JP2003183840A - パラジウムまたはパラジウム合金被覆多孔質体の製造方法 - Google Patents
パラジウムまたはパラジウム合金被覆多孔質体の製造方法Info
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Abstract
効率よくパラジウムまたはパラジウム合金被覆多孔質体
を製造する方法を提供する。 【解決手段】パラジウム化合物を多孔質体に蒸着した
後、水素還元することによりパラジウム粒子を多孔質体
の細孔内に担持させるか、またはパラジウム源気化室に
おいてパラジウム化合物を気化させ、気化したパラジウ
ム化合物をキャリアガスと同伴させることにより反応室
へ導入し、反応室において気化したパラジウム化合物を
多孔質体に蒸着し、必要に応じて、水素還元することに
よりパラジウム粒子を多孔質体の細孔内に担持させた
後、無電解めっきによりパラジウムまたはパラジウム合
金を多孔質体の細孔内にめっきすることを特徴とするパ
ラジウムまたはパラジウム合金被覆多孔質体の製造方
法。
Description
パラジウム合金被覆多孔質体の製造方法、水素分離材料
の製造方法、水素分離材料、該材料を用いる水素分離装
置および該材料を用いる水素分離方法に関するものであ
る。
離する方法として、パラジウムまたはパラジウム合金を
細孔内に被覆した多孔質体膜に、水素含有ガスを接触さ
せ、水素ガスを優先的に透過させて水素ガスを分離する
方法が実用化されている。多孔質体へのパラジウムまた
はパラジウム合金の被覆法として、例えば、無電解めっ
き法などが適用されている。
ムまたはパラジウム合金被覆多孔質体膜の製造方法で
は、無電解めっきに先立って、多孔質体を塩酸酸性塩化
スズ(II)水溶液に浸漬して、多孔質体表面にスズ(II)イ
オンを吸着させ、さらに塩酸酸性塩化パラジウム(II)水
溶液中に浸漬することにより無電解めっき用パラジウム
触媒を付与している。
は、多孔質体の細孔内に十分な量のパラジウム触媒を付
与するためには、上記のような工程を10回以上繰り返
し行う必要があり、時間および手間がかかる。
効率よくパラジウムをめっきできる方法が切望されてい
る。
問題点を鑑み成されたものであって、主として、簡便に
パラジウム触媒を付与することにより、効率よくパラジ
ウムまたはパラジウム合金被覆多孔質体を製造する方法
を提供することを目的とする。
結果、無電解めっきの前処理として、パラジウム化合物
を蒸着後、水素還元することにより多孔質体にパラジウ
ム粒子を担持させる方法、またはパラジウム化合物の気
化とパラジウム化合物またはパラジウムの蒸着とを別々
に行い、必要に応じて水素還元を行う方法が、上記目的
を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
パラジウム合金被覆多孔質体の製造方法、水素分離材料
の製造方法、水素分離材料、該水素分離材料を用いた水
素分離装置、および該水素分離材料を用いる水素分離方
法に係る。 1.パラジウム化合物を多孔質体に蒸着した後、水素還
元することによりパラジウム粒子を多孔質体の細孔内に
担持させ、その後、無電解めっきによりパラジウムまた
はパラジウム合金を多孔質体の細孔内にめっきすること
を特徴とするパラジウムまたはパラジウム合金被覆多孔
質体の製造方法。 2.パラジウム源気化室においてパラジウム化合物を気
化させ、気化したパラジウム化合物をキャリアガスと同
伴させることにより反応室へ導入し、反応室において多
孔質体にパラジウム化合物またはパラジウムを蒸着し、
必要に応じて、水素還元することによりパラジウム粒子
を多孔質体の細孔内に担持させ、その後、無電解めっき
によりパラジウムまたはパラジウム合金を多孔質体の細
孔内にめっきすることを特徴とするパラジウムまたはパ
ラジウム合金被覆多孔質体の製造方法。 3.多孔質体が膜状であり、パラジウム化合物を多孔質
体膜に蒸着させる時に、多孔質体膜の一方の面側を気化
したパラジウム化合物に接触させ、他方の面側の圧力を
気化したパラジウム化合物が接触する側の圧力よりも低
くすることにより、多孔質体細孔内に気化したパラジウ
ム化合物を流通させながら蒸着することを特徴とする上
記1または2に記載の方法。 4.多孔質体が膜状であり、無電解めっきにおいて、前
処理後の多孔質体膜の一方の面側をめっき液に浸漬し、
他方の面側の圧力をめっき液に接触する側の圧力よりも
低くすることにより、多孔質体細孔内にめっき液を流通
させながら、細孔内にパラジウムまたはパラジウム合金
をめっきすることを特徴とする上記1〜3のいずれかに
記載の方法。 5.無電解めっきにおいて、めっき液に超音波振動を与
えながら無電解めっきを行うことを特徴とする上記1〜
4のいずれかに記載の方法。 6.得られるパラジウムまたはパラジウム合金被覆多孔
質体が、膜状の水素分離材料である上記1〜5の何れか
に記載のパラジウムまたはパラジウム合金被覆多孔質体
の製造方法。 7.上記6に記載の方法により得ることのできる水素分
離材料。 8.上記7に記載の水素分離材料を用いた水素分離装
置。 9.上記7に記載の水素分離材料に水素含有ガスを接触
させ、水素ガスを優先的に透過させることを特徴とする
水素分離方法。
物を多孔質体に蒸着後、水素還元することによりパラジ
ウム粒子を多孔質体に担持させ、その後、無電解めっき
によりパラジウムまたはパラジウム合金を多孔質体にめ
っきすることにより、パラジウムまたはパラジウム合金
被覆多孔質体を得ることができる。
パラジウムまたはパラジウム合金被覆多孔質体は、例え
ば、水素分離材料、パラジウム触媒、装飾品などとして
好適に用いることができる。
は、得られるパラジウムまたはパラジウム合金被覆多孔
質体の用途などに応じて適宜選択することができる。例
えば、水素分離材料として用いる場合には、耐熱性に優
れた多孔質体を用いることができ、このような多孔質体
として200℃において特性が変化しない多孔質体を例示
することができる。水素分離材料として用いる場合の多
孔質体として、例えば、ガラス、シリカ、アルミナ、シ
リカ-アルミナ、ジルコニア、チタニア、カルシア、マ
グネシア、炭化珪素、窒化ケイ素、ゼオライト、ハイド
ロタルサイト、シリカ−ジルコニアなどの無機多孔質
体;多孔質ステンレス、多孔質ニッケル合金などの金属
多孔質体などを例示できる。これらの中では、ガラス、
シリカ、アルミナ、多孔質ステンレス、多孔質ニッケル
合金が好ましい。
などに応じて適宜設定することができる。例えば、水素
分離材料として用いる場合には、膜などを例示すること
ができる。膜状の多孔質体(多孔質体膜)の具体的な形状
として、例えば、管状膜、中空糸状の膜、平膜などを例
示することができる。管状膜、中空糸状の膜などの場合
には、その一方の端が封止されていてもよい。
どに応じて適宜設定することができ、例えば、水素分離
材料として用いる場合には、通常50μm〜5mm程度、好ま
しくは500μm〜2mm程度である。
限されず、用途などに応じて適宜設定することができ、
例えば、水素分離材料として用いる場合には、通常0.5
〜500nm程度、好ましくは5〜100nm程度である。なお、
本発明における平均細孔径の値は、窒素吸着法による測
定値である。
用途などに応じて適宜設定することができ、水素分離材
料として用いる場合には、通常10〜1000m2/g程度であ
る。なお、本発明における比表面積の値は、窒素吸着法
による測定値である。
件において気化し、蒸着後水素還元によりパラジウムを
生成するか、または熱分解によりパラジウムを生成する
限り特に制限されない。このようなパラジウム化合物と
して、例えば、蒸気圧の高いパラジウム化合物(パラジ
ウム錯体、パラジウム含有有機金属など)を例示でき
る。より具体的には、通常の蒸着条件である1.3×10-2
〜1.3×105Pa程度、40〜250℃程度において気化するパ
ラジウム化合物を例示できる。パラジウム化合物の具体
例として、例えばビス(アセチルアセトナト)パラジウム
(II)、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)パラジ
ウム(II)、酢酸パラジウム(Pd(CH3CO2)2))、ビス(オキ
サラト)パラジウム酸カリウム、ビス(ジチオオキサラ
ト)パラジウム酸カリウム、テトラアンミンパラジウム
塩化物、ビス(エチレンジアミン)パラジウム塩化物、ビ
ス(2,2'-ビピリジン)パラジウム過塩素酸塩、ビス(1,10
-フェナントロリン)パラジウム過塩素酸塩、ビス(ジメ
チルグリオキシマト)パラジウム(II)、[Pd(PCH3)4]、[P
d(PPh2C2H2PPh2)2](式中、Phはフェニル基を示す)、 ジ
クロロビス(η-エチレン)パラジウム(II)、テトラクロ
ロジ(η-エチレン)二パラジウム(II)、カルボニルジク
ロロパラジウム(II)、ジカルボニルジクロロパラジウム
(II)などを例示することができる。
なく、前処理後のパラジウム粒子の担持量に応じて適宜
設定することができる。前処理によって担持されるパラ
ジウムの量は、無電解めっきを行うときに触媒能を発揮
する限り特に制限されないが、前処理を施す前の多孔質
体の細孔容積(単位体積当たりの空隙の体積)に対して担
持するパラジウムの体積が、通常5〜90%程度、好ましく
は20〜50%程度である。
化する限り特に制限されず、用いるパラジウム化合物の
種類などに応じて適宜設定することができ、通常40〜25
0℃程度、好ましくは50〜200℃程度である。蒸着時間
は、特に制限されず、所望のパラジウム担持量に応じて
適宜設定することができるが、通常1〜24時間程度、好
ましくは5〜20時間程度である。蒸着時の圧力は、用い
るパラジウム化合物が蒸着できる限り特に制限されず、
用いるパラジウム化合物の種類、担持量などに応じて適
宜設定することができるが、通常1.3×10-2〜1.3×105
Pa程度、好ましくは1.3×10-1〜1×105 Pa程度である。
使用する場合には、必要に応じて、パラジウム化合物を
多孔質体膜に蒸着させる時に、多孔質体膜の一方の面側
を気化したパラジウム化合物に接触させ、他方の面側の
圧力を気化したパラジウム化合物が接触する側の圧力よ
りも低くすることにより、多孔質体細孔内に気化したパ
ラジウム化合物を流通させながら蒸着してもよい。例え
ば、一方の端を封止した管状の多孔質体を使用し、その
内部を排気する方法を例示することができる。より具体
的な例として、図3に示すような装置を用いる方法を例
示できる。図3では、反応室内に、一方の端を封止した
管状の多孔質体を設置し、多孔質体の他方の端を真空ポ
ンプに接続することにより、管状の多孔質体の内部を排
気することができる。このような操作をすることによ
り、より確実にパラジウム化合物が優先的に多孔質体細
孔内および表面に担持される。多孔質体膜の両側におけ
る圧力差は、多孔質体内を気化したパラジウム化合物が
流通する限り特に制限されないが、通常1.3×10-2〜1.3
×105 Pa程度、好ましくは1.3×10-1〜1×105 Pa程度で
ある。
は、たとえば、反応室内に、パラジウム化合物を蒸着し
た多孔質体を設置し、水素ガスを導入することなどによ
り行うことができる。
る限り特に制限されず、蒸着に用いたパラジウム化合物
の種類などに応じて適宜設定することができ、通常10〜
500℃程度、好ましくは50〜300℃程度である。還元時間
は、所望のパラジウム量が生成する限り特に制限され
ず、蒸着に用いたパラジウム化合物の種類などに応じて
適宜設定することができ、通常0.5〜5時間程度、好まし
くは1〜3時間程度である。用いる水素ガスは、Ar、Heな
どの希ガス;N2などの不活性ガスにより希釈されていて
もよい。水素ガスの濃度は、所望量のパラジウムが生成
する限り特に制限されないが、水素ガスと不活性ガスの
合計体積に対する水素ガスの体積として、通常1〜100%
程度、好ましくは10〜60%程度である。
要に応じて、水素ガスを継続的に反応室へ導入しなが
ら、多孔質体膜の一方の面側を水素に接触させ、他方の
面側の圧力を水素が接触する側の圧力よりも低くするこ
とにより、多孔質体の細孔内に水素を流通させてもよ
い。例えば、図1に示した透過性能試験装置において、
ガスボンベとして水素含有ガスのボンベを使用し、質量
流量計の代わりに真空ポンプを接続した装置などを使用
し、真空ポンプを用いて管状の膜内を排気することによ
り、管状の多孔質膜の細孔内に水素を流通させることが
できる。
ラジウム化合物を多孔質体に蒸着し、水素還元すること
によりパラジウム粒子を多孔質体の細孔内に担持する方
法に代えて、無電解めっきの前処理として、パラジウム
源気化室においてパラジウム化合物を気化させ、気化し
たパラジウム化合物をキャリアガスと同伴させることに
より反応室へ導入し、反応室において多孔質体にパラジ
ウム化合物またはパラジウムを蒸着し、必要に応じて、
水素還元することによりパラジウム粒子を多孔質体の細
孔内に担持させてもよい。このような前処理は、例え
ば、図5に示すような装置を用いることによって実施す
ることができる。このような前処理を行った場合に得ら
れる多孔質体は、上述したような用途に好適に用いるこ
とができる。
平均細孔径、比表面積などは、用途などに応じて適宜選
択することができ、上述したようなものを例示すること
ができる。
件において気化し、蒸着後水素還元によりパラジウムを
生成するか、または熱分解によりパラジウムを生成する
限り特に制限されない。上述したようなパラジウム化合
物を用いることができる。
先ず、パラジウム源気化室(以下「気化室」ということが
ある)において、パラジウム化合物を気化させる。気化
室内の温度は、パラジウム化合物が気化する限り特に制
限されず、パラジウム化合物の種類に応じて適宜設定す
ることができるが、通常40〜250℃程度、好ましくは50
〜200℃程度である。気化室内の圧力は、パラジウム化
合物が気化する限り特に制限されず、パラジウム化合物
の種類に応じて適宜設定することができるが、通常1.3
×10-2〜1.3×105 Pa程度、好ましくは1.3×10-1〜1×1
05 Pa程度である。
物は、キャリアガスに同伴させることにより反応室へ導
入される。例えば、図5に示すように、気化室にキャリ
アガスの導入口、キャリアガスおよび気化したパラジウ
ム化合物の排出口などを設け、キャリアガスの導入口を
介してキャリアガスボンベなどのキャリアガス供給手段
と接続し、キャリアガスおよび気化したパラジウム化合
物の排出口を介して反応室と接続したような装置を用い
ればよい。この様な装置を用いることにより、気化した
気化パラジウム化合物を反応室へ導入することができ
る。気化室は、更に温度調節手段、圧力調節手段などを
備えていてもよい。
リウム、アルゴンなどの希ガスなどの不活性ガスを例示
することができる。キャリアガスの流量は、用いるパラ
ジウム化合物の種類などに応じて適宜設定することがで
きるが、通常0.1〜200ml/分程度、好ましくは1〜100ml/
分程度である。
ジウムを多孔質体の細孔内に蒸着させる。反応室内の温
度は、気化室と同等またはそれ以上であれば特に制限さ
れない。例えば、導入されたパラジウム化合物が熱分解
し、パラジウムを生成する温度としてもよい。反応室内
の温度は、パラジウム化合物の種類などに応じて適宜設
定することができるが、通常40〜600℃程度、好ましく
は50〜400℃程度である。パラジウム化合物を熱分解す
る場合には、200〜600℃程度とするのが好ましく、250
〜400℃程度とするのが特に好ましい。反応室内の圧力
は、パラジウム化合物またはパラジウムが蒸着できる限
り特に制限されず、用いるパラジウム化合物の種類、担
持量などに応じて適宜設定することができるが、気化し
たパラジウム化合物が反応室に導入されやすいように、
気化室の圧力よりも低い方が好ましい。反応室の圧力
は、通常1.3×10-2〜1.3×105 Pa程度、好ましくは1.3
×10-1〜1×105 Pa程度であり、この範囲内において、
気化室との圧力差を1.3×10-2〜1.3×104 Pa程度とする
のが好ましく、1.3×10-2〜1.3×103 Pa程度とするのが
より好ましい。
に応じて、反応室において多孔質体膜の一方の面側を気
化したパラジウム化合物に接触させ、他方の面側の圧力
を気化したパラジウム化合物が接触する側の圧力よりも
低くすることにより、多孔質体細孔内に気化したパラジ
ウム化合物を流通させながら蒸着を行ってもよい。例え
ば、図5に示すように、一方の端を封止した管状の多孔
質体を使用し、その内部を排気する方法を例示すること
ができる。このような操作をすることにより、より確実
にパラジウム化合物またはパラジウムが、優先的に多孔
質体細孔内および表面に担持される。多孔質体膜の両側
における圧力差は、多孔質体内を気化したパラジウム化
合物が流通する限り特に制限されないが、通常1.3×10
-2〜1.3×105 Pa 程度、好ましくは1.3×10-1〜1×105
Pa 程度である。例えば、図5に示すように、気化室内
に一方の端を封止した管状の多孔質体を設置し、多孔質
体の他方の端を真空ポンプに接続することにより、管状
の多孔質体の内部を排気することができる。また、図5
に示すように真空ポンプを設けることによって、反応室
の圧力を気化室の圧力よりも低くすることもできる。
蒸着した場合、パラジウム化合物を熱分解したが不十分
であった場合などには、必要に応じて水素還元を行うこ
とができる。水素還元は、上記と同様の条件において行
うことができる。勿論、膜状の多孔質体を水素還元する
際には、必要に応じて、水素ガスを継続的に導入しなが
ら、多孔質体膜の一方の面側を水素に接触させ、他方の
面側の圧力を水素が接触する側の圧力よりも低くするこ
とにより、多孔質体の細孔内に水素を流通させてもよ
い。
は、用途などに応じて適宜設定することができ、上述し
た量を例示することができる。
を施した後、無電解めっきにより、多孔質体の細孔内に
パラジウムまたはパラジウム合金を被覆する。無電解め
っきにより被覆するパラジウム合金は、用途などに応じ
て適宜選択することができる。パラジウム合金として
は、例えば、パラジウム−銀合金、パラジウム−銅合
金、パラジウム−ニッケル合金、パラジウム−ルテニウ
ム合金、パラジウム−錫合金などを例示することができ
る。水素分離材料として用いる場合には、パラジウム、
パラジウム−銀合金、パラジウム−ルテニウム合金が好
ましく、パラジウム、パラジウム−銀合金が特に好まし
い。
は、特に制限されず、公知のものを用いることができ
る。パラジウムをめっきする場合の無電解パラジウムめ
っき液には、例えば、パラジウムイオン源、還元剤、pH
調整剤などが含まれている。パラジウム合金をめっきす
る場合には、上記成分に加えて更に、所望の金属イオン
源などが含まれている。所望の金属イオン源としては、
公知の可溶性の金属塩を用いることができる。
リウム、ギ酸カリウムなどのギ酸塩;ギ酸、次亜リン酸
ナトリウム、水酸化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミン
ボランなどを例示することができ、水素分離材料として
用いる場合には、N2H4;ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム
などのギ酸塩;ギ酸が好ましく、N2H4が特に好ましい。
などの無電解めっきを行う場合の条件として、めっき液
の組成に応じた公知の条件を適用することができる。
液に超音波振動を与えながら無電解めっきを行ってもよ
い。めっき液に超音波振動を与えることにより、多孔質
体の細孔内へのめっき液の浸透性を向上させ、所望量の
パラジウムまたはその合金のめっきをより短時間で行う
ことができる。また、超音波振動を与えることにより、
めっきの際に発生するガスを速やかに排出することがで
きる。超音波の振動数は、多孔質体内にめっき液が浸透
する限り特に制限されないが、通常20〜100kHz程度、好
ましくは25〜60kHz程度である。超音波の出力は、多孔
質体内にめっき液が浸透する限り特に制限されないが、
0.05〜1W/cm2程度、好ましくは0.2〜0.7W/cm2程度であ
る。超音波振動を与える時間は、特に制限されず、例え
ば無電解めっきを行っている間、超音波振動を与えるこ
とができる。
は、無電解めっきを行いながら、必要に応じて、多孔質
体膜の一方の面をめっき液に浸漬し、他方の面の圧力を
めっき液に接触する側の圧力よりも低くし、多孔質体内
部にめっき液を流通させながら無電解めっきを行っても
よい。例えば、一方の端を封止した管状の多孔質体を使
用し、その内部を排気する方法を例示することができ
る。多孔質体膜の両側における圧力差は、多孔質体内を
めっき液が流通する限り特に制限されないが、通常1.3
×10-2〜1.3×105 Pa程度、好ましくは1.3×10-1〜1×1
05 Pa程度である。上記のように圧力を設定することに
より、多孔質体の細孔内へのめっき液の浸透性を向上さ
せ、所望量のパラジウムまたはその合金のめっきをより
短時間で行うことができる。また、超音波振動を与える
ことにより、めっきの際に発生するガスを速やかに排出
することができる。
金の厚みは、用途などに応じて適宜選択することがで
き、膜状の水素分離材料として用いる場合には、通常50
nm〜100μm程度、好ましくは100nm〜5μm程度である。
触させ、水素を優先的に透過させることにより水素を分
離することができる。被処理ガスである水素含有ガスと
しては、例えば脱水素反応ガス、炭化水素−水蒸気反応
ガス、アルコール−水蒸気反応ガスなどを例示すること
ができる。
水素分離材料において、被処理ガスが接触している側よ
りも膜を透過したガスが接触する側の圧力を低くしても
よい。被処理ガスが接触している側と膜を透過したガス
が接触する側との圧力差は、被処理ガスの組成などに応
じて適宜設定することができるが、通常0.05〜5MPa程
度、好ましくは0.1〜2MPa程度である。
れる水素濃度などに応じて適宜設定することができる。
分離温度は、通常300〜800℃程度、好ましくは400〜600
℃程度である。所定の温度範囲とすることにより、より
効率よく水素を分離することができる。
離装置などに用いることができる。水素分離装置は、例
えば、水素分離材料、被処理ガスである水素含有ガスを
水素分離材料へ供給する手段、水素分離材料を透過した
高濃度の水素ガスを補集する手段、排ガスを排出する手
段などを備えている。水素分離装置は、必要に応じて、
真空ポンプ、被処理ガスの温度調整手段、被処理ガスの
圧力を調整する手段、補集した水素ガスを液化する手段
などを備えていてもよい。真空ポンプは、被処理ガスが
接触している側よりも膜を透過したガスが接触する側の
圧力を低くするためなどに用いることができる。水素分
離装置は、例えば、水素の精製、回収、濃縮、製造など
に用いることができる。
施すことによって、高い効率で多孔質体の細孔内にパラ
ジウム粒子を付与することができる。前処理により付与
されたパラジウム粒子は、無電解めっきの触媒として機
能する。
を上げるために様々な組成のめっき液が検討されている
が、現状では十分とはいえない。本発明の方法による
と、高い効率でパラジウムまたはパラジウム合金をめっ
きすることができる。
または真空排気を行う場合には、公知のめっき液の濃度
に比して、1/3〜1/2程度薄い濃度のめっき液を用いた場
合であっても、ほぼ欠陥なくめっきすることができる。
/または真空排気を行う場合には、用いるパラジウムの
総使用量は、従来の方法に比べて1/2〜1/10程度とする
ことができる。
を示す。水素-窒素の分離において、その透過率は、1×
10-7〜1×10-6 mol・m-2・s-1・Pa-1程度、より好まし
い条件下では5×10-7〜1×10-6 mol・m-2・s-1・Pa-1程
度である。
2/PN2)が450℃で200〜1000程度、より好ましい条件で
は800〜1000程度と高い水素ガス分離能を示す。
せ、気化したパラジウム化合物をキャリアガスと同伴さ
せることにより反応室へ導入し、反応室において蒸着を
行う場合には、反応室内の温度をパラジウム化合物の熱
分解温度に設定することができるので、水素還元を行う
ことなく、パラジウム粒子を多孔質体の細孔内に担持す
ることができる。
具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に制限され
るものではない。
過性能試験は、図1に示す装置を使用し、純粋な水素ま
たは窒素を用いて行った。その分離性能は、透過率比を
もって評価した。
均細孔径4nm、比表面積200m2/g)の片側を溶封し、もう
片側に石英管を融着することによりモジュールを作製し
た(図2参照)。作製したモジュールおよびパラジウム
化合物を図3に示す装置内に設置し、50℃で8時間蒸着
を行った。パラジウム化合物としてビス(ヘキサフルオ
ロアセチルアセトナト)パラジウム(II)を用いた。この
際、気化したパラジウム化合物が優先的に多孔質体の細
孔近傍に蒸着するように、モジュール内を排気した。
するために水素還元を行った。水素還元には、図1に示
した透過性能試験装置において、ガスボンベとして水素
−窒素混合ガス(体積比50%-50%)のボンベを使用し、質
量流量計の代わりに真空ポンプ設置した装置を用いた。
水素還元は、モジュールを設置した電気炉内に混合ガス
を50ml/分で導入しながら、250℃で2時間行った。水素
還元を行っている間、真空ポンプを用いて管状の膜内を
排気し、多孔質体の細孔内に水素を流通させた。
の多孔質体部分について、図4に示す装置を用いて無電
解めっきを14時間行った。その際、パラジウムの析出を
促進するために、多孔質体とめっき液に超音波振動を与
えた。また、多孔質体膜内を真空排気した。用いためっ
き液(浴1)の組成を表1に示す。このめっき液は、一
般に用いられるめっき液(表中の浴2)の半分の濃度であ
る。
る水素-窒素の分離における透過率比(PH2/PN2)は、それ
ぞれ820, 960, 1010であった。
I)を使用し、蒸着を160℃で行った以外は、実施例1と
同様にして、モジュールの多孔質体部分に前処理を施し
た。
実施例1と同様の方法で、無電解めっきを行った。
℃における水素-窒素の分離における透過率比(PH2/P
N2)は、それぞれ450, 510,および520であった。
て示されるめっき液を用いた以外は、実施例1と同様に
して、水素分離膜を製造した。
℃における水素-窒素の分離における透過率比(PH2/P
N2)は、それぞれ180, 190および210であった。
0mm、膜の最外部の平均細孔径4nm、比表面積50m2/g)を
用いてモジュールを作製した以外は、実施例1と同様に
して、水素分離膜を製造した。また、膜の内側の平均細
孔径は、機械的強度を保つためにより大きな値(200nm)
とした。
℃における水素-窒素の分離における透過率比(PH2/P
N2)は、それぞれ790, 930, 1000であった。また、この
膜の450℃における水素透過率は、1 × 10-6 mol・m-2
・s-1・Pa-1であった。
図を示す図である。
を示す図である。
図である。
図を示す図である。
装置の一態様を概略的に示す図である。
Claims (9)
- 【請求項1】パラジウム化合物を多孔質体に蒸着した
後、水素還元することによりパラジウム粒子を多孔質体
の細孔内に担持させ、その後、無電解めっきによりパラ
ジウムまたはパラジウム合金を多孔質体の細孔内にめっ
きすることを特徴とするパラジウムまたはパラジウム合
金被覆多孔質体の製造方法。 - 【請求項2】パラジウム源気化室においてパラジウム化
合物を気化させ、気化したパラジウム化合物をキャリア
ガスと同伴させることにより反応室へ導入し、反応室に
おいて多孔質体にパラジウム化合物またはパラジウムを
蒸着し、必要に応じて、水素還元することによりパラジ
ウム粒子を多孔質体の細孔内に担持させ、その後、無電
解めっきによりパラジウムまたはパラジウム合金を多孔
質体の細孔内にめっきすることを特徴とするパラジウム
またはパラジウム合金被覆多孔質体の製造方法。 - 【請求項3】多孔質体が膜状であり、パラジウム化合物
を多孔質体膜に蒸着させる時に、多孔質体膜の一方の面
側を気化したパラジウム化合物に接触させ、他方の面側
の圧力を気化したパラジウム化合物が接触する側の圧力
よりも低くすることにより、多孔質体細孔内に気化した
パラジウム化合物を流通させながら蒸着することを特徴
とする請求項1または2に記載の方法。 - 【請求項4】多孔質体が膜状であり、無電解めっきにお
いて、前処理後の多孔質体膜の一方の面側をめっき液に
浸漬し、他方の面側の圧力をめっき液に接触する側の圧
力よりも低くすることにより、多孔質体細孔内にめっき
液を流通させながら、細孔内にパラジウムまたはパラジ
ウム合金をめっきすることを特徴とする請求項1〜3の
いずれかに記載の方法。 - 【請求項5】無電解めっきにおいて、めっき液に超音波
振動を与えながら無電解めっきを行うことを特徴とする
請求項1〜4のいずれかに記載の方法。 - 【請求項6】得られるパラジウムまたはパラジウム合金
被覆多孔質体が、膜状の水素分離材料である請求項1〜
5の何れかに記載のパラジウムまたはパラジウム合金被
覆多孔質体の製造方法。 - 【請求項7】請求項6に記載の方法により得ることので
きる水素分離材料。 - 【請求項8】請求項7に記載の水素分離材料を用いた水
素分離装置。 - 【請求項9】請求項7に記載の水素分離材料に水素含有
ガスを接触させ、水素ガスを優先的に透過させることを
特徴とする水素分離方法。
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- 2001-12-17 JP JP2001382522A patent/JP3567253B2/ja not_active Expired - Lifetime
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