JPH08299768A - ガス分離体及び支持体の接合構造、並びに、ガス分離装置 - Google Patents

ガス分離体及び支持体の接合構造、並びに、ガス分離装置

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JPH08299768A
JPH08299768A JP10574495A JP10574495A JPH08299768A JP H08299768 A JPH08299768 A JP H08299768A JP 10574495 A JP10574495 A JP 10574495A JP 10574495 A JP10574495 A JP 10574495A JP H08299768 A JPH08299768 A JP H08299768A
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JP
Japan
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gas
glass
support
separation membrane
ceramic substrate
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Withdrawn
Application number
JP10574495A
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English (en)
Inventor
Osamu Sakai
修 酒井
Hitoshi Yoshida
均 吉田
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NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 セラミック基体(12)の表面にガス分離膜
(16)が被覆するガス分離体(10)と、支持体(2
2、24)と、ガス分離体及び支持体を接合するガラス
接合部(26、28)を有する接合構造。ガラス接合部
(26、28)は、ガス分離膜(16)で被覆されてい
ないセラミック基体(10)の表面(13s、14s)
を被覆する。ガラス接合部(26、28)及びガス分離
膜(16)が互いに隣接してセラミック基体(12)の
表面を被覆してもよい。ガラス接合部(26、28)が
連続してガス分離膜(16)の表面の一部を被覆しても
よい。ガラス接合部(26、28)のガラスが多孔質の
セラミック基体(12)の表面の開気孔よりセラミック
基体内部の気孔に連続していてもよい。 【効果】 ガラス接合部が一般には金属であるガス分離
膜ではなく、物性がより近似するセラミック基体を被覆
するので、ガス分離体及び支持体を強固に接合すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、ガス分離装置に好適
に用いられる接合構造に関する。ガス分離装置は、被処
理ガスから特定のガス、例えば、水素ガスを選択的かつ
効率的に分離することができる。
【0002】
【従来の技術】 水素ガスは石油化学の分野で大量に使
用されるものであり、また、クリーンなエネルギー源と
して大きな期待が寄せられている。高純度な水素ガス
は、天然ガス、ナフサ、石炭等の炭化水素及び水を触媒
の存在下に水素ガス及び一酸化炭素を含有する水性ガス
に変換し、更に、この水性ガスから水素ガスを分離して
得られる。
【0003】 水素ガスは、パラジウム、パラジウム合
金に溶解する性質を利用して選択的に分離できる。特開
昭62−273030号公報、特開昭63−17161
7号公報は、多孔質基体の一表面にパラジウム又はパラ
ジウム合金からなるガス分離膜が被覆したガス分離体を
開示する。多孔質基体は、ガラス、酸化アルミニウム等
のセラミックスからなる。パラジウム膜のみでは機械強
度が十分でないので、パラジウム膜を基体に被覆させた
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 ガス分離装置は、ガ
ス分離体の一方の側より、被処理ガスを導入し、特定の
ガスのみがガス分離体を透過し、ガス分離体の他方の側
より、精製された水素ガスが得られる構造を有する。従
って、被処理ガス側と精製ガス側とを気密に分離して、
ガス分離体と支持体との接合部から被処理ガスが精製ガ
ス側に漏洩しないことが重要となる。一方、ガス分離体
を使用して水素ガスを効率良く分離するためには、水素
原子等がガス分離膜を拡散する速度を早くするため、5
〜10気圧で300℃以上、好ましくは500℃以上と
いう高温、高圧で分離することが有利である。この条件
でガス漏洩を防止するために、ガス分離体と支持体とが
ガラスにより接合することが提案されている。
【0005】 従来の接合構造では、ガラス接合部がガ
ス分離体のガス分離膜を被覆していた。図8及び図9
は、従来の接合構造の断面図である。図8は、図1のA
に相当する部分の拡大図であり、図9は、図1のBに相
当する部分の拡大図である。図8及び図9では、ガス分
離体はセラミック基体及びそれに被覆するガス分離膜7
6を有する。図8では、セラミック基体の端部73の外
表面73sにはガス分離膜76が被覆する。そして、ガ
ラス接合部86がガス分離膜76を被覆して、ガス分離
体及び支持体82を接合する。図9では、セラミック基
体の端部74の外表面74sにはガス分離膜76が被覆
する。そして、ガラス接合部88がガス分離膜76を被
覆して、ガス分離体及び支持体84を接合する。従来の
接合構造は、例えば、特願平6−57268号公報に記
載されている。
【0006】 しかし、ガラス接合部と一般には金属で
あるガス分離膜とは物性が異なるので、十分に密着せ
ず、被処理ガスが精製ガス側に漏洩する場合があった。
なお、特願平6−57268号公報では、支持体は、ア
ルミナ等のセラミックスでもよいし、金属でもよい。支
持体が金属部材のときは、金属部材の表面であってガラ
スが被覆される部分が酸化膜で被覆されていることが望
ましい。
【0007】
【課題を解決するための手段】 そこで、本発明では、
ガラス接合部がセラミック基体を被覆することとした。
ガラス接合部は金属よりもセラミックスに物性が近似す
るので、ガラス接合部とセラミック基体との密着性が向
上して、支持体とガス分離体とを強固に接合することが
できる。即ち、本発明によれば、ガス分離体(10)
と、当該ガス分離体を支持する支持体(22、24)
と、当該ガス分離体及び当該支持体を接合するガラス接
合部(26、28)を有する接合構造であって、当該ガ
ス分離体(10)は、セラミック基体(12)と、当該
セラミック基体の表面の一部に被覆するガス分離膜(1
6)とを有し、当該セラミック基体(12)はガス分子
が侵入できるように多孔性であり、当該ガス分離膜(1
6)は、特定のガスが固溶することにより選択的に透過
することができ、当該ガラス接合部(26、28)は、
当該ガス分離膜(16)で被覆されていない当該セラミ
ック基体の表面の少なくとも一部(13s、14s)を
被覆することを特徴とする接合構造が提供される。
【0008】 本発明において、ガラス接合部及びガス
分離膜は互いに接触してセラミック基体の表面を被覆す
ることが好ましい。セラミック基体の表面において、ガ
ラス接合部とガス分離膜との間にいずれにも被覆されて
いない表面部分があるときには、その表面部分からガス
が漏洩するからである。ただし、本発明は、ガラス接合
部がガス分離膜を一切被覆しないということではない。
ガラス接合部がセラミック基体を被覆する以上、ガラス
接合部がセラミック基体を被覆する部分から連続してガ
ス分離膜の一部を被覆してもよい。本発明において、ガ
ラス接合部のガラスが開気孔よりセラミック基体の内部
に連続すること、特に表面近傍の気孔に侵入することが
好ましい。これにより、ガラス接合部及びセラミック基
体が更に強固に接合することができる。また、ガラス接
合部が被覆するセラミック基体の表面の長さmは、ガラ
ス接合部が被覆するガス分離体の表面の長さlの30〜
80%であることが好ましく、40〜60%であること
が更に好ましい。
【0009】
【作用】 本発明では、ガラス接合部がセラミック基体
の表面を被覆する。ガラス接合部とセラミック基体との
密着性が向上して、支持体とガス分離体とを強固に接合
することができる。これに伴って、セラミック基体の表
面の一部は、ガラス接合部が被覆するために、ガス分離
膜で被覆されないことになる。
【0010】
【実施例】 図1は、本発明の接合構造の一実施態様を
示す。ガス分離体10及び支持体22、24が、それぞ
れガラス接合部26、28により接合する。ガス分離体
10は、セラミック基体12と、その外表面12sの中
央部に被覆するガス分離膜16とを有する。セラミック
基体12は、一方の端部13から他方の端部14に貫く
中空部を有する管形状を有する。セラミック基体12の
端部13、14の外表面13s、14sは、ガス分離膜
16で被覆されておらず、それぞれ、ガラス接合部2
6、28で被覆されている。ガラス接合部26、28
は、セラミック基体12の端部13、14の外表面13
s、14sを被覆して、更に連続してガス分離膜16の
外表面16sの一部を被覆する。
【0011】 セラミック基体12の端部13は支持体
22を貫通して開口する。支持体22はガス分離体10
が位置する方の側とその逆の他方の側を区分するが、セ
ラミック基体12の中空部が支持体22のその他方の側
に連通する。支持体22の貫通孔の直径は、セラミック
基体12の端部13の外径より僅かに大きいことが好ま
しい。ガス分離体10及び支持体22を接合するため
に、セラミック基体12及び支持体22の隙間にガラス
接合部26が充填する。
【0012】 セラミック基体12の端部14は、支持
体24に形成された窪み25に挿入して、閉口する。窪
み25の内径は、セラミック基体12の端部14の外径
より僅かに大きいことが好ましい。ガス分離体10及び
支持体24を接合するために、セラミック基体12の端
部14及び支持体24の窪み25の隙間にガラス接合部
28で充填する。2以上のガス分離体10が支持体2
2、24に支持されていてもよい。なお、支持体22及
び24は、図示されていないガス分離装置のハウジング
に固定されている。
【0013】 被処理ガスは、支持体22及び支持体2
2に挟まれた空間に導入され、水素ガス等の特定のガス
のみが、多孔質のセラミック基体12及びガス分離膜1
6を透過して、セラミック基体12の中空部に導かれ
て、精製される。一方、被処理ガス中の他のガスは、ガ
ス分離体を透過せず、図示してない出口より排出され
る。セラミック基体は、ガス分子が透過するために多孔
質である。一方、支持体は、ガス分子が支持体の一方の
側から他方の側に透過するのを防止するために緻密質で
ある。
【0014】 図2は、図1のAの拡大図である。ガラ
ス接合部26は、支持体22の周面22sの全体を実質
的に被覆する。しかし、ガラス接合部26は支持体22
の周面22sの一部のみを被覆してもよい。また、支持
体22の面22t、22uまでを被覆してもよい。本発
明では、ガラス接合部26が被覆するセラミック基体の
表面13sの長さmは、ガラス接合部26が被覆するガ
ス分離体10の表面の長さlの30〜80%であること
が好ましく、40〜60%であることが更に好ましい。
図2では、ガス分離膜16の端部16aは、支持体22
の表面22uよりセラミック基体12の端部13側に位
置する。しかし、ガス分離膜16の端部16aは、表面
22uより端部14側に位置してもよい。 ガラス接合
部26が被覆する支持体22の表面22sは、ガラス接
合部26が被覆するセラミック基体12の端部13の外
表面13sとほぼ平行である。しかし、表面22s及び
外表面13sは互いに平行でなくてもよい。セラミック
基体12の端部13の外表面13sには、端部よりにガ
ラス接合部26で被覆されていない部分がある。しか
し、このような部分を残さずに、ガラス接合部26が被
覆してもよい。また、端部13の形状には特に制限がな
い。
【0015】 図3は、図1のBの拡大図である。ガラ
ス接合部28は、支持体24に形成された窪み25を充
填して、支持体24の表面24sの全体を実質的に被覆
する。一方、ガラス接合部28は、支持体24の表面2
4tは被覆しない。しかし、ガラス接合部26は支持体
24の表面24sの一部のみを被覆してもよい。また、
ガラス接合部26は連続して支持体の表面24tを被覆
してもよい。ガス分離膜16の端部16bは、支持体2
4の表面24tよりもセラミック基体12の端部14側
に位置する。図3では、ガラス接合部28が被覆するガ
ス分離体10の表面の長さlは、支持体24の表面24
sの長さl1とガラス接合部28の凸部の長さl2の和に
相当する。即ち、ガラス接合部28が被覆するセラミッ
ク基体12の端部14の表面14sの長さmは、ガラス
接合部28が被覆するガス分離体の長さlの30〜80
%であることが好ましく、40〜60%であることが更
に好ましい。
【0016】 図4及び図5は、接合構造の一実施態様
を示す。図4は、図1のAに相当する部分の拡大図であ
り、図5は、図1のBに相当する部分の拡大図である。
図1〜3の実施態様では、支持体22、24がセラミッ
クスから構成されていて、ガラス接合部26、28は支
持体22、24の表面に直接被覆する。これに対して、
図4及び図5の実施態様では、支持体42、44が金属
から構成されていて、支持体42、44とガラス接合部
46、48との間には、酸化膜41、43が形成されて
いる。
【0017】 図4では、セラミック基体の端部33の
端面33tは、支持体42の厚さの間、即ち、支持体の
表面42tと表面42uの間に位置する。図4では、ガ
ス分離膜36が端部33の外表面33sを全て被覆す
る。ガラス接合部46がセラミック基体の端面33tの
一部を被覆して、連続してガス分離膜36の表面36s
の一部も被覆する。また、ガラス接合部46は、酸化膜
41の表面41sの一部を被覆する。ここで、酸化膜4
1は支持体42の周面42sを被覆する。図5では、支
持体44の表面44s、44uが酸化膜43に被覆され
ている。酸化膜43が、支持体44の表面44sから連
続して支持体44の表面44tまで被覆していてもよ
い。ガラス接合部48は、支持体44の窪み45の縁ま
で充填するものではない。ガラス接合部48は、酸化膜
43の一部を被覆して、直接に支持体44の表面を被覆
しない。ガス分離膜36の端部36bは、支持体44の
表面44tよりもセラミック基体の端部33側に位置す
る。
【0018】 図6及び図7は、接合構造の一実施態様
を示す。図6は、図1のAに相当する部分の拡大図であ
り、図7は、図1のBに相当する部分の拡大図である。
図1〜5の実施態様では、ガラス接合部26、28、4
6、48がガス分離膜16、36の端部を被覆してい
た。これに対して、図6及び図7の実施態様では、ガラ
ス接合部66、68がガス分離膜56の表面56sを被
覆することなく、ガラス接合部66、68がそれぞれガ
ス分離膜56の端面56t、56uで接触している。
【0019】 図6及び図7では、支持体62、64が
金属から構成されていて、支持体62、64とガラス接
合部66、68との間には、それぞれ酸化膜61、63
が形成されている。図6では、酸化膜61が支持体62
の周面62sを被覆して、更に、支持体の表面62t、
62uを連続して被覆する。ガラス接合部66は酸化膜
61の表面61s、61t、61uを被覆する。ガラス
接合部66はセラミック基体の端部53の外表面53s
を被覆する。図7では、酸化膜63は支持体64の表面
64s、64t、64uを連続的に被覆する。ガラス接
合部68は支持体64の窪みを充填して、酸化膜63の
表面63s、63t、63uを被覆する。
【0020】 以下、本発明の接合構造の要素について
説明する。セラミック基体は、ガス分離膜単独では機械
強度が弱いので、ガス分離膜を支持するものである。セ
ラミック基体は、ガス分子が侵入できる多孔性であり、
例えば、3次元状に連続した多数の微細な小孔を有す
る。この孔径は、0.003〜20μmが好ましく、更
に0.005〜5μmが好ましく、更に、0.01〜1
μmが好ましい。孔径が0.003μm未満では、ガス
が通過するときの抵抗が大きくなるからである。一方、
孔径が20μmを超えると、ガス分離膜にピンホールが
生じやすくなり、好ましくない。このような多孔質基体
は、例えば、特開昭62−273030号公報に記載す
る方法により得ることができる。
【0021】 セラミック基体を構成するセラミックス
としては、未処理ガスが反応しないものであることが好
ましく、具体的には、α−アルミナ、β−アルミナ、酸
化アルミニウム、シリカ、シリカ−アルミナ、ムライ
ト、コージェライト、ジルコニアといった酸化物セラミ
ックスのほか、カーボンや多孔質ガラスなどのセラミッ
クスが用いることができる。セラミック基体は、例え
ば、セラミック粉末を混練して、パイプ状等に押出成形
して、焼成して、次いで、小孔を作成して、得ることが
できる。
【0022】 ガス分離膜は、水素ガス等の特定のガス
を選択的に透過させる。ガス分離膜がパラジウムを含有
する金属から構成されてもよい。パラジウムを含有する
金属とは、パラジウム単体と、パラジウム合金とを包含
する。パラジウム合金は、Journal of Membrane Scienc
e,56(1991)315-325:"Hydrogen PermeablePalladium - S
ilver Alloy Membrane Supported on Porous Ceramics"
、特開昭63−295402号公報に記載されている
ように、パラジウム以外の金属の含量は10〜30重量
%であることが好ましい。パラジウムを合金化する主目
的は、パラジウムの水素脆化防止と高温時の分離効率向
上のためである。また、パラジウム以外の金属として銀
を含有することは、パラジウムの水素脆化防止のため、
好ましい。
【0023】 また、特開平3−146122号公報に
記載するように、パラジウムと銀とを含有する薄膜で、
薄膜の厚さ方向に銀成分の濃度が比較的に均一に分布す
るものが好ましい。具体的には、多孔質基体の表面にパ
ラジウム膜を形成し、パラジウム膜上に銀膜を形成し、
次いで、パラジウム及び銀を拡散して均一に分布するた
めの熱処理を行うことで、得ることができる。
【0024】 ガス分離膜の膜厚は50μm以下が好ま
しく、更に好ましくは20μm以下である。厚さが50
μmを超えるときには、被処理ガスがガス分離膜を拡散
する時間が長くなって、処理時間が長時間となり、好ま
しくない。また、セラミック基体が管形状を有すると
き、ガス分離膜が被覆する面は、管の外側でも、内側で
も、この両者でもよい。特願平5−73449号に記載
するように、ガス分離膜が、セラミック基体の表面に開
いている小孔の内部を充填して閉塞することが好まし
い。原料ガスが精製ガスに漏洩し難くなるからである。
ガス分離膜を基体に被覆する方法は従来方法が使用で
き、例えば、化学メッキ法、真空蒸着法、スパッタリン
グ法等を用いることができる。
【0025】 支持体がセラミックから構成されるとき
には、セラミック基体と同じセラミックスであってもよ
い。また、セラミック基体とは異なるセラミックスであ
ってもよい。一方、支持体が金属のときには、鉄、鋼
鉄、銅、鉄基合金、鉄、ニッケル基合金等を用いること
ができる。合金のときには、ニッケル、銅、クロミウ
ム、アルミニウム、ボロン、シリコン、モリブテン、タ
ングステン等の成分を含有していてもよい。
【0026】 ガラス接合部は、熱膨張係数がセラミッ
ク基体の熱膨張係数の50〜100%であるガラスから
なることが好ましく、60〜90%であるガラスからな
ることが更に好ましい。ガラスの熱膨張係数がこれらの
100%より大きい場合、ガラスが溶融する温度で接合
をしてから温度を降下するとき、ガラス接合部の内部に
引張り応力が生じ、ガラスにクラックが生成し易い。ク
ラックが生じると、未処理ガスがクラックから精製ガス
側に漏洩して精製ガスの純度を低下させる。一方、ガラ
スの熱膨張係数がこれらの50%より小さい場合、被処
理ガスを精製する温度範囲で、ガス分離体と支持体との
間に隙間が生じ、未処理ガスがその隙間から精製ガス側
に漏洩することがある。
【0027】 熱膨張係数とは、圧力一定で、物体が熱
膨張するとき、その膨張比率の温度変化に対する割合を
示す量である。本発明の熱膨張係数は、大気圧におい
て、固体の長さ変化に対する膨張比率を表す線熱膨張係
数を意味する。ガラス転移点は、以下のように熱膨張曲
線上で求めうる。低温領域での熱膨張曲線の接線と、高
温領域の熱膨張曲線の接線とを引く。両接線が交わる角
において、その角の2等分線を引いて、熱膨張曲線と交
わる点を求め、その交点をガラス転移点とする。なお、
ガラス転移点は、ガラスが溶融する温度より低い。ガラ
ス接合部とガス分離膜との接触角が0〜90゜であるこ
とが好ましく、15〜45゜であることが更に好まし
い。これにより、ガス分離膜とガラス接合部との濡れ性
が向上して、ガス分離膜とガラスの接合強度が向上す
る。
【0028】 図10にガス分離装置の一実施例の断面
図を示す。高圧容器90内に、2以上のガス分離体91
を収納する。各々のガス分離体91は、フランジ92
に、ガス分離体91の外径より僅かに大きい直径の貫通
孔92aを介して、ガス分離体の中空部がフランジ92
の上部空間と連通するように支持する。一方、各々のガ
ス分離体91は、フランジ93を貫通していない窪み9
3aにより、その端部が閉口して支持されている。ガス
分離体91は、ガラス接合部でフランジ92、93と接
合する。ガス分離体は、筒状のセラミック基体の外表面
にガス分離膜が被覆する。
【0029】 フランジ98及び99が、支持プレート
97を挟んで固定し、フランジ92が支持プレート97
及び部材96により固定され、ガス分離体91及びフラ
ンジ93が吊り下げられている。第1パイプ100か
ら、被精製ガスが高圧容器90内に供給される。ガス分
離体91を透過して、筒内部に精製ガスが移動し、この
精製ガスは、第3パイプ102に導かれる。一方、精製
されなかったガスは、第2パイプ101から流出する。
【0030】
【実施例】 以下、本発明を実施例に基づき更に詳しく
説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限られる
ものではない。 (実施例1〜7及び比較例1)実施例1〜7では、図1
〜3のガス分離体を作成した。一方、比較例では、図8
及び9のガス分離体を作成した。何れの場合も、外径1
0mm、内径7mm、長さ300mmの円筒形状を有
し、小孔径が0.1μmの多孔質α−アルミナ管をセラ
ミック基体に用いた。このセラミック基体を水で洗浄
し、次いで乾燥した。具体的には、水中にアルミナ管を
浸して、1分間超音波を照射することを5回繰り返し
て、洗浄した。そして、表面に付着する有機物を除去す
るために、セラミック基体を加熱処理した。120℃の
乾燥機に放置して乾燥した。次いで、空気中1000℃
で2時間加熱した。
【0031】 セラミック基体12の両端部13、14
の外表面13s、14sにテフロンテープを巻いて、溶
液が浸漬しないようにした。次いで核付け処理をした。
このアルミナ管の外表面を、SnCl2・2H2Oを0.1重量
%含有する0.1%塩酸水溶液に1分間浸漬させた後、
PdCl2を0.01重量%含有する0.1%塩酸水溶液に
1分間浸漬させた。各々の塩酸水溶液に10回、浸漬さ
せるように、この浸漬処理を両塩酸水溶液で繰り返し
た。次いで、パラジウムを化学メッキした。イオンを除
去した水1l中に、[Pd(NH3)4]Cl2・H2O(5.4g)、
2Na・EDTA(67.2g)、アンモニア濃度28%
のアンモニア水(651.3ml)、H2NNH2・H2O
(0.46ml)を加えた水溶液を準備し、上記活性化
処理を行った多孔質アルミナ管の外表面を45℃に温度
制御したこの水溶液に3時間浸漬し、膜厚5μmのパラ
ジウム膜を被覆した。
【0032】 更に、このパラジウム膜にパラジウムを
電気メッキにより厚さが11μmになるように形成し
た。次いで、銀を電気メッキして、銀層の厚さを4μm
とした。セラミック基体12よりテフロンテープを除去
した後、電気炉内で900℃で12時間保持して、パラ
ジウム及び銀を相互拡散させて合金化した。
【0033】 次いで、このガス分離体10及び支持体
22をガラスで接合して、ガラス接合部26を形成し
た。用いたガラスは、SiO2−ZnO−B23で5.
4×10-6/℃の熱膨張係数を有している。セラミック
基体12及び支持体22の隙間にガラス粉末を充填し
て、1050℃、アルゴン雰囲気中で30分保持して接
合した。次いで、降温時の歪みの発生を防ぐため、50
℃/hrの速度で室温まで冷却した。支持体22は、同
心の貫通孔を有する円環形状だった。このガス分離体1
0及び支持体24をガラスで接合して、ガラス接合部2
8を形成した。支持体24は、同心の窪み25を有する
キャップ形状であった。支持体22及び24は、セラミ
ック基体と同様に、α−アルミナから構成される。セラ
ミック基体の熱膨張係数は、7.4×10ー6/℃であ
り、支持体22及び24の熱膨張係数は、7.3×10
ー6/℃であった。熱膨張係数は、40〜400℃で測定
した。支持体とガス分離体の接合構造について、下記の
気密試験を実施した。
【0034】(気密試験)気密試験のため、ガス分離体
を容器に固定してガス分離装置を作成した。ガス分離装
置は図10に示す構造であり、一本のガス分離体を固定
したものである。次いで、ガス分離体の被処理側に、ヘ
リウムガスガスを第1パイプ100から導入し、パイプ
101を封止して8kg/cm2の圧力に保持した。こ
の状態で透過ガス側に漏洩するヘリウムガス流量をパイ
プ102に接続した流量計により測定した。次いで、使
用温度における耐久性を評価するために、ガス分離体は
温度サイクル処理を受けた。温度サイクルでは、被処理
ガス側のヘリウムガスを8kg/cm2に保持した状態
で、ガス分離体を室温から600℃まで加熱し、次い
で、室温まで冷却した。この温度サイクルを50回繰り
返した。温度サイクル処理の後に再び気密試験を行って
ヘリウム漏洩量を測定した。表1に、温度サイクル処理
前及び温度サイクル処理後におけるヘリウムガス漏洩量
(cm3/min)についてまとめる。
【0035】
【表1】
【0036】実施例1〜7では、m/lのみを20%か
ら90%に変化させた。一方、比較例は、従来の接合構
造であり、m/lを0%とした。即ち、ガラス接合部
が、セラミック基体の表面を被覆することなく、ガス分
離膜の表面を被覆し、このガス分離膜がセラミック基体
の表面を被覆した。実施例1〜7では、比較例と比較し
て、ヘリウムガス漏洩量が減少した。
【0037】
【発明の効果】 本発明の接合構造は、ガス分離体及び
支持体を強固に接合することができ、また、ガス漏洩が
防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の接合構造の断面説明図である。
【図2】 図1のAの拡大図である。
【図3】 図1のBの拡大図である。
【図4】 本発明の接合構造の断面説明図である。
【図5】 本発明の接合構造の断面説明図である。
【図6】 本発明の接合構造の断面説明図である。
【図7】 本発明の接合構造の断面説明図である。
【図8】 従来の接合構造の断面説明図である。
【図9】 従来の接合構造の断面説明図である。
【図10】 ガス分離装置の一実施例の断面説明図であ
る。
【符号の説明】
10・・・ガス分離体、12・・・セラミック基体、12s・・
・外表面、13・・・セラミック基体の端部、13s・・・端
部の外表面、13t・・・端面、14・・・セラミック基体の
端部、14s・・・端部の外表面、16・・・ガス分離膜、1
6a・・・ガス分離膜の端部、16b・・・ガス分離膜の端
部、16s・・・表面、22・・・支持体、22s・・・周面、
22t・・・表面、22u・・・表面、24・・・支持体、24
s・・・周面、24t・・・表面、24t・・・表面、25・・・窪
み、26・・・ガラス接合部、28・・・ガラス接合部、33
・・・セラミック基体の端部、33s・・・外表面、33t・・
・端面、34・・・セラミック基体の端部、36・・・ガス分
離膜、41・・・酸化膜、42・・・支持体、42s・・・周
面、43・・・酸化膜、44・・・支持体、44s・・・表面、
44t・・・表面、44u・・・表面、45・・・窪み、46・・・
ガラス接合部、48・・・ガラス接合部、53・・・セラミッ
ク基体の端部、53s・・・外表面、54・・・セラミック基
体の端部、54s・・・外表面、56・・・ガス分離膜、61
・・・酸化膜、62・・・支持体、63・・・酸化膜、64・・・支
持体、66・・・ガラス接合部、68・・・ガラス接合部、7
3・・・セラミック基体の端部、73s・・・外表面、74・・
・セラミック基体の端部、74s・・・外表面、76・・・ガ
ス分離膜、81・・・酸化膜、82・・・支持体、83・・・酸
化膜、84・・・支持体、86・・・ガラス接合部、88・・・
ガラス接合部、90・・・高圧容器、91・・・ガス分離体
92,93・・・フランジ、92a・・・貫通孔、93a・・・
窪み、98,99・・・フランジ、100・・・第1パイプ、
101・・・第2パイプ、102・・・第3パイプ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス分離体と、当該ガス分離体を支持す
    る支持体と、当該ガス分離体及び当該支持体を接合する
    ガラス接合部を有する接合構造であって、 当該ガス分離体は、セラミック基体と、当該セラミック
    基体の表面の一部に被覆するガス分離膜とを有し、当該
    セラミック基体はガス分子が侵入できるように多孔性で
    あり、当該ガス分離膜は、特定のガスが固溶することに
    より選択的に透過することができ、 当該ガラス接合部は、当該ガス分離膜で被覆されていな
    い当該セラミック基体の表面の少なくとも一部を被覆す
    ることを特徴とする接合構造。
  2. 【請求項2】 当該ガラス接合部及び当該ガス分離膜が
    互いに接触していることを特徴とする請求項1に記載の
    接合構造。
  3. 【請求項3】 当該ガラス接合部が連続して当該ガス分
    離膜の表面の一部を被覆することを特徴とする請求項2
    に記載の接合構造。
  4. 【請求項4】 当該ガラス接合部のガラスが当該セラミ
    ック基体の表面の開気孔より当該セラミック基体の内部
    に連続していることを特徴とする請求項1、2又は3に
    記載の接合構造。
  5. 【請求項5】 当該ガラス接合部が被覆する当該セラミ
    ック基体の表面の長さmは、当該ガラス接合部が被覆す
    る当該ガス分離体の表面の長さlの30〜80%である
    ことを特徴とする上記請求項の何れかに記載の接合構
    造。
  6. 【請求項6】 当該セラミック基体は、一方の端部から
    他方の端部に貫く中空部を有する管形状を有していて、
    当該ガス分離膜は当該セラミック基体の外表面の中央部
    を被覆していて、当該ガラス接合部が当該セラミック基
    体の外表面の両端を被覆することを特徴とする上記請求
    項の何れかに記載の接合構造。
  7. 【請求項7】 当該接合構造は2以上の当該ガス分離体
    及び一対の当該支持体を有していて、当該支持体は板形
    状であり、当該セラミック基体の一方の端部は当該支持
    体の一方を貫通して開口していて、当該セラミック基体
    の他方の端部は当該支持体の他方に形成された窪みに挿
    入して閉口していることを特徴とする請求項6に記載の
    接合構造。
  8. 【請求項8】 当該ガス分離膜が水素を分離するために
    パラジウムを含有することを特徴とする上記請求項の何
    れかに記載の接合構造。
  9. 【請求項9】 当該支持体がセラミックスから構成され
    ることを特徴とする上記請求項の何れかに記載の接合構
    造。
  10. 【請求項10】 当該支持体が実質的に金属から構成さ
    れ、当該支持体及び当該ガラス接合部の間には当該支持
    体を被覆する酸化膜を有することを特徴とする請求項1
    〜8の何れかに記載の接合構造。
  11. 【請求項11】 当該ガラス接合部の熱膨張係数が、当
    該セラミック基体の熱膨張係数の50〜100%である
    ことを特徴とする上記請求項の何れかに記載の接合構
    造。
  12. 【請求項12】 上記請求項の何れかに記載の接合構造
    を内部に有することを特徴とするガス分離装置。
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Cited By (6)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7255729B2 (en) 2003-05-30 2007-08-14 Noritake Co., Limited Porous cylindrical-body module, structure for supporting porous cylindrical bodies, and method for fastening a supporting member
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