JPH10224A - 臍帯血から幹細胞および前駆細胞を分離するためのバッグシステム - Google Patents

臍帯血から幹細胞および前駆細胞を分離するためのバッグシステム

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JPH10224A
JPH10224A JP8153517A JP15351796A JPH10224A JP H10224 A JPH10224 A JP H10224A JP 8153517 A JP8153517 A JP 8153517A JP 15351796 A JP15351796 A JP 15351796A JP H10224 A JPH10224 A JP H10224A
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JP
Japan
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bag
blood
connector
child
cord blood
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Application number
JP8153517A
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English (en)
Inventor
Kenichi Saito
健一 斎藤
Teruhisa Hirobe
輝久 広部
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Nissho Corp
Original Assignee
Nissho Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Nissho Corp filed Critical Nissho Corp
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Publication of JPH10224A publication Critical patent/JPH10224A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 菌の混入の虞がなく、分離操作による大量の
細胞の損失を防止する臍帯血から幹細胞および前駆細胞
を分離するバッグシステムを提供する。 【解決手段】 血液凝集剤を収容するための第1薬液バ
ッグ1と、採取した臍帯血が収容される親バッグ2と、
該親バッグ2に収容された臍帯血を分離して得た白血球
を含む血漿を移行させて収容するための第1子バッグ3
と、該第1子バッグ3の白血球を含む血漿を分離して得
た血漿を移行させて収容するための第2子バッグ4と、
前記第1子バッグ3に収容されている白血球成分を移行
させて収容するための凍結バッグ6とからなるバッグシ
ステムであって、前記第1子バッグ3は前記第2子バッ
グ4および濾過滅菌フィルター51を有する第2薬液バ
ッグ5とチューブで連結されてなる臍帯血から幹細胞お
よび前駆細胞を分離するためのバッグシステムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒト胎児または新
生児の臍帯および胎盤から臍帯血を採取し、該臍帯血か
ら幹細胞および前駆細胞を分離するためのバッグシステ
ムである。
【0002】
【従来の技術】ヒト胎児または新生児の臍帯および胎盤
から採取される臍帯血は、造血幹細胞と前駆細胞が多く
含まれていることから、遺伝子治療、骨髄移植治療、自
己血輸血、培養血液製剤などで広く利用されている。臍
帯血は骨髄液とは異なり採取が容易なこと、細菌やウイ
ルス感染の可能性が少ないこと、さらに骨髄液中の成人
の免疫細胞に比べて移植した細胞が患者の組織を攻撃す
る移植片対宿主病(GVHD)などの合併症が起きにく
いという利点を有している。
【0003】従来の臍帯血の採取は臍の緒を切断して子
宮収縮を利用して回収するか、臍帯血管や胎盤血管へ針
または挿入管を導入して、落差を利用した重力による自
然落下や、あるいはシリンジなどによる吸引力を利用し
て容器への回収を行っていた。そして回収した臍帯血
に、ジメチルスルホキシドのような凍結防止剤を臍帯血
と等量加えてから冷凍保存を行い、移植の際に融解して
細胞成分の分離が行われていた。しかし、凍結防止剤を
加えた臍帯血の容積は大きくなるため液体窒素液中での
限られた貯蔵スペースを有効に利用することができず、
設備に費用がかかるなどの問題がある。また、冷凍およ
び解凍の条件は白血球の生存率を高めるために設定され
ているため、他の細胞成分を良好に保つことができず、
体内に注入する際に悪影響を及ぼす虞れがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は、これらの
問題を解決するものとして、臍帯血から幹細胞および前
駆細胞を多く含む白血球成分のみを分離回収するバッグ
システムを開発し既に特許出願を行っているが(特願平
8−65893号)、バックが予め連結されているため
遠心分離の際にバッグが邪魔になり、精密な遠心分離の
操作の妨げになるという欠点を有してした。また、バッ
グに収容された凍結防止剤などの薬液は保存中に劣化し
やすいなどの欠点も有していた。本発明は上記事情に鑑
みてなされたもので、臍帯血から幹細胞および前駆細胞
を多く含む白血球成分を分離する際に必要となるバッグ
が無菌的に接続可能であって、遠心分離の際にはバッグ
を取り外すこともでき、さらに保存中に劣化しやすい薬
液を使用時に無菌的に注入できる、臍帯血から幹細胞お
よび前駆細胞を分離するためのバッグシステムを提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は親バッグと連結
するためのコネクターおよび濾過滅菌フィルターを有す
る第1薬液バッグと、該第1薬液バッグおよび第1子バ
ッグと夫々連結するためのコネクターを有し採取した臍
帯血が収容される親バッグと、該親バッグに収容された
臍帯血を分離して得た白血球を含む血漿を移行させて収
容するための第1子バッグと、該第1子バッグの白血球
を含む血漿を分離して得た血漿を移行させて収容するた
めの第2子バッグと、前記第1子バッグと連結するため
のコネクターを有し前記第1子バッグに収容されている
白血球成分を移行させて収容するための凍結バッグとか
らなるバッグシステムであって、該凍結バッグと連結す
るためのコネクターおよび前記親バッグと連結するため
のコネクターを有する第1子バッグは前記第2子バッグ
および濾過滅菌フィルターを有する第2薬液バッグとチ
ューブで連結されてなる臍帯血から幹細胞および前駆細
胞を分離するためのバッグシステムである。また、本発
明は前記第1および第2薬液バッグへ使用時に薬液が注
入されてなる臍帯血から幹細胞および前駆細胞を分離す
るためのバッグシステムである。さらにまた、第1薬液
バッグに血液凝集剤および第2薬液バッグに凍結防止剤
が収容されてなる臍帯血から幹細胞および前駆細胞を分
離するためのバッグシステムである。
【0006】ヒト胎児または新生児の臍帯および胎盤か
ら採取された臍帯血を予め凝血防止剤が収容された親バ
ッグに移行させて血液を凝血させ、次いでこの親バッグ
に血液凝集剤を注入後、遠心分離を行い臍帯血を白血球
を含む血漿と赤血球成分に分離する。その後、上層の白
血球を含む血漿を第1子バッグに移行させ、該白血球を
含む血漿を遠心分離して血漿と白血球成分に分離する。
上層の血漿を第2子バッグに移行させた後、第1子バッ
グに残った白血球成分に凍結防止剤をゆっくりと添加す
る。その後第1子バッグの凍結防止剤入り白血球成分を
冷凍バッグに移行させて凍結保存する。使用時に冷凍さ
れた凍結防止剤入り白血球成分を融解して液相化し、凍
結防止剤を洗浄して希釈し、遠心分離を行い沈降した幹
細胞および前駆細胞を分離して得る。
【0007】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施例を図面に基づ
いて説明する。図1は本発明の一実施例を示す説明図で
ある。図中、1は第1薬液バッグ、11、51は濾過滅
菌フィルター、12、23、24、31、32、61は
コネクター、2は親バッグ、21は採血針、22、2
5、33、34、35、41、62はチューブ、3は第
1子バッグ、4は第2子バッグ、5は第2薬液バッグ、
6は冷凍バッグを示す。
【0008】本発明のバッグシステムを図1により説明
すると、ヒト胎児または新生児の臍帯および胎盤から採
血針21を使用して臍帯血を採取し、CPD液のような
凝血防止剤が収容された親バッグ2にチューブ22を通
して注入する。親バッグ2に臍帯血を注入した後、チュ
ーブ22をクランプで密封する。親バッグ2のコネクタ
ー23と第1薬液バッグ1のコネクター12を接続し、
あらかじめ濾過滅菌フィルター11を通して注入してお
いた血液凝集剤を親バッグ2へ移行させる。この際、血
液凝集剤は濾過滅菌フィルター11を通して注入される
ため、クリーンルーム等で作業する煩わしさはない。次
に、第1薬液バッグ1を親バッグ2から取り外し、親バ
ッグ2を遠心カップにセットして遠心分離を行い、白血
球を含む血漿と血球成分に分離する。そして、親バッグ
2のコネクター24と第1子バッグ3のコネクター31
を接続して、親バッグ2の上澄液である白血球を含む血
漿をチューブ25、34を経て第1子バッグ3に移行さ
せる。第1子バッグ3に白血球を含む血漿を注入し終わ
ると、親バッグ2を取り外す。
【0009】次に、白血球を含む血漿を収容した第1子
バッグ3を遠心分離カップにセットして遠心分離を行
い、沈降した白血球成分を第1子バッグ3に残し、上層
の血漿をチューブ35、41を経て第2子バッグ4に移
行させる。その後、第2薬液バッグ5の濾過滅菌フィル
ター51を通してあらかじめ注入しておいた凍結防止剤
を第1子バッグ3に残った白血球成分にゆっくりと時間
をかけて添加する。この際にも、凍結防止剤は濾過滅菌
フィルター51を通して注入されるため、クリーンルー
ム等で作業する煩わしさはない。なお、凍結防止剤とし
てはジメチルスルホキシドが挙げられるが、最終濃度が
10%ジメチルスルホキシドと1%デキストランに調製
されたものが好ましい。また、親バッグ2、第1子バッ
グ3、第2子バッグ4、第1薬液バッグ1および第2薬
液バッグ5の材料としては、ポリ塩化ビニル、ポリウレ
タン、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、
エチレン.α−オレフィン共重合体、ポリフルオロカー
ボン、ポリイミド等が挙げられる。
【0010】次に、第1子バッグ3に収容された凍結防
止剤入り白血球成分はチューブ33、62を経て冷凍バ
ッグ6の中に収容される。冷凍バッグ6としては、耐低
温性のよいポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、フッソ樹脂、ポリイミド等が挙げられる。凍結防止
剤入り白血球成分が冷凍バッグ6に注入されると、クラ
ンプ63でチューブ62を密閉し、コネクター61の接
続を解除して冷凍バッグ6を取り外す。冷凍バッグ6は
大きい容積の第1室64と小さい容積の第2室65から
なっており、2室の間は上部66および下部67でヒー
トシールされて区分されている。小さい容積の第2室6
5の白血球成分は受血者にHLA適合か否かの確認やテ
ストに使用されるものである。第1室64と第2室65
の間の隙間は切り目となり、第1室64と第2室65を
切り離すことができる。
【0011】凍結防止剤と一緒に冷凍バッグ6中に収容
された白血球成分は液体窒素中で極低温まで除々に冷却
されて長期間保存される。次いで、ある特定の幹細胞お
よび前駆細胞を使用するこが決まると、その幹細胞を含
む冷凍バッグ6は例えば37℃水浴中に浸漬されて、白
血球と幹細胞懸濁物は融解されて固相から液相に相変換
する。その後、白血球成分を凍結する前に添加した凍結
防止剤を洗浄して除去する。凍結防止剤の洗浄には、等
張液体を用いて行うのが好ましく、稀釈した後、その混
合物を遠心分離して上層を除去して沈降した幹細胞およ
び前駆細胞を分離して得る。なお、白血球と幹細胞懸濁
物を融解後、このような白血球濃縮物をin vitroで培養
すると活性のある幹細胞および前駆細胞の数を増やすこ
とができる。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、薬液を収容するバッグ
に濾過滅菌フィルターを設けているため、保存中に劣化
し易い薬液を容易な操作で使用時に無菌注入できる。ま
た、各バッグが金属針やプラスチック針を用いずにコネ
クターを用いて連結可能にしているため、分離操作を行
う人にとっても安全である。さらに遠心分離を行う際に
は、不要なバッグを容易に取り外すことができるため、
精密な遠心分離操作が要求される臍帯血からの細胞分離
を確実に行うことが可能である。本発明のバッグシステ
ムを用いて分離操作を行えば、複雑な分離操作を誰でも
容易に行うことができ、また細胞損失を最小限におさえ
て効率的に幹細胞や前駆細胞を回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に一実施例を示す平面図。
【符号の説明】
1 第1薬液バッグ 11 濾過滅菌フィルター 12 コネクター 2 親バッグ 21 採血針 23 コネクター 24 コネクター 3 第1子バッグ 31 コネクター 32 コネクター 4 第2子バッグ 5 第2薬液バッグ 51 濾過滅菌フィルター 6 冷凍バッグ 61 コネクター

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親バッグと連結するためのコネクターお
    よび濾過滅菌フィルターを有する第1薬液バッグと、該
    第1薬液バッグおよび第1子バッグと夫々連結するため
    のコネクターを有し採取した臍帯血が収容される親バッ
    グと、該親バッグに収容された臍帯血を分離して得た白
    血球を含む血漿を移行させて収容するための第1子バッ
    グと、該第1子バッグの白血球を含む血漿を分離して得
    た血漿を移行させて収容するための第2子バッグと、前
    記第1子バッグと連結するためのコネクターを有し前記
    第1子バッグに収容されている白血球成分を移行させて
    収容するための凍結バッグとからなるバッグシステムで
    あって、該凍結バッグと連結するためのコネクターおよ
    び前記親バッグと連結するためのコネクターを有する第
    1子バッグは前記第2子バッグおよび濾過滅菌フィルタ
    ーを有する第2薬液バッグとチューブで連結されてなる
    臍帯血から幹細胞および前駆細胞を分離するためのバッ
    グシステム。
  2. 【請求項2】 前記第1および第2薬液バッグへ使用時
    に薬液が注入されてなる請求項1記載の臍帯血から幹細
    胞および前駆細胞を分離するためのバッグシステム。
  3. 【請求項3】 第1薬液バッグに血液凝集剤が収容され
    てなる請求項1〜2記載の臍帯血から幹細胞および前駆
    細胞を分離するためのバッグシステム。
  4. 【請求項4】 第2薬液バッグに凍結防止剤が収容され
    てなる請求項1〜2記載の臍帯血から幹細胞および前駆
    細胞を分離するためのバッグシステム。
JP8153517A 1996-06-14 1996-06-14 臍帯血から幹細胞および前駆細胞を分離するためのバッグシステム Pending JPH10224A (ja)

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JP8153517A JPH10224A (ja) 1996-06-14 1996-06-14 臍帯血から幹細胞および前駆細胞を分離するためのバッグシステム

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014064805A (ja) * 2012-09-26 2014-04-17 Asahi Kasei Corp 腹水処理システム及び複合システム
CN112522197A (zh) * 2020-12-09 2021-03-19 湖南源品细胞生物科技有限公司 一种脐带血造血干细胞的分离方法

Cited By (2)

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040223