JP6113988B2 - 腹水処理システム及び複合システム - Google Patents

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Description

本発明は、腹水処理システム及び複合システムに関する。
がん患者の免疫治療として、患者のリンパ球を採取し培養し患者に戻す活性化リンパ球治療や、患者のがん細胞由来のタンパク等のライセートを樹状細胞に貪食させて樹状細胞ワクチンを生成し、患者に投与する樹状細胞ワクチン療法が知られている。
樹状細胞ワクチンを生成するためのがん細胞や、リンパ球治療のためのリンパ球は、手術により切除した患部から採取されており、採取には手術が必要となる。
特開2009−297242号公報
ところで、がん患者の中には、癌性腹膜炎を発症し、体内に腹水がたまることがある。腹水には、リンパ球やがん細胞が含まれており、本出願の発明者らは、この腹水から、免疫治療のためのリンパ球やがん細胞を採取することを考えている。腹水からリンパ球やがん細胞を採取できれば、手術の必要がなく、患者の負担も少ない。
しかしながら、従来より、癌性腹膜炎の患者の症状緩和の措置として、単に患者から腹水を抜く治療は行われているが、この治療では、抜液による患者の負担を考慮して、その量は2〜3リットル程度と少量に限られている。このため、リンパ球や癌細胞の含有率が低い腹水では、免疫治療に用いるワクチン等を生成するための実用的な量のリンパ球やがん細胞を採取することは困難である。
そこで、発明者らは、腹水を患者に戻すことを前提として、患者の全量に近い多量の腹水を取り出し、がん細胞等を取り除き、残ったアルブミンなどの有用物質を濃縮して、患者に戻す腹水濾過濃縮再静注法を実行する腹水処理システムに注目している。
しかしながら、現在、この腹水濾過濃縮再静注法を行う腹水処理システムでは、腹水から、リンパ球やがん細胞を採取する機能はない(特許文献1参照)。また、採取したリンパ球やがん細胞の細胞成分を免疫治療のワクチン等の生成に用いるためには、採取の際に無菌状態を維持する必要があるが、腹水処理システムは、細胞成分を無菌で採取することもできない。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、多量の腹水を処理可能で、リンパ球やがん細胞の細胞成分を無菌で採取可能な腹水処理システム及び複合システムを提供することをその目的とする。
別の観点による本発明は、腹水を収容する腹水バッグと、前記腹水バッグの腹水から所定の細胞成分を捕捉する捕捉器と、前記捕捉器を通過した腹水から所定の成分を除去する濾過器と、前記濾過器で濾過された濾過腹水を濃縮する濃縮器と、前記濃縮器で濃縮された濃縮腹水を回収する濃縮腹水バッグと、前記捕捉器に液体を供給して前記捕捉器から細胞成分を離脱させる液体供給装置と、前記捕捉器から離脱した細胞成分を含む細胞成分液を収容する密閉型の細胞成分バッグと、を有する、腹水処理システムである。
本発明によれば、腹水濾過濃縮再静注法を実施できる腹水処理システムを用いて、多量の腹水を処理しつつ、その腹水から、免疫治療に十分な量のリンパ球やがん細胞の細胞成分を無菌で採取することができる。加えて、濾過器の前で不純物の少ない所定の細胞成分を採取することができるので、免疫治療に用いるワクチン等を生成するための細胞成分の処理を簡素化することができる。
前記腹水処理システムにおいて、前記液体供給装置は、前記捕捉器に培地液を供給し、前記細胞成分バッグは、リンパ球を培養する培養バッグであってもよい。かかる場合、細胞成分を採取するとともに、リンパ球の培養を行うことができる。
前記細胞成分バッグには、細胞成分を処理する細胞成分処理システムと無菌状態で接続するための接続手段が設けられていてもよい。かかる場合、細胞成分バッグの細胞成分を無菌状態に保ちながら、細胞成分処理システムに細胞成分を移すことができるので、免疫治療に用いるワクチン等を生成するための細胞成分の処理を連続的に効率的に行うことができる。
別の観点による本発明は、上記接続手段のある腹水処理システムと、前記腹水処理システムの接続手段により接続される細胞成分処理システムと、を有する、複合システムである。
前記細胞成分処理システムは、前記細胞成分液を濃縮するシステムであってもよい。
前記細胞成分処理システムは、濃縮された細胞成分内のリンパ球を培養するシステムであってもよい。
前記細胞成分処理システムは、濃縮された細胞成分内のがん細胞を凍結、融解処理するためのシステムであってもよい。
本発明によれば、多量の腹水を処理可能で、免疫治療に十分な量のリンパ球やがん細胞の細胞成分を無菌で採取できるので、腹水に由来するリンパ球やがん細胞を用いた免疫治療を実現できる。
腹水処理システムの構成の概略を示す説明図である。 細胞成分を採取する際の腹水処理システムを示す説明図である。 腹水処理システムの他の構成を示す説明図である。 細胞成分処理システムを有する複合システムの構成の説明図である。 他の細胞成分処理システムを有する複合システムの構成の説明図である。 他の細胞成分処理システムを有する複合システムの構成の説明図である。 リンパ球を培養する場合の複合システムの構成の説明図である。 他の腹水処理システムの構成の概略を示す説明図である。 細胞成分を採取する際の他の腹水処理システムを示す説明図である。 細胞成分処理システムを有する複合システムの構成の説明図である。 他の細胞成分処理システムを有する複合システムの構成の説明図である。 他の細胞成分処理システムを有する複合システムの構成の説明図である。 リンパ球を培養する場合の複合システムの構成の説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係る腹水処理システム1の構成の概略を示す説明図である。
図1に示す腹水処理システム1は、例えば、腹水を収容する腹水バッグ10と、腹水バッグ10の腹水からリンパ球とがん細胞を含む所定の細胞成分を除去する濾過器11と、濾過器11で濾過された濾過腹水を濃縮する濃縮器12と、濃縮器12で濃縮された濃縮腹水を回収する濃縮腹水バッグ13と、濾過器11の濾過膜14に対し濾過方向と逆方向に液体を流して濾過膜14から細胞成分を離脱させる液体供給装置15と、濾過器11から離脱した細胞成分を含む細胞成分液を回収する密閉型の細胞成分バッグ16を有している。
腹水バッグ10は、患者から採取された腹水を収容できる。腹水バッグ10と濾過器11は、軟質性のチューブ20により接続されている。チューブ20には、腹水バッグ10の腹水を濾過器11に送るポンプ21が設けられている。ポンプ21には、例えばチューブ20を扱いて腹水を圧送するチューブポンプが用いられている。
濾過器11の濾過膜14は、中空糸膜やフィルターであり、がん細胞とリンパ球を含む所定の細胞成分を除去し、アルブミンなどの所定の有用成分を通過させる。チューブ20は、濾過膜14の一次側14aに接続されている。
濾過器11は、軟質性のチューブ30によって濃縮器12に接続されている。濃縮器12は、中空糸膜やフィルターであり、濾過器11で濾過された濾過腹水から水分を抜く濃縮膜40を有している。チューブ30は、濾過器14の二次側14bと濃縮器12の濃縮膜40の一次側40aに接続されている。また、チューブ30には、開閉バルブ31が設けられている。
濃縮器12の濃縮膜40の二次側40bは、軟質性のチューブ50によって排水部51に接続されている。濃縮器12で抜かれた水分は、排水部51に排出される。
濃縮器12の濃縮膜40の一次側40aは、軟質性のチューブ60によって濃縮腹水バッグ13に接続されている。濃縮腹水バッグ13は、濃縮器12で濃縮された濃縮腹水を収容できる。チューブ60には、濃縮器12の濃縮腹水を濃縮腹水バッグ13に送るポンプ61が設けられている。ポンプ61には、例えばチューブ60を扱いて濃縮腹水を圧送するチューブポンプが用いられている。
液体供給装置15は、例えばチューブ70によって濾過器11の濾過膜14の二次側14bに接続されている。液体供給装置15は、例えば液体としての生理食塩水が収容されるシリンジと、シリンジ内で移動するピストンからなる注射器状のものであり、生理食塩水を所定の圧力で濾過膜14の二次側14bに供給できる。また、例えばチューブ70には、開閉バルブ71が設けられている。
細胞成分バッグ16は、密閉性、無菌性を有している。細胞成分バッグ16は、例えば軟質性のチューブ80によって濾過器14の一次側14aに接続されており、濾過器11の濾過膜14から離脱した細胞成分を含む細胞成分液を無菌状態で収容できる。また、例えばチューブ80には、開閉バルブ81が設けられている。
細胞成分バッグ16には、細胞成分を処理する細胞成分処理システムと無菌状態で接続するための接続手段90が設けられている。接続手段90は、チューブ100の先端に設けられ、流路内の無菌状態を維持したまま接続できる無菌コネクター(例えば日本ポール株式会社製のクリーンパック・コネクター)であってもよいし、チューブ100の先端に設けられ、両側のチューブを無菌状態を維持したまま直接的に接続する無菌接合装置(例えばテルモ製の無菌接合装置TSCD202)であってもよい。無菌コネクターは、例えばオスコネクタとメスコネクタに、それぞれの流路を封鎖するストリップが設けられており、メスコネクタとオスコネクタを接続した後、ストリップを抜いて流路の無菌性を維持する。無菌接合装置は、例えば先が閉じているそれぞれのチューブを固定し、各チューブの先端をブレーダーで加熱して切断し、チューブの切断面同士を合わせて接続する。なお、図1には、無菌コネクター101の場合を示している。
次に、以上のように構成された腹水処理システム1を用いて腹水からリンパ球やがん細胞の細胞成分を採取する例を説明する。
先ず、腹水バッグ10にがん患者から採取した腹水が収容され、当該腹水バッグ10がチューブ20に接続される。次に、例えば図1に示すようにバルブ71、81が閉じられ、バルブ31が開放された状態で、ポンプ21及びポンプ61が稼働する。腹水バッグ10の腹水は、濾過器11の一次側14aに供給され、濾過膜14でリンパ球及びがん細胞の細胞成分が除去され濾過される。濾過膜14を通過したアルブミンなどの有用成分を含む濾過腹水は、濾過膜14の二次側14bから濃縮器12に供給される。濾過腹水は、濃縮器12の濃縮膜40を通過し水が抜かれて濃縮される。抜かれた水は、排水部51に排水される。濃縮器12で濃縮された濃縮腹水は、濃縮腹水バッグ13に貯留される。腹水バッグ10の腹水がなくなると、ポンプ21、61が停止され、例えば次の腹水バッグ10がチューブ20に接続され、当該腹水バッグ10の腹水が同様にして濾過、濃縮される。こうして複数の腹水バッグ10に貯留された、患者の十分な量、好ましくは5リットル以上の腹水が処理されると、腹水の濾過、濃縮処理が終了する。濾過、濃縮された、アルブミンなどの有用成分が含まれた濃縮腹水は、患者の血管内に戻される(腹水濾過濃縮再静注法)。
次に、図2に示すようにバルブ31が閉じられ、バルブ71、81が開放された状態で、液体供給装置15によって生理食塩水が濾過器11の二次側14bに供給される。これにより、二次側14bから一次側14aに濾過膜14を通じて生理食塩水が通過し、濾過膜14に付着していたリンパ球やがん細胞の細胞成分が離脱する。離脱した細胞成分は、生理食塩水と共に、密閉型の細胞成分バッグ16に送られ貯留される。所定量の細胞成分液が細胞成分バッグ16に貯留されると、バルブ71、81が閉じられ、液体供給装置15からの生理食塩水の供給が停止される。
細胞成分バッグ16に細胞成分液を回収する前、回収時、或いは回収後に、細胞成分バッグ16には、接続手段90により細胞成分処理システムが無菌状態で接続される。細胞成分バッグ16の細胞成分液は、接続手段90を通じて無菌状態で細胞成分処理システムに送られ、免疫治療に用いるワクチン等を生成するためのリンパ球やがん細胞の細胞成分の処理が行われる。
以上の実施の形態によれば、腹水濾過濃縮再静注法を実施できる腹水処理システム1を用いて、多量の腹水を処理しつつ、その腹水から、免疫治療に必要な十分な量のリンパ球やがん細胞などの細胞成分を無菌で採取することができる。加えて、細胞成分バッグ16には、無菌状態で接続可能な接続手段90が設けられているので、細胞成分を無菌状態に保ちながら、細胞成分処理システムに細胞成分液を移すことができる。よって、免疫治療に用いるワクチンなどを生成するための細胞成分の処理を連続的に効率的に行うことができる。
なお、上記実施の形態における腹水処理システム1は、図3に示すようにポンプ21の代わりに、排水部51に接続される吸引装置110を有し、吸引装置110及びポンプ61により腹水バック10の腹水を吸引し、腹水を濾過、濃縮処理するものであってもよい。
次に、接続手段90により上記腹水処理システム1に接続される細胞成分処理システムについて説明する。
例えば細胞成分処理システムは、多量の生理食塩水が含まれた細胞成分液を濃縮するシステムであってもよい。以下に、かかる場合の細胞成分処理システムの構成例について説明する。
例えば図4に示すように細胞成分バッグ16には、接続手段90により細胞成分処理システム120が接続され、腹水処理システム1と共に複合システム130を構成している。
細胞成分処理システム120は、例えば細胞成分バッグ16の細胞成分液からリンパ球とがん細胞の細胞成分を捕捉するフィルター140と、フィルター140を通過した液が収容される廃液バッグ141と、フィルター140に対し濾過方向と逆方向に液体を流してフィルター140から細胞成分を離脱させる液体供給装置142と、フィルター140から離脱した細胞成分を回収する密閉型の濃縮細胞成分バッグ143を有している。
例えばフィルター140は、細胞成分バッグ16側のチューブ100に対してチューブ150により接続され、廃液バッグ141に対してチューブ151により接続されている。濃縮細胞成分バッグ143は、チューブ152によって、フィルター140の上流側のチューブ150に接続されている。液体供給装置142は、例えば注射器状のものであり、チューブ153によって、フィルター140の下流側のチューブ151に接続されている。また、チューブ151、152には、それぞれ開閉バルブ160、161が設けられている。
上記細胞成分処理システム120では、例えばバルブ161が閉鎖され、バルブ160が開放された状態で、例えば多量の生理食塩水を含む細胞成分液が細胞成分バッグ16からフィルター140に供給される。このときの細胞成分液の供給は、ポンプを用いて行ってもよいし、細胞成分バッグ16を押圧するなど手動で行ってもよいし、細胞成分バッグ16の位置を上げて重力を用いて行ってもよい。これにより、フィルター140には、リンパ球やがん細胞が捕捉され、残りの液は廃液バッグ141に収容される。
次に、バルブ161が開放され、バルブ160が閉鎖された状態で、液体供給装置142により液体としての生理食塩水がフィルター140に供給され、フィルター140を離脱した細胞成分が濃縮細胞成分バッグ143に送られ貯留される。このときの生理食塩水の供給量は、細胞成分バッグ16の細胞成分液に含まれていた生理食塩水の量よりも少ない。こうして、濃縮細胞成分バッグ143には、濃縮された細胞成分が収容される。
かかる例によれば、細胞成分バッグ16の細胞成分液を無菌状態を維持したまま、連続的に効率的に濃縮できる。
図5には、細胞成分液を濃縮する細胞成分処理システム120の他の構成例を示す。例えばこの細胞成分処理システム120は、細胞成分バッグ16側のチューブ100に対してチューブ170によって接続される遠心分離用バッグ171を有している。遠心分離用バッグ171には、例えば細胞成分液の廃液成分を収容する廃液バッグ172と、細胞成分液の濃縮された細胞成分を収容する濃縮細胞成分バッグ173が接続可能である。
かかる場合、先ず、細胞成分バッグ16の細胞成分液が遠心分離用バッグ171に供給される。このときの細胞成分液の供給は、ポンプを用いて行ってもよいし、細胞成分バッグ16を押圧するなど手動で行ってもよいし、細胞成分バッグ16の位置を上げて重力を用いて行ってもよい。その後、遠心分離用バッグ171が遠心分離機に搭載され、遠心分離用バッグ171内の細胞成分液が遠心分離される。これにより、遠心分離用バッグ171内で、リンパ球やがん細胞の細胞成分と、残りの液体が分離される。
次に、遠心分離用バッグ171に廃液バッグ172が接続され、液体成分が廃液バッグ172に送られる。次に、遠心分離用バッグ171に濃縮細胞成分バッグ173が接続され、細胞成分が濃縮細胞成分バッグ173に送られ貯留される。こうして、濃縮細胞成分バッグ173には、濃縮されたリンパ球とがん細胞の細胞成分が収容される。
図6に示すように、細胞成分液を濃縮する細胞成分処理システム120は、上述のフィルター140を有する機構と、遠心分離用バッグ171を有する機構が併用されていてもよい。かかる場合、例えばチューブ170とチューブ152が接続手段180によって無菌状態で接続される。そして、フィルター140によって捕捉された細胞成分が、液体供給装置142によって押し出され、チューブ152、170を通って遠心分離用バッグ171に収容される。遠心分離用バッグ171に細胞成分が収容されると、上述のように遠心分離が行われ、その後細胞成分が濃縮細胞成分バッグ173に収容される。かかる場合、細胞成分液が2回濃縮されるので、高い濃度の細胞成分を採取できる。
上記細胞成分処理システム120は、細胞成分液を濃縮するまでのものであったが、さらに、濃縮された細胞成分液内のがん細胞を凍結、融解処理するものであってもよい。かかる場合、例えば上述の濃縮された細胞成分が収容される濃縮細胞成分バッグ143、173に、耐熱性、密閉性に優れた凍結、融解処理用のバッグが用いられる。そして、濃縮された細胞成分が濃縮細胞成分バッグ143、173に収容された後、かかる濃縮細胞成分バッグ143、173が冷却及び加熱され、がん細胞が凍結、融解処理されて、ライセートが生成される。このライセートを樹状細胞に貪食させると、樹状細胞が癌抗原を提示し、樹状細胞ワクチンを生成できる。
上記細胞成分処理システム120は、濃縮された細胞成分内のリンパ球を培養するものであってもよい。かかる場合、例えば図4に示した細胞成分処理システム120において、液体供給装置142が液体として培地液を供給する。これにより、フィルター140に捕捉されたリンパ球を含む細胞成分が、培地液と共に濃縮細胞成分バッグ143に収容される。この濃縮細胞成分バッグ143では、リンパ球が培養される。培養されたリンパ球は、免疫治療としての活性化リンパ球治療に使用できる。
また、細胞成分処理システム120がリンパ球を培養する他の例として、図5に示した細胞成分処理システム120では、例えば図7に示すように濃縮細胞成分バッグ173に、培地液を収容する培地バッグ190が接続される。そして、濃縮細胞成分バッグ173に濃縮されたリンパ球を含む細胞成分が収容されるとともに、培地バッグ190から濃縮細胞成分バッグ173に培地液が供給される。これにより、濃縮細胞成分バッグ173では、リンパ球が培養される。
次に、濾過器11の前にリンパ球とがん細胞の細胞成分を捕捉する腹水処理システムについて説明する。図8は、かかる腹水処理システム200の構成の概略を示す説明図である。
腹水処理システム200は、上述の腹水処理システム1と同様に腹水濾過濃縮再静注法を行うための腹水バッグ10、濾過器11、濃縮器12及び濃縮腹水バッグ13等を有し、さらに、腹水バッグ10の腹水からリンパ球やがん細胞の特定細胞成分を捕捉する捕捉器210と、捕捉器210で捕捉された細胞成分を収容する密封型の細胞成分バッグ211と、捕捉器210に液体を供給して捕捉器210の細胞成分を含む細胞成分液を細胞成分バッグ211に送る液体供給装置212を有している。なお、腹水処理システム200においても、上記腹水処理システム1と同様に、ポンプ21に代えて、排水部51に接続された吸引装置110を設けてもよい。
捕捉器210は、例えばフィルターや中空糸膜であり、チューブ20に接続されている。液体供給装置212は、例えばチューブ220によって、捕捉器210の下流側のチューブ20に接続されている。液体供給装置212は、例えば注射器状のものであり、液体としての例えば生理食塩水を所定の圧力で捕捉器210に供給できる。
細胞成分バッグ211は、密閉性、無菌性を有し、例えばチューブ221によって、捕捉器210より上流側のチューブ20に接続されている。また、チューブ221には、開閉バルブ222が設けられている。
かかる腹水処理システム200では、先ず、バルブ71、81、222が閉じられ、バルブ31が開放された状態で、ポンプ21及びポンプ61が稼働し、腹水バッグ10の腹水が濾過器11側に送られ、濾過器11の前の捕捉器210でリンパ球やがん細胞の細胞成分が捕捉される。捕捉器210を通過した腹水は、濾過器11に供給され、濾過膜14でリンパ球、がん細胞以外の不要成分が除去され濾過される。濾過膜14を通過したアルブミンなどの有用成分を含む濾過腹水は、濾過膜14から濃縮器12に供給され濃縮される。濃縮された濃縮腹水は、濃縮腹水バッグ13に送られ貯留される。そして、患者の十分な量、好ましくは5リットル以上の腹水が濾過、濃縮処理されると、ポンプ21、61が停止し、バルブ31が閉鎖された後、図9に示すようにバルブ222が開放され、液体供給装置212によって生理食塩水が捕捉器210に供給される。これにより、捕捉器210の下流側から上流側に生理食塩水が通過し、捕捉器210に捕捉されたリンパ球とがん細胞の細胞成分が捕捉器210から離脱する。離脱した細胞成分は、生理食塩水と共に、密閉型の細胞成分バッグ211に送られ貯留される。所定量の細胞成分液が細胞成分バッグ211に貯留されると、バルブ222が閉じられ、液体供給装置212からの生理食塩水の供給が停止される。なお、この例において、液体供給装置15及び細胞成分バック16は、なくてもよいし、ある場合には、腹水の濾過、濃縮処理の終了後、液体供給装置15から濾過器11に液体を供給し、濾過膜14を通過した液体を細胞成分バック16に収容することで、濾過膜14を洗浄してもよい。
本実施の形態によれば、腹水濾過濃縮再静注法を実施できる腹水処理システム200を用いて、多量の腹水を処理しつつ、その腹水から、免疫治療に必要な十分な量のリンパ球やがん細胞の細胞成分を無菌で採取することができる。加えて、濾過器210の前でリンパ球とがん細胞が捕捉され、不純物の少ない細胞成分を採取できるので、次の細胞成分の処理を簡素化することができる。特に、濾過器11で捕捉された細胞成分を採取するよりも生理食塩水の量を減らすこともできるので、細胞成分バッグ211における細胞成分の濃縮率を上げることができる。
かかる例において、図10に示すように細胞成分バッグ211には、細胞成分を処理する細胞成分処理システム230と無菌状態で接続可能な接続手段231を設けてもよい。この場合、腹水処理システム200と細胞成分処理システム230で、複合システム240を構成している。接続手段231は、上記腹水処理システム1と同様に、チューブ232の先端に設けられた無菌コネクターであってもよいし、無菌接合装置であってもよい。
細胞成分処理システム230は、上記細胞成分処理システム120と同様に、細胞成分バッグ211の細胞成分を濃縮するものであってもよく、例えば図10に示すようにフィルター140を有するもの、図11に示すように遠心分離用バッグ171を有するもの、図12に示すようにその両方を有するものであってもよい。なお、細胞成分処理システム230において、上記細胞成分処理システム120と同様の構成については、同じ符号を用いて、説明を省略する。また、各場合の濃縮方法は、上記細胞成分処理システム120と同様である。
上記細胞成分処理システム230は、濃縮した細胞成分内のがん細胞を凍結、融解処理するものであってもよく、かかる場合、上記細胞成分処理システム120の場合と同様に、例えば上述の濃縮された細胞成分が収容される図10〜図12の濃縮細胞成分バッグ143、173に、耐熱性、密閉性に優れた凍結、融解処理用のバッグが用いられてもよい。
また、上記細胞成分処理システム230は、濃縮した細胞成分内のリンパ球を培養するものであってもよく、かかる場合、上記細胞成分処理システム120の場合と同様に、例えば図10に示した細胞成分処理システム230において、液体供給装置142が液体として培地液を供給し、フィルター140に捕捉されたリンパ球を含む細胞成分が、培地液と共に濃縮細胞成分バッグ143に収容され、この濃縮細胞成分バッグ143でリンパ球が培養されてもよい。
また、図11に示した細胞成分処理システム230では、図13に示すように濃縮細胞成分バッグ173に、培地液を収容する培地バッグ250が接続され、濃縮細胞成分バッグ173に濃縮されたリンパ球を含む細胞成分が収容されるとともに、培地バッグ250から濃縮細胞成分バッグ173に培地液が供給され、濃縮細胞成分バッグ173でリンパ球が培養されるようにしてもよい。
ところで、上記腹水処理システム200では、細胞成分処理システム230を用いることなく、リンパ球を培養してもよい。かかる場合、図9において液体供給装置212は、捕捉器210に対し液体として培地液を供給する。細胞成分バッグ211は、リンパ球を培養する培養バッグとなる。こうすることにより、腹水からリンパ球を採取し、そのリンパ球の培養する処理を簡単に行うことができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば以上の実施の形態における、腹水処理システム、細胞成分処理システム、複合システム等の構成はこれに限られない。また、例えばフィルター140や捕捉器210に液体を供給してフィルター140や捕捉器210から細胞成分を離脱させる液体供給装置142、212は、フィルター140や捕捉器210の下流側に設けられていたが、上流側に設けられていてもよい。
本発明は、多量の腹水を処理可能で、リンパ球やがん細胞の細胞成分を無菌で採取する際に有用である。
1、200 腹水処理システム
10 腹水バッグ
11 濾過器
12 濃縮器
13 濃縮腹水バッグ
14 濾過膜
15 液体供給装置
16 細胞成分バッグ
120、230 細胞成分処理システム
130、240 複合システム

Claims (7)

  1. 腹水を収容する腹水バッグと、
    前記腹水バッグの腹水から所定の細胞成分を捕捉する捕捉器と、
    前記捕捉器を通過した腹水から所定の成分を除去する濾過器と、
    前記濾過器で濾過された濾過腹水を濃縮する濃縮器と、
    前記濃縮器で濃縮された濃縮腹水を回収する濃縮腹水バッグと、
    前記捕捉器に液体を供給して前記捕捉器から細胞成分を離脱させる液体供給装置と、
    前記捕捉器から離脱した細胞成分を含む細胞成分液を収容する密閉型の細胞成分バッグと、を有する、腹水処理システム。
  2. 前記液体供給装置は、前記捕捉器に培地液を供給し、
    前記細胞成分バッグは、リンパ球を培養する培養バッグである、請求項1に記載の腹水処理システム。
  3. 前記細胞成分バッグには、細胞成分を処理する細胞成分処理システムと無菌状態で接続するための接続手段が設けられている、請求項1に記載の腹水処理システム。
  4. 請求項3に記載の腹水処理システムと、
    前記腹水処理システムの接続手段により接続される細胞成分処理システムと、を有する、複合システム。
  5. 前記細胞成分処理システムは、前記細胞成分液を濃縮するシステムである、請求項4に記載の複合システム。
  6. 前記細胞成分処理システムは、濃縮された細胞成分内のリンパ球を培養するシステムである、請求項5に記載の複合システム。
  7. 前記細胞成分処理システムは、濃縮された細胞成分内のがん細胞を凍結、融解処理するためのシステムである、請求項5に記載の複合システム。
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