JP3567253B2 - パラジウムまたはパラジウム合金被覆多孔質体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パラジウムまたはパラジウム合金被覆多孔質体の製造方法、水素分離材料の製造方法、水素分離材料、該材料を用いる水素分離装置および該材料を用いる水素分離方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水素混合ガスから高純度の水素ガスを分離する方法として、パラジウムまたはパラジウム合金を細孔内に被覆した多孔質体膜に、水素含有ガスを接触させ、水素ガスを優先的に透過させて水素ガスを分離する方法が実用化されている。多孔質体へのパラジウムまたはパラジウム合金の被覆法として、例えば、無電解めっき法などが適用されている。
【0003】
一般に、無電解めっき法を用いるパラジウムまたはパラジウム合金被覆多孔質体膜の製造方法では、無電解めっきに先立って、多孔質体を塩酸酸性塩化スズ(II)水溶液に浸漬して、多孔質体表面にスズ(II)イオンを吸着させ、さらに塩酸酸性塩化パラジウム(II)水溶液中に浸漬することにより無電解めっき用パラジウム触媒を付与している。
【0004】
しかしながら、このような触媒付与方法では、多孔質体の細孔内に十分な量のパラジウム触媒を付与するためには、上記のような工程を10回以上繰り返し行う必要があり、時間および手間がかかる。
【0005】
このため、簡便な前処理を施すことにより効率よくパラジウムをめっきできる方法が切望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術の問題点を鑑み成されたものであって、主として、簡便にパラジウム触媒を付与することにより、効率よくパラジウムまたはパラジウム合金被覆多孔質体を製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意研究の結果、無電解めっきの前処理として、パラジウム化合物を蒸着後、水素還元することにより多孔質体にパラジウム粒子を担持させる方法、またはパラジウム化合物の気化とパラジウム化合物またはパラジウムの蒸着とを別々に行い、必要に応じて水素還元を行う方法が、上記目的を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、下記のパラジウムまたはパラジウム合金被覆多孔質体の製造方法、水素分離材料の製造方法、水素分離材料、該水素分離材料を用いた水素分離装置、および該水素分離材料を用いる水素分離方法に係る。
1.パラジウム化合物を多孔質体に蒸着した後、水素還元することによりパラジウム粒子を多孔質体の細孔内に担持させ、その後、無電解めっきによりパラジウムまたはパラジウム合金を多孔質体の細孔内にめっきすることを特徴とするパラジウムまたはパラジウム合金被覆多孔質体の製造方法。
2.パラジウム源気化室においてパラジウム化合物を気化させ、気化したパラジウム化合物をキャリアガスと同伴させることにより反応室へ導入し、反応室において多孔質体にパラジウム化合物またはパラジウムを蒸着し、必要に応じて、水素還元することによりパラジウム粒子を多孔質体の細孔内に担持させ、その後、無電解めっきによりパラジウムまたはパラジウム合金を多孔質体の細孔内にめっきすることを特徴とするパラジウムまたはパラジウム合金被覆多孔質体の製造方法。
3.多孔質体が膜状であり、パラジウム化合物を多孔質体膜に蒸着させる時に、多孔質体膜の一方の面側を気化したパラジウム化合物に接触させ、他方の面側の圧力を気化したパラジウム化合物が接触する側の圧力よりも低くすることにより、多孔質体細孔内に気化したパラジウム化合物を流通させながら蒸着することを特徴とする上記1または2に記載の方法。
4.多孔質体が膜状であり、無電解めっきにおいて、前処理後の多孔質体膜の一方の面側をめっき液に浸漬し、他方の面側の圧力をめっき液に接触する側の圧力よりも低くすることにより、多孔質体細孔内にめっき液を流通させながら、細孔内にパラジウムまたはパラジウム合金をめっきすることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の方法。
5.無電解めっきにおいて、めっき液に超音波振動を与えながら無電解めっきを行うことを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の方法。
6.得られるパラジウムまたはパラジウム合金被覆多孔質体が、膜状の水素分離材料である上記1〜5の何れかに記載のパラジウムまたはパラジウム合金被覆多孔質体の製造方法。
7.上記6に記載の方法により得ることのできる水素分離材料。
8.上記7に記載の水素分離材料を用いた水素分離装置。
9.上記7に記載の水素分離材料に水素含有ガスを接触させ、水素ガスを優先的に透過させることを特徴とする水素分離方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、パラジウム化合物を多孔質体に蒸着後、水素還元することによりパラジウム粒子を多孔質体に担持させ、その後、無電解めっきによりパラジウムまたはパラジウム合金を多孔質体にめっきすることにより、パラジウムまたはパラジウム合金被覆多孔質体を得ることができる。
【0010】
本発明の製造方法により得ることができるパラジウムまたはパラジウム合金被覆多孔質体は、例えば、水素分離材料、パラジウム触媒、装飾品などとして好適に用いることができる。
【0011】
本発明の製造方法において用いる多孔質体は、得られるパラジウムまたはパラジウム合金被覆多孔質体の用途などに応じて適宜選択することができる。例えば、水素分離材料として用いる場合には、耐熱性に優れた多孔質体を用いることができ、このような多孔質体として200℃において特性が変化しない多孔質体を例示することができる。水素分離材料として用いる場合の多孔質体として、例えば、ガラス、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、ジルコニア、チタニア、カルシア、マグネシア、炭化珪素、窒化ケイ素、ゼオライト、ハイドロタルサイト、シリカ−ジルコニアなどの無機多孔質体;多孔質ステンレス、多孔質ニッケル合金などの金属多孔質体などを例示できる。これらの中では、ガラス、シリカ、アルミナ、多孔質ステンレス、多孔質ニッケル合金が好ましい。
【0012】
多孔質体の形状は、特に制限されず、用途などに応じて適宜設定することができる。例えば、水素分離材料として用いる場合には、膜などを例示することができる。膜状の多孔質体(多孔質体膜)の具体的な形状として、例えば、管状膜、中空糸状の膜、平膜などを例示することができる。管状膜、中空糸状の膜などの場合には、その一方の端が封止されていてもよい。
【0013】
多孔質体の厚みは特に制限されず、用途などに応じて適宜設定することができ、例えば、水素分離材料として用いる場合には、通常50μm〜5mm程度、好ましくは500μm〜2mm程度である。
【0014】
多孔質体の平均細孔径の大きさは、特に制限されず、用途などに応じて適宜設定することができ、例えば、水素分離材料として用いる場合には、通常0.5〜500nm程度、好ましくは5〜100nm程度である。なお、本発明における平均細孔径の値は、窒素吸着法による測定値である。
【0015】
多孔質体の比表面積は、特に制限されず、用途などに応じて適宜設定することができ、水素分離材料として用いる場合には、通常10〜1000m2/g程度である。なお、本発明における比表面積の値は、窒素吸着法による測定値である。
【0016】
用いるパラジウム化合物は、公知の蒸着条件において気化し、蒸着後水素還元によりパラジウムを生成するか、または熱分解によりパラジウムを生成する限り特に制限されない。このようなパラジウム化合物として、例えば、蒸気圧の高いパラジウム化合物(パラジウム錯体、パラジウム含有有機金属など)を例示できる。より具体的には、通常の蒸着条件である1.3×10−2〜1.3×105Pa程度、40〜250℃程度において気化するパラジウム化合物を例示できる。パラジウム化合物の具体例として、例えばビス(アセチルアセトナト)パラジウム(II)、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(Pd(CH3CO2)2))、ビス(オキサラト)パラジウム酸カリウム、ビス(ジチオオキサラト)パラジウム酸カリウム、テトラアンミンパラジウム塩化物、ビス(エチレンジアミン)パラジウム塩化物、ビス(2,2’−ビピリジン)パラジウム過塩素酸塩、ビス(1,10−フェナントロリン)パラジウム過塩素酸塩、ビス(ジメチルグリオキシマト)パラジウム(II)、[Pd(PCH3)4]、[Pd(PPh2C2H2PPh2)2](式中、Phはフェニル基を示す)、 ジクロロビス(η−エチレン)パラジウム(II)、テトラクロロジ(η−エチレン)二パラジウム(II)、カルボニルジクロロパラジウム(II)、ジカルボニルジクロロパラジウム(II)などを例示することができる。
【0017】
パラジウム化合物の蒸着量は、限定的ではなく、前処理後のパラジウム粒子の担持量に応じて適宜設定することができる。前処理によって担持されるパラジウムの量は、無電解めっきを行うときに触媒能を発揮する限り特に制限されないが、前処理を施す前の多孔質体の細孔容積(単位体積当たりの空隙の体積)に対して担持するパラジウムの体積が、通常5〜90%程度、好ましくは20〜50%程度である。
【0018】
蒸着温度は、用いるパラジウム化合物が気化する限り特に制限されず、用いるパラジウム化合物の種類などに応じて適宜設定することができ、通常40〜250℃程度、好ましくは50〜200℃程度である。蒸着時間は、特に制限されず、所望のパラジウム担持量に応じて適宜設定することができるが、通常1〜24時間程度、好ましくは5〜20時間程度である。蒸着時の圧力は、用いるパラジウム化合物が蒸着できる限り特に制限されず、用いるパラジウム化合物の種類、担持量などに応じて適宜設定することができるが、通常1.3×10−2〜1.3×105 Pa程度、好ましくは1.3×10−1〜1×105 Pa程度である。
【0019】
本発明の製造方法では、膜状の多孔質体を使用する場合には、必要に応じて、パラジウム化合物を多孔質体膜に蒸着させる時に、多孔質体膜の一方の面側を気化したパラジウム化合物に接触させ、他方の面側の圧力を気化したパラジウム化合物が接触する側の圧力よりも低くすることにより、多孔質体細孔内に気化したパラジウム化合物を流通させながら蒸着してもよい。例えば、一方の端を封止した管状の多孔質体を使用し、その内部を排気する方法を例示することができる。より具体的な例として、図3に示すような装置を用いる方法を例示できる。図3では、反応室内に、一方の端を封止した管状の多孔質体を設置し、多孔質体の他方の端を真空ポンプに接続することにより、管状の多孔質体の内部を排気することができる。このような操作をすることにより、より確実にパラジウム化合物が優先的に多孔質体細孔内および表面に担持される。多孔質体膜の両側における圧力差は、多孔質体内を気化したパラジウム化合物が流通する限り特に制限されないが、通常1.3×10−2〜1.3×105 Pa程度、好ましくは1.3×10−1〜1×105 Pa程度である。
【0020】
次に、水素還元について述べる。水素還元は、たとえば、反応室内に、パラジウム化合物を蒸着した多孔質体を設置し、水素ガスを導入することなどにより行うことができる。
【0021】
還元温度は、所望量のパラジウムが生成する限り特に制限されず、蒸着に用いたパラジウム化合物の種類などに応じて適宜設定することができ、通常10〜500℃程度、好ましくは50〜300℃程度である。還元時間は、所望のパラジウム量が生成する限り特に制限されず、蒸着に用いたパラジウム化合物の種類などに応じて適宜設定することができ、通常0.5〜5時間程度、好ましくは1〜3時間程度である。用いる水素ガスは、Ar、Heなどの希ガス;N2などの不活性ガスにより希釈されていてもよい。水素ガスの濃度は、所望量のパラジウムが生成する限り特に制限されないが、水素ガスと不活性ガスの合計体積に対する水素ガスの体積として、通常1〜100%程度、好ましくは10〜60%程度である。
【0022】
膜状の多孔質体を水素還元する際には、必要に応じて、水素ガスを継続的に反応室へ導入しながら、多孔質体膜の一方の面側を水素に接触させ、他方の面側の圧力を水素が接触する側の圧力よりも低くすることにより、多孔質体の細孔内に水素を流通させてもよい。例えば、図1に示した透過性能試験装置において、ガスボンベとして水素含有ガスのボンベを使用し、質量流量計の代わりに真空ポンプを接続した装置などを使用し、真空ポンプを用いて管状の膜内を排気することにより、管状の多孔質膜の細孔内に水素を流通させることができる。
【0023】
本発明の製造方法では、上述したようなパラジウム化合物を多孔質体に蒸着し、水素還元することによりパラジウム粒子を多孔質体の細孔内に担持する方法に代えて、無電解めっきの前処理として、パラジウム源気化室においてパラジウム化合物を気化させ、気化したパラジウム化合物をキャリアガスと同伴させることにより反応室へ導入し、反応室において多孔質体にパラジウム化合物またはパラジウムを蒸着し、必要に応じて、水素還元することによりパラジウム粒子を多孔質体の細孔内に担持させてもよい。このような前処理は、例えば、図5に示すような装置を用いることによって実施することができる。このような前処理を行った場合に得られる多孔質体は、上述したような用途に好適に用いることができる。
【0024】
基材となる多孔質体の種類、形状、厚み、平均細孔径、比表面積などは、用途などに応じて適宜選択することができ、上述したようなものを例示することができる。
【0025】
用いるパラジウム化合物は、公知の蒸着条件において気化し、蒸着後水素還元によりパラジウムを生成するか、または熱分解によりパラジウムを生成する限り特に制限されない。上述したようなパラジウム化合物を用いることができる。
【0026】
以下、適宜図5を参照しながら説明する。先ず、パラジウム源気化室(以下「気化室」ということがある)において、パラジウム化合物を気化させる。気化室内の温度は、パラジウム化合物が気化する限り特に制限されず、パラジウム化合物の種類に応じて適宜設定することができるが、通常40〜250℃程度、好ましくは50〜200℃程度である。気化室内の圧力は、パラジウム化合物が気化する限り特に制限されず、パラジウム化合物の種類に応じて適宜設定することができるが、通常1.3×10−2〜1.3×105 Pa程度、好ましくは1.3×10−1〜1×105 Pa程度である。
【0027】
気化室内において気化したパラジウム化合物は、キャリアガスに同伴させることにより反応室へ導入される。例えば、図5に示すように、気化室にキャリアガスの導入口、キャリアガスおよび気化したパラジウム化合物の排出口などを設け、キャリアガスの導入口を介してキャリアガスボンベなどのキャリアガス供給手段と接続し、キャリアガスおよび気化したパラジウム化合物の排出口を介して反応室と接続したような装置を用いればよい。この様な装置を用いることにより、気化した気化パラジウム化合物を反応室へ導入することができる。気化室は、更に温度調節手段、圧力調節手段などを備えていてもよい。
【0028】
キャリアガスとしては、例えば、窒素;ヘリウム、アルゴンなどの希ガスなどの不活性ガスを例示することができる。キャリアガスの流量は、用いるパラジウム化合物の種類などに応じて適宜設定することができるが、通常0.1〜200ml/分程度、好ましくは1〜100ml/分程度である。
【0029】
反応室では、パラジウム化合物またはパラジウムを多孔質体の細孔内に蒸着させる。反応室内の温度は、気化室と同等またはそれ以上であれば特に制限されない。例えば、導入されたパラジウム化合物が熱分解し、パラジウムを生成する温度としてもよい。反応室内の温度は、パラジウム化合物の種類などに応じて適宜設定することができるが、通常40〜600℃程度、好ましくは50〜400℃程度である。パラジウム化合物を熱分解する場合には、200〜600℃程度とするのが好ましく、250〜400℃程度とするのが特に好ましい。反応室内の圧力は、パラジウム化合物またはパラジウムが蒸着できる限り特に制限されず、用いるパラジウム化合物の種類、担持量などに応じて適宜設定することができるが、気化したパラジウム化合物が反応室に導入されやすいように、気化室の圧力よりも低い方が好ましい。反応室の圧力は、通常1.3×10−2〜1.3×105 Pa程度、好ましくは1.3×10−1〜1×105 Pa程度であり、この範囲内において、気化室との圧力差を1.3×10−2〜1.3×104 Pa程度とするのが好ましく、1.3×10−2〜1.3×103 Pa程度とするのがより好ましい。
【0030】
膜状の多孔質体を使用する場合には、必要に応じて、反応室において多孔質体膜の一方の面側を気化したパラジウム化合物に接触させ、他方の面側の圧力を気化したパラジウム化合物が接触する側の圧力よりも低くすることにより、多孔質体細孔内に気化したパラジウム化合物を流通させながら蒸着を行ってもよい。例えば、図5に示すように、一方の端を封止した管状の多孔質体を使用し、その内部を排気する方法を例示することができる。このような操作をすることにより、より確実にパラジウム化合物またはパラジウムが、優先的に多孔質体細孔内および表面に担持される。多孔質体膜の両側における圧力差は、多孔質体内を気化したパラジウム化合物が流通する限り特に制限されないが、通常1.3×10−2〜1.3×105 Pa 程度、好ましくは1.3×10−1〜1×105 Pa 程度である。例えば、図5に示すように、気化室内に一方の端を封止した管状の多孔質体を設置し、多孔質体の他方の端を真空ポンプに接続することにより、管状の多孔質体の内部を排気することができる。また、図5に示すように真空ポンプを設けることによって、反応室の圧力を気化室の圧力よりも低くすることもできる。
【0031】
パラジウム化合物を熱分解せずにそのまま蒸着した場合、パラジウム化合物を熱分解したが不十分であった場合などには、必要に応じて水素還元を行うことができる。水素還元は、上記と同様の条件において行うことができる。勿論、膜状の多孔質体を水素還元する際には、必要に応じて、水素ガスを継続的に導入しながら、多孔質体膜の一方の面側を水素に接触させ、他方の面側の圧力を水素が接触する側の圧力よりも低くすることにより、多孔質体の細孔内に水素を流通させてもよい。
【0032】
前処理によって担持されるパラジウムの量は、用途などに応じて適宜設定することができ、上述した量を例示することができる。
【0033】
本発明の製造方法では、いずれかの前処理を施した後、無電解めっきにより、多孔質体の細孔内にパラジウムまたはパラジウム合金を被覆する。無電解めっきにより被覆するパラジウム合金は、用途などに応じて適宜選択することができる。パラジウム合金としては、例えば、パラジウム−銀合金、パラジウム−銅合金、パラジウム−ニッケル合金、パラジウム−ルテニウム合金、パラジウム−錫合金などを例示することができる。水素分離材料として用いる場合には、パラジウム、パラジウム−銀合金、パラジウム−ルテニウム合金が好ましく、パラジウム、パラジウム−銀合金が特に好ましい。
【0034】
用いる無電解パラジウムめっき液の組成は、特に制限されず、公知のものを用いることができる。パラジウムをめっきする場合の無電解パラジウムめっき液には、例えば、パラジウムイオン源、還元剤、pH調整剤などが含まれている。パラジウム合金をめっきする場合には、上記成分に加えて更に、所望の金属イオン源などが含まれている。所望の金属イオン源としては、公知の可溶性の金属塩を用いることができる。
【0035】
還元剤としては、例えば、N2H4;ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウムなどのギ酸塩;ギ酸、次亜リン酸ナトリウム、水酸化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボランなどを例示することができ、水素分離材料として用いる場合には、N2H4;ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウムなどのギ酸塩;ギ酸が好ましく、N2H4が特に好ましい。
【0036】
めっき液の温度、無電解めっきを行う時間などの無電解めっきを行う場合の条件として、めっき液の組成に応じた公知の条件を適用することができる。
【0037】
本発明の方法では、必要に応じて、めっき液に超音波振動を与えながら無電解めっきを行ってもよい。めっき液に超音波振動を与えることにより、多孔質体の細孔内へのめっき液の浸透性を向上させ、所望量のパラジウムまたはその合金のめっきをより短時間で行うことができる。また、超音波振動を与えることにより、めっきの際に発生するガスを速やかに排出することができる。超音波の振動数は、多孔質体内にめっき液が浸透する限り特に制限されないが、通常20〜100kHz程度、好ましくは25〜60kHz程度である。超音波の出力は、多孔質体内にめっき液が浸透する限り特に制限されないが、0.05〜1W/cm2程度、好ましくは0.2〜0.7W/cm2程度である。超音波振動を与える時間は、特に制限されず、例えば無電解めっきを行っている間、超音波振動を与えることができる。
【0038】
また、膜状の多孔質体を使用する場合には、無電解めっきを行いながら、必要に応じて、多孔質体膜の一方の面をめっき液に浸漬し、他方の面の圧力をめっき液に接触する側の圧力よりも低くし、多孔質体内部にめっき液を流通させながら無電解めっきを行ってもよい。例えば、一方の端を封止した管状の多孔質体を使用し、その内部を排気する方法を例示することができる。多孔質体膜の両側における圧力差は、多孔質体内をめっき液が流通する限り特に制限されないが、通常1.3×10−2〜1.3×105 Pa程度、好ましくは1.3×10−1〜1×105 Pa程度である。上記のように圧力を設定することにより、多孔質体の細孔内へのめっき液の浸透性を向上させ、所望量のパラジウムまたはその合金のめっきをより短時間で行うことができる。また、超音波振動を与えることにより、めっきの際に発生するガスを速やかに排出することができる。
【0039】
めっき後のパラジウムまたはパラジウム合金の厚みは、用途などに応じて適宜選択することができ、膜状の水素分離材料として用いる場合には、通常50nm〜100μm程度、好ましくは100nm〜5μm程度である。
【0040】
膜状の水素分離材材料に水素含有ガスを接触させ、水素を優先的に透過させることにより水素を分離することができる。被処理ガスである水素含有ガスとしては、例えば脱水素反応ガス、炭化水素−水蒸気反応ガス、アルコール−水蒸気反応ガスなどを例示することができる。
【0041】
水素を分離する場合には、例えば、膜状の水素分離材料において、被処理ガスが接触している側よりも膜を透過したガスが接触する側の圧力を低くしてもよい。被処理ガスが接触している側と膜を透過したガスが接触する側との圧力差は、被処理ガスの組成などに応じて適宜設定することができるが、通常0.05〜5MPa程度、好ましくは0.1〜2MPa程度である。
【0042】
水素分離を行う温度は、被処理ガスに含まれる水素濃度などに応じて適宜設定することができる。分離温度は、通常300〜800℃程度、好ましくは400〜600℃程度である。所定の温度範囲とすることにより、より効率よく水素を分離することができる。
【0043】
本発明の水素分離材料は、例えば、水素分離装置などに用いることができる。水素分離装置は、例えば、水素分離材料、被処理ガスである水素含有ガスを水素分離材料へ供給する手段、水素分離材料を透過した高濃度の水素ガスを補集する手段、排ガスを排出する手段などを備えている。水素分離装置は、必要に応じて、真空ポンプ、被処理ガスの温度調整手段、被処理ガスの圧力を調整する手段、補集した水素ガスを液化する手段などを備えていてもよい。真空ポンプは、被処理ガスが接触している側よりも膜を透過したガスが接触する側の圧力を低くするためなどに用いることができる。水素分離装置は、例えば、水素の精製、回収、濃縮、製造などに用いることができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、操作の単純な前処理を施すことによって、高い効率で多孔質体の細孔内にパラジウム粒子を付与することができる。前処理により付与されたパラジウム粒子は、無電解めっきの触媒として機能する。
【0045】
従来の無電解めっき法では、めっきの効率を上げるために様々な組成のめっき液が検討されているが、現状では十分とはいえない。本発明の方法によると、高い効率でパラジウムまたはパラジウム合金をめっきすることができる。
【0046】
また、無電解めっき時に超音波振動の付与または真空排気を行う場合には、公知のめっき液の濃度に比して、1/3〜1/2程度薄い濃度のめっき液を用いた場合であっても、ほぼ欠陥なくめっきすることができる。
【0047】
無電解めっき時に超音波振動の付与および/または真空排気を行う場合には、用いるパラジウムの総使用量は、従来の方法に比べて1/2〜1/10程度とすることができる。
【0048】
本発明の水素分離材料は、高い水素透過率を示す。水素−窒素の分離において、その透過率は、1×10−7〜1×10−6 mol・m−2・s−1・Pa−1程度、より好ましい条件下では5×10−7〜1×10−6 mol・m−2・s−1・Pa−1程度である。
【0049】
本発明の水素分離材料は、透過係数比(PH2/PN2)が450℃で200〜1000程度、より好ましい条件では800〜1000程度と高い水素ガス分離能を示す。
【0050】
気化室においてパラジウム化合物を気化させ、気化したパラジウム化合物をキャリアガスと同伴させることにより反応室へ導入し、反応室において蒸着を行う場合には、反応室内の温度をパラジウム化合物の熱分解温度に設定することができるので、水素還元を行うことなく、パラジウム粒子を多孔質体の細孔内に担持することができる。
【0051】
【実施例】
以下、本発明の実施例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に制限されるものではない。
【0052】
以下の実施例における水素および窒素の透過性能試験は、図1に示す装置を使用し、純粋な水素または窒素を用いて行った。その分離性能は、透過率比をもって評価した。
【0053】
実施例1
多孔質ガラス管状膜(外径5mm、内径4mm、長さ50mm、平均細孔径4nm、比表面積200m2/g)の片側を溶封し、もう片側に石英管を融着することによりモジュールを作製した(図2参照)。作製したモジュールおよびパラジウム化合物を図3に示す装置内に設置し、50℃で8時間蒸着を行った。パラジウム化合物としてビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)パラジウム(II)を用いた。この際、気化したパラジウム化合物が優先的に多孔質体の細孔近傍に蒸着するように、モジュール内を排気した。
【0054】
蒸着後、パラジウム化合物をパラジウムにするために水素還元を行った。水素還元には、図1に示した透過性能試験装置において、ガスボンベとして水素−窒素混合ガス(体積比50%−50%)のボンベを使用し、質量流量計の代わりに真空ポンプ設置した装置を用いた。水素還元は、モジュールを設置した電気炉内に混合ガスを50ml/分で導入しながら、250℃で2時間行った。水素還元を行っている間、真空ポンプを用いて管状の膜内を排気し、多孔質体の細孔内に水素を流通させた。
【0055】
次に、パラジウムを担持させたモジュールの多孔質体部分について、図4に示す装置を用いて無電解めっきを14時間行った。その際、パラジウムの析出を促進するために、多孔質体とめっき液に超音波振動を与えた。また、多孔質体膜内を真空排気した。用いためっき液(浴1)の組成を表1に示す。このめっき液は、一般に用いられるめっき液(表中の浴2)の半分の濃度である。
【0056】
得られた膜の350, 400および450℃における水素−窒素の分離における透過率比(PH2/PN2)は、それぞれ820, 960, 1010であった。
【0057】
実施例2
パラジウム化合物としてビス(アセトナト)パラジウム(II)を使用し、蒸着を160℃で行った以外は、実施例1と同様にして、モジュールの多孔質体部分に前処理を施した。
【0058】
次に、めっき時間を12時間とした以外は、実施例1と同様の方法で、無電解めっきを行った。
【0059】
得られた水素分離膜の350, 400および450℃における水素−窒素の分離における透過率比(PH2/PN2)は、それぞれ450, 510,および520であった。
【0060】
実施例3
無電解めっきに用いためっき液として、表1に浴2として示されるめっき液を用いた以外は、実施例1と同様にして、水素分離膜を製造した。
【0061】
得られた水素分離膜の350, 400および450℃における水素−窒素の分離における透過率比(PH2/PN2)は、それぞれ180, 190および210であった。
【0062】
実施例4
管状の多孔質アルミナ膜(外径10mm、内径7.5mm、長さ50mm、膜の最外部の平均細孔径4nm、比表面積50m2/g)を用いてモジュールを作製した以外は、実施例1と同様にして、水素分離膜を製造した。また、膜の内側の平均細孔径は、機械的強度を保つためにより大きな値(200nm)とした。
【0063】
得られた水素分離膜の350, 400および450℃における水素−窒素の分離における透過率比(PH2/PN2)は、それぞれ790, 930, 1000であった。また、この膜の450℃における水素透過率は、1 × 10−6 mol・m−2・s−1・Pa−1であった。
【0064】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において用いた透過性能試験装置の概略図を示す図である。
【図2】実施例において製造した膜モジュールの概略図を示す図である。
【図3】実施例において用いた蒸着装置の概略図を示す図である。
【図4】実施例において用いた無電解めっき装置の概略図を示す図である。
【図5】本発明の製造方法において用いることのできる装置の一態様を概略的に示す図である。
Claims (12)
- パラジウムまたはパラジウム合金の被覆を細孔内に有する膜状無機多孔質体または膜状金属多孔質体の製造方法であって、
(1) 膜状無機多孔質体または膜状金属多孔質体の一方の面側を気化したパラジウム化合物に接触させ、他方の面側の圧力を気化したパラジウム化合物が接触する側の圧力よりも低くすることにより、膜状多孔質体細孔内に気化したパラジウム化合物を流通させながら、パラジウム化合物を蒸着した後、水素還元することにより、パラジウム粒子を膜状多孔質体の細孔内に担持させる工程、および
(2) 無電解めっきにより膜状多孔質体の細孔内にパラジウムまたはパラジウム合金をめっきする工程
を備えた方法。 - 工程 (1) において、パラジウム源気化室においてパラジウム化合物を気化させ、気化したパラジウム化合物をキャリアガスと同伴させることにより反応室に導入し、反応室において膜状多孔質体にパラジウム化合物を蒸着した後、水素還元することにより、パラジウム粒子を膜状多孔質体の細孔内に担持させる請求項1に記載の方法。
- 工程 (2) において、工程 (1) で得られたパラジウム担持膜状多孔質体の一方の面側をめっき液に浸漬し、他方の面側の圧力をめっき液に浸漬する側の圧力よりも低くすることにより、膜状多孔質体細孔内にめっき液を流通させながら、細孔内にパラジウムまたはパラジウム合金をめっきする請求項1または2に記載の方法。
- 工程 (2) において、めっき液に超音波振動を与えながら無電解めっきを行う請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- パラジウムまたはパラジウム合金の被覆を細孔内に有する膜状無機多孔質体または膜状金属多孔質体の製造方法であって、
(1) パラジウム化合物を気化させた後に熱分解してパラジウムを生成し、膜状無機多孔質体または膜状金属多孔質体の一方の面側を気化したパラジウムに接触させ、他方の面側の圧力を気化したパラジウムが接触する側の圧力よりも低くすることにより、膜状多孔質体細孔内に気化したパラジウムを流通させながら、パラジウムを蒸着してパラジウム粒子を膜状多孔質体の細孔内に担持させる工程、および
(2) 無電解めっきにより膜状多孔質体の細孔内にパラジウムまたはパラジウム合金をめっきする工程
を備えた方法。 - 工程 (1) において、パラジウム源気化室においてパラジウム化合物を気化させ、気化したパラジウム化合物をキャリアガスと同伴させることにより反応室に導入し、反応室においてパラジウム化合物を熱分解してパラジウムを生成し、膜状多孔質体にパラジウムを蒸着してパラジウム粒子を膜状多孔質体の細孔内に担持させる請求項5に記載の方法。
- 工程 (2) において、工程 (1) で得られたパラジウム担持膜状多孔質体の一方の面側をめっき液に浸漬し、他方の面側の圧力をめっき液に浸漬する側の圧力よりも低くすることにより、膜状多孔質体細孔内にめっき液を流通させながら、細孔内にパラジウムまたはパラジウム合金をめっきする請求項5または6に記載の方法。
- 工程 (2) において、めっき液に超音波振動を与えながら無電解めっきを行う請求項5〜7のいずれかに記載の方法。
- 得られるパラジウムまたはパラジウム合金被覆多孔質体が、膜状の水素分離材料である請求項1〜8の何れかに記載のパラジウムまたはパラジウム合金被覆多孔質体の製造方法。
- 請求項9に記載の方法により得ることのできる水素分離材料。
- 請求項10に記載の水素分離材料を用いた水素分離装置。
- 請求項10に記載の水素分離材料に水素含有ガスを接触させ、水素ガスを優先的に透過させることを特徴とする水素分離方法。
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