JPH0952389A - 半導体レーザアレイ駆動方法および装置、並びに画像形成装置 - Google Patents

半導体レーザアレイ駆動方法および装置、並びに画像形成装置

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JPH0952389A
JPH0952389A JP8143290A JP14329096A JPH0952389A JP H0952389 A JPH0952389 A JP H0952389A JP 8143290 A JP8143290 A JP 8143290A JP 14329096 A JP14329096 A JP 14329096A JP H0952389 A JPH0952389 A JP H0952389A
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JP
Japan
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driving
semiconductor laser
pulse
laser array
light emitting
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Application number
JP8143290A
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English (en)
Inventor
Yasuji Seko
保次 瀬古
Akemi Murakami
朱実 村上
Hiroki Otoma
広己 乙間
Nobuaki Ueki
伸明 植木
Izumi Iwasa
泉 岩佐
Mario Fuse
マリオ 布施
Hideki Fukunaga
秀樹 福永
Hideo Nakayama
秀生 中山
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、同一基体中に複数の発光点が配列さ
れてなる半導体レーザアレイを駆動する半導体レーザア
レイ駆動方法、その方法の実施に好適な半導体レーザア
レイ駆動装置、およびその方法が適用された画像形成装
置に関し、駆動方法の工夫により、半導体レーザアレイ
の寿命を向上させる。 【解決手段】連続電流による連続駆動時の発光点の活性
層の上昇温度をΔT0 、パルス電流によるパルス駆動時
の発光点の活性層の上昇温度をΔT1 としたとき、複数
の発光点、それぞれを、 ΔT1 /ΔT0 <1/2 を満足するパルス幅とデューティ比を有する駆動パルス
で駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同一基体中に複数
の発光点が配列されてなる半導体レーザアレイを駆動す
る半導体レーザアレイ駆動方法、その方法の実施に好適
な半導体レーザアレイ駆動装置、およびその方法が適用
された画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、同一基体中に複数の発光点が
配列されてなる半導体レーザアレイについて種々の提案
がなされている。例えば、特開平1−152683号公
報、1987年秋季第48回応用物理学会学術講演会予
稿集第638頁には、レーザビームの間隔300μm、
ビーム数10本を順次発光させることにより、ビームを
移動させるレーザビームスキャナが示されている。
【0003】また、特開平3−294875号公報に
は、半導体レーザアレイを感光ドラムに近接させて、集
光レンズを用いずに感光ドラムに静電潜像を書き込む電
子写真方式の画像形成装置が提案されている。また、特
開平5−83503号公報には、低ドループ化のための
工夫がなされたカラープリンタが提案されている。
【0004】さらに、特開平4−246878号公報に
低ドループ化のために各活性層領域間に深溝を設けたマ
ルチビームレーザが提案されている。さらに、App
l.Phys.Lett. 58,319(1991)
には、レーザ発光点を100個有するレーザアレイが報
告されている。さらに、特願平7−289569号に
は、数千個以上の2次元面発光素子アレイを、縦方向と
横方向の電極配線によりマトリクス配線し、高速、低消
費電力の駆動を行なうことのできる構造が開示されてい
る。
【0005】さらに、特願平8−8878号には、2次
元面内に数千個以上の面発光レーザを配列し、これをレ
ンズ系により感光ドラム面に拡大投影して画像を形成す
るレーザプリンタが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来よ
り、レーザアレイに関する文献が多数公開されている
が、同一基体中に発光点を多数有する半導体レーザアレ
イの場合、その半導体レーザアレイの全ての発光点が全
て所期の寿命を持つ良品である歩留りが極端に低いこと
からコストが極めて高いという問題がある。
【0007】例えば、1個のレーザの良品率が99%と
非常に高くとも、1000個のレーザアレイではその良
品歩留りは、0.004%と極端に低くなり、レーザア
レイのコストが極めて高くなるという問題がある。レー
ザアレイの発光点数が数千個以上になると、この問題は
さらに深刻になる。半導体レーザないし半導体レーザア
レイの歩留りを低下させている要因として、主に、 (1)化合物半導体レーザ結晶の内部やその表面,端面
に存在する転位などの結晶欠陥 (2)レーザ作製プロセスで発生する欠陥 (3)レーザ発振時の電流密度や光密度が高いことに起
因する特性劣化の進行 の3つが挙げられる。
【0008】このうち、(3)は、レーザ発振時の電流
と光によるレーザ発光点の温度が上昇し、(1)や
(2)の欠陥と複合的に作用して特性の劣化が急速に進
行するものであり、この特性劣化が半導体レーザの歩留
りや信頼性を劣化させ、コストを上昇させているのであ
る。特に発光点を多数個有する半導体レーザアレイの場
合、多数の発光点のうち1つでも不良の発光点が存在す
ると半導体レーザアレイ全体が不良品となるために、こ
の問題は極めて深刻である。
【0009】現実には、発光点を数個のみ有する半導体
レーザアレイでさえも、発光点が1個のレーザに較べ歩
留りは低く、半導体レーザアレイを良品と不良品とに選
別するためのスクリーニングや加速寿命試験などを実施
しており、これらの選別に要するコストと時間が製品の
価格をますます上昇させている。多数の発光点を配列す
る別の方法として、数個の発光点を有する半導体レーザ
アレイを多数個配列する方法が考えられる。この方法の
場合、個々の半導体レーザアレイが良品である歩留まり
は高く、その点からはコストを低減することができる
が、多数の発光点を配列するためには、数個の発光点を
有する半導体レーザアレイを高精度に数十個、数百個、
あるいは数千個も、例えば貼り合わせにより配列する工
程が必要であり、この点から、結局はコスト高となって
しまうということになる。このように多数個の発光点の
レーザを貼り合わせる方法では、半導体レーザアレイの
貼り合わせの精度が発光点の配列精度を左右するため、
例えば5μm以下の高精度で発光点を配列するのは難し
い。
【0010】本発明は、上記のような、半導体レーザア
レイの温度上昇や短寿命や低い歩留りや高いコストなど
の問題点を、その駆動方法を工夫することにより解決す
ることを目的とする。また、本発明は、駆動方法の工夫
により高寿命化が図られた半導体レーザアレイを用いた
画像形成装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の半導体レーザアレイ駆動方法は、同一基体中に複数
の発光点が配列されてなる半導体レーザアレイを駆動す
る半導体レーザアレイ駆動方法において、連続電流によ
る連続駆動時の発光点の活性層の上昇温度をΔT0 、パ
ルス電流によるパルス駆動時の発光点の活性層の上昇温
度をΔT1 としたとき、複数の発光点それぞれを、 ΔT1 /ΔT0 <1/2 ……(1) を満足するパルス幅とデューティ比を有する駆動パルス
で駆動することを特徴とする。
【0012】ここで、複数の発光点それぞれを、デュー
ティ比xが0.4以下であって、かつデューティ比xと
パルス幅y(μs)との間に、y<3.1exp(−
8.9x)の関係が成立する駆動パルスで駆動すると、
半導体レーザアレイの上昇温度を(1)式を満足する温
度範囲に保つことができる。また、本発明の半導体レー
ザアレイ駆動方法は、同一基体中に複数の発光点が配列
されてなる半導体レーザアレイを駆動する半導体レーザ
アレイ駆動装置において、連続電流による連続駆動時の
発光点の活性層の上昇温度をΔT0 、パルス電流による
パルス駆動時の発光点の活性層の上昇温度をΔT1 とし
たとき、 ΔT1 /ΔT0 <1/4 ……(2) を満足するパルス幅とデューティ比の駆動パルスで駆動
することが好ましく、この場合、レーザの劣化をさらに
抑制することができる。
【0013】複数の発光点それぞれを、デューティ比x
が0.1以下であって、かつデューティ比xとパルス幅
y(μs)との間に、y<0.22exp(−6.4
x)の関係が成立する駆動パルスで駆動すると半導体レ
ーザアレイの上昇温度を(2)式を満足する温度範囲に
保つことができる。また本発明のレーザアレイ駆動方法
は、複数の発光点それぞれを、ΔT1 /ΔT0 <1/2
を満足するパルス幅とデューティ比の駆動パルスで駆動
し、さらにそのデューティ比の逆数で規定される個数の
連続した発光点を1つのグループとしそのグループ内で
は各発光点の発光の時刻が順次にずれた駆動パルスで駆
動するものであってもよい。
【0014】また本発明の半導体レーザアレイ駆動装置
は、同一基体中に複数の発光点が配列されてなる半導体
レーザアレイを駆動する半導体レーザアレイ駆動装置に
おいて、それら複数の発光点のうちの少なくとも一部の
複数の動作発光点それぞれを発光させるか否かを指示す
る発光指示信号を入力する信号入力部と、上記複数の動
作発光点のうち発光指示信号により発光が指示されてい
る動作発光点それぞれを、連続電流による連続駆動時の
動作発光点の活性層の上昇温度をΔT0 、パルス電流に
よるパルス駆動時の動作発光点の活性層の上昇温度をΔ
1 としたとき、 ΔT1 /ΔT0 <1/2 を満足するパルス幅とデューティ比を有する駆動パルス
でパルス発光させる発光駆動部とを備えたことを特徴と
する。
【0015】ここで、上記本発明の半導体レーザアレイ
駆動装置において、上記発光駆動部が、上記複数の動作
発光点それぞれを駆動するドライバと、上記信号入力部
から入力された発光指示信号により複数の動作発光点を
それぞれに発光が指示されているか否かを、各動作発光
点毎に順次に、かつ循環的に、一巡する周期に対するパ
ルス幅の比として規定されるデューティ比xと該パルス
幅y(μs)との間にy<3.1exp(−8.9x)
の関係を満足するパルス信号の有無により、上記ドライ
バに伝達する発光制御回路とを備えたことを特徴とす
る。
【0016】ここで、上記「順次」は、時間的な「順
次」をいい、発光点の配列順(空間的な「順次」)であ
る必要はなく、例えば発光点1つおき等であってもよ
い。また、本発明の画像形成装置は、同一基体中に複数
の発光点が配列されてなる半導体レーザアレイを備え、
画像形成のための少なくとも1つのプロセスとしてその
半導体レーザを駆動するプロセスを含む画像形成装置で
あって、上記複数の発光点のうちの少なくとも一部の複
数の動作発光点それぞれを発光させるか否かを指示する
画像信号を入力し、複数の動作発光点それぞれを、各動
作発光点に対応する画像信号が発光を指示していること
を条件として、連続電流による連続駆動時の動作発光点
の活性層の上昇温度をΔT0 、パルス電流によるパルス
駆動時の動作発光点の活性層の上昇温度をΔT1 とした
とき、 ΔT1 /ΔT0 <1/2 を満足するパルス幅とデューティ比を有する駆動パルス
でパルス発光させる発光駆動部とを備えたことを特徴と
する。
【0017】ここで、上記本発明の画像形成装置は、上
記半導体レーザアレイから発せられた光により画像を表
示する表示画面を有するものであってもよく、あるい
は、上記本発明の画像形成装置は、上記半導体レーザア
レイから発せられた光により潜像が形成される潜像記録
体を、固定的に、もしくは着脱自在に備える潜像記録体
配置部を有するものであってもよい。
【0018】ここで、上記「潜像記録体配置部」は、い
わゆるゼログラフィプロセスにより静電潜像を記録する
いわゆる感光体ドラム等の潜像記録体が配置されるもの
であってもよく、あるいは、銀塩フィルム等の潜像記録
体が配置されるものであってもよい。また本発明の画像
形成装置において、上記半導体レーザアレイは、その複
数の発光点が少なくとも主走査方向に配列されるように
配設されてなるものであってもよい。
【0019】レーザ素子の歩留りの低さや特性の劣化は
レーザ素子の内部あるいは端面あるいは電極に存在する
欠陥が、電流や光による熱的影響によって増殖する過程
と密接な関係にある。従って、特性劣化を抑えるには欠
陥の増殖速度を低減させることが重要であり、欠陥の増
殖速度を低減させるにはレーザ素子の熱的影響を抑制す
ることが効果的である。レーザ素子の熱的影響を抑制す
ることによってレーザ特性を安定させ、経時劣化を減少
させ、寿命を延ばし、レーザ素子の歩留りを向上させる
ことができる。すなわち、レーザ素子の温度上昇を抑制
することにより、数百個以上の発光点が配列されたレー
ザ素子アレイを実現することが可能になる。
【0020】一般に物質の温度上昇は、発熱速度と放熱
速度の差から導かれる蓄熱速度と、発熱・非発熱(放
熱)時間との関係から導出される。発熱時間を短くし放
熱時間を長くとると、当然、デバイスの温度上昇は抑制
される。この逆に発熱時間を長くし、放熱時間を短くす
ると、物質の温度は上昇していく。われわれはこの物理
現象に注目し、半導体レーザにおいて欠陥が増殖しない
温度にレーザ素子を保持しながらレーザを駆動する方法
を研究した。
【0021】本発明者は駆動パルスを種々に変化させた
実験を行ない、そのデータを綿密に調べた結果、連続電
流による連続駆動時の発光点の活性層の上昇温度をΔT
0 、パルス電流によるパルス駆動時の発光点の活性層の
上昇温度をΔT1 としたとき、複数の発光点それぞれを ΔT1 /ΔT0 <1/2(好ましくはΔT1 /ΔT0
1/4) を満足するパルス幅とデューティ比を有する駆動パルス
で駆動すること、すなわち具体的には、複数の発光点そ
れぞれを、デューティ比xが0.4以下であって、かつ
デューティ比xとパルス幅y(μs)との間に、y<
3.1exp(−8.9x)(好ましくはy<0.22
exp(−6.4x))の関係が成立する駆動パルスで
駆動することによって、レーザの特性劣化を極めて小さ
く抑えることができ、寿命が大幅に向上することを見出
した。
【0022】パルス電流駆動の場合、連続電流駆動の場
合よりもレーザ素子の寿命が長寿命化することは、従来
より知られている。つまりパルス駆動では連続駆動より
通電時間が短いのでレーザの寿命が延びると認識されて
いた。しかし、本発明者は、パルス駆動のパルス波形を
工夫することによりレーザ素子の温度上昇を抑制し、単
に通電時間が短いことによる長寿命化と比べ、レーザ寿
命をさらに大幅に延ばし経時劣化を低減することができ
ることを見出したのである。
【0023】従来は、後述する実験のように、通電時間
(デューティ比)が同じであってもパルス幅の差により
活性層の上昇温度が異なり、レーザの劣化速度が異なる
ことを明らかにした例は全くなかった。すなわち、本発
明は、パルス駆動時の活性層の上昇ピーク温度とレーザ
素子の劣化との関係を初めて定量的に表し、レーザの長
寿命化を可能とするパルス駆動方法を見い出したのであ
る。
【0024】このような、駆動方法を採用することによ
り、特性劣化が大幅に抑制され寿命が大幅に伸びるた
め、半導体レーザアレイを良品、不良品に選別する際
は、初期的に単に発光するか否かの試験のみを行ない、
加速寿命試験等は行なう必要がなく、製品の歩留りが大
幅に向上し、コストの大幅な削減となる。また、本発明
の半導体レーザアレイ駆動装置は、本発明の半導体レー
ザアレイ駆動方法を実現するものであり、発光指示信号
を入力し、入力された発光指示信号により発光が指示さ
れている発光点を、上記(1)もしくは(2)式を満足
させるようにパルス発光させるものであるため、半導体
レーザアレイの特性劣化を押えた駆動が実現する。
【0025】また、本発明の画像形成装置は、半導体レ
ーザアレイを備え、本発明の半導体レーザアレイ駆動装
置にいう発光指示信号として画像信号を用いて、半導体
レーザアレイの発光/非発光のパターンにより画像形成
を行なうものであり、半導体レーザアレイの歩留りが向
上し、また長寿命化が図られることから、画像形成装置
のコスト低減、信頼性の向上が図られる。
【0026】ここで、画像形成装置に備えられる半導体
レーザアレイを、その複数の発光点が主走査方向に配列
されるように配置すると、主走査方向には高速な走査が
必要であり、発光の切換えは電気的に高速に行なうこと
ができることから、高速の画像形成が可能である。
【0027】
【実施の形態】以下、本発明の実施形態について説明す
る。図1は、本発明の実施形態で用いた半導体レーザア
レイの断面構造を示す模式図である。この半導体レーザ
アレイ10は、1200の発光点11を一列に配列した
長さ25.4mmのものであり、発光点11のピッチd
はd=21μm、配列密度は1200dpi(dot
per inch)である。
【0028】この半導体レーザアレイは、n型共通電極
12を挟んで、放熱性を高めるためのヒートシンク20
上に固定されており、n型共通電極に接するn型GaA
s基板13の上に、厚さ1.4μmのn型Al0.6 Ga
0.4 Asクラッド層14と、厚さ210nmの活性層1
5と、厚さ1.4μmのp型Al0.6 Ga0.4 Asクラ
ッド層16と、p型GaAsコンタクト層17が順次積
層された構造を有している。ここで、活性層15は、厚
さ100nmのn型Al0.3 Ga0.7 Asコンファイン
メント層と、厚さ10nmのノンドープGaAs量子井
戸層と、厚さ100nmのp型Al0.3 Ga0.7 Asコ
ンファインメント層の三層が積層された構造を有してい
る。また、p型GaAsコンタクト層17の上部には、
各発光点11に対応して、各p型電極18が形成されて
いる。
【0029】図2は、図1に示す半導体レーザアレイ1
0の駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。
ここでは、図2に示すように、n個の発光点を配列順に
順次、循環的に駆動する。1つの発光点の発光パルス幅
をtW 、一循する周期をtP とすると、各1つのレーザ
素子にとっては、デューティ比はtW /tP 、ないし
(tW /tP )×100(%)となる。循環的に発光さ
せる発光点(動作発光点)の数nを変化させること等に
より、デューティ比tW /tP や、発光パルス幅tW
種々に変化する。
【0030】このような駆動方法により、図1に示す半
導体レーザアレイの光出力の低下を調べた。この寿命試
験において、被試験発光点の個数は各駆動方法に対して
20個とし、光出力の初期設定値は、17mWとした。
劣化を促進させるために、レーザの周辺部の温度を60
℃に保持した。図3は、寿命試験結果の一例を示す図で
ある。
【0031】ここでは、パルス幅tW を、tW =200
nsecに固定し、デューティ比を0.2とした時のレ
ーザ光出力の低下状況と、直流電流により連続駆動(C
W駆動)をした場合のレーザ光出力の低下状況とを比較
した。寿命試験時間は2000時間とした。CW駆動に
おいては、図3(b)に示すように、初期に光出力が急
速に低下し、その後は徐々に低下していることが分かっ
た。これに対し、短パルス駆動の場合は、図3(a)に
示すように、レーザ光出力の低下が抑制されている。
【0032】図4は、種々のパルス駆動条件と初期30
時間における光出力の低下速度との関係を、デューティ
比を横軸にとってまとめたグラフである。光出力の低下
速度は全20発光点の内、劣化速度の早い10発光点の
平均をとった。通電時間比とレーザの光出力の初期低下
速度は比例関係にはなく、非線形の関係にあることが分
かる。
【0033】図5は、寿命試験2000時間後のレーザ
光出力の低下量とデューティ比との関係を示すグラフで
ある。横軸はデューティ比で、これは通電時間比と同じ
である。通電時間比1は2000時間を意味する。例え
ば、デューティ比0.4のパルス駆動では、2000時
間の寿命試験での通電時間は2000×0.4=800
時間となる。
【0034】また、この図5には、CW駆動時の経時変
化データとパルス駆動時の経時変化データを示した。こ
れらの経時変化データは、累計通電時間(通電パルス
の、通電時のパルス時間幅の累計)に対する光出力低下
量を表わしており、この場合、横軸の‘1’は2000
時間と読み替えるものとする。この図から、CW駆動で
の光出力の低下曲線と、パルス駆動での光出力の低下曲
線は同じ軌跡を通らないことが分かる。すなわち、パル
ス電流によるレーザの駆動は、CW駆動のデューティ比
分だけ通電時間が短くなるだけの駆動方法ではないこと
が、即ち、短パルス駆動は、そのデューティ比分以上に
レーザの劣化速度が抑制され、レーザが長寿命化する駆
動方法であることが判明した。同じ通電時間比(デュー
ティ比)に対する光出力の低下量の比が、パルス駆動に
起因した長寿命化の効果となる。
【0035】そこで、デューティ比(通電時間比)や光
出力が同じであって、パルス幅だけが異なる駆動を行な
ったときの、レーザに発生する変化要因を調べた。その
結果、レーザ活性層の上昇温度が異なることが分かっ
た。
【0036】
【表1】
【0037】表1は、レーザ構造の熱解析シミュレーシ
ョンから導出したレーザ活性層の上昇温度と、パルス駆
動方法との関係を示している。この表からわかるよう
に、デューティ比が同じであってもパルス幅が短くなる
に従って活性層の上昇温度は低下する。また、同じパル
ス幅でデューティ比が小さくなっても活性層の上昇温度
は低下する。
【0038】次に、活性層の上昇温度と光出力の初期低
下速度(30時間)との関係を調べたところ、図6に示
すように、CW駆動時とパルス駆動時の活性層の上昇温
度を、それぞれΔT0 、ΔT1 としたとき、活性層の温
度上昇比(ΔT1 /ΔT0 )の2乗とデューティ比との
積に対し、光出力の初期低下速度(30時間)はほぼ比
例することが分かった。また図7は、2000時間後の
光出力の低下量を、活性層の温度上昇比(ΔT1 /ΔT
0 )の2乗とデューティ比との積に対してプロットした
図である。このグラフからもレーザの光出力の劣化量が
活性層の温度上昇比(ΔT1 /ΔT0 )の2乗とデュー
ティ比との積に対して直線的に増加する傾向にあること
が分かる。即ち、パルス駆動により活性層の温度上昇を
抑え、デューティ比を低くすれば、活性層の上昇温度比
の2乗とデューティ比との積にほぼ比例して長寿命化で
きることが分かった。
【0039】この関係に基づき、活性層の上昇温度比と
デューティ比から長寿命化の効果を算出した。この結果
を表2に示す。ここで長寿命化係数とは、同じ通電時間
における、CW駆動時の光出力低下量P0 とパルス駆動
時の光出力低下量P1 との比P0 /P1 である。即ち、
同じ通電時間に対する光出力の低下量の比を長寿命化係
数と称している。パルス駆動においては、通電時間は使
用時間のデューティ比であるので、この長寿命化係数を
デューティ比で割った値が予想寿命となる。この値は括
弧内の数値で表した。
【0040】
【表2】
【0041】以上のように、パルス駆動方法と、長寿命
化係数および予想寿命との関係を導き出すことができ
た。そして、長寿命化の効果が顕著であらわれる基準と
して長寿命化係数が4倍と16倍の場合を取りあげるこ
とにする。長寿命化係数が4倍以上となるのは、ΔT1
/ΔT0 <1/2の場合であり、長寿命化係数が16倍
となるのは、ΔT1 /ΔT0 <1/4の場合である。表
2の結果から、これらを満足するパルス幅とデューティ
比との関係をグラフにまとめたのが図8である。ΔT1
/ΔT0 <1/2の場合、デユーティxとパルス幅y
(μs)の関係は、y<3.1exp(−8.9x)を
満足し、ΔT1 /ΔT 0 <1/4の場合、デユーティx
とパルス幅y(μs)の関係は、y<0.22exp
(−6.4x)を満足することがわかった。
【0042】このようなパルス駆動方法により、寿命の
短いレーザを実際に長寿命化できるかどうかを調べた。
使用したレーザは前記の寿命試験に用いた端面発光型レ
ーザである。その寿命試験の結果を図9に示す。ここで
は、そのレーザ特性が極端に悪く、CW駆動では非常に
短時間で故障することが予想されたレーザを被試験サン
プルとした。先ず最初に、デューティ比0.001、パ
ルス幅50nsのパルス駆動方法により、2000時間
の寿命試験を実施した。試験条件は光出力3mW、定電
流駆動、環境温度60℃とした。このパルス駆動におい
ては、図9に示されているように、2000時間経過し
ても光出力は全く低下しなかった。この試験を終了した
後、同一サンプルをCW駆動し、光出力の低下を調べ
た。その結果、図に示されているように、光出力は最初
の2時間で15%、15時間で50%、100時間では
80%も低下した。このようにCW駆動では全く使用で
きない不良レーザであることが判明した。
【0043】この実験からは、デューティ比0.00
1、パルス幅50nsのパルス駆動方法により、レーザ
の寿命を少なくとも2000倍以上に延ばせることが実
証できた。活性層の温度上昇のシミュレーション結果か
ら予想すると、このパルス駆動方法では、表2に示すよ
うに88000倍の長寿命化が期待できる。次にもう1
つの実験結果について説明する。
【0044】発光点が120個配列された端面発光レー
ザアレイを作製し、レーザ特性として、しきい値電流、
20mW出力時の駆動電流、スロープ効率(電子/光変
換効率)、および直流抵抗を測定し、CW駆動による寿
命が100時間未満と予想される発光点を不良、それ以
上と予想される発光点を良として良否を判別したとこ
ろ、配列された120個のうち8個が不良であった。
【0045】一方、この端面発光レーザアレイをレーザ
プリンタ等に使用することを考えた場合、2400時間
以上の寿命が存在することが必要である。上記の発光点
が120個配列された端面発光レーザアレイをデューテ
ィ比1/120で発光させることを考えると、各発光点
は、2400時間使用される間に2400÷120=2
0(時間)点灯していることになる。ところでΔT1
ΔT2 =1/2の条件では寿命は4倍に延びるため、各
発光点はCW駆動時に5時間の寿命があればよいことに
なる。
【0046】以上の観点から、上記の端面発光レーザア
レイの不良の8個の発光点をCW駆動で発光させ5時間
後の出力低下を測定したところ、それら8個の発光点の
うち出力低下が最も大きかったものであっても、良品と
して使用することのできる20%にとどまっていた。こ
のように、ΔT1 /ΔT0 =1/2を満足することによ
り、120個もの発光点が配列され通常の良否判定では
8個もの発光点が不良であって従来全く使いものになら
ないと考えられていた半導体レーザアレイものであって
も、良品として使用することができる。
【0047】以上のように、短パルス駆動により半導体
レーザを飛躍的に長寿命化できることが明かになった。
尚、ΔT1 /ΔT0 =1/4を満足するとCW駆動時と
較べ一桁以上(16倍)に寿命が延びるため、従来不良
品と考えられていた。半導体レーザアレイであっても、
極めて信頼性の高い、長寿命の半導体レーザアレイとし
て使用することができる。
【0048】これらの実験では端面発光レーザを用いた
が、この長寿命化の効果は半導体レーザ一般に適用でき
るものである。例えば、面発光レーザであっても基本的
には端面発光レーザと同様の構成要素を持ち、同様の原
理で動作しているものであり、本発明の駆動方法をその
まま適用することができる。図10は、面発光レーザア
レイの配列構造を示す模式図である。
【0049】ここには、発光点が2次元的に10×10
に配列されている。発光点の全数は100個であって、
その配列ピッチは21μm、配列密度は1200dpi
である。これらの発光点は各行毎に1セクションを成し
ており、全体では10セクションに分かれている。この
ような面発光レーザ構造においても本発明の駆動方法を
そのまま適用することができる。
【0050】次に、本発明の半導体レーザアレイ駆動装
置の実施形態について説明する。図11は本発明の半導
体レーザアレイ駆動装置の一実施形態の構成を示した回
路ブロック図、図12は、そのタイミングチャートであ
る。この半導体レーザアレイ駆動装置20には、半導体
レーザアレイ10を構成する各素子(発光点)11a,
11b,…,11nを発光させるか否かを定めるデータ
が、クロックと同期してシリアルに入力され、シフトレ
ジスタ21に格納される。
【0051】シフトレジスタにデータが格納されると、
ラッチ回路22にラッチ信号が入力され、シフトレジス
タに格納されたデータがラッチ回路22にパラレルにラ
ッチされる。その後、シフトレジスタ21には、次のデ
ータの入力が開始される。本実施形態では、シフトレジ
スタおよびラッチ回路22が、本発明にいう信号入力部
に相当する。
【0052】ラッチ回路22にラッチされたデータは、
パラレルに、アンドゲート23a,23b,…,23n
それぞれに入力される。また、それらのアンドゲート2
3a,23b,…,23nには、もう1つのシフトレジ
スタ24のパラレル出力a,b,…,nも入力される。
本実施形態ではこれらのアンドゲート23a,23b,
…,23n、およびシフトレジスタ24が本発明にいう
発光制御回路を構成している。
【0053】シフトレジスタ24に、転送信号として、
‘1,0,0,…,0,0’を入力し、クロックに同期
してその転送信号をシフトすると、図8に示すように、
パラレル出力a,b,…,nの順に、各アンドゲート2
3a,23b,…,23nに論理‘1’のパルス信号が
入力される。ラッチ回路22にラッチされている、各素
子11a,11b,…,11nに関するデータが発光を
指示するデータ(論理‘1’)であった場合、各アンド
ゲート23a,23b,…,23nに、シフトレジスタ
24からの論理‘1’のパルス信号が入力されたタイミ
ングで、そのアンドゲート23a,23b,…,23n
から論理‘1’のパルス信号が出力され、ドライバ回路
25に入力される。
【0054】ドライバ回路25は、イネーブル信号EN
が論理‘1’にある間、各アンドゲートに接続された各
入力端子25a,25b,…,25nのいずれかからパ
ルス信号が入力されると、そのパルス信号が入力された
入力端子に対応する抵抗(抵抗26a,26b,…,2
6nのうちのいずれか)をグラウンドに接続する。そう
すると、電源VCCから、対応する素子(素子11a,1
1b,…,11nのうちのいずれか)を経由し、さらに
対応する抵抗(抵抗26a,26b,…,26nのうち
のいずれか)を経由して電源パルスが流れ、その素子が
発光する。
【0055】各アンドゲート23a,23b,…,23
nに、シフトレジスタ24からの論理‘1’のパルス信
号が入力されても、ラッチ回路22にラッチされた、そ
のアンドゲートに対応するデータが発光を指示するデー
タではなかった場合(論理‘0’の場合)は、それに対
応する素子は発光しない状態にとどまる。このようにし
て、各素子11a,11b,…,11nについての発光
/非発光の制御が一巡する間に、シフトレジスタ21に
は新たなデータが入力され、発光/非発光の制御が一巡
した直後に、そのシフトレジスタ21に新たに入力され
たデータがラッチ回路22にラッチされ、次の発光/非
発光の制御サイクルが開始される。
【0056】ここで、クロックは、その周期Tが3μs
ecよりも短く設定されており、したがって各素子11
a,11b,…,11nの1回の発光時間tW は3μs
ec以下である。また、シフトレジスタ24に入力する
転送信号のパターンに応じてデューティ比tW /tP
定まり、ここでは、デューティ比tW /tP =1/10
0(1%)以下となるように、すなわち、100個以上
の素子の発光制御が循環的に行なわれるように、転送信
号のパターンが定められている。
【0057】尚、ここでは、半導体レーザアレイ10を
構成する素子11a,11b,…,11n全てについ
て、順次、かつ循環的に発光/非発光の制御が行なわれ
ており、したがって、本実施形態では、半導体レーザア
レイ10を構成する素子11a,11b,…,11nの
全てが、本発明にいう動作発光点である。もし、図11
に示す半導体レーザアレイ駆動装置20により、半導体
レーザアレイ10を構成する素子11a,11b,…,
11nの全てではなく、そのうちの一部の素子のみが駆
動される場合は、その半導体レーザアレイ駆動装置との
関連では、その一部の素子が本発明にいう動作発光点で
あると観念される。
【0058】図13は、本発明の半導体レーザアレイ駆
動装置のもう1つの実施形態の構成を示した回路ブロッ
ク図である。この半導体レーザアレイ駆動装置30で
は、半導体レーザアレイを構成する素子(発光点)11
a,11b,…,11nが複数(k個)のグループに分
割され、各グループ毎に、図7に示す実施形態における
シフトレジスタ21、ラッチ回路22、各アンドゲート
回路23a,23b,…,23n、ドライバ回路25と
それぞれ同じ構成の、各シフトレジスタ22_1,21
_2,…,21_k、各ラッチ回路22_1,22_
2,…,22_k、各アンドゲート回路群23a_1,
23b_1,…,23n_1;23a_2,23b_
2,…,23n_2;…,23a_k,23b_k,2
3n_k、各ドライバ25_1,25_2,…,25_
kが備えられている。すなわち、この実施形態では、各
素子11a,11b,…,11nを分類した各グループ
毎に、各半導体レーザアレイ駆動装置20_1,20_
2,…,20_kが構成されている。ただし、シフトレ
ジスタ24は、それらk個の半導体レーザアレイ駆動装
置20_1,20_2,…,20_kで兼用されてい
る。
【0059】したがって、ここでは、各半導体レーザア
レイ駆動装置20_1,20_2,…,20_kにとっ
ては、対応する各グループを構成する素子が、本発明に
いう動作発光点として観念される。グループ1〜kは、
一次元的に配列された素子(発光点)を分割したもので
あってもよく、素子(発光点)が二次元的に配列されて
なる半導体レーザアレイ(図10参照)の、各ライン、
各セクション毎であってもよい。
【0060】この図13に示す半導体レーザアレイ駆動
装置においても、デューティ比が10%以下、発光パル
ス幅が0.1μsec以下となるように、クロックの周
期Tや転送信号のパターンが定められている。図14
は、本発明の画像形成装置の一実施形態であるディスプ
レイ装置を表わす模式的構成図である。
【0061】半導体レーザアレイ30は、長さ25.4
mm、600個の発光点を有する個別の半導体レーザア
レイを12個一直線に接続し、全体として7200個の
発光点を有する構造のものである。ここで用いた半導体
レーザアレイ30は、可視領域内の650nmの波長の
レーザ光を発光するものである。この半導体レーザアレ
イ30の発光点を、個別の半導体レーザアレイ毎、即ち
12のグループに分割し、図13に示す半導体レーザア
レイ駆動装置により駆動するように構成されている。
【0062】その半導体レーザアレイ駆動装置には、発
光/非発光制御用のデータとして画像を担持した画像デ
ータが入力され、半導体レーザアレイ10では、その半
導体レーザアレイ10を構成する各素子11a,11
b,…,11n(図11参照)が複数のグループに分割
されてなるグループ毎に、矢印A方向に並ぶ順に、画像
データに応じ順次発光/非発光の制御がなされる。
【0063】半導体レーザアレイ10から出射されたレ
ーザ光は、フィールドレンズ31を経由し、球面ミラー
32で反射され、ポリゴンミラー33で反射偏向され、
さらにfθレンズ34を経由し、さらに平面ミラー35
で反射されて、表示画面36上に投影される。半導体レ
ーザアレイ30の発光点の配列方向は主走査方向に対応
しており、半導体レーザアレイ30の発光レーザ光が矢
印A方向に走査されると、表示画面36上では、その投
影像は矢印C方向に主走査される。表示画面36へのレ
ーザ光のフォーカシングは、フィールドレンズ31と球
面ミラー32により行なわれている。
【0064】ポリゴンミラー33は、本実施形態では6
面ミラーであり、矢印B方向に600rpmで回転して
いる。その間、表示画面36上では、ポリゴンミラー3
3の各面で1回、矢印D方向に副走査されるため、ここ
では1秒間に60画面投影される。また、fθレンズ3
4は表示画面36の中央と端での走査速度を同一にする
ために用いられている。平板ミラー35は、このディス
プレイ装置を薄型にするために用いられている。表示画
面36は半透明の白色の薄膜で形成されており、裏側に
投影された画像がその表側に鮮明に映し出される。この
画面のサイズは横1200mm、縦90mmである。
【0065】このような装置構成において、画像情報に
対応するパルス電流を半導体レーザアレイ30に送り、
その半導体レーザアレイ30からレーザ光を出射させる
ことにより、表示画面36上に画像が表示される。ここ
では駆動パルス電流のパルス幅を31nsec、デュー
ティ比を1/100とした。この駆動パルス電流を採用
することにより画素数7200×5400という超高精
細画面が実現する。1000×2000画素が現在の最
高数であることからすると、このディスプレイ装置によ
り、高精細度が大幅に向上する。また、ここでは画面上
で36階調/25dpiを達成することができる。
【0066】尚、この実施形態では赤色のレーザ光を発
する半導体レーザアレイを使用したが、これに緑色のレ
ーザ光を発する半導体レーザアレイと青色レーザ光を発
する半導体レーザアレイを付加し、画面上に三色を重ね
合わせることによりフルカラーのディスプレイを実現す
ることもできる。この場合は画面上で46656色/2
5dpiを達成することができる。
【0067】次に、本発明の画像形成装置の他の実施形
態の説明に移るが、ここではその前に、次の実施形態の
ための予備的な説明として、複写機やレーザプリンタ
等、電子写真プロセスによる画像形成装置の概要につい
て説明する。図15は、画像形成装置の一例を示す模式
図である。この画像形成装置40には、その潜像記録体
配置部41に、表面に静電潜像が形成される感光体ドラ
ム41Aが備えられており、この感光体ドラム41Aは
図示の矢印E方向に回転する。
【0068】この感光体ドラム41Aは、一次帯電用コ
ロトロン42によりその表面が一様に帯電されその帯電
された領域に画像信号で変調されたレーザ光43が照射
されてそのレーザ光43が照射された点の電位が変化
し、そこに静電潜像が形成される。この静電潜像は、現
像器44により現像されてトナーによる現像像45が形
成される。この現像像45は、所定の転写位置46に来
たときに、転写コロトロン48の作用により、それと同
期するようにその転写位置46に搬送されてきた用紙4
7の上に転写される。現像像45が転写された用紙47
は、さらに搬送されて、定着器49により例えば熱と圧
力で定着され、用紙47上に定着された画像が形成され
て、装置から搬出される。
【0069】一方、感光体ドラム41Aは、転写位置4
6を通り過ぎた後、クリーニング器50により、残存す
るトナーのクリーニングが行なわれ、さらに消去光源5
1からの消去光が照射されることによりその表面の電荷
が初期状態に戻され、再び、次の画像形成のサイクルに
移る。この感光体ドラム41Aは、定期的に交換するこ
とができるよう、カートリッジ式に構成されることもあ
る。
【0070】図16は、本発明の画像形成装置の実施形
態の主要部を示す模式図である。ここでは、一様に帯電
された感光体ドラム41Aにレーザ光を照射して感光体
ドラム41A上に静電潜像を記録する際に、半導体レー
ザアレイ50が使用される。この半導体レーザアレイ5
0は、それぞれが100個のレーザ素子で構成されたセ
クションを120有しており、全体の長さは254mm
に形成されている。したがって全素子数は12000個
であってそのピッチは約21μmである。
【0071】ここでは、このように構成された半導体レ
ーザアレイ50を、例えば図11に示す半導体レーザ駆
動装置で駆動し、半導体レーザアレイ50から画像情報
を担持したレーザ光を出射させる。この半導体レーザア
レイ50から出射したレーザ光は、2枚のレンズ51,
52を経由して、矢印E方向に回転する感光体ドラム4
1Aの表面を照射し、そこに静電潜像を形成する。
【0072】このように構成することにより、感光体ド
ラム41Aの表面を、画像情報を担持したレーザ光で走
査するにあたり、機械的な走査機構を持たない走査系が
実現し、装置の信頼性を向上させることができる。尚、
ここでは、感光体ドラム41Aに静電潜像を記録する画
像形成装置について説明したが、本発明にいう画像形成
装置は、例えば写真フイルムに潜像を形成するタイプの
ものであってもよい。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体レ
ーザアレイ駆動方法によれば、レーザ素子中の欠陥部分
の発熱が抑制され、レーザ素子の内部あるいは端面ある
いは電極に存在する欠陥の増殖が大幅に抑制され、半導
体レーザアレイの高寿命化が図られる。したがって半導
体レーザアレイを製造した際の検査も緩やかなものでよ
く、歩留りが大幅に向上し、コストが大幅に削減され
る。
【0074】また、このため、この半導体レーザアレイ
およびその駆動装置を用いた画像形成装置のコストも低
減され、信頼性の高い装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態で用いた半導体レーザアレイ
の断面構造を示す模式図である。
【図2】図1に示す半導体レーザアレイの駆動方法の一
例を示すタイミングチャートである。
【図3】寿命試験結果の一例を示す図である。
【図4】駆動条件と光出力の初期劣化速度との関係を示
す図である。
【図5】駆動条件と2000時間後の光出力の低下量と
の関係を示すグラフである。
【図6】活性層の上昇ピーク温度比の2乗とデューティ
比との積と、光出力の初期劣化速度との関係を示すグラ
フである。
【図7】活性層の上昇ピーク温度比2乗とデューティ比
との積と、2000時間後の光出力の低下量との関係を
示すグラフである。
【図8】長寿命化の条件を満足するパルス幅とデューテ
ィ比との関係を示すグラフである。
【図9】短寿命のレーザを短パルス駆動したときの光出
力の変化を示すグラフである。
【図10】面発光レーザの配列構造を示す模式図であ
る。
【図11】本発明の半導体レーザアレイ駆動装置の一実
施形態の構成を示した回路ブロック図である。
【図12】図11に示す半導体レーザアレイ駆動装置の
タイミングチャートである。
【図13】本発明の半導体レーザアレイ駆動装置のもう
1つの実施形態の構成を示した回路ブロック図である。
【図14】本発明の画像形成装置の一実施形態であるデ
ィスプレイ装置を表わす模式的構成図である。
【図15】画像形成装置の一例を示す模式図である。
【図16】本発明の画像形成装置の実施形態の主要部を
示す模式図である。
【符号の説明】
10,30,50 半導体レーザアレイ 11,11a,11b,…,11n 素子 20,20_1,…,20_k 駆動装置 21,21_1,…,21_k シフトレジスタ 22,22_1,…,22_k ラッチ回路 23a,23b,…,23n;23a_1,23b_
1,…,23n_1;…;23a_k,23b_k,
…,23n_k アンドゲート 24 シフトレジスタ 25,25_1,…,25_k ドライバ 26a,26b,…,26n 抵抗 36 表示画面 41 潜像記録体配置部 41A 感光体ドラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植木 伸明 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 岩佐 泉 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 布施 マリオ 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 福永 秀樹 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 中山 秀生 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一基体中に複数の発光点が配列されて
    なる半導体レーザアレイを駆動する半導体レーザアレイ
    駆動方法において、 連続電流による連続駆動時の発光点の活性層の上昇温度
    をΔT0 、パルス電流によるパルス駆動時の発光点の活
    性層の上昇温度をΔT1 としたとき、複数の発光点それ
    ぞれを、 ΔT1 /ΔT0 <1/2 を満足するパルス幅とデューティ比を有する駆動パルス
    で駆動することを特徴とする半導体レーザアレイ駆動方
    法。
  2. 【請求項2】 複数の発光点それぞれを、デューティ比
    xが0.4以下であって、かつデューティ比xとパルス
    幅y(μs)との間に、y<3.1exp(−8.9
    x)の関係が成立する駆動パルスで駆動することを特徴
    とする請求項1記載の半導体レーザアレイ駆動方法。
  3. 【請求項3】 同一基体中に複数の発光点が配列されて
    なる半導体レーザアレイを駆動する半導体レーザアレイ
    駆動装置において、連続電流による連続駆動時の発光点
    の活性層の上昇温度をΔT0 、 パルス電流によるパル
    ス駆動時の発光点の活性層の上昇温度をΔT1 としたと
    き、複数の発光点それぞれを ΔT1 /ΔT0 <1/4 を満足するパルス幅とデューティ比の駆動パルスで駆動
    することを特徴とする半導体レーザアレイ駆動方法。
  4. 【請求項4】 複数の発光点それぞれを、デューティ比
    xが0.1以下であって、かつデューティ比xとパルス
    幅yとの間に、y<0.22exp(−6.4x)の関
    係が成立する駆動パルスで駆動することを特徴とする請
    求項3記載の半導体レーザアレイ駆動方法。
  5. 【請求項5】 複数の発光点それぞれを、ΔT1 /ΔT
    0 <1/2を満足するパルス幅とデューティ比の駆動パ
    ルスで駆動し、さらに該デューティ比の逆数で規定され
    る個数の連続した発光点を1つのグループとし該グルー
    プ内では各発光点の発光の時刻が順次にずれた駆動パル
    スで駆動することを特徴とする請求項1記載の半導体レ
    ーザアレイ駆動方法。
  6. 【請求項6】 同一基体中に複数の発光点が配列されて
    なる半導体レーザアレイを駆動する半導体レーザアレイ
    駆動装置において、 前記複数の発光点のうちの少なくとも一部の複数の動作
    発光点それぞれを発光させるか否かを指示する発光指示
    信号を入力する信号入力部と、 前記複数の動作発光点のうち該発光指示信号により発光
    が指示されている動作発光点それぞれを、連続電流によ
    る連続駆動時の動作発光点の活性層の上昇温度をΔT
    0 、パルス電流によるパルス駆動時の動作発光点の活性
    層の上昇温度をΔT1 としたとき、 ΔT1 /ΔT0 <1/2 を満足するパルス幅とデューティ比を有する駆動パルス
    でパルス発光させる発光駆動部とを備えたことを特徴と
    する半導体レーザアレイ駆動装置。
  7. 【請求項7】 発光駆動部が、 前記複数の動作発光点それぞれを駆動するドライバと、 前記信号入力部から入力された前記発光指示信号により
    前記複数の動作発光点それぞれに発光が指示されている
    か否かを、該各動作発光点毎に順次に、かつ循環的に、
    一巡する周期に対するパルス幅の比として規定されるデ
    ューティ比xと該パルス幅y(μs)との間にy<3.
    1exp(−8.9x)の関係を満足するパルス信号の
    有無により、前記ドライバに伝達する発光制御回路とを
    備えたことを特徴とする請求項6記載の半導体レーザア
    レイ駆動装置。
  8. 【請求項8】 同一基体中に複数の発光点が配列されて
    なる半導体レーザアレイを備え、画像形成のための少な
    くとも1つのプロセスとして該半導体レーザを駆動する
    プロセスを含む画像形成装置であって、 前記複数の発光点のうちの少なくとも一部の複数の動作
    発光点それぞれを発光させるか否かを指示する画像信号
    を入力し、前記複数の動作発光点それぞれを、該各動作
    発光点に対応する前記画像信号が発光を指示しているこ
    とを条件として、連続電流による連続駆動時の各動作発
    光点の活性層の上昇温度をΔT0 、パルス電流によるパ
    ルス駆動時の各動作発光点の活性層の上昇温度をΔT1
    としたとき、 ΔT1 /ΔT0 <1/2 を満足するパルス幅とデューティ比を有するパルス駆動
    でパルス発光させる半導体レーザアレイ駆動部を有する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記半導体レーザアレイから発せられた
    光により画像を表示する表示画面を有することを特徴と
    する請求項8記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記半導体レーザアレイから発せられ
    た光により潜像が形成される潜像記録体を、固定的に、
    もしくは、着脱自在に備える潜像記録体配置部を有する
    ことを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記半導体レーザアレイが、前記複数
    の発光点が少なくとも主走査方向に配列されるように配
    設されてなることを特徴とする請求項8記載の画像形成
    装置。
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