JP4097393B2 - 気化式燃焼装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、温風暖房装置等に備えられる気化式燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
灯油等の液体燃料を気化して燃焼させる気化式燃焼装置は、液体燃料をヒータ(電熱ヒータ)により加熱された気化器に供給して気化した後、その気化ガスを空気と混合してバーナに供給し、該バーナにて燃焼させる。
【0003】
この種の燃焼装置は、通常、燃焼面積の比較的大きなバーナを一つもしくは複数備えている。そして、燃焼運転の開始時には、気化器をヒータにより予熱した後、該気化器に液体燃料を供給して気化ガスを生成し、さらにその気化ガスと空気とを混合した後、該混合気を前記バーナのうちの少なくとも一つに供給する。さらに、該バーナの炎口から噴出する混合気に点火電極の火花放電等により着火し、該バーナの燃焼運転を開始する。尚、バーナを複数備えたものでは、通常、一つのバーナの燃焼運転の開始後、必要に応じて、他のバーナに上記混合気を供給しつつ、燃焼中のバーナから火移りさせて、当該他のバーナの燃焼運転を行う。
【0004】
一方、気化式燃焼装置では、バーナの所望の燃焼量を確保する上で、気化器に供給される液体燃料を該気化器で気化してなる気化ガスの全てが、気体状態のままでバーナの炎口に供給されることが望まれる。
【0005】
しかし、従来の気化式燃焼装置では、燃焼運転を開始するバーナの燃焼面積が比較的大きいことから、該バーナの燃焼運転を開始する際に該バーナに供給すべき気化ガスの量も比較的多いものとなる。このため、特にバーナの温度が低い状態で、該バーナの燃焼運転を開始する際や、該燃焼運転の初期段階では、該バーナに供給される気化ガスの一部が結露しやすく、その結露した気化ガスはバーナの炎口に供給されずに該バーナの燃焼に寄与しないという不都合を生じるものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、燃焼運転時の気化ガスの結露を極力防止することができる気化式燃焼装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の気化式燃焼装置は、かかる目的を達成するために、種火バーナと、該種火バーナの着火後に該種火バーナから火移りされて燃焼するメインバーナと、液体燃料を加熱・気化して該液体燃料の気化ガスを生成する気化器と、該気化器により生成された前記気化ガスと空気との混合気が該気化器側から供給され、その供給された混合気を前記種火バーナの炎口に導く種火側混合気通路と、前記混合気が前記気化器側から供給され、その供給された混合気を前記メインバーナの炎口に導くメイン側混合気通路と、前記メインバーナの非燃焼状態で前記メイン側混合気通路への前記混合気の進入を遮断する弁装置とを備える。
そして、上方に開口したケース状のメインバーナヘッドと、該メインバーナヘッドの内面との間に空間を存して該メインバーナヘッドに収容され、上方に開口したケース状の種火バーナヘッドと、該種火バーナヘッドの上端開口を閉蓋するようにして該種火バーナヘッド上に設けられた種火バーナトップと、該種火バーナヘッドの上方を除く前記メインバーナヘッドの上端開口を閉蓋するようにして該メインバーナヘッド上に設けられたメインバーナトップと、前記種火バーナの炎口として、前記種火バーナヘッドの内部の空間に連通して前記種火バーナトップに穿設された種火炎口と、前記メインバーナの炎口として、前記メインバーナヘッドの内部の前記種火バーナヘッドの外側の空間に連通して前記メインバーナトップに穿設されたメイン炎口とを備えると共に、前記種火側混合気通路は、前記種火バーナヘッドの内部の空間により形成され、前記メイン側混合気通路は、前記メインバーナヘッドの内部の前記種火バーナヘッドの外側の空間により形成される。
さらに、前記種火バーナヘッド内には、その内部を、前記種火炎口に連通して前記種火側混合気通路となる空間と、前記気化器側から前記混合気が前記種火バーナトップに穿設された混合気導入穴から導入され、その導入された混合気を前記種火側混合気通路及びメイン側混合気通路に分配する混合気分配部となる空間とに隔てる仕切り部材が設けられ、該仕切り部材には、前記混合気分配部に前記種火側混合気通路を連通させる種火側貫通穴が穿設され、前記混合気分配部に臨む前記種火バーナヘッドの壁部には、該混合気分配部に前記メイン側混合気通路を連通させるメイン側貫通穴が穿設され、前記弁装置は、前記メインバーナの非燃焼状態で前記メイン側貫通穴を閉弁する弁装置である。
【0008】
かかる本発明の気化式燃焼装置では、燃焼運転を行う際には、まず、前記弁装置により前記メイン側混合気通路を遮断した状態で、前記混合気が気化器側から前記種火側混合気通路に供給され、さらに該種火側混合気通路を通って前記種火バーナの炎口に導かれて着火される。この場合、種火バーナの燃焼量は比較的小さくてよいので、種火バーナに供給する液体燃料の気化ガスも少なくて済み、該気化ガスには、気化器で十分な量の熱を与えることができる。このため、該気化ガスが種火側混合気通路を介して種火バーナの炎口に流通する過程である程度の熱を放出しても、該気化ガスは結露し難い。従って、基本的には、該気化ガスは気化状態を維持したまま種火バーナの炎口に導かれて燃焼する。
【0009】
そして、本発明の気化式燃焼装置では、上記のように種火バーナの燃焼運転が開始した後に、前記弁装置により前記メイン側混合気通路を開いた状態で、前記メイン側混合気通路に前記混合気が気化器側から供給され、このメイン側混合気通路を通って混合気がメインバーナの炎口に導かれる。さらに、該メインバーナの炎口に導かれた混合気に、種火バーナの燃焼炎が火移りして、該メインバーナの燃焼運転が開始する。
【0010】
ここで、本発明では、ケース状の種火バーナヘッド及びメインバーナヘッドと、種火炎口を有する種火バーナトップ、及びメイン炎口を有するメインバーナトップとを備えることにより、メインバーナヘッドに収容した種火バーナヘッドの内部の空間により前記種火側混合気通路が形成されると共に、メインバーナヘッドの内部の種火バーナヘッドの外側の空間により前記メイン側混合気通路が形成されるので、種火側混合気通路がメイン側混合気通路に収容配置されている。このため、メインバーナの燃焼に先行する種火バーナの燃焼によって、前記種火側混合気通路が加熱されており、この種火側混合気通路を内部に有する前記メイン側混合気通路が該種火側混合気通路からの輻射熱によって暖められている。このため、前記混合気がメイン混合気通路を流れる過程で、該混合気中の気化ガスの放熱が少ないものとなる。この結果、メイン混合気通路に供給される混合気中の気化ガスは、結露することなく該メイン混合気通路中をメインバーナの炎口に向かって流れ、燃焼することとなる。この場合、気化器で生成する気化ガスの量は、基本的には、種火バーナのみの燃焼時よりも多くなって、該気化ガスの単位量当りに気化器で与えられる熱量は、種火バーナのみの燃焼時よりも少なくなるが、上記のようにメイン混合気通路を混合気が流れる過程での気化ガスの放熱が少なくなることから、該気化ガスは、十分に気化状態を維持することができる。
さらに、前記メインバーナヘッド内に収容されている種火バーナヘッド内に、前記仕切り部材を介して前記種火側混合気通路及び混合気分配部が形成されるため、該混合気分配部が、種火側混合気通路と共に、メイン側混合気通路内に収容配置されることとなる。このため、特に、種火バーナの燃焼開始後には、種火側混合気通路と共に混合気分配部も暖められて保温されることとなり、前記メインバーナの燃焼に際して、該混合気分配部を介してメイン側混合気通路に供給される混合気中の気化ガスの結露を防止することができる。尚、この場合、前記弁装置は、種火バーナの着火の際(メインバーナの非燃焼状態)には、前記メイン側貫通穴を閉弁し、メインバーナの着火の際には、前記種火側貫通穴及びメイン側貫通穴の両者を開弁することとなる。
【0011】
以上のようにして、本発明の気化式燃焼装置によれば、燃焼運転時の気化ガスの結露を極力防止することができる。また、種火側混合気通路をメイン側混合気通路に収容配置する構造を容易に実現できる。
【0012】
かかる本発明では、好ましくは、前記種火バーナの着火前に、加熱された前記気化器を介して前記種火側混合気通路に空気を供給する手段を備える。
【0013】
これによれば、気化器で暖められた空気が種火バーナの着火前に種火側混合気通路を流れ、該空気を介して種火側混合気通路が暖められることとなる。そして、このとき、該種火側混合気通路は、メイン側混合気通路内に配置されているため、保温性がよい。この結果、種火バーナの着火に際して、種火側混合気通路に前記混合気を供給したとき、該混合気中の前記気化ガスの放熱が少なくなって、該気化ガスの結露をさらに防止することができる。さらに、種火バーナヘッド内の種火側混合気通路と共に前記混合気分配部も、上記空気を介して暖められることとなるため、種火バーナの着火の際に該混合気分配部を介して種火側混合気通路に供給される混合気中の気化ガスの結露をより効果的に防止することができる。
【0016】
また、本発明では、前記種火バーナトップ及び前記メインバーナトップは、一体に形成されていることが好ましい。
【0017】
これによれば、種火バーナの燃焼が開始すると、種火バーナトップの種火炎口から立ち上がる燃焼炎の熱が、種火バーナトップ側からメインバーナトップ側に容易且つ迅速に伝熱する。このため、種火バーナの燃焼運転の開始後、メインバーナの燃焼運転を開始するまでにメインバーナトップを十分に加熱することができ、そのメインバーナトップの熱によって、メインバーナの燃焼の開始時にメイン側混合気通路をメイン炎口に向かって流れる混合気中の気化ガスの結露をより一層防止することができる。
【0022】
上述のように前記種火バーナヘッド内に種火側混合気通路と混合気分配部とを形成した本発明の気化式燃焼装置では、さらに好ましくは、前記気化器は、その内部に、前記液体燃料を気化してなる気化ガスと空気とを混合して前記混合気分配部に供給する混合気供給路を備えており、該気化器は、その混合気供給路を前記種火バーナトップの混合気導入穴に連通させて、前記種火バーナヘッドの上方で該バーナトップに装着される。
【0023】
これによれば、気化器内で生成された混合気は該気化器から前記混合気導入穴を介して直ちに、種火バーナヘッド内の混合気分配部に導入される。このため、種火バーナヘッド内の混合気分配部には、混合気中の気化ガスが十分に熱を持った状態で導入される。このため、該混合気中の気化ガスが混合気分配部から種火側混合気通路を介して種火炎口に流れる過程や、メイン側混合気通路を介してメイン炎口に流れる過程での該気化ガスの結露をより一層防止することができる。
【0024】
さらにこの場合、前記気化器は、前記種火炎口の上方に受熱フィンを具備していることが好ましい。
【0025】
これによれば、種火バーナの燃焼開始後は、種火バーナの燃焼炎によって前記受熱フィンを介して気化器が加熱される(熱がフィードバックされる)ため、該気化器で液体燃料を気化する際に、該液体燃料の気化ガスに十分な量の熱を与えることができる。このため、該気化ガスの結露をさらに防止すると共に、燃焼中に気化器のヒータ(電熱ヒータ)の通電を抑えて省電力を図ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の気化式燃焼装置の一実施形態を図1〜図3を参照して説明する。図1は本実施形態の気化式燃焼装置の機構的構成を示す断面図、図2は図1のII−II線断面図、図3は該気化式燃焼装置の電子機器の構成を示すブロック図である。
【0027】
図1を参照して、本実施形態の気化式燃焼装置は例えばFF式の温風暖房装置に備えられたものであり、方形箱状のバーナケース1と、液体燃料としての灯油を貯蔵している定油面器2とを備えている。これらのバーナケース1及び定油面器2は、温風暖房装置の図示しない外装ケース内に収容されている。この場合、前記定油面器2は、図示しない燃料タンクに配管で接続されており、該燃料タンクから灯油が供給されるようになっている。
【0028】
尚、以下の説明では、便宜上、図1の左右方向をバーナケース1の前後方向とし、バーナケース1の左側、右側をそれぞれバーナケース1の前側、後側とする。
【0029】
バーナケース1内には、メインバーナ3及び種火バーナ4を構成するバーナユニット5と、このバーナユニット5に装着された気化器6とが収容されている。
【0030】
バーナユニット5は、その主要部がメインバーナヘッド7と種火バーナヘッド8とバーナトップ9とから構成されたものである。
【0031】
メインバーナヘッド7は、詳細を後述するバーナトップ9と併せてメインバーナ3を構成するものであり、上方に開口して前後方向に延在する箱状のものである。また、種火バーナヘッド8は、バーナトップ9と併せて種火バーナ4を構成するものであり、メインバーナヘッド7と大略相似した形状で上方に開口する箱状のものである。
【0032】
この種火バーナヘッド8は、その前後方向の長さや深さがメインバーナヘッド7よりも小さいものとされている。そして、該種火バーナヘッド8は、その上端面がメインバーナヘッド7の上端面と面一になるようにしてメインバーナヘッド7内に収容されている。この場合、図2に示すように、種火バーナヘッド8は、その上端両側部に形成されたフランジ8aがメインバーナヘッド7の上端両側部に形成されたフランジ7aに支承されている。
【0033】
また、メインバーナへッド7の内部には、図1に示すように、これに収容した種火バーナヘッド8の前方及び後方の箇所、並びに下側の箇所に空間10が形成されている。この空間10は、メインバーナ3で燃焼させる混合気(灯油の気化ガスと空気との混合気)を該メインバーナ3の後述の炎口18に供給する通路となるものであり、本発明におけるメイン側混合気通路に相当するものである(以下、この空間10をメイン側混合気通路10という)。
【0034】
種火バーナヘッド8の内部には、この内部を前部側の空間11と後部側の空間12とに隔てる仕切り板(仕切り部材)13が設けられている。この仕切り板13には、空間12内に突出した凸部14を有する貫通穴(バーリング穴)15が穿設され、この貫通穴15を介して空間11,12が互いに連通されている。また、仕切り板13に対面する種火バーナヘッド8の後端(図1の種火バーナヘッド8の右端)の側壁には、空間12内に突出した凸部16を有する貫通穴(バーリング穴)17が仕切り板13の貫通穴15と同心に穿設され、この貫通穴17を介して空間12を前記メイン側混合気通路10に連通させている。
【0035】
ここで、種火バーナヘッド8内の前部側の空間11は、種火バーナ4で燃焼させる混合気を種火バーナ4の後述の炎口19に供給する通路となるものであり、本発明における種火側混合気通路に相当するものである(以下、この空間11を種火側混合気通路11という)。また、種火バーナヘッド8内の後部側の空間12は、詳細を後述する気化器6内で生成される混合気を前記メイン側混合気通路10及び種火側混合気通路11に分配供給する部分であり、本発明における混合気分配部に相当するものである(以下、空間12を混合気分配部12という)。
【0036】
前記バーナトップ9は板状のものであり、上述のような構成のメインバーナヘッド7及びこれに収容された種火バーナヘッド8の上端面にこれらのバーナヘッド7,8を閉蓋するようにして装着され、メインバーナヘッド7のフランジ7aに図示しないねじ等によりパッキングを挟んで固定されている。
【0037】
このバーナトップ9は、本発明における種火側バーナトップ及びメイン側バーナトップを一体に構成するものであり、該バーナトップ9の種火バーナヘッド8よりも前側の部分(この部分はメイン側バーナトップに相当する)に、メインバーナヘッド7内のメイン側混合気通路10に連通する複数の炎口18が穿設されている。また、バーナトップ9の、種火側混合気通路11の上方箇所の部分(この部分は種火側バーナトップに相当する)に、該種火側混合気通路11に連通する複数の炎口19が穿設されている。これらの炎口18,19は、それぞれメインバーナ3用のメイン炎口、種火バーナ4用の種火炎口であり、メイン炎口18の個数やその存在範囲は、種火炎口19の個数やその存在範囲よりも大きいものとされている。
【0038】
尚、バーナトップ9の左右の両側部は、図2に示すようにメインバーナヘッド7の両側に張り出しており、この部分には、前記炎口18,19から立ち上がる燃焼炎に二次空気を供給するための複数の二次空気導入孔20が穿設されている。
【0039】
上述のように構成されたバーナユニット5は、バーナケース1内に設置されたバーナ取付部材21に取付けられて、バーナケース1内に保持されている。
【0040】
さらに詳細にはバーナ取付部材21は、バーナケース1内に水平姿勢で配置される水平板22と、該水平板22の後端から垂直姿勢で起立された垂直板23とを一体に構成してなる縦断面L字形状の板材24を具備している。この板材24の左右方向(図1の紙面に垂直な方向)の幅は、バーナケース1の内部の左右方向の幅と同一とされており(図2参照)、その水平板22及び垂直板23とにより、バーナケース1の内部の前側の上部の空間25を囲むようにしてバーナケース1内に配置され、図示しないねじ等を介してバーナケース1の側壁や天板に固定されている。
【0041】
また、上記板材24の水平板22の下面部には、図2に示すように、横断面L字形状に屈曲形成されて前後方向(図2の紙面に垂直な方向)に延在する一対のガイド部材26,26が左右方向に一定の間隔を存して固設されており、これらのガイド部材26,26は、それぞれ水平板22との間に一定幅の隙間を存して前後方向に延在するバーナ支承部26aを形成している。
【0042】
そして、前記バーナユニット5は、そのバーナトップ9の左右の両側部が、ガイド部材26,26のバーナ支承部26a,26aと水平板22との間の隙間に挿入され、該バーナ支承部26a,26a上に支承されている。これにより、バーナユニット5は、水平板22の下側に吊り下げられるようにしてバーナ取付部材21に取付けられている。
【0043】
尚、図1を参照して、前記板材24の水平板22及び垂直板23により囲まれるバーナケース1内の空間25は、バーナユニット5の炎口18,19から立ち上がる燃焼炎F3,F4が形成されると共に燃焼排ガスが生成される燃焼室としての空間である(以下、この空間25を燃焼室25という)。また、板材24の水平板22の、前記バーナユニット5の炎口18,19並びに二次空気導入孔20に臨む領域には、垂直板23の下部にかけて開口穴24aが設けられており、この開口穴24aを介してバーナユニット5の炎口18,19並びに二次空気導入孔20が燃焼室25に向かって開口している。さらに、板材24の水平板2上には、二次空気導入孔20から燃焼室25に導入される二次空気を炎口18,19から立ち上がる燃焼炎F3,F4に向かって導く二次空気整流板27が固設されている。
【0044】
前記メインバーナヘッド7の後端の側壁の下端部には、灯油の気化ガスが結露したときにメインバーナヘッド7内に残留することとなる灯油を排出するためのドレン管28が挿着されている。このドレン管28は、メインバーナヘッド7の後端の側壁の下端部から、後方に向かって斜め下方に延在し、バーナケース1の後端の側壁に穿設された貫通穴29を介してバーナケース1の後方に突出されている。そして、このドレン管28の後端部は、ドレンパイプ30を介して前記定油面器2に連接されている。
【0045】
さらに、前記種火バーナヘッド8内の混合気分配部12には、これに導入される混合気の、メインバーナ3及び種火バーナ4への分配割合を調整するための弁装置31の弁体32が収容されている。
【0046】
この弁装置31は、円板状に形成された上記弁体32と、該弁体32に連結されたロッド33と、このロッド33を介して弁体32を移動させる電動モータ34(ステッピングモータ)とを備えるものである。
【0047】
さらに詳細には、弁装置31の弁体32は、混合気分配部12の前後の貫通穴15,17と同心に配置され、この弁体32の中心部から後方に向かって前記ロッド33が延設されている。該ロッド33は、種火バーナヘッド8の貫通穴17とメインバーナヘッド7の後端の側壁に穿設されたロッド挿通孔35と、バーナケース1の後端の側壁に穿設されたロッド貫通孔36とを貫通してバーナケース1の後方に突出され、メインバーナヘッド7のロッド挿通孔35にて、前後方向に摺動可能に支承されている。
【0048】
また、弁装置31の電動モータ34は、バーナケース1の外側でバーナケース1の後端の側壁にモータ取付部材37を介して取付けられており、この電動モータ34の回転駆動軸34aに、ロッド33の後端部がピアノ線等のような弾性を有する連結部材38を介して連結されている。
【0049】
かかる弁装置31では、電動モータ34の回転駆動軸34aを回転させることにより、混合気分配部12内に配置された弁体31がロッド33と共に前後方向に移動する。これにより、前記貫通穴15(以下、種火側貫通穴15という)の凸部14と弁体32との間隔、並びに前記貫通穴17(以下、メイン側貫通穴17という)の凸部16と弁体32との間隔が調整される。換言すれば、混合気分配部12に対する種火側貫通穴15及びメイン側貫通穴17の開度が調整されることとなる。この場合、弁体32を前進させたとき、種火側貫通穴15の開度が小さくなると同時にメイン側貫通穴17の開度が大きくなり、逆に、弁体32を後退させたとき、種火側貫通穴15の開度が大きくなると同時にメイン側貫通穴17の開度が小さくなる。
【0050】
尚、本実施形態における弁装置31では、電動モータ34の回転駆動軸34aを回転させたとき、ロッド33が前後方向に移動すると同時に前記ロッド挿通孔35を支点として上下方向に若干揺動する。このため、バーナケース1の後端の側壁のロッド貫通孔36は、ロッド33の外径よりも大きな口径に形成されている。そして、このロッド貫通孔36におけるバーナケース1内の気密性を確保するために、ロッド33の外周部にロッド貫通孔36を塞ぐシール部材39がロッド33にその軸方向に摺動自在に装着されていると共に、このシール部材39を上下動可能に案内するガイド部材40がバーナケース1の後端の側壁に固設されている。
【0051】
前記気化器6は、種火バーナヘッド8内の混合気分配部12の上方箇所でバーナトップ9上に装着されて該バーナトップ9に図示しないねじ等により固定されている。
【0052】
この気化器6は、その前部側の部分を主に構成する本体部41と、この本体部41の後面部に装着された外装カバー部材42とから構成され、これらの本体部41と外装カバー部材42とにより、気化器6の内部に、下方に向かって開口した空間43を形成している。この空間43は、灯油の気化ガスと空気との混合気を生成すると共にその混合気を種火バーナヘッド8内の混合気分配部12に導く流通路となるものであり、本発明における混合気供給路に相当するものである(以下、空間43をメイン混合気通路43という)。そして、該メイン混合気通路43は、混合気分配部12の上方で前記バーナトップ9に穿設された貫通穴(混合気導入穴)44を介して混合気分配部12に連通されている。
【0053】
気化器6の本体部41は、電熱ヒータ45を内蔵しており、この電熱ヒータ45に通電することで加熱されるようになっている。そして、この本体部41の上部の後端部には、該本体部41の温度を検出する温度センサ46が取着されている。さらに、本体部41の前面部から受熱フィン47が突設され、この受熱フィン47は、前記種火炎口19の直上箇所に位置している。
【0054】
また、気化器6の後端部を形成する外装カバー部材42の上部には、メイン混合気通路43に向かって開口する空気導入口48が形成され、この空気導入口48に燃料噴射ノズル49が挿入されている。
【0055】
上記燃焼噴射ノズル49は、その基部50がバーナケース1の後端の側壁に取付けられており、その基部50から空気導入口48内を通って、メイン混合気通路43まで延在している。そして、該燃料噴射ノズル49は、定油面器2に装着された電磁ポンプ51から導出された給油管52に基部51を介して接続されており、電磁ポンプ51を作動させることで定油面器2から供給される灯油をメイン混合気通路43内において、気化器6の本体部41の内壁に向かって噴出するようにしている。
【0056】
また、バーナケース1の前端の側壁の下部には、該バーナケース1の外側で燃焼ファン53が装着されている。この燃焼ファン53は、これに備えたファンモータ53aを作動させることでメインバーナ3及び種火バーナ4の燃焼用の空気を送風するもので、バーナケース1の前端の側壁の下部に形成された空気導入穴54を介してバーナケース1内に燃焼用空気を供給する。
【0057】
この場合、バーナケース1内において、前記メインバーナヘッド7の周囲の空間55(メインバーナヘッド7の下方及び後方の空間を含む)は、前記気化器6の空気導入口48に灯油の気化ガスと混合する燃焼用空気(一次空気)を供給する空気通路となっており、燃焼ファン53からバーナケース1内に供給される燃焼用空気は、該空気通路55を通って気化器6の空気導入口48に導かれ、さらに、該空気導入口48から気化器6内部のメイン混合気通路43に導かれる。
【0058】
尚、バーナケース1内に燃焼ファン53から供給される空気の一部は、前記バーナトップ9の二次空気導入孔20を介して燃焼室25に二次空気として供給される。
【0059】
また、バーナケース1の上端の天板には、バーナトップ9の炎口18,19で混合気が燃焼することにより生成される排ガスを、前記燃焼室25から導出する排ガス導出口56が形成されている。この排ガス導出口56には、本実施形態における温風暖房装置の図示しない放熱器(熱交換器)が装着されるようになっている。
【0060】
尚、上述した構成の本実施形態の気化式燃焼装置を具備する温風暖房装置は、FF式のものであり、上記放熱器には、燃焼排ガスを屋外に導出する図示しない排気管が接続され、また、前記燃焼ファン46には、燃焼用空気を屋外から導く図示しない給気管が接続される。また、図1では図示を省略するが、バーナケース1内には、種火バーナ4の点火を行うための火花放電を発する点火電極や、種火バーナ4及びメインバーナ3の燃焼炎F4,F3を検知するフレームロッド等の炎検知器が配設され、さらに、温風暖房装置の外装ケース内には、室内空気を上記放熱器を介して対流させながら温風を室内に送風する対流ファンが備えられている(これらの点火電極、炎検知器、対流ファン等は、本明細書では、図3のブロック図で概念的に図示する)。
【0061】
図3を参照して、本実施形態における温風暖房装置は、上述した構成の気化式燃焼装置の他、前記弁装置31の電動モータ34や電磁ポンプ51、燃焼ファン53のファンモータ53a、気化器6の電熱ヒータ45等の作動制御を行う制御装置57を備えている。
【0062】
この制御装置57は、マイクロコンピュータ等を含む電子回路により構成されたものであり、前記気化器6の温度センサ46(以下、気化器温度センサ46という)や炎検知器58、温風暖房装置が設置される部屋の室温を検出する室温センサ59等のセンサが接続されると共に、前記弁装置31の電動モータ34や電磁ポンプ51、燃焼ファン53のファンモータ53a、気化器6の電熱ヒータ45、点火電極60に火花放電を発生させるイグナイタ61、対流ファン62のファンモータ62a等のアクチュエータが接続されている。
【0063】
そして、該制御装置57は、気化器温度センサ46等のセンサの検出信号や、あらかじめ定められたプログラム等に基づいて上記の各アクチュエータの作動制御を行う。
【0064】
次に本実施形態の気化式燃焼装置を備えた温風暖房装置の作動を説明する。
【0065】
本実施形態における温風暖房装置では、図示しない運転スイッチがON操作されると、制御装置57は、まず、弁装置31の電動モータ34を制御して、前記混合気分配部12内の弁体32をメイン側貫通穴17に向かって移動させ、該メイン側貫通穴17の凸部16に着座させる。これにより、メイン側混合気通路10を混合気分配部12から遮断すると共に、該混合気分配部12を種火側貫通穴15を介して種火側混合気通路11のみに開放する。
【0066】
さらに、制御装置57は、前記電熱ヒータ38に通電し、気化器6の本体部41の加熱を開始する。そして、前記気化器温度センサ46による気化器6の本体部41の検出温度があらかじめ定められた第1所定温度T1(例えば130℃)まで上昇すると、制御装置57は、燃焼ファン53のファンモータ53aを制御して、該燃焼ファン53を所定回転数で回転させる。このとき、該燃焼ファン53から送風される空気は、バーナケース1内の前記空気通路55、メイン混合気通路43、混合気分配部12、種火側混合気通路11、種火炎口19を介して燃焼室25に流れ、これにより該燃焼室25等の掃気が行われる。
【0067】
また、このとき、気化器6内のメイン混合気通路43を流れる空気が、電熱ヒータ38により加熱されている気化器6の本体部41の熱を受けることで暖められる。そして、その暖められた空気が混合気分配部12及び種火側混合気通路11を流れることで、これらの混合気分配部12及び種火側混合気通路11を内部に有する種火バーナヘッド8も暖められる。この場合、気化器6の内部のメイン混合気通路43で暖められた空気は直ちに種火バーナヘッド9内の混合気分配部12及び種火側混合気通路11内に流入し、また、気化器6の本体部41の熱がバーナトップ9を介して種火バーナヘッド8に容易に伝達される。さらに、種火バーナヘッド8は、その周囲がメインバーナヘッド7により囲まれているため、種火バーナヘッド8に与えられた熱が外部に逃げ難く、保温性の高いものとなっている。このため、種火バーナヘッド8は、その内部の混合気分配部12及び種火側混合気通路11を併せて、スムーズに暖められて保温される。
【0068】
次に、気化器温度センサ46による気化器6の本体部41の検出温度が前記メイン混合気通路43で灯油を気化し得る第2所定温度T2(>T1。例えば160℃)まで上昇すると、制御装置57は、種火バーナ4の点火処理を実行する。
【0069】
この種火バーナ4の点火処理では、制御装置57は、燃焼ファン53の作動を継続したまま、イグナイタ61を作動させて点火電極60に火花放電を発生させる。さらに、制御装置57は、電磁ポンプ51を制御して、該電磁ポンプ51による定油面器2の灯油の吐出量(=燃料噴射ノズル49への灯油の供給量)を所定量に制御し、その所定の吐出量の灯油を燃料噴射ノズル49に供給せしめる。尚、気化器6の加熱の開始初期において、気化器6の本体部41の、気化器温度センサ46が取付けられた部分の温度は、一般に本体部41の伝熱の遅れによって、燃料噴射ノズル49から灯油が噴射される部分(以下、ここでは灯油噴射部分という)の温度よりも低い。このため、気化器温度センサ46による検出温度が上記第2所定温度T2(160℃)に達した時における気化器6の本体部41の灯油噴射部分の温度は、該第2所定温度T2よりも高い(例えば200℃)。
【0070】
このとき、燃料噴射ノズル49に供給される灯油は、気化器6内のメイン混合気通路43内で気化器6の本体部41に向かって燃料噴射ノズル49から噴射され、該本体部41の熱により気化される。さらにこのとき、その気化した気化ガスは、気化器6の空気導入口48からメイン混合気通路43内に導入される空気(一次空気)と混合して混合気となり、その混合気がメイン混合気通路43から、種火バーナヘッド8内の混合気分配部12、貫通穴15、種火側混合気通路11、及び種火炎口19を介して燃焼室25内に噴出する。そして、その噴出した混合気が点火電極60の火花放電により点火され、種火バーナ4の燃焼が開始する。
【0071】
この場合、種火バーナヘッド9や、その内部の混合気分配部12及び種火側混合気通路11は、前述のように暖められて保温されている。また、気化器6に供給して気化させる灯油は、種火バーナ4のみの燃焼に必要な量でよいため、比較的少量なもので済む。このため、気化器6のメイン混合気通路43で生成される灯油の気化ガスは、気化器6の本体部41から十分な量の熱を吸収できると共に、気化器6から種火炎口19に流れる過程で失う熱量も少なくて済む。従って、気化器6で生成された気化ガスは、基本的には、気化器6から種火炎口19に流れる過程で結露することなく、種火炎口19に供給されて燃焼する。また、種火バーナ4の燃焼開始後には、その燃焼熱によって種火バーナヘッド8が加熱されて保温されるため、より確実に種火バーナヘッド8内での気化ガスの結露を防止することができる。さらに、種火バーナ4の燃焼開始後には、種火炎口19から立ち上がる燃焼炎F4によって、気化器6の本体部41が受熱フィン47を介して加熱されるため、該本体部41の温度も高まり、これにより燃料噴射ノズル49から噴射される灯油に十分な気化熱を与えて該灯油を気化することができる。
【0072】
このようにして種火バーナ4の燃焼が開始し、該種火バーナ4の燃焼炎F4が炎検知器58により検知された後、気化器温度センサ46による気化器6の本体部41の検出温度が前記第2所定温度T2よりも高い第3所定温度T3(例えば220℃)まで上昇すると、制御装置57は、種火バーナ4の燃焼と合わせてメインバーナ3の燃焼を開始するためにあらかじめ定めた所定量の灯油を燃料噴射ノズル49に供給するように電磁ポンプ51の吐出量を制御すると共に、この灯油の供給量に合わせた量の空気をメインバーナ3及び種火バーナ4に供給するように燃焼ファン53の回転数をあらかじめ定めた所定回転数に制御する。同時に、制御装置57は、弁装置31の電動モータ34を制御して、弁体32を、前記種火側貫通穴15とメイン側貫通穴17との間の所定位置に移動させ、混合気分配部12をメイン側混合気通路10と種火側混合気通路11との両者に開放する。
【0073】
尚、このときの弁体32の移動位置(上記所定位置)は、種火側貫通穴15寄りの位置である。
【0074】
これにより、気化器6内のメイン混合気通路43で、灯油の気化ガスと空気(一次空気)との混合気が生成されつつ、その混合気の一部が混合気分配部12から種火側混合気通路11を介して種火炎口19に供給されて種火バーナ4の燃焼が継続すると共に、気化器6で生成された混合気の残部が混合気分配部12からメイン側混合気通路10を介してメイン炎口18に供給され、該炎口18から噴出する。そして、このメイン炎口18から噴出する混合気に種火バーナ4の燃焼炎F4が火移りして、メインバーナ3が着火し、該メインバーナ3及び種火バーナ4を合わせたバーナユニット5の全体の燃焼運転が開始する。
【0075】
この場合、メインバーナヘッド7内の種火バーナヘッド8は前述のように加熱・保温されている。このため、混合気分配部12から種火バーナヘッド8に接触するメイン側混合気通路10を通ってメイン炎口18に流れる混合気中の気化ガスは、さほど放熱を伴うことなく、メイン炎口18に到達する。また、メイン炎口18を有するバーナトップ9は、種火炎口19を一体的に備えるものであるため、種火バーナ4の燃焼熱によって、該バーナトップ9の各部(メイン炎口18の周辺部分を含む)が円滑に加熱されている。この結果、メインバーナ3のメイン炎口18に供給される気化ガスは、該メイン炎口18に至る過程で結露するようなことはほとんどなく、気化状態を維持したままメイン炎口18に到達して燃焼する。
【0076】
尚、気化器温度センサ46による気化器6の本体部41の検出温度が前記第3所定温度T3(220℃)以上に上昇した後には、制御装置57は、気化器6の本体部41の温度がほぼ一定の温度(例えば220〜240℃の範囲の温度)に保たれるように気化器温度センサ46の検出温度に応じて電熱ヒータ45の通電をON/OFFする。
【0077】
上述のようにして、メインバーナ3の燃焼を開始した後には、制御装置57は、対流ファン62を作動させて温風の送風及び室内空気の対流を行いながら、室温センサ59により検出される室温とあらかじめ使用者により設定される目標室温とに応じて燃焼ファン53の回転数、電磁ポンプ51の灯油の吐出量、対流ファン62の回転数を制御し、室温を目標室温に大略維持するように温風暖房装置の温調運転を行う。この場合、基本的には、室温センサ59による検出室温が目標室温よりも低い程、燃焼ファン53の回転数、電磁ポンプ51の灯油の吐出量を大きくして、バーナユニット5の燃焼量を増加させると共に、対流ファン62の回転数を大きくして、温風の送風量を多くする。また、室温センサ59による検出室温が目標室温に近づくと、燃焼ファン53の回転数、電磁ポンプ51の吐出量を小さくして、バーナユニット5の燃焼量を減少させると共に、対流ファン62の回転数を小さくして、温風の送風量を少なくする。
【0078】
尚、このような温調運転において、種火バーナヘッド8やメインバーナヘッド7内での気化ガスの結露が防止されることは、前述の場合と同様である。
【0079】
以上のように、本実施形態の装置によれば、気化ガスがメイン炎口18や種火炎口19に達する前に結露するような事態を効果的に防止することができる。そして、この結果、メインバーナ3や種火バーナ4の燃焼量を所望の燃焼量に確実に確保することができると共に、それらのバーナ3,4の良好な燃焼状態を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気化式燃焼装置の一実施形態の機構的構成を示す断面図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】図1の気化式燃焼装置の電子機器の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
3…メインバーナ、4…種火バーナ、6…気化器、7…メインバーナヘッド、8…種火バーナヘッド、9…バーナトップ、10…メイン側混合気通路、11…種火側混合気通路、12…混合気分配部、13…仕切り板(仕切り部材)、15…種火側貫通穴、17…メイン側貫通穴、18…メイン炎口、19…種火炎口、31…弁装置、44…混合気導入穴。
Claims (5)
- 種火バーナと、該種火バーナの着火後に該種火バーナから火移りされて燃焼するメインバーナと、液体燃料を加熱・気化して該液体燃料の気化ガスを生成する気化器と、該気化器により生成された前記気化ガスと空気との混合気が該気化器側から供給され、その供給された混合気を前記種火バーナの炎口に導く種火側混合気通路と、前記混合気が前記気化器側から供給され、その供給された混合気を前記メインバーナの炎口に導くメイン側混合気通路と、前記メインバーナの非燃焼状態で前記メイン側混合気通路への前記混合気の進入を遮断する弁装置とを備えた気化式燃焼装置であって、
上方に開口したケース状のメインバーナヘッドと、該メインバーナヘッドの内面との間に空間を存して該メインバーナヘッドに収容され、上方に開口したケース状の種火バーナヘッドと、該種火バーナヘッドの上端開口を閉蓋するようにして該種火バーナヘッド上に設けられた種火バーナトップと、該種火バーナヘッドの上方を除く前記メインバーナヘッドの上端開口を閉蓋するようにして該メインバーナヘッド上に設けられたメインバーナトップと、前記種火バーナの炎口として、前記種火バーナヘッドの内部の空間に連通して前記種火バーナトップに穿設された種火炎口と、前記メインバーナの炎口として、前記メインバーナヘッドの内部の前記種火バーナヘッドの外側の空間に連通して前記メインバーナトップに穿設されたメイン炎口とを備えると共に、
前記種火側混合気通路は、前記種火バーナヘッドの内部の空間により形成され、前記メイン側混合気通路は、前記メインバーナヘッドの内部の前記種火バーナヘッドの外側の空間により形成され、
前記種火バーナヘッド内には、その内部を、前記種火炎口に連通して前記種火側混合気通路となる空間と、前記気化器側から前記混合気が前記種火バーナトップに穿設された混合気導入穴から導入され、その導入された混合気を前記種火側混合気通路及びメイン側混合気通路に分配する混合気分配部となる空間とに隔てる仕切り部材が設けられ、
該仕切り部材には、前記混合気分配部に前記種火側混合気通路を連通させる種火側貫通穴が穿設され、
前記混合気分配部に臨む前記種火バーナヘッドの壁部には、該混合気分配部に前記メイン側混合気通路を連通させるメイン側貫通穴が穿設され、
前記弁装置は、前記メインバーナの非燃焼状態で前記メイン側貫通穴を閉弁する弁装置であることを特徴とする気化式燃焼装置。 - 前記種火バーナの着火前に、加熱された前記気化器を介して前記種火側混合気通路に空気を供給する手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の気化式燃焼装置。
- 前記種火バーナトップ及び前記メインバーナトップは、一体に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の気化式燃焼装置。
- 前記気化器は、その内部に、前記液体燃料を気化してなる気化ガスと空気とを混合して前記混合気分配部に供給する混合気供給路を備えており、
該気化器は、その混合気供給路を前記種火バーナトップの混合気導入穴に連通させて、前記種火バーナヘッドの上方で該バーナトップに装着されていることを特徴する請求項1〜3のいずれか1項に記載の気化式燃焼装置。 - 前記気化器は、前記種火炎口の上方に受熱フィンを具備していることを特徴とする請求項4記載の気化式燃焼装置。
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