JP4103502B2 - 多層配線板及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、作り付けの薄膜コンデンサを有するコンデンサ内蔵の多層配線板とその製造方法に関し、特に、誘電体の形成に高温の熱処理を必要とするコンデンサを内蔵した多層配線板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンデンサの用途の一つに、例えばLSIのような能動電子部品の電源配線とグランド配線との間に接続して、電子回路における電源ノイズの除去に用いる使い方、いわゆるバイパスコンデンサとしての用途がある。
【0003】
このバイパスコンデンサのよく行われる実装方法は、個別部品のコンデンサを用い、これをLSIなどと共に、例えばプリント配線基板のような実装用基板にはんだ付けなどの方法で取り付ける方法である。しかしながら、この実装方法では、コンデンサからLSIまでの配線が二次元の平面内を走ることになるので、配線長を短くすることには限界があり、電子回路の動作周波数の高周波化傾向に副うことができなかったり、実装用基板の面内でコンデンサ実装のために一定の面積が取られ、実装を高密度化するには不利であるなどの理由で、コンデンサを多層配線板に内蔵させ、コンデンサからLSIなどへの電気配線を立体化することで配線長を短縮する技術が考えられた。
【0004】
特開2001−210789号公報は、更に、バイパスコンデンサをLSIチップの端子の直上に配置することで、コンデンサとLSIチップとの間の配線長を最短にしている。しかも、コンデンサの誘電体に、高誘電率ではあるものの、その成膜時に例えば350℃、450℃或いは600℃以上というような、一般の電子部品の製造においては非常に高い温度の部類に入る熱処理を必要とする、ペロブスカイト結晶構造の金属酸化物薄膜を用いることを可能にして、コンデンサの静電容量を増大させ、ノイズ除去効果を高めている。
【0005】
上記公報記載の薄膜コンデンサ内蔵電子回路の製造においては、バイパスコンデンサを、LSIチップとは別の、上記の高温熱処理に耐える基板上に予め形成しておき、そのコンデンサ形成済みの別基板をLSIチップに貼り付けた後、上記別基板だけを除去することで、コンデンサをLSIチップに転写する。このようなコンデンサの転写技術により、配線長の短縮化と誘電体の高誘電率化とを実現している。
【0006】
上記公報は、バイパスコンデンサをLSIチップに転写する技術を開示しているが、この転写技術を用いれば(バイパスコンデンサに限らず、一般に)コンデンサを、(LSIチップのような能動電子部品に限らず)多層配線基板に内蔵させることができる。以下に、上記コンデンサの転写技術について、説明する。
【0007】
図11〜図14に、上記公報の図1を再掲して示す。尚、以下では、説明の便宜のため、図11〜図14中の符号および名称に、上記公報に用いられているものとは異なる符号および名称を用いることがある。また、図の順番を入れ替えてある。
【0008】
上記公報記載の技術に係る薄膜コンデンサ内蔵電子回路の一例の、完成後の断面図を示す図11を参照して、この薄膜コンデンサ内蔵電子回路は、大きく分けて、一番下に位置する基板2と、その基板2の上に層状に重なっている部分と、その上に形成されている上層配線7A,7Bの三つの部分からなっている。上記基板2上に層状に重なっている部分には、薄膜コンデンサ1が内蔵されている。この例の場合、基板2はLSIチップである。その基板2の表面には、コンデンサ1に接続すべき二つの電極3A,3Bが設けられている。尚、後に述べるが、基板2とその上のコンデンサ1を内蔵する上記層状部分との間にある有機樹脂接着シート31は、基板2と上記コンデンサ1を内蔵する層状部分とを絶縁的に接着するためのものである。この例の場合は、ポリイミド樹脂が使われている。
【0009】
コンデンサ1は、二つの平板状電極4A,4Bの間に誘電体32を挟んだ構造の薄膜コンデンサである。誘電体32には、ペロブスカイト型結晶構造の金属酸化物の一種である、チタン酸バリウムストロンチウムが用いられている。このコンデンサ1は、基板2上の電極3Aと電極3Bとの間の部分に位置していて、コンデンサの両脇には、それぞれ基板2の電極3A,3Bに通じるスルーホールが設けられている。そして、そのスルーホールの側壁に形成された上層配線7A,7Bを介して、コンデンサの下側の電極4Aと基板上の電極3Aとが接続され、コンデンサの上側の電極4Bと基板上の電極3Bとが接続されている。
【0010】
次に、この薄膜コンデンサ内蔵の電子回路は、以下のようにして製造される。この電子回路の断面を製造工程順に示す図12〜図13を参照して、先ず、図12(a)に示すように、基板2とは異なる別の基板8上に剥離層9、接着層10、電極層11、誘電体層12および電極層13を順次成膜して、薄膜コンデンサの基本となる積層構造体を作製する。この例の場合は、基板8には表面を酸化したシリコンウェーハを用いている。電極層11はコンデンサの上側の電極4Bになるべき層であり、電極層13はコンデンサの下側の電極4Aになるべき層であって、共に、材料にはPtが用いられている。誘電体層12には、先に述べたように、高い誘電率を示すペロブスカイト型結晶構造のチタン酸バリウムストロンチウムが用いられている。剥離層9には、Cr膜が用いられている。この剥離層9については、後に述べる。接着層10は、電極層11の材料であるPtが他の物質との接着性が十分ではないことから、電極層11の接着強度不足を補う目的で挟んであるものである。従って、電極層11にPt以外の、接着性が良好な他の材料を用いるのであれば、特にはなくても構わない。
【0011】
ここで、誘電体層12に用いられているチタン酸バリウムストロンチウムを結晶化させるには、成膜中あるいは成膜したあとに、少なくとも350℃以上の熱処理を行う必要がある。この例に限らず、他のペロブスカイト型結晶構造の金属酸化物の場合も、やはり、350℃程度以上の熱処理を必要とするのであるが、ここで用いられている基板8(SiO2 被覆のシリコンウェーハ)、剥離層9(Cr膜)、接着層10(Ti膜)、電極層11(Pt膜)、電極層13(Pt膜)はいずれも、上記誘電体層12の結晶化のための熱処理温度に耐えるものばかりである
次に、図12(b)に示すように、上述の薄膜コンデンサの原型の積層構造体を裏返して、コンデンサを搭載すべき基板2と向い合せる。つまり、基板2の電極3A,3Bが形成されている面と、上記コンデンサの原型の積層構造体の電極層13とを向い合せにする。この際、基板2とコンデンサの原型の積層構造体との間に有機樹脂接着シート31を介して、向い合せる。尚、基板2はLSIチップであって、表面には有機絶縁樹脂体17が形成され、その上面に、コンデンサの各電極4A,4Bに接続すべき基板側の電極3A,3Bが形成されている。
【0012】
この後、図12(c)に示すように、例えば平行平板型真空プレス装置内に基板2と基板8とを設置し、両基板2,8の間に加熱、加圧処理を行う。これにより、基板2と基板8とが有機樹脂接着シート31を介して接着する。
【0013】
次に、図13(a)に示すように、剥離層9だけを選択的にエッチング除去する。これにより、基板8が取り除かれる。つまり、剥離層9は、基板8を取り除くためのものである。
【0014】
この後、図13(b)に示すように、フォトリソグラフィ法によって、コンデンサを形成すべき部分だけを残して、接着層10、電極層11、誘電体層12、電極層13を順次パターニングする。これにより、薄膜コンデンサ1が基板2に転写される。尚、このコンデンサ1のパターニングの際、下側の電極4Aについては、一端(この例の場合は、電極4Aの紙面左側の端)が、誘電体32から飛び出すようにしておく。
【0015】
このあと、コンデンサ1の電極4A,4Bと基板2上の電極3A,3Bとの接続工程に移る。先ず、上述の薄膜コンデンサ1が転写された基板2の全面に、有機絶縁樹脂層33を形成する。有機絶縁樹脂層33には、ポリイミドを用いる。そのあと、図14(a)に示すように、フォトリソグラフィ法を用いて、コンデンサの両脇に、有機樹脂接着シート31に達するスルーホール34A,34Bを形成する。同時に、コンデンサ1の上にも、電極4Bに達するスルーホール34Bを形成する。このとき、基板2の電極3Aに対応するスルーホール34A(紙面左側のスルーホール)ついては、コンデンサの下側の電極4Aの紙面左側の端(前述の、誘電体32から飛び出している部分)がスルーホール34A内に露出するように、スルーホールをパターニングする。
【0016】
この後、図14(b)に示すように、有機樹脂接着シート31に対してレーザー法などを適用して、上述のスルーホール34A,34Bから露出している部分の有機樹脂接着シート31を基板2の電極3A,3Bに達するまで除去し、スルーホール35A,35Bをあけ、基板2の電極3A,3Bを露出させる。
【0017】
最後に、最外層の有機絶縁樹脂層33の上に、薄膜コンデンサ1の電極4A,4Bと基板2の電極3A,3Bとを接続する上層配線7A,7B(図11参照)を形成して、薄膜コンデンサ内蔵の電子回路を完成する。
【0018】
上述の、コンデンサの基本構造を、高温の熱処理に耐える別の基板8に予め形成しておいて、これをコンデンサを必要とするLSIチップに転写する技術によれば、コンデンサの誘電体に、高誘電率ではあるが高温の熱処理を必要とする物質を用いて静電容量を増すことができると同時に、LSIチップとコンデンサとを最短の距離で接続することができ、バイパスコンデンサにおける電源ノイズ除去効果を高めることができる。
【0019】
このような、薄膜コンデンサの転写技術と、これによる高誘電率誘電体の使用実現化および配線の最短化の作用効果とは、電子回路の製造のみならず多層配線板の形成にも適用でき、同様の効果を期待できるであろう。上記公報で基板2として例示されたLSIチップは、これを、「コンデンサの接続を必要とする少なくとも二つの端子を表面に有する多層配線基板」に置き換えて考えることができるからである。
【0020】
ここで、図11に示す薄膜コンデンサ内蔵の電子回路の特徴を本発明との関連性の観点から言えば、その特徴は、コンデンサの電極4A,4Bと基板2の電極3A,3Bとの間の接続構造にあって、接続配線7A,7Bがいずれも、コンデンサの両脇の、二段の深いスルーホール35A,34Aおよび35B,34Bの壁面を這い登る構造になっている点である。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、コンデンサの転写技術を多層配線板の製造に適用すれば、高誘電率の誘電体を用いた静電容量の大きいコンデンサを、多層配線板側のコンデンサ接続用端子の直上に内蔵させ、配線長を最短にすることができる。
【0022】
しかしながら、図11に示す構造において、コンデンサの電極4A,4Bと基板2の電極3A,3Bとの間の接続構造、すなわち、接続用配線7A,7Bが、コンデンサの両脇の二段の深いスルーホール35A,34Aおよび35B,34Bの壁面を這い登る構造は、接続の信頼性の点で改善すべき余地を残した。
【0023】
すなわち、先ず、薄膜コンデンサ1のパターニング時の位置ずれや、有機絶縁樹脂層33にスルーホール34A,34Bを開けるときの位置ずれにより、薄膜コンデンサ1の二つの電極4A,4Bの間での短絡が発生しやすいことが、第1の改善点である。
【0024】
次に、薄膜コンデンサ1にはどうしても段差が必要であり、その段差の部分で配線が切断しやすいことが言える。図11に示す構造において、コンデンサ1の下側の電極4Aは、その左側の端がスルーホール34A内に露出するようにされていて、その露出した部分で、スルーホール35Aの底からその壁面を這い上がってくる配線7Aと接続する。従って、コンデンサ1には、その接続構造上、少なくとも上記下側の電極4Aがスルーホール34A内に顔を出す部分に、どうしても段差が必要である。
【0025】
一般に、電子部品などの製造において、表面に段差がある場合にその表面上に金属膜などを成膜すると、段差部分には他の部分より薄くしか堆積されず、金属膜に配線を形成したとき、段差部分で断線が起こりやすいことはよく知られていることである。また、スルーホールのような深い穴の中に金属膜などを形成することが困難であることもよく知られている。図11に示す接続構造、特に、コンデンサの電極4Aと基板2の電極3Aとの接続構造は、スルーホール34A内に設けた段差部分で接続をしなければならないという二重の困難さのゆえに、非常に断線しやすく、製造が困難である。仮に、製造の時点では接続が取れた場合でも、長期にわたる使用中に断線に至る確率が高く、接続の信頼性は低い。
【0026】
更に、コンデンサを覆っている有機絶縁樹脂層33は、表面の平滑性に乏しく凹凸が激しいので、この電子回路の更に上、すなわち最上層の有機絶縁樹脂層33の上に、他の電子部品を実装するのは困難である。また、有機絶縁樹脂層33上に配線などを形成する場合に、これを微細化することは難しい。このことは、図1に示すような構造全体を、コンデンサを内蔵した多層配線板として用い、その多層配線板の上にさらに他の電子部品を搭載したり、それら電子部品の相互接続のための配線を形成する場合に、非常に大きな問題である。
【0027】
従って、本発明は、コンデンサを必要とする配線基板に、その基板とは異なる基板に予め形成しておいたコンデンサを転写することで、コンデンサの誘電体に高温熱処理を要する高誘電率の物質を用いることを可能にすると共に、配線基板の端子とコンデンサとを最短距離で接続できるようにした、コンデンサ内蔵の多層配線板において、コンデンサの電極どうしの短絡を防止すると共に、コンデンサと配線基板の端子との間の接続配線の断線を防止することを目的とする。
【0028】
本発明は、また、上記コンデンサ内蔵の多層配線板において、表面の凹凸を無くし平滑にすることを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明の多層配線板は、コンデンサを内蔵する多層配線板であって、板状の絶縁物からなる配線基板の上に層状の絶縁物からなる絶縁体層が重なった構造で、前記絶縁体層には平板状のコンデンサが埋め込まれており、前記配線基板の前記絶縁体層との界面には前記コンデンサの電極に接続する少なくとも2つの端子が設けられており、前記配線基板の端子と前記コンデンサの電極とが、前記絶縁体層に設けられたフィルドビアを介して接続されていることを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。本発明の第1の実施例(実施例1)に係る多層配線板の断面を示す図1を参照して、本実施例に係る多層配線板は、コンデンサ1が基板2の一方の電極3Aの真上に位置していて、基板2の電極3Aとコンデンサの下側の電極4Aとがフィルドビア(導電性物質が詰め込まれているスルーホール)5Aで接続され、コンデンサ1の上側の電極4Bと基板2のもう一つの端子3Bとが、フィルドビア6A、上層配線7、フィルドビア6B、フィルドビア5Bの経路で接続されている点および、表面が平滑である点が、図11に示す従来の多層配線板と大きく違っている。本発明者は、この多層配線板を、以下のようにして作製した。
【0031】
先ず、図2(a)に示すように、従来公知の方法により、ペロブスカイト型結晶構造の金属酸化物を誘電体とする薄膜コンデンサの原型である積層構造体を形成する。この積層構造体は、基板8と、その上に順次成膜された剥離層9、接着層10、電極層11、誘電体層12および電極層13からなる。
【0032】
本実施例では、基板8にシリコンウエーハを用い、その上に剥離層9としてCr膜、接着層10としてTi膜、電極層11としてPt膜を、スパッタ法により成膜した。更に、誘電体層12としてチタン酸バリウムストロンチウム膜をスパッタ法で成膜し、450℃以上の熱処理により結晶化させた後、その誘電体層12上に、電極層13としてPt膜をスパッタ法により成膜した。
【0033】
尚、基板8は表面が平滑であり、且つ誘電体層12であるチタン酸バリウムストロンチウム膜形成時の温度や雰囲気などに耐えられる材料であれば、シリコンウエーハには限らない。剥離層9は、後の薄膜コンデンサ1を構成する電極材料およびチタン酸バリウムストロンチウム膜を形成する際に変質、拡散、剥離などを起こさないこと、特定のエッチング液によって溶解すること、且つそのエッチング液が基板2などにダメージを与えないことなどの条件を満たせば、Cr以外でもかまわない。接着層10の材料はTi以外でもかまわないが、ポリイミドなどの有機絶縁材料との接着性が良好なこと、剥離層9をエッチング除去する際のエッチング液に溶解しないことが必要である。この接着層10は、前にも述べた通り、電極層11がPt以外の材料で十分な接着性を持つ場合には、特にはなくても構わない。電極層11の材料はPt以外でもかまわないが、電極層11とその上に形成する誘電体層12との間の電子障壁が高いことが必要であって、白金族金属並びに誘電性を有する白金族金属の酸化物などが望ましい。誘電体層12にはチタン酸バリウムストロンチウム膜をスパッタ法で製膜したが、ペロブスカイト型結晶構造を示し、比誘電率の大きい材料であればこれに限定しない。
【0034】
この後、電極層13上に例えばポリイミドなどからなる有機絶縁樹脂層14を形成し、図2(b)に示すように、フォトリソグラフィ法などを用いて、この有機絶縁樹脂層14に、電極層13に達するスルーホール15A,15Bを開け、電極層13の所定部分を露出させる。スルーホール15A,15Bを開ける場所は、基板2側の電極3A,3B(図1参照)に当たる位置である。尚、上述の有機絶縁樹脂層14は、この時点では熱処理による完全硬化を行わない。後に述べる基板2とコンデンサとを密着させる工程での、密着性を良くするためである。
【0035】
次に、図2(c)に示すように、上述のスルーホール15A,15B内に導電性ペースト16A,16Bを充填する。この導電性ペースト16A,16Bは、この時点では、熱処理による完全硬化を行わない。有機絶縁性樹脂14を完全硬化させなかったのと同じ理由で、後の工程で、基板2とコンデンサとの密着性を良くするためである。尚、導電性ペーストに含まれる導電性微粒子には、このあとの剥離層9のエッチング除去の際のエッチング液に溶解しないものを用いる。
【0036】
次に、図3(a)に示すように、基板8の上記導電ペースト16A,16Bが露出している側の面と、基板2の電極3A,3Bが形成されている面とを向い合せる。本実施例では、基板2として、LSIチップにコンデンサを接続するための電極3A,3Bが形成されているものを用いた。この基板2の表面には、電極3A,3Bとポリイミドなどの有機樹脂絶縁体17とが形成されている。
【0037】
この後、図3(b)に示すように、上記の状態を保持しつつ、基板2と基板8とを例えば平行平板型真空プレス装置内に設置し、両基板の間に加熱、加圧処理を行う。この処理により、有機絶縁樹脂層14と導電性ペースト16A,16Bとが完全硬化して、フィルドビアを有する薄膜コンデンサの原型の積層体と基板2の両者が密着することとなり、薄膜コンデンサ1の下側の電極4Aになる部分と基板2の電極3Aとが、フィルドビア5Aで電気的に接続される。また、基板2の電極3Bに、コンデンサの原型の積層体側のフィルドビア5Bが接続する。
【0038】
次に、エッチング処理により、剥離層9だけを選択的に溶解させる。これにより、図3(c)に示すように、基板8を除去する。本実施例では、Cr薄膜のエッチング液として、塩酸と塩化アンモニウムの混合水溶液を用いた。
【0039】
この後、図4(a)に示すように、コンデンサの原型の積層体を、薄膜コンデンサ1の形状にパターニングする。パターニングは、通常のフォトリソグラフィ法により、接着層10、電極層11、誘電体層12、電極層13を、有機絶縁樹脂層14に達するまで順次除去することで行う。このようにして薄膜コンデンサ1の形成が完了し、ペロブスカイト型結晶構造の誘電体を有する、特性の良好な薄膜コンデンサ1が基板2上に転写される。
【0040】
次に、転写したコンデンサ1上に、例えばポリイミドからなる有機絶縁樹脂層18を形成し、図4(b)に示すように、フォトリソグラフィ法などを用いて、この有機絶縁樹脂層18にスルーホール19A,19Bを開け、コンデンサ1の上側の電極層4Bの一部と、フィルドビア5Bの表面を露出させる。
【0041】
次に、図4(c)に示すように、スルーホール19A,19B内に導電性ペースト20A,20Bを充填し、有機絶縁樹脂膜18と導電性ペースト20A,20Bとを一括して熱処理して、フィルドビア6A,6Bを形成する。そして、有機絶縁樹脂層18の表面に機械的研磨処理を施して、その表面を平滑化させると共に、フィルドビア6A,6Bの頂部を有機絶縁樹脂層18から露出させる。
【0042】
この後、図1に示すように、有機絶縁樹脂層18の表面に、フィルドビア6Aの露出部とフィルドビア6Bの露出部とをつなぐ上層配線7や、特に図示することはしないが、有機絶縁樹脂層18上に他の電子部品を実装するための配線を形成する。本実施例においては、上層配線7を、電気めっきにより形成した。これにより、コンデンサ1の上側の電極4Bと基板2の電極3Bとが、フィルドビア6A、上層配線7、フィルドビア6B、フィルドビア5Bを介して接続され、図1に示す本実施例に係る薄膜コンデンサ内蔵の多層配線板が完成する。
【0043】
本実施例に係る薄膜コンデンサ内蔵の多層配線板においては、フィルドビアにより薄膜コンデンサ1の電極4A,4Bと基板2の電極3A,3Bとの間を接続するので、コンデンサ1のパターンニングの際の位置ずれや、有機絶縁樹脂層18にスルーホール19A,19Bを開けるとき(図4(a),(b)参照)の位置ずれに起因するコンデンサの電極間の短絡を防止することができる。また、コンデンサの電極4Aと基板2の電極3Aとの間の断線も減少して、製造時の良品率が向上し、また長期における接続の信頼性も向上する。
【0044】
しかも、本実施例に係る多層配線板においては、コンデンサ1を覆う最上層の有機絶縁樹脂層18の表面を、フィルドビア6A,6Bの表面も含めて、平滑にすることができるので、例えば上層配線7のような最外層の配線を微細化することが可能となり、また、コンデンサ1以外の他の個別電子部品の搭載することも可能になる。これにより、この多層配線板を用いる電子回路をより高密度に実装することが可能になる。
【0045】
次に、本発明の第2の実施例(実施例2)について、説明する。本発明の実施例2に係る多層配線板の断面を示す図5を参照して、本実施例に係る多層配線板においても、基板2の上に有機絶縁樹脂層14と有機絶縁樹脂層18の2層の樹脂層が形成されていて、それらの樹脂層の中に薄膜コンデンサ1と、4つのフィルドビア5A,5B,6A,6Bが埋め込まれていて、基板2の電極3Aとコンデンサの下側の電極4Aとがフィルドビア5Bで接続され、コンデンサの上側の電極4Aと基板2の電極3Bとが、フィルドビア6A,上層配線7,フィルドビア6B,フィルドビア5Bを介して接続されている。
【0046】
つまり、有機絶縁樹脂層14と有機絶縁樹脂層18の両者からなる有機樹脂層の中に薄膜コンデンサ1と、そのコンデンサの電極と基板2の電極とを接続するための4つのフィルドビア5A,5B6A,6Bが埋め込まれていて、有機絶縁層18の表面に上層配線7が形成されているという観点からすれば、本実施例に係る多層配線板は、実施例1に係る多層配線板と同じである。但し、実施例1に係る多層配線板においては、一層目の有機絶縁樹脂層14にはフィルドビア5Aとフィルドビア5Bだけが設けられていたのに対し、本実施例に係る多層配線板では、それら2つのフィルドビアに加えて、薄膜コンデンサ1も埋め込まれている点が違っている。製造方法でいえば、コンデンサ1の形状を、製造工程の早い時期(コンデンサの原型の積層体を基板2に接着する以前の段階)に定めてしまう点が、実施例1と異なっている。以下に、本実施例に係る多層配線板の製造方法について述べる。
【0047】
本実施例に係る多層配線板の断面を製造工程順に示す図6〜図8を参照して、先ず、図6(a)に示すように、実施例1におけると同様にして、基板(酸化膜被覆されたシリコンウエーハ)8上に剥離層(Cr膜)9、接着層(Ti膜)10、電極層(Pt膜)11、誘電体層(チタン酸バリウムストロンチウム膜)12および電極層(Pt膜)13を順次積層して、薄膜コンデンサの原型の積層体を作製する。
【0048】
この後、図6(b)に示すように、フォトリソグラフィ法により電極層13、誘電体層12、電極層11、接着層10を、コンデンサ1になるべき部分だけを残して、剥離層9に達するまで除去してコンデンサ1のパターンを形成する。
【0049】
次に、露出した剥離層9とコンデンサ1の上に、ポリイミドからなる有機絶縁樹脂層14を形成し、その有機絶縁樹脂層14に、フォトリソグラフィ法によって、図6(c)に示すように、コンデンサの上側の電極4Bに達するスルーホール15Aと、剥離層9に達するスルーホール15Bとを開ける。この際、有機絶縁樹脂層14は、この時点では熱処理による完全硬化を行わない。実施例1におけると同じ理由で、この後の、コンデンサ1を基板2に転写するときの密着性を良くするためである。
【0050】
次に、図6(d)に示すように、上記スルーホール15A,15B内に導電性ペースト16A,16Bを充填する。その際、導電性ペースト16A,16Bは、熱処理による完全硬化を行わない。コンデンサ1を基板2に転写するときの密着性を良くするためである。尚、導電性ペースト16A,16Bに含ませる導電性粒子には、この後の剥離層9のエッチング除去の際のエッチング液に溶解しないものを選ぶ。
【0051】
次に、図7(a)に示すように、基板8の導電ペースト16A,16Bが露出している側の面と、基板2の電極3A,3Bが設けられている側の面を向かい合わせにして対面させる。基板2は、実施例1のときと同じく、表面にポリイミドからなる有機絶縁樹脂体17と電極3A,3Bが形成されているLSIチップである。
【0052】
この後、図7(b)に示すように、実施例1におけると同様に、基板2と基板8とを、例えば平行平板型真空プレス装置内に設置し、両基板の間に加熱、加圧処理を行う。この工程により、有機絶縁樹脂層14と導電性ペースト16A,16Bとが完全硬化して、基板2と薄膜コンデンサ1が形成されている基板8の両者とが密着し、薄膜コンデンサ1の下側の電極4Aと基板2の電極3Aとが、導電性ペースト16Aが埋め込まれたフィルドビア5Aを介して電気的に接続される。同時に、基板2のもう一方の電極3Bと導電性ペースト16Bが埋め込まれたフィルドビア5Bとが接続される。
【0053】
次に、剥離層9を選択的にエッチングして溶解させて、図7(c)に示すように、基板8を基板2から除去する。これまでの工程で、ペロブスカイト型結晶構造を有する、特性の良好な薄膜コンデンサ1が基板2上に転写され、この薄膜コンデンサの下側の電極4Aと基板2の電極3Aとがフィルドビア5Aを介して接続し、同時に、基板2のもう一方の電極3B上にはフィルドビア5Bが形成される。
【0054】
この後、コンデンサ1の上側の電極4Aと基板2の電極3Bとの接続工程に移る。先ず、図8(a)に示すように、コンデンサの上側の電極4Bの上およびフィルドビア5Bの上に、フィルドビアの充填材となる導電材21A,21Bをそれぞれ形成する。本実施例では、電気めっき法によりこれらの導電材21A,21Bを形成した。
【0055】
次に、上述の導電材21A,21Bを設けた基板8の全面に、ポリイミドなどの有機絶縁樹脂を塗布し、熱硬化させて有機絶縁樹脂層18を形成する。更に、その有機絶縁樹脂層18に機械的研磨を施して、図8(b)に示すように、有機絶縁樹脂層18の表面を平滑にすると共に、導電材21A,21Bを有機絶縁樹脂層18から露出させ、フィルドビア6A,6Bを形成する。
【0056】
この後、実施例1におけると同様にして、有機絶縁樹脂層18上に、フィルドビア6A,6Bの露出部どうしを接続する上層配線7(図5参照)や、他の電子部品を搭載するための図示しない配線を形成して、図5に示す本実施例に係る多層配線板を完成する。
【0057】
上に述べた実施例2は、以下に述べる第3の実施例(実施例3)のように変形できる。すなわち、コンデンサの原型の積層体から薄膜コンデンサ1の形状にパターニングする際、接着層10の一部を残しておく方法である。すなわち、実施例2において、図6(a)から図6(b)に移る工程で、薄膜コンデンサ1の形状をパターニングする際に、図9(a)に示すように、フィルドビア5Bになるべき部分に、接着層10を残しておくのである。
【0058】
その後、実施例2におけると同様に、コンデンサ1と、上記フィルドビア5Bになるべき部分の接着層10と、その他の剥離層9の全面を覆うポリイミド層14を形成し(図9(b))、フォトリソグラフィ法によってスルーホール15A,15Bを開け、それらのスルーホールを導電性ペースト16A,16Bで埋める(図9(c))。
【0059】
次に、実施例2におけると同様に、基板8と基板2とを向い合せにし(図10(a))、密着させ、平行平板型真空プレス装置内で基板8と基板2に加熱、加圧処理を行う。これにより、有機絶縁樹脂層14と導電性ペースト16A,16Bとが完全硬化して、図10(b)に示すように、基板2とコンデンサBを有する基板8の両者が密着し、コンデンサの下側の電極4Aと基板2の電極3Aとが、導電性ペースト16Aで埋められたフィルドビア5Aを介して電気的に接続される。同時に、基板2のもう一方の電極3B上に、導電性ペースト16Bで埋められたフィルドビア5Bが形成される。
【0060】
この後、実施例2におけると同様に、剥離層9だけをエッチングして選択的に溶解させることで、基板8を基板2から除去する。以下、実施例2におけると同様に、コンデンサの上側の電極4Bとフィルドビア5Bの上に導電材21A,21Bを形成し(図10(c))、ポリイミド膜18の形成、表面の機械的研磨の工程(図8(b)参照)、上層配線7の形成を経て本実施例に係る多層配線板を完成する。
【0061】
本実施例においては、図10(b)から図10(c)に移るときの剥離層9のエッチング除去の際、接着層10がフィルドビア5Bの導電性ペースト16Bを剥離層9のエッチング液から保護するカバー層となるので、導電性ペースト16Bに含ませる導電性粒子の選択の幅が増える。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、コンデンサを必要とする配線基板に、その基板とは異なる基板に予め形成しておいたコンデンサを転写することで、コンデンサの誘電体に高温熱処理を要する高誘電率の物質を用いることを可能にすると共に、配線基板の端子とコンデンサとを最短距離で接続できるようにした、コンデンサ内蔵の多層配線板において、コンデンサの電極どうしの短絡を防止すると共に、コンデンサと配線基板の端子との間の接続配線の断線を防止することができる。
【0063】
また、上記コンデンサ内蔵の多層配線板において、表面の凹凸を無くし平滑にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る多層配線板の完成後の断面を示す図である。
【図2】実施例1に係る多層配線板の断面を、製造工程順に示す図である。
【図3】実施例1に係る多層配線板の断面を製造工程順に示す図であって、図2に続く工程に係る図である。
【図4】実施例1に係る多層配線板の断面を製造工程順に示す図であって、図3に続く工程に係る図である。
【図5】本発明の実施例2に係る多層配線板の完成後の断面を示す図である。
【図6】実施例2に係る多層配線板の断面を、製造工程順に示す図である。
【図7】実施例2に係る多層配線板の断面を製造工程順に示す図であって、図6に続く工程に係る図である。
【図8】実施例2に係る多層配線板の断面を製造工程順に示す図であって、図7に続く工程に係る図である。
【図9】実施例3に係る多層配線板の断面を、製造工程順に示す図である。
【図10】実施例3に係る多層配線板の断面を製造工程順に示す図であって、図9に続く工程に係る図である。
【図11】従来の技術に係る多層配線板の完成後の断面を示す図である。
【図12】従来の技術に係る多層配線板の断面を、製造工程順に示す図である。
【図13】従来の技術に係る多層配線板の断面を製造工程順に示す図であって、図12に続く工程に係る図である。
【図14】従来の技術に係る多層配線板の断面を製造工程順に示す図であって、図13に続く工程に係る図である。
【符号の説明】
1 薄膜コンデンサ
2 基板
3A,3B 基板2の電極
4A,4B コンデンサの電極
5A,5B フィルドビア
6A,6B フィルドビア
7 上層配線
8 基板(シリコンウエーハ)
9 剥離層
10 接着層
11 電極層
12 誘電体層
13 電極層
14 有機絶縁樹脂層
15A,15B スルーホール
16A,16B 導電性ペースト
17 有機絶縁樹脂体
18 有機絶縁樹脂層
19A,19B スルーホール
20A,20B 導電性ペースト
21A,21B 導電材
Claims (14)
- コンデンサを内蔵する多層配線板であって、
板状の絶縁物からなる配線基板の上に層状の絶縁物からなる絶縁体層が重なった構造で、前記絶縁体層には平板状のコンデンサが埋め込まれており、前記配線基板の前記絶縁体層との界面には前記コンデンサの電極に接続する少なくとも2つの端子が設けられており、
前記配線基板の端子と前記コンデンサの電極とが、前記絶縁体層に設けられたフィルドビアを介して接続されていることを特徴とする多層配線板。 - 表面に少なくとも2以上の端子を有する配線基板と、
前記配線基板上に密着して設けられた層状の絶縁体層と、
前記絶縁体層に埋設された平板状のコンデンサであって、前記配線基板表面の端子のうちの一端子の上に位置するコンデンサと、
前記絶縁体層の表面に形成された電気配線であって、一端が前記コンデンサの上に位置し、他端が前記配線基板表面の他の一つの端子の上に位置する電気配線とを含み、
前記配線基板表面の一端子と前記コンデンサの一方の電極との間、前記コンデンサの他方の電極と前記電気配線の一端との間及び、前記電気配線の他端と前記配線基板表面の他の一つの端子との間が、前記絶縁体層に設けられたフィルドビアで接続されている構造の多層配線板。 - 面上に少なくとも2以上の端子を有する配線基板と、
前記配線基板表面に密着して重なる絶縁体層で、前記配線基板上の端子のうちの一端子の上及び他の一つの端子の上に、絶縁体層の上下を通じる第1のフィルドビア及び第2のフィルドビアが形成されている構造の第1の絶縁体層と、
前記第1の絶縁体層の上に密着して重なる絶縁体層で、これに埋設された平板状のコンデンサを有し、前記コンデンサの一方の電極は前記第1のフィルドビアに直接接続し、前記コンデンサの他方の電極の上には、前記コンデンサの他方の電極から絶縁体層の表面に達する第3のフィルドビアが形成され、前記第2のフィルドビアの上には、前記第2のフィルドビアから絶縁体層の表面に達する第4のフィルドビアが形成されている構造の第2の絶縁体層と、
前記第2の絶縁体層の表面に形成された電気配線で、前記第3のフィルドビアの前記第2の絶縁体層からの露出部と、前記第4のフィルドビアの前記第2の絶縁体層からの露出部とを接続する電気配線とを含む多層配線板。 - 面上に少なくとも2以上の端子を有する配線基板と、
前記配線基板表面に密着して重なる絶縁体層で、これに埋設された平板状のコンデンサを有し、前記コンデンサの一方の電極と前記配線基板上の端子のうちの一端子との間の部分には第1のフィルドビアが形成され、前記コンデンサの他方の電極は絶縁体層の表面に露出し、前記配線基板上の他の一つの電極の上には絶縁体層の表面に達する第2のフィルドビアが形成されている構造の第1の絶縁体層と、
前記第1の絶縁体層の上に密着して重なる絶縁体層で、前記コンデンサの他方の電極の上には絶縁体層の表面に達する第3のフィルドビアが形成され、前記第2のフィルドビアの上には、絶縁体層の表面に達する第4のフィルドビアが形成されている構造の第2の絶縁体層と、
前記第2の絶縁体層の表面に形成された電気配線で、前記第3のフィルドビアの前記第2の絶縁体層からの露出部と前記第4のフィルドビアの前記第2の絶縁体層からの露出部とを接続する電気配線とを含む多層配線板。 - 請求項4に記載の多層配線板において、
前記第2のフィルドビアと第4のフィルドビアとの接続部に導電物質の層を介在させたことを特徴とする多層配線板。 - 前記コンデンサが、ペロブスカイト型結晶構造の金属酸化物を誘電体とするコンデンサであることを特徴とする、請求項1乃至5の何れか1項に記載の多層配線板。
- 請求項3に記載の多層配線板を製造する方法であって、
前記配線基板上に前記第1のフィルドビア及び第2のフィルドビアを有する第1の絶縁体層と、前記第1のフィルドビア上に位置するコンデンサとを形成する過程と、
前記コンデンサ、前記第2のフィルドビア及び前記第1の絶縁体層の露出面を第2の絶縁体層で覆い、その第2の絶縁体層に前記第3のフィルドビア及び第4のフィルドビアを形成する過程と、
前記第2の絶縁体層上に前記電気配線を形成する過程とを含む多層配線板の製造方法。 - 請求項3に記載の多層配線板を製造する方法であって、
前記配線基板とは異なる第2の基板に剥離層と、前記コンデンサの他方の電極となるべき第1の電極層と、誘電体層と、前記コンデンサの一方の電極となるべき第2の電極層とを順次積層する第1の過程と、
前記第2の電極層上に絶縁性樹脂からなる第1の絶縁体層を形成した後、前記第1のフィルドビア及び第2のフィルドビアを形成すべき部分の第1の絶縁体層を、前記第2の電極層に達するまで選択的に除去してスルーホールを形成する第2の過程と、
各々の前記スルーホールの内部にペースト状の導電性物質を充填する第3の過程と、
前記配線基板と前記第2の基板とを、前記第1の絶縁体層が前記配線基板に向い合うようにして対面させ、両基板間を加熱、加圧して前記基板と前記第2の基板とを接着する第4の過程と、
前記第2の基板と前記第1の電極層との間に介在する剥離層のみを選択的に除去して、前記第2の基板を分離する第5の過程と、
前記第1の電極層、誘電体層及び第2の電極層を、前記コンデンサとなるべき部分を残して選択的に除去して、コンデンサの外形を定めると共に、前記第1の絶縁体層のコンデンサ形成部位以外の部分と前記第2のフィルドビアの頂部とを露出させる第6の過程と、
前記コンデンサ、第2のフィルドビア及び第1の絶縁体層の露出面を絶縁性樹脂からなる第2の絶縁体層で覆う第7の過程と、
前記第2の絶縁体層の前記コンデンサの上の部分及び前記第2のフィルドビアの上の部分にスルーホールを形成し、各々のスルーホール内にペースト状の導電性物質を充填して第3のフィルドビア及び第4のフィルドビアを形成する第8の過程と、
前記第2の絶縁体層の表面に、前記第3のフィルドビアの露出部と前記第4のフィルドビアの露出部とを接続する電気配線を形成する第9の過程とを含む多層配線板の製造方法。 - 請求項8に記載の多層配線板の製造方法において、
前記第2の過程では、前記第1の絶縁体層の絶縁性樹脂を不完全硬化させ、
前記第3の過程では、前記スルーホール内に充填したペースト状の導電性物質を不完全硬化させ、
前記第4の過程における基板と第2の基板との間の加熱、加圧により、前記第1の絶縁体層の絶縁性樹脂と前記ペースト状の導電性物質とを硬化させることを特徴とする多層配線板の製造方法。 - 請求項4に記載の多層配線板を製造する方法であって、
前記基板上に前記第1のフィルドビアと第2のフィルドビアとを有する第1の絶縁体層と、これに埋設されたコンデンサとを形成する過程と、
前記コンデンサ、前記第2のフィルドビア及び前記第1の絶縁体層の露出面を前記第2の絶縁体層で覆い、これに前記第3のフィルドビア及び第4のフィルドビアを形成する過程と、
前記第2の絶縁体層上に前記電気配線を形成する過程とを含む多層配線板の製造方法。 - 請求項4に記載の多層配線板を製造する方法であって、
前記配線基板とは異なる第2の基板に剥離層と、前記コンデンサの他方の電極となるべき第1の電極層と、誘電体層と、前記コンデンサの一方の電極となるべき第2の電極層とを順次積層する第1の過程と、
前記第2の電極層、誘電体層及び第1の電極層を、前記コンデンサとなるべき部分を残して選択的に除去して、コンデンサの外形を定めると共に、前記剥離層のコンデンサ形成部位以外の部分を露出させる第2の過程と、
前記剥離層及びコンデンサを絶縁性樹脂からなる第1の絶縁体層で覆った後、その第1の絶縁体層の、前記第1のフィルドビアを形成すべき部分を前記コンデンサの第2の電極層に達するまで及び、前記第2のフィルドビアを形成すべき部分を、前記剥離層に達するまで選択的に除去して、スルーホールを形成する第3の過程と、
各々の前記スルーホール内にペースト状の導電性物質を充填する第4の過程と、
前記配線基板と前記第2の基板とを、前記第1の絶縁体層が前記配線基板に向い合うようにして対面させ、両基板間を加熱、加圧して前記配線基板と前記第2の基板とを接着する第5の過程と、
前記剥離層のみを選択的に除去して前記第2の基板を分離する第6の過程と、前記コンデンサの第1の電極層の上及び第2のフィルドビアの上に、前記第3のフィルドビア及び第4のフィルドビアを構成する導電性物質を選択的に堆積させる第7の過程と、
前記第1の絶縁体層と、前記第3のフィルドビア及び第4のフィルドビアを構成する導電性物質とを、前記導電性物質の頂部が露出するようにして、絶縁性樹脂からなる第2の絶縁体層で覆って、第3のフィルドビアと第4のフィルドビアとを形成する第8の過程と、
前記第2の絶縁体層の表面に、前記第3のフィルドビアの露出部と前記第4のフィルドビアの露出部とを接続する電気配線を形成する第9の過程とを含む多層配線板の製造方法。 - 請求項11に記載の多層配線板の製造方法において、
前記第3の過程では、前記第2のフィルドビアを形成すべき部分の第1の絶縁体層を、前記剥離層に達するまで除去するのに変えて、前記第2の電極層に達するまで除去し、第2のフィルドビアの底部に前記第2の電極層を残すことを特徴とする多層配線板の製造方法。 - 請求項11又は請求項12に記載の多層配線板の製造方法において、
前記第3の過程では、前記第1の絶縁体層の絶縁性樹脂を不完全硬化させ、
前記第4の過程では、前記スルーホール内に充填したペースト状の導電性物質を不完全硬化させ、
前記第5の過程における基板と第2の基板との間の加熱、加圧により、前記第1の絶縁体層と前記ペースト状の導電性物質とを硬化させることを特徴とする多層配線板の製造方法。 - 請求項8、請求項9、請求項11、請求項12又は請求項13の何れか1項に記載の多層配線板の製造方法において、
前記誘電体層にペロブスカイト結晶構造の金属酸化物を用い、前記第1の過程に、前記誘電体層を形成した後に又は形成しつつ、前記第2の基板を過熱して、前記誘電体層を結晶化させる過程を設けたことを特徴とする多層配線板の製造方法。
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