JP4112856B2 - ガス分離体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多成分混合ガスを拡散分離することによって特定成分ガスを得ることが出来るガス分離体の製造方法に関する。より詳細には、より簡素な製造手段により、高いガス分離効率で、高純度な特定成分ガスを得ることが出来るガス分離体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、多成分混合ガスから特定のガス成分のみを得る方法として、有機又は無機のガス分離膜によって分離する膜分離法が知られている。その膜分離法に用いられる分離膜は、例えば、水素分離膜としては、ポリイミドやポリスルホン等の有機高分子膜、及び、パラジウム又はパラジウム合金膜等の無機化合物膜、等があり、酸素分離膜としては、銀又は銀合金膜、等がある。
【0003】
特に、パラジウム又はパラジウム合金膜においては、耐熱性もあり、又、極めて高純度の水素を得られることが知られている。パラジウム又はパラジウム合金は、水素を固溶して透過させる性質があり、この性質を利用し、パラジウム又はパラジウム合金からなる薄膜は、水素を含有する混合ガスから水素を分離するガス分離体に広く用いられている。しかし、このパラジウム薄膜単独には、機械的強度が弱いという問題がある。
【0004】
そこで、この問題を解決するために、種々の提案がなされてきた。
例えば、特開昭62−273030号公報において、多孔質ガラス、多孔質セラミックス、又は、多孔質酸化アルミニウム等の無機多孔質支持体の表面に、パラジウム又はパラジウム合金を被着させ、パラジウム又はパラジウム合金からなる薄膜の機械強度を高める提案がなされている。
【0005】
又、特開平3−146122号公報には、耐熱性多孔質基体の表面に、化学メッキ法によりパラジウム薄膜を形成し、パラジウム薄膜上に化学メッキ法により銀薄膜を形成し、次いで、熱処理を行う、水素分離体の製造方法が開示されている。多孔質基体と、それを被覆するパラジウム合金薄膜と、を有する水素分離体が得られ、熱処理によって、パラジウム合金薄膜において、パラジウムと銀とが均一に分布するようになっている。
【0006】
更には、米国特許第3,359,705号に、酸素を分離する銀薄膜が開示されている。
【0007】
しかしながら、これらのガス分離体は、ガス分離能を有する金属からなるガス分離膜を貫通している微小欠陥(以下、貫通欠陥ともいう)を通じて、ガス分離を被る原料ガスが精製ガス内に漏れてしてしまうといった問題を有している。従って、精製ガス中に原料ガスが混入し、水素の純度は、大きく低下してしまう。
【0008】
例えば、特開昭63−171617号公報に示される無機多孔質膜にパラジウムを担持させた水素分離膜の製造方法について詳述すれば、同公報において、無機多孔質膜をパラジウム又はパラジウム合金をスッパタリング等により蒸着し、次いで、[Pd(NH3)4]Cl2水溶液を無機多孔質膜を介して減圧脱気処理し、溶媒を蒸発させてパラジウムを無機多孔質膜に担持することが開示されている。しかし、この水素分離膜は、実施例によると、水素を透過させるだけではなく、窒素をも透過させるものであるから、無機多孔質膜の小孔がパラジウムにより閉塞されていない。従って、他成分ガスが混入し得て、精製ガス中の水素の純度低下を招いてしまう。
【0009】
一方、このような微小欠陥の発生を防止する方法として、ガス分離能を有する金属からなるガス分離膜の厚さを厚くする方法が考えられる。しかしながら、この方法では、ガス分離膜をガスが透過するガス透過性が低下し、ガス分離効率が低下するという問題を生じ得る。
即ち、望ましいガス分離膜とは、貫通欠陥がなく精製ガスの純度を高く保て、且つ、ガス分離効率が優れているガス分離膜であるが、これら条件は背反し両立させ難いという問題があった。
【0010】
上記した問題を解決するために、本出願人は、活性化工程と化学メッキ工程とを有し、多孔質基体の表面に開いている小孔にガス分離能を有する金属を充填するガス分離体の製造方法を発明し開示した(特許第3213430号)。その発明は、活性化工程で、多孔質基体の一片面を、その一片面にかかる圧力が多孔質基体の反対側の片面の圧力より大きくなるように、活性化金属を含有する溶液に浸漬させ、これにより、この多孔質基体の一片面において表面に開いている小孔の内部に溶液を侵入させて、化学メッキ工程で、同じく、多孔質基体の一片面を、その一片面にかかる圧力が多孔質基体の反対側の片面の圧力より大きくなるように、ガス分離能を有する金属を含有する溶液に浸漬させ、ガス分離能を有する金属を多孔質基体の小孔に付着させることにより、ガス分離能を有する金属を小孔に充填し閉塞させる方法を一実施形態とするものである。
【0011】
この製造方法によれば、多孔質基体の小孔の閉塞が充分に行われ、原料ガスが精製ガス内に漏れてしてしまうことがなく、99.99%以上の純度の水素ガスを得ることが可能である。又、ガス分離能を有する金属が多孔質基体の小孔内部に侵入している深さが30μm程度であれば、所望のガス分離効率を得ることが出来る。従って、この製造方法により作製されるガス分離体は、上記した問題を解決し得、特に高純度のガスが必要となる市場、例えば、半導体製造工程、高純度水素精製工程、光ファイバー製造工程、等に係る市場に、好ましく迎えられている。
【0012】
ところが、近年、市場によっては、要求される仕様が変わりつつある。例えば、車載用若しくは家庭用燃料電池システムに係る市場においては、得られる精製ガスの純度の向上を求めるよりも、よりガス分離効率の向上に比重がおかれるようになり、又、コスト低減要求が増してきている。その理由としては、例えば、ガス分離に係る設備のコンパクト化の狙い、それに加えて、近年のパラジウムの価格高騰、等が挙げられる。
【0013】
本発明にいうガス分離効率とは、ガス分離体をガスが透過するガス透過速度を意味し、基準差圧下における時間当たりのガス透過量を指す。即ち、ガス分離効率がよいガス分離体は、一定の供給圧力の下、所定量の原料ガスを精製分離するのに、より少ない個体数で済むことから設備コストが低減出来る。又、一定のガス分離体個体数において、所定量の原料ガスを精製分離させる際に要する供給圧力は、より小さくて済むことから運転コスト(電力代等)が低減出来る。
【0014】
従って、精製ガスの純度に、非常に高い純度を要求しない場合、例えば純度が99〜99.9%程度であって対応可能な市場においては、よりガス分離効率の高いガス分離体を、より低コストに作製出来る製造方法が望まれていたが、本出願人の上記特許に係る製造方法は、このような要求に対して、必ずしも最適であるとはいえなかった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、より高いガス分離効率を発揮して、所定の純度を有する精製ガスを得ることが出来るガス分離体を作製し得る、より簡素なガス分離体の製造方法を提供することにある。市場の要求に応えるべく、従来の製造方法の各工程が見直され、研究が重ねられた結果、以下に示す手段により、上記目的が達成されることが見出された。
【0016】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明によれば、多孔質基体にガス分離能を有する金属が成膜されてなるガス分離体の製造方法であって、少なくとも、多孔質基体の一片面を、他片面との圧力差を伴わずに、活性化金属を含有する溶液に浸漬させることにより、多孔質基体の一片面において表面に活性化金属を含有する溶液を接触させる活性化工程と、多孔質基体の一片面を、他片面との圧力差を伴って、ガス分離能を有する金属を含有する溶液に浸漬させることにより、多孔質基体の表面にガス分離能を有する金属を含有する溶液を付着させる化学メッキ工程と、を有し、ガス分離能を有する金属が、多孔質基体の表面の微小欠陥を閉塞させつつ成膜されることを特徴とするガス分離体の製造方法が提供される。多孔質基体の一片面と他片面との間に圧力差を生じさせる作業が、より工程数の少ない化学メッキ工程のみで行われるため、従来の製造方法に比べて、製造工程が、より簡素になる。
【0017】
本発明においては、ガス分離能を有する金属が、パラジウム若しくはパラジウムを含有する合金であることが好ましい。又、成膜されたガス分離能を有する金属の膜厚は、1〜5μm程度であることが好ましい。
本発明により作製されるガス分離体のガス分離能は、分離して得られる特定成分ガスの純度として、概ね99〜99.9%を実現し得る。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のガス分離体の製造方法について、実施の形態を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0019】
本発明のガス分離体の製造方法は、多孔質基体にガス分離能を有する金属が成膜されてなるガス分離体の製造方法であって、所定の純度の精製ガスを得るために最低限必要なガス分離体におけるガス分離能を有する金属の成膜条件を定め、その条件が安定して実現され得るように留意しつつ、製造工程の簡略化を図り、もってスループットの向上及び製造コストの低減を図ることを目的としている。
【0020】
本発明においては、この目的に適うように、少なくとも、多孔質基体の一片面を、他片面との圧力差を伴わずに、活性化金属を含有する溶液に浸漬させる活性化工程と、多孔質基体の一片面を、他片面との圧力差を伴って、ガス分離能を有する金属を含有する溶液に浸漬させる化学メッキ工程と、を行い、ガス分離能を有する金属が、多孔質基体の表面の微小欠陥を閉塞させつつ成膜されることに特徴がある。
【0021】
例えば、精製ガスとして純度99〜99.9%程度の水素を効率良く得るため、ガス分離体の水素ガス透過速度の向上を狙うには、水素ガス分離能を有する金属である例えばパラジウムの膜厚は2μm程度、パラジウムの多孔質基体内への侵入深さは1〜2μm程度であることが好ましい。ところが、本出願人の特許第3213430号に係る製造方法は、このような要求、特に侵入深さを1〜2μmと浅く制御する要求に対し、必ずしも最適であるとはいえなかった。又、上記要求を実現する場合においては、歩留まりを、より改善する必要があった。
【0022】
その理由として、本出願人の上記特許では、活性化、化学メッキの両工程で、多孔質基体の一片面と他片面との圧力差を制御しているが、浅くメッキを析出させるための微妙な圧力制御は容易ではなく、パラジウムの膜厚やパラジウムの多孔質基体内への侵入深さがバラツキ易いことが挙げられる。
【0023】
又、活性化工程は、一般に複数の薬品に浸漬する必要があり、薬品浸漬の間の水洗工程等を含めると10〜20工程にもなり得る。従って、多孔質基体の一片面と他片面とに圧力差をつけつつ、より具体的に例示すれば多孔質基体の片面から吸引しつつ、活性化工程を行うことは、作業を、より繁雑にし、サイクルタイムの遅延の原因になる。
【0024】
本発明においては、活性化工程で減圧処理を行っていない。この場合、自動的に活性化深さ、即ち活性化金属が多孔質基体に侵入する深さは、1〜2μmとなる。そのため、次の化学メッキ工程における多孔質基体の一片面と他片面との圧力差を特に制御せず、例えばパラジウムを含有するメッキ液が多孔質基体に奥深く侵入したとしても、析出するのは活性化された部分である1〜2μmの深さとなる。
【0025】
又、本発明によれば、通常、ガス分離能を有する金属、例えばパラジウム、を含有するメッキ液に含浸させる1工程のみにおいて、多孔質基体の一片面と他片面との圧力差を制御すればよく、本出願人の上記特許に係る製造方法に比べ、作業は、より簡素になり、サイクルタイムも短縮出来る。従って、より低コストでガス分離体を製造することが出来、純度の追求よりもガス分離効率の向上をむ望む市場に受け入れられ易い。更には、従来なかった需要の喚起にも結びつけることが出来る。
【0026】
尚、本発明における実現し得る精製ガスの所定の純度とは、概ね99〜99.9%である。本発明によれば、この純度の精製ガスを得るために、成膜されたガス分離能を有する金属の膜厚は、概ね1〜5μmでよいことが確認されている。
【0027】
以下、本発明に係るガス分離体の製造方法の各製造工程について、その一実施形態を掲げて、詳しく説明する。
本発明のガス分離体の製造方法では、少なくとも、活性化工程と、化学メッキ工程とを有する。その活性化工程では、上記したように、多孔質基体の一片面と他片面とに差圧を生じさせる必要がない。ともに大気圧下において、活性化金属を含有する溶液に浸漬させ、これにより、多孔質基体の一片面において表面に溶液を接触させればよい。このように接触させるのみの手段で、溶液の液圧により、多孔質基体の表面、及び、多孔質基体の表面に開いている小孔の表面から極浅くい内部に活性化金属が付着する。この活性化金属が付着した部分に、次の化学メッキ工程で、ガス分離能を有する金属が析出するのである。
【0028】
この活性化工程では、一片面が活性化金属を含有する溶液に浸漬されていれば、その反対側の片面は溶液に浸漬されている必要はない。
活性化金属としては、パラジウム2価イオンを含有する化合物を好適に用いることが出来る。活性化工程は、具体的には、多孔質基体を塩化パラジウムの塩酸水溶液と、塩化錫との塩酸水溶液に交互に浸漬させることを行うことが出来る。
【0029】
次の化学メッキ工程で、少なくともガス分離能を有する金属及び還元剤を含有するメッキ液を用いて無電解メッキを行い、ガス分離能を有する金属を多孔質基体の小孔に付着させ、これにより、ガス分離能を有する金属が小孔を充填して閉塞させる。この化学メッキ工程では、活性化工程で処理された片面を処理する。例えば、活性化工程で用いた溶液を適切なメッキ液に置き換えることが出来る。
【0030】
この化学メッキ工程においては、多孔質基体の一片面を、その片面にかかる圧力が多孔質基体の反対側の片面の圧力より大きくなるようにして、少なくともガス分離能を有する金属と還元剤と含有するメッキ溶液に浸漬させることが好ましい。例えば、管形状の多孔質基体を用い、その外側をメッキ溶液に浸漬させ、管の内側を、例えば真空ポンプで引くことが出来る。又、管形状の多孔質基体を用い、その外側をメッキ溶液に浸漬させ、この溶液に圧力をかけ、管の内側を一定の圧力に保ってもよい。何れの場合でも、この管の外側と内側とを逆にして、管の内側にメッキ溶液を浸漬させ、圧力を変化させることも出来る。
【0031】
多孔質基体の一片面と他片面とに差圧を生じさせることにより、多孔質基体の表面に開いている小孔の内部にこのメッキ溶液を侵入させることが容易になる。そして、先の活性化工程で活性化金属が付着した部分が無電解メッキされる。
化学メッキ工程における浸漬時間、メッキ溶液の温度、多孔質基体にかかる両面の圧力差等を調節することにより、ガス分離能を有する金属が多孔質基体の表面から侵入する深さを調節することが可能である。
【0032】
水素分離のためには、例えば、パラジウムを含有する公知の化学メッキ液を用い、酸素分離のためには、例えば、硝酸銀、EDTA、アンモニア水及びヒドラジンを含有する公知の化学メッキ液を用いることが出来る。
【0033】
水素分離のためのガス分離体を作製するときは、パラジウムを化学メッキした後、その電着したパラジウム表面に銀を更に化学メッキし、次いで、熱処理を行い、パラジウムと銀とを相互拡散させ、パラジウムと銀とを合金化することが好ましい。
【0034】
以下、本発明に係るガス分離体の製造方法により得られるガス分離体について、図面を参照しながら、その一実施形態を詳しく説明する。
【0035】
図1に、本発明に係るガス分離体の一実施形態を示す断面図である。ガス分離体1は、多孔質基体2と、ガス分離能を有する金属3とを有する。多孔質基体2は、多孔質であるので、その内部に多数の小孔5を有し、その小孔5には、多孔質基体2の表面6につながって開いているものもある。本発明により得られるガス分離体1は、このガス分離能を有する金属3が多孔質基体2の表面6に開いている小孔5のうち、ガス分離膜4に接する多孔質基体2の表面6近傍の小孔5のみを、ガス分離能を有する金属3を充填して閉塞したものである。
【0036】
多孔質基体2として用いる材料は、原料ガスが反応しないものであることが好ましく、具体的には、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ムライト、コージェライト、ジルコニアといったものの他、カーボンや多孔質ガラス等を用いることが出来る。
尚、多孔質基体2の厚さは、特に制限されない。使用環境において充分な機械強度を保持出来ればよい。
【0037】
この多孔質基体2は、3次元状に連続した多数の微細な小孔5を有するものであるが、この小孔5の孔径は、0.003〜2μmであることが好ましく、0.1〜1μm以下であることが、より好ましい。孔径が0.003μm未満では、ガスが通過するときの抵抗が大きくなるからである。一方、孔径が2μmを超えると、ガス分離能を有する金属3を化学メッキにより、小孔5を閉塞し難くなるので、好ましくない。
【0038】
又、多孔質基体2の小孔5は、孔径が揃っていることが好ましい。これにより、化学メッキ工程で、多孔質基体2の表面6近傍の小孔に、メッキ溶液を漏れなく均一に侵入させ易く、ガス分離能を有する金属3が充填されない小孔5が生じてしまう問題を回避出来る。
【0039】
更に、多孔質基体2の形状は、面であることは好ましく、面とは、平面及び曲面を包含し、又、曲面が閉じている形状に相当する管形状も当然に含有する。管形状の場合、管断面の形状は任意であるが、円形のものは入手が容易であり、好ましい。又、ガス分離体1の形状又は多孔質基体2の形状は板状でもよく、その使用目的により任意の形状に出来る。
【0040】
ガス分離能を有する金属3は、精製したいガスによって、選択される。例えば、水素ガス精製のためには、パラジウム、パラジウムを主成分とする合金、又は、パラジウムを含有する合金である。又、酸素を分離するためには、銀又は銀を主成分とする合金の薄膜、有機材料薄膜、等が用いられる。
【0041】
本発明に係るガス分離体1では、多孔質基体2の表面6近傍の小孔を埋めるガス分離能を有する金属3が、ガス分離の機能を果たすが故に、ガス分離膜4を極薄くすることが出来、ガス分離体1としてのガス分離効率を、より高めることが可能である。
【0042】
本発明に係るガス分離体1では、ガス分離能を有する金属3が多孔質基体2の内部に侵入している深さは、必要に応じて規定出来るが、概ね多孔質基体2の表面6から1〜5μmであればよい。この深さが1μmより小さいと、ガス分離能を有する金属3による小孔の閉塞が充分でないおそれが生じ、原料ガスが精製ガス側に漏洩する可能性が高まるからである。又、ガス分離膜4が多孔質基体2の表面6から剥離し易くなるからである。一方、この深さが5μmより大きいと、ガス分離効率が低下してしまい好ましくない。
【0043】
又、本発明に係るガス分離体1では、多孔質基体2の表面6近傍の小孔5を充填して閉塞するガス分離能を有する金属3が、ガス分離膜4を形成しているガス分離能を有する金属と、連続して形成されていれば、尚好ましい。ガス分離膜4と多孔質基体2との密着性が、より向上し、ガス分離膜4が多孔質基体2の表面6から剥離し難くなるからである。
【0044】
ガス分離能を有する金属3がパラジウム合金からなる場合には、Japanese Membrane Science,56(1991)315−325:”Hydrogen Permeable Palladium − Silver Alloy Membrane Supported onPorous Ceramics”や特開昭63─295402号公報に記載されているように、パラジウム以外の金属の含量は10〜30質量%であることが好ましい。パラジウムを合金化する主目的は、パラジウムの水素脆化防止と高温時の分離効率向上のためである。又、パラジウム以外の金属として銀を含有すれば、パラジウムの水素脆化防止に寄与し好ましい。
【0045】
【実施例】
以下、実施例を挙げて、本発明を、更に具体的に説明する。
(実施例1)
先ず、多孔質基体に、洗浄を行った。
外径10mm、内径7mm、長さ300mmの円筒形状を有し、微細孔径が0.1μmの多孔質α−アルミナ管を、多孔質基体に用い、この多孔質管を水で洗浄し、次いで乾燥した。次いで、脱脂処理として奥野製薬製OPC370を10%含む溶液を70℃に保持し、5分間浸漬した後、水洗した。
【0046】
次いで、多孔質基体を活性化処理した。
この多孔質α−アルミナ管を、OPCプリディッピングを1%含む溶液に2分間浸漬した。次に、奥野製薬製インデューサーA及びBを各々5%含む溶液を50℃に保持し、5分間浸漬した後、水洗した。次に、奥野製薬製クリスターMUを15%含む溶液に5分間浸漬した。次に、奥野製薬製クリスターMUを3%含む溶液に1分間浸漬し、水洗した。次に、ヒドラジンを0.05%含む溶液に1分間浸漬した。
【0047】
尚、活性化処理は以下の別手段によっても行うことが出来るので紹介のみ行う。即ち、多孔質α−アルミナ管の外表面を、SnCl2・2H2Oを0.1質量%含有する0.1%塩酸水溶液に1分間浸漬させる。次いで、この管の外表面を、PdCl2を0.01質量%含有する0.1%塩酸水溶液に1分間浸漬させる。各々の塩酸水溶液に10回、浸漬させるように、この浸漬処理を両塩酸水溶液で繰り返す。このような手段によっても活性化処理を行うことが可能である。
【0048】
次いで、パラジウムを化学メッキした。
イオンを除去した水1l中に、[Pd(NH3)4]Cl2・H2O(5.4g)、2Na・EDTA(67.2g)、アンモニア濃度28%のアンモニア水(651.3ml)、H2NNH2・H2O(0.64ml)を加えた水溶液を準備し、活性化処理を行った多孔質α−アルミナ管の外表面を、50℃に温度制御した上記水溶液に浸漬させ、その一方、管の内側を真空ポンプで引いて減圧した。この浸漬時間を変化させ、多孔質基体の表面に被覆する薄膜の膜厚及び多孔質基体の内部への侵入深さを調節した。
そして、析出したパラジウムの侵入深さについて歩留まり調査を行った。侵入深さは1.5mmに調節し、薄膜の膜厚を2μmに調節したときの侵入深さの精度を、試験体20体を対象に検査した。多孔質基体の内部への深さが1.5±0.5mm以内に収まっているものを合格とし、歩留まりを求めた。
【0049】
次いで、銀を電気メッキし、パラジウムと銀との重量比が80:20となるように、調節した。
最後に、900℃で1時間保持して、熱処理を行い、パラジウムと銀とを相互拡散させ、パラジウムと銀とを合金化し、ガス分離体を得た。
【0050】
こうして得られたガス分離体について、気密試験を行った。
アルゴンガスをアルミナ管外部に導入し、900kPaの圧力で保持し、アルミナ管内部に漏洩するガス量を測定した。
【0051】
又、ガス分離体について、水素分離試験を行った。
水素80容量%及び二酸化炭素20容量%からなる混合ガス17を原料ガスに用いた。試験装置の概略図を図2に示す。先ず、チャンバー7を500℃にまで加熱した。次いで、ガス分離体16の外側に、圧力が900kPaである混合ガス17を2Nリットル/分で導入した。又、ガス分離体16の内側に、圧力が100kPaのアルゴンをキャリヤーガス18として、0.1Nリットル/分で導入した。ガスクロマトグラフィにより、こうして得られた精製ガス19について定量分析を行い、精製ガス19のガス透過速度及び精製ガス19中の水素濃度を調べた。
【0052】
更にガス分離体について、熱サイクル試験を行った。
水素雰囲気中にあるガス分離体を室温から500℃まで加熱し、次いで、室温まで冷却した。この加熱・冷却サイクルを1サイクルとし20サイクル行った。これらの気密試験、ガス分離試験及び熱サイクル試験の試験結果を、表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
(比較例1)
多孔質基体を活性化処理する工程で、各溶液に浸漬する各工程において、α−アルミナ管内部を減圧にし、パラジウム化学メッキ工程では減圧にせずに、ガス分離体を得た。尚、パラジウム化学メッキ工程での減圧がないため多孔質基体の表面に被覆する薄膜の膜厚及び多孔質基体の内部への侵入深さの調節の実施もなく、歩留まり調査はしていない。それ以外は、実施例1と同一の条件で処理した。結果を表1に示す。
【0055】
(比較例2)
多孔質基体を活性化処理する工程及びパラジウム化学メッキ工程の両工程において、α−アルミナ管内部を減圧せずに、ガス分離体を得た。尚、パラジウム化学メッキ工程での減圧がないため多孔質基体の表面に被覆する薄膜の膜厚及び多孔質基体の内部への侵入深さの調節の実施もなく、歩留まり調査はしていない。それ以外は、実施例1と同一の条件で処理した。結果を表1に示す。
【0056】
(比較例3)
多孔質基体を活性化処理する工程及びパラジウム化学メッキ工程の両工程において、α−アルミナ管内部を減圧して、ガス分離体を得た。パラジウム化学メッキ工程での減圧により、多孔質基体の表面に被覆する薄膜の膜厚を2μmに調節した。又、多孔質基体の内部への侵入深さを1.5mmに調節し、析出したパラジウムの侵入深さの精度を、試験体20体を対象に検査した。多孔質基体の内部への深さが1.5±0.5mm以内に収まっているものを合格とし、歩留まりを求めた。それ以外は、実施例1と同一の条件で処理した。結果を表1に示す。
【0057】
(考察)
実施例1と比較例2の結果を比較すれば、活性化処理工程若しくは化学メッキ工程において、α−アルミナ管内部を減圧することにより、多孔質基体の内部にまでパラジウムを付着することが出来ることがわかる。パラジウム合金の表面からの充填深さが増すことによって、ガス分離体の気密性、精製ガス中の水素純度が向上することがわかる。又、熱サイクル試験において、ガス分離膜が多孔質基体より剥離し難くなり、密着性が向上していることがわかる。
【0058】
活性化処理工程では複数の薬液に浸漬する必要があり、工程数は概ね4〜20にもなり、各々工程において減圧処理を行うのは煩雑であるが、実施例1においては、メッキ液に含浸する1工程においてのみ減圧処理を行うことにより、比較例1と同等の効果が得られるため、工程の省略化が可能である。
【0059】
実施例1と比較例3の歩留まりの比較により、多孔質基体内へのパラジウムの析出深さを1〜2μmにするための微妙な膜厚制御においては、本発明(実施例1)の方が優れている。多孔質基体を活性化処理する工程及びパラジウム化学メッキ工程の両工程において、α−アルミナ管内部を減圧してしまうと、パラジウムの析出深さのバラツキが大きくなり、歩留まりが低下する。パラジウムが、例えば深く侵入しすぎればガス透過速度が減少する、あるいは、浅い部分が発生すれば気密を悪化させる要因につながる。従って、この歩留まり低下は好ましくなく、パラジウム化学メッキ工程のみにおいて、多孔質基体の一片面を、他片面との圧力差を伴って、ガス分離能を有する金属を含有する溶液に浸漬させ、多孔質基体内へのパラジウムの析出深さを所望の深さに制御することは有用である。
【0060】
【発明の効果】
本発明のガス分離体の製造方法では、より使用薬品数の少ない化学メッキ工程のみで、多孔質基体の一片面を、その一片面にかかる圧力が多孔質基体の反対側の片面の圧力より大きくなるように、メッキ溶液に浸漬させ、これにより、この多孔質基体の一片面の表面に開いている小孔の、表面近傍部分において、ガス分離能を有する金属が小孔を充填して閉塞させつつ成膜される。複数の薬品を用いる活性化工程で、多孔質基体の一片面と他片面の圧力差を設ける必要がないため、作業が簡素になるとともに、工程のサイクルタイムも短縮されスループットが向上し得る。
【0061】
更には、本発明のガス分離体の製造方法により得られるガス分離体においては、好ましくは、ガス分離能を有する金属が多孔質基体の内部に侵入している深さは、多孔質基体の表面から1〜2μmであり、又、ガス分離膜の膜厚は好ましくは1〜5μmである。このような条件を満たすガス分離体は、ガス分離効率に優れ、このガス分離体を用いたガス分離装置の設備コスト及び運転コストの低減に寄与し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガス分離体の製造方法により得られるガス分離体の一実施形態を示す断面図である。
【図2】 本発明のガス分離体の製造方法に係る水素分離試験装置の概略図である。
【符号の説明】
1…ガス分離体、2…多孔質基体、3…ガス分離能を有する金属、4…ガス分離膜、5…小孔、6…表面、7…真空チャンバー、8…導入管、10…導入管、15…Oリング、16…ガス分離体、17…混合ガス、18…キャリヤーガス、19…精製ガス。
Claims (1)
- 多孔質基体にガス分離能を有するパラジウム若しくはパラジウムを含有する合金が成膜されてなるガス分離体の製造方法であって、少なくとも、
前記多孔質基体の一片面を、他片面との圧力差を伴わずに、活性化金属を含有する溶液に浸漬させる活性化工程と、
前記多孔質基体の一片面を、他片面との圧力差を伴って、前記ガス分離能を有するパラジウム若しくはパラジウムを含有する合金を含有する溶液に浸漬させる化学メッキ工程と、を有し、
前記多孔質基体の一片面において、前記ガス分離能を有するパラジウム若しくはパラジウムを含有する合金が、前記多孔質基体内へ1〜2μmの深さで侵入し、前記多孔質基体の微小欠陥を閉塞させつつ成膜されることを特徴とするガス分離体の製造方法。
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