濁剤,シロップ剤,エリ
キシル剤等を含み,一般的に用いられる不活性な希釈
剤,例えば精製水,エチルアルコールを含む。この組成
物は不活性な希釈剤以外に可溶化乃至溶解補助剤,湿潤
剤,懸濁剤のような補助剤,甘味剤,風味剤,芳香剤,
防腐剤を含有していてもよい。非経口投与のための注射
剤としては,無菌の水性又は非水性の溶液剤,懸濁剤,
乳濁剤を包含する。水性の溶液剤,懸濁剤の希釈剤とし
ては,例えば注射剤用蒸留水及び生理食塩水が含まれ
る。非水溶性の溶液剤,懸濁剤の希釈剤としては,例え
ばプロピレングリコール,ポリエチレングリコール,オ
リーブ油のような植物油,エチルアルコールのようなア
ルコール類,ポリソルベート80(商品名。ポリオキシ
エチレンソルビタン高級脂肪酸エステル)等がある。こ
のような組成物は,さらに等張化剤,防腐剤,湿潤剤,
乳化剤,分散剤,安定化剤(例えば,ラクトース),可
溶化乃至溶解補助剤のような添加剤を含んでもよい。こ
れらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過,殺
菌剤の配合又は照射によって無菌化される。これらは又
無菌の固体組成物を製造し,使用前に無菌水又は無菌の
注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
【0034】本発明化合物の溶解性が低い場合には,可
溶化処理を施してもよい。可溶化処理としては,医薬製
剤に適用できる公知の方法,例えば界面活性剤(ポリオ
キシエチレン硬化ヒマシ油類,ポリオキシエチレンソル
ビタン高級脂肪酸エステル類,ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレングリコール類,ショ糖脂肪酸エステル
類等)を添加する方法,薬物と可溶化剤例えば高分子
(ハイドロキシプロピルメチルセルロース(HPM
C),ポリビニルピロリドン(PVP),ポリエチレン
グリコール(PEG)等の水溶性高分子,カルボキシメ
チルエチルセルロース(CMEC),ハイドロキシプロ
ピルメチルセルロースフタレート(HPMCP),メタ
アクリル酸メチル−メタアクリル酸共重合体(オイドラ
ギットL,S,商品名;ローム・アンド・ハース社製)
等の腸溶性高分子)との固体分散体を形成する方法が挙
げられる。更に必要により,可溶性の塩にする方法,サ
イクロデキストリン等を用いて包接化合物を形成させる
方法等も採用できる。可溶化の手段は,目的とする薬物
に応じて適宜変更できる[「最近の製剤技術とその応
用」,内海勇ら,医薬ジャーナル157−159(19
83)及び「薬学モノグラフNo.1,生物学的利用
能」,永井恒司ら,ソフトサイエンス社,78−82
(1988)]。このうち,好ましくは,薬物と可溶化
剤との固体分散体を形成させ溶解性を改善する方法が採
用される(特開昭56−49314号,FR24606
67号)。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:07) (72)発明者 武田 靖代 東京都板橋区中台2−10−5 ヒルサイド 中台201 (72)発明者 鈴木 賢一 埼玉県北本市二ツ家1−67 (72)発明者 永井 浩二 東京都北区赤羽北3−24−16 オーベルジ ュ桐ヶ丘206

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、Rはエチル基、イソプロピル基又はブチル基を
    表す)で示される環状ペプチド系化合物。
  2. 【請求項2】 バチルス属(Bacillus)に属しかつ請求項
    1記載の環状ペプチド系化合物を生産する能力を有する
    細菌を培養し、その培養物から請求項1記載の環状ペプ
    チド系化合物を採取することを特徴とする請求項1記載
    の環状ペプチド系化合物の製造法。
  3. 【請求項3】 バチルス属(Bacillus)に属する微生物が
    バチルス属 エスピー STC4546株(Bacillus s
    p. STC4546) である請求項2記載の製造法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の環状ペプチド系化合物を
    有効成分として含有することを特徴とする医薬。
  5. 【請求項5】 抗真菌剤である請求項4記載の医薬。
JP8123118A 1996-05-17 1996-05-17 新規環状ペプチド系化合物 Pending JPH09301997A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8123118A JPH09301997A (ja) 1996-05-17 1996-05-17 新規環状ペプチド系化合物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8123118A JPH09301997A (ja) 1996-05-17 1996-05-17 新規環状ペプチド系化合物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09301997A true JPH09301997A (ja) 1997-11-25

Family

ID=14852635

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8123118A Pending JPH09301997A (ja) 1996-05-17 1996-05-17 新規環状ペプチド系化合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09301997A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6774104B1 (en) 1999-07-01 2004-08-10 Fujisawa Pharmaceutical Co., Ltd. Stabilized pharmaceutical composition in lyophilized form
CN115477693A (zh) * 2022-09-28 2022-12-16 广西师范大学 海洋真菌来源的两种环肽化合物及其制备方法和在制备抗炎药物中的应用

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6774104B1 (en) 1999-07-01 2004-08-10 Fujisawa Pharmaceutical Co., Ltd. Stabilized pharmaceutical composition in lyophilized form
US7112565B2 (en) 1999-07-01 2006-09-26 Astellas Pharma Inc. Stabilized pharmaceutical composition in lyophilized form
CN115477693A (zh) * 2022-09-28 2022-12-16 广西师范大学 海洋真菌来源的两种环肽化合物及其制备方法和在制备抗炎药物中的应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1996015131A1 (en) Macrocyclic lactone compounds and their production process
PL179581B1 (pl) kompozycja farmaceutyczna oraz substancja farmakologicznie czynna PL PL PL PL PL PL PL PL
JP4091130B2 (ja) 生理活性物質tkr2449類、製造方法及び微生物
KR100611265B1 (ko) 신규 뎁시펩티드 화합물
US7098186B2 (en) Depsipeptide compound
JPH09301997A (ja) 新規環状ペプチド系化合物
JP4132665B2 (ja) 抗生物質tkr2999、製造方法及び微生物
JP4114261B2 (ja) 新規ビアントラキノン誘導体
JP3273948B2 (ja) 生理活性物質tkr1785類、製造方法及び微生物
JP3341773B2 (ja) 抗生物質tkr1912−i、tkr1912−ii及びそれらの製造方法
JP3879171B2 (ja) 抗ヘリコバクター・ピロリ剤
US5091413A (en) Antibiotic agent
JP2640932B2 (ja) Tan−866、その製造法および微生物
JPS62294676A (ja) パチュロリドおよびその製造法
US6337410B2 (en) Antibiotic TKR459, production method, and microorganism
JP4022360B2 (ja) 新規生理活性物質
EP0955376A1 (en) Antibiotic tkr 459, production method, and microorganism
JPH03188098A (ja) 抗生物質プラスバシン
JP2002509444A (ja) Wf14573またはその塩、それらの製法および用途
JP2001011075A (ja) 新規ジオキソピペラジン誘導体
JPH09249680A (ja) 抗生物質tkr842、製造方法及び微生物
JPH07238018A (ja) 抗真菌性抗生物質及びその製造法
WO1999020651A1 (fr) Nouveaux composes antifongiques
JPH05155876A (ja) 新規抗生物質Mer−AF1032A 及びMer−AF1032B
JPH0925286A (ja) 抗生物質tkr2554及びその製造方法