JP2000325071A - 細胞分離回収方法 - Google Patents

細胞分離回収方法

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JP2000325071A
JP2000325071A JP11141443A JP14144399A JP2000325071A JP 2000325071 A JP2000325071 A JP 2000325071A JP 11141443 A JP11141443 A JP 11141443A JP 14144399 A JP14144399 A JP 14144399A JP 2000325071 A JP2000325071 A JP 2000325071A
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cell
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Yoshiharu Sakamaki
善春 酒巻
Shigeo Ogawa
重雄 小川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、血液伝播感染の危険性を伴
う市販製剤の血清たん白質を用いずに、造血幹細胞等、
有核細胞が高率に回収できる細胞分離回収方法を提供す
ることにある。 【解決手段】 本発明のポイントは、細胞の凍結保存に
用いる蛋白質として、細胞が含まれていた血液から得ら
れる血漿、いわゆる自己血漿を用いる点にある。回収必
要細胞、除去対象細胞および血漿を含む細胞含有液を、
回収必要細胞を実質的に捕捉し除去対象細胞および血漿
を実質的に通過させる細胞捕捉手段に導入し、除去対象
細胞含有液を細胞捕捉手段から導出させ、次に該細胞捕
捉手段に液体を導入して細胞捕捉手段に捕捉されている
回収必要細胞を細胞捕捉手段から回収する細胞分離回収
方法において、細胞捕捉手段内に血漿を含む上記細胞含
有液を少量残存させたまま回収操作を行うことを特徴と
する細胞分離回収方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種の細胞の混合溶
液から必要な細胞のみを分離、回収する方法に関する。
得られた細胞は造血幹細胞移植療法等、細胞を用いて行
う各種疾病の治療及び免疫学や細胞生物学等の基礎科学
分野で用いることが可能となる。
【0002】
【従来の技術】臍帯血幹細胞は、ドナー侵襲皆無の造血
幹細胞移植ソースとして注目を集めており、欧米諸国を
中心にさかんに臨床応用が試みられている。臍帯血幹細
胞は、他の造血幹細胞移植、すなわち、骨髄移植あるい
は末梢血幹細胞移植のようにドナーから採取されてすぐ
患者に移植されることはまれであるので、採取時から使
用時まで保存しておくことが必要である(特に非血縁者
間移植の場合)。臍帯血は凍結保存に際し、解凍後の破
壊赤血球による副作用防止及び凍結保存時の体積を小さ
くする目的で、有核細胞を分離(赤血球を除去)すべき
であるとされており、現在はほとんどの場合に分離保存
が行われている(南江堂、「末梢血幹細胞移植」、17
3ページ)。特公平8−69号公報には、臍帯血をフィ
コールハイパキュー(比重液による遠心分離法であり、
以下これをフィコール法と略す)で分離するためのプロ
トコールの詳細が開示されている。しかしながら、フィ
コール法は実験室レベルの、非常に煩雑で長時間を要す
る操作であるという問題がある。また、WO96/17
514公報にはヒドロキシエチルスターチを用いて臍帯
血中の赤血球を凝集沈降分離し、有核細胞濃厚液を得る
ためのバッグシステム、方法及びその方法により得られ
た細胞液が開示されている。本法は煩雑な操作を少なく
するという点では従来のフィコール法と比べ若干の改善
となっているが、遠心分離が2回必要であるため、やは
り長時間の作業を要することになる。一方、フィコール
法や赤血球凝集除去法に代わる造血幹細胞分離方法も散
見されるようになった。特開平8−104643号公報
では赤血球は通過するフィルターに造血幹細胞を捕捉さ
せた後、最初の通液方向とは逆方向の液流を惹起させて
造血幹細胞を回収する方法が開示されている。本法の最
大の特長は操作の簡便さであり、短時間で処理するにも
かかわらず目的とする細胞を高率に回収することができ
る。回収する液体は生理的溶液であればいかなるものも
使用可能であるが、回収した細胞を凍結する際には、細
胞保護や栄養補給のためにこの溶液にアルブミン等の血
清たん白質を添加することが適当とされている。また、
あらかじめ回収液にこのたん白質を添加する方法も考え
られている。このたん白質の由来は免疫抗原の問題から
ウシなどの異種動物由来よりはヒト由来が推奨されてい
る。しかしながら、ヒト血清たん白質は献血などを供給
源としたプールした血漿から抽出するものがほとんど
で、各種ウイルスやクロイツフェルトヤコブ病を媒介す
るといわれるプリオンたん白質などの血液伝播感染の危
険性を常に伴う。そのため、医療現場ではこれら血清た
ん白質製剤を極力使用しない方向にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、血液
伝播感染の危険性を伴う市販製剤の血清たん白質を用い
ずに、造血幹細胞等、有核細胞が高率に回収できる細胞
分離回収方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく、細胞回収液と回収した細胞の保存方法に着目
して鋭意検討を進めた結果、細胞の凍結保存に用いるた
ん白質として、細胞が含まれていた血液から得られる血
漿、いわゆる自己血漿を用いて細胞の凍結保存を行う方
法を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明は回収必要細胞、除去対象細胞及び血漿を含む細胞
含有液を、該回収必要細胞を実質的に捕捉し該除去対象
細胞及び血漿を実質的に通過させる細胞捕捉手段に導入
し、除去対象細胞含有液を該細胞捕捉手段から導出さ
せ、次に該細胞捕捉手段に液体を導入して該細胞捕捉手
段に捕捉されている該回収必要細胞を該細胞捕捉手段か
ら回収する細胞分離回収方法において、細胞捕捉手段内
に血漿を含む細胞含有液を少量残存させたまま回収操作
を行うことを特徴とする細胞分離回収方法であり、回収
必要細胞、除去対象細胞及び血漿を含む細胞含有液を、
該回収必要細胞を実質的に捕捉し該除去対象細胞及び血
漿を実質的に通過させる細胞捕捉手段に導入し、除去対
象細胞含有液を該細胞捕捉手段から導出させ、除去対象
細胞含有液から血漿を分取し、次に該細胞捕捉手段に液
体を導入して該細胞捕捉手段に捕捉されている該回収必
要細胞を該細胞捕捉手段から回収する細胞分離方回収法
により得られた回収必要細胞含有液に、凍結保存に必要
なたん白質として、除去対象細胞含有液から得られた血
漿を添加することを特徴とする細胞分離回収方法であ
り、また、回収必要細胞、除去対象細胞及び血漿を含む
細胞含有液を、該回収必要細胞を実質的に捕捉し該除去
対象細胞及び血漿を実質的に通過させる細胞捕捉手段に
導入し、除去対象細胞含有液を該細胞捕捉手段から導出
させた後、除去対象細胞含有液から血漿を分取し、次に
該細胞捕捉手段に得られた血漿を含む回収液を導入して
該細胞捕捉手段に捕捉されている該回収必要細胞を該細
胞捕捉手段から回収する事を特徴とする細胞分離回収方
法である。
【0005】以下本発明を詳細に説明する。本発明で言
う回収必要細胞とは分離回収して何らかの用途に用いる
細胞を言い、除去対象細胞とは先述の用途には不要であ
るか、または何らかの病因細胞である等の理由で、回収
必要細胞に混入することが問題となるため積極的に除去
することが必要である細胞のことを言う。これらを含む
細胞含有液としては、末梢血、骨髄、臍帯血(臍帯血管
から採取されたものだけでなく、胎盤血管から採取され
たものも含む)及びリンパ液やこれらに遠心分離等何ら
かの処理を施したもの、あるいは各種臓器や組織から抽
出した細胞を血漿を主たる構成成分とした液体に再浮遊
させたものがあげられる。本発明で言う回収必要細胞を
実質的に捕捉し、除去対象細胞及び血漿を実質的に通過
させる細胞捕捉手段とは、回収必要細胞は実質的に通過
させず捕捉し、除去対象細胞及び血漿は実質的に捕捉せ
ず通過させる手段を言い、例えば回収必要細胞は実質的
に捕捉し、除去対象細胞は実質的に通過させる材料を液
体流入口と液体流出口を有する容器、あるいは成型容器
に充填したもの、液体流入口と液体流出口を有する容器
の内面に細胞捕捉面が存在するものがあげられる。回収
必要細胞を実質的に捕捉し、除去対象細胞及び血漿は実
質的に通過する材料は、回収必要細胞を選択的に捕捉で
きる限り通常用いられている細胞捕捉材であればいかな
る材料も使用できるが、成型性、滅菌性や細胞毒性が低
いという点で好ましいものを例示すると、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ナ
イロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリ
ルアミド、ポリウレタン等の合成高分子、アガロース、
セルロース、酢酸セルロース、キチン、キトサン、アル
ギン酸塩等の天然高分子、ハイドロキシアパタイト、ガ
ラス、アルミナ、チタニア等の無機材料、ステンレス、
チタン、アルミニウム等の金属があげられる。また、こ
れらの捕捉材はこのままでも用いることができるが、細
胞の選択的通過あるいは捕捉を行う等の必要に応じ、表
面改質を施したものでもよい。例えば、血小板通過性を
高めるにはWO87/05812公報で提案されている
非イオン性親水基と塩基性含窒素官能基を有するポリマ
ーのコートによる方法等があげられ、細胞の選択的捕捉
を行う場合、アミノ酸、ペプチド、糖類、糖タンパク
(抗体、接着分子等のバイオリガンドを含む)といった
特定の細胞に親和性のあるリガンドを、例えば特開平2
−261833号公報で提案されているハロアセトアミ
ド法により固定する方法等があげられる。また、捕捉材
の形状としては粒状、繊維塊、織布、不織布、スポンジ
状多孔質体、平板等があげられるが、体積あたりの表面
積が大きいという点で粒状、繊維塊、織布、不織布、ス
ポンジ状多孔質体が好ましく、更に取り扱い性の点から
繊維塊、織布、不織布、スポンジ状構造体といった多孔
質構造体が好ましく、中でも不織布、スポンジ状構造体
が細胞液の流れ性、製造性の点からより好ましい。不織
布の場合、抗CD34モノクローナル抗体等、特定の細
胞に特異的に結合するいわゆるバイオリガンド類を表面
に固定しない場合、通常、繊維径は1.0μm以上30
μm以下であり、好ましくは1.0μm以上20μm以
下であり、更により好ましくは1.5μm以上10μm
以下である。1.0μm未満では回収必要細胞が強固に
捕捉されてしまい回収困難となる可能性があり好ましく
ない。30μmを超えると、回収必要細胞は繊維に捕捉
されず素通りする可能性が高くなる。いずれの場合でも
回収率の低下につながるおそれがあるので好ましくな
い。また、スポンジ状構造体の場合、孔径は通常2.0
μm以上30μm以下であり、好ましくは2.5μm以
上25μm以下であり、さらにより好ましくは3.0μ
m以上20μm以下である。2.0μm未満では流れ性
が著しく劣り、通液自体が困難になるおそれがあり、ま
た30μmを超えると回収必要細胞の捕捉率の低下を招
くので好ましくない。回収必要細胞は捕捉し、除去対象
細胞は実質的に通過する材料を充填する容器の材質とし
ては、成型性、滅菌性や細胞毒性が低いという点で好ま
しいものを例示すると、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ナイロン、ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリアクリルアミド、ポリウ
レタン、塩化ビニル等の合成高分子、ハイドロキシアパ
タイト、ガラス、アルミナ、チタニア等の無機材料、ス
テンレス、チタン、アルミニウム等の金属があげられ
る。
【0006】本発明で言う「回収必要細胞を実質的に捕
捉し」とは回収必要細胞を60%以上捕捉することを言
い、また「除去対象細胞を実質的に通過する」とは細胞
含有液中の除去対象細胞が60%以上通過することを言
う。本発明における細胞捕捉手段内に血漿を含む細胞含
有液を少量残存させるとは、通常1mlから15mlを
残存させることであり、好ましくは3mlから10ml
である。また、本発明において除去対象細胞含有液から
血漿を分離する方法としてはいかなる分離法も使用で
き、例えば沈降法、遠心分離法または濾過法があげられ
る。遠心分離は約1500〜3000gで約10分にわ
たって行うことができる。また濾過法としては血漿分離
膜を用いる方法、たとえば、特公平5−40585号公
報にあるようなシステムを用いることによって簡便に血
漿が分取できる。この様にして得られた血漿を回収され
た回収必要細胞含有液あるいは回収液に、1から15m
l、好ましくは3から10ml添加することが出来る。
本発明による細胞分離回収方法は回収必要細胞が有核細
胞である場合に好適に用いられる。有核細胞とは細胞内
に核を有する細胞のことを言い、たとえば白血球、顆粒
球、好中球、好酸球、好塩基球、骨髄球、赤芽球、リン
パ球、Tリンパ球、ヘルパーTリンパ球、サプレッサー
Tリンパ球、細胞傷害性Tリンパ球、Bリンパ球、NK
細胞、NKT細胞、単球、マクロファージ、樹状細胞、
造血幹細胞、破骨細胞、骨芽細胞、骨細胞、繊維芽細
胞、軟骨芽細胞等があげられる。また、本発明で言う有
核細胞含有液とは前記有核細胞を含有する液体のことで
あり、例えば末梢血、リンパ液、骨髄液、臍帯血、ある
いはこれらに何らかの処理を施した液体等があげられ
る。本発明は細胞捕捉手段に捕捉されている回収必要細
胞を細胞捕捉手段から回収する細胞分離回収方法におい
て、細胞捕捉手段内に血漿を含む細胞含有液を少量残存
させたまま回収操作を行うことを特徴とする細胞分離回
収方法であり、回収必要細胞、除去対象細胞及び血漿を
含む細胞含有液を、該回収必要細胞を実質的に捕捉し該
除去対象細胞及び血漿を実質的に通過させる細胞捕捉手
段に導入し、除去対象細胞含有液を該細胞捕捉手段から
導出させ、除去対象細胞含有液から血漿を分取し、次に
該細胞捕捉手段に液体を導入して該細胞捕捉手段に捕捉
されている該回収必要細胞を該細胞捕捉手段から回収す
る細胞分離回収方法により得られた回収必要細胞含有液
に、凍結保存に必要なたん白質として、除去対象細胞含
有液から得られた血漿を添加することを特徴とする細胞
分離回収方法であり、また、回収必要細胞、除去対象細
胞及び血漿を含む細胞含有液を、該回収必要細胞を実質
的に捕捉し該除去対象細胞及び血漿を実質的に通過させ
る細胞捕捉手段に導入し、除去対象細胞含有液を該細胞
捕捉手段から導出させ、除去対象細胞含有液から血漿を
分取し、次に該細胞捕捉手段に得られた血漿を含む回収
液を導入して該細胞捕捉手段に捕捉されている該回収必
要細胞を該細胞捕捉手段から回収する事を特徴とする細
胞分離回収方法である。上記のいずれの分離方法におい
ても、回収された必要細胞には元の細胞含有液から得ら
れた血漿が含有されており、細胞の凍結保存にヒト血清
アルブミンなどの血液製剤を添加する必要がなくなる。
そのため、血液製剤による未知ウイルスやプリオン等の
汚染から免れることができる。また、血漿中にはアルブ
ミン以外のたん白質が含まれており、回収細胞の凍結解
凍後のバイアビリティがヒト血清アルブミンに比し、向
上していた。
【0007】
【実施例】以下に実施例により本発明をより詳細に説明
するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
【実施例1】細胞分離器 容器外寸(縦×横×厚み)41×41×18mmで液体
流出口と液体流入口を対角線上にもつポリカーボネート
製容器の入り口側に平均繊維径2.3μmのポリエステ
ル不織布18枚を、出口側に平均繊維径12μmのポリ
エステル不織布16枚を充填し細胞分離器とした。な
お、充填密度は0.2g/cm 、有効濾過面積1
2.25cm 、有効濾過長12.4mmであった。
また、この細胞分離器に血小板通過性を付与する目的
で、親水性ポリマーのコーティングを行った。即ち、ヒ
ドロキシエチルメタクリレート・ジメチルアミノエチル
メタクリレート共重合体(ヒドロキシエチルメタクリレ
ートとジメチルアミノエチルメタクリレートのモル比=
97:3)の1%エタノール溶液を該フィルターの入口
側から通液した後、窒素ガスを通して乾燥させた。 細胞分離操作及び凍結保存 ACD溶液60mlを含んだ血液バッグに400mlの
全血を採血し、遠心分離を行い、白血球を多く含む中間
層を約50ml分取し、細胞含有液とした。この血漿を
含む細胞含有液を2等分してバッグに移し、それぞれに
細胞分離操作を行った。すなわち、この血液バッグを途
中に細胞回収用バッグ5が接続した三方活栓4とメッシ
ュチャンバーを3有するチューブで、で作製した細胞
分離器1の入口側に接続した。細胞分離器1の出口側は
途中に回収用シリンジ接続用の三方活栓6を有するチュ
ーブでドレーンバッグ7を接続した。原料血液バッグ2
中の細胞含有液を約60cmの落差で細胞分離器に通液
し、細胞分離器1から流出する赤血球含有液をドレーン
バッグ7に排液した。細胞分離器1に細胞含有液を3m
l残存させた状態で通液を停止した。次に、三方活栓6
に市販のデキストラン40生理食塩水溶液にヒト血清ア
ルブミン4%を含む溶液と含まない溶液をそれぞれ25
mlを入れた30mlディスポーザブルシリンジを接続
し、三方活栓6をシリンジと細胞分離器のみが連通する
方向に回し、また三方活栓4を細胞分離器1と細胞回収
用バッグ5のみが連通する方向に回した後、シリンジを
押して細胞分離器内に捕捉されている細胞を細胞回収用
バッグ5に回収した。得られた細胞回収液に最終濃度5
%になるようにDMSOを混和し、−196℃で1週間
以上の凍結保存を行った。 結果 上記細胞回収液を37℃で急速に解凍し、解凍後の細胞
はトリパンブルーで染色して生細胞数の割合(回収率)
を求めた。ヒト血清アルブミン添加では回収率が85
%、アルブミン無添加では87%を示し、アルブミンの
有無に関わらず、生細胞数の回収率に差はなかった。
【0008】
【実施例2】細胞分離器 実施例1と同様の細胞分離器を用いた 細胞分離操作及び凍結保存 娩出後の胎盤及び臍帯から50mlディスポーザブルシ
リンジ(18ゲージ針付き)を用いて、臍帯血をあらか
じめCPD1.5mlが入っている10ml採血管10
本に採取した。採取した臍帯血は200mlの血液バッ
グに移した。この血液バッグを22℃の恒温器にて24
時間保存した。24時間後、恒温器から血液バッグを取
り出し、実施例1と同様に細胞分離器に通液し、必要細
胞を細胞分離器に補足させた。それらのうち2個には細
胞含有液を除くために更に5mlの生理食塩液を通液し
て細胞分離器に残存した細胞含有液を洗浄した。もう一
つには実施例1と同様に細胞含有液を3ml残存させた
状態で通液を停止した。次に、細胞含有液を洗浄した上
記2つには実施例1と同様にデキストラン40生理食塩
水溶液にヒト血清アルブミン4%を含む溶液と含まない
溶液で細胞分離器内に捕捉されている細胞を細胞回収用
バッグ5に回収した。また細胞含有液を残存させたもの
にはデキストラン40生理食塩液で細胞を回収した。得
られた細胞回収液に最終濃度5%になるようにDMSO
を混和し、−196℃で1週間以上の凍結保存を行っ
た。細胞回収液は速やかに解凍し、デキストラン40生
理食塩液で洗浄し、得られた細胞を造血機能評価用のメ
チルセルロース培地(Stem Cell Techn
ologies社製Methocult GF H44
34V)に、白血球を2.5x10e4/mlとなるよ
うに添加し、これをよく混和して、φ35mmプラスチ
ックディッシュに1ml分注した。造血機能を持つ細胞
は上記培地中で培養することによりコロニー(細胞集
団)を形成する。その後37℃炭酸ガスインキュベータ
中で14日間培養後、コロニー数をカウントし、コロニ
ーの回収率を測定した。 結果 コロニーの回収率は、細胞含有液を含まず、まったくた
ん白質を含まない例ではコロニー回収率が58%、HS
Aを含有した例では72%であったのに対し、細胞含有
液を含有させた例ではコロニー回収率が82%であり、
血漿が細胞の保存に有効であった。
【0009】
【実施例3】細胞分離器 実施例1と同様の細胞分離器を用いた。 細胞分離操作及び凍結保存 実施例1と同様にして得られた細胞含有液約50mlを
そのまま実施例1と同様の細胞分離器に通液し、必要細
胞を細胞分離器に捕捉させた。細胞含有液を除くために
更に5mlの生理食塩液を通液して細胞分離器に残存し
た細胞含有液を洗浄した。細胞分離器を通過した赤血球
含有液が回収されているドレーンバッグ7を1,500
回転/分X15分で遠心分離し、約20mlの血漿を3
0mlディスポーザブルシリンジに分取した。細胞分離
器に捕捉されている細胞を実施例1のアルブミンを添加
しない回収液と同様の回収液で細胞回収用バッグに回収
した。得られた細胞回収液に分取した血漿5mlを添加
し、さらに最終濃度5%になるようにDMSOを混和
し、−196℃で1週間以上の凍結保存をおこなった。 結果 実施例1と同様に凍結解凍した細胞をトリパンブルーで
染色し、生細胞数の回収率を求めたところ、86%を示
し、実施例1のアルブミン添加のデキストラン液で回収
した際の生細胞数の回収率と差は見られなかった。
【0010】
【実施例4】細胞分離器 実施例1と同様の細胞分離器を用いた。 細胞分離操作及び凍結保存 実施例1と同様にして得られた細胞含有液約50mlを
そのまま実施例1と同様の細胞分離器に通液し、必要細
胞を細胞分離器に捕捉させた。細胞分離機を通過した赤
血球含有液が回収されているドレーンバッグ7を1,5
00回転/分X15分で遠心分離し、25mlの血漿を
30mlディスポーザブルシリンジに分取した。このシ
リンジを三方活栓6に接続し、細胞分離機に捕捉されて
いる細胞を細胞回収用バッグに回収した。得られた細胞
回収液に最終濃度5%になるようにDMSOを混和し、
−196℃で1週間以上の凍結保存をおこなった。 結果 実施例1と同様に凍結解凍した細胞をトリパンブルーで
染色し、生細胞数の回収率を求めたところ、86%を示
し、実施例1のアルブミン添加のデキストラン液で回収
した際の生細胞数の回収率と差は見られなかった。
【0011】
【発明の効果】以上示したように、本発明によれば回収
必要細胞、除去対象細胞および血漿を含む細胞含有液か
ら回収必要細胞を回収し、凍結保存する方法において、
ヒト血清アルブミンなどの血液製剤を使用する必要がな
くなり、ウイルス感染などの危険性を回避することがで
き、医療現場における有用性大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で用いた細胞分離回路システムの模式
図である。
【符号の説明】
1 細胞分離器 2 血液バッグ 3 メッシュチャンバー 4 三方活栓 5 細胞回収用バッグ 6 三方活栓 7 ドレーンバッグ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回収必要細胞、除去対象細胞および血漿
    を含む細胞含有液を、回収必要細胞を実質的に捕捉し除
    去対象細胞および血漿を実質的に通過させる細胞捕捉手
    段に導入し、除去対象細胞含有液を細胞捕捉手段から導
    出させ、次に該細胞捕捉手段に液体を導入して細胞捕捉
    手段に捕捉されている回収必要細胞を細胞捕捉手段から
    回収する細胞分離回収方法において、細胞捕捉手段内に
    血漿を含む上記細胞含有液を少量残存させたまま回収操
    作を行うことを特徴とする細胞分離回収方法。
  2. 【請求項2】 回収必要細胞、除去対象細胞および血漿
    を含む細胞含有液を、回収必要細胞を実質的に捕捉し、
    除去対象細胞および血漿を実質的に通過させる細胞捕捉
    手段に導入し、除去対象細胞および血漿を含む溶液を該
    細胞捕捉手段から導出させた後、除去対象細胞および血
    漿を含む溶液から血漿を分離し、血漿を採取する工程と
    細胞捕捉手段に液体を導入して細胞捕捉手段に捕捉され
    ている回収必要細胞を細胞捕捉手段から回収する工程と
    を含み、得られた回収必要細胞含有液に、除去対象細胞
    および血漿を含む溶液から得られた血漿を添加すること
    を特徴とする細胞分離回収方法。
  3. 【請求項3】 回収必要細胞、除去対象細胞および血漿
    を含む細胞含有液を、回収必要細胞を実質的に捕捉し、
    除去対象細胞および血漿を実質的に通過させる細胞捕捉
    手段に導入し、除去対象細胞および血漿を含む溶液を該
    細胞捕捉手段から導出させた後、除去対象細胞および血
    漿を含む溶液から血漿を分取し、次に該細胞捕捉手段に
    該血漿を含む回収液を導入して細胞捕捉手段に捕捉され
    ている回収必要細胞を細胞捕捉手段から回収する事を特
    徴とする細胞分離回収方法。
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