JP4107513B1 - 電子装置の発光制御方法 - Google Patents

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    • H05B45/10Controlling the intensity of the light
    • H05B45/14Controlling the intensity of the light using electrical feedback from LEDs or from LED modules

Abstract

【課題】電子と正孔の再結合を利用して発光する発光部を備えた電子装置のさらなる長寿命化を実現可能とした電子装置及び電子装置の発光制御方法を提供する。
【解決手段】電子と正孔の再結合を利用して発光する発光部と、この発光部にパルス状の駆動信号を入力して発光部を断続的に発光させる駆動部とを有する電子装置において、駆動部は、駆動信号のデューティ比を発光部での発光を連続発光と見なせる値とするとともに、駆動信号のパルス幅及び発光部への電子及び正孔の注入量を、発光部に存在する欠陥準位において電子と正孔とが再結合することにより放出される再結合エネルギーで増殖または拡散する欠陥準位に電子と正孔の両方が捕獲されて再結合が生じることのない時間及び電子と正孔の注入量とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子と正孔の再結合を利用して発光する発光部を備えた電子装置の発光制御方法に関するものである。
昨今、投光装置や照明装置などの光源として、PN接合領域での電子と正孔の再結合を利用して発光する発光部を備えた電子装置が用いられることが多くなっている。特に、PN接合を構成するP型半導体層とN型半導体層との間には、量子井戸活性層などの活性層を設けて効果的に発光を生じさせる発光構造を用いた電子装置も知られている。
このような発光部を備えた電子装置では、発光部のPN接合を構成しているN型半導体層側に対してP型半導体層側に正電圧を印加することにより、自由電子及び自由正孔からなるキャリヤを活性層に注入し、活性層において電子と正孔を再結合させることにより発光現象を生じさせている。この発光現象は、P型半導体層側に所定の大きさの正電圧を印加し続ける限り活性層にキャリヤが逐次供給されるので、発光状態が維持されて連続的に発光した状態となっている。
なお、発光部では、正電圧の印加による通電にともなって、N型半導体層やP型半導体層などの半導体層部分の抵抗によるジュール熱が発生し、このジュール熱に起因した熱エネルギーによって半導体層に劣化が生じ、発光部の光出力を低下させていることが知られている。
さらに、発光部の半導体層部分には、電子や正孔からなるキャリヤを捕獲する欠陥準位があらかじめ存在するとともに、この欠陥準位で電子・正孔再結合による電子と正孔の再結合が生じた際に、この再結合にともなって放出された再結合エネルギーが光エネルギーではなく熱エネルギーとして放出されることにより、ジュール熱に起因した熱エネルギーと融合してキャリヤを捕獲する欠陥準位の増殖または拡散を促進させることとなり、発光部の光出力、すなわち輝度を低下させていることが本発明者らの研究によって明らかとなった。
したがって、キャリヤが注入される電流注入型の発光部では、連続駆動させた場合に発生するジュール熱の熱エネルギーと、発光部の半導体層部分に存在する欠陥準位での発光をともなわない電子・正孔再結合に起因した熱エネルギーの融合によって、キャリヤを捕獲する欠陥準位が増殖または拡散し、輝度の低下としてあらわれる光出力の減少を生じさせ、所望の輝度が得られなくなることにより発光部に寿命が生じることとなっていた。
そこで、従来では、発光部の半導体層部分に生じる欠陥準位そのものの濃度を減少させることにより、発光部の寿命を確保して発光部を備えた電子装置の長寿命化を図っていた。
あるいは、発光部にはパルス化した駆動信号を入力して、発光部を交互にオン状態とオフ状態とすることにより断続的に発光させて発光部での発熱を抑制して発光部を長寿命化し、発光部を備えた電子装置の長寿命化を図っていた。特に、発光部を備えた電子装置では、パルス化した駆動信号の周期と、駆動信号のパルス幅の比であるデューティ比の値を小さくすることで発光部における発熱を抑制し、発光部の寿命を延ばすことが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
国際公開第2004/057561パンフレット
しかしながら、パルス化した駆動信号で発光部を駆動させた場合でも、発光部の寿命は十分なものとはなっていなかった。すなわち、発光部において発生するジュール熱は、駆動信号のデューティ比を小さくすることによって抑制可能ではあるが、期待できる温度の抑制効果が小さく、しかも、発光部が周囲の温度よりも低い温度となることがないためである。
本発明者らは、このような現状に鑑み、発光部を長寿命化させることにより発光部を備えた電子装置の長寿命化を実現させるべく研究開発を行うことにより、本発明を成すに至ったものである。
本発明の電子装置の発光制御方法では、電子と正孔の再結合を利用して発光する発光部にパルス状の駆動信号を入力して前記発光部を断続的に発光させる駆動部とを有する電子装置の発光制御方法において、電子濃度をn、正孔濃度をp、電子の熱速度をvth:n、正孔の熱速度をvth:p、前記発光部に存在する欠陥準位の電子に対する捕獲断面積をσn、前記発光部に存在する欠陥準位の正孔に対する捕獲断面積をσp、前記駆動信号のパルス幅をWとして、駆動部は、駆動信号を、デューティ比に依存させることなく、
W<1/{n・vth:n・σn・p・vth:p・σp/(n・vth:n・σn+p・vth:p・σp)}
を満たすパルス幅Wとした
さらに、請求項1記載の電子装置の発光制御方法において、駆動信号を、
n・vth:n・σn<<p・vth:p・σpの場合には、W<1/n・vth:n・σn
n・vth:n・σn>>p・vth:p・σpの場合には、W<1/p・vth:p・σp
としたことにも特徴を有するものである。
本発明によれば、駆動信号を、デューティ比に依存させることなく、
W<1/{n・v th:n ・σ n ・p・v th:p ・σ p /(n・v th:n ・σ n +p・v th:p ・σ p )}
を満たすパルス幅Wとしたことによって、駆動信号のパルス幅と電子及び正孔の注入量を、発光部に存在する欠陥準位において電子と正孔とが再結合することにより放出される再結合エネルギーで増殖または拡散した欠陥準位に電子と正孔の両方が捕獲されて再結合が生じることのないパルス幅及び電子と正孔の注入量とすることができ、欠陥準位において電子と正孔とが再結合することを抑制できるので、電子と正孔の再結合により放出される再結合エネルギーの発生を防止できる。
したがって、電子装置の発光部では、欠陥準位の増殖または拡散にともなう劣化の進行を抑制できるので発光部を長寿命化することができ、発光部を備えた電子装置の長寿命化を図ることができる。
本発明の電子装置及び電子装置の発光制御方法では、電子装置に設けた電子と正孔の再結合を利用して発光する発光部に駆動部からパルス状の駆動信号を入力して発光部を断続的に発光させているものであり、特に、駆動信号は、デューティ比を発光部での発光を連続発光と見なせる値とする一方で、駆動信号のパルス幅と発光部への電子及び正孔の注入量を、発光部に存在する欠陥準位において電子と正孔とが再結合することにより放出される再結合エネルギーで増殖または拡散した欠陥準位に電子と正孔の両方が捕獲されて再結合が生じることのない時間及び電子と正孔の注入量として、欠陥準位における電子と正孔の再結合を抑制しているものである。
ここで、欠陥準位での電子・正孔再結合の理論を簡単に説明すると、欠陥濃度Nt[cm-3]あたりの欠陥準位の電子・正孔再結合レートUは、次式で与えられることが知られている。
U = vth:nσn vth:pσp(p・n - ni 2) /
p(p + niexp{(Ei-Et)/kT}) +σn(n + ni exp{(Et-Ei)/kT}))
ここで、
U :電子・正孔再結合レート [1/sec]
vth:n:電子の熱速度(=√(3kT/mn *)) [cm/sec]
vth:p:正孔の熱速度(=√(3kT/mp *)) [cm/sec]
k : ボルツマン定数 [J/K]
T :絶対温度 [K]
mn * :電子の有効質量 [kg]
mp * :正孔の有効質量 [kg]
σn :欠陥準位の電子に対する捕獲断面積 [cm2]
σp :欠陥準位の正孔に対する捕獲断面積 [cm2]
n : 電子濃度 [cm-3]
p : 正孔濃度 [cm-3]
ni :真性キャリヤ濃度 [cm-3]
Ei :真性フェルミ準位 [J]
Et :欠陥準位 [J]
上式は、発光部に電子または正孔からなるキャリヤが注入されている動作状態、すなわち発光部が所定の通電状態となっている場合では、次式のように近似される。
U≒ n・Cn p・Cp/ ( n・Cn + p・Cp)、
ここで、
Cn: 欠陥準位の電子捕獲係数(Cn=vth:n・σn) [cm3/sec]
Cp: 欠陥準位の正孔捕獲係数(Cp=vth:p・σp) [cm3/sec]
通常、欠陥準位の電子に対する捕獲係数Cn、及び欠陥準位の正孔に対する捕獲係数Cpは、それぞれ異なるので、上式はさらに近似される。その場合の欠陥濃度あたりの電子・正孔再結合レートUは、
U≒n・Cn、 (nCn<< pCp) [1/sec]、
U≒p・Cp、 (nCn>> pCp) [1/sec]、
となる。これは、欠陥準位の電子・正孔再結合レートが、キャリヤ捕獲レートの遅い方で律速されることを意味している。
さらにこの式を考察すると、欠陥1つにおける欠陥準位で電子と正孔を再結合させないようにするには、欠陥準位で電子と正孔が再結合するのに要する時間未満でキャリヤの注入を行えばよいこととなる。
ここで、欠陥1つにおける欠陥準位で電子と正孔を再結合させないようにするには、欠陥準位で電子と正孔が再結合するのに要する時間未満でキャリヤの注入を行えばよいが、仮に欠陥準位に電子と正孔のいずれか一方が拘束されていたとしても、他方の正孔または電子が欠陥準位に拘束されなければ電子と正孔の再結合が生じない。
したがって、再結合レートは、電子のキャリヤ濃度と欠陥準位に捕獲される電子のキャリヤ捕獲係数の積の値と、正孔のキャリヤ濃度と欠陥準位に捕獲される正孔のキャリヤ捕獲係数の積の値のうち、大きい方の積の値としても何ら問題はない。
すなわち、電子・正孔再結合レートUを律速するキャリヤ捕獲レートの逆数、つまり、nCn << pCpの場合には1/n・Cn[sec]、nCn >> pCpの場合には1/p・Cp[sec]未満で、キャリヤを注入すればよい。
したがって、nCn << pCpの場合にはC = Cnとするとともに、キャリヤ濃度は電子濃度とし、nCn>> pCpの場合にはC = Cpとするとともに、キャリヤ濃度は正孔濃度として、駆動信号のパルス幅をW[sec]、欠陥準位における電子・正孔再結合レートを律速している欠陥のキャリヤ捕獲係数をC[cm-3/sec]とすると、欠陥準位での電子・正孔再結合を抑止するための発光部の駆動条件は、駆動信号のパルス幅が、W < 1/nC = 1/U [sec/1パルス]の条件を満たすことである。言い換えれば、駆動信号のパルス幅を欠陥準位に電子と正孔の両方が捕獲されて再結合が生じるのに要する時間よりも短くすればよいということである。
なお、W < 1/nC [sec/1パルス]における右辺の1は、駆動信号の1パルスにおけるパルス幅に相当する発光部がオン状態となっている時間において、1つの欠陥準位に捕獲されるキャリヤの数量、つまり1パルスあたりのキャリヤ捕獲量(個/1パルス)を意味している。したがって、前記条件式のWは、欠陥1つにおける欠陥準位において、電子・正孔再結合を1回も生じさせないための、駆動信号のパルス幅を与えていることとなっている。
ここで、駆動信号の周期及び駆動信号のデューティ比を設定する場合には、駆動信号のパルス幅Wが「W<1/U」の条件を満たしていれば、周期またはデューティ比を自由に設定することができ、デューティ比の値をできるだけ大きくすることによって、発光部が発光しないオフ状態の期間を小さくして、発光部を十分な輝度で見かけ上連続発光させながら長寿命とすることができる。
すなわち、輝度を稼ぎたい場合には、駆動信号の周期を小さくして、「W<1/nC」の条件を満たしながら駆動信号のデューティ比をできるだけ大きくすることにより、所定の時間内において駆動信号がオン状態となっている時間を長くすることができることによって、高輝度とすることができる。しかも、駆動信号のパルス幅は、「W<1/nC」の条件を満たすことにより発光部を長寿命とすることができる。
このように、本発明では、発光部を駆動させている駆動信号のパルス幅と、発光部への電子及び正孔の注入量、すなわち発光部に通電する電流の通電量が重要であり、そのパルス幅及び通電量を発光部の半導体層部分に内在する欠陥準位での電子・正孔再結合レートに基づいて設定することにより、欠陥の増殖を抑制して発光部の長寿命化を図っているものであり、単に駆動信号のデューティ比を小さくして長寿命化を図るものではない。なお、駆動信号のパルス幅は、発光部がオン状態となっている時間であって、説明の便宜上、以下においては「素子駆動時間」と言うこととする。
なお、発光部の半導体層部分には、単一の欠陥準位だけが存在するのではなく、複数の欠陥準位が存在していることが多い。
そこで、素子駆動時間(駆動信号のパルス幅)、及び発光部への電子及び正孔の注入量を規定する駆動信号の電流値は、抑制したい欠陥準位に合わせた素子駆動時間及び電流値を設定すれば、その欠陥準位の原因となっている欠陥による素子劣化を抑制することができる。
すなわち、たとえば、電子・正孔再結合レートが異なる欠陥種1と、欠陥種2とが存在する場合、欠陥種1の電子・正孔再結合レートn1C1と、欠陥種2の電子・正孔再結合レートn2C2のうち、抑制したい方の欠陥種の電子・正孔再結合レートに基づいて素子駆動時間及び駆動信号の電流値を設定することにより、その欠陥種による素子劣化を抑制することができる。
あるいは、より大きい値となっている電子・正孔再結合レートを選択した場合には、その電子・正孔再結合レートに対応した欠陥種だけでなく、小さい値の電子・正孔再結合レートに対応した欠陥種による素子劣化を抑制することができ、最も大きい値の電子・正孔再結合レートを選択することによって、発光素子の寿命を最も延長させることができる。
また、発光素子に対して所要の駆動信号を出力して、発光素子の発光制御を行っている発光制御回路では、出力した駆動信号の出力時間と、出力した駆動信号における素子駆動時間及び駆動信号のデューティ比から、発光素子が発光している発光時間を逐次累計した累計時間を記憶し、この発光時間の累計時間に応じて、駆動信号のパルス幅を変更してもよい。
すなわち、たとえば、発光時間の累計時間の値が小さい間は、欠陥の数が少ないことにより素子駆動時間を比較的長く設定しておき、発光時間の累計時間の値が大きくなって、自然劣化などの影響にもよって欠陥の数が増大するにつれて、素子駆動時間を漸次短くしてもよい。
以下において、図面に基づいて本発明の実施形態を具体的に説明する。図1に示すように、本実施形態の電子装置10は、電子と正孔の再結合を利用して発光する発光素子を備えた発光部20'と、この発光部20'にパルス状の駆動信号を入力して発光部20'を断続的に発光させる駆動部30とを備えている。
ここで、電子装置10としては何であってもよく、たとえば発光素子を備えた照明装置、表示装置などであり、照明装置としては、具体的には、所定波長の光を照射するように調整した照明具、自動車または自動二輪車若しくは自転車などのヘッドライト、サーチライト、懐中電灯、ペンライト、液晶表示装置用のバックライトなどが挙げられる。また、表示装置としては、信号機、警告灯などのように1つあるいは複数の発光ダイオードなどによって構成される装置である。
発光部20'の発光素子は、以下においては、II−VI族化合物半導体であるセレン化亜鉛(ZnSe)系白色LED(Light Emitting Diode)、及びIII−V族化合物半導体である窒化ガリウム(GaN)系紫外LEDで実施した例を示すが、発光素子は結晶材料で構成される発光素子に限定されるものではなく、P型半導体層とN型半導体層で挟まれた量子井戸層などによる活性層を備えたいわゆるキャリヤ注入型の発光素子であればよい。
本実施形態の発光素子であるZnSe系白色LED20は、n型ドーパントとして塩化亜鉛(ZnCl2)を用いて形成したN型半導体層21と、p型ドーパントとして窒素(N2)ガスを用いて形成したP型半導体層22とで、ZnCdSe/ZnSe多重量子井戸活性層23を挟んだPIN型ダイオードとして構成されている。
N型半導体層21及びP型半導体層22は、それぞれ電極を介して駆動部30の発光制御回路に接続しており、この発光制御回路によってZnSe系白色LED20に駆動信号として所定の駆動パルス電流を入力し、ZnSe系白色LED20を断続的に発光させている。発光制御回路では、駆動パルス電流における素子駆動時間を適正に調整して出力している。
本実施形態のZnSe系白色LED20は、具体的には、導電性n型ZnSe単結晶(100)を基板として構成しており、この基板の下面にはチタン(Ti)膜及び金(Au)膜を積層させて電極を形成している。
単結晶ZnSe基板上には、分子線エピタキシー(Molecular Beam Epitaxiy:MBE)法によって、以下の半導体層を形成している。なお、各半導体層の形成時には、純度6ナインの亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、カドミウム(Cd)、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)をクヌーセン・セルによって適宜供給し、エピタキシャル薄膜結晶を成長させている。
単結晶ZnSe基板上には、n型ドーパントとして塩化亜鉛(ZnCl2)を添加しながら約1.0μmのn-ZnSeバッファ層と、約0.5μmのn-ZnMgSSeクラッド層を形成して、単結晶ZnSe基板とともにN型半導体層21を構成している。なお、n-ZnSeバッファ層における有効キャリヤ濃度は7×1017cm-3、n-ZnMgSSeクラッド層における有効キャリヤ濃度は5×1017cm-3とした。
n-ZnMgSSeクラッド層の上面には、約0.03μmのi-ZnSeキャリア閉じ込め層と、約0.01μmのZnCdSe/ZnSe多重量子井戸活性層23と、約0.03μmのi-ZnSe層を順次形成し、このi-ZnSe層上にはP型半導体層22を形成している。
P型半導体層22は、約0.5μmのp-ZnMgSSe層と、約0.5μmのp-ZnSe層と、約40nmの多重量子井戸ZnSe/ZnTe層と、約40nmのp-ZnTeコンタクト層を順次積層させて構成しており、p-ZnTeコンタクト層の上面には金(Au)を蒸着して金属電極を形成している。p-ZnMgSSe層における有効キャリヤ濃度は3×1016cm-3、p-ZnSe層における有効キャリヤ濃度は4×1017cm-3、p-ZnTeコンタクト層における有効キャリヤ濃度は2×1019cm-3とした。
ここで、多重量子井戸ZnSe/ZnTe層は超格子電極と呼ばれ、p型ZnSe結晶に疑似オーミック電極層を形成するために設けているものであり、p-ZnSe層上に超格子電極用多重量子井戸ZnSe/ZnTe層を設けてp-ZnTeコンタクト層を設けることにより、共鳴トンネル効果によって正孔をp-ZnSe層とp-ZnTeコンタクト層との間で輸送可能としている。
このように構成したZnSe系白色LED20(以下、単に「LED素子」という。)をクライオスタットの試料ホルダに固定して、クライオスタット内を10-4Pa以下とし、LED素子を駆動パルス電流で駆動した。
図2は、クライオスタット内の試料ホルダの温度を333Kとし、LED素子20に注入する駆動パルス電流の密度を20A/cm2として、加速劣化試験条件下で測定した素子駆動時間をパラメータとした素子駆動実験の結果である。
この素子駆動実験では、駆動パルス電流の周期を10msecとして、各駆動パルス電流の素子駆動時間(駆動パルス電流のパルス幅)を、7.5msec、5msec、1msecとしてそれぞれ計測するとともに、比較対象としてLED素子20に対して常時通電して連続動作させた場合の計測を行った。なお、図2では、駆動パルス電流における時間は、駆動パルス電流における素子駆動時間部分の累計時間である。
LED素子20を連続動作させた場合には、半減寿命が約3時間であるのに対して、素子駆動時間を5msecとした場合には、半減寿命が約80時間となり、約25倍に改善されることがわかる。特に、素子駆動時間を5msecとした場合には、実際の素子駆動時間は約160時間となる。
図3は、LED素子20の半減寿命の素子駆動時間依存性を示すグラフである。なお、グラフの縦軸の半減寿命は、連続動作に換算した値としている。このグラフから、LED素子20の寿命が駆動パルス電流における素子駆動時間(駆動パルス電流のパルス幅)に依存することは明らかである。特に、素子駆動時間が1×10-2secよりも短くなった場合には、LED素子20の半減寿命が100時間を超え、連続動作させた場合の半減寿命の約50倍に達することがわかる。
なお、このように素子駆動時間を短くしたことが、前述した条件式:W<1/nC(sec/1パルス)を満たしていることによるものであることを説明する。
まず、LED素子20を連続動作させた場合における素子劣化の原因について説明する。この素子劣化は、P型半導体層22にアクセプタとして添加した窒素に起因したH0欠陥と呼ばれる複合欠陥において自由正孔の捕獲が生じ、その後、LED素子20の動作中に活性層23からP型半導体層22にオーバーフローした電子が捕獲されることによって、H0欠陥準位で電子と正孔の非発光による再結合が生じ、この再結合によって放出されたエネルギーによってH0欠陥が活性層に拡散することによって生じていることが知られている。すなわち、H0欠陥による電子と正孔の同時捕獲であるキャリヤ捕獲が素子劣化のドライビング・フォースとなっている。
このH0欠陥におけるキャリヤ捕獲断面積σは、ダブルキャリヤ過渡容量分光法(Double Carrier Deep Level Transient Spectroscopy: DC-DLTS)による測定によって、自由正孔に対しては10-22[cm2]、自由電子に対しては10-18[cm2]であることが知られており、LED素子20の動作中では、キャリヤの注入によって、H0欠陥準位の電子捕獲レートnCn= 108(1/sec)、正孔捕獲レートpCp = 102(1/sec)となり、nC >> pCpであるので、H0欠陥準位における欠陥濃度あたりの電子・正孔再結合割合Uは、U≒pCp= 102(1/sec)で与えられ、正孔捕獲で律速されている。
したがって、このH0欠陥準位での電子と正孔の再結合を抑制するためには、素子駆動の条件式をW<1/pCとし、素子駆動時間WをW<10-2secにすればよい。
この条件(W<10-2sec)は、図3に示す実験値とよく一致していることがわかる。すなわち、LED素子20は、W<10-2secの条件で駆動させると、H0欠陥準位における正孔または電子の捕獲が抑制されることによって電子と正孔の再結合を抑制でき、H0欠陥の増殖または拡散が抑制されることとなり、素子劣化を抑制して長寿命化することができる。
図3のグラフにおける素子駆動時間が1×10-3sec < W < 1×10-6secの領域では、素子寿命が約100時間で飽和したような状態となっているのに対し、W > 1×10-6secの領域では、素子寿命のさらなる延長が見られる。これは、H0欠陥とは異なる欠陥が存在していることを示しているものである。
H0欠陥と異なる欠陥としては、P型半導体層22において増殖する補償型のドナ性欠陥が知られている。特に、このドナ性欠陥も、欠陥準位での電子と正孔の非発光による再結合によって生じたエネルギーで増殖または拡散することが知られている。
ドナ性欠陥におけるキャリヤ捕獲断面積σは、過渡容量分光法による測定によって、自由正孔に対して10-17[cm2]であることが知られており、正孔の熱速度vthが2×107[cm/sec]であるので、W<1/nCの条件式から、素子駆動時間W<10-7secが要求されることとなる。
したがって、素子駆動時間Wを10-7sec未満とした場合には、ドナ性欠陥における欠陥準位での正孔または電子の捕獲を抑制できるので電子と正孔の再結合を抑制でき、ドナ性欠陥の増殖または拡散が抑制されることとなり、素子劣化を抑制して長寿命化することができ、図3のグラフに示された実験値とよく一致していることがわかる。
このように、図3に示されるように、LED素子20では、素子駆動時間Wを短くすればするほど長寿命化が可能であることは明らかである。
特に、LED素子20に異なる欠陥種に起因した欠陥準位が存在する場合には、最も短時間でキャリヤの捕獲が生じる欠陥種、すなわち、電子・正孔再結合レートnCが最も大きい欠陥種に対して、W<1/nCから素子駆動時間Wを決定することにより、最長の素子寿命を得ることができる。
なお、LED素子20に異なる欠陥種に起因した欠陥準位が存在場合には、それぞれの欠陥種の欠陥準位に合わせた素子駆動時間Wを適宜選択することによって、抑制対象の欠陥種の欠陥準位における電子・正孔再結合を効果的に抑制でき、その欠陥種の欠陥の増殖または拡散を効果的に抑制できる。
図3に示される素子寿命の測定実験の結果は、逆に利用することによって、素子劣化を律速している欠陥準位における電子・正孔再結合レートの決定に用いることができる。すなわち、図3のグラフにおいて、素子寿命が大きくステップアップしている素子駆動時間の逆数が電子・正孔再結合レートであって、H0欠陥やドナ性欠陥などにおける電子・正孔再結合レートの値となっている。
図3のグラフに示される素子駆動時間Wの短時間化による素子寿命の延長効果は、前述したように素子駆動時間Wの短時間化によって欠陥準位に電子と正孔が捕獲されて再結合することを抑制することによるものであるが、素子駆動時間Wの短時間化によって駆動パルス電流のデューティ比が小さくなったことにより、LED素子に発生するジュール熱が抑制されてLED素子の温度上昇が抑制され、長寿命化されていることも考えられる。
そこで、駆動パルス電流のデューティ比と、LED素子の温度との関連性を検証した。図4は、所定のデューティ比とした際における活性層の温度の測定結果に基づくグラフである。ここで、活性層の温度は基礎実験から見積もっており、発光スペクトルの温度によるピークシフト特性と、発光スペクトルのピークシフトのデューティ比依存性とを比較することで見積もった。
図4に示すように、デューティ比を小さくした場合には、活性層の温度が低下することが確認され、特に、約344Kから約334Kに低下した。なお、この実験は、LED素子20を10-4Pa以下で温度を333Kとしたクライオスタット内に収容して行った。LED素子20に印加した駆動パルス電流は、周期を20msecで固定とし、素子駆動時間を1〜10msecとした矩形波とした。駆動パルス電流の電流密度は20A/cm2、オフセット電圧は約−10Vとし、素子駆動時間中の印加電圧は約2.5Vであった。
図3のグラフが得られた実験では、デューティ比は50%としており、図4に示されるグラフから、温度の低下は5℃程度であると見積もられる。
仮に、344Kから334Kまで低下したと考えた場合、図5に示すH0欠陥に起因した素子劣化におけるLED素子20の半減寿命の1/T特性グラフによると、343Kでの素子寿命が約2時間で、334Kでの素子寿命が約10時間であることから、純粋な温度低下によるLED素子の長寿命化の効果は約5倍と見積もることができる。したがって、図3に示されるように約50倍の効果が得られるものではなく、素子寿命の延長効果が素子駆動時間の短時間化に因るものであることは明らかである。ここで、1000/344[K]≒2.9[1/K]、1000/334[K]≒3.0[1/K]である。
同様に、図6に示すドナ性欠陥に起因した素子劣化におけるLED素子の半減寿命の1/T特性グラフによると、344Kでの素子寿命が約30時間で、334Kでの素子寿命が約60時間であることから、純粋な温度低下によるLED素子の長寿命化の効果は約2倍と見積もることができる。したがって、図3に示されるように約13倍の効果が得られるものではなく、素子寿命の延長効果が素子駆動時間の短時間化に因るものであることは明らかである。
また、デューティ比を小さくしたことによって発熱が抑制され、LED素子の寿命が延長されているのであれば、デューティ比は変えずに素子駆動時間を短くしただけで図3のグラフに示されるように素子寿命に2段階のステップをともなう延長効果があらわれることは説明できない。
したがって、測定されたLED素子の素子寿命の延長効果は、デューティ比を小さくしたことによるLED素子の温度低下に起因した効果でないことは明らかである。
図7は、LED素子20に入力した駆動パルス電流の素子駆動時間を5msecの一定値として、デューティ比を変えてLED素子20の半減寿命を測定した結果に基づくグラフである。ここで、クライオスタット内の温度は333Kとし、LED素子20に通電させる駆動パルス電流の電流密度を20A/cm2とした。駆動パルス電流のオフセット電圧は0Vとした。
図7に示すように、LED素子20の素子寿命がデューティ比に依存しないことは明らかであり、LED素子20を長寿命化するためには、駆動パルス電流の素子駆動時間(パルス幅)の制御のみが重要であることがわかる。
以下において、III−V族化合物半導体である窒化ガリウム(GaN)系紫外LEDの場合について説明する。
GaN系紫外LED素子は、n型ドーパントとしてモノシラン(SiH4)を供給源としたシリコン(Si)を用いて形成したN型半導体層と、p型ドーパントとしてメチルシクロペンタジエニル・マグネシウム((C5H52Mg)を供給源としたマグネシウム(Mg)を用いて形成したP型半導体層とで、InGaN/GaN多重量子井戸活性層を挟んだPIN型ダイオードとして構成されている。
GaN系紫外LED20は、具体的には、単結晶サファイア基板(0001)を用いて構成しており、この基板上には、有機金属気相エピタキシー(Metal Organic Vapor Phase Epitaxiy: MOVPE)法によって、以下の半導体層を形成している。なお、各半導体層の成長には、水素をキャリヤガスとして、ガリウムを供給するための液体トリメチル・ガリウム(Ga(CH3)3)、窒素を供給するためのアンモニア(NH3)、アルミニウムを供給するためのトリメチル・アルミニウム(Al(CH3)3)、固体トリメチル・インジウム(In(CH3)3)を適宜供給し、単結晶サファイア基板上にエピタキシャル薄膜結晶を成長させている。
単結晶サファイア基板上には、n型ドーパントとしてシリコン(Si)を添加しながら約5.0μmのn-GaNバッファ層と、約0.5μmのn-AlGaNクラッド層を形成してN型半導体層を構成している。なお、n-GaNバッファ層における有効キャリヤ濃度は2×1018cm-3、n-AlGaNクラッド層における有効キャリヤ濃度は5×1017cm-3である。
n-AlGaNクラッド層の上面には、約0.03μmのi-GaNキャリア閉じ込め層と、約0.01μmのInGaN/GaN多重量子井戸活性層23と、約0.03μmのi-GaN層を順次形成し、このi-GaN層上にP型半導体層を形成している。
P型半導体層は、約0.1μmのp-AlGaN層と、約0.5μmのp-AlGaN/GaN超格子クラッド層と、約0.1μmのp-GaNコンタクト層を順次積層させて構成しており、p-GaNコンタクト層の上面にはニッケル(Ni)と金(Au)を蒸着して金属電極を形成している。p-AlGaN層における有効キャリヤ濃度は5×1017cm-3、p-AlGaN/GaN超格子クラッド層における有効キャリヤ濃度は2×1018cm-3、p-GaNコンタクト層における有効キャリヤ濃度は1×1019cm-3である。
ここで、N型半導体に金属電極を形成するために、単結晶サファイア基板にはフォトリソグラフィー技術を用いて所要のマスクを形成し、単結晶サファイア基板をn-GaNバッファ層が露出するまでエッチングし、このエッチングによって形成された開口内にチタン(Ti)と金(Au)を蒸着してオーミック電極である金属電極を形成した。
このように構成したGaN系紫外LEDをクライオスタットの試料ホルダに固定して、クライオスタット内を10-4Pa以下とし、GaN系紫外LEDを所定の素子駆動時間を有する駆動パルス電流で駆動させた。図8は、クライオスタット内の試料ホルダの温度を450Kとし、GaN系紫外LEDに通電する駆動パルス電流を75mA、電流密度を83A/cm2)とした加速劣化試験条件下におけるGaN系紫外LEDの光出力の推移グラフである。駆動パルス電流は矩形波であって、素子駆動時間(パルス幅)を50nsec、デューティ比を25%とした。図8における素子駆動時間は連続動作時間に換算した値である。
図8から、GaN系紫外LEDの光出力が80%まで減少するのに要した時間は、連続動作させた場合が1.7時間であるのに対して、パルス状の電流である上記の駆動パルス電流で駆動させた場合には43時間となり、約25倍となっていることがわかる。
このように、発光素子を駆動させる駆動パルス信号における素子駆動時間の短時間化による発光素子の長寿命化は、発光素子を構成している結晶材料によって限定されるものでないことは明らかである。
したがって、ZnCdO系、ZnMgO系、ZnBeO系、ZnOTe系などのII−VI族酸化亜鉛(ZnO)系の発光素子、III−V族ガリウム砒素(GaAs)系の発光素子、アルミニウム・ガリウム・砒素(AlGaAs)系の発光素子、ガリウム・リン(GaP)系の発光素子、インジウム・リン(InP)系の発光素子、窒化アルミニウム系(AlN)の発光素子、窒化ボロン(BN)系の発光素子、InAs系の発光素子、GaAsP系の発光素子、InGaAsP系の発光素子、InGaP系の発光素子、InN系の発光素子、InGaN系の発光素子、AlGaN系の発光素子、InAlGaN系の発光素子、GaInNAs系の発光素子などに対しても同様の効果が期待でき、電子と正孔の再結合を利用したキャリヤ注入型の半導体発光素子、LEDやレーザ・ダイオードなどの長寿命化を可能とすることができる。
特に、電子と正孔の再結合を利用して発光する発光素子とは、半導体材料で構成される発光素子に限定されるものではなく、有機エレクトロルミネセンス、無機エレクトロニクス材料、蛍光体などのように、材料中に存在する欠陥準位での電子と正孔の再結合に起因して生じる劣化によって光出力が減少する光出力装置を含み、このような光出力装置においても、駆動パルス信号における素子駆動時間の短時間化、及び駆動パルス信号における電流値の調整によって寿命の延長効果が期待できる。
すなわち、例えば、有機エレクトロルミネセンス素子を駆動させた際に生じる輝度の低下、つまり素子の劣化は、薄膜中の酸素や水などが核となって欠陥が増殖することによって進行することが知られているが、この欠陥増殖も、欠陥準位において電子と正孔とが再結合することにより放出される再結合エネルギーによって進行するため、駆動パルス信号における素子駆動時間の短時間化、及び駆動パルス信号における電流値の調整によって寿命の延長効果が期待できる。
同様に、電子と正孔の再結合を利用する蛍光体、例えばイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)、銀・アルミニウム添加硫化亜鉛(ZnS:Ag,Al)、銅・アルミニウム添加硫化亜鉛(ZnS:Cu,Al)、ユーロピウム添加硫化イットリウム酸素(Y2O2S:Eu)、亜鉛とケイ素の酸化物(Zn2SiO4)、窒化カルシウム・アルミニウム・ケイ素(CaAlSiN3)などにおいても、それらの輝度低下は蛍光体中における欠陥の増殖に起因するものであって、この欠陥増殖も欠陥準位における電子と正孔の再結合により放出される再結合エネルギーによって進行するため、駆動パルス信号における素子駆動時間の短時間化、及び駆動パルス信号における電流値の調整によって寿命の延長効果が期待できる。
上述した実施形態では、駆動パルス電流を矩形波としているが、矩形波に限定されるものではなく、三角波や正弦波、あるいは所定形状の波形などであってもよく、また、必ずしも周期的なパルス波である必要はなく、素子駆動時間Wが、電子・正孔再結合レートnCの逆数の値未満、すなわち、W<1/nCとなっていればよい。
また、駆動パルス電流の各素子駆動時間は、常に「1/nC」よりも短くなっている必要はなく、必要とされる輝度の条件を満たすために「1/nC」よりも長い素子駆動時間となることがあってもよく、所定間隔で素子駆動時間を「1/nC」よりも短くしてもよい。
駆動パルス電流の周期及びデューティ比の調整は駆動部の発光制御回路で行っており、必要に応じて駆動パルス電流の波形を適宜切替えながら発光部に入力してもよい。
特に、発光部に設けた発光素子では、前述した欠陥準位での電子・正孔再結合による欠陥の増殖または拡散が生じるだけでなく、宇宙線などによって欠陥が自然発生する場合があり、経時的な劣化が必ず生じるため、駆動部の発光制御回路では、発光素子の動作時間の累計を計測して、この累計の動作時間に基づいて素子駆動時間を調整した駆動パルス電流を発光素子に通電してもよい。
本発明の実施形態に係る電子装置の概略模式図である。 ZnSe系白色LED素子の光出力の素子駆動時間特性を示すグラフである。 ZnSe系白色LED素子の半減寿命の素子駆動時間特性依存性を示すグラフである。 ZnSe系白色LED素子の活性層における温度のデューティ比依存性を示すグラフである。 H0欠陥に起因した素子劣化におけるZnSe系白色LED素子の半減寿命の1/T特性を示すグラフである。 ドナ性に起因した素子劣化におけるZnSe系白色LED素子の半減寿命の1/T特性を示すグラフである。 ZnSe系白色LED素子の半減寿命のデューティ比依存性を示すグラフである。 GaN系紫外LED素子の光出力の素子駆動時間特性を示すグラフである。
符号の説明
10 電子装置
20' 発光部
20 ZnSe系白色LED
21 N型半導体層
22 P型半導体層
23 ZnCdSe/ZnSe多重量子井戸活性層
30 駆動部

Claims (2)

  1. 電子と正孔の再結合を利用して発光する発光部にパルス状の駆動信号を入力して前記発光部を断続的に発光させる駆動部とを有する電子装置の発光制御方法において、
    電子濃度をn、正孔濃度をp、電子の熱速度をvth:n、正孔の熱速度をvth:p、前記発光部に存在する欠陥準位の電子に対する捕獲断面積をσn、前記発光部に存在する欠陥準位の正孔に対する捕獲断面積をσp、前記駆動信号のパルス幅をWとして、
    前記駆動部は、前記駆動信号を、デューティ比に依存させることなく、
    W<1/{n・vth:n・σn・p・vth:p・σp/(n・vth:n・σn+p・vth:p・σp)}
    を満たすパルス幅Wとしたことを特徴とする電子装置の発光制御方法
  2. 前記駆動信号を、
    n・vth:n・σn<<p・vth:p・σpの場合には、W<1/n・vth:n・σnとし、
    n・vth:n・σn>>p・vth:p・σpの場合には、W<1/p・vth:p・σp
    したことを特徴とする請求項1記載の電子装置の発光制御方法
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