JP6230907B2 - 腹水濾過濃縮システム、腹水濾過濃縮システムにおける濾過器及び濃縮器の洗浄方法、並びに濾過器及び濃縮器の洗浄時における濾液及び濃縮液の回収方法 - Google Patents

腹水濾過濃縮システム、腹水濾過濃縮システムにおける濾過器及び濃縮器の洗浄方法、並びに濾過器及び濃縮器の洗浄時における濾液及び濃縮液の回収方法 Download PDF

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Description

本発明は、腹水濾過濃縮システム、腹水濾過濃縮システムにおける濾過器及び濃縮器の洗浄方法、並びに濾過器及び濃縮器の洗浄時における濾液及び濃縮液の回収方法に関する。
従来、肝硬変などの腹水や胸水(以下、腹水と総称する)の溜まり易い患者に対して、腹水中のタンパク質を利用して患者の血中タンパク質濃度を上昇させるため、貯留部に針を刺し体外に排出した腹水を、中空糸膜などを用いた2種のフィルタにより濾過濃縮処理し、濃厚タンパク質溶液を得、これを患者に点滴する腹水濾過濃縮再静注法が行われている(例えば、特許文献1参照)。これは、ガン治療や緩和医療の一環として行われているもので、肝硬変、内臓病、癌性腹膜炎などでみられる難治性腹水に対して、腹水中の有害物質である細菌やガン細胞などの細胞成分を除去し、有用物質であるアルブミンなどのタンパク質を濃縮して患者に再利用しようとするものである。
2種のフィルタの1つ目は腹水中に含まれるガン細胞、血球成分などの細胞成分を除くための濾過フィルタであり、細胞成分を通過させず、水分、タンパク質などの溶質成分は通過させるような孔径を有する膜が用いられる。一方、もうひとつのフィルタは希薄なタンパク質濃度である腹水から除水し、タンパク質を濃縮するための濃縮フィルタであり、タンパク質成分はほとんど通過せず、水分、電解質などは通過させる膜が用いられる。通常、利便性の観点から、濾過器で細胞成分を濾別した腹水を濃縮器で濃縮する方法が取られ、これらを連続して行うようにした腹水濾過濃縮システムが利用されている。
ところで、このような腹水濾過濃縮システムにおいては、腹水の濾過過程で、濾過膜の表面にガン細胞や血球、フィブリンなどの除去された物質が付着することにより、短時間で濾過膜の孔が閉塞してしまう場合がある。したがって、例えば、1〜3L程度の腹水を処理しただけで濾過膜が閉塞する場合があり、大量の腹水を継続的に処理することが困難なことがあった。
このように濾過膜が閉塞する問題を解消するべく、外部から濾過部材に洗浄液を供給するという技術が提案されている。
特開2012−125557号公報
しかしながら、従来の技術では、腹水濾過濃縮システム全体としてみた場合に、洗浄という点のみならず、有用物質の回収という点でも不十分な部分がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、洗浄という点のみならず、有用物質の回収という点でも性能を向上させた腹水濾過濃縮システム、腹水濾過濃縮システムにおける濾過器及び濃縮器の洗浄方法、並びに濾過器及び濃縮器の洗浄時における濾液及び濃縮液の回収方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る腹水濾過濃縮システムは、
細胞成分を含む原液を貯留する原液貯留容器(100)と、
前記原液中の前記細胞成分を分離可能な濾過器(1)と、
任意の溶液を濾過濃縮により濃縮液と廃液に分離可能な濃縮器(2)と、
前記濃縮液を回収する濃縮液回収容器(102)と、
前記濾過器と前記濃縮器を洗浄する洗浄液を貯留する洗浄液貯留容器(103)と、
前記原液貯留容器の出口と、前記濾過器の入口を接続する原液供給流路(10)と、
前記濾過器の濾液出口と、前記濃縮器の入口を接続する濾液流路(11)と、
前記濃縮器の濃縮液出口と、前記濃縮液回収容器を接続する濃縮液回収流路(12)と、
前記濃縮器の濾液出口に接続される廃液流路(13)と、
前記濃縮器の濾液出口に連通する前記洗浄液貯留容器(103)を接続する洗浄液供給流路(14)と、
前記濃縮液回収流路(12)の流量を制御する回収流量制御手段(32)と、
前記廃液流路(13)の流量を制御する廃液流量制御手段(33)と、
前記洗浄液供給流路(14)の流量を制御する洗浄液流量制御手段(34)と、
を備えている。
一般に、腹水濾過濃縮再静注法において患者に投与するタンパク質溶液は、投与後患者の血中タンパク質濃度を増加させる目的もあるため、ある程度高い濃度であることが必要となるが、そのために高い濃縮倍率になるよう濃縮する必要がある。処理する腹水のタンパク質濃度が濃くなると、濃縮用フィルタはタンパク質により目詰まりし、濃縮速度が低下してしまい、目標とする濃縮倍率に濃縮できない場合がある。このような場合、いったん濃縮不十分の状態でタンパク質溶液を回収し、追加で濃縮するといった工程を経ると非常に煩雑であり、さらに場合によっては濃縮用フィルタを新しいものと交換する必要があるため、施行者にとり、作業面、作業時間の面で負担のかかるものとなる上、経済面の不利益もある。また、患者にとってもタンパク質溶液が投与されるまでの拘束時間が長くなるという不利益がある。以上の問題は、濾過器における濾過用フィルタについても同様といえる。
この点、本発明に係る腹水濾過濃縮システムにおいては、回収流量制御手段(32)、廃液流量制御手段(33)、洗浄液流量制御手段(34)といった各制御手段により各流体の流量を制御したうえで、洗浄液貯留容器(103)から濃縮器(2)へと洗浄液を供給し、濃縮時における溶液(濾液など)とは逆の流れで濃縮器内を流すことにより、濃縮器(のフィルタ)を洗浄することができる。また、濃縮器(のフィルタ)を洗浄した後の洗浄液を濾液流路(11)に流して濾過器(1)へと供給し、濾過時における腹水とは逆の流れで濾過器内を流すことにより、濾過器(のフィルタ)を洗浄することができる。このように、濾過時および濃縮時における溶液の流れとは逆向きに洗浄液を流し、濾過器内および濃縮器内で逆流させて洗浄すること(本明細書では、「逆洗浄」と呼ぶ)により、濾過器および濃縮器の両方を一度に洗浄することができる。このため、目詰まり解消のための作業面、作業時間面での負担や、経済面での不利益を軽減することができる。また、タンパク質溶液が投与されるまでの拘束時間が長くなるのを回避できるという、患者にとっての利点もある。
上述した腹水濾過濃縮システムは、2次側たる濃縮器側から洗浄液を供給して逆洗浄する構成であり、2次側に洗浄液供給回路を接続する構成であるため、回路全体が複雑になることがなく取り回しがよい。
しかも、この腹水濾過濃縮システムにおいては、逆洗浄の際、濾液流路(11)内に残存している有用物質(濾液)を原液貯留容器(100)へと逆流させて回収することができる。このため、逆洗浄開始時に回路内やフィルタ内に残存している有用物質を回収し、当該有用物質の損失を極力低減させることができる。
加えて、この腹水濾過濃縮システムにおいては、回収流量制御手段(32)、廃液流量制御手段(33)、洗浄液流量制御手段(34)といった各種制御手段によって各流体流量を制御することにより、逆洗浄終了後の治療開始時、回路内とフィルタ内に残存した洗浄液が濃縮液回収容器(102)に回収されないよう除水することが可能である。これによれば、洗浄液によって有用物質が薄まるのを回避することができる。
上述の腹水濾過濃縮システムにおいて、前記回収流量制御手段(32)は、前記濃縮液回収流路(12)を閉塞し、前記廃液流量制御手段(33)は、前記廃液流路(13)を閉塞し、前記洗浄液流量制御手段(34)は、前記洗浄液供給流路(14)を開放し、前記洗浄液貯留容器(103)内の洗浄液により前記濾過器(1)及び前記濃縮器(2)を洗浄することができる。
この状態で洗浄液貯留容器(103)から洗浄液を供給すると、該洗浄液は、洗浄液供給流路(14)から濃縮器(2)へと流れ、当該濃縮器(のフィルタ)を洗浄する。濃縮器を洗浄した後の洗浄液は、さらに濾液流路(11)を通って濾過器(1)へと流れ、当該濾過器(のフィルタ)を洗浄する。
しかも、この腹水濾過濃縮システムにおいては、濾過器を洗浄した後の洗浄液が、原液供給流路(10)を通って原液貯留容器(100)へと流れ込む一本道の経路が形成されている。したがって、逆洗浄の際、濾液流路(11)内に残存している有用物質(濾液)を原液貯留容器(100)へと逆流させて回収することができる。
腹水濾過濃縮システムは、前記濾過器(1)の原液入口に連通する洗浄液廃液流路(15)と、前記原液供給流路(10)の流量を制御する原液供給流量制御手段(30)と、前記洗浄液廃液流路(15)の流量を制御する洗浄液廃液流量制御手段(35)と、をさらに備えるものであってもよい。
この腹水濾過濃縮システムにおいては、逆洗浄時、洗浄した後の洗浄液を廃液として棄てることが可能であるし、濾液等の一部を原液貯留容器(100)に回収することも可能である。
腹水濾過濃縮システムは、
前記回収流量制御手段(32)は、前記濃縮液回収流路(12)を閉塞し、
前記廃液流量制御手段(33)は、前記廃液流路(13)を閉塞し、
前記洗浄液流量制御手段(34)は、前記洗浄液供給流路(14)を開放し、
前記原液供給流量制御手段(30)は、前記原液供給流路(10)を開放し、
前記洗浄液廃液流量制御手段(35)は、前記洗浄液廃液流路(15)を閉塞し、
前記洗浄液貯留容器(103)内の洗浄液により前記濾過器(1)と前記濃縮器(2)を洗浄し、当該洗浄液を前記原液供給流路(10)へ流通させるものであってもよい。
この腹水濾過濃縮システムにおいては、逆洗浄時、洗浄した後の洗浄液を廃液として棄てることと、濾液等の一部を原液貯留容器(100)に回収することの両方が選択的に可能なシステムにおいて、濾液等の一部を原液貯留容器に回収することができる。
腹水濾過濃縮システムは、
前記回収流量制御手段(32)は、前記濃縮液回収流路(12)を閉塞し、
前記廃液流量制御手段(33)は、前記廃液流路(13)を閉塞し、
前記洗浄液流量制御手段(34)は、前記洗浄液供給流路(14)を開放し、
前記洗浄液廃液流量制御手段(35)は、前記洗浄液廃液流路(15)を開放し、
前記原液供給流量制御手段(30)は、前記原液供給流路(10)を閉塞し、
前記洗浄液貯留容器(103)内の洗浄液により前記濾過器(1)と前記濃縮器(2)を洗浄し、当該洗浄液を前記洗浄液廃液流路(15)へ流通させるものであってもよい。
この腹水濾過濃縮システムにおいては、逆洗浄時、洗浄した後の洗浄液を廃液として棄てることと、濾液等の一部を原液貯留容器(100)に回収することの両方が選択的に可能なシステムにおいて、濾過器を洗浄した後の洗浄液を廃液として棄てることが可能である。
腹水濾過濃縮システムは、
前記濾液流路(11)と前記濃縮液回収容器(102)を接続する再循環流路(16)と、
前記再循環流路の流量を制御する再循環流量制御手段(36)と、
前記濾液流路(11)の流量を制御し、前記濾液流路(11)と前記再循環流路(16)との接続点(40)よりも前記濾過器(1)側に位置する濾過流量制御手段(31)と、
をさらに備えるものであってもよい。
この腹水濾過濃縮システムにおいては、再循環流量制御手段(36)および濾過流量制御手段(31)によって再循環流路の流量と濾液流路の流量をそれぞれ制御することにより、逆洗浄時、再循環流路(16)内の濃縮液を濃縮液回収容器(102)で回収する態様と、濃縮器(2)を洗浄したうえでさらに濾過器(1)を洗浄する態様とを切り換えることができる。
この腹水濾過濃縮システムにおいては、
前記回収流量制御手段(32)は、前記濃縮液回収流路(12)を閉塞し、
前記廃液流量制御手段(33)は、前記廃液流路(13)を閉塞し、
前記洗浄液流量制御手段(34)は、前記洗浄液供給流路(14)を開放し、
前記再循環流量制御手段(36)は、再循環流路(16)を開放し、
前記濾過流量制御手段(31)は、前記濾液流路(11)のうち前記接続点(40)よりも前記濾過器(1)寄りの流路を閉塞し、
前記洗浄液貯留容器(103)内の洗浄液により前記濃縮器(2)を洗浄し、前記再循環流路(16)に流通させることができる。
あるいは、この腹水濾過濃縮システムにおいては、
前記回収流量制御手段(32)は、前記濃縮液回収流路(12)を閉塞し、
前記廃液流量制御手段(33)は、前記廃液流路(13)を閉塞し、
前記洗浄液流量制御手段(34)は、前記洗浄液供給流路(14)を開放し、
前記再循環流量制御手段(36)は、再循環流路(16)を閉塞し、
前記濾過流量制御手段(31)は、前記濾液流路(11)を開放し、
前記洗浄液貯留容器(103)内の洗浄液により前記濃縮器(2)を洗浄し、前記再循環流路(16)に流通させると共に、前記濾過器(1)を洗浄し、当該洗浄液を前記原液供給流路(10)に流通させることができる。
上述の腹水濾過濃縮システムにおいては、
前記回収流量制御手段(32)及び前記廃液流量制御手段(33)にて前記濃縮液回収流路(12)および前記廃液流路(13)を閉塞し、
前記洗浄液流量制御手段(34)にて前記洗浄液流路(14)に洗浄液を流し、
前記洗浄液貯留容器(103)内の洗浄液により前記濃縮器(2)を洗浄し、当該洗浄液を前記再循環流路(16)に流通させ、
その後、前記再循環流量制御手段(36)にて前記再循環流路(16)を閉塞し、前記濾過流量制御手段(31)にて前記濾液流路(11)のうち前記接続点(40)よりも前記濾過器(1)寄りの流路を開放し、
前記濃縮器(2)を洗浄するとともに前記濾過器(1)を洗浄することができる。
腹水濾過濃縮システムは、
前記濾過器(1)の大気開放端に連通する第1の濾過器大気開放流路(17)と、
前記第1の濾過器大気開放流路(17)の流量を制御する第1の濾過器大気開放流量制御手段(37)を有することができる。
あるいは、腹水濾過濃縮システムは、
前記濾過器(1)の前記濾液出口とは別の濾液出口に連通する第2の濾過器大気開放流路(18)と、
前記第2の濾過器大気開放流路の流量を制御する第2の濾過器大気開放流量制御手段(38)を有するものであってもよい。
あるいは、腹水濾過濃縮システムは、
前記濃縮器(2)の濃縮液出口に連通する濃縮器大気開放流路(19)と、
前記濃縮器大気開放流路(19)の流量を制御する濃縮側大気開放流量制御手段(39)を有するものであってもよい。
また、腹水濾過濃縮システムにおいて、前記第1の濾過器大気開放流量制御手段(37)は、前記第1の濾過器大気開放流路(17)を開放し、前記濾過器(1)内の原液を、前記原液貯留容器(100)に回収する工程を有するものであってもよい。
また、腹水濾過濃縮システムにおいて、前記第2の濾過器大気開放流量制御手段(38)は、前記第2の濾過器大気開放流路(18)を開放し、前記濾過器(1)内の濾液を、前記原液貯留容器(100)に回収する工程を有するものであってもよい。
また、腹水濾過濃縮システムにおいて、前記濃縮側大気開放流量制御手段(39)は、前記濃縮器大気開放流路(19)を開放し、前記濃縮器(2)内の濾液を前記濃縮液回収容器(102)又は前記原液貯留容器(100)に回収する工程を有するものであってもよい。
また、腹水濾過濃縮システムは、
前記濾過器(1)の大気開放端に連通する第1の濾過器大気開放流路(17)と、
前記第1の濾過器大気開放流路(17)の流量を制御する第1の濾過器大気開放流量制御手段(37)と、
前記濾過器(1)の前記濾液出口とは別の濾液出口に連通する第2の濾過器大気開放流路(18)と、
前記第2の濾過器大気開放流路の流量を制御する第2の濾過器大気開放流量制御手段(38)と、
前記濃縮器(2)の濃縮液出口に連通する濃縮器大気開放流路(19)と、
前記濃縮器大気開放流路(19)の流量を制御する濃縮側大気開放流量制御手段(39)と、
を有するものであってもよい。
さらに、この腹水濾過濃縮システムは、
前記第1の濾過器大気開放流量制御手段(37)は、前記第1の濾過器大気開放流路(17)を開放し、前記濾過器(1)内の原液を、前記原液貯留容器(100)に回収する工程と、
前記第2の濾過器大気開放流量制御手段(38)は、前記第2の濾過器大気開放流路(18)を開放し、前記濾過器(1)内の濾液を、前記原液貯留容器(100)に回収する工程と、
前記濃縮側大気開放流量制御手段(39)は、前記濃縮器大気開放流路(19)を開放し、前記濃縮器(2)内の濾液を前記濃縮液回収容器(102)又は前記原液貯留容器(100)に回収する工程と、
を、順次行い、または、少なくとも2つの工程を並行して行うものであってもよい。
また、本発明に係る腹水濾過濃縮システムにおける濾過器及び濃縮器の洗浄方法は、
細胞成分を含む原液を貯留する原液貯留容器(100)と、
前記原液中の前記細胞成分を分離可能な濾過用膜を有する濾過器(1)と、
任意の溶液を濾過濃縮により濃縮液と廃液に分離可能な濃縮用膜を有する濃縮器(2)と、
前記濃縮液を回収する濃縮液回収容器(102)と、
前記濾過器と前記濃縮器を洗浄する洗浄液を貯留する洗浄液貯留容器(103)と、
前記原液貯留容器の出口と、前記濾過器の入口を接続する原液供給流路(10)と、
前記濾過器の濾液出口と、前記濃縮器の入口を接続する濾液流路(11)と、
前記濃縮器の濃縮液出口と、前記濃縮液回収容器を接続する濃縮液回収流路(12)と、
前記濃縮器の濾液出口に接続される廃液流路(13)と、
前記濃縮器の濾液出口に連通する前記洗浄液貯留容器(103)を接続する洗浄液供給流路(14)と、
前記濃縮液回収流路(12)の流量を制御する回収流量制御手段(32)と、
前記廃液流路(13)の流量を制御する廃液流量制御手段(33)と、
前記洗浄液供給流路(14)の流量を制御する洗浄液流量制御手段(34)と、
を備えた腹水濾過濃縮システムにおける前記濾過器及び前記濃縮器を洗浄するに際し、
前記回収流量制御手段(32)によって前記濃縮液回収流路(12)を閉塞し、
前記廃液流量制御手段(33)によって前記廃液流路(13)を閉塞し、
前記洗浄液流量制御手段(34)によって前記洗浄液供給流路(14)を開放し、
前記洗浄液貯留容器(103)内の洗浄液により前記濾過器(1)及び前記濃縮器(2)を洗浄する、というものである。
また、腹水濾過濃縮システムにおける濾過器及び濃縮器の洗浄時における濾液及び濃縮液の回収方法は、
細胞成分を含む原液を貯留する原液貯留容器(100)と、
前記原液中の前記細胞成分を分離可能な濾過用膜を有する濾過器(1)と、
任意の溶液を濾過濃縮により濃縮液と廃液に分離可能な濃縮用膜を有する濃縮器(2)と、
前記濃縮液を回収する濃縮液回収容器(102)と、
前記濾過器と前記濃縮器を洗浄する洗浄液を貯留する洗浄液貯留容器(103)と、
前記原液貯留容器の出口と、前記濾過器の入口を接続する原液供給流路(10)と、
前記濾過器の濾液出口と、前記濃縮器の入口を接続する濾液流路(11)と、
前記濃縮器の濃縮液出口と、前記濃縮液回収容器を接続する濃縮液回収流路(12)と、
前記濃縮器の濾液出口に接続される廃液流路(13)と、
前記濃縮器の濾液出口に連通する前記洗浄液貯留容器(103)を接続する洗浄液供給流路(14)と、
前記濃縮液回収流路(12)の流量を制御する回収流量制御手段(32)と、
前記廃液流路(13)の流量を制御する廃液流量制御手段(33)と、
前記洗浄液供給流路(14)の流量を制御する洗浄液流量制御手段(34)と、
前記濾過器(1)の大気開放端に連通する第1の濾過器大気開放流路(17)と、
前記第1の濾過器大気開放流路(17)の流量を制御する第1の濾過器大気開放流量制御手段(37)と、
前記濾過器(1)の前記濾液出口とは別の濾液出口に連通する第2の濾過器大気開放流路(18)と、
前記第2の濾過器大気開放流路の流量を制御する第2の濾過器大気開放流量制御手段(38)と、
前記濃縮器(2)の濃縮液出口に連通する濃縮器大気開放流路(19)と、
前記濃縮器大気開放流路(19)の流量を制御する濃縮側大気開放流量制御手段(39)と、
を備えた腹水濾過濃縮システムにおける前記濾過器及び前記濃縮器を洗浄するに際し、
前記第1の濾過器大気開放流量制御手段(37)によって前記第1の濾過器大気開放流路(17)を開放し、前記濾過器(1)内の原液を、前記原液貯留容器(100)に回収する工程と、
前記第2の濾過器大気開放流量制御手段(38)によって前記第2の濾過器大気開放流路(18)を開放し、前記濾過器(1)内の濾液を、前記原液貯留容器(100)に回収する工程と、
前記濃縮側大気開放流量制御手段(39)によって前記濃縮器大気開放流路(19)を開放し、前記濃縮器(2)内の濾液を前記濃縮液回収容器(102)又は前記原液貯留容器(100)に回収する工程と、
を、順次行い、または、少なくとも2つの工程を並行して行う、というものである。
本発明によれば、洗浄という点のみならず、有用物質の回収という点でも性能の向上を図ることができる。
本発明の第1の実施形態における腹水濾過濃縮システムの構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態における腹水濾過濃縮システムの構成を示す図である。 本発明の第3の実施形態における腹水濾過濃縮システムの構成を示す図である。 本発明の第4の実施形態における腹水濾過濃縮システムの構成を示す図である。 本発明の第5の実施形態における腹水濾過濃縮システムの構成を示す図である。 本発明の第6の実施形態における腹水濾過濃縮システムの構成を示す図である。 本発明の第7の実施形態における腹水濾過濃縮システムの構成を示す図である。 本発明の第8の実施形態における腹水濾過濃縮システムの構成を示す図である。 本発明の第9の実施形態における腹水濾過濃縮システムの構成を示す図である。 本発明の第10の実施形態における腹水濾過濃縮システムの構成を示す図である。 図10に示した腹水濾過濃縮システムにおける濾過時の液体の流れを説明する図である。 図10に示した腹水濾過濃縮システムにおける濃縮時の液体の流れを説明する図である。 図10に示した腹水濾過濃縮システムにおける逆洗浄時の液体の流れ(第1ステップ)を説明する図である。 図10に示した腹水濾過濃縮システムにおける逆洗浄時の液体の流れ(第2ステップ)を説明する図である。 図10に示した腹水濾過濃縮システムにおける逆洗浄時の液体の流れ(第3ステップ)を説明する図である。
本発明に係る腹水濾過濃縮システム200は、原液貯留容器100に貯留された腹水(タンパク質溶液)を濾過及び濃縮して濃厚タンパク質溶液(高濃度タンパク質溶液)を得るシステムである。
採取された患者の腹水は原液貯留容器100に貯留される。一般に、腹水は、タンパク質濃度が5g/dL以下の低濃度タンパク質溶液である。原液貯留容器100は、原液供給流路10を介して、濾過器1への原液入口である一次側入口ポート1aと接続されている。濾過器1に供給された原液(腹水)は、濾過器1内の濾過膜1fで濾過されるが、細胞成分は濾過膜1fを通過できないため、濾過器1の濾液出口である二次側出口ポート1cからは細胞成分が除かれた、タンパク質を含む濾液(濾過後の腹水)が排出される。濾液は、その後、濃縮器2へと供給され、濃縮膜2fによって水分が分離されて濃縮される。
以下、添付図面を参照しつつ各本発明の実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態を以下に示す。
図1に示す腹水濾過濃縮システム200は、原液貯留容器100、濾過器1、濃縮器2、濃縮液回収容器102、洗浄液貯留容器103、原液供給流路10、濾液流路11、濃縮液回収流路12、廃液流路13、洗浄液供給流路14、回収流量制御手段32、廃液流量制御手段33、洗浄液流量制御手段34を備えている。
原液貯留容器100には、細胞成分を含む原液(一例として、患者から採取された腹水)を収容できる。本実施形態の腹水濾過濃縮システム200において、この原液貯留容器100内の腹水は、例えば軟質性のチューブからなる原液供給流路10を通じて濾過器1の一次側入口ポート1aへと供給される。本実施形態では、原液貯留容器100を比較的高所に配置し、他の構成との間における液体の高低差に基づく圧力差(落差圧)により原液を送液する。
濾過器1は、例えばがん細胞などの所定の病因物質を分離して除去し、アルブミンなどの所定の有用成分を通過させる中空糸膜などの濾過膜1fを有している。濾過膜1fの一次側(例えば、中空糸膜の内側)に供給された腹水のうち、濾過膜を通過して濾過されたもの(濾液)は、濾過器1の二次側出口ポート1b,1cの一方(例えば二次側出口ポート1c)から排出される。なお、濾過器1に対し、濾液流路11は、濾過膜1fを構成する中空糸外側室部分に通じていれば、いずれの位置に接続されていてもよい。便宜上、本明細書では、濾過用ないし濃縮用の膜を境に、原液が流通する領域を一次側、膜を通過した側を二次側と呼んでいる。
濾過膜1fは細胞成分と水分、及び電解質やタンパク質などの溶質成分を分離できれば特に限定されるものではない。フィルタの構造、形状、寸法としては、原液貯留容器100または濃縮器2と接続するための流路と接続ができる原液入口、及び濾液出口を備えていれば制限はない。また、濾過膜1fとして用いられる中空糸について、素材は特に限定はなく、製膜時に孔径制御がしやすく且つ化学的安定性に優れる理由から、ポリエチレンなどのポリオレフィン系、ポリスルホン系、再生セルロース系、ポリビニルアルコール系などが好ましい。これら例示した中空糸素材には他の材料が含有されていても良く、また化学的に修飾されていても良い。通常、孔径が0.2μm以下で、かつタンパク質の透過率が80%以上である中空糸膜フィルタが用いられる。
濾過器1の二次側出口ポート1cから排出された濾液は、濾液流路11を通り、濃縮器2の一次側入口ポート2aへ供給される。濃縮器2は、濾液中の水分などのみを通過させる濃縮膜2fを有しており、濃縮膜2fの一次側(例えば、中空糸膜の内側)に供給された濾液から水分を分離して濃縮させる。分離された水分(濾液)は、二次側出口ポート2b,2cの一方(例えば、二次側出口ポート2b)から排出される。
濃縮器2の二次側出口ポート2bには、廃液流路13が接続されている。廃液流路13の途中には、当該廃液流路13を流れる液体(この場合、廃液)の流量を制御する廃液流量制御バルブ33が設けられている。濃縮器2の濃縮膜2fによって分離された水分(濾液)は、この廃液流路13を通じ廃液として排出される。
濃縮器2の一次側出口ポート(濃縮液出口)2dには濃縮液回収流路12が接続されており、この濃縮液回収流路12の先には、濃縮液を回収する濃縮液回収容器102が接続されている。また、濃縮液回収流路の途中には、濃縮液回収流路12を流れる流体(本実施形態場合、濃縮液)の流量を制御する回収流量制御バルブ32が設けられている。濃縮器2において水分が分離されることによって濃縮した濃縮液は、濃縮液回収容器102において回収される。
濃縮液回収容器102は、液体を貯留することができればどのようなものでもよいが、通常、取り扱い性の観点から、ポリ塩化ビニル製のバッグが用いられる。原液貯留容器100についても同様である。これら各種容器の大きさは採取してきた腹水の量などにより決定される。
洗浄液貯留容器103は、逆洗浄(濾過時および濃縮時における溶液の流れとは逆向きに洗浄液を流し、濾過器1内の濾過膜1fおよび濃縮器2内の濃縮膜2fを逆流させて洗浄すること)に用いられる洗浄液を貯留した容器である。この洗浄液貯留容器103は、逆洗浄の際、洗浄液供給流路14を介して濃縮器2の二次側出口ポート2b,2cの他方(本実施形態の場合、二次側出口ポート2c)に接続され、洗浄液を供給する。洗浄液供給流路14には、当該洗浄液供給流路14を流れる液体(洗浄液)の流量を制御する洗浄液流量制御バルブ34が設けられている。
なお、原液供給流路10、濾液流路11、濃縮液回収流路12といった各流路は、原液貯留容器100、濃縮液回収容器102、濾過器
1、濃縮器2などを接続できるものであれば材質、寸法などに限定はない。通常、これら流路を形成するチューブとして、ポリ塩化ビニルなどから製造される軟質チューブが用いられる。
続いて、上述した腹水濾過濃縮システム200における逆洗浄について説明する。
ここでは、洗浄液貯留容器103内の洗浄液により濃縮器2の濃縮膜2fおよび濾過器1の濾過膜1fを逆洗浄する際、回収流量制御バルブ32を閉じて濃縮液回収流路12を閉塞し、廃液流量制御バルブ33を閉じて廃液流路13を閉塞し、その一方で、洗浄液流量制御バルブ34を開いて洗浄液供給流路14を開放した状態としておく。
この状態で洗浄液貯留容器103から供給された洗浄液は、二次側出口ポート2bから濃縮器2内へと流れ込み、濃縮膜2fを洗浄し、一次側入口ポート2aから排出された後、濾液流路11を逆流し、二次側出口ポート1cから濾過器1内へと流れ込み、濾過膜1fを洗浄し、一次側入口ポート1aから排出される(図1中の二点鎖線参照)。このように、本実施形態の腹水濾過濃縮システム200においては、濃縮器2(の濃縮膜2f)および濾過器1(の濾過膜1f)を一度に逆洗浄することが可能となっている。
また、本実施形態の腹水濾過濃縮システム200においては、濾過器1を洗浄した後の洗浄液が、原液供給流路10を通って原液貯留容器100へと流れ込む一本道の経路が形成された状態で逆洗浄を実施する。したがって、逆洗浄の際、濾液流路11内等に残存している有用物質(濾液)を原液貯留容器100へと逆流させて回収することができる。例えば、所定量の有用物質を回収した時点で洗浄液の供給をいったん止め、原液貯留容器100を外し、その後は原液供給流路10の開放端から洗浄液廃液を廃棄しながら逆洗浄を引き続き行う、といった進め方も可能である。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態を以下に示す。
図2に示す腹水濾過濃縮システム200は、その大部分において、上述した第1の実施形態における構造と共通する。ただし、本実施形態では、洗浄液供給流路14を、濃縮器2の二次側出口ポート2cではなく、二次側出口ポート2bに接続する。こうする場合、洗浄液供給流路14の一端を二次側出口ポート2bに直接接続してもよいし、廃液流路13の途中で合流させてもよい。
本実施形態の腹水濾過濃縮システム200における逆洗浄は、第1の実施形態におけるものと同じ手順に沿って実施することができる。このとき、本実施形態では、洗浄液が二次側出口ポート2cではなく二次側出口ポート2bを通って濃縮器2へと供給されるが、濃縮器2(の濃縮膜2f)および濾過器1(の濾過膜1f)を一度に逆洗浄することが可能という点は、上述した第1の実施形態と同様である(図2中の二点鎖線参照)。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態を以下に示す。
図3に示す腹水濾過濃縮システム200は、第1の実施形態におけるシステムの他、洗浄液廃液流路15、原液供給流量制御バルブ30、洗浄液廃液流量制御バルブ35をさらに備えた構成となっている。
洗浄液廃液流路15は、濾過器1の原液入口に連通するように構成される流路である。本実施形態の洗浄液廃液流路15は、原液供給流路10の途中の分岐点10aで分岐し、該分岐点10aから重力方向下方に延びるように形成されている。この洗浄液廃液流路15の途中には、洗浄液廃液流量制御バルブ35が設けられている。また、原液供給流路10上であって、分岐点10aと原液貯留容器100との間には、原液供給流量制御バルブ30が設けられている。
続いて、上述した腹水濾過濃縮システム200における逆洗浄について説明する。この腹水濾過濃縮システム200においては、逆洗浄時、濾液等の一部を原液貯留容器100に回収することが可能であるし、洗浄した後の洗浄液を廃液(洗浄液廃液)として棄てることも可能である。
本実施形態では、まず、回収流量制御バルブ32を閉じて濃縮液回収流路12を閉塞し、廃液流量制御バルブ33を閉じて廃液流路13を閉塞し、洗浄液流量制御バルブ34を開いて洗浄液供給流路14を開放し、原液供給流量制御バルブ30を開いて原液供給流路10を開放し、洗浄液廃液流量制御バルブ35を閉じて洗浄液廃液流路15を閉塞した状態とする。この状態で、洗浄液貯留容器103内の洗浄液を供給すると、該洗浄液は洗浄液供給流路14を通って濃縮器2へと流れ込み、該濃縮器2(の濃縮膜2f)を逆洗浄し、その後、濾液流路11を通って濾過器1へと流れ込み、該濾過器1(の濾過膜1f)を逆洗浄する。その後、洗浄液は、原液供給流路10を流通する(図3中の二点鎖線参照)。
こうした場合、逆洗浄開始時における回路およびフィルタ内の有用物質の損失を少なくすることができる。具体的には、濾過器1、濾液流路11、濃縮器2の内部に残留している有用物質(濾液など)を原液貯留容器100に回収することができる。なお、逆洗浄が進むにつれ、回収される有用物質は薄まるが、それでも有用物質がまだ多い間は、当該有用物質の原液貯留容器100での回収を続行してもよい。
また、本実施形態では、上述のようにして有用物質(濾液など)の一部を原液貯留容器100に回収したら、洗浄液の流路を一部切り換え、逆洗浄時、洗浄した後の洗浄液を廃液として棄てる。具体的には、上述した状態から、原液供給流量制御バルブ30を閉じて原液供給流路10を閉塞し、洗浄液廃液流量制御バルブ35を開いて洗浄液廃液流路15を開放する。このように切り換えた後、濾過器1を逆洗浄した洗浄液は、原液供給流路10の途中の分岐点10aで分岐して洗浄液廃液流路15へと流れ込み、廃棄される(図3中の破線参照)。
このように洗浄液の流路の一部を切り換えた後は、洗浄液が原液貯留容器100に流れ込むのを回避することができる。したがって、洗浄後の洗浄液によって原液貯留容器100内の有用物質が薄まるのを抑えることができる。
また、逆洗浄が終了した時点で、回路(濾液流路11など)内やフィルタ(濾過膜1f、濃縮膜2f)内には洗浄液が残存する。そこで、次の治療開始時、このように残存している洗浄液が濃縮液回収容器102に回収されることを回避するべく、回路内やフィルタ内の洗浄液を除水しておくことが好ましい。
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態を以下に示す。
図4に示す腹水濾過濃縮システム200は、その大部分において、上述した第2の実施形態における構造(図2参照)と共通する。ただし、本実施形態では、洗浄液廃液流路15が、原液供給流路10の分岐点10aにではなく、濾過器1の一次側出口ポート1dに接続されている。この洗浄液廃液流路15の途中には、洗浄液廃液流量制御バルブ35が設けられている。
このような腹水濾過濃縮システム200は、上述した第3の実施形態の腹水濾過濃縮システムと比べると、濾過器1を逆洗浄した後の洗浄液を廃棄する際のルートが異なる。すなわち、上述した第3の実施形態においては、濾過器1を逆洗浄した洗浄液が、一次側入口ポート1aから出て、原液供給流路10、分岐点10aを通り、さらに洗浄液廃液流路15を通って廃棄されていたのに対し、本実施形態においては、濾過器1を逆洗浄した洗浄液が、濾過器1の一次側出口ポート1dから出て、洗浄液廃液流路15を通って廃棄される。
また、本実施形態の腹水濾過濃縮システム200においては、第3の実施形態と同様、逆洗浄時、濾液等の一部を原液貯留容器100に回収することが可能であるし、洗浄した後の洗浄液を廃液(洗浄液廃液)として棄てることも可能である。
すなわち、まず、回収流量制御バルブ32を閉じて濃縮液回収流路12を閉塞し、廃液流量制御バルブ33を閉じて廃液流路13を閉塞し、洗浄液流量制御バルブ34を開いて洗浄液供給流路14を開放し、原液供給流量制御バルブ30を開いて原液供給流路10を開放し、洗浄液廃液流量制御バルブ35を閉じて洗浄液廃液流路15を閉塞した状態とする。この状態で、洗浄液貯留容器103内の洗浄液を供給すると、該洗浄液は洗浄液供給流路14を通って濃縮器2へと流れ込み、該濃縮器2(の濃縮膜2f)を逆洗浄し、その後、濾液流路11を通って濾過器1へと流れ込み、該濾過器1(の濾過膜1f)を逆洗浄する。その後、洗浄液は、原液供給流路10を流通する(図4中の二点鎖線参照)。
また、上述のようにして有用物質(濾液など)の一部を原液貯留容器100に回収したら、洗浄液の流路を一部切り換え、逆洗浄時、洗浄した後の洗浄液を廃液として棄てる。具体的には、上述した状態から、原液供給流量制御バルブ30を閉じて原液供給流路10を閉塞し、洗浄液廃液流量制御バルブ35を開いて洗浄液廃液流路15を開放する。このように切り換えた後、濾過器1を逆洗浄した洗浄液は、濾過器1の一次側出口ポート1dから洗浄液廃液流路15へと流れ込み、廃棄される(図4中の破線参照)。
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態を以下に示す。
図5に示す腹水濾過濃縮システム200は、その大部分において、上述した第1の実施形態における構造(図1参照)と共通する。ただし、本実施形態の腹水濾過濃縮システム200は、さらに、再循環流路16、再循環流量制御バルブ36、濾過流量制御手段31を備えている。
再循環流路16は、濾液流路11と濃縮液回収容器102を接続するための例えばチューブからなる流路で、濃縮液(濃縮器2によって水分が分離され濃縮された液体)を循環させて再び濃縮器2を通過させ、水分を分離してさらに濃縮することを可能とする。濃縮器2は、濾過器1の濾液および循環した濃縮液のいずれか一方または両方を含む任意の溶液を濃縮する。本実施形態の再循環流路16は、濃縮液回収容器102と濾液流路11と繋ぐ流路であり、濃縮液を濾液流路11へと戻し、再び濃縮器2を通過させることによって一段と濃縮することを可能とする。この再循環流路16の途中には、当該再循環流路16を流れる濃縮液の流量を制御する再循環流量制御バルブ36が設けられている。また、濾液流路11および再循環流路16の接続点40と、濾過器1との間には、濾液流路11の流量を制御する濾過流量制御バルブ31が設けられている。
このような腹水濾過濃縮システム200においては、逆洗浄時、再循環流路16内の濃縮液を濃縮液回収容器102で回収することが可能である。また、濃縮器2を洗浄し、さらに濾過器1を洗浄することも可能である。以下、この腹水濾過濃縮システム200における逆洗浄について説明する。
本実施形態では、まず、回収流量制御バルブ32を閉じて濃縮液回収流路12を閉塞し、廃液流量制御バルブ33を閉じて廃液流路13を閉塞し、洗浄液流量制御バルブ34を開いて洗浄液供給流路(14)を開放し、再循環流量制御バルブ36を開いて再循環流路16を開放する。また、濾過流量制御バルブ31を閉じることにより、濾液流路11のうち接続点40よりも濾過器1寄りの流路を閉塞する。この状態で、洗浄液貯留容器103内の洗浄液を供給すると、該洗浄液は濃縮器2へと流れ込み、該濃縮器(の濃縮膜2f)を洗浄し、その後、濾液流路11を通り、接続点40から再循環流路(16)に流れ込む(図5中の二点鎖線参照)。したがって、この状態で逆洗浄を開始した当初、再循環流路16内の有用成分たる濃縮液を濃縮液回収容器102に流し込んで回収することができる。
このようにして有用成分たる濃縮液を濃縮液回収容器102で回収した後は、洗浄液の流路を切り換え、濃縮器2と濾過器1の両方を逆洗浄することができる。具体的には、回収流量制御バルブ32は閉じたまま濃縮液回収流路12を閉塞しておき、廃液流量制御バルブ33も閉じたまま廃液流路13を閉塞しておき、洗浄液流量制御バルブ34は開いたまま洗浄液供給流路14を開放しておく。一方で、再循環流量制御バルブ36を閉じて再循環流路16を閉塞し、濾過流量制御バルブ31を開いて濾液流路(11)を開放した状態とする。この状態で、洗浄液貯留容器103内の洗浄液を供給すると、該洗浄液は濃縮器2へと流れ込み、該濃縮器(の濃縮膜2f)を洗浄し、その後、濾液流路11を通り、接続点40から濾過器1側へと流れ込み、該濾過器1(の濾過膜1f)を洗浄する(図5中の破線参照)。その後の洗浄液は、原液供給流路10を通って原液貯留容器100にて回収される。
<第6の実施形態>
本発明の第6の実施形態を以下に示す。
図6に示す腹水濾過濃縮システム200は、その大部分において、上述した第5の実施形態における構造と共通する。ただし、本実施形態では、洗浄液供給流路14を、濃縮器2の二次側出口ポート2cではなく、二次側出口ポート2bに接続する。こうする場合、洗浄液供給流路14の一端を二次側出口ポート2bに直接接続してもよいし、廃液流路13の途中で合流させてもよい。
本実施形態の腹水濾過濃縮システム200における逆洗浄は、第5の実施形態におけるものと同じ手順に沿って実施することができる。このとき、本実施形態では、洗浄液が二次側出口ポート2cではなく二次側出口ポート2bを通って濃縮器2へと供給されるが、逆洗浄を開始した当初に再循環流路16内の有用成分たる濃縮液を濃縮液回収容器102に流し込んで回収することが可能という点(図6中の二点鎖線参照)、さらに、その後、濃縮器2(の濃縮膜2f)および濾過器1(の濾過膜1f)を一度に逆洗浄することが可能という点(図6中の破線参照)は、上述した第5の実施形態と同様である。
<第7の実施形態>
本発明の第7の実施形態を以下に示す。
図7に示す腹水濾過濃縮システム200は、第5の実施形態におけるシステムの他、洗浄液廃液流路15、洗浄液廃液流量制御バルブ35をさらに備えた構成となっている。洗浄液廃液流路15は、濾過器1の原液入口に連通するように構成される流路である。本実施形態の洗浄液廃液流路15は、原液供給流路10の途中の分岐点10aで分岐し、該分岐点10aから重力方向下方に延びるように形成されている。この洗浄液廃液流路15の途中には、洗浄液廃液流量制御バルブ35が設けられている。
この腹水濾過濃縮システム200においては、逆洗浄の際、再循環流路16内の有用成分たる濃縮液を濃縮液回収容器102に流し込んで回収することができるし、濾液流路11内の濾液等の一部を原液貯留容器100に回収することも可能である。さらに、洗浄した後の洗浄液を、洗浄液廃液流路15を通じて廃液(洗浄液廃液)として棄てることも可能である。
<第8の実施形態>
本発明の第8の実施形態を以下に示す。
図8に示す腹水濾過濃縮システム200は、第6の実施形態におけるシステムの他、濾過器1の一次側出口ポート1dに接続された洗浄液廃液流路15と、この洗浄液廃液流路15の途中に設けられた洗浄液廃液流量制御バルブ35を備えている。
このような腹水濾過濃縮システム200は、上述した第7の実施形態の腹水濾過濃縮システム200と比べると、濾過器1を逆洗浄した後の洗浄液を廃棄する際のルートが異なる。すなわち、上述した第7の実施形態においては、濾過器1を逆洗浄した洗浄液が、一次側入口ポート1aから出て、原液供給流路10、分岐点10aを通り、さらに洗浄液廃液流路15を通って廃棄されていたのに対し、本実施形態においては、濾過器1を逆洗浄した洗浄液が、濾過器1の一次側出口ポート1dから出て、洗浄液廃液流路15を通って廃棄される。
この腹水濾過濃縮システム200においては、逆洗浄の際、再循環流路16内の有用成分たる濃縮液を濃縮液回収容器102に流し込んで回収することができるし、濾液流路11内の濾液等の一部を原液貯留容器100に回収することも可能である。さらに、洗浄した後の洗浄液を、洗浄液廃液流路15を通じて廃液(洗浄液廃液)として棄てることも可能である。
<第9の実施形態>
本発明の第9の実施形態を以下に示す。
図9に示す本実施形態の腹水濾過濃縮システム200は、一次側出口ポート(大気開放端)1dに接続された第1の濾過器大気開放流路17と、該第1の濾過器大気開放流路17の流量を制御する第1の濾過器大気開放流量制御バルブ37とを有している。
この腹水濾過濃縮システム200においては、逆洗浄の際、再循環流路16内の有用成分たる濃縮液を濃縮液回収容器102に流し込んで回収することができるし、濾液流路11内の濾液等の一部を原液貯留容器100に回収することも可能である。さらに、洗浄した後の洗浄液を、洗浄液廃液流路15を通じて廃液(洗浄液廃液)として棄てることも可能である。
また、本実施形態の腹水濾過濃縮システム200は、濾過器1の濾液出口(例えば、濾過器1の二次側出口ポート1c)とは別の濾液出口(例えば、濾過器1の二次側出口ポート1b)に連通する第2の濾過器大気開放流路18と、該第2の濾過器大気開放流路18の流量を制御する第2の濾過器大気開放流量制御バルブ38を有している。
また、本実施形態の腹水濾過濃縮システム200は、濃縮器2の一次側出口ポート(濃縮液出口)2dに連通するように設けられた濃縮器大気開放流路19と、この濃縮器大気開放流路19の流量を制御する濃縮側大気開放流量制御バルブ39を有している。
この腹水濾過濃縮システム200においては、第1の濾過器大気開放流量制御バルブ37によって第1の濾過器大気開放流路17を開放した状態とし、逆洗浄の際、この第1の濾過器大気開放流路17から濾過器1に向けて例えばエアを送り出すことによって、濾過器1内の原液を原液貯留容器100に回収することが可能である(図9中の矢印参照)。エア送り出しは、例えばエアポンプなどのエア送り出し装置を利用して行うことができるし、あるいは、各容器(原液貯留容器100、濃縮液回収容器102)を各大気開放流路(第1の濾過器大気開放流路17、第2の濾過器大気開放流路18、濃縮器大気開放流路19)よりも下方となる位置に配置し、バルブ(第1の濾過器大気開放流量制御バルブ37、第2の濾過器大気開放流量制御バルブ38、濃縮側大気開放流量制御バルブ39)を開ければエアが吸い込まれるようにした構成で行うこともできる。
また、この腹水濾過濃縮システム200においては、第2の濾過器大気開放流量制御バルブ38によって第2の濾過器大気開放流路18を開放した状態とし、逆洗浄の際、この第2の濾過器大気開放流路18から濾過器1に向けて例えばエアを送り出すことによって、濾過器1内の濾液を原液貯留容器100に回収することが可能である(図9中の矢印参照)。
また、この腹水濾過濃縮システム200においては、濃縮側大気開放流量制御バルブ39によって濃縮器大気開放流路19を開放した状態とし、逆洗浄の際、この濃縮器大気開放流路19から濃縮器2に向けて例えばエアを送り出すことによって、濃縮器2内の濾液を濃縮液回収容器102又は原液貯留容器100に回収することが可能である(図9中の矢印参照)。
また、この腹水濾過濃縮システム200において、上述した3つの工程、すなわち
(a) 第1の濾過器大気開放流量制御バルブ37によって第1の濾過器大気開放流路17を開放した状態とし、逆洗浄の際、この第1の濾過器大気開放流路17から濾過器1に向けて例えばエアを送り出すことによって、濾過器1内の原液を原液貯留容器100に回収する工程、
(b) 第2の濾過器大気開放流量制御バルブ38によって第2の濾過器大気開放流路18を開放した状態とし、逆洗浄の際、この第2の濾過器大気開放流路18から濾過器1に向けて例えばエアを送り出すことによって、濾過器1内の濾液を原液貯留容器100に回収する工程、
(c) 濃縮側大気開放流量制御バルブ39によって濃縮器大気開放流路19を開放した状態とし、逆洗浄の際、この濃縮器大気開放流路19から濃縮器2に向けて例えばエアを送り出すことによって、濃縮器2内の濾液を濃縮液回収容器102又は原液貯留容器100に回収する工程
を順次実施することができるし、あるいは、これらのうちの2つ乃至3つの工程を同時に進行させることができる。後者のように同時進行させた場合には、逆洗浄に要する時間(あるいは、逆洗浄を実施する際、有用成分たる濃縮液や濾液を回収するのに要する時間)を短縮することが可能となる。
なお、濾過器1の濾過膜1fが例えば中空糸である場合、エアが該中空糸を通過することができないことから、以下の工程とすることが好ましい。すなわち、この場合、第2の濾過器大気開放流路18は中空糸の外側にある液体を中空糸内側へと押し出すことはできるが、その後、液体をさらに原液貯留容器100へと押し込むことまではできない。そうすると、第1の濾過器大気開放流路17を利用した場合しか、液体を原液供給流路10内で逆流させて原液貯留容器100で回収することができない。以上を鑑みると、このような腹水濾過濃縮システム200において(a)〜(c)の工程を順次実施する場合は、工程(b)の後で工程(a)を実施することが好ましい。こうした場合、まず工程(b)によって濾過器1内の濾液(特に、中空糸の外側にある濾液)を原液貯留容器100に回収し、その後、工程(a)によって濾過器1内の液体(特に、中空糸内に押し出された濾液や、原液)を押し出し、原液貯留容器100で回収することができる。
<第10の実施形態>
本発明の第10の実施形態を以下に示す。
図10に示す腹水濾過濃縮システム200は、第5の実施形態におけるシステムの他、洗浄液廃液流路15、原液供給流量制御バルブ30、洗浄液廃液流量制御バルブ35、濾液流量制御ポンプ41、圧力測定装置50、濾液圧力測定装置51を備え、尚かつ、第5の実施形態における回収流量制御バルブ32の代わりに回収流量制御ポンプ42を備えた構成となっている。
洗浄液廃液流路15は、濾過器1の原液入口に連通するように構成される流路である。本実施形態の洗浄液廃液流路15は、原液供給流路10の途中の分岐点10aで分岐し、該分岐点10aから重力方向下方に延びるように形成されている。この洗浄液廃液流路15の途中には、洗浄液廃液流量制御バルブ35が設けられている。また、原液供給流路10上であって、分岐点10aと原液貯留容器100との間には、原液供給流量制御バルブ30が設けられている。
濾液流量制御ポンプ41は、濾液流路11を流れる濾液の流量を制御する濾液流量制御手段として機能する、正逆回転可能なポンプである。本実施形態の濾液流量制御ポンプ41は、接続点40と濃縮器2との間に設けられている。なお、本実施形態では、接続点40から濃縮器2へと液体を送る送り方を濾液流量制御ポンプ41の順送り、その逆を逆送りと称する。
回収流量制御ポンプ42は、濃縮液回収流路12を流れる濃縮液の流量を制御する回収流量制御手段として機能する、正逆回転可能なポンプである。本実施形態の回収流量制御ポンプ42は、回収流量制御バルブ32と同じ位置すなわち濃縮器2と濃縮液回収容器102との間に設けられている。本実施形態では、濃縮器2から濃縮液回収容器102へと液体を送る送り方を回収流量制御ポンプ42の順送り、その逆を逆送りと称する。
なお、これら濾液流量制御ポンプ41や回収流量制御ポンプ42としては、ローラーポンプや輸液ポンプなどを利用することができる。また、濾液流量制御ポンプ41、回収流量制御ポンプ42の駆動を制御するための制御装置(図示省略)を設けてもよい。制御装置は例えばコンピューターであり、例えばCPU、メモリ等を有するマイクロコンピュータである。制御装置は、これら濾液流量制御ポンプ41、回収流量制御ポンプ42といったポンプ腹水圧送手段や、各制御バルブ、エアポンプなど、各装置の動作を制御して腹水処理や逆洗浄を実行する。制御装置は、例えば予めメモリに記憶されたプログラムを実行して腹水処理や逆洗浄を実施できる。
圧力測定装置50は、濾過器1の内部における圧力を測定するセンサを含む装置である。本実施形態の圧力測定装置50は、濾過器1の濾過器1の二次側出口ポート1bに接続されている。
濾液圧力測定装置51は、濾液流路11を流れる濾液の圧力を測定するセンサを含む装置である。濾液流路11の圧力を測定することによって濃縮器2の濃縮膜2fの詰まりを検出することができる。本実施形態の濾液圧力測定装置51は、濾液流路11の途中に接続されている。
続いて、上述した腹水濾過濃縮システム200における逆洗浄について説明する(図11〜図15参照)。
(濾過時の流れ)
原液を濾過する際には、原液供給流量制御バルブ30、濾過流量制御バルブ31、廃液流量制御バルブ33を開け、洗浄液流量制御バルブ34、洗浄液廃液流量制御バルブ35、再循環流量制御バルブ36を閉じておく。この状態で濾液流量制御ポンプ41および回収流量制御ポンプ42を順送りすると、原液を濾過器1で濾過し、さらに濾過後の濾液を濃縮器2で濃縮することができる(図11参照)。濃縮液は、濃縮液回収容器102によって回収される。濃縮器2によって濾液から分離された水分は、廃液流路13を流れて廃棄される。
ここで、回収流量制御ポンプ42における順送り時の液体流量(単位時間あたり)をA、濾液流量制御ポンプ41における順送り時の液体流量(単位時間あたり)をBとすると、A<Bとして濾過を行うことが好ましい。こうした場合、濾過器1にて濾過を行いながら、同時に濃縮器2にて除水を行うことができ、時間を短縮できる(腹水の性状によるが、濃縮膜2fが詰まり難い場合はこの工程だけで濾過濃縮を完了できるが、詰まり易い場合(例えば、濾液圧力測定装置51による測定圧力が高い場合)はB−Aを小さくし、濃縮工程にて更に濃縮をかけることができる)。このとき、廃液流路13を流れて廃棄される水分量はB−Aとなる。
(濃縮時の流れ)
濾液を濃縮する際には、廃液流量制御バルブ33、再循環流量制御バルブ36を開け、濾過流量制御バルブ31、洗浄液流量制御バルブ34を閉じた状態とする。この状態で濾液流量制御ポンプ41および回収流量制御ポンプ42を順送りすると、濾過後の濾液、さらには濃縮後に循環した液体を濃縮器2でさらに濃縮することができる(図12参照)。濃縮器2によって濾液から分離された水分は、廃液流路13を流れて廃棄される。
また、濃縮時には除水するため、A(回収流量制御ポンプ42における順送り時の液体流量)<B(濾液流量制御ポンプ41における順送り時の液体流量)として濃縮を行う。このとき、廃液流路13を流れて廃棄される水分量はB−Aとなる。
(逆洗浄時の流れ(第1ステップ))
逆洗浄をする際には、まず、洗浄液流量制御バルブ34、再循環流量制御バルブ36を開け、濾過流量制御バルブ31、廃液流量制御バルブ33を閉じた状態とする(図13参照)。この状態で、濾液流量制御ポンプ41を逆送りすると、洗浄液貯留容器103中の洗浄液が洗浄液供給流路14を流れて濃縮器2へ供給され、濃縮器2(の濃縮膜2f)を洗浄する。このとき、濾液流路11内の濾液や、再循環流路16内の濃縮液は、濾液流路11から再循環流路16へと逆流し、濃縮液回収容器102に流れ込む。したがって、逆洗浄の際、濾液流路11内に残存している有用物質(濾液等)、再循環流路16内に残存している有用物質(濃縮液)を回収することができる。
(逆洗浄時の流れ(第2ステップ))
その後、洗浄液の流路を切り換え、濃縮器2と濾過器1の両方を同時に逆洗浄する。すなわち、腹水濾過濃縮システム200において、原液供給流量制御バルブ30、濾過流量制御バルブ31、洗浄液流量制御バルブ34を開け、廃液流量制御バルブ33、洗浄液廃液流量制御バルブ35、再循環流量制御バルブ36を閉じた状態とする(図14参照)。この状態で濾液流量制御ポンプ41を逆送りすると、洗浄液貯留容器103から供給された洗浄液が濃縮器2(の濃縮膜2f)を逆洗浄し、その後は濾液流路11を逆流し、濾過器1(の濾過膜1f)を逆洗浄する。このとき、有用物質の一部(濾液流路11や濾過器1に残存している濾液の一部、原液供給流路10に残存している原液)は、原液供給流路10を逆流し、原液貯留容器100によって回収される。
(逆洗浄時の流れ(第3ステップ))
原液貯留容器100によって有用物質を回収した後は、原液供給流量制御バルブ30を閉じ、洗浄液廃液流量制御バルブ35を開けることにより、逆洗浄時における分岐点10a以降の流路を洗浄液廃液流路15へと切り換える(図15参照)。このように流路を切り換えた後、濾過器1(の濾過膜1f)を逆洗浄した洗浄液は、洗浄液廃液流路15を流れて廃棄される。
上述のごとき逆洗浄を実施するかどうかは、以下をトリガーにして判断することができる。すなわち、濾過および濃縮の際、濾過器1に対し、濾液流量制御ポンプ41は液体を引いている(負圧を作用させて濾液が濃縮器2側へ流れるように引っ張り込んでいる)立場であることから、当該濾過器1(の濾過膜1f)が詰まった場合、圧力測定装置50の圧力が下がる。また、濃縮器2に対し、濾液流量制御ポンプ41は液体を押し込んでいる(正圧を作用させて濾液が濃縮器2側へ流れるように押し込んでいる)立場であることから、当該濃縮器2(の濃縮膜2f)が詰まった場合、濾液圧力測定装置51の圧力が上がる。そこで、圧力測定装置50の検出圧力値が所定値を下回ったことをトリガーにして、あるいは、濾液圧力測定装置51の検出圧力値が所定値を超えたことをトリガーにして、逆洗浄を実施すべきタイミングを判断することができる。
さらに、逆洗浄の際には、上述した圧力値をトリガーにして洗浄の完了を判断することができる。すなわち、濾過器1(の濾過膜1f)の詰まりが解消すれば、圧力測定装置50の圧力は下がる。また、濃縮器2(の濃縮膜2f)の詰まりが解消すれば、濾液圧力測定装置51の圧力は上がる(図15参照)。そこで、圧力測定装置50の検出圧力値が所定値を下回ったことをトリガーにして、あるいは、濾液圧力測定装置51の検出圧力値が所定値を超えたことをトリガーにして、逆洗浄の完了タイミングを判断することができる。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば上述した実施形態では、各流路を流れる液体の流量を制御する手段がバルブである場合について説明したが(例えば、濃縮液回収流路12に設けられた回収流量制御バルブ32等)、これは流量制御手段の好適例にすぎない。例を挙げて説明すれば、洗浄液貯留容器103内の洗浄液を供給するための圧力は、ポンプを利用して加圧するものであってもよいし、構成間の高低差に基づく圧力差(落差圧)を利用して加圧するものであってもよい。あるいは、流量制御手段は、ローラークランプなどの流路を圧迫し流路抵抗を調整し制御するものでもよいし、一定の陰圧又は陽圧をかけることで各流路の流量を制御するものでもよい。
また、上述した実施形態では、濾過膜1f、濃縮膜2fを構成する中空糸膜の内側に液体が流れ込み、通過した液体が中空糸膜の外側に抜ける態様(内圧濾過方式)について説明したが、細胞成分を濾別し、水分を分離することができれば外圧濾過方式とすることもできるし、外圧濾過方式においても上述した逆洗浄を実施することが可能である。
本発明は、腹水を濾過及び濃縮するシステムに適用して好適である。
1…濾過器
1a…一次側入口ポート(濾過器の原液入口)
1c…二次側出口ポート(濾過器の濾液出口)
1d…一次側出口ポート(大気開放端)
1f…濾過膜
2…濃縮器
2a…一次側入口ポート
2b…二次側出口ポート(濃縮器の濾液出口)
2d…一次側出口ポート(濃縮液出口)
2f…濃縮膜
10…原液供給流路
10a…分岐点
11…濾液流路
12…濃縮液回収流路
13…廃液流路
14…洗浄液供給流路
15…洗浄液廃液流路
16…再循環流路
17…第1の濾過器大気開放流路
18…第2の濾過器大気開放流路
19…濃縮器大気開放流路
30…原液供給流量制御バルブ(原液供給流量制御手段)
31…濾過流量制御バルブ(濾過流量制御手段)
32…回収流量制御バルブ(回収流量制御手段)
33…廃液流量制御バルブ(廃液流量制御手段)
34…洗浄液流量制御バルブ(洗浄液流量制御手段)
35…洗浄液廃液流量制御バルブ(洗浄液廃液流量制御手段)
36…再循環流量制御バルブ(再循環流量制御手段)
37…第1の濾過器大気開放流量制御バルブ(第1の濾過器大気開放流量制御手段)
38…第2の濾過器大気開放流量制御バルブ(第2の濾過器大気開放流量制御手段)
39…濃縮側大気開放流量制御バルブ(濃縮側大気開放流量制御手段)
40…濾液流路11と再循環流路16との接続点
41…濾液流量制御ポンプ(濾液流量制御手段)
42…回収流量制御ポンプ(回収流量制御手段)
50…圧力測定装置
51…濾液圧力測定装置
100…原液貯留容器
102…濃縮液回収容器
103…洗浄液貯留容器
200…腹水濾過濃縮システム

Claims (19)

  1. 細胞成分を含む原液を貯留する原液貯留容器(100)と、
    前記原液中の前記細胞成分を分離可能な濾過器(1)と、
    任意の溶液を濾過濃縮により濃縮液と廃液に分離可能な濃縮器(2)と、
    前記濃縮液を回収する濃縮液回収容器(102)と、
    前記濾過器と前記濃縮器を洗浄する洗浄液を貯留する洗浄液貯留容器(103)と、
    前記原液貯留容器の出口と、前記濾過器の入口を接続する原液供給流路(10)と、
    前記濾過器の濾液出口と、前記濃縮器の入口を接続する濾液流路(11)と、
    前記濃縮器の濃縮液出口と、前記濃縮液回収容器を接続する濃縮液回収流路(12)と、
    前記濃縮器の濾液出口に接続される廃液流路(13)と、
    前記濃縮器の濾液出口に連通する前記洗浄液貯留容器(103)を接続する洗浄液供給流路(14)と、
    前記濃縮液回収流路(12)の流量を制御する回収流量制御手段(32)と、
    前記廃液流路(13)の流量を制御する廃液流量制御手段(33)と、
    前記洗浄液供給流路(14)の流量を制御する洗浄液流量制御手段(34)と、
    を備えた腹水濾過濃縮システム。
  2. 請求項1に記載の腹水濾過濃縮システムにおいて、
    前記回収流量制御手段(32)は、前記濃縮液回収流路(12)を閉塞し、
    前記廃液流量制御手段(33)は、前記廃液流路(13)を閉塞し、
    前記洗浄液流量制御手段(34)は、前記洗浄液供給流路(14)を開放し、
    前記洗浄液貯留容器(103)内の洗浄液により前記濾過器(1)及び前記濃縮器(2)を洗浄する腹水濾過濃縮システム。
  3. 請求項1に記載の腹水濾過濃縮システムにおいて、
    前記濾過器(1)の原液入口に連通する洗浄液廃液流路(15)と、
    前記原液供給流路(10)の流量を制御する原液供給流量制御手段(30)と、
    前記洗浄液廃液流路(15)の流量を制御する洗浄液廃液流量制御手段(35)と、をさらに備える腹水濾過濃縮システム。
  4. 請求項3に記載の腹水濾過濃縮システムにおいて、
    前記回収流量制御手段(32)は、前記濃縮液回収流路(12)を閉塞し、
    前記廃液流量制御手段(33)は、前記廃液流路(13)を閉塞し、
    前記洗浄液流量制御手段(34)は、前記洗浄液供給流路(14)を開放し、
    前記原液供給流量制御手段(30)は、前記原液供給流路(10)を開放し、
    前記洗浄液廃液流量制御手段(35)は、前記洗浄液廃液流路(15)を閉塞し、
    前記洗浄液貯留容器(103)内の洗浄液により前記濾過器(1)と前記濃縮器(2)を洗浄し、当該洗浄液を前記原液供給流路(10)へ流通させる腹水濾過濃縮システム。
  5. 請求項3に記載の腹水濾過濃縮システムにおいて、
    前記回収流量制御手段(32)は、前記濃縮液回収流路(12)を閉塞し、
    前記廃液流量制御手段(33)は、前記廃液流路(13)を閉塞し、
    前記洗浄液流量制御手段(34)は、前記洗浄液供給流路(14)を開放し、
    前記洗浄液廃液流量制御手段(35)は、前記洗浄液廃液流路(15)を開放し、
    前記原液供給流量制御手段(30)は、前記原液供給流路(10)を閉塞し、
    前記洗浄液貯留容器(103)内の洗浄液により前記濾過器(1)と前記濃縮器(2)を洗浄し、当該洗浄液を前記洗浄液廃液流路(15)へ流通させる腹水濾過濃縮システム。
  6. 請求項1に記載の腹水濾過濃縮システムにおいて、
    前記濾液流路(11)と前記濃縮液回収容器(102)を接続する再循環流路(16)と、
    前記再循環流路の流量を制御する再循環流量制御手段(36)と、
    前記濾液流路(11)の流量を制御し、前記濾液流路(11)と前記再循環流路(16)との接続点(40)よりも前記濾過器(1)側に位置する濾過流量制御手段(31)と、
    をさらに備える腹水濾過濃縮システム。
  7. 請求項6に記載の腹水濾過濃縮システムにおいて、
    前記回収流量制御手段(32)は、前記濃縮液回収流路(12)を閉塞し、
    前記廃液流量制御手段(33)は、前記廃液流路(13)を閉塞し、
    前記洗浄液流量制御手段(34)は、前記洗浄液供給流路(14)を開放し、
    前記再循環流量制御手段(36)は、再循環流路(16)を開放し、
    前記濾過流量制御手段(31)は、前記濾液流路(11)のうち前記接続点(40)よりも前記濾過器(1)寄りの流路を閉塞し、
    前記洗浄液貯留容器(103)内の洗浄液により前記濃縮器(2)を洗浄し、前記再循環流路(16)に流通させる腹水濾過濃縮システム。
  8. 請求項6に記載の腹水濾過濃縮システムにおいて、
    前記回収流量制御手段(32)は、前記濃縮液回収流路(12)を閉塞し、
    前記廃液流量制御手段(33)は、前記廃液流路(13)を閉塞し、
    前記洗浄液流量制御手段(34)は、前記洗浄液供給流路(14)を開放し、
    前記再循環流量制御手段(36)は、再循環流路(16)を閉塞し、
    前記濾過流量制御手段(31)は、前記濾液流路(11)を開放し、
    前記洗浄液貯留容器(103)内の洗浄液により前記濃縮器(2)を洗浄し、前記濾液流路(11)に流通させると共に、前記濾過器(1)を洗浄し、当該洗浄液を前記原液供給流路(10)に流通させる腹水濾過濃縮システム。
  9. 請求項7に記載の腹水濾過濃縮システムにおいて、
    前記回収流量制御手段(32)及び前記廃液流量制御手段(33)にて前記濃縮液回収流路(12)および前記廃液流路(13)を閉塞し、
    前記洗浄液流量制御手段(34)にて前記洗浄液流路(14)に洗浄液を流し、
    前記洗浄液貯留容器(103)内の洗浄液により前記濃縮器(2)を洗浄し、当該洗浄液を前記再循環流路(16)に流通させ、
    その後、前記再循環流量制御手段(36)にて前記再循環流路(16)を閉塞し、前記濾過流量制御手段(31)にて前記濾液流路(11)のうち前記接続点(40)よりも前記濾過器(1)寄りの流路を開放し、
    前記濃縮器(2)を洗浄するとともに前記濾過器(1)を洗浄する腹水濾過濃縮システム。
  10. 前記濾過器(1)の大気開放端に連通する第1の濾過器大気開放流路(17)と、
    前記第1の濾過器大気開放流路(17)の流量を制御する第1の濾過器大気開放流量制御手段(37)を有する、請求項1,3,6のいずれか一項に記載の腹水濾過濃縮システム。
  11. 前記濾過器(1)の前記濾液出口とは別の濾液出口に連通する第2の濾過器大気開放流路(18)と、
    前記第2の濾過器大気開放流路の流量を制御する第2の濾過器大気開放流量制御手段(38)を有する、請求項1,3,6のいずれか一項に記載の腹水濾過濃縮システム。
  12. 前記濃縮器(2)の濃縮液出口に連通する濃縮器大気開放流路(19)と、
    前記濃縮器大気開放流路(19)の流量を制御する濃縮側大気開放流量制御手段(39)を有する、請求項1,3,6のいずれか一項に記載の腹水濾過濃縮システム。
  13. 請求項10に記載の腹水濾過濃縮システムにおいて、
    前記第1の濾過器大気開放流量制御手段(37)は、前記第1の濾過器大気開放流路(17)を開放し、前記濾過器(1)内の原液を、前記原液貯留容器(100)に回収する工程を有する腹水濾過濃縮システム。
  14. 請求項11に記載の腹水濾過濃縮システムにおいて、
    前記第2の濾過器大気開放流量制御手段(38)は、前記第2の濾過器大気開放流路(18)を開放し、前記濾過器(1)内の濾液を、前記原液貯留容器(100)に回収する工程を有する腹水濾過濃縮システム。
  15. 請求項12に記載の腹水濾過濃縮システムにおいて、
    前記濃縮側大気開放流量制御手段(39)は、前記濃縮器大気開放流路(19)を開放し、前記濃縮器(2)内の濾液を前記濃縮液回収容器(102)又は前記原液貯留容器(100)に回収する工程を有する腹水濾過濃縮システム。
  16. 前記濾過器(1)の大気開放端に連通する第1の濾過器大気開放流路(17)と、
    前記第1の濾過器大気開放流路(17)の流量を制御する第1の濾過器大気開放流量制御手段(37)と、
    前記濾過器(1)の前記濾液出口とは別の濾液出口に連通する第2の濾過器大気開放流路(18)と、
    前記第2の濾過器大気開放流路の流量を制御する第2の濾過器大気開放流量制御手段(38)と、
    前記濃縮器(2)の濃縮液出口に連通する濃縮器大気開放流路(19)と、
    前記濃縮器大気開放流路(19)の流量を制御する濃縮側大気開放流量制御手段(39)と、
    を有する、請求項1,3,6のいずれか一項に記載の腹水濾過濃縮システム。
  17. 請求項16に記載の腹水濾過濃縮システムにおいて、
    前記第1の濾過器大気開放流量制御手段(37)は、前記第1の濾過器大気開放流路(17)を開放し、前記濾過器(1)内の原液を、前記原液貯留容器(100)に回収する工程と、
    前記第2の濾過器大気開放流量制御手段(38)は、前記第2の濾過器大気開放流路(18)を開放し、前記濾過器(1)内の濾液を、前記原液貯留容器(100)に回収する工程と、
    前記濃縮側大気開放流量制御手段(39)は、前記濃縮器大気開放流路(19)を開放し、前記濃縮器(2)内の濾液を前記濃縮液回収容器(102)又は前記原液貯留容器(100)に回収する工程と、
    を、順次行い、または、少なくとも2つの工程を並行して行う、腹水濾過濃縮システム。
  18. 細胞成分を含む原液を貯留する原液貯留容器(100)と、
    前記原液中の前記細胞成分を分離可能な濾過用膜を有する濾過器(1)と、
    任意の溶液を濾過濃縮により濃縮液と廃液に分離可能な濃縮用膜を有する濃縮器(2)と、
    前記濃縮液を回収する濃縮液回収容器(102)と、 前記濾過器と前記濃縮器を洗浄する洗浄液を貯留する洗浄液貯留容器(103)と、
    前記原液貯留容器の出口と、前記濾過器の入口を接続する原液供給流路(10)と、
    前記濾過器の濾液出口と、前記濃縮器の入口を接続する濾液流路(11)と、
    前記濃縮器の濃縮液出口と、前記濃縮液回収容器を接続する濃縮液回収流路(12)と、
    前記濃縮器の濾液出口に接続される廃液流路(13)と、
    前記濃縮器の濾液出口に連通する前記洗浄液貯留容器(103)を接続する洗浄液供給流路(14)と、
    前記濃縮液回収流路(12)の流量を制御する回収流量制御手段(32)と、
    前記廃液流路(13)の流量を制御する廃液流量制御手段(33)と、
    前記洗浄液供給流路(14)の流量を制御する洗浄液流量制御手段(34)と、
    を備えた腹水濾過濃縮システムにおける前記濾過器及び前記濃縮器を洗浄するに際し、
    前記回収流量制御手段(32)によって前記濃縮液回収流路(12)を閉塞し、
    前記廃液流量制御手段(33)によって前記廃液流路(13)を閉塞し、
    前記洗浄液流量制御手段(34)によって前記洗浄液供給流路(14)を開放し、
    前記洗浄液貯留容器(103)内の洗浄液により前記濾過器(1)及び前記濃縮器(2)を洗浄する、腹水濾過濃縮システムにおける濾過器及び濃縮器の洗浄方法。
  19. 細胞成分を含む原液を貯留する原液貯留容器(100)と、
    前記原液中の前記細胞成分を分離可能な濾過用膜を有する濾過器(1)と、
    任意の溶液を濾過濃縮により濃縮液と廃液に分離可能な濃縮用膜を有する濃縮器(2)と、
    前記濃縮液を回収する濃縮液回収容器(102)と、
    前記濾過器と前記濃縮器を洗浄する洗浄液を貯留する洗浄液貯留容器(103)と、
    前記原液貯留容器の出口と、前記濾過器の入口を接続する原液供給流路(10)と、
    前記濾過器の濾液出口と、前記濃縮器の入口を接続する濾液流路(11)と、
    前記濃縮器の濃縮液出口と、前記濃縮液回収容器を接続する濃縮液回収流路(12)と、
    前記濃縮器の濾液出口に接続される廃液流路(13)と、
    前記濃縮器の濾液出口に連通する前記洗浄液貯留容器(103)を接続する洗浄液供給流路(14)と、
    前記濃縮液回収流路(12)の流量を制御する回収流量制御手段(32)と、
    前記廃液流路(13)の流量を制御する廃液流量制御手段(33)と、
    前記洗浄液供給流路(14)の流量を制御する洗浄液流量制御手段(34)と、
    前記濾過器(1)の大気開放端に連通する第1の濾過器大気開放流路(17)と、
    前記第1の濾過器大気開放流路(17)の流量を制御する第1の濾過器大気開放流量制御手段(37)と、
    前記濾過器(1)の前記濾液出口とは別の濾液出口に連通する第2の濾過器大気開放流路(18)と、
    前記第2の濾過器大気開放流路の流量を制御する第2の濾過器大気開放流量制御手段(38)と、
    前記濃縮器(2)の濃縮液出口に連通する濃縮器大気開放流路(19)と、
    前記濃縮器大気開放流路(19)の流量を制御する濃縮側大気開放流量制御手段(39)と、
    を備えた腹水濾過濃縮システムにおける前記濾過器及び前記濃縮器を洗浄するに際し、
    前記第1の濾過器大気開放流量制御手段(37)によって前記第1の濾過器大気開放流路(17)を開放し、前記濾過器(1)内の原液を、前記原液貯留容器(100)に回収する工程と、
    前記第2の濾過器大気開放流量制御手段(38)によって前記第2の濾過器大気開放流路(18)を開放し、前記濾過器(1)内の濾液を、前記原液貯留容器(100)に回収する工程と、
    前記濃縮側大気開放流量制御手段(39)によって前記濃縮器大気開放流路(19)を開放し、前記濃縮器(2)内の濾液を前記濃縮液回収容器(102)又は前記原液貯留容器(100)に回収する工程と、
    を、順次行い、または、少なくとも2つの工程を並行して行う、腹濾過濃縮システムにおける濾過器及び濃縮器の洗浄時における濾液及び濃縮液の回収方法。
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