JP2003304865A - 細胞分離方法 - Google Patents

細胞分離方法

Info

Publication number
JP2003304865A
JP2003304865A JP2002109045A JP2002109045A JP2003304865A JP 2003304865 A JP2003304865 A JP 2003304865A JP 2002109045 A JP2002109045 A JP 2002109045A JP 2002109045 A JP2002109045 A JP 2002109045A JP 2003304865 A JP2003304865 A JP 2003304865A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cells
cell
recovery
liquid
suspension
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002109045A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Kiguchi
昌 木口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2002109045A priority Critical patent/JP2003304865A/ja
Publication of JP2003304865A publication Critical patent/JP2003304865A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回収必要細胞と除去対象細胞を含有する細胞
集団浮遊液から、閉鎖系で、系外から一切液を加えるこ
となく、回収必要細胞を、簡便な操作で、且つ短時間に
回収する方法を提供すること。 【解決手段】 回収必要細胞および除去対象細胞を含む
細胞集団浮遊液から、該回収必要細胞を実質的に捕捉
し、該除去対象細胞は実質的に通過する手段を用いて、
該回収必要細胞を捕捉した後、次に該手段を通過した除
去対象細胞浮遊液から該除去対象細胞を除去し、その後
にこの除去対象細胞が除去された液を用いて該手段に捕
捉されている回収必要細胞を回収する、これら全工程を
閉鎖系で行う細胞分離方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、細胞集団から特定
の細胞を分離するための分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】白血病などの造血器腫瘍及び固形癌の化
学療法における副作用である造血障害に対して、骨髄移
植療法が広く施行されている。骨髄移植療法とは、移植
骨髄による致死的造血障害の回復法であるため、患者に
とって致死的な大量放射線及び/又は大量化学療法(以
下、大量化学療法と略す。)の施行が可能となり、白血
病や固形癌の治癒につながる。
【0003】また、近年、骨髄と同様に末梢血中にも、
これらの治療に必要な造血幹細胞が含まれていることが
明らかになった。通常、これらの細胞の末梢血中での含
有率はかなり低値であり、採取して骨髄移植の代わりに
用いることは困難であるが、抗癌剤及び/又はG−CS
F(顆粒球コロニー刺激因子)等のサイトカインを投与
することにより、その含有率が増大することが明らかに
され、骨髄採取と比べると、全身麻酔が不要で安全なこ
とから、盛んに臨床応用が行われている。更に近年、臍
帯血中には末梢血よりもはるかに高濃度で造血幹細胞が
含有されていることが明らかになり、臨床応用が始まっ
た。
【0004】移植法は細胞の提供者(ドナー)が誰であ
るかにより同種移植と自家移植に分けられる。前者は健
康な他人(血縁者又は非血縁者)が提供者になり、後者
は患者自身が提供者となるものである。自家移植におい
ては全てが、また同種移植においては臍帯血を用いる場
合はほとんどが移植まで凍結保存が行われる。凍結保存
の前には、通常赤血球の除去が行われる。これは全血で
保存した場合、保存スペースや解凍時の破壊赤血球によ
る副作用が問題となるためである。従来、赤血球除去は
遠心分離器により行われており、より分離効率を上げた
い場合には比重液(例えばファルマシア社製Ficol
l)を用いる比重遠心法が採用されている。本法は比重
液に原料細胞を重層させる際に液面を乱してはならない
等、非常に熟練を要する煩雑な操作である。また、比重
液を用いることからコスト高である。更に、細胞浮遊液
重層操作はクリーンベンチ内で行われるが、開放系であ
るため、細菌による汚染が危惧されている。
【0005】特開昭61−84557号公報、特開平2
−134564号公報等で操作の煩雑さを解決すべく、
多くの試みがなされているが、これらも、比重液と遠心
分離器を用いる点では何ら従来法と変わらず、簡便、低
コスト、処理時間が短く、閉鎖系の造血幹細胞濃縮シス
テムが待望されていた。また、造血幹細胞を濃縮して凍
結保存する際にはジメチルスルホキシド、ゼラチン等の
凍結保存剤を造血幹細胞浮遊液に添加するが、この際更
に血漿蛋白質を添加すると造血幹細胞の保存状態が向上
する。しかしながら従来の遠心分離器を用いる造血幹細
胞の濃縮方法では血漿蛋白成分が除去されてしまい、別
途アルブミン製剤を添加するか、あるいは、遠心上清か
ら血小板を除去した上で得られた血漿を添加する様な方
法をとらざるを得ず、多大なコストと手間および時間を
要した。
【0006】ところで、遠心分離を用いない赤血球除去
法の提案も散見されるようになった。特開平8−104
643号公報では赤血球と 造血幹細胞及び/又は造血
前駆細胞を含む細胞集団を、実質的に赤血球は通過し、
白血球は捕捉するフィルターに通液した後、HBSS
(ハンクス液)などの緩衝液や生理食塩水にヒト血清ア
ルブミンなどのタンパクを添加した洗浄液を前記通液方
法とは逆方向に流して捕捉された白血球を回収する赤血
球の除去方法が提案されている。また、WO98/32
840には特定の粘度を有する回収液、例えばデキスト
ランを含む生理溶液で捕捉された細胞を回収する方法が
開示されている。いずれの方法も洗浄液を系外から導入
する必要があり閉鎖系ではない。
【0007】EP0349188B1公報および特開平
9−322758公報では閉鎖系で細胞分離が可能なシ
ステムが開示されている。しかし、捕捉した回収必要細
胞を回収するための洗浄液を充填した容器が系の付属品
となり、系自体が大きくなって輸送コストがかさむ問題
がある。また回収必要細胞を除去対象細胞浮遊液から除
去対象細胞を除去した液の浮遊液として得る方法とし
て、特開平10−84950号公報では回収必要細胞を
自己血漿の浮遊液として回収しているが、この回収工程
ではやはり別途調製した回収液を使用している。また、
この方法はフィルターろ過の工程で造血幹細胞のフラク
ションをとる方法であり、最初に血漿のフラクションを
取る工程と、赤血球及び血小板のフラクションを取る工
程では慎重な操作が必要であり、時間もかかる。更に、
特開2000−325071号公報には、血液伝播感染
の危険性を伴う市販製剤の血清蛋白質を用いずに自己血
漿で細胞を回収する方法が開示されている。しかし、こ
の方法では、除去対象細胞浮遊液を一旦外部に取り出し
て遠心分離処理等で血漿を分取し、この血漿で回収必要
細胞を回収しており、自己血漿は利用しているが、閉鎖
系ではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、回収
必要細胞と除去対象細胞を含有する細胞集団浮遊液か
ら、閉鎖系で、系外から一切液を加えることなく、回収
必要細胞を、簡便な操作で、且つ短時間に回収する方法
を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は従来技術の有
する問題点を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完
成させたものである。即ち、本発明は、[1] 回収必
要細胞および除去対象細胞を含む細胞集団浮遊液から、
該回収必要細胞を実質的に捕捉し、該除去対象細胞は実
質的に通過する手段を用いて、該回収必要細胞を捕捉し
た後、次に該手段を通過した除去対象細胞浮遊液から該
除去対象細胞を除去し、その後にこの除去対象細胞が除
去された液を用いて該手段に捕捉されている回収必要細
胞を回収する、これら全工程を閉鎖系で行うをことを特
徴とする細胞分離方法、[2] 回収必要細胞が白血球
であり、除去対象細胞が赤血球および血小板である
[1]記載の細胞分離方法、[3] 回収必要細胞がリ
ンパ球であり、除去対象細胞が赤血球、血小板、顆粒球
および単球である[1]記載の細胞分離方法、である。
【0010】本発明による、除去対象細胞を除去した液
(これは自己血漿に相当する。)により、回収必要細胞
を実質的に捕捉し、該除去対象細胞は実質的に通過する
手段に捕捉されている回収必要細胞が、系外から一切液
が加えられることなく短時間に簡便に回収できる。ま
た、外気に開放される部分が全くない閉鎖系なので、雑
菌や異物の混入のない回収が可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明で言う閉鎖系とは、細胞集団浮遊液を採取し
た後、細胞分離システムに繋ぎ込んでから細胞を分離回
収する一連の操作が終了するまでの全工程にわたって該
細胞分離システム内部の物質が系外の大気をはじめとす
るあらゆる物質に直接触れないことである。また系外か
ら一切液を加えないというのは細胞集団浮遊液を採取し
た後、細胞分離システムに繋ぎ込んでから後の工程に関
することであり、細胞集団浮遊液を採取して細胞分離シ
ステムに繋ぎ込むまでの間の工程についてはこの限りで
はない。
【0012】本発明で言う回収必要細胞と除去対象細胞
を含む細胞集団浮遊液の例としては、骨髄、末梢血、臍
帯血あるいはこれらを遠心分離器等により粗分離したも
のが挙げられる。本発明で言う回収必要細胞は実質的に
捕捉し、除去対象細胞は実質的に通過する手段(以下、
回収必要細胞捕捉手段と称す。)としては、捕捉材を容
器に充填したもの、あるいは成型容器で容器内面に細胞
捕捉面が存在するものが挙げられる。
【0013】前記捕捉材としては水不溶性であればいか
なる材質でも使用可能であるが、成型性、滅菌性や細胞
毒性が低いという点で好ましいものを例示すると、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹
脂、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ
アクリルアミド、ポリウレタン等の合成高分子、アガロ
ース、セルロース、酢酸セルロース、キチン、キトサ
ン、アルギン酸塩等の天然高分子、ハイドロキシアパタ
イト、ガラス、アルミナ、チタニア等の無機材料、ステ
ンレス、チタン等の金属が挙げられる。また、これらの
捕捉材はこのままでも用いることができるが、必要に応
じ、アミノ酸、ペプチド、糖タンパク(抗体、接着分子
等のバイオリガンドを含む)といった、特定の細胞に親
和性のあるリガンドを固定してもよい。また、捕捉材の
形状としては粒状、繊維塊、織布、不織布、スポンジ状
多孔質体、平板等があげられるが、体積あたりの表面積
が大きいという点で粒状、繊維塊、織布、不織布、スポ
ンジ状多孔質体が好ましい。不織布の場合、繊維径は
1.0μm以上30μm以下であり、好ましくは1.0
μm以上20μm以下であり、更により好ましくは1.
5μm以上10μm以下である。繊維径によって細胞捕
捉力が変化する傾向があり、1.0μm未満では回収必
要細胞が強固に捕捉されてしまい回収困難となる可能性
があり好ましくない。30μmを超えると、回収必要細
胞は繊維に捕捉されず素通りする可能性が高くなる。い
ずれの場合でも回収率の低下につながるおそれがあるの
で好ましくない。また、スポンジ状構造体の場合、孔径
は通常2.0μm以上30μm以下であり、好ましくは
2.5μm以上25μm以下であり、さらにより好まし
くは3.0μm以上20μm以下である。2.0μm未
満では流れ性が著しく劣り、通液自体が困難になるおそ
れがあり、また30μmを超えると回収必要細胞の捕捉
率の低下を招くので好ましくない。
【0014】本発明で言う「回収必要細胞を実質的に捕
捉し」とは回収必要細胞を60wt%以上捕捉すること
であるが、好ましくは80wt%以上、さらに好ましく
は90wt%以上捕捉することである。また「除去対象
細胞は実質的に通過する」とは細胞含有液中の除去対象
細胞が60wt%以上通過することであるが、好ましく
は80wt%以上、さらに好ましくは90wt%以上通
過することである。
【0015】本発明において、捕捉材により回収必要細
胞が捕捉された残りの除去対象細胞を含む排出液から除
去対象細胞を除去するには例えばフィルターが好適に用
いられる。一般的な血漿分離フィルターの素材で血球
(細胞)成分と血漿成分から血漿成分のみを取り出すこ
とが可能である。このようなフィルター(以下、除去対
象細胞フィルターと称す。)としては膜形や不織布のも
のがあり、膜形のフィルターの材質はポリビニルアルコ
ール、セルロース、セルロースアセテート、ポリエチレ
ン、ポリスルホン、ポリプロピレン、ポリメチルメタク
リレート、ポリ塩化ビニルなどがある。不織布のフィル
ターとしてはガラス繊維を用いたものがある。いずれの
場合でもフィルターは適当な容器に封入され、本発明の
閉鎖系細胞分離のシステムの中に組み込まれる。フィル
ターの容器としては、水不溶性で容器としての十分な強
度を有する材料であればよいが、成型性、滅菌性や細胞
毒性が低いという点で好ましいものを例示すると、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹
脂、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ
塩化ビニル、ポリウレタン等の合成高分子が好ましい。
【0016】本発明における、原料の細胞集団浮遊液を
捕捉材に通液する方法及び捕捉材により回収必要細胞を
捕捉された残りの除去対象細胞を含む排出液を、フィル
ターに通して除去対象細胞を除去して回収必要細胞捕捉
手段に通液する方法としては、ポンプの利用、液体を貯
留したバッグを押しつぶして液流を惹起する方法、落差
による方法があるが、簡便さの点では落差による方法が
最も好ましい。流速が遅い場合は該バッグを押しても良
い。捕捉材から回収必要細胞を回収する際の回収液の通
液の方向は、原料液である細胞集団浮遊液の通液方法と
同一の方向で回収液を通液するか、逆方向で通液するか
に分かれるが、一般的に逆方向の方が回収率が高い傾向
がある。更に単純に通液するだけでなく、回収必要細胞
捕捉手段に振動を加えたり、ストップドフローにしても
良い。
【0017】本発明において好ましく用いられる細胞分
離システムの例を図1に示す。図1は回収必要細胞捕捉
手段に細胞集団浮遊液を流した時と逆の方向に回収液を
流して回収必要細胞を回収する例である。図1に基いて
該システムを説明すれば、細胞集団浮遊液を入れた貯留
バッグ1を、途中に回収必要細胞浮遊液貯留バッグ2へ
分岐した三方活栓6を有するチューブで回収必要細胞捕
捉手段4の入口側に接続した。回収必要細胞捕捉手段4
の出口側はチューブで除去対象細胞浮遊液排出バッグ3
に接続されるが、その途中で除去対象細胞フィルター5
を挟んだバイパスチューブが接続される。さらにバイパ
スの下側接続部には三方活栓7が組み込まれている。
【0018】次に該システムの操作手順を説明する。三
方活栓6を貯留バッグ1から回収必要細胞捕捉手段4側
に、三方活栓7を回収必要細胞捕捉手段4から除去対象
細胞浮遊液排出バッグ3側にセットする。次に貯留バッ
グ1中の細胞集団浮遊液を落差で通液し、除去対象細胞
浮遊液を除去対象細胞浮遊液排出バッグ3に貯留した。
その後、三方活栓7をバイパス側に、三方活栓6を回収
必要細胞浮遊液貯留バッグ2側に回した後に細胞分離シ
ステム全体を倒立させ、除去対象細胞浮遊液排出バッグ
3の液を落差で除去対象細胞フィルター5に通し回収必
要細胞捕捉手段4を通して回収必要細胞浮遊液貯留バッ
グ2に送り、回収必要細胞浮遊液を回収必要細胞浮遊液
貯留バッグ2に回収する。この際、除去対象細胞フィル
ター5を出る最初の液で回収必要細胞補足手段4に残存
する除去対象細胞を三方活栓6を貯留バッグ1側に回し
て洗い流してやれば除去対象細胞除去率を高くすること
ができる。
【0019】細胞分離システムのもう一つの例を図2に
示す。図2は回収必要細胞捕捉手段に細胞集団浮遊液を
流した時と同じ方向に回収液を流して回収必要細胞を回
収する例である。細胞集団浮遊液を入れた貯留バッグ1
を、途中に除去対象細胞フィルター5を挟んで除去対象
細胞浮遊液排出バッグ3に接続するバイパスチューブに
分岐する三方活栓を有するチューブで回収必要細胞捕捉
手段4の入り口に接続した。回収必要細胞捕捉手段4の
出口側は、回収必要細胞浮遊液貯留バッグ2へ分岐した
三方活栓7を有するチューブで除去対象細胞排出バッグ
3に接続される。
【0020】次に該システムの操作手順を説明する。三
方活栓6を貯留バッグ1から回収必要細胞捕捉手段4側
に、三方活栓7を回収必要細胞捕捉手段4から除去対象
細胞浮遊液排出バッグ3側にセットする。次に貯留バッ
グ1中の細胞集団浮遊液を落差で通液し、除去対象細胞
浮遊液を除去対象細胞浮遊液排出バッグ3に貯留した。
その後、三方活栓6をバイパス側に、三方活栓7を回収
必要細胞浮遊液貯留バッグ2側に回した後に除去対象細
胞浮遊液排出バッグ3を手で加圧して除去対象細胞浮遊
液排出バッグ3の液を除去対象細胞フィルター5に通し
回収必要細胞捕捉手段4を通して回収必要細胞浮遊液貯
留バッグ2に送り、回収必要細胞浮遊液を該バッグ2に
回収する。
【0021】本発明における回収必要細胞と除去対象細
胞の組合せの例を示す。回収必要細胞が白血球であり、
除去対象細胞が赤血球、血小板の場合、白血球は捕捉手
段に捕捉され、赤血球、血小板は通過し、本発明によ
る、除去対象細胞をフィルターで除去した液(自己血漿
に相当する)により、捕捉手段に捕捉されている白血球
が回収される。また、回収必要細胞がリンパ球であり、
除去対象細胞が赤血球、血小板、顆粒球、単球の場合、
白血球(顆粒球+単球+リンパ球)は捕捉手段に捕捉さ
れ、赤血球、血小板は通過し、本発明による、除去対象
細胞をフィルターで除去した液(自己血漿に相当する)
により、捕捉手段に捕捉されている白血球を回収する
が、この際例えば不織布の繊維径を細くするなどして捕
捉手段の細胞捕捉力を強くしておくと、吸着力が比較的
弱いリンパ球のみを回収することができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に示す細胞分離シ
ステム例を使って説明するが、本発明はこれにより限定
されるものではない。
【0023】
【実施例1】本実施例による細胞分離は白血球を回収、
赤血球と血小板を除去することを目的としたものであ
る。 (1)回収必要細胞捕捉手段の作製 容器寸法41×41×18mmで液体流出口と液体流入
口を対角線上にもつポリカーボネート製容器の入口側に
平均繊維径12μmのポリエステル不織布12枚を、出
口側に平均繊維径2.3μmのポリエステル不織布25
枚を充填した。なお、本フィルターの充填密度は0.2
g/cm3であった。また、このフィルターに血小板通
過性を付与する目的で、親水性ポリマーのコーティング
を行った。即ち、ヒドロキシエチルメタクリレート・ジ
メチルアミノエチルメタクリレート共重合体の1wt%
エタノール溶液を該フィルターの液体流入口から通液し
た後、窒素ガスを通して乾燥させた。
【0024】(2)細胞分離操作 図1に示す細胞分離システムにおいて、(1)で作製し
た回収必要細胞捕捉手段を用い、除去対象細胞フィルタ
ーとして、ポリエチレン製血漿分離フィルターを用いて
以下の操作を行った。ヒト新鮮臍帯血(抗凝固剤として
CPD(citrate−phosphate−dex
trose)を添加)80mlを入れた貯留バッグ1を
三方活栓6を有するチューブで回収必要細胞捕捉手段4
の入口側に接続した後、三方活栓6を貯留バッグ1から
回収必要細胞捕捉手段4側に、三方活栓7を回収必要細
胞捕捉手段4から除去対象細胞浮遊液排出バッグ3側に
セットする。次に新鮮臍帯血80mlを落差で通液し、
白血球を吸着させ除去すべき赤血球及び血小板を含む液
を該排出バッグ3に通液した。その後、三方活栓7をバ
イパス側に回し、細胞分離システム全体を倒立させ、該
排出バッグ3の液を落差で除去対象細胞フィルター5を
通し回収必要細胞捕捉手段4に通して該補足手段4に残
存する赤血球及び血小板を貯留バッグ1に洗い流した
後、三方活栓6を回収必要細胞浮遊液貯留バッグ2側に
回して液を送った。このとき該排出バッグ3の液中の赤
血球及び血小板は除去対象細胞フィルター5で除去さ
れ、赤血球及び血小板が除かれた液(自己血漿)で回収
必要細胞捕捉手段4に捕捉された白血球は洗い流され、
回収必要細胞浮遊液貯留バッグ2に回収される。
【0025】(3)分析 白血球数、赤血球数、血小板数は自動血球計算機にて測
定した。回収率、除去率の算出方法は以下のとおりであ
る。 回収率(%)=100×(分離後細胞数/分離前細胞
数) 除去率(%)=100−100×(分離後細胞数/分離
前細胞数) (4)結果 回収すべき白血球が自己血漿を用いた閉鎖系で短時間で
簡単な操作で回収できた。また、除去すべき赤血球、血
小板は表1に示すように、高率で除去されている。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】上述の様に、本発明によれば回収必要細
胞と除去対象細胞を含む細胞集団浮遊液から除去対象細
胞を実質的に除去し、回収必要細胞を外部から一切液が
加えられることなく外気にも一切触れることの無い閉鎖
系で短時間で簡便に回収することができ、臨床現場での
有用性が大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の細胞分離方法を実施するためのシステ
ムの概略図の1例である。
【図2】本発明の細胞分離方法を実施するためのシステ
ムの概略図の他の1例である。
【符号の説明】
1 細胞集団浮遊液貯留バッグ 2 回収必要細胞浮遊液貯留バッグ 3 除去対象細胞浮遊液排出バッグ 4 回収必要細胞捕捉手段 5 除去対象細胞フィルター 6 三方活栓 7 三方活栓
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/48 G01N 33/49 A 33/49 C12M 1/12 // C12M 1/12 C12N 5/00 E

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回収必要細胞および除去対象細胞を含む
    細胞集団浮遊液から、該回収必要細胞を実質的に捕捉
    し、該除去対象細胞は実質的に通過する手段を用いて、
    該回収必要細胞を捕捉した後、次に該手段を通過した除
    去対象細胞浮遊液から該除去対象細胞を除去し、その後
    にこの除去対象細胞が除去された液を用いて該手段に捕
    捉されている回収必要細胞を回収する、これら全工程を
    閉鎖系で行うをことを特徴とする細胞分離方法。
  2. 【請求項2】 回収必要細胞が白血球であり、除去対象
    細胞が赤血球および血小板である請求項1記載の細胞分
    離方法。
  3. 【請求項3】 回収必要細胞がリンパ球であり、除去対
    象細胞が赤血球、血小板、顆粒球および単球である請求
    項1記載の細胞分離方法。
JP2002109045A 2002-04-11 2002-04-11 細胞分離方法 Withdrawn JP2003304865A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002109045A JP2003304865A (ja) 2002-04-11 2002-04-11 細胞分離方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002109045A JP2003304865A (ja) 2002-04-11 2002-04-11 細胞分離方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003304865A true JP2003304865A (ja) 2003-10-28

Family

ID=29392616

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002109045A Withdrawn JP2003304865A (ja) 2002-04-11 2002-04-11 細胞分離方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003304865A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005336080A (ja) * 2004-05-26 2005-12-08 Asahi Kasei Medical Co Ltd 血管新生療法用細胞の分離回収方法および分離回収システム
JP2007078665A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Japan Science & Technology Agency 血液エンドトキシン測定方法
JP2008189594A (ja) * 2007-02-05 2008-08-21 Olympus Corp 生体組織補填体の製造装置および製造方法
JP2008253557A (ja) * 2007-04-05 2008-10-23 Olympus Corp 細胞分離装置
DE102009016718A1 (de) * 2009-04-09 2010-10-21 Gkn Sinter Metals Holding Gmbh Rotor mit einer Überlastsicherung für eine Drehmomentbegrenzung
WO2011111386A1 (ja) * 2010-03-11 2011-09-15 株式会社カネカ 細胞濃縮・回収方法及び細胞回収液
WO2011129649A2 (ko) * 2010-04-15 2011-10-20 주식회사 싸이토젠 미세유체장치 및 이것을 이용한 타깃의 분리방법
CN102242054A (zh) * 2011-05-11 2011-11-16 浙江星月生物科技股份有限公司 全封闭式细胞和细胞因子制备装置及其制备方法
WO2011149220A2 (ko) * 2010-05-25 2011-12-01 주식회사 코미코 다중 분석 센서 및 이를 이용한 다중 분석 방법
JP2012029855A (ja) * 2010-07-30 2012-02-16 Asahi Kasei Kuraray Medical Co Ltd 細胞処理システム
WO2011129622A3 (ko) * 2010-04-15 2012-03-22 주식회사 싸이토젠 미세유체장치

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005336080A (ja) * 2004-05-26 2005-12-08 Asahi Kasei Medical Co Ltd 血管新生療法用細胞の分離回収方法および分離回収システム
JP2007078665A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Japan Science & Technology Agency 血液エンドトキシン測定方法
JP2008189594A (ja) * 2007-02-05 2008-08-21 Olympus Corp 生体組織補填体の製造装置および製造方法
JP2008253557A (ja) * 2007-04-05 2008-10-23 Olympus Corp 細胞分離装置
DE102009016718A1 (de) * 2009-04-09 2010-10-21 Gkn Sinter Metals Holding Gmbh Rotor mit einer Überlastsicherung für eine Drehmomentbegrenzung
JP5800797B2 (ja) * 2010-03-11 2015-10-28 株式会社カネカ 細胞濃縮・回収方法及び細胞回収液
WO2011111386A1 (ja) * 2010-03-11 2011-09-15 株式会社カネカ 細胞濃縮・回収方法及び細胞回収液
WO2011129649A2 (ko) * 2010-04-15 2011-10-20 주식회사 싸이토젠 미세유체장치 및 이것을 이용한 타깃의 분리방법
CN102939535A (zh) * 2010-04-15 2013-02-20 西托根有限公司 微流体装置
JP2013524255A (ja) * 2010-04-15 2013-06-17 サイトゲン カンパニー リミテッド 微細流体装置
WO2011129622A3 (ko) * 2010-04-15 2012-03-22 주식회사 싸이토젠 미세유체장치
WO2011129649A3 (ko) * 2010-04-15 2012-04-05 주식회사 싸이토젠 미세유체장치 및 이것을 이용한 타깃의 분리방법
US20130071304A1 (en) * 2010-04-15 2013-03-21 Cytogen Co., Ltd. Microfluidic device
WO2011149220A2 (ko) * 2010-05-25 2011-12-01 주식회사 코미코 다중 분석 센서 및 이를 이용한 다중 분석 방법
WO2011149220A3 (ko) * 2010-05-25 2012-04-19 주식회사 코미코 다중 분석 센서 및 이를 이용한 다중 분석 방법
JP2012029855A (ja) * 2010-07-30 2012-02-16 Asahi Kasei Kuraray Medical Co Ltd 細胞処理システム
CN102242054A (zh) * 2011-05-11 2011-11-16 浙江星月生物科技股份有限公司 全封闭式细胞和细胞因子制备装置及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU731766B2 (en) Cell separation method
JP4587959B2 (ja) 細胞濃縮物の調製方法および細胞組成物
JP5975985B2 (ja) 単核球調製材、及び前記調製材を利用した単核球調製方法
JPWO2002101029A1 (ja) 腎再生用細胞の分離濃縮方法
JP5336109B2 (ja) 単核細胞と血小板の濃縮方法
JP2003304865A (ja) 細胞分離方法
JPH114682A (ja) 有核細胞保存方法、有核細胞保存用組成物及び有核細胞分離方法
JPH01320064A (ja) 血液成分分離方法
JP2002087971A (ja) 生体組織再生用細胞の分離方法及び装置
JP4245324B2 (ja) 単球の分離回収方法
JP6379042B2 (ja) 赤血球の除去方法
JP2001000178A (ja) 細胞分離方法及び細胞分離装置
JP3208132B2 (ja) 血液成分分離方法
JP3938973B2 (ja) 細胞分離方法
JP3088764B2 (ja) 血液成分分離方法
JP4412621B2 (ja) 細胞分離方法
JP4437335B2 (ja) ヒト未分化造血幹細胞およびその分離方法ならびに分離装置
JP3945725B2 (ja) 細胞分離方法
JPS5854130B2 (ja) 白血球分離法
JP4043094B2 (ja) 細胞分離器
JPH119270A (ja) 有核細胞分離回収方法および有核細胞分離回収器
JP2004121144A (ja) 単核球の採取方法
JP4333936B2 (ja) 生体骨組織再生用細胞を得る方法
JP4135894B2 (ja) 白血球除去フィルターに残留する白血球が除去された血液を回収する方法、回収装置および回収システム
JP2000325071A (ja) 細胞分離回収方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050705