JP2004096129A - 窒化物半導体素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 キャリア濃度の制御され、結晶性に優れた窒化物半導体層を提供することにより、その窒化物半導体層を用いた各種デバイスの発光効率、受光効率を向上させる
【解決手段】 n型窒化物半導体層と、インジウムを含む窒化物半導体よりなる活性層と、p型窒化物半導体層と、p電極層とを順に有する窒化物半導体素子において、前記窒化物半導体素子の少なくとも1つの窒化物半導体層には、p型不純物より大きな濃度の酸素を含有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

 本発明は、LED、LD等の発光デバイス、太陽電池、光センサー等の受光デバイスに応用される窒化物半導体素子を構成するp型窒化物半導体(InAlGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)の成長方法とその方法を用いた窒化物半導体素子に関する。
 窒化物半導体は格子欠陥が非常に多い半導体材料であり、さらに、ノンドープ(不純物をドープしない状態)で結晶内部にできた窒素空孔によりn型の導電性を示すことが知られている。そのため、p型不純物を窒化物半導体にドープしても高抵抗なi(insulater)型にしかならず、低抵抗なp型結晶を得るのが難しい材料であった。
 しかし、1983年、Saparinらが、Znをドープしたi型GaN層に、試料温度300Kにおいて、20keV、200A/cmを越えない範囲で電子線照射処理を行うことによって、ZnドープGaNのフォトルミネセンス(PL)強度が向上することを見い出した(Vestnik Moskovskogo Universiteta. Fizika, Vol.38, No.3, pp 56-59,1983)。また、特開昭63−239989号公報に、前記技術と類似した電子線照射処理技術が示された。その後、特開平2−257679号公報において、MgをドープしたGaNに電子線照射処理を行い、PL強度が向上することが示された。PL強度が向上するということは、即ち、電子線照射部分の抵抗率が低下して、i型がp型に接近していることを示している。これらの電子線照射の技術をMgドープGaNを例にとって説明すると、成長直後のMgドープGaNでは、MgがGaサイトに入っておらず、格子間位置のようなところにいる。このためMgはアクセプターとして働かずにMgドープGaNは高抵抗を示す。このi型GaNに電子線照射することにより、電子線のエネルギーでMgが移動してGaサイトに入り、Mgがアクセプターとして働くようになって低抵抗を示すようになるという。
Vestnik Moskovskogo Universiteta. Fizika, Vol.38, No.3, pp 56-59,1983
 一方、電子線照射とは別に、本出願人は特開平5−183189号公報において、p型不純物をドープした窒化物半導体をアニーリングすることによりp型とする技術を示した。この技術は、水素が半導体中に混入されてMgと結合して高抵抗となっているMgドープGaNから、アニーリングすることにより水素を除去し、Mgを正常なアクセプターとして作用させて、低抵抗なp型を得る技術である。この技術が発表されてから様々な研究機関でp型窒化物半導体が研究されるようになった。例えば特開平8−32113号には冷却速度を遅くする技術、特開平8−51235号には電極アニールとpアニールを同時に行う技術、特開平8−8460にはp層の上にn層を載せた状態でアニールする技術等が示されている。
特開平5−183189号公報 特開平8−32113号公報 特開平8−51235号公報 特開平8−8460号公報
 さらに、MBE法においてGaAs基板の上にBeと酸素とをドープしたGaNを成長させることにより高キャリア濃度のp型が得られることが示されている(Appl.Phys.Lett.69(18),28 Oct 1996 pp2707-2709)。
Appl.Phys.Lett.69(18),28 Oct 1996 pp2707-2709
 しかし、アニーリングによりp型層が得られたといっても、そのキャリア濃度は1×1018/cm以下にしか過ぎず、さらにキャリア濃度の高いp型層が求められている。キャリア濃度の高いp型層が得られると、窒化物半導体を用いたLED、LD等のVfが極端に低下し、LDに至っては発熱量が少なくなるので連続発振が可能となる。従って、本発明の目的とするところは、キャリア濃度の高いp型窒化物半導体が得られる成長方法を提供することにより、そのp型窒化物半導体を用いた各種デバイスの発光効率、受光効率を向上させることにある。
 本発明のp型窒化物半導体の成長方法は、有機金属気相成長法により窒化物半導体を成長させる方法において、前記窒化物半導体成長中にp型不純物と、酸素とを同時にドープすることを特徴とする。本発明ではp型不純物とは、周期律表第2A族、及び第2B族より選択される少なくとも1種の元素を指す。本発明の方法では複数のp型不純物を同時にドープする技術も本発明の範囲に含まれる。p型不純物はMgであることが最も好ましい。
 また本発明の成長方法は、p型不純物と酸素とを含む窒化物半導体を成長させた後、その窒化物半導体層中に含まれる水素を除くことを特徴とする。なお、窒化物半導体層に含まれる水素を除くとは、水素を全て除くのではく、微量除去することも本発明の範囲に含まれる。
 また、本発明の成長方法では水素を除く手段がアニーリング(熱処理)であることを特徴とする。アニーリングにはランプアニール、プラズマアニール、反応容器内でのアニール、冷却速度を遅くしてアニールする等の手段も含まれる。またアニーリングの他、電子線照射技術もあるが、実用的、工業的にはアニーリングが最も好ましい。アニーリングする場合、アニーリング温度は300℃以上が最も好ましく、水素を含まない雰囲気中で行う。水素を含む雰囲気中で行うとHが再吸蔵されてしまうからである。
 さらに、酸素のドープ量を調整することにより、窒化物半導体の正孔キャリア濃度を調整することを特徴とする。正孔キャリア濃度を調整できるとp−、p+等の窒化物半導体が容易にできる。
 本発明の窒化物半導体素子は、n型窒化物半導体層と、インジウムを含む窒化物半導体よりなる活性層と、p型窒化物半導体層と、p電極層とを順に有する窒化物半導体素子において、前記活性層と、前記p電極層との間に、p型不純物と酸素とがドープされたp型窒化物半導体層を少なくとも1層有することを特徴とする。
 さらに本発明の素子では、p型不純物と酸素とがドープされたp型窒化物半導体層の酸素のドープ量が、p型不純物のドープ量に対して、0.1%以上で、p型不純物のドープ量を越えない範囲であることを特徴とする。
 p型不純物は、前記のように周期律表第2A族、及び第2B族より選択される少なくとも1種の元素であるが、その中でも好ましくはMg、Ba、Ca、Sr、Zn等の環境にほとんど無害で、取り扱いやすい元素が好ましく、その中でも、特にMgが最も高キャリア濃度のp型が得られる。
 本発明ではp型不純物に加えて、酸素をドープしていることにより、本質的に活性層に注入される正孔の数が増え、発光効率が向上することはもちろんのこと、p層のキャリア濃度が増加するので、p層と好ましいオーミックが得られる。このようなp層の上にp電極を形成すると、さらに接触抵抗を下げることができてVfを大幅に低下させることができる。このような本発明の技術は、LED、LDのような発光デバイスだけではなく、トランジスタ、FET、MOS等の窒化物半導体を用いた全ての電子デバイスに適用できることはいうまでもない。
 窒化物半導体素子のVfが低下すると、窒化物半導体を利用したフルカラーディスプレイに非常に好都合である。即ち、現在のフルカラーディスプレイは、赤色LEDがGaAs系またはAlInGaP系の半導体材料よりなり、緑色LEDと、青色LEDが窒化物半導体よりなる。GaAs系、AlInGaP系の赤色LEDはVfが1V台であるのに対して、窒化物半導体のLEDは従来では3.5Vもあった。そのため青色、緑色LEDの電流を下げて使用して、LEDに多大な発熱を与えないようにして使用されていた。一方、赤色LEDは緑色、青色LEDと輝度バランスをとるために、個数を増やしたり、規格値いっぱいで使用されるような過酷な条件で使用されていた。そのため、赤色LEDは、青色LED、緑色LEDに比べて、発熱による信頼性が低いという欠点があった。しかしながら、本発明によると緑色、青色LEDのVfが低下したので、全体の発熱量が低下させることができる。そのため、本発明のフルカラーディスプレイを実現すると、全体の信頼性が向上する。さらに、信号灯のような過酷な条件で使用される場合においても、Vfが低下すると発熱量も少なくなり、信頼性が大幅に向上する。
 図1は従来のp型不純物のみをドープした窒化物半導体と、本発明のp型不純物と、酸素と同時にドープした窒化物半導体とが、アニーリングによって低抵抗なp型に変わることを比較して示す図である。これはサファイア基板の上にGaNよりなるバッファ層を200オングストローム成長させ、その上に、MgをドープしたGaN(従来)、MgとOとをドープしたGaN(本発明)の抵抗率をそれぞれ温度の関数としてプロットして示す図である。
 この図に示すように、本発明によると従来と比べて抵抗率が2桁近く低下する。抵抗率が2桁も低下すると、p型層に形成したオーミック電極の接触抵抗がさらに低下するので、素子のVfを大幅に低下させることができる。また、従来では400℃付近から抵抗率が低下し始めていたのに対し、本発明では300℃付近から抵抗率が低下し始める。アニーリング温度が低下するということは、従来に比較して短時間でp型化でき、さらに、アニーリング装置の選択肢も広がり、熱処理できる装置であれば、ほとんどの手段が使用できるようになるという効果がある。なお、図1はMgドープGaNについて示したものであるが、他の窒化物半導体、例えばAlGaNのようなAlを含む窒化物半導体についても同様の傾向があることが確認された。さらに他のp型不純物、例えばZn、Ba、Be等についても同様の傾向があることが確認されたが、Mgが酸素との組み合わせにおいて最も顕著な効果があることが確認された。
 本発明のp型窒化物半導体(以下、本発明の説明において、窒化物半導体をGaNということがある。)は有機金属気相成長法で成長される。有機金属気相成長法では原料ガスにN源として、アンモニア、ヒドラジン等のHを含む化合物が使用される。これらの水素化合物がGaN成長時、若しくは成長後に、反応容器内において分解して、どうしてもp型不純物と共にGaN層中に取り込まれる。ドープされたp型不純物の多くはGaN結晶内においてGaサイトに入っておらず、GaとNの中間のような位置にある。しかもp型不純物は結晶中にドープされるHと結合しており不活性化している。そこで、本発明では酸素をp型不純物と同時にドープすることにより、Gaサイトに入っていないp型不純物が酸素で置き換わり、p型不純物がGaサイトに入りやすくする。しかも酸素を後からイオンインプランテーション等で打ち込むのではなく、p型不純物と同時にドープするために、酸素がGaとNの中間位置、若しくはN位置に入りやすくなって、よりp型不純物をGaサイトに入りやすくする。つまり、水素を除去する前に、Gaサイトに入るp型不純物の量を多くできるため、p型不純物と結合した水素が除去されてから、アクセプターとして作用するp型不純物量が増えるのでキャリア濃度が大幅に向上する。
 図2はOとMgをドープして、アニーリングにより低抵抗なp型としたp型窒化物半導体層のO濃度と正孔キャリア濃度との関係を示す図である。これはMOCVD法により、MgとOとをドープしたGaNを成長させる際に、O源のガス流量を変えて、Mgを1×1020/cmドープしたGaN層に、Oを数々の濃度でドープしたGaN層を作製し、そのGaN層のキャリア濃度と、O濃度との関係を示している。
 図2に示すように、p型GaNは、Mgを1×1020/cmもドープしているにもかかわらず、キャリア濃度は3×1017/cmしか過ぎない。これは正常なアクセプターとして作用しているp型不純物が如何に少ないかを示している。しかしながら、Oを1×1017/cm付近(Mgに対して0.1%)以上ドープすることにより、キャリア濃度が2桁も上がり、5×1018/cm〜8×1019/cm付近でほぼ一定となる。そして、ドープしたp型不純物の量と同じ程度になると、ドナーとアクセプターとが相殺するようになり、O濃度がp型不純物を超えると、n型となるために、正孔キャリア濃度は負の値となる。従って、p型不純物に対するOの好ましいドープ量は、0.1%以上で、p不純物量を超えない範囲が望ましく、さらに好ましくは0.5%以上、最も好ましくは5%以上、80%以下である。このようにp型不純物とOとを同時にドープするとキャリア濃度は2桁も向上するが、未だドープしたp型不純物の量だけのキャリア濃度を得ることは難しい。これはGaサイトに入っていないp型不純物がまだ数多く残っていることと、格子欠陥が多く存在するためと推察される。
 また本発明では、p型不純物とOとを同時にドープすることにより、p型層のキャリア濃度をOで調整できる。つまり従来であれば、p型不純物濃度と、アニーリングのみでキャリア濃度を調整していたが、新たにOをドープして、ドープ量を変化させることにより、容易にキャリア濃度が調整できる。このため、活性層から上のp型層を、例えばキャリア濃度の小さいp−層、キャリア濃度の大きいp+層と順に積層して、キャリア濃度の大きいp+層にp電極を形成すると、キャリアの注入効率が向上して出力が向上する。
 p型不純物と、Oとを同時にドープする窒化物半導体は、インジウムを含む窒化物半導体よりなる活性層を成長させた後に、成長させることが望ましい。Inを含む活性層、特にInGaNは、その結晶の性質が、他のAlを含む窒化物半導体に比べて柔らかいか、若しくは弾性がある。そのためInGaNがバッファ層のような役割をする。従ってInGaNの上に成長される窒化物半導体は結晶の性質が良くなり、p型ドーパントとOとをドープして、高キャリア濃度のp型になりやすい。
 以下、図面を元に本発明の方法を用いた窒化物半導体素子を作製する方法について説明する。図1は本発明の一実施例に係る窒化物半導体発光素子の構造を示す模式的な断面図であり、具体的にはLEDの構造を示している。
 サファイア(C面)よりなる基板1を反応容器内にセットし、容器内を水素で十分置換した後、水素を流しながら、基板の温度を1050℃まで上昇させ、基板のクリーニングを行う。基板1にはサファイアC面の他、R面、A面を主面とするサファイア、その他、スピネル(MgA1)のような絶縁性の基板の他、SiC(6H、4H、3Cを含む)、ZnS、ZnO、GaAs、GaN等の半導体基板を用いることもできる。
 続いて、温度を510℃まで下げ、キャリアガスに水素、原料ガスにアンモニアとTMG(トリメチルガリウム)とを用い、基板1上にGaNよりなるバッファ層2を約200オングストロームの膜厚で成長させる。バッファ層はAlN、GaN、AlGaN等が、900℃以下の温度で、膜厚数十オングストローム〜数百オングストロームで形成できる。このバッファ層は基板と窒化物半導体との格子定数不正を緩和するために形成されるが、窒化物半導体の成長方法、基板の種類等によっては省略することも可能である。
 バッファ層2成長後、TMGのみ止めて、温度を1030℃まで上昇させる。1030℃になったら、同じく原料ガスにTMG、アンモニアガス、ドーパントガスにシランガスを用い、n型コンタクト層3として、Siを8×1018/cmドープしたSiドープn型GaN層を5μmの膜厚で成長させる。またこの層は、電極を形成するべきコンタクト層としてだけではなく、キャリアを閉じこめるn型のクラッド層としても作用する。n型コンタクト層3はInAlGa1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成することができ、特にGaN、InGaN、その中でもn型不純物、特にSi若しくはGeをドープしたGaNで構成することにより、キャリア濃度の高いn型層が得られ、またn電極と好ましいオーミック接触が得られる。n電極の材料としてはAl、Ti、W、Cu、Zn、Sn、In等の金属若しくは合金が好ましいオーミックが得られる。
 次に、温度を800℃にして、キャリアガスを窒素に切り替え、原料ガスにTMG、TMI(トリメチルインジウム)、アンモニアを用いて、膜厚30オングストロームの単一量子井戸構造(SQW:Single Quantum Well)のIn0.2Ga0.8Nよりなる活性層4を成長させる。Inを含む窒化物半導体よりなる活性層4は単一量子井戸構造、若しくは多重量子井戸構造(MQW:Multi Quantum Well)とすることが望ましい。活性層をSQW、MQWのような量子井戸構造で構成する場合、少なくともIn含む窒化物半導体よりなる井戸層を有することが望ましく、単一井戸層の好ましい膜厚は70オングストローム以下、さらに好ましくは50オングストローム以下の膜厚に調整する。MQWの場合、障壁層は井戸層よりもバンドギャップエネルギーが大きい窒化物半導体層で構成し、膜厚は150オングストローム以下、さらに好ましくは100オングストローム以下に調整する。MQWの場合、障壁層も特にInを含む窒化物半導体とする必要はないが、好ましくはInを含む井戸層よりもバンドギャップの大きい窒化物半導体とする。なぜなら、Inを含む窒化物半導体は、AlGaN、GaNよりも成長温度が低い。つまり分解温度がAlGaNよりも低い。低温で成長させるInGaNよりなる井戸層の上に、高温で成長させるAlGaNよりなる障壁層を積層しようとすると、少なからずInGaNが分解する。そのためInGaNよりなる井戸層とInGaNよりなる障壁層とを積層するのであれば、同一温度で成長できるため、先に成長させたInGaN層が分解することがないので、高出力な発光素子を実現することができる。
 活性層4成長後、温度を1050℃にして、原料ガスにTMG、TMA(トリメチルアルミニウム)、アンモニア、不純物ガスに酸素ガス、p型不純物ガスにCp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)ガスを同時に用いて、窒素キャリア中、Oを5×1017/cmと、Mgを1×1020/cmドープした低キャリア濃度のp−型Al0.2Ga0.8Nよりなるp型クラッド層5を0.5μmの膜厚で成長させる。活性層に接するp型層を、Alを含む窒化物半導体層、好ましくはAlGa1−XN(0<X≦1)とすると発光出力が向上する。このp型クラッド層5は100オングストローム以上、2μm以下、さらに好ましくは500オングストローム以上、1μm以下で成長させることが望ましい。100オングストロームよりも薄いとクラッド層として作用しにくく、2μmよりも厚いと結晶中にクラックが入りやすくなるからである。このようにp型不純物と酸素をドープした窒化物半導体成長時は、キャリアガスは窒素、アルゴンのような不活性ガスを用いることは言うまでもない。また酸素をドープするには、原料ガスに意図的に酸素を混入させても良いが、定量的にドープするには原料ガスとは別に不純物ガスとしてMFC(マスフローコントローラー)で流量を制御しながらドープすることが望ましい。
 続いて、温度を1030℃に保ち、TMAガスを止め、シランガスの流量を多くし、Mgを1×1020/cm、Oを1×1019/cmドープした高キャリア濃度のp+型GaNよりなるp型コンタクト層5を0.5μmの膜厚で成長させる。p型コンタクト層5はp型のInAlGa1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成することができるが、特に好ましくはInGa1−XN(0≦X≦1)とする。本発明のように1×1019/cm以上のキャリア濃度が得られるp型層をコンタクト層とすると、オーミック電極材料との接触抵抗が下がる。p型層と好ましいオーミックが得られる電極材料には、例えばCr、Ni、Au、Pd、Ti等がある。
 反応終了後、温度を600℃まで下げ、窒素雰囲気中、ウェーハを反応容器内において、アニーリングを行い、p型クラッド層、p型コンタクト層中に含まれる水素の一部を除去し、p型層をさらに低抵抗化する。
 アニーリング後、ウェーハを反応容器から取り出し、図3に示すように、RIE装置でにより最上層のp型コンタクト層6側からエッチングを行い、n電極8を形成すべきn型コンタクト層3の表面を露出させる。
 次に、p型コンタクト層12にNiとAuよりなるp電極7を形成し、一方、露出したn型コンタクト3にはTiとAlよりなるn電極8を形成する。
 以上のようにして、p電極7、n電極8を形成したウェーハを研磨装置に移送し、ダイヤモンド研磨剤を用いて、窒化物半導体を形成していない側のサファイア基板1をラッピングし、基板の厚さを90μmとして、サファイア基板側をスクライブして350μm角のLEDチップとする。このLEDチップを順方向電流(If)20mAで発光させたところ、p層にSiをドープしない従来のLEDは(順方向電圧)Vfが3.5Vであったのに対し、本発明のLEDは2.8Vと0.7Vも低下した。また発光波長450nmにおいて、出力は従来のLEDに比較して1.5倍に向上した。
[実施例2]
 実施例1において、p型クラッド層5を成長させる際にOを1×1019/cmドープする他は同様にして、LED素子を作製したところ、Vfは実施例1のものとほぼ同等であり、出力は従来のLEDと比較して1.3倍であった。
Oとp型不純物とをドープした本発明のp型窒化物半導体と、従来のp型窒化物半導体において、アニール温度と抵抗率の関係を比較して示す図。 本発明の方法における窒化物半導体層のSi濃度と、正孔キャリア濃度との関係を示す図。 本発明の一実施例によるLED素子の構造を示す模式断面図。
符号の説明
1・・・基板
2・・・バッファ層
3・・・n型コンタクト層
4・・・活性層
5・・・p型クラッド層
6・・・p型コンタクト層
7・・・p電極
8・・・n電極

Claims (7)

  1. 有機金属気相成長法により窒化物半導体を成長させる方法において、前記窒化物半導体成長中にp型不純物と、酸素とを同時にドープすることを特徴とするp型窒化物半導体の成長方法。
  2. 前記窒化物半導体を成長させた後、その窒化物半導体層中に含まれる水素を除くことを特徴とする請求項1に記載のp型窒化物半導体の成長方法。
  3. 前記水素を除く手段がアニーリングであることを特徴とする請求項1に記載のp型窒化物半導体の成長方法。
  4. 前記アニーリング温度が300℃以上であることを特徴とする請求項2に記載のp型窒化物半導体の成長方法。
  5. 前記酸素のドープ量を調整することにより、窒化物半導体の正孔キャリア濃度を調整することを特徴とする請求項1乃至4の内のいずれか1項に記載のp型窒化物半導体の成長方法。
  6. n型窒化物半導体層と、インジウムを含む窒化物半導体よりなる活性層と、p型窒化物半導体層と、p電極層とを順に有する窒化物半導体素子において、前記活性層と、前記p電極層との間に、p型不純物と酸素とがドープされたp型窒化物半導体層を少なくとも1層有することを特徴とする窒化物半導体素子。
  7. 前記p型不純物と酸素とがドープされたp型窒化物半導体層の酸素のドープ量が、p型不純物のドープ量に対して、0.1%以上で、p型不純物のドープ量を越えない範囲であることを特徴とする請求項6に記載の窒化物半導体素子。
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