JP4835672B2 - 内燃機関の可変バルブタイミング機構の異常検出装置 - Google Patents

内燃機関の可変バルブタイミング機構の異常検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関の可変バルブタイミング機構の異常検出装置に関し、特に、内燃機関の吸気弁と排気弁の一方または両方のバルブタイミング、バルブリフト量、開弁期間のうち少なくとも1つを含むバルブ作動特性を変化させる可変バルブタイミング機構(以下、適宜VVTと記す)の前記バルブ作動特性を変更するアクチュエータを駆動する作動油の油温が低く油圧が高くVVTのアクチュエータの応答が悪いときに、VVT異常の誤判定をなくす内燃機関の可変バルブタイミング機構の異常検出装置に関する。
内燃機関(以下、エンジンと記す)の可変バルブタイミング機構(VVT:Variable Valve Timing)は、吸気弁と排気弁の一方または両方のバルブタイミング(開閉弁時期)、バルブリフト量、開弁期間のうち少なくとも1つを含むバルブ作動特性を変化させる機構である。エンジンのシリンダブロックの下部に備えられたオイルパン内には潤滑油が貯留されている。この潤滑油は、エンジンの回転により駆動されるオイルポンプにより汲み出され、エンジンの各部位、オイルコントロールバルブ(OCV:Oil Control Valve)、VVT等に供給される。VVTのアクチュエータはオイルポンプにより発生する潤滑油(以下、適宜作動油と記す)の油圧によって駆動されるので、エンジン回転数の低いときには作動油の油圧が低くなり、VVTのアクチュエータの駆動力は低下し作動遅れ時間が増加する。
第1の従来技術による内燃機関の可変バルブタイミング機構の異常検出装置は、上記VVTの作動遅れ時間を検出し、検出された作動遅れ時間が基準値より大となったとき、VVT異常と判定した。しかしながら、第1の従来技術によれば、エンジン回転数は低いがVVTは正常である場合にVVTの異常判定を禁止しないとVVT異常と誤判定してしまう虞があった。
この問題を解決するため、第2の従来技術による特開平7−127407号公報に記載の内燃機関の可変バルブタイミング機構の異常検出装置は、油圧に基づきVVTの異常判定の実行または禁止を決定する。すなわち、作動油の、油圧が高いときにVVTの異常判定を実行し、油圧が低いときにVVTの異常判定を禁止した。ここで、VVTの異常判定は、エンジンの運転状態に応じて決定される目標バルブタイミングとエンジンの運転中に測定される実バルブタイミングとの偏差が所定値以上ずれている場合にVVT異常と判定する。しかしながら、第2の従来技術によれば、作動油の、油圧が高いときでも油温が低温のときには、作動油の粘度が高くなり[油量が低下し]、油圧が低いとき同様VVTの作動応答性が悪化し、作動遅れ時間が増加する。このため、作動油の油圧が高く油温が低いがVVTは正常である場合にVVTの異常判定を禁止しないとVVT異常と誤判定してしまう虞があった。
この問題を解決するため、第3の従来技術による特開2000−73794号公報に記載の内燃機関の可変バルブタイミング機構の異常検出装置は、油温に基づきVVTの異常を判定する。すなわち、作動油の、油温が高いときにVVTの異常判定を実行し、油温が低いときにVVTの異常判定を禁止した。しかしながら、第3の従来技術によれば、作動油の、油温が高いときで油圧が低下しているときに、油温が低いとき同様VVTの作動応答性が悪化し、作動遅れ時間が増加する。それにも関わらず、作動油の油温が高く油圧が低いときにVVTは正常であると誤判定してしまう虞がある。
それゆえ、本発明は、VVTの異常を誤ることなく判定すると共にVVT自体の異常を分けて正常判定を行う内燃機関の可変バルブタイミング機構の異常検出装置を提供することを目的とする。
記目的を達成する本発明による内燃機関の可変バルブタイミング機構の異常検出装置は、内燃機関の吸気弁と排気弁の一方または両方のバルブタイミング、バルブリフト量、開弁期間のうち少なくとも1つを含むバルブ作動特性を変化させる可変バルブタイミング機構の異常を判定する判定手段と、前記可変バルブタイミング機構の前記バルブ作動特性を変更するアクチュエータと、を備える内燃機関の可変バルブタイミング機構の異常検出装置において、前記判定手段が、前記可変バルブタイミング機構の応答速度を算出する第1算出手段と、前記アクチュエータを駆動する作動油の油温の増分(ΔOT)に対する前記第1算出手段により算出された前記可変バルブタイミング機構の応答速度の増分(ΔRV)の変化率(ΔRV/ΔOT)を算出する第2算出手段と、前記変化率(ΔRV/ΔOT)が前記油温の増加にともない減少する時の油温を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された油温が所定温度より低く、かつ前記第1算出手段により算出された応答速度が所定応答速度より高いとき、前記可変バルブタイミング機構は正常であると判定する正常判定手段と、を備えたことを特徴とする。
上記内燃機関の可変バルブタイミング機構の異常検出装置において、前記検出手段により検出された油温が所定温度より高く、かつ前記第1算出手段により算出された応答速度が所定応答速度より高いとき、前記可変バルブタイミング機構のオイルが劣化していると判定する。
前記第1算出手段により算出された応答速度が所定応答速度より低いとき、前記可変バルブタイミング機構は異常であると判定する。
以下、添付図面を参照して本発明の詳細を説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る内燃機関の可変バルブタイミング機構の異常検出装置の概略構成図である。図1に示すエンジン11は、DOHC(ダブルオーバヘッドカムシャフト)型4気筒エンジンであり、クランク軸12の回転動力をタイミングチェーン(図示せず)を介して互いに独立した吸気カム軸13と排気カム軸14に伝達し、吸気カム軸13によって吸気弁15を排気カム軸14によって排気弁16をそれぞれ開閉駆動する構造になっている。吸気カム軸13にはクランク軸12に対する吸気カム軸13の進角量を調整する油圧駆動式の可変バルブタイミング機構(VVT)17が設けられている。本実施形態では吸気カム軸13にVVT17を設ける例を示したが、これに代えてあるいは加えて排気カム軸14に同様なVVTを設けた形態でも本発明は適用できる。
このVVT17は、作動油としてエンジン11の潤滑油を利用している。エンジン11に連動してオイルポンプ18が駆動され、エンジン11のシリンダブロック11a下部に接続され潤滑油を貯留するオイルパン19から潤滑油がオイルポンプ18で汲み上げられ、作動油として油路20を介してVVT17に供給され、油路20の途中に設けられたオイルコントロールバルブ(OCV)21によって油圧をデューティ制御することでその油圧に応じて吸気カム軸13の進角量が制御される。オイルパン19には潤滑油(以下、作動油と記す)の温度を検出する油温センサ22が配設されている。なお、油温センサ22は、油路20やVVT17内に配設してもよい。また、オイルパン19は外気に熱を放散して潤滑油を冷却する役目も果たしている。
また、吸気カム軸13の近傍にはカム軸センサ23が設置され、クランク軸12の近傍にはクランク軸センサ24が設置されている。クランク軸センサ24は、クランク軸12の1回転当たりN個のクランク軸位相検出パルス信号を発生するのに対し、カム軸センサ23は、吸気カム軸13の1回転当たり2N個のカム軸位相検出パルス信号を発生する。また、吸気カム軸13の最大進角量をθmax°CAとした場合、N<360/θmaxとなるようにクランク軸位相検出パルス信号数Nが設定されている。これにより、クランク軸センサ24からのクランク軸位相検出パルス信号と、これに続いて発生する吸気カム軸13のカム軸センサ23からのカム軸位相検出パルス信号との間の相対回転角により吸気弁15の実バルブタイミング(吸気カム軸13の実進角量)が算出される。
エンジン11のシリンダブロック11aには、ウォータジャケット11b内を流れる冷却水の温度(以下、水温と記す)を検出する水温センサ25が取付けられ、シリンダヘッド11cには、点火プラグ26が気筒毎に取付けられている。
一方、吸気管27の最上流部には、エアークリーナ28が設けられ、その下流には、吸気温を検出する吸気温センサ29が設けられている。吸気温センサ29の下流には、スロットルバルブ30が設けられ、スロットルバルブ30の開度がスロットルセンサ31によって検出される。スロットルバルブ30の下流には、吸気管内の圧力を検出する吸気圧センサ32が設けられている。また、各気筒の吸気ポート33の近傍には、燃料噴射弁34が取付けられている。また、エンジン11を搭載した車両には車速センサ35が配設されている。また、油路20のVVT17近傍には、VVT17へ流入する作動油の油圧を検出する油圧センサ36が配設されている。上述した各種センサおよび後述する位置センサ(図2の206)等は、エンジン制御ユニット(ECU)40の入力ポートに接続されており、一方、OCV21、点火プラグ26、燃料噴射弁34等は、ECU40の出力ポートに接続されている。
次に、図1に示す実施形態に係る内燃機関の可変バルブタイミング機構の異常検出装置に装備されたエンジン制御ユニット(ECU)40について説明する。ECU40は、一般的なディジタルコンピュータからなり、図示しない双方向性バスを介して相互に接続されたCPU、RAM、ROM、入力ポートおよび出力ポート、ならびに入力ポートに接続されたAD変換器および出力ポートに接続された駆動回路を具備する。入力ポートには、ECU40を搭載する車両の各部に設置された上述した各種センサからのアナログ電圧出力がAD変換器を介して入力されるか、あるいは各種センサからのディジタル信号が直接入力される。出力ポートから駆動回路へのECU40による制御信号に応じて、図示しないバッテリまたはオルタネータからOCV21、点火プラグ26、燃料噴射弁34、等の電気的負荷に電力が供給される。
図2は図1に示す可変バルブタイミング機構の動弁機構の動作説明図である。図2の上部に示す動弁機構200は、下部に示すオイルコントロールバルブ(OCV)21により、VVT17の吸気弁15のバルブタイミングを変化させるためのVVT17の機構であり、次のように動作する。
動弁機構200は一つの気筒用に設けられた吸気弁15を開閉弁するためのカム201を有する。カム201の外形は、カム201の回転軸線方向における吸気弁15に対するカム201の相対位置(以下、カム201の相対位置と称す)が変わると吸気弁15の開閉弁特性(例えば、開弁時期、開弁期間、リフト量等)が変更されるような形状となっている。カム201はカム201の回転軸線がカムシャフト202の回転軸線と同軸になるように一つのカムシャフト202に固定される。
このようにカム201はカムシャフト202に固定さているため、カムシャフト202がその軸線方向に移動するとカム201もその回転軸線方向に移動し、これによりカム201の相対位置が変わり、吸気弁15の開閉弁特性が変更される。したがって、カムシャフト201をその軸線方向に移動させることによって吸気弁15の開閉弁特性を変更することができる。カム201の相対位置が目標相対位置となるようにカムシャフト202をその軸線方向に移動させることによって吸気弁15の開閉弁特性をその目標開閉弁特性に制御できる。
また、カムシャフト202の一方の端部にはカムシャフト202をその軸線方向に移動させるための油圧式カムシャフト駆動装置203が設けられ、この油圧式カムシャフト駆動装置203は吸気弁15の開閉弁特性を変更するための変更手段として機能する。油圧式カムシャフト駆動装置203は油圧シリンダ204とOCV21とを具備する。油圧シリンダ204は図2に示すように、カムシャフト202の一方の端部に取付けられたピストン205を収容し、このピストン205を油圧シリンダ204内で摺動させることによってカムシャフト202をその軸線方向に移動させる。
この油圧シリンダ204内でのピストン205の位置は位置センサ206によって検出され、この位置センサ206の出力はECU40対応するA/D変換器を介して入力ポートに入力される。この位置センサ206の出力に基づいてカムシャフト202の位置、すなわちカム201相対位置が検出される。一方、油圧シリンダ204内でのピストン205の作動、すなわちカムシャフト202の軸線方向の移動は、OCV21のアクチュエータ207に送信する制御パルス信号のオン/オフデューティ比(信号がオンになっている時間とオフになっている時間との合計に占める信号オン時間の割合)を変化させることにより制御される。
すなわち、OCV21のアクチュエータ207に送信する制御パルス信号のデューティ比を基準デューティ比よりも大きくすると、カムシャフト202がその軸線方向において一方の方向に移動してカム201の相対位置が一方の方向に移動する。これにより吸気弁15の開閉弁特性が或る方向に変化する。なお、吸気弁15の開閉弁特性が或る方向に変化するとは、例えば開弁時期が早くなったり、開弁期間が長くなったり、リフト量が大きくなったりすることを意味する。
逆に、OCV21のアクチュエータ207に送信する制御パルス信号のデューティ比を基準デューティ比よりも小さくすると、カムシャフト202がその軸線方向おいて上記一方の方向とは反対方向に移動してカム201の相対位置が上記一方の方向とは反対方向に移動する。これにより吸気弁15の開閉弁特性が上記或る方向とは反対方向に変化する。なお、吸気弁15の開閉弁特性が上記或る方向とは反対方向に変化するとは、例えば開弁時期が遅くなったり、開弁期間が短くなったり、リフト量が小さくなったりすることを意味する。
また、デューティ比を基準デューティ比との偏差が大きくなるようにすればするほど、単位時間当たりにカム201の相対位置が移動する距離が大きくなり、よって単位時間当たりに吸気弁15の開閉弁特性が変化する程度も大きくなる。ここで、基準デューティ比とは、油圧シリンダ204のピストン205を作動させることのないデューティ比であり、すなわちカム201の相対位置が変化せずに吸気弁15の開閉弁特性が変化しないデューティ比である。この基準デューティ比は作動油の油圧や油温に応じて油圧式カムシャフト駆動装置203毎に定まるデューティ比である。
次に、オイルパン19からOCV21を介してVVT17の動弁機構200へ供給されOCV21を介してオイルパン19に戻る作動油の流れについて以下に説明する。吸気弁15のバルブタイミングを早くしたいときは、OCV21により動弁機構200のピストン205を第1方向211に動作させ、油路20から圧送された作動油をOCV21および油路212を経由して動弁機構200に設けられた油圧シリンダ204の2つの油圧室の内の第1油圧室(押出戻油圧室)213に送り、油圧シリンダ204の第2油圧室(押出油圧室)214の作動油を油路215、OCV21および油路216を経由してオイルパン19に戻す。
一方、吸気弁15のバルブタイミングを遅くしたいときは、OCV21により動弁機構200のピストン205を第1方向211とは逆の第2方向217に動作させ、油路20から圧送される作動油をOCV21および油路215を経由してVVT17の油圧シリンダ204の第2油圧室214に送り、油圧シリンダ204の第1油圧室213の作動油を油路212、OCV21および油路218を経由してオイルパン19に戻す。吸気弁15のバルブタイミングを現在の位置に固定したいときは、OCV21により動弁機構200を作動してOCV21のシリンダ220内のスプール221a、221b、221cがシリンダ220内を中立の位置になるように移動し、OCV21と動弁機構200との間の油路215、212のシリンダ220のポート222a、222bをスプール221a、221bで閉じる。なお、排気カム軸14に同様なVVTが設けられた他の実施形態の場合も同様な動弁機構が設けられる。
本発明によるVVTの異常検出装置は、エンジンの運転状態に応じて決定される目標バルブ作動特性値と運転中に測定される実バルブ作動特性値との偏差が所定値以上ずれていることでVVT17は異常であると判定する判定手段(ECU40による下記の処理の実行)とVVT17のバルブ作動特性を変更するアクチュエータ、すなわち図2に示す動弁機構200とを備える。ここで、本実施形態では、バルブ作動特性とはバルブタイミングのことを意味する。これより、エンジン制御ユニットECU40の制御について詳細に説明する。以下に記すルーチンは所定の周期、例えば0.1秒毎に実行される。
図3は本発明によるVVT異常検出装置の第1制御ルーチンの流れ図である。
まず、ステップS1では、クランク軸センサ24で検出した信号を読取りエンジン回転数NEを算出する。
ステップS2では、吸気圧センサ32により検出された吸気管圧力PM、油温センサ22により検出された油温OTおよび油圧センサ36により検出された油圧OPを読取る。なお、油温OTは、油温センサ22により検出する代わりに、水温センサ25により検出した水温、エンジン回転数NE、吸気温センサ29により検出された吸気温、エアーフローメータ(図示せず)により検出されたエンジン気筒への吸入空気量、あるいはECU40による燃料噴射制御で算出された燃料噴射量に基づき推定した油温推定値を用いてもよい。
ステップS3では、ステップS1で算出したエンジン回転数NEとステップS2で検出した吸気管圧力(負荷)PMに基づきマップ(図示せず)を参照して現在のエンジンの運転状態に応じた吸気弁15の目標バルブタイミング(吸気カムシャフト202の目標進角量)を算出する。
ステップS4では、クランク軸センサ24からのクランク軸位相検出パルス信号と吸気カム軸13のカム軸センサ23からのカム軸位相検出パルス信号とを読取る。
ステップS5では、ステップS4で読取ったクランク軸位相検出パルス信号とカム軸位相検出パルス信号との間の相対回転角により吸気弁15の実バルブタイミング(吸気カム軸13の実進角量)を算出する。
ステップS6では、ステップS5で算出した吸気弁15の実バルブタイミングがステップS3で算出した目標バルブタイミングとなるようにOCV21のアクチュエータ207のデューティ制御を行ない、吸気弁15のバルブタイミングを調整する。ここで、油流量を算出するマップについて以下に説明する。
図4は油温と油圧から油流量を算出するマップを示す図であり、(A)は油温と油圧との関係を実験的に求めて作成したマップを示す図であり、(B)は油温と油流量との関係を理論的に求めて作成したマップを示す図であり、(C)は油圧と油流量との関係のマップを示す図である。これらのマップはECU40のRAMに格納される。図4の(A)に示すように、油温が高くなると油圧が下がり、VVTのアクチュエータを駆動する作動応答性が低下し、もはやVVTの正常な制御が不可能となるので、VVT異常と判定する。図4の(B)に示すマップは、ベルヌーイの定理を用いてステップS2で読取った油温OTおよび油圧OPから油流量を算出し、その算出結果から油温と油流量との関係を示すマップを作成した図である。ベルヌーイの定理によれば、流体の流れに対するエネルギー保存則を表す式が、理想流体に対して下式で与えられる。
2/2+p/ρ+gz=c(一定)…(1)
ここで、vは作動油の速度(流量)、pは油圧、ρは流体(作動油)の密度(粘性)、gは重力加速度、zは基準面からの高さ、cは定数である。ρ、すなわち作動油の密度は、油温から求めることができるので、油圧が判れば上式(1)より油流量を求めることができる。または、オイルポンプ特性を表す図4の(C)に示すマップをECU40に格納しておき、読取った油圧から油流量を算出する。
ステップS7では、図4の(A)に示すマップを参照してステップS2で読取った油温OTに対応する油圧OPを算出し、油圧OPと所定値と比較し、油圧>所定値のときは、VVT異常判定を実行するためステップS8に進み、油圧≦所定値のときは、処理を終了する。
ステップS8では、図4の(B)に示すマップを参照してステップS2で読取った油温OTから油流量を算出する。
ステップS9では、ステップS8で算出した油流量と所定値と比較し、油流量>所定値のときは、VVT正常と判定しステップS10に進み、油流量≦所定値のときは、VVT異常判定処理を実行せずに本ルーチンを終了する。
ステップS10では、下式(2)を算出する。
VVT偏差=
VVT目標バルブタイミング−VVT実バルブタイミング…(2)
ステップS11では、ステップS10で算出したVVT偏差と偏差判定値(固定値)と比較し、VVT偏差>偏差判定値のときは、VVT異常判定条件が成立と判定しステップS12に進み、VVT偏差≦偏差判定値のときは、VVT異常判定処理を実行せず、本ルーチンを終了する。
ステップS12では、ステップS11でVVT偏差>偏差判定値と判定された後の経過時間が所定時間(t秒)経過したか否か判定し、経過時間≧tのときはステップS13に進み、経過時間<tのときは本ルーチンを終了する。
ステップS13では、VVTの異常判定フラグを立て、車両に装着されている表示パネル上に表示して運転者にVVTの異常を知らせる。
以上のように、本発明の第1制御ルーチンで実行する判定手段は、動弁機構200を駆動する作動油の流量を算出する算出手段(ステップS8)と、算出手段により算出された作動油の流量が所定値に満たないとき、あるいは作動油の流量が所定値以上であってもVVT偏差が偏差判定値を越えない、または越える時間が所定時間(t秒)未満のときには判定手段(ステップS9〜S13)による判定を中断する中断手段(ステップS9)と、を備え、上述したように、これらの手段は、それぞれのステップの実行により達成される。
また、第1制御によれば、油温が高く油圧が低いときにはステップS7によりVVT異常判定せず、油温が低く油圧が高いときにはステップS9によりVVT異常判定しないので、VVT異常の誤判定を防止できる。
図5は本発明によるVVT異常検出装置の第2制御ルーチンの流れ図である。本発明の第2制御ルーチンにおけるステップS1〜S6およびステップS10〜S13は、第1制御ルーチンにおける同一ステップ番号と同一処理を実行するのでその説明は省略する。ステップS7〜S9について図6〜図8を参照して以下に説明する。
図6は油温から油粘度を算出するマップを示す図であり、図7は油粘度から基準VVT応答速度(判定時間)を算出するマップを示す図であり、図8は油温から基準VVT応答速度(判定時間)を算出するマップを示す図である。これらのマップはECU40のRAMに格納される。
図6に示すマップは、油温と油粘度の関係を与えるWalther-ASTMの下式(3)を用いて作成したものである。
loglog(ν+a)=A−BlogT…(3)
ここで、νはCGS単位系のcSt(センチストークス)で表した動粘度、a、Aおよびは油の種類によって定まる定数(kはボルツマス定数)、Tは絶対温度である。式(3)からも判るように温度が高くなると動粘度νは低くなる。
図7に示すマップは、実験結果から次のように作成する。すなわち、エンジン回転数NEを一定にした状態で、作動油の油温を変化させて粘度を変更し、変更した粘度の作動油で動弁機構200を所定時間(例えば1秒間)駆動し、その間に変化したバルブタイミングの変化量(°CA)を測定し、所定時間当たりのバルブタイミングの変化量から基準VVT応答速度(°CA/秒)を算出し、その算出結果から油粘度とVVT応答速度の関係を示すマップを作成する。一方、油粘度と判定時間tの関係を示すマップは、下式(4)を用いて上記のように算出した基準VVT応答速度と偏差判定値(固定値)から作成する。
判定時間t=偏差判定値/基準VVT応答速度…(4)
図8に示すマップは、図6のマップを参照して油粘度から油温を算出し、図7を参照して油温と基準VVT応答速度の関係および油温と判定時間の関係を求めて作成する。
ステップS7では、図6に示すマップを参照してステップS2で読取った油温OTに対応する油粘度を算出する。
ステップS8では、図7に示すマップを参照してステップS7で算出した油粘度に対応する基準VVT応答速度を算出する。
ステップS9では、図8に示すマップを参照してステップS2で読取った油温OTに対応する判定時間tを式(4)を用いて算出する。
以上のように、本発明の第2制御ルーチンで実行する判定手段は、動弁機構200を駆動する作動油の粘度を算出する第1算出手段(ステップS7)と、第1算出手段により算出された粘度に対するVVTの基準応答速度を算出する第2算出手段(ステップS8)と、偏差が基準応答速度より大となる継続時間が所定時間tを経過したとき、VVTは異常であると判定する異常判定手段(ステップS10〜13)とを備え、上述したように、これらの手段は、それぞれのステップの実行により達成される。
また、第2制御によれば、作動油の油温が高いときに、油圧に基づかずVVT異常判定できるので、VVT異常の誤判定を防止できる。
図9は本発明によるVVT異常検出装置の第3制御ルーチンの流れ図であり、図10は図9に示す流れ図のステップS2とS3を他の処理に置換えた例を示す図であり、図11の(A)はVVTの正常状態、オイル劣化状態およびVVT異常の異常状態における油温とVVT応答速度の各関係を示す図であり、図11の(B)はVVTの正常状態、オイル劣化状態およびVVT異常の異常状態に対する仮判定と本判定の結果のテーブルを示す図である。
まず、ステップS1では、油温センサ22から油温を読取る。なお、油温OTは先に第1制御ルーチンのステップS2で説明したように、推定値を用いてもよい。
ステップS2では、図6に示すマップを参照してステップS1で読取った油温OTに対応する油粘度を算出する。
ステップS3では、図7に示すマップを参照してステップS2で算出した油粘度に対応するVVT応答速度を算出する。
または、ステップS2とS3の代わりに、図10に示す以下に記す処理を実行してもよい。
ステップS101でVVT偏差を算出し、ステップS102でVVT偏差が所定値より大きいか否かを判定し、VVT偏差>所定値ならばステップS103に進み、初回にVVT偏差を記憶し、次いでステップS104で条件成立中の時間(t)をカウントする。ステップS102でVVT偏差≦所定値となったとき、ステップS105に進み、偏差記憶値(VT)と所定値との差をカウントした時間(t)で割算した値をVVT応答速度とする。
ステップS4では、油温OTが第1の範囲(T1より高くT2(>T1)より低い温度:仮判定区間)にあるか否かを判定するため、T1<OTのときはステップS5に進み、OT≦T1のときは本ルーチンを終了する。
ステップS5では、油温OTが第2の範囲(T2より高い温度:本判定区間)にあるか否かを判定するため、OT<T2のときは現在の油温は仮判定区間にあるとみなしステップS6に進み、OT≧T2のときは現在の油温は本判定区間にあるとみなしステップS7に進む。
ステップS6では、ステップS3で算出したVVT応答速度が異常判定値より低いか否かを判定し、VVT応答速度<異常判定値のときはステップS8に進み、VVT応答速度≧異常判定値のときは本ルーチンを終了する。
ステップS7では、ステップS6同様に、ステップS3で算出したVVT応答速度が異常判定値より低いか否かを判定し、VVT応答速度<異常判定値のときはステップS9に進み、VVT応答速度≧異常判定値のときはステップS10に進む。
ステップS8では、仮判定フラグを立てる。
ステップS9では、VVTの異常判定フラグを立て、車両に装着されている表示パネル上に表示して運転者にVVTの異常を知らせ、部品の点検を促す。
ステップS10では、仮判定フラグが立っているか否かを判定し、仮判定フラグ=1(ON)のときはステップS11に進み、仮判定フラグ=0(OFF)のときはステップS12に進む。
ステップS11では、車両に装着されている表示パネル上に表示して運転者に作動油(オイル)が劣化し作動油の交換を促す。
ステップS12では、VVTは正常と判定し、VVTの異常判定フラグを0にする。
以上のように、本発明の第3制御ルーチンで実行する判定手段は、動弁機構200を駆動する作動油の油温が第1の範囲にあるときにVVT17の第1応答速度を算出する第1算出手段(ステップS2、S3)と、第1算出手段により算出された第1応答速度が異常判定値より小さいとき第1異常判定フラグを立てる第1判定手段(ステップS4〜S6、S8)と、動弁機構200を駆動する作動油の油温が第1より高い第2の範囲にあるときVVT17の第2応答速度を算出する第2算出手段(ステップS2、S3)と、第2算出手段により算出された第2応答速度が異常判定値より小さいとき第2異常判定フラグを立てる第2判定手段(ステップS4、S5、S7、S9)と、第1異常判定フラグと第2異常判定フラグが共に立っていないとき、VVT17が正常であると判定する正常判定手段(ステップS4〜S8、S10、S12)と、を備え、上述したように、これらの手段は、それぞれのステップの実行により達成される。
また、第3制御によれば、作動油の油温が高いときに、油圧に基づかずVVT異常判定できるので、VVT異常の誤判定を防止できる。
図12は本発明によるVVT異常検出装置の第4制御ルーチンの流れ図であり、図13はVVTの正常状態、オイル劣化状態および異常状態における基準VVT応答速度の変化が一定になる油温を示す図である。
まず、ステップS1では、本ルーチンは初回か否かを判定し、その判定結果がYESのときはステップS2に進み、その判定結果がNOのときはステップS3に進む。
ステップS2では、前回VVT応答速度(以下、前回VVT速度と記す)を0°CA/秒に、前回VVT速度の判定時の油温(以下、前回油温と記す)を0℃に初期化する。
ステップS3では、油温センサ22から油温を読取る。なお、油温OTは先に第1制御ルーチンのステップS2で説明したように、推定値を用いてもよい。
ステップS4では、油温差=前回油温−今回油温、を算出する。この今回油温は、今回VVT応答速度判定時の油温を意味し、ステップS3で読取った油温である。
ステップS5では、ステップS4で算出した油温差が所定温度、例えば5℃以上か否かを判定し、油温差≧所定温度のときはステップS6に進み、油温差<所定温度のときは本ルーチンを終了する。
ステップS6では、図6に示すマップを参照してステップS3で読取った油温に対応する油粘度を算出する。
ステップS7では、図7に示すマップを参照してステップS6で算出した油粘度に対応する今回VVT速度を算出する。
または、ステップS6とS7の代わりに、図10に示す前述した処理を実行してもよい。
ステップS8では、VVT速度差=前回VVT速度−今回VVT速度を算出する。
ステップS9では、ステップS8で算出したVVT速度差が判定値より小か否かを判定し、VVT速度差<判定値のときはステップS10に進み、VVT速度差≧判定値のときは本ルーチンを終了する。このステップS9における判定は、動弁機構200を駆動する作動油の油温の増分(ΔOT)、ここでは上記所定温度(5℃)、に対するステップS6、S7により算出されたVVT17の応答速度の増分(ΔRV)が、0に近づき傾斜がなくなりVVT速度が一定になる油温を求めるために行なう。ここで、上記所定温度に対する応答速度の増分とは、ステップS8で算出したVVT速度差の変化率(ΔRV/ΔOT)のことである。図13に示すように、VVT正常状態ライン1301、オイル劣化状態ライン1302およびVVT異常状態ライン1303において、VVT速度が一定になる油温は、VVT正常状態ライン1301では1311近傍であり、オイル劣化状態ライン1302では1312近傍である。
ステップS10では、VVT速度が異常判定値より小か否かを判定し、VVT速度<異常判定値のときはVVTの応答性が悪くVVT異常とみなしステップS11に進み、VVT速度≧異常判定値のときはVVTの応答性が許容範囲にありVVT正常とみなしステップS12に進む。
ステップS11では、VVTの異常判定フラグを立て、車両に装着されている表示パネル上に表示して運転者にVVTの異常を知らせ、部品の点検を促す。
ステップS12では、油温が判定温度より大か否かを判定し、油温>判定温度のときはオイル劣化とみなしステップS13に進み、油温≦判定温度のときはVVT正常かつオイル正常とみなしステップS14に進む。
ステップS13では、車両に装着されている表示パネル上に表示して運転者に作動油(オイル)が劣化し作動油の交換時期が近いことを知らせる。
ステップS14では、VVTは正常と判定し、VVTの異常判定フラグを0にする。
以上のように、本発明の第4制御ルーチンで実行する判定手段は、VVT17の応答速度を算出する第1算出手段(ステップS6、S7)と、動弁機構200を駆動する作動油の油温の増分(ΔOT)に対する第1算出手段により算出されたVVT17の応答速度の増分(ΔRV)の変化率(ΔRV/ΔOT)を算出する第2算出手段(ステップS8)と、変化率(ΔRV/ΔOT)が油温の増加にともない減少する時の油温を検出する検出手段(ステップS9)と、検出手段により検出された油温が所定温度より低く、かつ第1算出手段により算出された応答速度が所定応答速度より高いとき、VVT17は正常であると判定する正常判定手段(ステップS10、S12、S14)と、を備え、上述したように、これらの手段は、それぞれのステップの実行により達成される。
また、第4制御によれば、作動油の油温が高いときに、油圧に基づかずVVT異常判定できるので、VVT異常の誤判定を防止できる。
図14は本発明によるVVT異常検出装置の第5制御ルーチンの流れ図であり、図15はVVT偏差の正規分布を示す図である。
まず、ステップS1では、クランク軸センサ24で検出した信号を読取りエンジン回転数NEを算出する。
ステップS2では、吸気圧センサ32により検出された吸気管圧力PM、油温センサ22により検出された油温OTおよび油圧センサ36により検出された油圧OPを読取る。なお、油温OTは先に第1制御ルーチンのステップS2で説明したように、推定値を用いてもよい。
ステップS3では、ステップS1で算出したエンジン回転数NEとステップS2で検出した吸気管圧力(負荷)PMに基づきマップ(図示せず)を参照して現在のエンジンの運転状態に応じた吸気弁15の目標バルブタイミング(吸気カムシャフト202の目標進角量)を算出する。
ステップS4では、クランク軸センサ24からのクランク軸位相検出パルス信号と吸気カム軸13のカム軸センサ23からのカム軸位相検出パルス信号とを読取る。
ステップS5では、ステップS4で読取ったクランク軸位相検出パルス信号とカム軸位相検出パルス信号との間の相対回転角により吸気弁15の実バルブタイミング(吸気カム軸13の実進角量)を算出する。
ステップS6では、ステップS5で算出した吸気弁15の実バルブタイミングがステップS3で算出した目標バルブタイミングとなるようにOCV21のアクチュエータ207のデューティ制御を行ない、吸気弁15のバルブタイミングを調整する。
ステップS7では、下式(2)を算出する。
VVT偏差=
VVT目標バルブタイミング−VVT実バルブタイミング…(2)
ステップS8では、ステップS2で読取った油温から油温OTが第1の範囲(T1より高くT2(>T1)より低い温度:仮判定区間)にあるか否かを判定するため、T1<OTのときはステップS9に進み、OT≦T1のときは本ルーチンを終了する。
ステップS9では、油温OTが第2の範囲(T2より高い温度:本判定区間)にあるか否かを判定するため、OT<T2のときは現在の油温は仮判定区間にあるとみなしステップS10に進み、OT≧T2のときは現在の油温は本判定区間にあるとみなしステップS11に進む。
ステップS10では、ステップS7で算出したVVT偏差から油温の仮判定区間における第1標準偏差σ1を求める。
ステップS11では、ステップS7で算出したVVT偏差から油温の本判定区間における第2標準偏差σ2を求める。
ここで、VVT偏差から標準偏差σ(第1標準偏差σ1、第2標準偏差σ2)を求める方法について簡単に説明する。まず、ステップS7で算出したVVT偏差に基づき、図15に示すようなVVT偏差の正規分布1501、1502を作成する。これらの正規分布を作成するには、多くのVVT偏差のデータをサンプリングすることが必要なため、エンジン運転後、約数10分位を要する。サンプリングしたVVT偏差が、0〜5°CA、5〜10°CA、…の何れの範囲のものか識別し、各範囲に識別されたVVT偏差の度数(出現回数)を全サンプリング数で割算して頻度(出現回数/全サンプリング数)を求め、図15に示すような、横軸に偏差(°CA)、縦軸に偏差の頻度をとった正規分布を作成する。このように作成した正規分布から一般的な統計手法を用いて標準偏差σを求める。
ステップS12では、ステップS10で算出した第1標準偏差σ1に係数k1を乗じた値が異常判定値より低いか否かを判定し、第1標準偏差σ1*k1>異常判定値のときはステップS13に進み、第1標準偏差σ1*k1≦異常判定値のときは本ルーチンを終了する。ここで、k1は第1標準偏差からの偏差の許容値を決定するために設定する係数である。
ステップS13では、仮判定フラグを立てる。
ステップS14では、ステップS12同様に、ステップS11で算出した第2標準偏差σ2に係数k2を乗じた値が異常判定値より低いか否かを判定し、第2標準偏差σ2*k2>異常判定値のときはステップS15に進み、第2標準偏差σ2*k2≦異常判定値のときはステップS16に進む。ここで、k2は第2標準偏差からの偏差の許容値を決定するために設定する係数である。
ステップS15では、VVTの異常判定フラグを立て、車両に装着されている表示パネル上に表示して運転者にVVTの異常を知らせ、作動油の交換を促す。
ステップS16では、仮判定フラグが立っているか否かを判定し、仮判定フラグ=1(ON)のときはステップS17に進み、仮判定フラグ=0(OFF)のときはステップS18に進む。
ステップS17では、車両に装着されている表示パネル上に表示して運転者に作動油(オイル)が劣化し作動油の交換時期が近いことを知らせる。
ステップS18では、VVTは正常と判定し、VVTの異常判定フラグを0にする。
以上のように、本発明の第5制御ルーチンで実行する判定手段は、目標バルブ作動特性値と実バルブ作動特性値との偏差のバラツキから正規分布を算出する第1算出手段(ステップS10、S11)と、正規分布から偏差の標準偏差値を算出する第2算出手段(ステップS10、S11)と、動弁機構200を駆動する作動油の油温が所定温度より高く、かつ標準偏差値が所定の範囲を超えているとき、VVT17は異常であると判定する異常判定手段(ステップS14)と、を備え、上述したように、これらの手段は、それぞれのステップの実行により達成される。
また、第5制御によれば、作動油の油温が高いときに、油圧に基づかずVVT異常判定できるので、VVT異常の誤判定を防止できる。
以上説明したように、第一発明による内燃機関の可変バルブタイミング機構の異常検出装置によれば、作動油の油温が高温で油圧が低くVVTの応答が悪いとき、または油温が低温で油圧が高くVVTの応答が悪いときに、VVTの異常を誤ることなく判定する内燃機関の可変バルブタイミング機構の異常検出装置を提供することができる。
また、第二発明による内燃機関の可変バルブタイミング機構の異常検出装置によれば、作動油の油温が高温でVVTの応答が悪いときに、油圧に基づかずVVTの異常を誤ることなく判定する内燃機関の可変バルブタイミング機構の異常検出装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る内燃機関の可変バルブタイミング機構の異常検出装置の概略構成図である。 図1に示す可変バルブタイミング機構の動弁機構の動作説明図である。 本発明によるVVT異常検出装置の第1制御ルーチンの流れ図である。 油温と油圧から油流量を算出するマップを示す図であり、(A)は油温と油圧との関係を実験的に求めて作成したマップを示す図であり、(B)は油温と油流量との関係を理論的に求めて作成したマップを示す図であり、(C)は油圧と油流量との関係のマップを示す図である。 本発明によるVVT異常検出装置の第2制御ルーチンの流れ図である。 油温から油粘度を算出するマップを示す図である。 油粘度から基準VVT応答速度と判定時間を算出するマップを示す図である。 油温から基準VVT応答速度と判定時間を算出するマップを示す図である。 本発明によるVVT異常検出装置の第3制御ルーチンの流れ図である。 図9に示す流れ図のステップS2とS3を他の処理に置換えた例を示す図である。 (A)はVVTの正常状態、オイル劣化状態およびVVTの異常状態における油温と基準VVT応答速度の各関係を示す図であり、(B)はVVTの正常状態、オイル劣化状態およびVVTの異常状態に対する仮判定と本判定の結果のテーブルを示す図である。 本発明によるVVT異常検出装置の第4制御ルーチンの流れ図である。 VVTの正常状態、オイル劣化状態および異常状態における基準VVT応答速度の変化が一定になる油温を示す図である。 本発明によるVVT異常検出装置の第5制御ルーチンの流れ図である。 VVT偏差の正規分布を示す図である。
符号の説明
11 エンジン
12 クランク軸
13 吸気カム軸
14 排気カム軸
15 吸気弁
16 排気弁
17 可変バルブタイミング機構(VVT)
18 オイルポンプ
21 オイルコントロールバルブ(OCV)
22 油温センサ
23 カム軸センサ
24 クランク軸センサ
25 水温センサ
29 吸気温センサ
32 吸気圧センサ
36 油圧センサ
40 エンジン制御ユニット(ECU)

Claims (3)

  1. 内燃機関の吸気弁と排気弁の一方または両方のバルブタイミング、バルブリフト量、開弁期間のうち少なくとも1つを含むバルブ作動特性を変化させる可変バルブタイミング機構の異常を判定する判定手段と、前記可変バルブタイミング機構の前記バルブ作動特性を変更するアクチュエータと、を備える内燃機関の可変バルブタイミング機構の異常検出装置において、
    前記判定手段が、
    前記可変バルブタイミング機構の応答速度を算出する第1算出手段と、
    前記アクチュエータを駆動する作動油の油温の増分(ΔOT)に対する前記第1算出手段により算出された前記可変バルブタイミング機構の応答速度の増分(ΔRV)の変化率(ΔRV/ΔOT)を算出する第2算出手段と、
    前記変化率(ΔRV/ΔOT)が前記油温の増加にともない減少する時の油温を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された油温が所定温度より低く、かつ前記第1算出手段により算出された応答速度が所定応答速度より高いとき、前記可変バルブタイミング機構は正常であると判定する正常判定手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の可変バルブタイミング機構の異常検出装置。
  2. 前記検出手段により検出された油温が所定温度より高く、かつ前記第1算出手段により算出された応答速度が所定応答速度より高いとき、前記可変バルブタイミング機構のオイルが劣化していると判定する、
    請求項に記載の内燃機関の可変バルブタイミング機構の異常検出装置。
  3. 前記第1算出手段により算出された応答速度が所定応答速度より低いとき、前記可変バルブタイミング機構は異常であると判定する、
    請求項に記載の内燃機関の可変バルブタイミング機構の異常検出装置。
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