JP2000317282A - 水素分離体 - Google Patents

水素分離体

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JP2000317282A JP13298899A JP13298899A JP2000317282A JP 2000317282 A JP2000317282 A JP 2000317282A JP 13298899 A JP13298899 A JP 13298899A JP 13298899 A JP13298899 A JP 13298899A JP 2000317282 A JP2000317282 A JP 2000317282A
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palladium
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Hitoshi Sakai
均 酒井
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  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コーティング層を有さない多孔質基体に水素
分離膜を直接形成しても、水素透過量及び透過水素の純
度をほとんど落とすことなく、水素分離体の製造コスト
を大幅に削減することができる水素分離体を提供する。 【解決手段】 多孔質基体2上に2.5〜7μmの厚さ
の水素分離膜4を直接形成させた水素分離体1である。
多孔質基体2の平均細孔径は、水素分離膜4の厚さ以下
であるとともに、1μm以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、多成分混合ガス
(原料ガス)から水素のみを拡散分離する水素分離体に
関する。
【0002】
【従来の技術】 従来、多成分混合ガスから特定のガス
成分のみを得る方法として、有機又は無機のガス分離膜
によって分離する方法が知られている。膜分離法に用い
られる分離膜は、水素分離膜としてポリイミドやポリス
ルホンなどの有機高分子膜及びパラジウム又はパラジウ
ム合金膜などの無機化合物膜が、酸素分離膜として銀又
は銀合金膜が知られている。特に、パラジウム又はパラ
ジウム合金膜は耐熱性もあり、また極めて高純度の水素
を得ることができる。
【0003】 パラジウム又はパラジウム合金は、水素
を固溶して透過させる性質があり、この性質を利用し、
パラジウム又はパラジウム合金からなる薄膜は水素を含
有する混合ガスから水素を分離する水素分離体に広く用
いられている。尚、水蒸気改質等でPd合金膜を使用し
たメンブレンリアクターとして用いる場合、99%程度
の水素純度レベルであっても実用上十分である。しかし
ながら、このパラジウム薄膜単独では機械的強度が弱い
ので、特開昭62−273030号公報には、多孔質ガ
ラス、多孔質セラミックス、又は多孔質酸化アルミニウ
ムなどの無機多孔質支持体の表面に、パラジウム又はパ
ラジウム合金を被着させ、パラジウム又はパラジウム合
金からなる薄膜の機械強度を高める方法が開示されてい
る。
【0004】 また、特開平3−146122号公報に
は、耐熱性多孔質基体の表面に、無電解めっき法により
パラジウム薄膜を形成し、パラジウム薄膜上に無電解め
っき法により銀薄膜を形成し、次いで、熱処理を行う水
素分離体の製造方法を開示している。この製造方法は、
多孔質基体とそれを被覆するパラジウム合金薄膜とを有
する水素分離体が得られるが、この熱処理によって、パ
ラジウム合金薄膜において、パラジウムと銀とが均一に
分布するようになっている。
【0005】 更に、特公平5−53527号公報に
は、多孔質セラミック層の表面に、無電解パラジウムめ
っきを施して電気伝導性を付与した後、その上に、電解
パラジウムめっきにより、表面を完全に被覆する電解パ
ラジウム又はパラジウム合金めっき膜の被膜を形成する
ガス分離薄膜の製造方法を開示している。これにより、
比較的大きな孔径を有する多孔質セラミック表面であっ
ても、より緻密なパラジウム又はパラジウム合金薄膜を
得ることができる。
【0006】 しかしながら、最近の水素分離膜の薄膜
化に伴い、多孔質基体上に気密性の高い水素分離膜を直
接形成させる場合、多孔質基体の平均細孔径をできるだ
け小さくする必要があるが、多孔質基体の平均細孔径を
小さくしすぎると、水素分離体の圧力損失が増加するた
め、水素透過量が低下してしまうという問題点があっ
た。
【0007】 これを解消するために、例えば、図2に
示すように、平均細孔径の大きい多孔質基体2の上に積
層化された平均細孔径の小さいコーティング層6を形成
させ、このコーティング層6上に水素分離能を有する金
属3からなる水素分離膜4を形成させた水素分離体10
が主に用いられている。これにより、気密性の高い水素
分離膜4を多孔質基体2上に形成することができるとと
もに、多孔質基体2の平均細孔径を小さくする必要がな
いため、水素分離体の圧力損失がほとんどなく、水素分
離体10の水素透過量を向上させることができる。
【0008】 しかしながら、上記に示す水素分離体1
0は、多孔質基体2上にコーティング層6を形成させる
必要があるため、製造コストが高くつくという問題点が
あった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は、上記した
従来の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とす
るところは、多孔質基体の平均細孔径を水素分離膜の厚
さに応じて最適化することにより、コーティング層を有
さない多孔質基体に水素分離膜を直接形成しても、水素
透過量及び透過水素の純度をほとんど落とすことなく、
水素分離体の製造コストを大幅に削減することができる
水素分離体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】 本発明によれば、多孔
質基体上に2.5〜7μmの厚さの水素分離膜を直接形
成させた水素分離体であって、上記多孔質基体の平均細
孔径が、水素分離膜の厚さ以下であるとともに、1μm
以上であることを特徴とする水素分離体が提供される。
ここで、上記多孔質基体の細孔径は、1.5〜2.5μ
mであることがより好ましい。
【0011】 また、本発明では、多孔質基体が、アル
ミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ムライト、コージェ
ライト、ジルコニア、カーボン、多孔質ガラスからなる
群より選択した1つの物質から形成されていることが好
ましく、水素分離膜が、パラジウム、パラジウムを主成
分とする合金、又はパラジウムを含有する合金から形成
されていることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】 本発明の水素分離体は、多孔質
基体上に2.5〜7μmの厚さの水素分離膜を直接形成
させるとき、平均細孔径が水素分離膜の厚さ以下である
とともに、1μm以上である多孔質基体を使用する点に
ある。
【0013】 上記のように多孔質基体の平均細孔径を
水素分離膜の厚さに応じて最適化することにより、多孔
質基体上にコーティング層を形成させることなく、コー
ティング層を形成させた多孔質基体とほぼ同等の性能を
有することを可能にした。例えば、メッキ法により厚
さ:5μmの水素分離膜(パラジウム合金薄膜)を多孔
質基体に直接形成させた場合、Heリーク量が0.1N
ml/min・cm 2以下の気密膜が製造可能であると
ともに、500℃における水素透過量(供給側:4at
a,透過側:1ata)を100〜130Nml/mi
n・cm2程度にすることができた。
【0014】 上記のことを実現するためには、多孔質
基体の平均細孔径を水素分離膜の厚さ以下であるととも
に、1μm以上にすることが重要である。これは、多孔
質基体の細孔径が1μm未満である場合、圧力損失が急
激に増加し、水素分離体の供給側と透過側にかかる圧力
差が低下するため、水素透過量が著しく減少してしまう
からである。一方、多孔質基体の細孔径が水素分離膜の
厚さを超過する場合、無電解めっきにより小孔を閉塞す
ることができず、水素分離膜の気密性が確保できないた
め、高純度の水素を得ることができない。
【0015】 以上のことから、厚さ:5μmの水素分
離膜を形成する場合、多孔質基体の平均細孔径は、1〜
5μmであることが好ましく、1.5〜2.5μmであ
ることがより好ましい。
【0016】 また、本発明では、厚さ:5μmの水素
分離膜を有する水素分離体を作製した場合、水素透過
量:100Nml/min・cm2当たりの圧力損失P
(ata)は、以下に示す式により算出されることを見
い出した。
【0017】
【数1】
【0018】ここで、 P:圧力損失(ata[絶対圧力を気圧で示した単
位]) t:多孔質基体の厚さ(mm) a:多孔質基体の平均細孔径(μm) を表す。
【0019】 上記の式から、多孔質基体の平均細孔径
aと多孔質基体の厚さtを決定することにより、圧力損
失Pを容易に算出することができるため、本発明の水素
分離体を作製する上で大変有用である。次に、表1に示
す多孔質基体の平均細孔径aにおける圧力損失P及び圧
力損失における水素透過量の低下率の算出結果を表1に
示す。このとき、多孔質基体の厚さtは、3mmとし、
圧力損失における水素透過量の低下率は、厚さ:5μm
の水素分離膜の水素透過量(供給側:4ata,透過
側:1ata)である130Nml/min・cm2
基準として算出した(尚、水素透過量は、供給側と透過
側との圧力の平方根値の差に比例する)。
【0020】
【表1】
【0021】 表1の結果から、厚さ:5μmの水素分
離膜を有する水素分離体を作製する場合、多孔質基体の
平均細孔径を1〜5μmに最適化することにより、圧力
損失を大幅に低減することができるだけでなく、圧力損
失における水素透過量の低下率を1〜32%に抑制する
ことが可能であると推測できる。
【0022】 以下、図面に基づき本発明を更に詳細に
説明する。図1は、本発明の水素分離体の一例を示す部
分断面説明図である。本発明の水素分離体は、例えば、
図1に示すように、多孔質基体2上に水素分離能を有す
る金属3からなる水素分離膜4を直接形成させたもので
ある。
【0023】 上記の多孔質基体2は、3次元状に連続
した多数の微細な小孔5を有するものであり、多孔質基
体2の平均細孔径が、水素分離膜4の厚さ以下であると
ともに、1μm以上にすることが重要である。即ち、本
発明の水素分離体は、多孔質基体の小孔の平均細孔径を
上記の大きさに限定することにより、多孔質基体上に
2.5〜7μmの厚さの水素分離膜を直接形成させた場
合、圧力損失を大幅に低減させることができるため、十
分な水素透過量を確保できるとともに、水素分離膜の気
密性を確保することができるため、高純度の水素を得る
ことができる。このような多孔質基体は、例えば、特開
昭62−273030号公報に記載する方法により得る
ことができる。
【0024】 また、本発明で用いる多孔質基体2の小
孔5は、その細孔径がそろっていることが好ましい。こ
れにより、活性化工程、無電解めっき工程で、多孔質基
体の内部に侵入する溶液の深さを調整しやすく、従っ
て、水素分離能を有する金属が、多孔質基体の内部へ侵
入する深さa(1〜3μm)を均一に保持しやすくなる
からである。
【0025】 尚、多孔質基体の厚さは、特に制限され
るものではなく、使用環境において十分な機械強度を保
持できれば良く、通常、3mm程度であることが好まし
い。
【0026】 更に、本発明で用いる多孔質基体2の気
孔率は、25〜45%であることが好ましい。これは、
多孔質基体の気孔率が25%より小さいと水素の拡散性
が悪く、45%より大きいと機械的強度が低下するから
である。上記の条件を満足させるために、多孔質基体を
構成する粒子の大きさは、多孔質基体の平均細孔径の
1.5〜6.0倍であることが好ましく、2.0〜4.
0倍であることがより好ましい。
【0027】 尚、多孔質基体2の形状は、面であるこ
とは好ましく、面とは、平面及び曲面を包含し、また、
曲面が閉じている形状に相当する管形状も当然に含有す
る。多孔質基体が管形状の場合、管断面の形状は任意で
あるが、円形のものは入手が容易であるため好ましい。
また、多孔質基体の形状は板状でもよく、その使用目的
により任意の形状にできる。
【0028】 尚、本発明で用いる多孔質基体2は、原
料ガスと反応しないものであることが好ましく、具体的
には、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ムライ
ト、コージェライト、ジルコニアといったもののほか、
カーボンや多孔質ガラス等を用いることができる。
【0029】 本発明の水素分離体1は、水素分離膜の
厚さbが2.5〜7μmであることが好ましい。これ
は、水素分離膜の厚さbが2.5μm未満である場合、
水素分離体10の気密性を維持させることが困難である
からである。一方、水素分離膜の厚さbが7μmを超過
する場合、水素分離体による水素分離の際に、水素分離
膜中で水素が拡散するのに時間がかかるため、水素透過
量が低下するからである。
【0030】 また、本発明の水素分離体は、図1に示
すように、水素分離膜4中の水素分離能を有する金属3
の一部が、多孔質基体の表面2aを被覆することが好ま
しく、多孔質基体の表面2aに開いている小孔5の内部
を充填して閉塞する水素分離能を有する金属3が、水素
分離膜4と連続していることが好ましい。これにより、
水素分離膜4と多孔質基体2との密着性が向上し、水素
分離膜4が多孔質基体表面2aから剥離し難くなる。
【0031】 本発明で用いる水素分離能を有する金属
3は、パラジウム、パラジウムを主成分とする合金、又
はパラジウムを含有する合金であることが好ましい。ま
た、水素分離能を有する金属3がパラジウム合金からな
る場合には、Japanese Membrane Science,56(1991)315-
325:"Hydrogen Permeable Palladium - Silver Alloy M
embrane Supported on Porous Ceramics" や特開昭63
−29540号公報に記載されているように、パラジウ
ム以外の金属の含有量は10〜30重量%であることが
好ましい。パラジウムを合金化する主目的は、パラジウ
ムの水素脆化防止と高温時の分離効率向上のためであ
る。また、パラジウム以外の金属として銀を含有するこ
とは、パラジウムの水素脆化防止のため好ましい。
【0032】 次に、本発明の水素分離体は、例えば、
以下に示すような活性化工程を行った後、無電解めっき
工程を行うことにより作製される。このとき、無電解め
っきによる成膜方法を用いることにより、他の成膜方法
と比較して、多孔質基材が複雑な形状であっても膜形成
が可能であるため、例えば、凹形状部や管内面にも好適
に成膜することができる。
【0033】 活性化工程は、多孔質基体の片面を、そ
の片面にかかる圧力が多孔質基体の反対側の片面の圧力
より大きくなるように、活性化金属を含有する溶液に浸
漬させ、これにより、多孔質基体の圧力が大きい方の片
面において表面に開いている小孔の内部に溶液を侵入さ
せる。このような圧力差があることにより、多孔質基体
の表面に活性化金属が付着するとともに、多孔質基体の
表面に開いている小孔の内部の表面にも活性化金属が付
着する。この活性化金属が付着した表面に、次の無電解
めっき工程で、めっき被膜が形成される。この活性化工
程では、より大きな圧力がかかる方の片面が、上記溶液
に浸漬されていれば、その反対側の片面が溶液に浸漬さ
れている必要はない。例えば、管形状の多孔質基体を用
い、その外側を活性化金属を含有する溶液に浸漬させ、
管の内側を真空ポンプで引くことができる。また、管形
状の多孔質基体を用い、その外側を活性化金属を含有す
る溶液に浸漬させ、この溶液に圧力をかけ、管の内側を
一定の圧力に保ってもよい。いずれの場合でも、この管
の外側と内側とを逆にして、管の内側に上記溶液を浸漬
させ、圧力を変化させることもできる。
【0034】 活性化金属としては、パラジウム2価イ
オンを含有する化合物を好適に用いることができる。活
性化工程は、具体的には、多孔質基体を塩化パラジウム
の塩酸水溶液と、塩化錫との塩酸水溶液に交互に浸漬さ
せることを行うことができ、このいずれの溶液に浸漬さ
せているときも、所定の圧力差を保つことが好ましい。
【0035】 無電解めっき工程は、パラジウム塩、錯
化剤および還元剤等を含むめっき液に、多孔質基体の表
面に浸漬することにより、多孔質基体の表面にめっき被
膜を形成するものである。
【0036】 この無電解めっき工程でも、活性化工程
と同様の手法で、活性化された多孔質基体の片面を、そ
の片面にかかる圧力が多孔質基体の反対側の片面の圧力
より大きくなるように、上記めっき液に浸漬させること
が好ましい。この圧力差により、多孔質基体の表面に開
いている小孔の内部に、上記めっき液を侵入させること
が容易になるからである。
【0037】 また、無電解めっき工程における浸漬時
間、めっき液の温度、多孔質基体にかかる両面の圧力差
等を調節することにより、パラジウムが多孔質基体の表
面から侵入する深さを調節することができる。
【0038】 ここで、本発明の水素分離体は、多孔質
基体の表面にパラジウムめっき被膜を形成させた後、更
にその表面に銀めっき被膜を形成させ、次いで熱処理を
行うことにより、パラジウムと銀とを相互拡散させ、パ
ラジウムと銀とを合金化することがより好ましい。
【0039】
【実施例】 以下、実施例に基づいて、更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限られるものではな
い。 (実施例1〜4、比較例1〜2)外径:17mm、肉
厚:3mm、長さ:10cmの円筒形状を有し、表1に
示す細孔径を有する多孔質α−アルミナ管を多孔質基体
としてそれぞれ用いた。このとき、室温で100Nml
/min・cm2の水素ガスを透過させた時におけるそ
れぞれの多孔質基体の圧力損失を測定した。その結果を
表2に示す。
【0040】 次に、上記アルミナ管の外表面を活性化
処理した後、無電解めっきにより4μmのPd膜を形成
させた。更に、Pd膜が形成されたアルミナ管の外表面
に電気めっきにより1μmのAg膜を形成させた後、1
000℃で1時間合金化処理することにより、それぞれ
の水素分離体(Pd合金膜厚:5μm)を得た。
【0041】 こうして得られた水素分離体(実施例1
〜4、比較例1〜2)について、気密試験を行った。こ
のとき、水素分離体のアルミナ管内側にHeガスを9気
圧で保持し、真空にした外側へ漏洩するHeリーク量を
測定した。その結果を表2に示す。
【0042】 また、それぞれ得られた水素分離体(実
施例1〜4、比較例1〜2)について、図3に示す装置
を用いて、水素精製試験を行った。このとき、原料ガス
として、水素50容量%及び窒素50容量%からなる混
合ガスを用いた。まず、チャンバー20を500℃にま
で加熱した。次いで、水素分離体24の外側に、8at
aの圧力で上記混合ガス25を総量10Nl/min導
入した。また、水素分離体24の内側は、1ataの圧
力で保持した。このとき、水素分離体24の内側に透過
した水素透過量をマスフロー計で測定するとともに、精
製ガス27中の水素の純度をガスクロマトグラフィによ
る定量分析により測定した。以上の結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】(考察:実施例1〜4、比較例1〜2)表
2の結果から、実施例1〜4は、多孔質基体の平均細孔
径を最適化することにより、コーティング層を有さない
多孔質基体に水素分離膜を直接形成しても、水素透過量
及び透過水素の純度をほとんど落とすことなく、水素分
離体の製造コストを大幅に削減することができた。一
方、比較例1は、多孔質基体の平均細孔径が1μm未満
であるため、圧力損失が急激に増加し、水素分離体の供
給側と透過側にかかる圧力差が低下するため、水素透過
量が著しく減少した。一方、比較例2は、多孔質基体の
細孔径が5μmを超過するため、無電解めっきにより小
孔を閉塞することができず、5μm以下の厚さの水素分
離膜の気密性が確保できないため、高純度の水素を得る
ことができなかった。
【0045】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明の水素分
離体は、多孔質基体の平均細孔径を水素分離膜の厚さに
応じて最適化することにより、コーティング層を有さな
い多孔質基体に水素分離膜を直接形成しても、水素透過
量及び透過水素の純度をほとんど落とすことなく、水素
分離体の製造コストを大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の水素分離体の一例を示す部分断面説
明図である。
【図2】 従来の水素分離体の一例を示す部分断面説明
図である。
【図3】 水素分離体を用いた水素精製方法についての
説明図である。
【符号の説明】 1…水素分離体、2…多孔質基体、2a…多孔質基体の
表面、3…水素分離能を有する金属、4…水素分離膜、
4a…水素分離膜の表面、5…小孔、6…コーティング
層、10…水素分離体、20…真空チャンバー、21…
導入管(キャリアーガス)、22…導入管(混合ガ
ス)、23…Oリング、24…水素分離体、25…混合
ガス(原料ガス)、26…キャリヤーガス、27…精製
ガス。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA41 HA28 KE02P KE05P KE07P KE08P KE12P KE13P KE16P MA02 MA03 MA06 MA22 MA24 MA31 MB03 MB15 MC02X MC03X MC04 MC05 NA49 NA50 PA01 PA02 PB19 PB66 4G040 FA04 FB09 FC01 FC07 FE01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質基体上に2.5〜7μmの厚さの
    水素分離膜を直接形成させた水素分離体であって、 上記多孔質基体の平均細孔径が、水素分離膜の厚さ以下
    であるとともに、1μm以上であることを特徴とする水
    素分離体。
  2. 【請求項2】 多孔質基体の平均細孔径が、1.2〜
    2.5μmであることを特徴とする請求項1に記載の水
    素分離体。
  3. 【請求項3】 多孔質基体が、アルミナ、シリカ、シリ
    カ−アルミナ、ムライト、コージェライト、ジルコニ
    ア、カーボン、多孔質ガラスからなる群より選択した1
    つの物質から形成されている請求項1又は2に記載の水
    素分離体。
  4. 【請求項4】 水素分離膜が、パラジウム、パラジウム
    を主成分とする合金、又はパラジウムを含有する合金か
    ら形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    水素分離体。
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