JP4107410B2 - 単球捕捉フィルター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、末梢血などから単球を選択的に分離できる単球捕捉フィルターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、細胞機能の研究や、細胞の分離、培養技術の進歩によって、種々の疾患に対して細胞を移植する治療法が試みられている。このような治療では、血液や組織液など種々の細胞が混在した細胞懸濁液から目的細胞を分離し、培養等の操作の後、患者へ細胞を移植することが行われている。
【0003】
樹状細胞は、強力な抗原提示細胞としての機能が最近明らかになり、細胞治療の一つとして研究が進められている。この治療は、樹状細胞に患者の癌細胞あるいは癌特異的抗原を提示する方法、樹状細胞に抗原遺伝子を導入する方法、樹状細胞を腫瘍細胞と細胞融合させる方法などの処理を行い、処理された樹状細胞を患者に戻すことで、患者の持つ免疫機能を強化させる一種の免疫療法であり、癌ワクチンとしての利用が期待されている。
【0004】
この治療のために必要な樹状細胞は、骨髄、末梢血、臍帯血に含まれるCD34陽性細胞から培養によって分化誘導させる方法、末梢血や臍帯血に含まれる未熟な樹状細胞を採取する方法、末梢血単核球分画から培養によって分化誘導させる方法などによって得られ、特に末梢血単球を利用する方法が臨床応用に広く用いられている。
【0005】
末梢血単球を利用する方法では、最初にアフェレーシスや比重遠心法によって末梢血中の単球を分離し、さらに比重遠心法や非付着性細胞の除去を行うことによって単球を分離している。このようにして得られた単球は、IL−4、GM−CSFなどのサイトカインや血清を添加した培養液中で培養される。
【0006】
このような操作は、一般的な培養用の理化学用具を用いて行われているため、分離操作中に何回も分離用遠沈管に移し替える作業が必要であるので、操作が非常に煩雑である。また、遠心操作を繰り返すので、細胞へのダメージが大きく、細胞のロスの危険性が高いだけでなく、また、処理に時間を要する。さらに、分離操作と培養操作は、開放操作で行われるために細菌汚染の危険性が高い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡単な操作で、末梢血などから単球を効率良く分離することができる単球捕捉フィルターを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜()の本発明により達成される。
【0009】
(1) 単球を含有する被処理液から単球を選択的に捕捉する単球捕捉フィルターであって、前記単球捕捉フィルターは、平均孔径が6〜8μmであり、かつ肉厚(mm)と平均孔径(mm)との比が100〜200であることを特徴とする単球捕捉フィルター。
【0010】
(2) 前記肉厚(mm)と平均孔径(mm)との比が120〜150である上記(1)に記載の単球捕捉フィルター。
(3) 前記単球を含有する被処理液は、末梢血である上記(1)または(2)に記載の単球捕捉フィルター。
(4) 前記単球捕捉フィルターは、連通孔を有するスポンジ状多孔質体からなる上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の単球捕捉フィルター。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例に係る単球捕捉フィルターを詳細に説明する。
【0018】
最初に、本発明の実施例に係る単球捕捉フィルターについて説明する。図1は、本発明の実施例に係る単球捕捉フィルターを用いる単球分離器具の平面図であり、図2は、図1の断面図である。
【0019】
図1および図2に示すように、本発明の実施例に係る単球捕捉フィルター11は、単球を含有する被処理液(例えば、末梢血、臍帯血など)から単球を選択的に捕捉できる濾材であり、ハウジング12内を流入室15と流出室16とに区分するように設けられている。ハウジング12は、ガス透過性がある材質からなり、流入口13および流出口14を有するものである。本実施例において、単球分離器具1は、ハウジング12と単球捕捉フィルター11とを備えるものであり、流入口13からハウジング12内に入った被処理液が流入室15を通って、必ず単球捕捉フィルター11を通過して、流出室16に流れ、流出口14から出るように構成されている。
【0020】
ここで、本発明における被処理液とは、末梢血、臍帯血または骨髄液、これらを比重遠心分離することにより得られた単球浮遊液、バフィーコートなどの単球を含有する生体由来の液状物である。
ハウジング12は、2枚のシートからなり、単球捕捉フィルター11によって捕捉された単球を培養するのにあったて支障のない程度のガス透過性を有する熱可塑性樹脂からなる。具体的には、軟質ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
【0021】
また、流入口13および流出口14は、チューブ形状であり、ハウジング12を構成する2枚のシートの間に、単球捕捉フィルター11と共に挟んだ状態で高周波融着や熱シールすることによって、ハウジング12に固定されるため、ハウジング12とのシール性に優れる材料からなる。具体的には、ハウジング12と同一の材料か、融点が近い材料である。
【0022】
単球捕捉フィルター11は、肉厚(mm)と平均孔径(mm)との比(肉厚/平均孔径)が100〜200の範囲になるものであり、120〜150の範囲であることがより好適である。肉厚(mm)と平均孔径(mm)との比は、この範囲より小さくなると単球の捕捉率の低下を招く。また、この範囲より大きくなると、単球以外の細胞の捕捉率が高くなり、余分な細胞成分が多くなる。
【0023】
単球捕捉フィルター11の平均孔径は、直径55mmの円盤状に打抜いたフィルターをパームポロメーターで測定したときの値である。また、単球捕捉フィルター11は、総肉厚と平均孔径との比が上記の範囲に入るものであれば、単層(1枚)でも複数層(複数枚を重ねたもの)からなるものでもよい。
単球捕捉フィルター11は、単球以外の細胞は吸着しない材料で、細胞培養用担体として使用可能なものであればよい。また、液を通過させる観点から、親水性、保水性を有するものが好ましい。このような材料としては、天然樹脂、合成樹脂、天然繊維、合成繊維などが挙げられる。具体的には、ポリウレタン、ポリビニルアルコールなどの合成樹脂からなる連通孔を有するスポンジ状多孔質体や、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィンなどの合成樹脂からなる織布または不織布からなる繊維塊である。
【0024】
次に、本発明の実施例に係る単球捕捉フィルターを用いた単球分離培養装置について説明する。図3は、本発明の実施例に係る単球捕捉フィルターを用いた単球分離培養装置を説明するための平面図である。また、図4は、本発明の他の実施例に係る単球捕捉フィルターを用いた単球分離培養装置を説明するための平面図である。
【0025】
図3に示すように、本発明の実施例に係る単球捕捉フィルターを用いた単球分離培養装置100は、単球を含有する被処理液から単球を選択的に分離するとともに、分離された単球を培養するためのフィルターを備えるバッグシステムであり、上述した単球分離器具1と、単球分離器具1の流入口13に連通する被処理液の流入ライン21と、流入ライン21に連通する培養液の添加ライン22と、単球分離器具1の流出口14に連通する排出ライン31とを備える。
【0026】
流入ライン21は、末端に単球を含有する被処理液(例えば、末梢血、臍帯血などの未処理液)を収容するための処理液バッグ2を備えている。この処理液バッグ2には、被処理液をバッグ内に収容する採液ライン23が設けられていることが好ましい。
【0027】
被処理液が末梢血である場合には、処理液バッグ2として公知の採血バッグを用いることができ、この場合には、採液ライン23は末端に採血針(図示せず)を有する採血チューブを用いられる。また、被処理液が臍帯血や骨髄液である場合には、処理液バッグ2として凍結保存に適した材料からなる容器を用いることができる。
【0028】
添加ライン22は、添加ポート222と、この添加ポート222の先端に設けられたコネクタ221を備えている。このコネクタ221は、洗浄液が入ったシリンジや容器(図示せず)を接続するために設けられている。
【0029】
排出ライン31は、末端に廃液バッグ34を有し、単球分離器具1を通過した被処理液を回収するための回収ライン32と、使用済みの培養液を排出するための廃液ライン33とに分岐している。図3に示す実施例では、廃液ライン33の末端に廃液バッグ34が設けられている。
【0030】
図4に示すように、本発明の他の実施例に係る単球捕捉フィルターを用いた単球分離培養装置110においては、廃液ライン33が、廃液ポート332と、この廃液ポート332の先端に設けられたコネクタ331とから構成されている。このコネクタ331には、廃液を収容するためのシリンジ、バッグ、容器など(図示せず)を接続することができる。このように、単球分離培養装置110は、図3に示す単球分離培養装置100と廃液ライン33の構成が異なる。なお、この他の構成については、図3に示す単球分離培養装置100と同様であるため説明を省略する。
【0031】
処理液バッグ2、回収バッグ3および廃液バッグ34は、軟質ポリ塩化ビニルのような熱可塑性樹脂材料からなる2枚のシートを高周波融着や熱シールにより融着して作製された公知の血液バッグを用いられる。
【0032】
図示した処理液バッグ2、回収バッグ3および廃液バッグ34は、それぞれ2つの排出口25,35,345を有するものであるが、これに限らず、排出口がなくても、排出口が1つまたは3つ以上あってもよい。これらの排出口は、バッグ内の液体をサンプリングしたり、バッグ内の液体を別のバッグなどに分離するために設けられている。
【0033】
図3および図4における流入ライン21、排出ライン31および回収ライン32と、図3における廃液ライン33は、軟質ポリ塩化ビニルのような熱可塑性樹脂材料からなる可撓性のチューブで構成されている。これらの各ラインには、必要に応じて、ローラークレンメ、ワンタッチクレンメなどの開閉手段を取り付けることができる。
【0034】
次に、本発明の実施例に係る単球捕捉フィルターを用いた単球分離培養装置の使用方法、すなわち、本発明の実施例に係る単球捕捉フィルターを用いた樹状細胞回収方法について説明する。
【0035】
本発明の実施例に係る単球捕捉フィルターを用いた樹状細胞回収方法は、上述した単球分離器具を用いて、単球を含有する被処理液から単球を選択的に分離するとともに、分離された単球から得られる樹状細胞を回収する方法であり、以下の(1)〜(4)の工程を含むものである。
【0036】
(1)単球を含有する被処理液(例えば、末梢血)を単球分離器具1の流入口13から導入して、単球捕捉フィルター11により単球を捕捉し、その他の被処理液(実質的に単球を除く細胞成分を含む末梢血)を単球分離器具1の流出口14から排出する工程
【0037】
(2)培養液(培地およびサイトカインを含有する溶液)を単球分離器具1の流入口13から導入して、分離された単球から樹状細胞を分化誘導する工程、
【0038】
(3)抗原溶液(抗原分子およびサイトカインを含有する溶液)を単球分離器具1の流入口13から導入して、樹状細胞に抗原を提示する工程
【0039】
(4)単球分離器具1の流入口13から抗原を提示された樹状細胞を回収する工程
【0040】
以下、図3に示す単球分離培養装置100を用いて、単球を含有する被処理液として末梢血(全血)を用いる場合を例にして、上記各工程を具体的に説明する。
【0041】
上記(1)の工程は、全血から単球を分離するための工程である。この工程では、予め処理液バッグ2に収容され、抗凝固剤と混合された全血を、流入ライン21を通して流入口13から単球分離器具1内に導入し、単球捕捉フィルター11に通して実質的に単球のみを選択的に捕捉させることにより分離し、残りの血液成分(赤血球、血小板、リンパ球および顆粒球)を単球分離器具1の流出口14から排出させることにより、全血から実質的に単球だけが単球分離器具1内に分離され、残りの血液成分は排出ライン31および回収ライン32を介して回収バッグ3内に回収される。なお、このような操作に先立って、プライミング操作を行うことが好ましい。
【0042】
この工程においては、残りの血液成分を確実に排出させるために、単球捕捉フィルター11に単球を捕捉させた状態で洗浄液を通して単球捕捉フィルター11を洗浄することが好ましい。具体的には、予め洗浄液が充填されたシリンジ(図示せず)を添加ライン22のコネクタ221に接続し、洗浄液を添加ポート222から流入口13を介して単球分離器具1内に流入し、単球捕捉フィルター11に通過させて、流出口14から排出ライン31および回収ライン32を介して回収バッグ3内に排出することにより、単球分離器具1の流出室16などに残留していた残りの血液成分が確実に洗い流される。洗浄液としては、FCS、ヒト血漿、ヒトアルブミン等を加えた生理食塩水や、デキストラン40、PBSなどを用いることができる。
【0043】
このような(1)の工程が終了後に、末梢血(全血)が入っていた処理液バッグ2および残りの血液成分が回収された回収バッグ3は、不要となるので、処理液バッグ2は流入ライン21の所定位置でチューブシーラーを用いてシールして取り外し、回収バッグ3は回収ライン32の所定位置でチューブシーラーを用いてシールして取り外す。
【0044】
上記(2)の工程は、単球から樹状細胞を分化誘導するための工程である。この工程では、単球分離器具1の流入口13を開放状態、流出口14を閉塞状態とし、予め培地およびサイトカインを含有する培養液を入れたシリンジを添加ライン22のコネクタ221に接続して、添加ポート222から流入ライン21を介して、流入口13から単球分離器具1内の単球捕捉フィルター11に捕捉されている単球に培養液を添加することにより、単球から樹状細胞が分化誘導される。この工程で用いる培養液は、培地およびサイトカインを含有するものである。
【0045】
この工程では、単球分離器具1の流入口13および流出口14を閉塞状態とし、一定時間経過後に、流出口14を開放状態にして、単球分離器具1内の培養液を排出し、流出口14を閉塞し、流入口13を再び開放状態として、新しい培地およびサイトカインを含有する培養液を単球分離器具1内に導入し、流入口13を閉塞し、一定時間経過後に、この操作(培養液の交換)を複数回繰り返し行うことにより、短時間で効率良く、単球から樹状細胞を分化誘導することができる。
【0046】
この操作にあたって、単球分離器具1内の培養液の排出は、培養液を排出ライン31から廃液ライン33を介して廃液バッグ34に送り込むことにより行われる。なお、図4に示す単球分離培養装置110を用いる場合には、廃液ライン33のコネクタ331に、廃液を回収するためのバッグなどを接続して行われる。
【0047】
この工程で用いる培地としては、1〜10%FCS、ヒト血漿が加えられたRPMI 1640またはX−Vivo 10、AIM−Vなどが挙げられる。サイトカインとしては、GM−CSFおよびIL−4などを用いることができる。
このような()の工程は、単球から樹状細胞分化誘導されるまで行われる。具体的には、3〜20日程度、好ましくは5〜10日程度行う。このような一連の操作は、37℃,5%CO雰囲気下で行うことが好ましい。
【0048】
上記(3)の工程は、樹状細胞に抗原を提示するための工程である。この工程では、抗原溶液を単球分離器具1の流入口13から導入して、樹状細胞に抗原が提示される。抗原分子の導入は、予め抗原分子を充填したシリンジ(図示せず)を添加ライン22のコネクタ221に接続し、抗原溶液を添加ポート222から流入口13を介して単球分離器具1内に導入し、樹状細胞に添加することにより行われる。この工程で用いる抗原溶液は、抗原分子を含有するものであり、抗原分子の他にサイトカインを含有していても良い。抗原分子としては、癌細胞溶解産物、酸抽出ペプチド、癌特異的合成ペプチドなどを用いることができる。また、サイトカインとしては、TNF−αなどを用いることができる。
【0049】
このような(3)の工程は、数時間〜数日、好ましくは4時間〜2日行う。この間に、培養液の交換、培地の交換またはサイトカインの交換や、抗原分子の添加を必要に応じて行うことにより、確実に樹状細胞に抗原を提示することができる。
【0050】
上記(4)の工程は、抗原を提示された樹状細胞を回収するための工程である。この工程では、単球分離器具1の流入口13から抗原を提示された樹状細胞が回収される。抗原提示後の樹状細胞の回収は、単球分離器具1内の培養液を排出した後に、置換液を導入して、培養液を流出口から排出し、次いで、回収液を導入する操作により行う。
【0051】
具体的には、最初に、単球分離器具1内の培養液を単球分離器具1の流出口14から排出ライン31および廃液ライン33を介して廃液バッグ34内に排出し、その後に、予め置換液を充填したシリンジ(図示せず)を添加ライン22のコネクタ221に接続し、置換液を添加ポート222から単球分離器具1の流入口13を介して単球分離器具1内に導入し、抗原提示後の樹状細胞を置換液に浮遊させ、次いで、置換液が入っていたシリンジで樹状細胞浮遊液を吸引することにより、シリンジ内に抗原提示後の樹状細胞を回収する。
【0052】
なお、図4に示す単球分離培養装置110を用いる場合には、廃液を回収するためのバッグ(図示せず)を廃液ライン33のコネクタ331に接続して、このバッグ内に培養液を排出する。また、樹状細胞の回収は、置換液を単球分離器具1内に流入した後に、予め回収液を充填したシリンジなど(図示せず)を廃液ライン33のコネクタ331に接続し、回収液を廃液ポート332から排出ライン31を介して流出口14から単球分離器具1内に流入し、単球捕捉フィルター1に通して(逆流させる)、置換液が入っていたシリンジに排出することにより行うことができる。
【0053】
この工程で用いる回収液としては、FCS、ヒト血漿、ヒトアルブミンなどを加えた生理食塩水や、デキストラン40、PBSなどを好適に用いることができる。また、置換液としても、回収液と同様のものを用いることができる。
【0054】
【実施例】
表1に示すような、平均孔径、肉厚および肉厚と平均孔径の比(肉厚/平均孔径)を有する実施例1〜10および比較例1〜9の単球捕捉フィルターを作製し、単球および残りの血液成分(リンパ球、顆粒球、赤血球および血小板)の捕捉率を算出した。
【0055】
ポリウレタン製のスポンジ状多孔質体を直径26mmの円形に切り抜いて、単球捕捉フィルターを作製した。このフィルターを外周面からの液漏れがないように平膜固定用の容器にセットした。そして、この容器の流入口には軟質ポリ塩化ビニル製チューブを接続し、流出口には21G注射針(21G)を接続し、この注射針の先端に、ろ過した血液を回収できるように血液回収容器をセットした。なお、流出口から血液回収容器までの落差は15cmとした。
【0056】
最初に、流入口から0.5%アルブミン加生理食塩水を平膜固定用容器に流してプライミングし、次いで、予め各血球成分数(リンパ球、顆粒球、赤血球および血小板)をカウントしたCPD加新鮮全血(末梢血)10mLを3mL/minの流速でろ過し、フィルターに単球を捕捉させた。そして、30mLの0.5%アルブミン加生理食塩水を流してフィルターを洗浄した。このような操作の終了後に、ろ液中の各血球成分の数をカウントし、捕捉率を算出した。この結果を表1に示す。なお、ろ過前後の各血球成分数は、自動血球計算機(Sysmex
SE−9000)で測定した。
【0057】
【表1】
Figure 0004107410
【0058】
表1に示す結果より、実施例1〜9の単球捕捉フィルターは、単球の捕捉率が高く、残りの血液成分(リンパ球、顆粒球、赤血球および血小板)の捕捉率は低く、単球が選択的に捕捉されている。特に、実施例2および実施例3の単球捕捉フィルターは、リンパ球、顆粒球、赤血球および血小板の捕捉率が低い。
これに対して、比較例1〜9のフィルターは、単球の捕捉率が高いと、残りの血液成分(リンパ球、顆粒球、赤血球および血小板)の捕捉率も高く、単球の捕捉率が低いと、残りの血液成分(リンパ球、顆粒球、赤血球および血小板)の捕捉率も低く、単球が選択的に捕捉されていない。
【0059】
【発明の効果】
本発明の単球捕捉フィルターは、簡単な操作で、末梢血などから単球を効率良く分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施例に係る単球捕捉フィルターを用いる単球分離器具の平面図である。
【図2】 図2は、図1の断面図である。
【図3】 図3は、本発明の実施例に係る単球捕捉フィルターを用いた単球分離培養装置を説明するための平面図である。
【図4】 図4は、本発明の他の実施例に係る単球捕捉フィルターを用いた単球分離培養装置を説明するための平面図である。
【符号の説明】
1 単球分離器具
11 単球捕捉フィルター
12 ハウジング
13 流入口
14 流出口
15 流入室
16 流出室
100 単球分離培養装置
110 単球分離培養装置
2 処理液バッグ
21 流入ライン
22 添加ライン
221 コネクタ
222 添加ポート
23 採液ライン
25 排出口
3 回収バッグ
31 排出ライン
32 回収ライン
33 廃液ライン
331 コネクタ
332 廃液ポート
34 廃液バッグ
345 排出口
35 排出口

Claims (4)

  1. 単球を含有する被処理液から単球を選択的に捕捉する単球捕捉フィルターであって、
    前記単球捕捉フィルターは、平均孔径が6〜8μmであり、かつ肉厚(mm)と平均孔径(mm)との比が100〜200であることを特徴とする単球捕捉フィルター。
  2. 前記肉厚(mm)と平均孔径(mm)との比が120〜150である請求項1に記載の単球捕捉フィルター。
  3. 前記単球を含有する被処理液は、末梢血である請求項1または2に記載の単球捕捉フィルター。
  4. 前記単球捕捉フィルターは、連通孔を有するスポンジ状多孔質体からなる請求項1ないし3のいずれかに記載の単球捕捉フィルター。
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