JP4096666B2 - 内燃機関の可変バルブタイミング機構の制御装置 - Google Patents

内燃機関の可変バルブタイミング機構の制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の可変バルブタイミング機構(VVT:Variable Valve Timing)の制御装置に関し、特に、VVTの動弁機構に供給される作動油の状態に応じてVVTの実際の変位を目標変位に応答性よく収束させるよう制御する内燃機関の可変バルブタイミング機構の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関(以下、エンジンと記す)の可変バルブタイミング機構(VVT)は、吸気弁と排気弁の一方または両方のバルブタイミング(開閉弁時期)、開弁期間、バルブリフト量のうち少なくとも1つを含むバルブ作動特性を変化させる機構である。VVTは油圧アクチュエータ(動弁機構)を備えている。このアクチュエータにはエンジンのシリンダブロックの下部に備えられたオイルパン内に貯留されている潤滑油が作動油として供給される。この潤滑油は、エンジンの回転により駆動されるオイルポンプにより汲み出され、VVTの他、エンジンの各部位、オイルコントロールバルブ(OCV:Oil Control Valve:油圧制御弁)等に供給される。VVTの油圧アクチュエータはオイルポンプにより発生する潤滑油(以下、作動油と記す)の油圧によって駆動される。以下、バルブ作動特性の内バルブタイミングを変化させるVVTについて説明する。
【0003】
VVT制御装置は、一般に、実バルブタイミングがエンジンの運転状態に応じて設定された目標バルブタイミングに収束するように作動油の油圧を制御するOCVに対する制御信号をフィードバック制御するものである。このVVT制御装置は、作動油が劣化すると、油の粘度が高くなり、VVT応答速度が遅くなる。このため、VVTの実変位が目標変位に収束不足となり、バルブオーバーラップ量が不足となりエンジン出力トルクの低下、ドライバビリティおよび排気エミッションの悪化を招くという問題が発生する。また、VVT応答速度の遅れにより、VVT遅角時期が遅れ、バルブオーバーラップ量が過多となり、アイドリング時に燃焼悪化を起こしドライバビリティおよび排気エミッションの悪化を招くという問題が発生する。
【0004】
特開平10−274065号公報に記載された内燃機関のバルブ特性制御装置は、作動油の異常を検出するセンサを設けずに、作動油の粘度の劣化等の異常を検出する装置の提供を目的とし、その構成はバルブの実際の開閉特性の推移に基づき作動油の異常を検出するオイル異常検出手段を備える(明細書、段落番号[0010]および[0011]参照)。また、この公報には、VVTの駆動(応答)速度と作動油の温度との関係に基づき作動油の異常を検出する技術、より詳しくは、油温(80°C〜100°C)ではVVT応答速度が新品の油より粘度低下した油の方が低下すること、が開示されている(明細書、段落番号[0064]および図8参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−274065号公報(明細書、段落番号[0010]および[0011]、[0064]および図8参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開平10−274065号公報に開示の装置は、バルブの実際の開閉特性の推移として、バルブの開閉特性目標値の積算値と実際の開閉特性値の積算値、バルブの実際の開閉特性の速度変化、またはバルブの開閉特性目標値に達するまでの時間、の推移を測定して作動油の異常を検出している。しかしながら、作動油の温度とは無関係に測定を行なっているので、測定精度が十分でなく作動油の異常検出の信頼性が不十分であるという問題がある。また、作動油の温度に関しては、作動油の特定の温度領域(80°C〜100°C)での油粘度の低下とVVT応答速度の低下を検出し、作動油の異常を検出しているだけなので、機関冷間時には、その異常を知ることができないという問題がある。
【0007】
それゆえ、本発明は、上記問題を解決し、すなわち作動油の異常検出の信頼性を向上し、かつ機関冷間時でも作動油の異常を検出でき、しかも作動油の状態に応じてVVTの実際の変位を目標変位に応答性よく収束させるよう制御し、ひいては内燃機関の出力トルクの高効率化、ドライバビリティおよび排気エミッションの向上を実現する内燃機関の可変バルブタイミング機構の制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する内燃機関の可変バルブタイミング機構の制御装置は、内燃機関の吸気弁と排気弁の一方または両方のバルブタイミング、バルブリフト量、開弁期間のうち少なくとも1つを含むバルブ作動特性を変化させる可変バルブタイミング機構の制御装置において、前記可変バルブタイミング機構の作動を制御する油圧制御弁を作動する作動油の温度を検出する温度検出手段と、前記可変バルブタイミング機構の応答速度を検出する応答速度検出手段と、前記応答速度検出手段により検出された応答速度に基づき、前記温度検出手段により検出された温度の温度領域毎に対応する作動油の粘度を検出する粘度検出手段と、前記粘度検出手段により検出された作動油の粘度を学習する学習手段と、を備え、前記学習手段が、学習した作動油の粘度に基づき、前記バルブ作動特性の目標値を補正する目標値補正手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
上記可変バルブタイミング機構の制御装置において、前記学習手段が学習した作動油の粘度に基づき、前記作動油が劣化したか否かを判定する劣化判定手段、を備える。
【0011】
上記可変バルブタイミング機構の制御装置において、前記学習手段が学習した作動油の粘度に基づき、前記バルブ作動特性の目標値のガード値を補正するガード値補正手段、を備える。
【0012】
上記可変バルブタイミング機構の制御装置において、前記可変バルブタイミング機構の作動を制御する油圧制御弁に設けられ、前記バルブ作動特性を変更するアクチュエータ手段と、前記アクチュエータ手段に所定のデューティ比の駆動信号を送り、前記バルブ作動特性が目標値になるように制御する制御手段と、前記学習手段が学習した作動油の粘度に基づき、前記駆動信号の出力時間および休止時間の少なくとも一方を補正してデューティ比を変更する駆動信号補正手段と、を備える。
【0013】
上記可変バルブタイミング機構の制御装置において、前記可変バルブタイミング機構の作動を制御する油圧制御弁に設けられ、前記バルブ作動特性を変更するアクチュエータ手段と、前記アクチュエータ手段に所定のデューティ比の駆動信号を送り、前記バルブ作動特性が目標値になるように制御する制御手段と、前記学習手段が学習した作動油の粘度に基づき、前記駆動信号のデューティ比を決定するゲインを補正してデューティ比を変更するゲイン補正手段と、を備える。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の詳細を説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施形態に係る内燃機関の可変バルブタイミング機構の制御装置の概略構成図である。図1に示すエンジン(機関)11は、DOHC(ダブルオーバヘッドカムシャフト)型4気筒エンジンであり、クランク軸12の回転動力をタイミングチェーン(図示せず)を介して互いに独立した吸気カム軸13と排気カム軸14に伝達し、吸気カム軸13によって吸気弁15を排気カム軸14によって排気弁16をそれぞれ開閉駆動する構造になっている。吸気カム軸13にはクランク軸12に対する吸気カム軸13の進角量を調整する油圧駆動式の可変バルブタイミング機構(VVT)17が設けられている。本実施形態では吸気カム軸13にVVT17を設ける例を示したが、これに代えてあるいは加えて排気カム軸14に同様なVVTを設けたけ形態でも本発明は適用できる。
【0016】
このVVT17は、作動油としてエンジン11の潤滑油を利用している。エンジン11に連動してオイルポンプ18が駆動され、エンジン11のシリンダブロック11a下部に接続され潤滑油を貯留するオイルパン19から潤滑油がオイルポンプ18で汲み上げられ、作動油として油路20を介してVVT17に供給され、油路20の途中に設けられたオイルコントロールバルブ(OCV:油圧制御弁)21によって油圧をデューティ制御することでその油圧に応じて吸気カム軸13の進角量が制御される。オイルパン19には潤滑油(以下、作動油と記す)の温度を検出する油温センサ22が配設されている。なお、油温センサ22は、油路20やVVT17内に配設してもよい。また、オイルパン19は外気に熱を放散して潤滑油を冷却する役目も果たしている。
【0017】
また、吸気カム軸13の近傍にはカム軸センサ23が設置され、クランク軸12の近傍にはクランク軸センサ24が設置されている。クランク軸センサ24は、クランク軸12の1回転当たりN個のクランク軸位相検出パルス信号を発生するのに対し、カム軸センサ23は、吸気カム軸13の1回転当たり2N個のカム軸位相検出パルス信号を発生する。また、吸気カム軸13の最大進角量をθmax°CAとした場合、N<360/θmaxとなるようにクランク軸位相検出パルス信号数Nが設定されている。これにより、クランク軸センサ24からのクランク軸位相検出パルス信号と、これに続いて発生する吸気カム軸13のカム軸センサ23からのカム軸位相検出パルス信号との間の相対回転角により吸気弁15の実バルブタイミング(吸気カム軸13の実進角量)が算出される。
【0018】
エンジン11のシリンダブロック11aには、ウォータジャケット11b内を流れる冷却水の温度(以下、水温と記す)を検出する水温センサ25が取付けられ、シリンダヘッド11cには、点火プラグ26が気筒毎に取付けられている。
【0019】
一方、吸気管27の最上流部には、エアークリーナ28が設けられ、その下流には、吸気温を検出する吸気温センサ29が設けられている。吸気温センサ29の下流には、スロットルバルブ30が設けられ、スロットルバルブ30の開度がスロットルセンサ31によって検出される。スロットルバルブ30の下流には、吸気管内の圧力を検出する吸気圧センサ32が設けられている。また、各気筒の吸気ポート33の近傍には、燃料噴射弁34が取付けられている。また、エンジン11を搭載した車両には車速センサ35が配設されている。また、油路20のVVT17近傍には、VVT17へ流入する作動油の油圧を検出する油圧センサ36が配設されている。上述した各種センサおよび後述する位置センサ(図2の206)等は、エンジン制御ユニット(ECU)40の入力ポートに接続されており、一方、OCV21、点火プラグ26、燃料噴射弁34等は、ECU40の出力ポートに接続されている。
【0020】
次に、図1に示す実施形態に係る内燃機関の可変バルブタイミング機構の制御装置に装備されたエンジン制御ユニット(ECU)40について説明する。ECU40は、一般的なディジタルコンピュータからなり、図示しない双方向性バスを介して相互に接続されたCPU、RAM、ROM、入力ポートおよび出力ポート、ならびに入力ポートに接続されたAD変換器および出力ポートに接続された駆動回路を具備する。入力ポートには、ECU40を搭載する車両の各部に設置された上述した各種センサ等からのアナログ電圧出力がAD変換器を介して入力されるか、あるいは各種センサ等からのディジタル信号が直接入力される。出力ポートからは駆動回路へECU40による制御信号が送られ、図示しないバッテリまたはオルタネータからOCV21、点火プラグ26、燃料噴射弁34、等の電気的負荷に電力が供給される。
【0021】
図2は図1に示す可変バルブタイミング機構の動弁機構の動作説明図である。図2の上部に示す動弁機構200は、下部に示すオイルコントロールバルブ(OCV)21により、VVT17の吸気弁15のバルブタイミングを変化させるためのVVT17の機構であり、次のように動作する。
【0022】
動弁機構200は一つの気筒用に設けられた吸気弁15を開閉弁するためのカム201を有する。カム201の外形は、カム201の回転軸線方向における吸気弁15に対するカム201の相対位置(以下、カム201の相対位置と称す)が変わると吸気弁15の作動特性、すなわち開閉弁特性(例えば、開弁時期、開弁期間、リフト量等)が変更されるような形状となっている。カム201はカム201の回転軸線がカムシャフト202の回転軸線と同軸になるように一つのカムシャフト202に固定される。
【0023】
このようにカム201はカムシャフト202に固定さているため、カムシャフト202がその軸線方向に移動するとカム201もその回転軸線方向に移動し、これによりカム201の相対位置が変わり、吸気弁15の開閉弁特性が変更される。したがって、カムシャフト201をその軸線方向に移動させることによって吸気弁15の開閉弁特性を変更することができる。カム201の相対位置が目標相対位置となるようにカムシャフト202をその軸線方向に移動させることによって吸気弁15の開閉弁特性をその目標開閉弁特性に制御できる。
【0024】
また、カムシャフト202の一方の端部にはカムシャフト202をその軸線方向に移動させるための油圧式カムシャフト駆動装置203が設けられ、この油圧式カムシャフト駆動装置203は吸気弁15の開閉弁特性を変更するための変更手段として機能する。油圧式カムシャフト駆動装置203は油圧シリンダ204とOCV21とを具備する。油圧シリンダ204は図2に示すように、カムシャフト202の一方の端部に取付けられたピストン205を収容し、このピストン205を油圧シリンダ204内で摺動させることによってカムシャフト202をその軸線方向に移動させる。
【0025】
この油圧シリンダ204内でのピストン205の位置は位置センサ206によって検出され、この位置センサ206の出力はECU40内の対応するA/D変換器を介して入力ポートに入力される。この位置センサ206の出力に基づいてカムシャフト202の位置、すなわちカム201相対位置が検出される。一方、油圧シリンダ204内でのピストン205の作動、すなわちカムシャフト202の軸線方向の移動は、OCV21のアクチュエータ207に送信する制御パルス信号のオン/オフデューティ比(信号がオンになっている時間とオフになっている時間との合計に占める信号オン時間の割合)を変化させることにより制御される。
【0026】
すなわち、OCV21のアクチュエータ207に送信する制御パルス信号のデューティ比を基準デューティ比よりも大きくすると、カムシャフト202がその軸線方向において一方の方向に移動してカム201の相対位置が一方の方向に移動する。これにより吸気弁15の開閉弁特性が或る方向に変化する。なお、吸気弁15の開閉弁特性が或る方向に変化するとは、例えば開弁時期が早くなったり、開弁期間が長くなったり、リフト量が大きくなったりすることを意味する。
【0027】
逆に、OCV21のアクチュエータ207に送信する制御パルス信号のデューティ比を基準デューティ比よりも小さくすると、カムシャフト202がその軸線方向おいて上記一方の方向とは反対方向に移動してカム201の相対位置が上記一方の方向とは反対方向に移動する。これにより吸気弁15の開閉弁特性が上記或る方向とは反対方向に変化する。なお、吸気弁15の開閉弁特性が上記或る方向とは反対方向に変化するとは、例えば開弁時期が遅くなったり、開弁期間が短くなったり、リフト量が小さくなったりすることを意味する。
【0028】
また、デューティ比を基準デューティ比との偏差が大きくなるようにすればするほど、単位時間当たりにカム201の相対位置が移動する距離が大きくなり、よって単位時間当たりに吸気弁15の開閉弁特性が変化する程度も大きくなる。ここで、基準デューティ比とは、油圧シリンダ204のピストン205を作動させることのないデューティ比であり、すなわちカム201の相対位置が変化せずに吸気弁15の開閉弁特性が変化しないデューティ比である。この基準デューティ比は作動油の油圧や油温に応じて油圧式カムシャフト駆動装置203毎に定まるデューティ比である。
【0029】
次に、オイルパン19からOCV21を介してVVT17の動弁機構200へ供給されOCV21を介してオイルパン19に戻る作動油の流れについて以下に説明する。吸気弁15の開閉弁特性を或る方向に変化させたいとき、例えばバルブタイミングを早くしたいときは、OCV21により動弁機構200のピストン205を第1方向211に動作させ、油路20から圧送された作動油をOCV21および油路212を経由して動弁機構200に設けられた油圧シリンダ204の2つの油圧室の内の第1油圧室(押出戻油圧室)213に送り、油圧シリンダ204の第2油圧室(押出油圧室)214の作動油を油路215、OCV21および油路216を経由してオイルパン19に戻す。
【0030】
一方、吸気弁15の開閉弁特性を或る方向に変化させたいとき、例えばバルブタイミングを遅くしたいときは、OCV21により動弁機構200のピストン205を第1方向211とは逆の第2方向217に動作させ、油路20から圧送される作動油をOCV21および油路215を経由してVVT17の油圧シリンダ204の第2油圧室214に送り、油圧シリンダ204の第1油圧室213の作動油を油路212、OCV21および油路218を経由してオイルパン19に戻す。吸気弁15のバルブタイミングを現在の位置に固定したいときは、OCV21により動弁機構200を作動してOCV21のシリンダ220内のスプール221a、221b、221cがシリンダ220内を中立の位置になるように移動し、OCV21と動弁機構200との間の油路215、212のシリンダ220のポート222a、222bをスプール221a、221bで閉じる。なお、排気カム軸14に同様なVVTが設けられた他の実施形態の場合も同様な動弁機構が設けられる。
【0031】
本発明によるVVTの制御装置は、エンジン制御ユニットECU40とVVT17のバルブ作動特性を変更する油圧アクチュエータ、すなわち図2に示す動弁機構200と、ECU40により油圧をデューティ制御することでその油圧に応じて動弁機構200を作動しバルブ作動特性を調節するOCV21とを備える。本実施形態では、バルブ作動特性の内、バルブタイミングを変更する例を示すが、本発明はこれに限定されるものでなく、バルブ開弁期間またはバルブリフト量を変更するVVTにも適用できる。これより、本発明によるECU40のVVT制御について詳細に説明する。
【0032】
本実施形態のECU40は、機関運転条件に最適な吸気弁のバルブタイミングを設定するため、機関運転条件に応じてOCV21のアクチュエータ(リニアソレノイド)207への制御パルス信号のデューティ比DRを変えるフィードバック制御を用いて、あるいはデューティ比DRを固定して制御パルス信号(OCV21のアクチュエータ207の駆動信号)のオン(保持)時間を可変するインチング制御を用いて、VVT制御、すなわち吸気弁15のバルブタイミングの調節を行なう。インチング制御については、後で概略説明するが、詳しくは本願と同一出願人、同一発明者により平成14年2月27日に出願された「内燃機関のバルブ制御装置」と題する特許出願番号2002−051439の明細書および図面に記載されている。
【0033】
まず、フィードバック制御について説明する。フィードバック制御ではECU40は一定時間毎に機関の運転状態で定まる目標バルブタイミングと実際の実バルブタイミングとの偏差DVTを算出するとともに、下式(1)を用いてOCV21のアクチュエータ207に供給する駆動信号(制御パルス信号)のデューティ比DRを算出する。
【0034】
DR=SDR+α×DVT+β×(DVT−DVTi-1)+γ×ΣDVT…(1)
ここで、上式(1)において、SDRは基準デューティ比で油圧シリンダ204のピストン205を作動させることのないデューティ比であり、すなわちカム201の相対位置が変化せずに吸気弁15のバルブタイミングが変化しないデューティ比である。また、この基準デューティ比は作動油の油圧や油温に応じて油圧式カムシャフト駆動装置203毎に定まるデューティ比である。DVTは今回算出した目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの偏差、DVTi-1は前回のDR算出時における偏差である。また、ΣDVTは偏差DVTの積算値である。上式(1)において、α×DVTはPID制御におけるP(比例)項、γ×ΣDVTはI(積分)項、β×(DVT−DVTi-1)はD(微分)項に相当し、α、γ、βはそれぞれP、I、D項のゲインに相当する係数である。
【0035】
上記のように、目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの偏差に基づくフィードバック制御を行う場合には、ゲイン係数を適宜に選定することにより応答性を犠牲にすることなく安定したバルブタイミング制御を行うことが可能となる。
【0036】
次に、インチング制御について説明する。フィードバック制御では、機関低温始動時などで作動油の油温が低く粘度が高くなっている状態や作動油が劣化している状態では、制御に不安定を生じたり応答性が大幅に低下したりする問題がある。これは、デューティ比DRに対する応答性に差が生じること、すなわちOCV21のアクチュエータ207に供給する駆動信号のデューティ比DRの値が同一であっても作動油の粘度に応じてバルブ作動特性変化の応答速度が異なってくることに起因している。
【0037】
インチング制御では、上記問題を解決するため、以下に説明するように、偏差に応じてデューティ比DRの大きさを変化させるのではなく、デューティ比DRの値は比較的大きな値(必ずバルブ作動特性が変化する充分に大きな値、例えば0パーセントまたは100パーセント)に固定し、この大きさの信号の持続時間を制御している。
【0038】
図3はバルブ作動特性のインチング制御の基本原理を説明する図であり、図3(A)は目標バルブタイミングVVT0がステップ状に変化(進角)したときの実バルブタイミングVVTの変化を、図3(B)はその場合のOCV21の駆動デューティ比DRの変化を、それぞれ示す図である。
【0039】
インチング制御では、バルブ作動特性の目標値と実際値との差が予め定めた判定値より大きい場合には、偏差の大きさにかかわりなく駆動信号のデューティ比DRを図3(B)に示すように強制駆動用信号値DRCに所定の保持時間tcの間だけ保持する操作を所定の休止時間trの間隔で繰返す強制駆動操作を行う。
【0040】
ここで、DRC(強制駆動用信号値)の大きさは、図3(B)の例では一定値とされているが、DRCの大きさは必ずしも一定値である必要はなく、作動油粘度が最も高い場合(最も温度が低い場合)でも必ずバルブ作動特性が変化する値であればよい。保持時間tcおよび休止時間trも一定値に設定されるが、作動油の粘度が高い場合、後述するように変更してもよい。
【0041】
このように、デューティ比DRCで比較的短い一定時間tcずつ繰返しアクチュエータを駆動することにより、1回の保持時間tc中のバルブ作動特性の変化量は同一になる。すなわち、デューティ比DRCで一回につき保持時間tcだけアクチュエータを駆動することにより、毎回同じ量だけバルブ作動特性を変化させることができる。このように、この保持時間tcの駆動操作(以下「インチング」と呼ぶ)を繰返すことにより一定幅の作動特性変化量が得られるため、インチングの繰返し回数でバルブ作動特性の合計の変化幅が決定されるようになる。このため、インチング制御では、図3(A)に示すように、オーバーシュートやアンダーシュートを生じることなく作動油粘度にかかわらず正確に実際のバルブ作動特性を目標値に収束させることが可能となる。
【0042】
また、1回のインチングによるバルブ作動特性の変化量は保持時間tcにより定まる。従って、制御開始時の偏差の大きさに応じて保持時間tcを調節すれば目標作動特性に到達するまでのインチングの回数を制御することができるため、例えば偏差が大きい場合には一回の保持時間tcを長く設定することにより短時間で実際の作動特性を目標作動特性に到達させることができる。すなわち、保持時間tcを調節することにより制御応答性を調整することができる。
【0043】
なお、インチングの間の休止時間tr内は作動特性が変化しないことが好ましい。したがって、毎回のインチング実行後の休止時間tr中、デューティ比DRは、基準デューティ比(SDR)に設定することが好ましい。なお、インチング実行後の休止時間開始時に駆動信号のデューティ比が例えば基準デューティ比にセットされると、OCV21のスプール221a〜221cは中立位置に向けて移動を開始し、ある程度の時間経過後に中立位置に到達する。従って、休止時間trをある程度短く設定するとスプール221a〜221cが中立位置に戻る前に次のインチングが開始されるようになる。従って、休止時間trを制御することにより、各回のインチング開始時のスプール位置をも制御することができ、制御の自由度が増大する。
【0044】
以上説明したように、インチング制御では基本的にインチング操作を繰返すことによりバルブ作動特性を目標値に収束させる。すなわち、フィードバック制御では駆動信号のデューティ比DRの大きさを変えることにより作動特性変化の応答性を制御していたのに対して、インチング制御ではデューティ比DRの値はDRCに設定してその大きさを偏差に応じて制御することはせず、その代りに保持時間tcと休止時間trとにより作動特性の変化応答性を制御する点がフィードバック制御と大きく相違している。
【0045】
図4は本発明の一実施形態による基本バルブタイミング制御ルーチンのフローチャートである。本ルーチンはECU40により一定時間毎に実行される。
【0046】
まずステップ401では、本ルーチンの実行を禁止するか否かを示すVVT制御禁止フラグFPVVTの値が0にリセットされているか否かを判定し、FPVVT=0であればステップ402に進み、FPVVT=1であればステップ428に進み、ステップ428で、デューティ比DRを基準デューティ比(SDR)に設定する。この禁止フラグは、機関冷間時のように作動油の粘度が高いときで可変バルブタイミング機構の応答が速くなる作動油の温度領域においてVVT制御を実行すると実バルブタイミングが目標バルブタイミングに対しオーバーシュートする恐れがあるのでこれを防止するために設定したフラグである。
【0047】
ステップ402は、以下に説明するインチングによる制御を実行すべき条件が成立しているか否かを判定し、条件が成立していない場合にはステップ427に進み、通常の制御(例えば目標値と実際値との偏差に基づくPIDフィードバック制御)を実行する。すなわち、ステップ402で所定の条件が成立しない場合(すなわち、逆の言い方をすれば所定の禁止条件が成立した場合)には、ステップ403以下のインチングによる可変バルブタイミング制御は実行しない。ここで、ステップ402で判定される実行条件について説明する。
【0048】
インチング制御の実行条件として判定すべきものの例としては、例えば、
(a)目標値と実際値とのバルブタイミング偏差DVTの大きさ
(b)油温
(c)保持デューティ比(休止値)の学習終了の有無
等がある。
【0049】
上記条件(a)で偏差DVTの大きさを判定するのは、インチングはバルブタイミングが確実に変化するように比較大きなデューティ比DRでの駆動を行うものであるため、偏差DVTがあまり小さい状態でインチングを行うと、逆にオーバーシュートが生じる可能性があるためである。そこで、偏差DVTの大きさがある程度小さくなったら、許容偏差DVT0以下になっていなくてもインチングを禁止し、通常のフィードバック制御を行うようにしてもよい。
【0050】
また上記条件(b)は、油温が高く作動油粘度が充分に低い場合には通常のフィードバック制御を実行しても何ら問題は生じないため設けた条件である。インチングではOCV21は短い間隔で全開状態(DRが0または100パーセント)と全閉状態(DRが50パーセント)との間で切換えられる。このため、長時間インチングを行うとOCV21の部材の摩耗などが増大する可能性がある。そこで、油温(または機関冷却水温度でもよい)が所定値以上になった場合にはインチングを禁止してOCV21の信頼性が低下することを防止するようにしてもよい。
【0051】
更に、上記条件(c)は誤制御を防止するために設けた条件である。インチングでは、デューティ比DRを強制駆動用信号値に保持した後、所定の休止時間trの間DRを休止値に保持することが必要となる。一方、OCV21の特性は長期間の使用により徐々に変化する場合がある。通常、ECU40は運転中にデューティ比DRが変化してもバルブタイミングが変化しない不感帯域を検出し、不感帯域の変化に応じて中立位置の補正を行う保持デューティ値の学習を行っている。しかし、バッテリの交換などによりこの保持デューティ値の学習結果が失われた状態でインチングを行うと、休止時間tr中にもバルブタイミングが変化することとなり、インチングを行ったために逆にオーバーシュートが生じる可能性がある。そこで、例えばステップ402で現在までに少なくとも休止値の学習が1度は行われているか否かを判断し、学習が1度も行われていない場合には、インチングによるバルブタイミング制御を禁止するようにしてもよい。
【0052】
ステップ402では、上記(a)から(c)の条件の少なくとも1つを判断し、何れかに当てはまる場合にはインチング制御を禁止するようにしている。
【0053】
ステップ402で条件が成立した場合には、次にステップ403では現在の目標バルブタイミングと実際のバルブタイミングとの偏差DVT(DVT=目標バルブタイミング−実バルブタイミング)の絶対値が所定の許容値DVT0を越えているか否かが判定される。なお、目標バルブタイミングは別途ECU40により実行されるバルブタイミング設定操作により機関運転状態(例えば吸気管圧力PMと機関回転数NE)とに応じて設定され、偏差DVTは目標バルブタイミングと別途カム位相から算出される実バルブタイミングとの差として算出される。
また、本実施形態では、許容値DVT0は機関運転上許容できる目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの誤差の大きさに設定される。すなわち、ステップ403で実際の偏差DVTの絶対値が許容偏差DVT0より小さい場合には実際上バルブタイミングが目標バルブタイミングに収束していると考えられる。このため、ステップ403でDVT≦DVT0であった場合には、ステップ423に進み、OCV21の駆動信号のデューティ比DRを保持デューティ(休止値)DR3に設定する。保持デューティーDR3は、現在のバルブタイミングを保持するための中立状態デューティ比であり、本実施形態ではデューティ比50パーセントに設定されている。これにより、バルブタイミングが目標値に収束した場合には、バルブタイミングは目標値に保持されるようになる。
【0054】
ステップ403で偏差DVTの絶対値が許容偏差DVT0より大きかった場合には、次にステップ405でインチング操作実行フラグFINCの値が1(実行)にセットされているか否かを判定する。フラグFINCは現在インチングを実行中であるか否かを示すフラグである。現在インチング実行中でない場合(FINC≠1)、すなわち今まで一度もインチング操作が実行されていないか、或は現在前回のインチングサイクルが終了した直後である場合には、次にステップ407に進み、インチング時間カウンタCTの値を0にリセットするとともに、現在の偏差DVTの絶対値の大きさに応じて保持時間tcと休止時間trを設定する。本実施形態では、予め実際の機関を用いて油温、機関回転数などを変えて実験を行い各条件下で最適な応答を得ることのできる偏差DVTとtc、trの関係を求めてあり、ECU40のROMに格納してある。
【0055】
ステップ407では偏差DVTに基づいてこのデータから保持時間tcと休止時間trとを決定する。保持時間tcと休止時間trとを決定後、ステップ409でインチング操作実行フラグFINCの値を1(実行)にセットした後今回の操作は終了する。
【0056】
本操作が次に実行されると、FINCの値は1にセットされているためステップ405の次にステップ411が実行され、カウンタCTの値が本操作の実行間隔に等しい値ΔTだけ増大される。これにより、CTの値はステップ405でFINC=1になってからの時間、すなわちインチングが開始されてからの経過時間を表すようになる。
【0057】
次いで、ステップ413では、インチングを開始してからの経過時間CTがステップ407で設定した保持時間tcに到達したか否かを判定し、保持時間tcに到達していない場合には、偏差DVTの正負に応じて(ステップ415)デューティ比DRを予め定めた強制駆動用信号値DR1またはDR2にセットする。強制駆動用信号値DR1、DR2は、それぞれバルブタイミングがプラス方向に必ず変化する値(DR1)と、マイナス方向に必ず変化する値(DR2)である。DR1とDR2とは、できるだけ100パーセントと0パーセントに近い値とされ、例えば本実施形態ではDR1=100パーセント、DR2=0パーセントに設定されている。
【0058】
すなわち、ステップ413から417の操作により、インチング開始時から保持時間tcが経過するまで駆動信号のデューティ比DRは強制駆動用信号値(DR1またはDR2)に保持される。
【0059】
一方、ステップ413でインチング開始後保持時間tcが経過した場合には、次にステップ421に進み、保持時間tcが経過した後さらに休止時間trが経過しているか否かが判断される。ステップ421で保持時間tc経過後、まだ休止時間trが経過していない場合にはステップ423に進み、デューティ比DRは保持デューティ比(休止値)DR3(本実施形態では50パーセント)にセットされる。これにより、インチング操作ではまずデューティ比DRはまず保持時間tcの間強制駆動用信号値(DR1またはDR2)に保持され、その後保持時間tc経過後は休止時間trの間保持デューティ比(休止値)DR3に保持されるようになる。
【0060】
また、ステップ421で、休止時間trが経過するとステップ425でフラグFINCの値は0にセットされる。これにより、次回本操作が実行されるとステップ405の次にステップ407、408が実行され、ステップ403でバルブタイミングが目標値に収束するまでインチング操作が繰返されるようになる。
【0061】
ステップ429ではステップ417、419、423または427で算出されたデューティ比DRをOCV21のアクチュエータ207に送信する。
【0062】
上述のように、本実施形態ではインチング操作を繰返すことにより、油温が低く油粘度が高い場合にもバルブタイミング制御の安定性を損うことなく制御の応答性を良好に維持することが可能となる。
【0063】
ここで、作動油の温度と粘度の関係および作動油の温度とVVT応答速度の関係について以下に説明する。以下、作動油をオイルと記す。
【0064】
図5はオイルの温度と粘度との関係を示すマップである。図5に示すマップは油温と油粘度の関係を与えるWalther-ASTMの下式(2)を用いて作成したものである。
【0065】
loglog(ν+a)=A−BlogT…(2)
ここで、νはCGS単位系のcSt(センチストークス)で表した動粘度、a、Aおよびは油の種類によって定まる定数(kはボルツマス定数)、Tは絶対温度である。上式(2)からも判るように温度が高くなると動粘度νは低くなる。図5に示されるように、オイルの温度と粘度との関係は、温度の増加につれて粘度が低下することが判る。また、新品のオイルと劣化後のオイルとでは、同一温度に対しオイル劣化後の粘度はオイル新品時の粘度より低下することが判る。このオイル新品時のマップはECU40のROMに格納される。
【0066】
図6はオイルの温度とVVT応答速度との関係を示すマップである。図6に示すマップは、実験結果から次のように作成する。すなわち、エンジン回転数NEを一定にした状態で、油温を一定に保ったオイルで動弁機構200を所定時間(例えば1秒間)駆動し、その間に変化したバルブタイミングの変化量(°CA)を測定し、所定時間当たりのバルブタイミングの変化量からVVT応答速度(°CA/秒)を算出し、これを油温を変えて(複数の油温で)行なった結果から、油温とVVT応答速度の関係を示すマップを作成する。図6に示されるように、オイルの温度とVVT応答速度との関係は、低温領域では温度の増加につれてVVT応答速度が速くなり、高温領域では温度の増加に関わらず略一定であることが判る。また、新品のオイルと劣化後のオイルとでは、全温度領域において同一温度に対しオイル劣化後のVVT応答速度はオイル新品時のVVT応答速度より低下することが判る。このオイル新品時のマップはECU40のROMに格納される。
【0067】
図7はVVT応答速度とオイルの粘度との関係を示すマップである。図7に示すマップは、図5のマップを参照して油温からオイルの粘度を算出し、図6のマップを参照して油温からVVT応答速度を算出し、VVT応答速度とオイルの粘度との関係を求めて作成する。なお、図7に示すマップは新品時のオイルを用いて作成されたものである。図7に示されるように、VVT応答速度とオイルの粘度との関係は、オイルの粘度が低下するにつれてVVT応答速度が速くなることが判る。このオイル新品時のマップはECU40のROMに格納される。
【0068】
図8は本発明の一実施形態によるオイルの劣化判定ルーチンのフローチャートである。本ルーチンはECU40により一定時間毎に実行される。本ルーチンはオイルに関する、粘度算出処理(ステップ801〜805)、粘度学習処理(ステップ811〜819)、第1劣化判定処理(ステップ821〜829)および第2劣化判定処理(ステップ831〜837)から構成される。
【0069】
まず、オイルの粘度算出処理を説明する。ステップ801では、油温センサ22により検出された油温OTを読取る。
【0070】
ステップ803では、現在のVVT応答速度を算出する。このVVT応答速度の算出は、別の比較的長い処理周期、例えば10秒のサブルーチンで次のように算出し記憶したデータを読取る処理である。すなわち、サブルーチンでは、目標バルブタイミングと実バルブタイミングが一致している時刻(ti)から目標バルブタイミングが変化した後、次に目標バルブタイミングと実バルブタイミングが一致する時刻(ti+1)までに変化した目標バルブタイミングの変化量、すなわち実バルブタイミングの変化量Δ(°CA)を測定し、Δ/(ti+1−ti)を計算してVVT応答速度(°CA/秒)を算出し、ECU40のRAMに記憶する。
【0071】
ステップ805では、ステップ803で算出した現在のVVT応答速度からROMに格納された図7に示すマップに基づき現在のオイル粘度を算出する。
【0072】
次に、オイルの粘度学習処理を説明する。オイルの温度と粘度との関係を温度領域毎に次のように学習する。
【0073】
まず、ステップ811では、ステップ801で読取った油温OTが何れの温度領域(OT0〜OTn)に属するかを判定する。
【0074】
ステップ813では、ステップ811で判定した油温OTの温度領域にすでに学習したオイル粘度の履歴データが存在するか否かを判定し、その判定結果がYESのときはステップ815に進み、その判定結果がNOのときはステップ817に進む。
【0075】
ステップ815では、ステップ811で判定した油温OTの温度領域に対する粘度データをECU40のRAMに記憶する。
【0076】
ステップ817では、ステップ811で判定した油温OTの温度領域に対する粘度データを初期粘度データとしてECU40のRAMに記憶する。
【0077】
ステップ819では、粘度の変化量を、現在粘度、すなわち今回ステップ815でRAMに記憶した粘度データまたは今回ステップ817でRAMに記憶した初期粘度データ、からステップ817でRAMに記憶した初期粘度データを減算して求める。
【0078】
次に、オイルの第1劣化判定処理を説明する。その前に図9に示すマップを説明する。
【0079】
図9はオイル劣化判定に用いる油温に対する粘度の適正範囲を定めたマップである。VVTを駆動するためのオイルの温度に対する粘度の適正範囲は、粘度大判定値と粘度小判定値との間であることは実験的にも判っているので、油温の温度領域に対する粘度大判定値および粘度小判定値のマップを予めECU40のROMに格納しておく。図9から初期粘度と現在粘度が油温の温度領域に対し粘度大判定値と粘度小判定値との間にあることが判る。
【0080】
ステップ821では、図9に示すマップからステップ801で読取った油温の温度領域に対する粘度大判定値および粘度小判定値を算出する。
【0081】
ステップ823では、上記現在粘度がステップ821で算出した粘度大判定値より大か否かを判定し、現在粘度>粘度大判定値のときはステップ825に進み、現在粘度≦粘度大判定値のときはステップ827に進む。
【0082】
ステップ825では、現在粘度は許容値より過大と判定し、ステップ837に進む。
【0083】
ステップ827では、上記現在粘度がステップ821で算出した粘度小判定値より小か否かを判定し、現在粘度<粘度小判定値のときはステップ829に進み、現在粘度≧粘度小判定値のときはステップ831に進む。
【0084】
ステップ829では、現在粘度は許容値より過小と判定し、ステップ837に進む。
【0085】
最後に、オイルの第2劣化判定処理を説明する。その前に図10に示すマップを説明する。
【0086】
図10は油温に対する粘度変化量のオイル劣化判定値を定めたマップである。図9に示すように、油温の温度領域に対するオイルの粘度は新品時より経年変化後の方が高くなっていることが判る。これは、オイルの劣化およびオイルへの燃料(ガソリン)の混入等に影響されるからと推定される。このように、オイルの新品時より経年変化後までの粘度の変化量は、図9に示す初期粘度から粘度大判定値までの粘度変化量が許容範囲であり劣化判定値である。図10はこの粘度変化量を油温の温度領域に対しプロットして作成したマップである。したがって、図10に示す油温の温度領域に対する劣化判定値より粘度変化量が大きくなったことは、オイルが劣化したことを意味する。
【0087】
ステップ831では、図10に示すマップからステップ801で読取った油温の温度領域に対するオイル劣化判定値を算出する。
【0088】
ステップ833では、粘度変化量(=今回粘度−初期粘度)がステップ831で算出したオイル劣化判定値より大か否かを判定し、粘度変化量>オイル劣化判定値のときはステップ835に進み、粘度変化量≦オイル劣化判定値のときはステップ850に進む。
【0089】
ステップ835では、粘度変化量はオイル劣化判定値より過大と判定し、ステップ837に進む。
【0090】
ステップ837では、車両に装着されている表示パネル上に設けられたオイル交換インジケータを点灯して運転者にオイル劣化を知らせオイルの交換を促す。
【0091】
ステップ850では後述するVVT制御の目標変位をオイル粘度で補正する。
【0092】
ステップ860では後述するVVT制御の制御信号をオイル粘度で補正する。
【0093】
図11はVVT制御の目標変位補正処理のフローチャートである。より詳しくは、図8に示すステップ850の詳細を示し、油温に対するオイル粘度の学習値からVVT目標変位上限値を補正するとともに、VVT目標変位をオイル粘度で補正する処理のフローチャートである。
【0094】
ステップ1101では、図8のステップ811〜819で説明した粘度学習処理で学習したオイルの温度に対する粘度からVVT作動限界粘度に対応するオイルの温度、すなわちVVT作動下限温度を、図12に示すマップから算出する。
【0095】
図12はVVT適合設定粘度から油温オフセットした現在粘度を算出するマップである。図12に示すVVT作動限界粘度はVVTの適合条件を満たす、すなわち予め定められた実質的にVVTを作動できる限界の粘度である。図12に示されるように、オイルの油温と粘度の関係を示す適合設定粘度ラインは、予め設定した新品時のオイルにおける温度と粘度の関係を示すラインであり、ECU40のROMに格納されている。ステップ1101で算出されるVVT作動下限温度は、VVT作動限界粘度と適合設定粘度ラインとの交点として求められる温度である。
【0096】
ステップ1103では、図8のステップ805で算出した現在のオイル粘度と図12に示すVVT作動限界粘度と比較し、現在オイル粘度>VVT作動限界粘度のときはステップ1105に進み、現在オイル粘度≦VVT作動限界粘度のときはステップ1107に進む。
【0097】
ステップ1105では、VVT作動下限温度=VVT作動下限温度+所定値を算出し、ステップ1103で現在オイル粘度≦VVT作動限界粘度となるまでこの演算を繰返す。この所定値は一定値に設定される。
【0098】
ステップ1107では、ステップ1105で修正されたVVT作動下限温度の修正値からVVT作動下限温度の初期値を減算してオフセット温度を算出する。
【0099】
ステップ1109では、図8のステップ801で読取った現在の油温からステップ1107で算出したオフセット温度を減算し、これをVVT制御範囲としてのVVT目標変位上限値を修正するための油温として算出する。この油温は新品時からのオイル粘度の劣化に基づき算出された油温であり、オフセット後油温と呼ぶ。
【0100】
ステップ1111では、ステップ1109で算出したオフセット後油温に対するVVT目標変位(例えば、目標バルブタイミング)を算出する。この算出は、オイルの劣化によりオイル粘度が同一温度に対してオイル新品時より高くなる方向にシフトした分だけVVTの応答速度が遅くなるので、この遅れを補正すべく機関の運転状態(エンジン回転数とエンジン負荷)で定まるVVT目標変位をオフセット温度相当分、すなわちオイル劣化相当分だけ小さく設定する計算を行なうことを意味する。
【0101】
ステップ1113では、ステップ1109で算出したオフセット後油温に対するVVT制御範囲を定めるVVT目標変位上限値(例えば、目標バルブタイミング上限値)を図13に示すマップから算出する。
【0102】
図13はVVTベース目標変位上限値から油温オフセットしたVVT目標変位上限値を算出するマップである。図13に示すVVTベース目標変位上限値のカーブは、VVTの適合条件を満たす、すなわち油温に対して予め定められた実質的に設定可能なVVT目標変位の上限値のカーブ、すなわち温度オフセット後のVVT目標変位の上限値のカーブである。このマップはECU40のROMに格納される。このオイル新品時のVVTベース目標変位上限値をオフセット温度だけ高温側にシフトしたカーブが現在(オイル劣化後)のVVT目標変位上限値のカーブである。したがって、温度オフセット後のVVT目標変位上限値のカーブからステップ1109で算出したオフセット後油温に対するVVT目標変位上限値、すなわちオイル劣化後のVVT目標変位上限値を算出することができる。
【0103】
ステップ1115では、ステップ1111で算出したVVT目標変位とステップ1113で算出したVVT目標変位上限値を比較し、VVT目標変位>VVT目標変位上限値のときはステップ1117に進み、VVT目標変位≦VVT目標変位上限値のときはステップ860に進む。
【0104】
ステップ1117では、VVT目標変位をVVT目標変位上限値に変更する。
【0105】
次に、VVT制御の制御信号をオイル粘度で補正する本発明によるインチング制御について図14〜16を用いて以下に説明する。
【0106】
図14はインチング制御によるVVT制御の補正処理のフローチャートである。より詳しくは、図8に示すステップ860の詳細を示し、インチング制御における駆動パルス信号のパルス出力時間およびパルス間隔時間をオイル粘度で補正する処理のフローチャートである。
【0107】
まずステップ1401では、本ルーチンの実行を禁止するか否かを示すVVT制御禁止フラグFPVVTの値が0にリセットされているか否かを判定し、FPVVT=0であればステップ1403に進み、FPVVT=1であればステップ1421に進み、ステップ1421で、デューティ比DRを基準デューティ比(SDR)に設定する。
【0108】
ステップ1403では、上述したインチングによる制御を実行すべき条件が成立しているか否かを判定し、条件が成立している場合にはステップ1405に進み、上述したインチングによる可変バルブタイミング制御を実行し、条件が成立していない場合にはステップ1407に進み、通常の制御(例えば目標値と実際値との偏差に基づくPIDフィードバック制御)を実行する。
【0109】
ステップ1411〜1419では、OCVを駆動するデューティ制御信号のデューティ比DRを定めるOCV21のアクチュエータ207への駆動パルス信号のパルス出力時間および/またはパルス間隔時間をステップ1411〜1417で補正した後、ステップ1419でDRを補正する。
【0110】
図15はオイル粘度からインチング制御におけるパルス出力時間とパルス間隔時間の補正量を算出するマップである。図15に示すように、オイル粘度が高くなるにつれてパルス出力時間は長くなり、パルス間隔時間は短くなるように、これらの補正量は設定される。これは粘度が高くなるにつれてVVT応答速度が遅くなるためである。
【0111】
ステップ1411では、目標バルブタイミングから実バルブタイミングを減算した偏差からパルス出力時間(tc)とパルス間隔時間(tr)を算出する。
【0112】
ステップ1413では、ステップ805で算出した現在のオイル粘度からパルス出力時間(tc)の補正量(Δtc、Δtc>0)を算出する。
【0113】
ステップ1415では、ステップ805で算出した現在のオイル粘度からパルス間隔時間(tr)の補正量(Δtr、Δtr<0)を算出する。
【0114】
ステップ1417では、ステップ1411で算出したパルス出力時間(tc)をステップ1413で算出したパルス出力時間(tc)の補正量(Δtc)で補正(tc+Δtc)し、ステップ1411で算出したパルス間隔時間(tr)をステップ1415で算出したパルス間隔時間(tr)の補正量(Δtr)で補正(tr+Δtr)する。
【0115】
図16はオイル粘度に基づき補正したインチング制御におけるデューティ比の変化を示す図である。図16はパルス出力時間を(tc)から(tc’)に補正し、パルス間隔時間(tr)のままにした例を示す。
【0116】
ステップ1419では、ステップ1417で算出した補正後のパルス出力時間(tc’)とパルス間隔時間(tr’)に基づき、補正後のデューティ比DRを算出する。補正後のデューティ比DRは下式で与えられる。
【0117】
DR=tc’/(tc’+tr’)…(3)
ステップ1431では、ステップ1419で算出したデューティ比DRをOCV21のアクチュエータ207に送信する。
【0118】
次に、VVT制御の制御信号をオイル粘度で補正する本発明によるフィードバック制御について図17〜19を用いて以下に説明する。
【0119】
図17はフィードバック制御によるVVT制御の補正処理のフローチャートである。より詳しくは、図8に示すステップ860の詳細を示し、フィードバック制御ゲインをオイル粘度で補正する処理のフローチャートである。
【0120】
まずステップ1701では、本ルーチンの実行を禁止するか否かを示すVVT制御禁止フラグFPVVTの値が0にリセットされているか否かを判定し、FPVVT=0であればステップ1703に進み、FPVVT=1であればステップ1721に進み、ステップ1721で、デューティ比DRを基準デューティ比(SDR)に設定する。
【0121】
ステップ1703では、上述したインチングによる制御を実行すべき条件が成立しているか否かを判定し、条件が成立している場合にはステップ1705に進み、上述したインチングによる可変バルブタイミング制御を実行し、条件が成立していない場合にはステップ1707に進み、通常の制御(例えば目標値と実際値との偏差に基づくPIDフィードバック制御)を実行する。
【0122】
ステップ1711〜1719では、OCVを駆動するデューティ制御信号のデューティ比DRを算出するためのフィードバックゲインをステップ1711〜1717で補正した後、ステップ1719でDRを補正する。
【0123】
図18はオイル粘度に対するフィードバックゲインの補正量を示す図である。図18に示すように、オイル劣化後にはVVTの応答速度を遅くするため、オイル粘度に応じて、VVTのフィードバック制御における(PID)ゲインの補正値(≧1.0)を設定する。この補正値は粘度に基づき、粘度が高くなる程ゲインが小さくなるように設定する。これにより、オイルの粘度の劣化に伴いゲインが上がり、VVTの応答速度が速くなる。
【0124】
ステップ1711では、目標バルブタイミングから実バルブタイミングを減算した偏差からPID量を算出する。
【0125】
ステップ1713では、図18に示すマップに基づき、ステップ805で算出した現在のオイル粘度からVVTフィードバック制御のP項補正量を算出する。
【0126】
ステップ1715では、図18に示すマップに基づき、ステップ805で算出した現在のオイル粘度からVVTフィードバック制御のI項補正量を算出する。
【0127】
ステップ1717では、図18に示すマップに基づき、ステップ805で算出した現在のオイル粘度からVVTフィードバック制御のD項補正量を算出する。
【0128】
ステップ1719では、ステップ1713〜1717で算出したP項、I項およびD項の各補正量で補正されたPID比例ゲインα、βおよびγを用いてデューティ比DRを下式で算出する。
【0129】
DR=SDR+α×DVT+β×(DVT−DVTi-1)+γ×ΣDVT…(1)
図19はオイル粘度に基づき補正したフィードバック制御ゲインの変化を示す図である。図19には、偏差に対するフィードバック(PID)ゲインの補正前(実線)と補正後(破線)との相違が示されている。OCVの駆動デューティ制御信号のデューティ比を算出するためのフィードバックゲインは粘度補正前後で図19に示すようになり、補正後のフィードバックゲインは補正前より増大している。
【0130】
ステップ1731では、ステップ1721で算出されたデューティ比DRをOCV21のアクチュエータ207に送信する。
【0131】
上述したように、本発明によれば、オイルの粘度を元にオイルの劣化を判定でき、かつVVT応答速度の遅れを補正できることが判る。
【0132】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、作動油の異常検出の信頼性を向上し、かつ機関冷間時でも作動油の異常を検出でき、しかも作動油の状態、特に作動油の粘度に応じてVVTの実際の変位を目標変位に応答性よく収束させるよう制御し、ひいては内燃機関の出力トルクの高効率化、ドライバビリティおよび排気エミッションの向上を実現する内燃機関の可変バルブタイミング機構の制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る内燃機関の可変バルブタイミング機構の制御装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す可変バルブタイミング機構の動弁機構の動作説明図である。
【図3】バルブ作動特性のインチング制御の基本原理を説明する図であり、(A)は目標バルブタイミングVVT0がステップ状に変化(進角)したときの実バルブタイミングVVTの変化を示す図であり、(B)はその場合のOCV21の駆動デューティ比DRの変化を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による基本バルブタイミング制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】オイルの温度と粘度との関係を示すマップである。
【図6】オイルの温度とVVT応答速度との関係を示すマップである。
【図7】VVT応答速度とオイルの粘度との関係を示すマップである。
【図8】本発明の一実施形態によるオイルの劣化判定ルーチンのフローチャートである。
【図9】オイル劣化判定に用いる油温に対する粘度の適正範囲を定めたマップである。
【図10】油温に対する粘度変化量のオイル劣化判定値を定めたマップである。
【図11】VVT制御の目標変位補正処理のフローチャートである。
【図12】VVT適合設定粘度から油温オフセットした現在粘度を算出するマップである。
【図13】VVTベース目標変位上限値から油温オフセットしたVVT目標変位上限値を算出するマップである。
【図14】インチング制御によるVVT制御の補正処理のフローチャートである。
【図15】オイル粘度からインチング制御におけるパルス出力時間とパルス間隔時間の補正量を算出するマップである。
【図16】オイル粘度に基づき補正したインチング制御におけるデューティ比の変化を示す図である。
【図17】フィードバック制御によるVVT制御の補正処理のフローチャートである。
【図18】オイル粘度に対するフィードバックゲインの補正量を示す図である。
【図19】オイル粘度に基づき補正したフィードバック制御ゲインの変化を示す図である。
【符号の説明】
11…エンジン
12…クランク軸
13…吸気カム軸
14…排気カム軸
15…吸気弁
16…排気弁
17…可変バルブタイミング機構(VVT)
18…オイルポンプ
19…オイルパン
21…オイルコントロールバルブ(OCV)
22…油温センサ
23…カム軸センサ
24…クランク軸センサ
25…水温センサ
29…吸気温センサ
32…吸気圧センサ
36…油圧センサ
40…エンジン制御ユニット(ECU)
207…アクチュエータ(リニアソレノイド)

Claims (5)

  1. 内燃機関の吸気弁と排気弁の一方または両方のバルブタイミング、バルブリフト量、開弁期間のうち少なくとも1つを含むバルブ作動特性を変化させる可変バルブタイミング機構の制御装置において、
    前記可変バルブタイミング機構の作動を制御する油圧制御弁を作動する作動油の温度を検出する温度検出手段と、
    前記可変バルブタイミング機構の応答速度を検出する応答速度検出手段と、
    前記応答速度検出手段により検出された応答速度に基づき、前記温度検出手段により検出された温度の温度領域毎に対応する作動油の粘度を検出する粘度検出手段と、
    前記粘度検出手段により検出された作動油の粘度を学習する学習手段と、を備え、
    前記学習手段が、学習した作動油の粘度に基づき、前記バルブ作動特性の目標値を補正する目標値補正手段
    を備えたことを特徴とする内燃機関の可変バルブタイミング機構の制御装置。
  2. 前記学習手段が学習した作動油の粘度に基づき、前記作動油が劣化したか否かを判定する劣化判定手段、
    を備えた請求項1に記載の内燃機関の可変バルブタイミング機構の制御装置。
  3. 前記学習手段が学習した作動油の粘度に基づき、前記バルブ作動特性の目標値のガード値を補正するガード値補正手段、
    を備えた請求項1乃至2に記載の内燃機関の可変バルブタイミング機構の制御装置。
  4. 前記可変バルブタイミング機構の作動を制御する油圧制御弁に設けられ、前記バルブ作動特性を変更するアクチュエータ手段と、
    前記アクチュエータ手段に所定のデューティ比の駆動信号を送り、前記バルブ作動特性が目標値になるように制御する制御手段と、
    前記学習手段が学習した作動油の粘度に基づき、前記駆動信号の出力時間および休止時間の少なくとも一方を補正してデューティ比を変更する駆動信号補正手段と、
    を備えた請求項1乃至3の何れか一つに記載の内燃機関の可変バルブタイミング機構の制御装置。
  5. 前記可変バルブタイミング機構の作動を制御する油圧制御弁に設けられ、前記バルブ作動特性を変更するアクチュエータ手段と、
    前記アクチュエータ手段に所定のデューティ比の駆動信号を送り、前記バルブ作動特性が目標値になるように制御する制御手段と、
    前記学習手段が学習した作動油の粘度に基づき、前記駆動信号のデューティ比を決定するゲインを補正してデューティ比を変更するゲイン補正手段と、
    を備えた請求項1乃至3の何れか一つに記載の内燃機関の可変バルブタイミング機構の制御装置。
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