JP4096531B2 - 希土類ハイブリッド磁石用組成物、その製造方法及びそれから得られる磁石 - Google Patents

希土類ハイブリッド磁石用組成物、その製造方法及びそれから得られる磁石 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、希土類ハイブリッド磁石用組成物、その製造方法及びそれから得られる磁石に関し、さらに詳しくは、希土類磁性粉末、フェライト磁性粉末及び樹脂バインダーを含有し、耐熱性、耐湿性が良好であって、成形性及びコストパフォーマンスにも優れた最大エネルギー積が24〜74kJ/mである希土類ハイブリッド磁石用組成物、その製造方法及びそれから得られる磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】
永久磁石は、日用雑貨からモータやセンサに至るまで様々な分野で活用されている。その種類を材料で分類すると、フェライト、Sm−Co系やNd−Fe−B系などの希土類系磁性材料、アルニコや鉄クロムコバルトといった金属磁性材料などがある。一方、磁石を製造方法によって分類すると、焼結磁石、磁性粉末と樹脂バインダーからなるボンド磁石、鋳造磁石などになる。ボンド磁石は、成形方法によって、射出成形磁石、押出成形磁石、圧縮成形磁石、圧延成形磁石などに分類される。また磁石をNSに磁化する場合、着磁により任意の方向に磁化できる等方性磁石と、磁石の製造時に特定方向に磁化する異方性磁石とに分類される。
【0003】
焼結磁石は、粉末冶金の手法を応用しているが、相対密度を90%以上に緻密化でき、材料の磁力をそのまま引き出せるが、形状自由度が小さく、機械的強度も比較的小さい。これに対してボンド磁石は、樹脂を結合材として成形するため磁力が樹脂の体積分だけ弱くなるものの、形状自由度、機械的強度に優れ、他の部品と一体成形できるため、それぞれの特長に合った用途で使用されている。
【0004】
永久磁石の磁気特性は、材料と製造方法の組合せによって、幅広く選択でき、例えば最大エネルギー積が24kJ/mまではフェライトのボンド磁石を、36kJ/m程度まではフェライトの焼結磁石を選択できる。フェライト磁石は、材料のフェライト磁性粉末が安価なため幅広く利用されているが、より高い磁気特性が必要な場合は、フェライトよりも高価な希土類磁性材料が用いられる。例えば95kJ/m程度まではSm−Co系、Nd−Fe−B系ボンド磁石が、430kJ/mまではSm−Co系、Nd−Fe−B系焼結磁石が選択されている。
【0005】
フェライトのボンド磁石を超える特性領域(最大エネルギー積24kJ/m以上)では、磁気特性を任意に調整でき、かつ低コストなフェライトと希土類磁性材料とのボンド磁石、すなわちハイブリッド磁石が提案されている。
例えば、特開昭55−99703号公報、特開昭57−39102号公報、特開昭60−223095号公報には、フェライト磁性粉末とSm−Co系磁性粉末とからなるハイブリッド磁石が提案され、また特開昭61−284906号公報、特開昭62−257703号公報、特開平10−223421号公報などでは、フェライト磁性粉末とNd−Fe−B系磁性粉末とからなるハイブリッド磁石が提案されている。
【0006】
ところが、Sm−Co系磁性粉末やNd−Fe−B系磁性粉末を用いた従来のハイブリッド磁石では、希土類磁性粉末の量を多くしないと所望の磁気特性が得られず、コストを低減できなかった。Sm−Co系では磁性粉末の磁化が小さく、Nd−Fe−B系では磁性粉末が等方性で磁化が十分大きくないためである。
【0007】
菱面体晶系、六方晶系の結晶構造をもつ金属間化合物に窒素を導入させたR−Fe−N(Rは希土類元素)系磁性材料が、優れた磁気特性をもつ永久磁石材料として注目されている。六方晶系あるいは菱面体晶系の結晶構造をもつR−Fe−N−H(R:イットリウムを含む希土類元素のうちの少なくとも一種)磁気異方性材料(特開平02−57663号公報)などである。
【0008】
本発明者らは、このR−Fe−N系磁性粉末とフェライト磁性粉末とからなるハイブリッド磁石用組成物(磁石)を開発し、特開2000−021615号、特開2000−082611号、特願2000−213781号、特願2000−293757号、特願2000−293758号、特願2000−293759号などとして出願した。
このようなハイブリッド磁石(またはその用途)は、特開2000−124018号公報、特開2000−260614号公報、特開2000−298400号公報、特開2000−357606号公報にも開示されている。
しかしながら、これらのハイブリッド磁石は、耐候性の面では未だ十分とは言えず、すなわち高温度や高湿度の環境下で長時間放置されると、それらの磁気特性が低下する問題点が指摘されていた。
【0009】
一方、特開平4−338603号公報、特開平4−354105号公報、特開平5−230501号公報、特開平5−234729号公報、特開平8−143913号公報、特開平7−268632号公報、特開平9−190909号公報、Jpn.J.Appl.Phys.35(1996)L894、J.Alloys Compd.260(1997)236、及びIEEE Trans.Magn.35(1999)3298には、磁性粉末の表面に気相成長、めっき処理、金属塩、錯体の分解・還元などの手段によって金属皮膜を形成する方法が開示されている。
しかし、これらの方法は、工業的生産性に乏しく、処理された磁性粉末は互いに強く凝集しているため、異方性ボンド磁石を成形するとき粉末配向が悪く、耐湿性が十分ではないなどの問題があった
【0010】
また、特公平6−17015号公報、特開平1−234502号公報、特開平5−020676号公報、特開平5−213601号公報、特開平7−278602号公報、特開平7−326508号公報、特開平8−153613号公報、特開2000−260616号公報などには、無機燐酸、弗化金属化合物水溶液、ポリシラザンなどでR−Fe−N系磁性粉末を表面処理する方法が開示されている。
しかしながら、これらの方法、特に特開2000−260616号公報では、磁性粉末を所望の粒径に粉砕した後に燐酸で表面処理するため、凝集によって接触した面には表面処理剤が十分に行渡らない。また、これらの先行技術をハイブリッド磁石に適用しても、耐熱性と耐湿性を両立させることができないことから、必ずしも満足すべき磁石が得られていない。
【0011】
所定の磁気特性をもつハイブリッド磁石を得ようとする場合、希土類磁性粉末、フェライト磁性粉末、樹脂バインダーの構成比率(含有率)の組合せは、無限に存在する。
フェライト磁性粉末に対して希土類磁性粉末の割合を相対的に多くし、希土類磁性粉末、フェライト磁性粉末の合計含有率を低くして、目標の磁気特性を得ようとすると、高価な希土類磁性粉末が多くなり、コストパフォーマンスが悪化する。逆に、フェライト磁性粉末を希土類磁性粉末に対して相対的に多くし、合計含有率を高めれば、磁石用組成物の流動性が悪化し成形しにくくなる。上記の先行技術文献には、特定の磁気特性を有するハイブリッド磁石を製造するに際し、コストパフォーマンスと磁石の成形性の観点に基づく構成比率の選択は開示されていない。
【0012】
近年、小型モータ、音響機器、OA機器向けの磁石には、機器の小型化に伴なって、磁気特性、耐熱性、耐錆性に優れ、かつ形状自由度が高く、しかも用途に応じた最大エネルギー積をもつ磁石用組成物が強く要請されていたが、このような磁石用組成物は見当たらず、その出現が切望されていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前述した従来技術の問題点に鑑み、希土類磁性粉末、フェライト磁性粉末及び樹脂バインダーを含有し、耐熱性、耐湿性が良好であって、成形性及びコストパフォーマンスにも優れた最大エネルギー積が24〜74kJ/mである希土類ハイブリッド磁石用組成物、その製造方法及びそれから得られる磁石を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、R−Fe−N系などの希土類磁性粉末を表面処理し、これとフェライト磁性粉末との構成比率を特定することによって、良好な成形性とコストパフォーマンスを有する最大エネルギー積24〜74kJ/mのハイブリッド磁石組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0015】
すなわち本発明の第1の発明によれば、希土類磁性粉末(A)、フェライト磁性粉末(B)及び樹脂バインダー(C)を含有する希土類ハイブリッド磁石用組成物において、希土類磁性粉末(A)は、希土類元素と、鉄又は鉄及びコバルトと、窒素とを主成分とするThZn17型結晶構造をもち、かつその表面に平均5〜100nmの燐酸塩皮膜が均一に被覆され、フェライト磁性粉末(B)は、Srフェライト、Baフェライト、又は(A 1−x )O・n((Fe 1−y Co )(ここで、AはSrおよび/またはBa,RはYを含む希土類元素の1種または2種以上でありLaを必ず含む、0.01≦x≦0.4、(x/(2.6n))≦y≦(x/(1.6n))、5≦n≦6で表される主成分組成を有する)フェライト磁性粉末から選ばれる少なくとも1種からなり、かつ保磁力が310kA/m以上、比表面積が1.5m/g以上、圧縮密度が3.3g/cc以下であり、さらに、該組成物中の希土類磁性粉末(A)の含有率をX(重量%)、フェライト磁性粉末(B)の含有率をY(重量%)とすると、これらが下記の要件(1)〜(3)を満たし、組成物の最大エネルギー積が24〜74kJ/mであることを特徴とする希土類ハイブリッド磁石用組成物が提供される。
(1)X≦80
(2)97.7−1.33X≦Y≦109.4−1.23X
(3)X+Y≦92
【0017】
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、希土類磁性粉末(A)は、その表面に、亜鉛(Zn)処理の後に燐酸処理が施されることを特徴とする希土類ハイブリッド磁石用組成物が提供される。
【0018】
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、80℃dry環境下に1000時間放置されたときの不可逆減磁率が−6%未満であり、かつ80℃90%RH環境下に300時間放置されたときの不可逆減磁率が−10%未満であることを特徴とする希土類ハイブリッド磁石用組成物が提供される。
【0019】
一方、本発明の第の発明によれば、第1〜の発明のいずれかにおいて、希土類磁性粉末(A)を、予め燐酸を添加したアルコール系粉砕溶媒中で所定の平均粒径に粉砕した後、不活性ガス中または真空中、100〜400℃の温度範囲で加熱処理することで表面に燐酸塩皮膜を形成し、これに所定量のフェライト磁性粉末(B)を配合し、さらに樹脂バインダー(C)を混合、混練することにより、組成物の最大エネルギー積を24〜74kJ/m とすることを特徴とする希土類ハイブリッド磁石用組成物の製造方法が提供される。
【0020】
また、本発明の第の発明によれば、第1〜の発明のいずれかに係る希土類ハイブリッド磁石用組成物を成形してなるボンド磁石が提供される。
【0021】
【発明の実施の形態】
1.希土類ハイブリッド磁石用組成物(原料)
A 希土類磁性粉末
本発明で用いられる希土類磁性粉末(以下、R−Fe−N系磁性粉末ともいう)は、希土類元素(R)と、鉄(Fe)または鉄(Fe)とコバルト(Co)と、窒素(N)とを主成分とする菱面体晶系または六方晶の結晶構造をもつ磁性粉末である。
【0022】
このような希土類磁性粉末は、ThZn17型結晶構造をもつものであり、例えば特開平2−57663号公報、特開平3−16102号公報、特開平3−101102号公報、特開平3−141608号公報、特開平03−153852号公報、特開平03−160705号公報、特開平8−45718号公報、特開平8−55712号公報、特開平8−144024号公報で開示されるものがある。
【0023】
これを製造する方法としては、窒素を含有しない合金粉末を還元拡散法、溶解鋳造法、液体急冷法などにより原料粉末を調製し、その後、窒素または窒素原子を含む雰囲気中で熱処理することによって、窒素を合金粉末内に導入する方法が挙げられる。希土類ハイブリッド磁石には、低コスト化が要求されることから、原料粉末は還元拡散法で製造される合金粉末が好ましい。還元拡散法による磁性粉末の製造例には、特開平5−148517号公報、特開平9−143636号公報が挙げられる。
希土類磁性粉末の平均粒径は、特に限定されないが、1〜10μm、なかでも1〜4μmが好ましい。
【0024】
本発明において、希土類磁性粉末の耐熱性、耐湿性をともに向上させる第一の方法は、R−Fe−N系磁性粉末の表面をZnで処理する方法である。Znによる表面処理としては、工業的生産性に富み、希土類ハイブリッド磁石のコストパフォーマンスを向上し、処理された磁性粉末が強く凝集しないで異方性ボンド磁石を成形できるよう粉末配向を良好にしうる手段を選択する必要がある。
【0025】
希土類ハイブリッド磁石に好適なZn処理としては、平均粒径が20〜100μmのR−Fe−N系合金粉末に、平均粒径100μm以下のZn粉末を、Znが0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%となるように添加した後、R−Fe−N系合金粉末が平均粒径1〜10μm、好ましくは1〜4μmとなるように、微粉砕する。微粉砕に要する時間は、粉砕装置や、その運転条件にもよるが、例えば、媒体撹拌ミルであれば、1〜2時間とするのが好ましい。その後、粉砕混合物は、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気中、200〜500℃、好ましくは350〜450℃で熱処理を行う。
Zn粉末の混合量が、0.1重量%未満では耐熱性および耐湿性の改善効果が見られず、10重量%を超えるとR−Fe−N系磁性粉末の磁化が小さくなりすぎるので、ハイブリッド磁石のコストパフォーマンスが低下する。粉砕混合物の熱処理温度が200℃未満では耐熱性と耐湿性の改善効果が見られず、500℃を超えると、R−Fe−N系磁性粉末の保磁力が低下するので好ましくない。
この処理方法で得られたR−Fe−N系磁性粉末は、凝集しているが、フェライト磁性粉末と樹脂バインダーとを混合混練する際に凝集がほぐれる程度であるので、異方性ボンド磁石として成形するときの粉末配向は良好である。さらに配向性を向上させるために、反応生成物を再粉砕し、粉末同士の凝集を解くことができる。本処理方法であれば反応生成物を再粉砕しても、耐熱性や耐湿性は損なわれない。
【0026】
本発明において、希土類磁性粉末の耐熱性だけでなく耐湿性をも向上させる第二の方法は、R−Fe−N系磁性粉末の表面を燐酸塩皮膜で均一に被覆する方法である。例えばR−Fe−N系合金粉末を、燐酸を添加した有機溶剤中で、粉砕してから加熱処理を行う。粉砕に要する時間は、粉砕装置や、その運転条件にもよるが、例えば、媒体撹拌ミルであれば、1〜2時間とするのが好ましい。
この方法によれば、ボールミル等の媒体撹拌ミルによって磁石合金粉を粉砕する際に、燐酸を添加することにより、粉砕によって凝集粒子に新生面が生じても、瞬時に溶媒中の燐酸と反応し、粒子表面に安定な燐酸塩皮膜が形成される。また、その後、粉砕された磁性粉末が凝集しても、接触面はすでに安定化されており、解砕により腐食は生じない。この点が強磁性粉末へ燐酸で表面処理する従来技術とは決定的に異なる点である。すなわち、従来技術のように、磁性粉末が所望の粒径に粉砕された後に燐酸で表面処理するのでは、凝集によって接触した面に表面処理が十分には行われず、その結果、耐熱性と耐湿性を両立させることができない。
本発明の方法によれば、通常はR−Fe−N系磁性粉末表面の80%以上、好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上を燐酸皮膜で覆う(均一に被覆する)ことができる。
【0027】
燐酸としては、特に制限はなく、市販されている通常の燐酸、例えば、85%濃度の燐酸水溶液を使用することができる。燐酸の添加量は、粉砕後のR−Fe−N系磁性粉末の粒径、表面積等に関係するので一概には言えないが、通常は、粉砕するR−Fe−N系合金粉末に対して0.1〜2mol/kg、好ましくは0.13〜1.5mol/kgであり、さらに好ましくは0.15〜0.4mol/kgである。
すなわち、0.1mol/kg未満であるとR−Fe−N系磁性粉末の表面処理が不十分で、耐熱性と耐湿性が改善されず、また大気中で乾燥させると酸化・発熱して磁気特性が極端に低下する。2mol/kgを超えると、R−Fe−N系磁性粉末との反応が激しく起こって磁性粉末が溶解する。
有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、シクロヘキサン、トルエンなどが使用できるが、特にエタノール、イソプロパノールなどのアルコールが好ましい。
【0028】
こうして表面処理されたR−Fe−N系磁性粉末は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス中または真空中、100〜400℃の温度範囲で加熱処理する。温度範囲は、110〜250℃、特に130〜200℃が好ましい。100℃未満では、磁性粉末の乾燥が十分に進まず安定な表面皮膜の形成が阻害され、また、400℃を超える温度では、磁性粉末が熱的ダメージを受け、保磁力が低くなる。この加熱処理条件も、燐酸系表面処理に関する先行技術とは異なる重要なポイントである。
先行技術には、燐酸系表面処理液と反応させた磁性粉末スラリを、脱液処理後に大気乾燥し、さらに大気中で300〜450℃に加熱する方法、同様に脱液処理した後、大気中、常温又は70℃以下で加熱乾燥する方法、更には真空中、60〜100℃で乾燥する方法があるが、これらの方法では、磁性粉末への良好な耐熱性と耐湿性を両立させることができない。R−Fe−N系磁性粉末表面を保護するために必要な燐酸塩皮膜の厚さは、平均で3〜150nm、好ましくは5〜100nmである。皮膜の平均厚さが3nm未満では十分な耐熱性、耐湿性が得られず、また、150nmを越えると磁気特性が低下すると共にボンド磁石を作製する際の混練性、成形性が低下する。
【0029】
これらの処理方法は単独でも、また組み合わせてもよい。Znで処理してから、次に燐酸で処理する方法を採用すれば、燐酸塩の皮膜が厚くなるだけでなく、磁性粉末が均一に被覆されるため、相乗効果が得られ、一層好ましい結果が期待できる。
【0030】
B フェライト磁性粉末
フェライト磁性粉末は、本発明の希土類ハイブリッド磁石の角形比μHcB/Br(μ:真空の透磁率、HcB:保磁力、Br:残留磁束密度)を向上させるように選択する。
保磁力が310kA/m以上のフェライト磁性粉末を選択することによって、角形比μHcB/Brを65%以上にすることができる。希土類ハイブリッド磁石の製造工程では、フェライト磁性粉末は剪断力を受け、歪みによってその保磁力が大きく低下する。したがって原料のフェライト磁性粉末の保磁力が310kA/m未満では角型性が上がらない。
さらにフェライト磁性粉末として、その比表面積が1.5m/g以上、好ましくは2.0m/g以上、またその圧縮密度を3.3g/cc以下、好ましくは3.1g/cc以下となるものを選択すれば、角形比μHcB/Brを70%以上とすることができる。
【0031】
フェライト磁性粉末の保磁力は、日本ボンド磁石工業協会発行「ボンド磁石試験方法ガイドブックBMG−2002及び2005」に基づき評価される。また、比表面積は、BET比表面積を一点法で測定することで、さらに、圧縮密度は、金型に入れた磁性粉末を98MPaで加圧したときの見かけ密度を測定することによって評価される。
【0032】
フェライト磁性粉末はSrフェライト、Baフェライトのいずれでも構わないが、Srフェライトの方が角型性を高めることができる。特開2000−260614号公報に開示されているようなフェライト磁性粉末(A1−x)O・n((Fe1−yCo)(ここでAはSrおよび/またはBa、RはYを含む希土類元素の1種または2種以上でありLaを必ず含む、0.01≦x≦0.4、(x/(2.6n))≦y≦(x/(1.6n))、5≦n≦6で表される主成分組成を有する)も使用可能であるが、希土類元素及びCoが含まれるためハイブリッド磁石としてのコストパフォーマンスは低下する。
【0033】
本発明の希土類ハイブリッド磁石用組成物を異方性ボンド磁石として製造する場合、フェライト粉末は、個々の粉末が実質的に単結晶となっている異方性磁性粉末から選択することが望ましい。その選択にあたっては、磁界中成形工程での磁性粉末配向性を高めるために、アスペクト比の大きい板状の磁性粉末よりも比較的球状のものを選択することが望ましい。
【0034】
C 樹脂バインダー
樹脂バインダーは、特に限定されず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴムのいずれかが採用される。
【0035】
例えば熱可塑性樹脂であれば、6ナイロン、6、6ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、6、12ナイロン、芳香族系ナイロン、これらの分子を一部変性した変性ナイロン等のポリアミド樹脂;直鎖型ポリフェニレンサルファイド樹脂、架橋型ポリフェニレンサルファイド樹脂、セミ架橋型ポリフェニレンサルファイド樹脂;低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂、アイオノマー樹脂、ポリメチルペンテン樹脂;ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、メタクリル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリ三フッ化塩化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、エチレン−四フッ化エチレン共重合樹脂、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアリルエーテルアリルスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、酢酸セルロース樹脂、重合脂肪酸系ポリアミドエラストマーをはじめとする各種エラストマーや、ブチルゴムをはじめとするゴム類等が挙げられ、これらの単重合体や他種モノマーとのランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、他の物質による末端基変性品などが挙げられる。
【0036】
また、これら熱可塑性樹脂の2種類以上のブレンド等も当然含まれる。これら熱可塑性樹脂の溶融粘度や分子量は、所望の機械的強度が得られる範囲内で低い方が望ましく、形状は、パウダー、ビーズ、ペレット等、特に限定されないが、磁性粉末との均一混合性から考えるとパウダーが望ましい。
【0037】
熱硬化性樹脂であれば、エポキシ樹脂、ビニルエステル系エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フラン樹脂、熱硬化性ポリブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン樹脂、キシレン樹脂等が挙げられ、他種モノマーや、これら樹脂の2種類以上のブレンド等も当然含まれる。これら熱硬化性樹脂の粘度、分子量、性状等は、所望の機械的強度や成形性が得られる範囲内であれば特に限定されないが、磁性粉末との均一混合性や成形性の面からパウダー又は液状が望ましい。
【0038】
D 添加剤
本発明の組成物を製造するにあたり、添加剤としてカップリング剤、滑剤、安定剤などを使用すると、組成物の加熱流動性が向上し、成形性、磁気特性が向上する。
【0039】
カップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤が使用できる。シラン系カップリング剤としては、例えばビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γアミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0040】
チタン系カップリング剤としては、例えばイソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネートなどが挙げられ、樹脂バインダーの種類にあわせて選択され、それらの一種または二種以上を使用できる。
【0041】
滑剤としては、例えばパラフィンワックス、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、エステルワックス、カルナウバ、マイクロワックス等のワックス類、ステアリン酸、1,2−オキシステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸等の脂肪酸類;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸カルシウム、リノール酸亜鉛、リシノール酸カルシウム、2−エチルヘキソイン酸亜鉛等の脂肪酸塩(金属石鹸類);ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ジステアリルアジピン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ジオレイルアジピン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;ステアリン酸ブチル等の脂肪酸エステル;エチレングリコール、ステアリルアルコール等のアルコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、及びこれら変性物からなるポリエーテル類;ジメチルポリシロキサン、シリコングリース等のポリシロキサン類;弗素系オイル、弗素系グリース、含弗素樹脂粉末といった弗素化合物;窒化珪素、炭化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、二酸化珪素、二硫化モリブデン等の無機化合物粉体が挙げられる。これらは一種または二種以上のブレンドとして使用できる。
【0042】
また、安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−{3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,2,3−トリアザスピロ(4,5)ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、こはく酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}[{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン[{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、2−(3,5−ジ・第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)等のヒンダード・アミン系安定剤のほか、フェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系等の抗酸化剤等が挙げられる。
【0043】
2.希土類ハイブリッド磁石用組成物の製造方法、及びボンド磁石
本発明において、R−Fe−N系磁性粉末の飽和磁化は、1.2〜1.4Tであり、フェライト磁性粉末の飽和磁化は、0.35〜0.47Tである。飽和磁化は、パラフィンワックスと共に磁性粉末を加熱しながら磁界配向させ、冷却し、3200kA/m以上でパルス着磁した後、最大測定磁界1200kA/mの振動試料型磁力計で測定する。飽和磁化を換算するときの粉末の真密度は、R−Fe−N系磁性粉末で7.67Mg/m、フェライト磁性粉末で5.11Mg/mとする。
【0044】
本発明の希土類ハイブリッド磁石用組成物は、これを直径10mm、高さ7mmの成形体としたとき、80℃dry環境下に1000時間放置した場合、不可逆減磁率が−6%未満、好ましくは−4.5%未満であり、また、80℃90%RH環境下に300時間放置した場合、不可逆減磁率が−10%未満、好ましくは−5%未満であることを特徴とする。
80℃dry環境下に1000時間放置した場合に、不可逆減磁率が−6%を超えると耐熱性が不十分であり、また、80℃90%RH環境下に300時間放置した場合に、不可逆減磁率が−10%を超えると耐湿性の点で問題となる。
【0045】
最大エネルギー積が24〜74kJ/mである希土類ハイブリッド磁石用組成物においては、R−Fe−N系磁性粉末の含有率をX重量%、フェライト磁性粉末の含有率をY重量%とし、残部を樹脂バインダー(及び添加剤)としたとき、これらの構成比率を
(1)X≦80
(2)97.7−1.33X≦Y≦109.4−1.23X
(3)X+Y≦92
の条件を満足するように適宜設定することにより製造できる。
残部が樹脂バインダー(及び添加剤)であるから、その含有率は8重量%以上となる。樹脂バインダー(及び添加剤)の含有率が8重量%未満では、樹脂の種類によっては成形できないことがあり、一方、27重量%を超えると磁気特性に悪影響を与えるので好ましくない。
【0046】
この範囲内でXを小さく設定すれば、樹脂バインダーの含有率が小さくなるがフェライト磁性粉末の含有率が大きくなるため、原料コストが低減できコストパフォーマンスが向上する。他方Xを大きく設定すれば、樹脂バインダーの含有率を多くでき、組成物の流動性が向上する。しかしながら、Xが80を超えるとフェライトに比べて高価なR−Fe−N系磁性粉末の含有率が多くなり、コストパフォーマンスが低下する。
【0047】
Yの範囲は、(97.7−1.33X)重量%以上、(109.4−1.23X)重量%以下である。(97.7−1.33X)重量%未満では、最大エネルギー積が24kJ/m未満となり、(109.4−1.23X)重量%を超えると74kJ/mを超えてしまう。本発明者らは、最大エネルギー積ごとに、数多くの実験を重ね、XとYの関係をグラフ化するとともに、磁性粉末の構成比率による磁気特性、成形性の関係を詳細に検討し、上記Yが(2)の不等式で表されることを見出した。
この範囲内でX+Yを小さく設定すれば、磁性粉末全体の含有率が小さいので最大エネルギー積が小さくなるが、流動性が向上する。逆にX+Yを大きく設定すれば磁性粉末全体の含有率が多くなり、最大エネルギー積は大きくなるが流動性は低下する。
いずれの場合でも、X+Yが92を超えると、ボンド磁石を成形するときの流動性が低下し、成形性が著しく悪化するので、92以下とする必要がある。
【0048】
最大エネルギー積ごとに、X、Yの好ましい組成範囲を示すと、次のようになる。すなわち最大エネルギー積が24〜31kJ/mである希土類ハイブリッド磁石用組成物においては、Xが40以下、Yが(97.7−1.33X)≦Y≦(101.2−1.30X)、かつX+Yが92以下である範囲が好ましい。
また最大エネルギー積が30〜42kJ/mである組成物においては、Xが50以下、Yが(100.9−1.30X)≦Y≦(103.2−1.27X)、かつX+Yが92以下の範囲が好ましい。
また最大エネルギー積が40〜50kJ/mである組成物においては、Xが60以下、Yが(103.0−1.27X)≦Y≦(105.7−1.27X)、かつX+Yが92以下の範囲が好ましい。
また最大エネルギー積が48〜58kJ/mである組成物においては、Xが70以下、Yが(105.5−1.27X)≦Y≦(106.1−1.25X)、かつX+Yが92以下の範囲が好ましい。
また最大エネルギー積が56〜66kJ/mである組成物においては、Xが80以下、Yが(105.9−1.25X)≦Y≦(107.2−1.23X)、かつX+Yが92以下の範囲が好ましい。
更に、最大エネルギー積が64〜74kJ/mである組成物においては、Xが80以下、Yが(107.0−1.23X)≦Y≦(109.4−1.23X)、かつX+Yが92以下の範囲が好ましい。
なお上記の最大エネルギー積は、組成物を1600kA/m以上の配向磁界中で射出成形したボンド磁石で評価したときの値である。
【0049】
本発明の希土類ハイブリッド磁石用組成物を製造するには、R−Fe−N系磁性粉末、フェライト磁性粉末と樹脂バインダーなどを、例えばリボンブレンダー、タンブラー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の混合機、及びバンバリーミキサー、ニーダー、ロール、ニーダールーダー、単軸押出機、二軸押出機等の混練機を使用して混合・混練する。
この組成物を射出成形、圧延成形、押出成形、圧縮成形などから選択されたいずれかの方法により成形すれば、本発明のボンド磁石が得られる。本発明において、特に有効なのは射出成形である。
【0050】
なお、本発明で用いるR−Fe−N系磁性粉末は、個々の粉末が実質的に単結晶となっている異方性磁性粉末であるため、組成物を磁界中で成形するとR−Fe−N系磁性粉末の磁化容易方向が揃い、高い磁束密度をもつ異方性希土類ハイブリッド磁石が製造できる。フェライト磁性粉末についても同様で、異方性磁性粉末を選択し、磁界中で成形するとフェライト磁性粉末の磁化容易方向が揃い、高い磁束密度をもつ異方性希土類ハイブリッド磁石が製造できる。したがって、異方性のR−Fe−N系磁性粉末と異方性のフェライト磁性粉末とから製造された組成物を磁界中で成形して、最も高い磁束密度をもつ異方性希土類ハイブリッド磁石が得られる。
【0051】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0052】
1 希土類磁性粉末の製造
磁性粉末A
純度99.9wt%、粒度150メッシュ(タイラー標準、以下同じ。篩い目開き104μm)以下の電解Fe粉と、純度99wt%で平均粒度325メッシュ(篩い目開き43μm)以下の酸化Sm粉末と、純度99wt%の粒状金属Caとを、Vブレンダーを用いて混合した。得られた混合物をステンレス容器に入れ、アルゴン雰囲気下、1150℃で8時間加熱し還元拡散反応させた。
次いで反応生成物を、冷却してから水中に投入し崩壊させた。得られたスラリーを水洗し、さらに酢酸で酸洗浄して、未反応のCaと副生CaOを除去した。得られたスラリーを濾過し、エタノールで置換した後、真空乾燥して150μm以下のSm−Fe合金粉末を得た。
この粉末を管状炉中に装填し、アンモニア分圧0.35のアンモニア−水素混合ガス雰囲気中、465℃で6時間加熱(窒化処理)し、その後、アルゴンガス中、465℃で2時間加熱(アニール処理)し、24.6wt%Sm−3.6wt%N−bal.FeのSm−Fe−N系合金粉末を得た。この合金粉末をX線解析すると、菱面体晶系のThZn17型結晶構造の回折線(SmFe17金属間化合物)を示した。
このSm−Fe−N系合金粉末を、フィッシャー平均粒径1.6μmまで衝突板型ジェットミルを用いて微粉砕し、異方性のSm−Fe−N系磁性粉末Aを得た。磁性粉末Aの飽和磁化を測定すると1.37Tであった。
【0053】
磁性粉末B
磁性粉末Aとは別に、上記Sm−Fe−N系合金粉末に、3重量%のZn粉末を混合し、イソプロパノールを粉砕溶媒としたボールミルで、Sm−Fe−N系合金粉末が平均粒径1.5μmとなるように2時間かけて微粉砕した。その後、Arガス気流中、430℃で10時間熱処理し、室温まで冷却した後に取り出した。
得られたSm−Fe−N系磁性粉末Bには、凝集して塊状になった部分が見られたが、手で崩すことができる程度の固さだった。磁性粉末Bの飽和磁化を測定すると1.23Tであった。
【0054】
磁性粉末C
磁性粉末AおよびBとは別に、イソプロパノールを粉砕溶媒としたボールミルでSm−Fe−N系合金粉末が平均粒径1.5μmとなるように、2時間かけて微粉砕した。なお、ここではSm−Fe−N系合金粉末1kgあたり燐酸0.30molとなるように、85%オルト燐酸水溶液を粉砕溶媒に添加してから粉砕している。微粉砕後、真空中、150℃で2時間乾燥し、Sm−Fe−N系磁性粉末Cを得た。
この磁性粉末Cの飽和磁化を測定したところ1.35Tであった。また磁性粉末CをTEM観察したところ、その表面には平均で6nmの燐酸塩皮膜が均一に形成されていることが確認できた。
【0055】
磁性粉末D
上記の方法で得た磁性粉末Bを用い、Sm−Fe−N系合金粉末1kgあたり燐酸0.30molとなるように、85%オルト燐酸水溶液を粉砕溶媒(イソプロパノール)に添加してから、0.5時間かけて凝集が解砕される程度に粉砕した。微粉砕後、真空中、150℃で2時間乾燥し、Sm−Fe−N系磁性粉末Dを得た。
この磁性粉末Dの平均粒径は1.4μmであり、飽和磁化を測定すると1.26Tであった。また磁性粉末DについてTEM観察すると、その表面には平均で10nmの燐酸塩の皮膜が形成されていることが確認できた。
【0056】
2 耐熱性、耐候性の評価
耐熱性・・・直径が10mm、高さが7mmのサイズに成形した希土類ハイブリッド磁石を、3350kA/mのパルス磁界で着磁した後、80℃dry環境下に1000時間放置し、その後常温に冷却したとき不可逆減磁率を測定し、耐熱性を評価した。この絶対値が小さいほど耐熱性が良好である。
耐湿性・・・上記と同様に希土類ハイブリッド磁石を着磁した後、80℃90%RH環境下で300時間放置し、その後常温に冷却したときの不可逆減磁率を測定し、耐湿性を評価した。この絶対値が小さいほど耐湿性が良好である。
【0057】
(実施例1)
上記の方法により製造したSm−Fe−N系磁性粉末B、C又はDと、異方性のSrフェライト磁性粉末に、樹脂バインダーとして12ポリアミド樹脂を混合し、ラボプラストミル混練することによって希土類ハイブリッド磁石用組成物を得た。ここでSrフェライト磁性粉末は、飽和磁化0.40T、保磁力358kA/m、比表面積2.65m/g、圧縮密度2.95g/ccのものである。Sm−Fe−N系磁性粉末の含有率Xは40重量%以下、Yは表1に示す含有率とした。なお残部は樹脂バインダーである。
【0058】
混練温度は200〜220℃とし、混練後に組成物を取り出し空冷した。これをプラスチック粉砕機により粉砕し、組成物ペレットとした。この組成物の磁気特性を評価するために、φ10×7mmの円柱状金型キャビティの7mm方向に1600kA/mの配向磁界をかけながら、組成物を射出成形してハイブリッド磁石(ボンド磁石)を製造した。ここでシリンダー温度は200〜220℃、金型温度は80℃とした。得られたボンド磁石を7mm方向に3350kA/mのパルス磁界で着磁した後、その最大エネルギー積(BH)max.を自記磁束計で測定した。
その結果と密度を表1に示す。さらにこれらの希土類ハイブリッド磁石について耐熱性と耐湿性を評価した。結果を表1に併記した。
【0059】
【表1】
Figure 0004096531
【0060】
(比較例1)
上記の磁性粉末B,C又はDに代えて、表1に示した磁性粉末Aを用い、実施例1と同様にして、希土類ハイブリッド磁石用組成物、ボンド磁石を得た。磁性粉末Aの含有率Xは40重量%以下、フェライト磁石の含有率Yは表1に示したとおりである。磁気特性、耐熱性、耐湿性の結果も表1に示した。
【0061】
(実施例2)
実施例1と同様に、磁性粉末B,C又はDを用いて、表2に示す本発明の希土類ハイブリッド磁石用組成物を得た。磁性粉末B,C又はDの含有率Xは50重量%以下、フェライト磁石の含有率Yは表2のとおりである。磁気特性、耐熱性、耐湿性の結果も表2に示した。
【0062】
【表2】
Figure 0004096531
【0063】
(比較例2)
上記の磁性粉末B,C又はDに代えて、磁性粉末Aを用い、実施例1と同様にして、表2の希土類ハイブリッド磁石用組成物を得た。磁性粉末Aの含有率Xは50重量%以下、フェライト磁石の含有率Yは表2のとおりである。磁気特性、耐熱性、耐湿性の結果も表2に示した。
【0064】
(実施例3〜5)
実施例1と同様に、磁性粉末B,C又はDを用いて、表3〜5に示す本発明の希土類ハイブリッド磁石用組成物を得た。磁性粉末B,C又はDの含有率Xは60重量%以下(実施例3)、70重量%以下(実施例4)、80重量%以下(実施例5)とし、フェライト磁石の含有率Yは表3〜5に示したとおりである。磁気特性、耐熱性、耐湿性の結果も表3〜5に示した。
【0065】
【表3】
Figure 0004096531
【0066】
【表4】
Figure 0004096531
【0067】
【表5】
Figure 0004096531
【0068】
(比較例3〜5)
磁性粉末Aを用い、実施例1と同様にして、表3〜5に示した希土類ハイブリッド磁石用組成物を得た。磁性粉末Aの含有率Xは60重量%以下(比較例3)、70重量%以下(比較例4)、80重量%以下(比較例5)とし、フェライト磁石の含有率Yは表3〜5に示したとおりである。磁気特性、耐熱性、耐湿性の結果も表3〜5に示した。
【0069】
実施例6
実施例1〜5で使用した電解Fe粉の10重量%を、粒度150メッシュ(篩い目開き104μm)以下のCo粉で置換した以外は同様にして、25wt%Sm−7.2wt%Co−bal.Fe合金粉末(磁性粉末A’)を製造し、これを窒化処理して、菱面体晶系のThZn17型結晶構造の回折線(Sm(Fe、Co)17金属間化合物)を示す24.6wt%Sm−3.5wt%N−7.1wt%Co−bal.FeのSm−(Fe、Co)−N合金粉末を得た。
【0070】
このSm−(Fe、Co)−N合金粉末を、Zn表面処理又は燐酸系表面処理した磁性粉末B’、磁性粉末C’を用いた以外は実施例1と同様にして、希土類ハイブリッド磁石用組成物のペレットを製造し、φ10×7mmの円柱状希土類ハイブリッド磁石(ボンド磁石)を得た。ここで得られたSm−(Fe、Co)−N磁性粉末の飽和磁化は、磁性粉末B’で1.23T、磁性粉末Cで1.36Tであった。また磁性粉末C’についてTEM観察したところ、その表面には平均で7nmの燐酸塩皮膜が均一に形成されていることが確認できた。
用いたSm−(Fe、Co)−N磁性粉末の種類と、各磁性粉末の含有率XとYを表6に示す。また磁石の最大エネルギー積(BH)max.と密度、および耐熱性と耐湿性の評価結果も表6に示す。
【0071】
【表6】
Figure 0004096531
【0072】
以上の実施例すべてにおいて、80℃dry1000時間後の不可逆減磁率が−6%未満であり、かつ80℃90%RH300時間後の不可逆減磁率が−10%未満であることが分かる。さらに実施例1〜5によって、Xが80以下、Yが(97.7−1.33X)≦Y≦(109.4−1.23X)であり、かつX+Yが92以下となるように磁性粉末の構成比率(含有率)を設定すれば、最大エネルギー積が24〜74kJ/mの希土類ハイブリッド磁石組成物が得られることが分かる。また実施例6によれば、Sm−(Fe、Co)−N系磁性粉末でも目標の磁気特性が得られることが分かる。
これに対して、比較例1〜5では、すべてにおいて耐熱性が低下するだけでなく、耐湿性が劣り、成形できない場合もあることが分かる。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、R−Fe−N系磁性粉末とフェライト磁性粉末とからなる希土類ハイブリッド磁石用組成物において、耐熱性、耐湿性が良好で、最大エネルギー積が24〜74kJ/mである希土類ハイブリッド磁石(ボンド磁石)を製造することができる。従来のSm−Co系磁性粉末、Nd−Fe−B系磁性粉末を用いたものに比べて、同等の磁気特性を得る場合でも高価な希土類磁性粉末含有量が少なくて済み、その工業的価値は極めて大きい。

Claims (5)

  1. 希土類磁性粉末(A)、フェライト磁性粉末(B)及び樹脂バインダー(C)を含有する希土類ハイブリッド磁石用組成物において、
    希土類磁性粉末(A)は、希土類元素と、鉄又は鉄及びコバルトと、窒素とを主成分とするThZn17型結晶構造をもち、かつその表面に平均5〜100nmの燐酸塩皮膜が均一に被覆され、
    フェライト磁性粉末(B)は、Srフェライト、Baフェライト、又は(A 1−x )O・n((Fe 1−y Co )(ここで、AはSrおよび/またはBa,RはYを含む希土類元素の1種または2種以上でありLaを必ず含む、0.01≦x≦0.4、(x/(2.6n))≦y≦(x/(1.6n))、5≦n≦6で表される主成分組成を有する)フェライト磁性粉末から選ばれる少なくとも1種からなり、かつ保磁力が310kA/m以上、比表面積が1.5m/g以上、圧縮密度が3.3g/cc以下であり、
    さらに、該組成物中の希土類磁性粉末(A)の含有率をX(重量%)、フェライト磁性粉末(B)の含有率をY(重量%)とすると、これらが下記の要件(1)〜(3)を満たし、組成物の最大エネルギー積が24〜74kJ/mであることを特徴とする希土類ハイブリッド磁石用組成物。
    (1)X≦80
    (2)97.7−1.33X≦Y≦109.4−1.23X
    (3)X+Y≦92
  2. 希土類磁性粉末(A)は、その表面に、亜鉛(Zn)処理の後に燐酸処理が施されることを特徴とする請求項1に記載の希土類ハイブリッド磁石用組成物。
  3. 80℃dry環境下に1000時間放置されたときの不可逆減磁率が−6%未満であり、かつ80℃90%RH環境下に300時間放置されたときの不可逆減磁率が−10%未満であることを特徴とする請求項1に記載の希土類ハイブリッド磁石用組成物。
  4. 希土類磁性粉末(A)を、予め燐酸を添加したアルコール系粉砕溶媒中で所定の平均粒径に粉砕した後、不活性ガス中または真空中、100〜400℃の温度範囲で加熱処理することで表面に燐酸塩皮膜を形成し、これに所定量のフェライト磁性粉末(B)を配合し、さらに樹脂バインダー(C)を混合、混練することにより、組成物の最大エネルギー積を24〜74kJ/mとすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の希土類ハイブリッド磁石用組成物の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の希土類ハイブリッド磁石用組成物を成形してなるボンド磁石。
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