JP2003202334A - 細胞診断用検体、その調製方法及び装置 - Google Patents

細胞診断用検体、その調製方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】細胞診断用に適する細胞を、簡便でかつ短時間
で効率よく分離回収する方法及び装置及び得られた有核
細胞含有組成物を提供すること。 【解決手段】有核細胞は捕捉し、核を持たない細胞は実
質的に捕捉しない有核細胞捕捉手段に有核細胞含有液を
導入して、有核細胞は捕捉させ、核を持たない細胞は流
出させた後、該有核細胞捕捉手段に捕捉されている有核
細胞を細胞の形態を保ったまま回収することを特徴とす
る細胞診断用検体の調製方法。そのための細胞分離装置
であって、有核細胞は捕捉し、核を持たない細胞は実質
的に捕捉しない有核細胞捕捉手段(1)、有核細胞含有
液注入手段(2)、液体排液手段(3)、回収液注入手
段(4)、有核細胞回収手段(5)、洗浄液注入手段
(6)を有する装置。及び、得られた有核細胞含有回収
液からなる細胞診断用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞中の染色体
や、細胞表面のマーカー蛋白、マーカー物質の細胞内の
局在などを検査する細胞診断用検体、該検体を調製する
方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】細胞そのもの、あるいは、細胞が含有す
る蛋白や遺伝子の検査において、赤血球や血小板などの
無核成分が、診断の阻害物質となることが知られてい
る。例えば、遺伝子診断において、PCR(ポリメラー
ゼ連鎖反応)によりヒト遺伝子を増幅した後、各種の遺
伝子検査を行うことが最近、頻繁に行われているが、P
CRに用いる耐熱性DNAポリメラーゼが赤血球由来の
ヘモグロビンなどにより阻害され、増幅反応に支障をき
たすことが知られている。そこで赤血球を不織布などで
除去する方法が提案されているが(例えば、特許文献1
参照)、遺伝子診断では、DNAだけを取り出せばよいの
でこの従来技術では、捕捉された細胞を溶解または破砕
してしまう。
【0003】しかしながら、HLA(ヒト白血球抗原)
のタイピングや染色体異常の検査などにおいては、細胞
がその形態を保っていることが望ましく、さらに、複数
の種類の細胞の混合物から、狙いの細胞を単離あるいは
濃縮して後に、細胞をそのまま、或いは溶解・破砕して
検査する診断方法においても、初期段階の前処理として
赤血球や血小板を除く際には、検査対象の細胞がその形
態を保っていることが特に望まれる。
【0004】このように細胞がその形態を保っているこ
とが望まれる一例として、母体の血液に混入してくる胎
児の赤芽球などの幼若有核細胞を用いて、胎児の染色体
異常の有無を検査する母体中の胎児細胞診断が挙げられ
る(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】以上のように、細胞内あるいは細胞表面に
存在する物質などを検査する細胞診断においては、細胞
の形態を残したままで、検査対象細胞を回収することが
強く望まれている。
【0006】細胞診断のためではないが、回収細胞の凍
結前処理のために、フィコール法やHES(ヒドロキシ
エチルスターチ)法などの遠心分離法が、細胞の形態を
残したままで細胞を回収する方法として、従来から用い
られてきた。たとえば、臍帯血の有核細胞回収では、特
許文献2にフィコールハイパキュー(比重液による遠心
分離)で分離すること(以下フィコール法と略す)及び
そのプロトコールの詳細が開示されている。また、特許
文献3には、ヒドロキシエチルスターチを用いて赤血球
を沈降分離し、有核細胞濃厚液を得るためのバッグシス
テム、方法が開示されている。しかし、これら遠心法
は、操作が煩雑でいずれも手間と時間がかかるという問
題点を有している。
【0007】前述した、母体中の胎児細胞診断において
も、細胞を予備濃縮するための前処理として、フィコー
ル法が採用されているが、時間と手間がかかり、多数の
検体を検査するには適していない。さらに、リンパ球に
比べて比重が大きい赤芽球はフィコール法では下層に沈
んでしまうため、効率よく分離回収できない。
【0008】研究レベルでは、密度1.083g/ml
と1.090g/mlのパーコールと呼ばれる比重調整
液を用いて分離を試みて回収率を向上させる検討がなさ
れているが、操作が極めて煩雑であり、診断用にルーチ
ンで実施するには実用上困難である(非特許文献2)。
【0009】もう一つの前処理法として、フィルター濾
過法が主に用いられている。フィルター濾過法でも、回
収液中に赤血球が多く混入するため、混入量を減少させ
るために生理食塩水、BSA添加生理食塩水(特許文献4
参照)、PBS(特許文献5参照)など、細胞に対するダ
メージを軽減し、かつ洗浄性の高いリンス液を用いてい
るが、十分な効果は見られていない。リンス液を大量に
使用すると細胞を回収しにくいという欠点を有してい
る。フィルター法を利用して、洗浄液に溶血剤を用るこ
とによって、赤血球を除去し、回収白血球純度を上げて
いる例があるが(特許文献6参照)、赤芽球を溶血操作
を用いて分離する方法は今までに行われていない。
【0010】
【特許文献1】特開平8−280384号公報
【特許文献2】特公平8−69号公報
【特許文献3】国際公開第96/17514号パンフレ
ット
【特許文献4】特開平11−313887号公報
【特許文献5】特開平10−137557号公報
【特許文献6】特開昭54−122713号公報
【特許文献7】国際公開98/32840号パンフレッ
【特許文献8】国際公開87/05812号パンフレッ
【特許文献9】特開平2−261833号公報
【非特許文献1】「産婦人科の世界」 2001年、第5
3巻、第9号
【非特許文献2】Fetal Diagn.Ther.1999年、第
14巻、第4号、P.229−233
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
のような問題点を解決するために、フィルター法を発展
させ、細胞診断用に適する細胞を、簡便でかつ短時間で
効率よく分離回収する方法及び装置を提供することにあ
る。特に、本発明は、未熟な細胞、特に赤芽球を、簡便
かつ短時間に、細胞診断用検体として提供すること、及
び該検体を調製する方法あるいは装置を提供することを
課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本出願人は、以前、臍帯
血から、造血幹細胞を含む白血球を分離濃縮する方法と
して、フィルター法を開発した(特許文献7)。本発明
者らは、上記課題を解決するために鋭意研究していたと
ころ、本出願人が開発したこのフィルター法による細胞
分離方法を、細胞診断用の細胞を分離するために使用で
きるのではないかと着想した。すなわち、フィルター法
によれば、細胞が破壊されることなくそのままの形態で
分離し得ることに着目し、フィルターによる分離回収法
を胎児細胞である赤芽球の分離回収操作に応用した。さ
らに溶血処理を行い、混入する赤血球を除去するという
方法を組み合わせた。このような方法が、細胞内や細胞
表面に存在する物質を検査するために好適な細胞診断用
の細胞として提供できるのではないかと発想した結果、
本発明をなすに至ったものである。
【0013】本発明は、有核細胞は捕捉し、核を持たな
い細胞は実質的に捕捉しない有核細胞捕捉手段に有核細
胞含有液を導入して、有核細胞は捕捉させ、核を持たな
い細胞は流出させた後、該有核細胞捕捉手段に捕捉され
ている有核細胞を細胞の形態を保ったまま回収すること
を特徴とする細胞診断用検体の調製方法に関するもので
ある。本発明の方法は、特に、妊娠中の母体血液から、
その母体血液に存在する胎児細胞である赤芽球を、その
形態を保ったまま回収し細胞診断用に用いるために適し
ている。
【0014】さらに、本発明は、細胞診断用検体を調製
するための細胞分離装置にも関するものであり、有核細
胞は捕捉し、核を持たない細胞は実質的に捕捉しない有
核細胞捕捉手段(1)と、該有核細胞捕捉手段の入口よ
り上流に接続される、有核細胞含有液を前記有核細胞捕
捉手段に注入する手段(2)と、前記有核細胞捕捉手段
の出口より下流に接続される、前記有核細胞捕捉手段の
出口から流出する液体を排液する手段(3)と、前記有
核細胞捕捉手段の出口より下流に接続される、前記有核
細胞捕捉手段に回収液を注入する手段(4)と、前記有
核細胞捕捉手段の入口より上流に接続される、前記有核
細胞捕捉手段の入口側から有核細胞を回収する手段
(5)とからなることを特徴とする細胞診断用検体を調
製するための細胞分離装置を提供するものである。
【0015】さらに、本発明は、細胞診断用検体の調整
方法により得られた有核細胞含有組成物に関するもので
ある。
【0016】これらの方法及び装置によると、細胞診断
検体用の細胞を形態を保ったまま回収することができる
ので、細胞診断に適する細胞を、簡便に短時間に効率よ
く分離回収するのに有用である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明するが、
本発明はそれに限られるわけではない。本発明で言う有
核細胞とは例えば、白血球のように核を持つ細胞のこと
であり、リンパ球、顆粒球、単球、造血幹細胞、赤芽
球、などがあげられる。本発明で言う核を持たない細胞
とは赤血球、血小板などがあげられる。
【0018】また、本発明で言う有核細胞含有液とは前
記有核細胞を含有する液体のことであり、例えば末梢
血、リンパ液、骨髄液、臍帯血、或いは、これらに抗凝
固剤を混ぜたり、例えば遠心分離などの何らかの処理を
施した液体等があげられる。本発明で言う有核細胞成分
とは、有核細胞そのもの、または有核細胞を構成してい
るタンパク質、核酸(DNA、RNA)などの成分をい
う。
【0019】本発明でいう赤芽球とは、赤血球に増殖、
分化する能力を有する核を持つ細胞集団の全てをいい、
例えば、BFU−e(赤芽球バースト形成細胞)、CF
U−e(赤芽球コロニー形成細胞)などの赤血球前駆細
胞も含まれる。実際に形態上識別できる細胞としては、
前赤芽球細胞、あるいは好塩基性赤芽球、多染性赤芽
球、正染性赤芽球などが含まれる。また、ヘモグロビン
と核の両方を持つ細胞を総称して有核赤血球と定義され
ることもあるが、該細胞も本発明でいう赤芽球に含まれ
る。
【0020】本発明でいう、妊娠中の母体血液とは、妊
娠18週までの妊婦の静脈から採血した末梢血をいう。
細胞診断という目的に対して、妊娠中の母体血液が有用
であり、さらに診断の有効性を考慮すると、妊娠18週
までの母体血液が有効である。
【0021】さらに、本発明でいう胎児由来の有核細胞
とは、妊婦の血液中に存在する胎児の有核細胞のことを
いい、該血液中にごく微量存在する胎児由来の有核細胞
をいう。特に赤芽球は、正常成人の末梢血中には殆ど存
在しないので、母体血液に存在する赤芽球を分離回収し
て細胞診断用検体として用いることができるなら、胎児
疾患のスクリーニング等に有用である。したがって、本
発明によって、赤芽球がそのままの形態を保ったまま分
離回収され細胞診断用検体として用いられることの価値
は高い。
【0022】本発明における、有核細胞は捕捉し、核を
持たない細胞は実質的に捕捉しない手段とは、例えば有
核細胞は捕捉し、核を持たない細胞は実質的に捕捉しな
い材料を充填した容器があげられる。
【0023】有核細胞は捕捉し、核を持たない細胞は実
質的に捕捉しない材料には、通常の有核細胞捕捉材であ
ればいかなる材料も使用できるが、成型性、滅菌性や細
胞毒性が低いという点で好ましいものを例示すると、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル
樹脂、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポ
リアクリルアミド、ポリウレタン等の合成高分子、アガ
ロース、セルロース、酢酸セルロース、キチン、キトサ
ン、アルギン酸塩等の天然高分子、ハイドロキシアパタ
イト、ガラス、アルミナ、チタニア等の無機材料、ステ
ンレス、チタン、アルミニウム等の金属があげられる。
【0024】また、これらの捕捉材はこのままでも用い
ることができるが、血小板通過性を高める、或いは細胞
の選択的捕捉を行う等の必要に応じ、表面改質を施した
ものでもよい。例えば、血小板通過性を高めるには特許
文献8で提案されている非イオン性親水基と塩基性含窒
素官能基を有するポリマーのコートによる方法等があげ
られ、細胞の選択的捕捉を行う場合、アミノ酸、ペプチ
ド、糖類、糖タンパク(抗体、接着分子等のバイオリガ
ンドを含む)といった、特定の細胞に親和性のあるリガ
ンドを、例えば特許文献9で提案されているハロアセト
アミド法により固定する方法等があげられる。
【0025】また、捕捉材の形状としては粒状、繊 維
塊、織布、不織布、スポンジ状多孔質体、平板等があげ
られるが、体積あたりの表面積が大きいという点で粒
状、繊維塊、織布、不織布、スポンジ状多孔質体が好ま
しい。
【0026】有核細胞は捕捉し、核を持たない細胞は実
質的に捕捉しない材料を充填する容器として、成型性、
滅菌性や細胞毒性が低いという点で好ましいものを例示
すると、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、アクリル樹脂、ナイロン、ポリエステル、ポリカー
ボネート、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、塩化ビ
ニル等の合成高分子、ハイドロキシアパタイト、ガラ
ス、アルミナ、チタニア等の無機材料、ステンレス、チ
タン、アルミニウム等の金属があげられる。
【0027】本発明における、有核細胞捕捉手段に導入
して捕捉した細胞を回収する回収液は生理的溶液であれ
ばいかなるものも使用可能であるが、いくつか例示する
と、生理食塩水、D−PBSやHBSSなどの緩衝液、
RPMI1640などの培地があげられる。これらの生
理的溶液に、細胞保護、栄養補給、凍結保存時の凍害保
護等の目的で必要に応じ、デキストラン、ヒドロキシエ
チルデンプン、アルブミン、グロブリン、ゼラチン、グ
ルコース、サッカロース、トレハロース等を添加しても
よい。
【0028】本発明における回収液の粘度は、5mPa
・s以上500mPa・s以下とする。より好ましくは
10mPa・s以上200mPa・s以下である。粘度
が5mPa・s未満では有核細胞の回収率が急激に低下
し、500mPa・sを超えると例えポンプを用いたと
しても細胞捕捉手段への通液が著しく困難となり、作業
性が劣る。また、圧力の上昇が起こりフィルターと各種
手段との接続部がはずれる可能性もあり危険である。
【0029】本発明における、溶血液とは、蒸留水、
0.2%食塩水等の低張溶液、また、塩化アンモニウム
溶血液等の、少なからず赤血球膜を溶解、あるいは破壊
し、ヘモグロビンを遊出できる溶液をいう。それぞれの
作用としては、蒸留水、0.2%食塩水等の低張溶液
は、浸透圧の作用により、細胞内に低張溶液が流入する
ことにより、細胞膜が破壊され溶血する。また、塩化ア
ンモニウム溶血液は、酵素が活性化され、浸透圧の影響
を受け、細胞内に水分が流入することにより、細胞膜が
破壊され溶血する。一方で、赤芽球は赤血球よりも、こ
れら溶血作用に不活性なため溶血しにくい。
【0030】本発明の方法において、有核細胞を回収す
るに先立って、あらかじめ溶血液で捕捉細胞を処理する
ことによって、赤血球が略完全に破壊され、赤芽球等の
有核細胞は破壊されずに有核細胞捕捉手段に残るので、
これらの細胞を回収すると、赤血球を実質的に全く含ま
ない有核細胞含有組成物を得ることができる。
【0031】本発明における極細繊維の平均繊維径は、
0.1〜10μmが好ましく、より好ましくは1〜5μ
mが好ましい。また極細繊維集合体の容器に対する充填
率は、0.1〜0.5g/立方cmが好ましい。
【0032】平均繊維径が0.1μm未満または充填率
が0.5g/立方cmを超える場合は、有核細胞含有液
の濾過抵抗が高くなり流れにくくなる。一方、平均繊維
径が10μmを超えるまたは充填率が0.1g/立方c
m未満の場合は、有核細胞を捕捉する能力が著しく低下
する。
【0033】本発明における平均繊維径とは、以下の手
順に従って求められる値をいう。即ち細胞吸着性極細繊
維を構成する、実質的に均一と認められるフィルター要
素の一部をサンプリングし、走査型電子顕微鏡などを用
いて、1000〜3000倍の倍率で写真に撮る。サン
プリングに際しては、フィルター要素の有効濾過断面積
部分を、一辺が0.5〜1cmの正方形によって区分
し、その中から3ヶ所以上、好ましくは5ヶ所以上をラ
ンダムサンプリングする。ランダムサンプリングするに
は、例えば上記各区分に番地を指定した後、乱数表を使
うなどの方法で、必要ヶ所以上の区分を選べばよい。ま
たサンプリングした各区分について、3ヶ所以上、好ま
しくは5ヶ所以上を写真に撮る。このようにして得た写
真について写っている全ての繊維の直径を測定する。こ
こで直径とは、繊維軸に対して直角方向の繊維の幅をい
う。測定した全ての繊維の直径の和を、繊維の数で割っ
た値を平均繊維径とする。但し、複数の繊維が重なり合
っており、他の繊維の陰になってその幅が測定できない
場合、また複数の繊維が溶融するなどして、太い繊維に
なっている場合、更に著しく直径の異なる繊維が混在し
ている場合、等々の場合には、これらのデータは削除す
る。以上の方法により、500本以上、好ましくは10
00本以上のデータにより平均繊維径を求める。
【0034】本発明における極細繊維集合体の容器に対
する充填率とは、容器に充填された極細繊維集合体の単
位体積あたりの重量のことをいう。即ち、容器に充填さ
れた極細繊維集合体の重量を容器の体積で除した値であ
る。
【0035】本発明における、カチオン性基を有するポ
リマーとは少なくともカチオン性である官能基、例え
ば、アミノ基等を有するモノマーと、非カチオン性であ
る官能基、例えば、水酸基、エステル基等を有するモノ
マーの共重合体である。
【0036】本発明における、少なくとも赤芽球を捕捉
し、少なくとも赤血球は実質的に捕捉しない赤芽球捕捉
手段としては、不織布フィルターが好ましく、該不織布
フィルターは、例えば少なくとも表面にカチオン性基を
有するポリマーを有し、かつ、該ポリマー中のカチオン
性基を有するモノマーの密度が1×10−4〜5×10
−1meq/平方mであることが好ましい。さらに好まし
くは、ポリマー中のカチオン性基を有するモノマーの密
度が1×10−3〜5×10−2meq/平方mであるこ
とが好ましい。カチオン性基を有するモノマーの密度が
5×10−1meq/平方mを超える場合、様々な細胞が
多く吸着し、詰まってしまい、有核細胞含有液の濾過抵
抗が高くなり流れにくくなる傾向がある。一方カチオン
性基を有するモノマーの密度が1×10−4meq/平方
m未満の場合は赤芽球を捕捉する能力が著しく低下する
傾向にある。
【0037】本発明におけるポリマー中のカチオン性基
を有するモノマーの密度とは、容器に充填された極細繊
維集合体の単位面積あたりのカチオン性基を有するモノ
マーの当量をいう。それは、トリパンブルーの吸着量を
測定することにより求められたカチオン性基を有するモ
ノマーの当量を、極細繊維集合体の総表面積で除すこと
によって得られる値である。ここでいうトリパンブルー
の吸着量を測定することにより求められたカチオン性基
を有するモノマーの当量とは以下の手順で求められた値
をいう。まず、ポリマーの1g/lメタノール溶液を、
0.5、1.0、1.5、2.0mlずつサンプル瓶に
調整し、溶媒を除くため、真空乾燥させたものを検量線
用サンプル瓶とする。コーティング済の極細繊維集合体
を入れたサンプル瓶と、検量線用コート済サンプル瓶と
に、トリパンブルー液10ml(トリパンブルー0.0
18gを、トリスアミノメタン1.21gの注射用蒸留
水1l溶液に溶かしたもの)を入れ、30℃で24−4
8時間振盪した後、対照を水とし、578nmで吸光度
を測定する。その結果から検量線を書き、検量線からポ
リマーコート量を求める。その値に、カチオン性基を有
するポリマーのモル分率を掛け、ポリマー1mol当りの
重量で除して求める。ここでいう極細繊維集合体の総表
面積とは、極細繊維の平均繊維径、極細繊維集合体の比
重、極細繊維集合体の総重量により求めることができ、
以下の式で算出される。 極細線維集合体の表面積(m)=4×極細繊維集合体
の総重量(g)/(極細繊維集合体の平均繊維径(μ
m)×極細繊維集合体の比重(g/cm))
【0038】また、カチオン性基を有するモノマーのモ
ル分率が0.1〜30mol%であることが好ましい。さ
らに好ましくは、カチオン性基を有するモノマーのモル
分率が1〜15mol%である。カチオン性基を有するモ
ノマーのモル分率が30mol%を超える場合は赤芽球含
有液の濾過抵抗が高くなり流れにくくなる傾向がある。
一方、プラス荷電を有するモノマーのモル分率が0.1
mol%未満の場合は、赤芽球を捕捉する能力が著しく低
下する傾向がある。
【0039】本発明でいう有核細胞含有液を、有核細胞
は捕捉し、核を持たない細胞は実質的に捕捉しない有核
細胞捕捉手段に導入する方法としては、前記手段にチュ
ーブを介して有核細胞含有液を入れたバッグ或いはボト
ルを接続して落差、ローラーポンプ、バッグを押しつぶ
し液流を惹起させる、などにより導入するか、有核細胞
含有液を入れたシリンジを接続し、手押しまたはシリン
ジポンプなどで送液して導入すればよい。
【0040】有核細胞を該有核細胞捕捉手段に導入する
と、有核細胞は該手段内に捕捉され、核を持たない細胞
は該手段から流出するが、若干容器内にも残存する場合
があるので、残存した核を持たない細胞を洗浄除去する
目的で前記手段に洗浄液を導入して洗浄することが好ま
しい。洗浄液としては生理的溶液であればいかなるもの
も使用可能であるが、いくつか例示すると、生理食塩
水、ダルベッコリン酸緩衝液(D−PBS)やハンクス
液(HBSS)等の緩衝液、RPMI1640等の培地
があげられる。これらの生理的溶液に、細胞保護、栄養
補給等の目的で必要に応じ、デキストラン、ヒドロキシ
エチルデンプン、アルブミン、グロブリン、グルコー
ス、サッカロース、トレハロース等を添加してもよい。
洗浄液の送液方向は有核細胞含有液を導入した方向と同
一方向が好ましい。逆方向ではこの洗浄操作により、有
核細胞が漏出してしまうおそれがある。
【0041】本発明における、前記有核細胞捕捉手段に
回収液を導入する方法としては、該手段にチューブを介
して回収液を入れたバッグ或いはボトルを接続して落
差、ローラーポンプ、バッグ押しつぶしなどで送液する
か、回収液を入れたシリンジを接続し、手押しまたはシ
リンジポンプなどで送液すればよい。この際、回収液の
送液方向としては、有核細胞含有液を導入した方向と同
一方向、その逆方向の2通りがあるが、一般に細胞回収
率は後者の方が高いので好ましい。回収液の流速は早い
方が回収率が高くなるので好ましい。
【0042】次に本発明の細胞分離装置について図面を
参照しながら説明する。図1は、本発明の細胞分離装置
の一実施態様を示すものであって、有核細胞は捕捉し、
核を持たない細胞は実質的に捕捉しない有核細胞捕捉手
段(1)と、該有核細胞捕捉手段の入口より上流に接続
される、有核細胞含有液を前記有核細胞捕捉手段に注入
する手段(2)と、前記有核細胞捕捉手段の出口より下
流に接続される、前記有核細胞捕捉手段の出口から流出
する液体を排液する手段(3)と、前記有核細胞捕捉手
段の出口より下流に接続される、前記有核細胞捕捉手段
に回収液を注入する手段(4)と、前記有核細胞捕捉手
段の入口より上流に接続される、前記有核細胞捕捉手段
の入口側から細胞を回収する手段(5)と、核を持たな
い細胞を洗浄除去するための溶血液、あるいは洗浄液を
注入するための手段(6)とを有している。
【0043】本発明で言う有核細胞捕捉手段の入口より
上流に接続される、有核細胞含有液を前記有核細胞捕捉
手段に注入する手段(2)は、有核細胞含有液が貯留さ
れている容器等への接続、または有核細胞含有液の存在
する組織への接続によって形成され得るものである。前
者の接続の具体例をあげると、例えば有核細胞含有液を
貯留している容器がバッグであれば、スパイク付チュー
ブ、ルアーアダプター(オス、メス)付チューブ、或い
は無菌接続器による接続(以下「SCD接続」と言う)
を行うのであれば単なるチューブ、といったように適宜
選択する。有核細胞含有液を貯留している容器が針付シ
リンジであれば穿刺可能なセプタム付チューブ、針無し
でルアー口の場合はルアーアダプター(メス)というよ
うに適宜選択する。後者の接続の具体例をあげると、例
えば臍帯血を対象とした場合、当該組織は胎盤及び/ま
たは臍帯であり、これらに穿刺可能な金属針付チューブ
があげられる。チューブの場合には途中に流量調整の為
のローラークランプ、凝集塊除去の為のメッシュチャン
バー等を有してもよい。また、シリンジの場合、チュー
ブを介さず有核細胞捕捉手段の入口に直接接続してもよ
い。本発明でいう有核細胞捕捉手段の出口より下流に接
続される、前記有核細胞捕捉手段から流出する液体を排
液する手段(3)の接続回路は、排液される液体をいか
なる手段で収集(または廃棄)するかにより、以下のよ
うに分けられる。即ち、バッグに収集する場合は、予め
バッグを接続しておくか、バッグと接続可能な手段、即
ち、スパイク付チューブ、ルアーアダプター(オス、メ
ス)付チューブ、或いはSCD接続を行うのであれば単
なるチューブというように適宜選択する。また、コニカ
ルチューブに収集する場合や、廃液ビンあるいは廃液チ
ューブに廃棄する場合は先端が開放されていればよく、
ルアー口のシリンジで収集する場合はルアーアダプター
(メス)を用いる。また、シリンジの場合、チューブを
介さず有核細胞捕捉手段の出口に直接接続してもよい。
【0044】本発明でいう有核細胞捕捉手段の出口より
下流に接続される、前記有核細胞捕捉手段に回収液を注
入する手段(4)の接続は、有核細胞捕捉手段に注入す
る回収液を入れた容器を予め接続しておくか、後から接
続可能とするか、また回収液の注入手段により以下のよ
うに分けられる。即ち、有核細胞捕捉手段に注入する回
収液を入れた容器を予め接続しておく場合は、バッグ付
チューブ、シリンジとなる。バッグの場合、有核細胞捕
捉手段に回収液を注入する方法としては、落差による方
法、バッグを押しつぶす方法、ローラーポンプを用いる
方法があげられる。有核細胞捕捉手段に注入する回収液
を入れた容器を後から接続する場合、シリンジを用いる
場合はシリンジが接続可能である穿刺可能なセプタム付
チューブ、ルアーアダプター(メス)付チューブ、三方
活栓付チューブなどがあげられる。バッグを用いる場合
はバッグと接続可能な手段、即ち、スパイク付チュー
ブ、ルアーアダプター(オス、メス)付チューブ、或い
はSCD接続を行うのであれば単なるチューブというよ
うに適宜選択する。また、シリンジの場合、チューブを
介さず有核細胞捕捉手段の出口に直接接続してもよい。
【0045】また、回収液の注入手段(4)には回収操
作を複数回行う際に、それぞれ別々の回収液を用いる場
合の為に複数の分岐を設けることが好ましい。具体的に
は三方活栓、四方活栓を用いる方法、クランプを用いる
方法、シリンジ接続可能な三つ又分岐管を用いる方法
(要時にシリンジを接続)がある。また、前述の、シリ
ジンを直接、チューブを介さずに有核細胞捕捉手段の出
口に接続した場合は、回収液毎にシリンジを交換するこ
とで対応すればよい。
【0046】本発明でいう有核細胞捕捉手段の入口より
上流に接続される、前記有核細胞捕捉手段の入口側から
細胞を回収する回収手段(5)の接続回路は、有核細胞
捕捉手段から流出した細胞をいかなる容器で回収するか
により、以下のように分けられる。即ち、バッグに回収
する場合は、予めバッグを接続しておくか、バッグと接
続可能な手段、即ち、スパイク付チューブ、ルアーアダ
プター(オス、メス)付チューブ、或いはSCD接続を
行うのであれば単なるチューブというように適宜選択す
る。また、コニカルチューブに収集する場合は先端が開
放されていればよく、ルアー口のシリンジで回収する場
合にはルアーアダプター(メス)、三方活栓などを用い
る。また、シリンジの場合、チューブを介さず有核細胞
捕捉手段の入口に直接接続してもよい。ここで、有核細
胞を該有核細胞捕捉手段から流出させる回収液が、その
後の凍結保存される場合は、有核細胞を回収する容器も
凍結保存用のものであることが好ましい。凍結保存容器
の例をあげると、「クリオサイト」(バクスター社
製)、「セルフリーズバッグ」(チャーターメド社製)
等の凍結バッグがあげられる。
【0047】また、有核細胞を回収する手段(5)は流
路切替え手段と複数の分岐を有することが好ましい。こ
れは回収操作を複数回行い、それぞれの有核細胞成分を
別々に回収するためのものであるが、具体的には三方活
栓、四方活栓を用いる方法、クランプを用いる方法があ
る。また、前述の、シリンジを直接、チューブを介さず
に有核細胞捕捉手段の入口に接続した場合は、回収液毎
にシリンジを交換することで対応すればよい。
【0048】本発明による有核細胞分離装置は、有核細
胞捕捉手段に捕捉された細胞を該有核細胞捕捉手段から
回収する前に、該有核細胞捕捉手段に残存する核を持た
ない細胞を洗浄するための溶血液、あるいは洗浄液を注
入する手段(6)を設けることがより好ましい。溶血
液、あるいは洗浄液注入手段(6)の接続回路は溶血液
または洗浄液を入れた容器を予め接続しておくか、後か
ら接続可能とするか、また液体の注入手段により以下の
ように分けられる。即ち、溶血液、あるいは洗浄液を入
れた容器を予め接続しておく場合は、バッグ付チュー
ブ、シリンジとなる。溶血液、あるいは洗浄液を入れた
容器を後から接続する場合、シリンジを用いる場合はシ
リンジが接続可能である穿刺可能なセプタム付チュー
ブ、ルアーアダプター(メス)付チューブがあげられ
る。バッグを用いる場合はバッグと接続可能な手段、即
ち、スパイク付チューブ、ルアーアダプター(オス、メ
ス)付チューブ、或いはSCD接続を行うのであれば単
なるチューブというように適宜選択する。また、シリン
ジの場合チューブを介さず有核細胞捕捉手段の出口に直
接接続してもよい。洗浄手段の、細胞捕捉手段への接続
位置としては、入口側、出口側のいずれも可能である
が、入口側が操作の簡便さという点でより好ましい。
【0049】図2には、上記のように回収を複数回行
い、それぞれの有核細胞成分を別々に回収するための細
胞分離装置の一実施態様を示す。図2において、1は、
有核細胞捕捉手段である。有核細胞含有液注入手段は、
有核細胞含有液を注入する手段のうち有核細胞含有液貯
留容器へ接続するためのスパイク(2−1)、接続チュ
ーブ(2−2)、流路切替え手段(2−3)を含む。有
核細胞捕捉手段の出口から流出する液体を排液する手段
は、接続チューブ(3−1)、流路切替え手段(3−
2)、排液を収集するバッグへ接続するためのスパイク
(3−3)を含んでいる。4は、有核細胞捕捉手段の出
口より下流に接続される、有核細胞捕捉手段に回収液を
注入する手段である。有核細胞捕捉手段の入口側から細
胞を回収する手段は、複数の流路に分岐するための分岐
(5−1)、流路切替え手段(5−2、5−3)、回収
液収集のための容器(5−4)、他の回収液収集のため
の容器を接続するためのスパイク(5−5)、接続チュ
ーブ(5−6、5−7)を含んでいる。
【0050】以上に詳細に説明した本発明の細胞診断用
検体の調製方法及び装置を用いて、細胞診断用の細胞を
分離する場合、特に、赤芽球を高い濃縮率で回収するこ
とができた。すなわち、本出願人による幹細胞分離用フ
ィルター(特許文献7:非イオン性親水基と塩基性含窒
素官能基を含有するポリマーでコートされた極細繊維集
合体を充填したフィルター)を用いて、臍帯血から分離
した有核細胞をコロニーアッセイすると、BFU-eでもな
い、CFU-eとしても小さすぎる多くの赤色コロニーが見
られた。これはフィコールにもHES遠心法にもない特徴
であり、比重遠心法では回収できなかった赤芽球がフィ
ルター法によって回収できていることを示すものであ
る。このことから、本発明のフィルター法は、赤芽球回
収のために非常に有効な手段になると考えられる。母体
血液中の胎児赤芽球細胞は存在頻度が低いので、本発明
によって赤芽球をそのままの形態を保って回収できるこ
とは、特に有用である。
【0051】本発明における、有核細胞分離回収方法に
よって得られた有核細胞含有組成物とは、白血球のよう
に核を持つ細胞、例えばリンパ球、顆粒球、単球、造血
幹細胞、赤芽球等を含有した回収液であり、細胞診断用
検体としてそのまま用いることもできるし、遠心分離に
より濃縮するなどの調製をした後、細胞診断用検体とし
て用いることもできる。
【0052】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるわけではない。
【実施例1】平均繊維径2.3ミクロンのポリエチレン
テレフタレート不織布に非イオン性親水基を有する2−
ヒドロキシエチルメタクリレートと、窒素を含む塩基性
官能基を有するカチオン性モノマーであるN,N−ジメ
チルアミノエチルメタクリレートとの共重合体をコーテ
ィングして得られた濾過面積16平方cmの不織布を積
層し、ポリカーボネート容器に充填さしてフィルターを
作成した。該フィルターを使用して、ヒト臍帯血76m
l(抗凝固剤CPDを28ml含む)を濾過し、引き続
いて10mlの3%ウシ血清アルブミンの生理食塩水溶
液をフィルターに流して赤血球や血小板を洗い出した。
あらかじめ用意していた25%ヒト血清アルブミン3m
lとデキストラン40注射液23mlからなる回収液を
シリンジに取り、フィルターの出口側から勢いよく流し
て不織布フィルターに捕捉された細胞を回収した。3m
lのコロニーアッセイ用メチルセルロース半固形培地メ
ソカルトGFH4434Vに、細胞数が1×105個と
なるようにフィルターにより回収した細胞浮遊液を添加
し、ボルテックスミキサーにかけ、細胞を均一に浮遊さ
せ10mm培養ディッシュに播種し5%CO2インキュ
ベータ中で培養した。開始後7日目に観察したところ、
BFU−e、CFU−eの他に、肉眼で辛うじて確認で
きるが、細胞数が合計50個に満たない小さな赤色コロ
ニーが1ディッシュあたり20個以上認められ、従来のフ
ィコール法では見られない特徴を示した。この実施例に
よって、従来のフィコール法では回収できなかった、赤
血球に分裂可能な細胞である赤芽球がフィルターによっ
て回収できていることが分かる。
【0053】
【実施例2】インフォームドコンセントが得られた正常
妊娠30週の妊婦から、末梢血20mlを採血し、生理
食塩液で2倍に希釈して総量を40mlとした後、20
mlずつに分けて実験に供した。片方をフィコールに重
層して400G、30分間遠心分離し、中間層を採取し
単核球分画とした。単核球分画は約1.5×10個の
細胞を含んでいた。もう片方は平均繊維径2.3ミクロ
ンのポリエチレンテレフタレート不織布に非イオン性親
水基を有する2−ヒドロキシエチルメタクリレートと、
窒素を含む塩基性官能基を有するカチオン性モノマーで
あるN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートとが
97:3の重合比である共重合体をコーティングして得
られた不織布を10枚積層してポリカーボネート製のミ
ニカラムに充填して作製したミニフィルターに、30m
lシリンジでゆっくりと注入して全量を濾過し、その後
引き続いて20mlの生理食塩液を同じやり方で注入し
てミニフィルター中に残存している赤血球を洗浄除去し
た後、出口側から入口側方向に10mlの生理食塩液を
勢いよく流し、濾材に捕捉された細胞を回収した。回収
された細胞浮遊液は約4×10個の細胞を含み、うち
単核球を約2.5×10個含んでいた。ミニフィルタ
ーならびにフィコールで分離した細胞分画を単核球が1
×10個含まれるように調整し、磁気細胞分離システ
ムを用いてCD45陰性またはCD14陰性細胞、さら
にCD71陽性細胞を分離しフローサイトメーターで純
度を測定し、細胞数と存在率を求めた。フィコール分画
群では約2×10個(存在率約0.2%)、ミニフィ
ルター処理群では6×104個(存在率約0.6%)の
CD45陰性またはCD14陰性細胞が得られた。その
うちCD71陽性細胞はフィコール処理群では約5×1
2個(全単核球に対して約0.005%)であり、ミ
ニフィルター処理群では2×103個(全単核球に対し
て約0.02%)という結果であった。
【0054】
【実施例3】平均繊維径2.3ミクロンのポリエチレン
テレフタレート不織布に非イオン性親水基を有する2−
ヒドロキシエチルメタクリレートと、窒素を含む塩基性
官能基を有するカチオン性モノマーであるN,N−ジメ
チルアミノエチルメタクリレートと、エステル基を有す
る疎水性モノマーであるメチルメタクリレートとが6:
1:3の重合比である共重合体をコーティングして得ら
れたカチオン性基を有するモノマーの密度が1.50×
10−2meq/平方m、濾過面積1.54平方cmの不
織布を厚さ9mmになるように積層し、ポリカーボネー
ト容器に、容器に対する充填率が0.23g/立方cm
で充填してフィルターを作製した。該フィルターを使用
して、ヒト末梢血と、臍帯血の有核成分をフィコール法
によって分離したものを7:2の混合比で混合した血液
7ml(抗凝固剤CPDを980μl含む)を濾過し、
引き続いて10mlの0.83%塩化アンモニウム水溶
液を流して、赤血球を溶血させ、引き続いて200ml
の生理食塩液をフィルターに流して残存している赤血球
や血小板を洗い出した。7mlデキストラン40注射液
をシリンジに取り、フィルターの出口側から勢いよく流
して不織布フィルターに捕捉された細胞を回収した。得
られた回収液を濃縮して1mlにしたものを用いて遠心
塗抹プレートを作成し、ヘモグロビン染色を行い、赤芽
球をカウントしたところ、全細胞に対する赤芽球濃縮率
は212倍であった。ここでいう濃縮率とは、回収総細
胞数に対する回収赤芽球数の割合を、元血液の総細胞数
に対する赤芽球数の割合で除した値である。
【0055】
【実施例4】平均繊維径2.3ミクロンのポリエチレン
テレフタレート不織布に非イオン性親水基を有する2−
ヒドロキシエチルメタクリレートと、窒素を含む塩基性
官能基を有するカチオン性モノマーであるN,N−ジメ
チルアミノエチルメタクリレートとが97:3の重合比
である共重合体をコーティングして得られたカチオン性
基を有するモノマーの密度が4.26×10−3meq/
平方m、濾過面積1.54平方cmの不織布を厚さ9m
mになるように積層し、ポリカーボネート容器に容器に
対する充填率が0.23g/立方cmで充填してフィル
ターを作製した。該フィルターを使用して、ヒト末梢血
と、臍帯血の有核成分をフィコール法によって分離した
ものを7:2の混合比で混合した血液7ml(抗凝固剤
CPDを980μl含む)を濾過し、引き続いて10m
lの0.83%塩化アンモニウム水溶液を流して、赤血
球を溶血させ、引き続いて200mlの生理食塩液をフ
ィルターに流して残存している赤血球や血小板を洗い出
した。7mlデキストラン40注射液をシリンジに取
り、フィルターの出口側から勢いよく流して不織布フィ
ルターに捕捉された細胞を回収した。得られた回収液を
濃縮して1mlにしたものを用いて遠心塗抹プレートを
作成し、ヘモグロビン染色を行い、赤芽球をカウントし
たところ、全細胞に対する赤芽球濃縮率は151倍であ
った。ここでいう濃縮率とは、回収総細胞数に対する回
収赤芽球数の割合を、元血液の総細胞数に対する赤芽球
数の割合で除した値である。
【0056】
【実施例5】平均繊維径2.3ミクロンのポリエチレン
テレフタレート不織布に非イオン性親水基を有する2−
ヒドロキシエチルメタクリレートと、エステル基を有
し、カチオン性モノマーであるメチルメタクリレートと
が97:3の重合比である共重合体をコーティングして
得られたカチオン性基を有するモノマーの密度が4.2
6×10−3meq/平方m、濾過面積1.54平方cm
の不織布を厚さ9mmになるように積層し、ポリカーボ
ネート容器に容器に対する充填率が0.23g/立方c
mで充填されたフィルターを使用して、ヒト末梢血と、
臍帯血の有核成分をフィコール法によって分離したもの
を7:2の混合比で混合した血液7ml(抗凝固剤CP
Dを980μl含む)を濾過し、引き続いて200ml
の生理食塩液をフィルターに流して残存している赤血球
や血小板を洗い出した。7mlデキストラン40注射液
をシリンジに取り、フィルターの出口側から勢いよく流
して不織布フィルターに捕捉された細胞を回収した。得
られた回収液を濃縮して1mlにしたものを用いて遠心
塗抹プレートを作成し、ヘモグロビン染色を行い、赤芽
球をカウントしたところ、赤芽球濃縮率は99倍であっ
た。ここでいう濃縮率とは、回収総細胞数に対する回収
赤芽球数の割合を、元血液の総細胞数に対する赤芽球数
の割合で除した値である。
【0057】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の有核細胞は捕捉
し、核を持たない細胞は実質的に捕捉しない手段を有す
る方法及び装置によると、有核細胞を細胞の形態を保っ
たまま回収することができるので、細胞診断用検体の調
製のために有用であるという効果を奏することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の細胞分離装置の一実施態様を示す。
【図2】本発明の細胞分離装置の他の実施態様を示す。
【符号の説明】
1:有核細胞捕捉手段 2:有核細胞含有液注入手段 3:液体排液手段 4:回収液注入手段 5:有核細胞回収手段 6:リンス液注入手段 2−1:スパイク 2−2:接続チューブ 2−3:流路切替え手段 3−1:接続チューブ 3−2:流路切替え手段 3−3:スパイク 5−1:分岐手段 5−2:流路切替え手段 5−3:流路切替え手段 5−4:回収液収集容器 5−5:スパイク 5−6:接続チューブ 5−7:接続チューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 築地 美鈴 大分県大分市大字里2111番地2 旭メディ カル株式会社内 (72)発明者 佐藤 康子 大分県大分市大字里2111番地2 旭メディ カル株式会社内 Fターム(参考) 2G045 AA24 BA01 BA13 BB04 BB05 BB14 BB24 BB39 CA03 CA25 CB01 FA16 HA06 HA14 2G052 AA30 AB16 AD26 AD46 CA03 CA20 EA05 EA08 ED01 FA05 FA08 FC02 FC11 FC15 GA32 4B063 QA01 QA18 QQ03 QQ08 QR77 QR84 QS10 QS39

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有核細胞は捕捉し、核を持たない細胞は実
    質的に捕捉しない有核細胞捕捉手段に有核細胞含有液を
    導入して、有核細胞は捕捉させ、核を持たない細胞は流
    出させた後、該有核細胞捕捉手段に捕捉されている有核
    細胞を細胞の形態を保ったまま回収することを特徴とす
    る細胞診断用検体の調製方法。
  2. 【請求項2】有核細胞捕捉手段に回収液を導入して、該
    手段に捕捉された有核細胞を細胞の形態を保ったまま回
    収することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】有核細胞含有液が妊娠中の母体血液である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】有核細胞が赤芽球であることを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】有核細胞が胎児由来の細胞である請求項1
    ないし4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 有核細胞含有液が妊娠中の母体血液であ
    って、有核細胞が胎児由来の赤芽球であることを特徴と
    する請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】有核細胞を細胞の形態を保ったまま回収す
    るに先立って、あらかじめ溶血液で捕捉細胞を処理する
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の
    方法。
  8. 【請求項8】有核細胞捕捉手段が細胞吸着性極細繊維集
    合体から構成されることを特徴とする請求項1ないし7
    のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】細胞吸着性極細繊維集合体が、ポリエステ
    ル、ポリプロピレン及びナイロンの1種以上からなるこ
    とを特徴とする請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】細胞吸着性極細繊維集合体の極細繊維
    が、平均繊維径0.1〜10μmであることを特徴とす
    る請求項8または9記載の方法。
  11. 【請求項11】有核細胞捕捉手段の少なくとも表面にカ
    チオン性基を有するポリマーを有することを特徴とする
    請求項1ないし10のいずれかに記載の方法。
  12. 【請求項12】カチオン性基を有するポリマーが少なく
    ともカチオン性を有するモノマーと非カチオン性のモノ
    マーの共重合体で構成されており、かつカチオン性基を
    有するモノマーのモル分率が0.1〜30mol%である
    ことを特徴とする請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】ポリマー中のカチオン性基を有するモノ
    マーの密度が1×10−4〜5×10−1meq/平方m
    であることを特徴とする請求項11または12記載の方
    法。
  14. 【請求項14】有核細胞は捕捉し、核を持たない細胞は
    実質的に捕捉しない有核細胞捕捉手段を有することを特
    徴とする細胞診断用検体を調製するための細胞分離デバ
    イス。
  15. 【請求項15】有核細胞は捕捉し、核を持たない細胞は
    実質的に捕捉しない有核細胞捕捉手段(1)と、該有核
    細胞捕捉手段の入口より上流に接続される、有核細胞含
    有液を前記有核細胞捕捉手段に注入する手段(2)と、
    前記有核細胞捕捉手段の出口より下流に接続される、前
    記有核細胞捕捉手段の出口から流出する液体を排液する
    手段(3)と、前記有核細胞捕捉手段の出口より下流に
    接続される、前記有核細胞捕捉手段に回収液を注入する
    手段(4)と、前記有核細胞捕捉手段の入口より上流に
    接続される、前記有核細胞捕捉手段の入口側から有核細
    胞を回収する手段(5)とを有することを特徴とする、
    細胞診断用検体を調製するための細胞分離装置。
  16. 【請求項16】細胞を回収する手段(5)は流路切替え
    手段と複数の分岐を有する請求項15記載の装置。
  17. 【請求項17】有核細胞含有液を細胞捕捉手段に注入す
    る手段(2)は、流路切り替え手段と、核を持たない細
    胞を洗浄除去するための溶血液あるいは洗浄液を注入す
    るための手段(6)への分岐をさらに有することを特徴
    とする請求項15または16に記載の装置。
  18. 【請求項18】有核細胞捕捉手段(1)、有核細胞含有
    液注入手段(2)、液体排液手段(3)、回収液注入手
    段(4)、有核細胞回収手段(5)、溶血液、あるいは
    洗浄液注入手段(6)の相互の接続手段のうち、少なく
    とも一つはルアー式ロックであることを特徴とする請求
    項15ないし17のいずれかに記載の装置。
  19. 【請求項19】請求項1ないし12のいずれかに記載の
    方法によって得られた有核細胞含有組成物。
  20. 【請求項20】請求項1ないし12のいずれかに記載の
    方法によって得られた有核細胞含有回収液からなる細胞
    診断用組成物。
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