JP6980207B2 - 希土類鉄窒素系磁性粉末とその製造方法 - Google Patents
希土類鉄窒素系磁性粉末とその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6980207B2 JP6980207B2 JP2017167235A JP2017167235A JP6980207B2 JP 6980207 B2 JP6980207 B2 JP 6980207B2 JP 2017167235 A JP2017167235 A JP 2017167235A JP 2017167235 A JP2017167235 A JP 2017167235A JP 6980207 B2 JP6980207 B2 JP 6980207B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rare earth
- powder
- nitrogen
- earth iron
- magnetic powder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
- Hard Magnetic Materials (AREA)
Description
中でもRとしてSm、x=3のSm2Fe17N3を主相化合物とする磁性粉末は、高性能の永久磁石用磁性粉末で、ポリアミド12やエチレンエチルアクリレートなどの熱可塑性樹脂、あるいはエポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂をバインダーとするボンド磁石として多方面で応用されている。
しかしながら、この場合、得られた粉末の耐熱性は改善されるが、保磁力を高めると磁化が低下してしまう問題点があった。非特許文献1、2には、添加元素が主相の磁化を低下させると示されており、特許文献1の場合、実施例1では保磁力6.6kOe(0.53MA/m)の粉体の飽和磁化が84emu/g(84Am2/kg)であるが、実施例4ではMnを増量した結果、保磁力7.5kOe(0.60MA/m)となり温度特性も向上したが、飽和磁化が72emu/g(72Am2/kg)に低下している。
一方、セル状微結晶粒とは別に、特許文献3および4には、Sm2(Fe,Mn)17N3化合物結晶相の内部にMnおよびNの濃度が高く長短のあるワイヤー状形態をしたアモルファス相がランダムないし規則的に存在する金属組織を呈することでも高い耐熱性が得られることが示されている。
還元拡散法による磁石粉末の製造に関して、特許文献2には、希土類金属(R)と遷移金属(TM)を含む母合金を、平均粒径が1〜10μmの粉末に粉砕する工程、粉砕された母合金粉末に希土類酸化物粉末と還元剤とを混合し、不活性ガス中800〜1200℃の温度で加熱処理する工程、得られた反応生成物を水素ガス雰囲気中で脆化・粉砕する工程、得られた反応生成物粉末を窒素またはアンモニアを用いて窒化し磁石合金粉末を得る工程を含む製造方法が記載され、これにより機械的粉砕が不要なほどに粒度分布の狭い希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末を得ることができ、耐熱性、耐候性だけでなく磁気特性にも優れた磁石粉末が得られている。
そのため、樹脂そのものの耐熱性が高い、ポリフェニレンサルファイド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂をバインダーとする高性能・高耐熱ボンド磁石の調製に、原料粉末として使用でき、高温での成形が可能になる。また、磁性粉末を圧粉成形し焼結した磁石においても、従来のような保磁力劣化が抑制されバインダレスの高性能磁石が可能となる。
本実施の形態に係る希土類鉄窒素系磁性粉末は、希土類元素R、鉄Fe、窒素Nを主構成成分とし、Th2Zn17型、Th2Ni17型、TbCu7型のいずれかの結晶構造を有する平均粒径が1〜10μmの磁性粉末であって、コア部となる粒子表面に、平均的な組成としてFeの2〜20原子%がMnで置換され、Nが15〜24原子%である、厚みが10nm以上で粉末平均粒径の10%未満の層(シェル層)が形成されている。
一方、セル状微結晶粒とは別に、前記特許文献3および4によれば、Sm2(Fe,Mn)17N3化合物結晶相の内部にMnおよびNの濃度が高く長短のあるワイヤー状形態をしたアモルファス相がランダムないし規則的に存在する金属組織を呈することでも高い耐熱性が得られることが示されている。
ここで磁性粉末の平均粒径が1μm未満では取扱いが困難であり、また粒子全体積に占める磁気特性の高いコアの体積比率が小さくなって磁気特性を高めにくい。また10μmより大きくなると磁性材料として十分高い保磁力Hcを得にくい。好ましい平均粒径は1〜10μmであり、より好ましい平均粒径は2〜9μmである。
ここで「平均的な組成」というのは、シェル層が上述した、セル状微結晶粒とアモルファス境界層とからなる金属組織、またはSm2(Fe,Mn)17N3化合物結晶相の内部に長短のあるワイヤー状形態をしたアモルファス相がランダムないし規則的に存在する金属組織のいずれか、あるいは両方の金属組織を呈するときがあり、いずれの金属組織でもアモルファス相は、周囲の結晶相に比べてMnおよびNの濃度が高いため、結晶相とアモルファス相の両方の組成が、どちらかに偏ることなく全体として捉えられるように評価した組成という意味である。
すなわち、いわゆるニュークリエーション型の保磁力機構を持つSm2Fe17N3磁性粉末では、Mnは主相Sm2Fe17N3化合物のFeを置換する形で存在すると考えられ、主相の磁化を低下させることから、添加元素によって耐熱性が改善されても磁気特性が低下するが、本発明の磁性粉末は、コア部にMnが存在せず、シェル層への添加元素によって耐熱性が改善され、かつ磁気特性が低下しない。
本発明の希土類鉄窒素系磁性粉末は、特定の条件を採用する還元拡散法やプラズマ蒸着法などにより製造できる。
本発明では、この還元拡散処理の工程で、R2Fe17希土類鉄合金粉末の100重量部に対して、希土類酸化物粉末とMn酸化物粉末とがそれぞれ1〜20重量部の割合となり、金属Caが、R2Fe17希土類鉄合金粉末に含有される酸素、希土類酸化物粉末とMn酸化物粉末の還元に必要な量に対して1.1〜10倍となるように混合し、730〜1000℃の温度範囲、かつCaによって還元されたMnがR2Fe17希土類鉄合金粉末中心まで拡散しない条件にて加熱処理し、R2Fe17希土類鉄合金がコア部となり、その表面でMnの拡散反応を促進させてR2(Fe、Mn)17シェル層を形成させる。
そして、得られた還元拡散反応生成物を必要により解砕した後、アンモニアと水素の混合ガス、窒素ガス、アンモニアと窒素の混合ガス、窒素と水素の混合ガス、またはアンモニアと窒素と水素の混合ガスを供給し、この気流中で該反応生成物を300〜500℃の温度で所定の時間窒化熱処理する工程と、次に得られた窒化熱処理生成物の塊を水中に投入して湿式処理し崩壊させ、得られた磁石粗粉末を粉砕機に装入し解砕・微粉末化する工程をさらに含んでいる。
まず、原料物質として、R2Fe17希土類鉄合金粉末、希土類酸化物粉末、Mnの酸化物粉末を用意する。
R2Fe17希土類鉄合金粉末は、磁性粉末のコアになる原料で、その平均粒径が0.5〜10μmであって、本発明の希土類鉄窒素系磁性粉末の目標粒径に対して90%未満であるのが望ましい。R2Fe17希土類鉄合金粉末を製造するには、公知技術である還元拡散法、あるいは溶解鋳造法、液体急冷法などによることができる。
冷却後の溶液に、キシレンの2〜5倍量の容積のメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコールを加えてさらに攪拌するとMn3O4微粒子コロイドが凝集し沈殿する。この沈殿を遠心分離器にかけて可能な限り上澄みを除去する。これに同量のアルコールを加えて攪拌し、再び遠心分離器にかけて上澄みを捨てる。
この操作を繰り返して、最終的に得られるMn3O4微粒子中のC量が1質量%以下、好ましくは0.1質量%以下になるようにする。上澄みを捨てた沈降物を減圧加熱乾燥すれば乾燥粉末が得られるが、凝集しやすいため、この沈降物のまま湿式でR2Fe17希土類鉄合金粉末、希土類酸化物粉末と混合し、混合物を乾燥してから還元剤を加えるのが望ましい。
本発明では、平均粒径が0.5〜10μmのR2Fe17希土類鉄合金粉末と、所望の希土類酸化物粉末、Mnの酸化物粉末、及び/または希土類マンガン複合酸化物粉末との混合操作が重要で、均一なシェル層を付与するには酸化物原料の粒度をなるべく微細にするとともに均一に分散させる必要がある。
乾式の混合機としては、不活性ガス雰囲気中で、ヘンシェルミキサー、コンピックス、メカノハイブリッド、メカノフュージョン、ノビルタ、ハイブリダイゼーションシステム、ミラーロ、タンブラーミキサー、シータ・コンポーザ、スパルタンミキサーなどが用いられる。湿式の混合機としては、ビーズミル、ボールミル、ナノマイザー、湿式サイクロン、ホモジナイザー、ディゾルバー、フィルミックスなどが用いられる。
この際、微粉混合物中の含有水分量が1質量%未満であることが望ましく、そのため含まれる水分だけでなく炭素を十分に除去するために減圧で乾燥させることが望ましい。
本発明において含有水分量とは、乾燥後の混合粉末の含有不純物量であり、試料50gを真空中400℃で5時間加熱したときの減量αを測定したものである。水分が主体であるため含有水分量と呼ぶが、混合時に用いられる有機溶媒、分散助剤、取扱いプロセスの種類によっては炭素も含まれうる。これらの総量を、試料50gを真空中400℃で5時間加熱したときの減量αとして評価し、それが1質量%未満になるようにする。これら水分、炭素化合物の和が1質量%以上になると、還元拡散処理中に水蒸気や炭酸ガスとなって還元拡散反応に悪影響を及ぼすことがある。
還元拡散処理では、R2Fe17希土類鉄合金粉末の含有酸素、希土類酸化物粉末、Mnの酸化物粉末、またはこれらの複合酸化物粉末の還元剤として、Mg、Ca、SrまたはBaおよびこれらの水素化物から選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属が用いられる。これらの中では特にCaが有用であるので、以下Caを例に記述する。またこれらの還元剤は粒状で供給されることが多いが、0.5〜10mmのものを使用するのが望ましい。
希土類酸化物粉末が1重量部未満であると、還元拡散処理後にR2Fe17希土類鉄合金粉末表面にFeおよび/またはMnリッチ相が生成し、最終的に得られる希土類鉄窒素系磁性粉末の保磁力が低下する。一方で、希土類酸化物粉末が20重量部を超えるとR2Fe17希土類鉄合金よりもRリッチなRFe3および/またはRFe2化合物が多く生成し、最終的に得られる希土類鉄窒素系磁性粉末の収率が低下する。Mn酸化物粉末が1重量部未満であると最終的に得られる希土類鉄窒素系磁性粉末の耐熱性が改善されず、20重量部を超えると優れた磁気特性を得ることができない。一方、Caが1.1倍未満であると酸化物が還元された後に拡散が進みにくく、10倍を超えるとCaに起因する残留物が多くなりその除去に手間がかかるために好ましくない。
R2Fe17希土類鉄合金粉末に、希土類酸化物粉末、Mn酸化物粉末を混合した粉末の含有水分量が1質量%を超えると、還元拡散処理中に水蒸気や炭酸ガスとなってCaを酸化させ、還元拡散反応を抑制し、最終的に得られる希土類鉄窒素系磁性粉末にα‐Feが生成して優れた磁気特性が得られないことがある。混合粉末は十分に減圧乾燥することが望ましい。
得られた混合物は、鉄製るつぼに装填し、該るつぼを反応容器に入れ電気炉に設置する。混合から電気炉への設置まで、可能な限り大気や水蒸気との接触を避けるのが好ましい。混合物内に残留する大気や水蒸気を除去するため、反応容器内を真空引きしてHe、Arなどの不活性ガスで置換することが好ましい。
730℃より低い温度ではCaで希土類酸化物やMn酸化物の還元は進んでも、R2Fe17希土類鉄合金粉末表面での拡散反応によるシェル層の形成が進み難く、最終的に得られる磁性粉末において耐熱性の向上が望めない。一方、1000℃を超えると、還元されたMnがR2Fe17希土類鉄合金粉末の中心部にまで拡散してしまい所期の厚みを持ったシェル層が得られず、最終的に得られる磁性粉末において耐熱性の向上が望めない。
次に、還元拡散処理の反応生成物に対して、窒化熱処理を施す。窒化熱処理には、公知の方法を用いることができ、例えば、N2ガス雰囲気、N2ガスとH2ガスの混合雰囲気、NH3ガス雰囲気、NH3ガスとH2ガスの混合雰囲気、NH3ガスとN2ガスの混合ガス雰囲気、NH3ガスとN2ガスとH2ガスの混合ガス雰囲気が採用できる。
このとき加熱温度が300℃未満では窒化が進まず、一方、500℃を超えると合金が希土類元素の窒化物と鉄に分解するので好ましくない。好ましいのは、350〜480℃であり、より好ましいのは、400〜450℃である。
この雰囲気の切替えにあたっては、一旦温度を下げて、切り替えた雰囲気中で再度昇温してもよいし、温度を下げることなく所定の温度に保ったままで雰囲気ガスのみを切り替えてもよい。シェル層が所定のN量になったら、N2ガス雰囲気またはArガス雰囲気に切り替えて冷却する。なお冷却前に、N2ガス雰囲気またはArガス雰囲気で磁石粉末を加熱すれば、磁石粉末に過剰に導入された窒素や水素を排出させることができる。
このような金属組織の構造が形成される製造条件については、まだ十分に解明されたわけではないが、還元拡散反応生成物の希土類元素、Fe、Mnを成分とする菱面体晶または六方晶の結晶構造を有する相からなる主相に何らかの構造欠陥が生じると、これを起点として、その後の窒化により、主相内部でアモルファス相がワイヤー状形態となるものと考えられる。
次に、窒化熱処理後に冷却し回収された反応生成物を水中に投入し、0.1〜24時間放置すると、細かく崩壊しスラリー化する。このときスラリーのpHは10〜12程度であり、pHが10以下になるまで注水、攪拌と上澄み除去のデカンテーションを繰り返す。その後、スラリーのpHが5〜6になるように酢酸などの酸を添加しスラリー中のCa(OH)2を溶解除去する。スラリー中にRFe3および/またはRFe2化合物由来の余剰窒化物が含まれている場合には、pHが5〜6を保つように酸を添加しながら攪拌洗浄を続けて、これら余剰窒化物も溶解除去する。その後、残留する酸成分を水で洗浄除去してから固液分離し乾燥する。乾燥は、真空中または不活性ガス雰囲気中で、100〜300℃、好ましくは150〜250℃に加熱して行う。
このようにして得られた粉末は、希土類元素R、鉄Fe、窒素Nを主構成成分とし、Th2Zn17型、Th2Ni17型、TbCu7型のいずれかの結晶構造を有する平均粒径が1〜10μmの磁性粉末であって、粒子表面に、結晶構造は同じであるがFeの2〜20原子%がMnで置換されNが16〜24原子%である、厚み10〜1000nmの層(シェル層)が形成された磁性粉末となっている。
本発明では、アークプラズマでRとMnターゲットから蒸発させたRとMnの微粒子をR2Fe17合金微粉末表面に付着させ拡散処理するプラズマ蒸着法で、表面層にR2(Fe,Mn)17シェル層を形成し、その後、窒化熱処理することで本発明の希土類鉄窒素系磁性粉末を得ることができる。
本発明のボンド磁石は、上記のようにして得られた希土類鉄窒素系磁性粉末を、樹脂バインダーと混合してボンド磁石用コンパウンドとし、これを射出成形、押出成形、又は圧縮成形したものである。特に好ましい成形方法は、射出成形である。
ボンド磁石用コンパウンドが異方性の磁性粉末を含有する場合には、成形機の金型に磁気回路を組み込み、コンパウンドの成形空間(金型キャビティ)に配向磁界がかかるようにすると、異方性のボンド磁石が製造できる。このとき配向磁界は、400kA/m以上、好ましくは800kA/m以上とすることによって高い磁気特性のボンド磁石が得られる。ボンド磁石用コンパウンドが等方性の磁性粉末を含有する場合には、コンパウンドの成形空間(金型キャビティ)に配向磁界をかけないで行う。
実施例、比較例における、粉末の平均粒径、および希土類鉄窒素系磁性粉末の磁気特性や耐熱性を以下のように評価した。
粉末の平均粒径は、特別に記述した場合を除いて、レーザー回折粒度分布計(株式会社日本レーザー製,HELOS&RODOS)で測定された50%粒子径(D50)とした。また混合粉末の場合には、SEM反射電子像において、そのコントラストからそれぞれの成分粒子を判別し、任意に選んだ100粒子の長軸径の平均値を平均粒径とした。
粉末の磁気特性(残留磁化σrと保磁力Hc)は、振動試料型磁力計で測定した。その際、20mgほどの粉末試料を内径2mm長さ7mmの透明アクリルでできたケースにパラフィンと一緒に入れて、長さ方向に磁界を印加しながら、ドライヤーなどで加熱してパラフィンを溶かし、粉末を配向させたのち、パラフィンを固めて作製した。
粉末の耐熱性は、粉末を油回転ポンプによる1Paの減圧真空下300℃で1時間加熱し、加熱前後の保磁力を比較することで評価した。
粉末の結晶構造については、Cuターゲットで加速電圧45kV、電流40mAとし、2θを2min./deg.でスキャンした粉末X線回折(XRD)パターンを解析して評価した。
粉末のシェル層のMnとN組成は、X線光電子分光装置により算出される。本実施例においてはX線光電子分光装置としてESCALAB220i−XL、VG Scientificを用いて評価した。粉末から直径10mm高さ2mm程度の圧粉体試料を作製し、直径10mmの圧粉体面内について直径600μmの領域を表面からArエッチングしながら深さ方向に分析した。得られたスペクトルにおいて、各元素のピーク面積強度にVG Scientificの相対感度係数を乗じ算出した半定量分析結果を基に、Sm、Fe、Mn、Nで合計100原子%として、Feに対するMnの置換量であるMn/(Fe+Mn)原子比と、N原子%を算出し評価した。
シェル層の平均厚みと金属組織は、FIB加工して薄片化した試料について、透過型電子顕微鏡TEM(HF−2200、日立ハイテクノロジーズ)で観察評価した。平均厚みについては、EDS線分析(VANTAGE、Noran)した結果から評価した。
平均粒径(D50)が2.3μmの酸化サマリウムSm2O3粉末0.44kg、平均粒径(D50)が40μmの鉄粉1.0kg、粒状金属カルシウム0.23kgをミキサー混合し、鉄るつぼに入れて、アルゴンガス雰囲気下、1100℃で7時間加熱処理した。
冷却後に取り出した反応生成物を2Lの水中に投入してアルゴンガス雰囲気中、12時間放置しスラリー化した。このスラリーの上澄みを捨て、新たに水を2L加えて攪拌し、SmFe合金粉が沈降したところで水酸化カルシウムが懸濁する上澄みを捨てる。この操作をpHが10以下になるまで繰り返した。次に合金粉と水2Lとが攪拌されている状態でpHが5になるまで酢酸を添加し、その状態で30分間攪拌を続けた。その後、上澄みを捨てて再び水2Lを加え攪拌する操作を5回行い、最後にアルコールで水を置換した後、ヌッチェで合金粉を回収した。これをミキサーに入れて、減圧しながら400℃で10時間攪拌乾燥し、平均粒径が28μmのSm2Fe17合金粉末1.3kgを得た。
この合金粉は、平均粒径(D50)が30μmで、Smが24.5質量%、Oが0.15質量%、Hが0.54質量%、Caが0.01質量%未満、残部鉄の組成を持ち、主相がTh2Zn17型結晶構造のSm2Fe17である。また含有水分量として、この合金粉末50gを真空中400℃で5時間加熱したときの減量αを測定したところ0.1質量%だった。
上記の方法で作製されたSm2Fe17合金粉末700gをジェットミルに装入し、N2ガスをキャリアガスとして用いて、平均粒径(D50)3.3μmになるまで粉砕した。得られたSm2Fe17合金微粉末500g秤量し、平均粒径(D50)が1.5μmの酸化サマリウムSm2O3粉末33.0gと、平均粒径(D50)が0.3μmのMn3O4粉末13.0gを、メカノフュージョンにてArガスをフローしながら2500rpm20min混合した。回収された混合物の含有水分量を、混合粉末50gを真空中400℃で5時間加熱したときの減量αとして求めると、0.2質量%だった。混合物の平均粒径は、SEM観察により、Sm2Fe17合金粉末で3.0μm、酸化サマリウムで0.3μm、Mn3O4粉末で0.1μmだった。
この混合粉末に対してArガス雰囲気中で1〜2mmの粒状金属カルシウム140gを加えてロッキングミキサーで30min混合し、還元拡散処理として、鉄るつぼに入れてArガス雰囲気下で加熱し、840℃で1.5時間保持して冷却した。
回収された反応生成物を10mm以下になるよう解砕し、窒化熱処理として、管状炉に入れてNH3ガス0.2L/min、H2ガス0.2L/minの混合ガス気流中で昇温し、420℃で250min、その後、同じ温度でArガス0.2L/minの気流中に切り替えて60min保持して冷却した。
冷却後に管状炉から回収された窒化反応生成物を、1Lの水中に投入しArガス雰囲気中12時間放置しスラリー化した。このスラリーの上澄みを捨て、新たに水を1L加えて攪拌し、窒化合金粉が沈降したところで水酸化カルシウムが懸濁する上澄みを捨てる。この操作をpHが10以下になるまで繰り返した。次に窒化合金粉と水1Lとが攪拌されている状態でpHが6になるまで酢酸を添加し、その状態で5分間攪拌を続けた。その後、上澄みを捨てて再び水1Lを加え攪拌する操作を5回行い、最後にアルコールで水を置換しろ過したケーキをミキサーに入れて減圧しながら140℃で1時間攪拌乾燥した。
得られた窒化合金粉100gを、直径0.2mmのアルミナボールを媒体、400gのエチルアルコールを溶媒とし、2gのリン酸水溶液を加えて媒体攪拌ミルで解砕し、ろ過したスラリーを減圧下140℃で1時間乾燥した。
以上の作製条件を表1に示す。
このようにして得られた希土類鉄窒素系磁性粉末は、Th2Zn17型の結晶構造で、TEM観察により表面にSm2(Fe1−xMnx)17Ny層を有するコアシェル構造を有するものであることが確認された。そしてこのシェル層には、セル状微結晶粒とアモルファス境界層とからなる金属組織と、Sm2(Fe,Mn)17N3化合物結晶相の内部にMnおよびNの濃度が高く長短のあるワイヤー状形態をしたアモルファス相がランダムないし規則的に存在する金属組織とが観察された。また、燐酸系化合物被膜の厚みは、シェル層の厚みよりも薄い、5〜20nmであった。
磁性粉末の平均粒径(D50)、残留磁化σr、保磁力Hc、シェル層の平均厚み、Mn/(Fe+Mn)原子比、N原子%を表2に示す。またこの磁性粉末の耐熱性として、保磁力Hcと300℃1時間加熱した後の保磁力Hc,300の比であるHc,300/Hcの値を表2に示す。
(Mn3O4微粒子の作製)
まず実施例1で用いたMn3O4粉末に代わる、Mn3O4微粒子を作製するため、オレイルアミン100重量部に対して、ステアリン酸を20重量部、酢酸マンガン4水和物を9重量部だけ秤量し、オレイルアミンの容積の5倍量のキシレンに溶解した。90℃のオイルバスで加温しながら攪拌し、6重量部のイオン交換水を滴下してそのまま3時間保持した後、冷却した。冷却後の溶液に、キシレンの2倍量の容積のエタノールを加えて攪拌し、その後10000rpmで5分間遠心分離器にかけて上澄みを除去した。これに同量のイソプロピルアルコールを加えて攪拌し、再び10000rpmで5分間遠心分離器にかけて上澄みを捨てる。この操作を3回繰り返した。この処理物0.5gを100℃で減圧乾燥し、得られた粉末の成分をEDS分析したところMn、Oが検出され、粉末X線回折でMn3O4に相当するピークが確認された。またそのTEM観察写真からSEM同様に解析したところ平均粒径D50は6nmだった。したがって得られる粉末は、平均粒径6nmのMn3O4微粒子と理解される。
(希土類鉄窒素系磁性粉末の作製)
実施例1と同じSm2Fe17合金粉末500gに対して、平均粒径(D50)が2.3μmの酸化サマリウム30.3gをロッキングミキサーで予備混合し、その混合物を2kgのフッ素系不活性液体を溶媒として媒体攪拌ミルで粉砕した。このとき粉砕を開始した直後に上記により作製した平均粒径6nmのMn3O4微粒子を1.1g含むスラリーを加えて、全体が均一に混合されるよう粉砕した。
粉砕後のスラリーをミキサーに入れ減圧しながら加温して溶媒を蒸発させ冷却した。その後、ミキサーで攪拌を続けながら酸素濃度2体積%の窒素ガスをフローし、混合粉末の酸化発熱が40℃を超えないよう注意しながら酸素濃度を徐々に15体積%まで高めた。発熱が終了したのを確認し粉砕混合物を回収した。次に、回収された粉砕混合物を管状炉に入れて真空中300℃で加熱したところ、ガス放出による真空度の悪化が確認された。ガスの発生が終わり、真空度が戻ったところで冷却して取り出した。この粉砕混合物をSEMおよびTEM観察したところ、Sm2Fe17合金粉末で1.3μm、酸化サマリウムで0.08μm、Mn3O4微粒子で0.006μmだった。また混合物50gを真空中400℃で5時間加熱したときの減量αは0.4質量%だった。
この粉砕混合物に粒状金属カルシウム100gを加えてさらに混合し、鉄るつぼに入れて還元拡散処理としてアルゴンガス雰囲気下で加熱し750℃で3時間保持し、続いて820℃で1時間保持して冷却した。
回収された反応生成物を20mm以下になるよう解砕し、窒化熱処理として、管状炉に入れてNH3ガス0.2L/min、H2ガス0.2L/minの混合ガス気流中で昇温し420℃で230min保持し、その後、同じ温度でArガス0.2L/minの気流に切り替えて100min保持して冷却した。
冷却後に管状炉から回収された窒化反応生成物を、1Lの水中に投入しアルゴンガス雰囲気中12時間放置しスラリー化した。このスラリーの上澄みを捨て、新たに水を1L加えて攪拌し、窒化合金粉が沈降したところで水酸化カルシウムが懸濁する上澄みを捨てる。この操作をpHが10以下になるまで繰り返した。次に窒化合金粉と水1Lとが攪拌されている状態でpHが6になるまで酢酸を添加し、酢酸の添加量を調整してpH=6を保ちながら5分間攪拌を続けた。その後、上澄みを捨てて再び水1Lを加え攪拌する操作を5回行い、最後にアルコールで水を置換しろ過したケーキをミキサーに入れて減圧しながら150℃で1時間攪拌乾燥した。
得られた窒化合金粉100gに対し、直径0.2mmのアルミナボールを媒体、400gのエチルアルコールを溶媒とし、2gのリン酸水溶液を加えて媒体攪拌ミルで解砕し、ろ過したスラリーを減圧下140℃で1時間乾燥した。
以上の作製条件を表1に示す。
このようにして得られた希土類鉄窒素系磁性粉末は、XRDによりTh2Zn17型の結晶構造であること、TEMにより表面にSm2(Fe1−xMnx)17Ny層を有するコアシェル構造を有するものであることが確認された。そして、このシェル層には、セル状微結晶粒とアモルファス境界層とからなる金属組織とSm2(Fe,Mn)17N3化合物結晶相の内部にMnおよびNの濃度が高く長短のあるワイヤー状形態をしたアモルファス相がランダムないし規則的に存在する金属組織とが観察された。また、燐酸系化合物被膜の厚みは、シェル層の厚みよりも薄い、5〜20nmであった。
磁性粉末の平均粒径(D50)、残留磁化σr、保磁力Hc、シェル層の平均厚み、Mn/(Fe+Mn)原子比、N原子%を表2に示す。またこの磁性粉末の耐熱性として、保磁力Hcと300℃で1時間加熱した後の保磁力Hc,300の比であるHc,300/Hcの値を表2に示す。
実施例2において、媒体攪拌ミルにより粉砕した、Sm2Fe17合金粉末、酸化サマリウム粉末、Mn3O4粉末の平均粒径とそれらの混合量、粒状金属カルシウムの投入量、還元拡散処理条件、窒化熱処理時間を、それぞれ表1に示すように変更した以外は、実施例2と同様にして希土類鉄窒素系磁性粉末を作製した。
これらの粉末は、すべてXRDによりTh2Zn17型の結晶構造で、TEM観察により表面にSm2(Fe1−xMnx)17Ny層を有するコアシェル構造を有するものであることが確認された。そして、このシェル層には、セル状微結晶粒とアモルファス境界層とからなる金属組織とSm2(Fe,Mn)17N3化合物結晶相の内部にMnおよびNの濃度が高く長短のあるワイヤー状形態をしたアモルファス相がランダムないし規則的に存在する金属組織とが観察された。それぞれの磁性粉末の平均粒径、残留磁化σr、保磁力Hc、シェル層の平均厚み、Mn/(Fe+Mn)原子比、N原子%、保磁力Hcと300℃1時間加熱した後の保磁力Hc,300の比であるHc,300/Hcの値を表2に示す。
実施例2において、Mn3O4粉末として平均粒径(D50)が0.3μmの粉末を、Sm2Fe17合金粉末、酸化サマリウムSm2O3粉末と共にロッキングミキサーで予備混合し、続いて媒体攪拌ミルにより粉砕し、平均粒径とそれらの混合量、粒状金属カルシウムの投入量を変えるとともに、還元拡散処理条件、窒化熱処理時間を、それぞれ表1に示すように変更した。このとき粉砕混合物50gを真空中400℃で5時間加熱したときの減量αは0.2質量%だった。それ以外は、実施例2と同様にして希土類鉄窒素系磁性粉末を作製した。
これらの粉末は、XRDによりTh2Zn17型の結晶構造で、TEM観察により表面にSm2(Fe1−xMnx)17Ny層を有するコアシェル構造を有するものであることが確認された。そして、このシェル層には、セル状微結晶粒とアモルファス境界層とからなる金属組織とSm2(Fe,Mn)17N3化合物結晶相の内部にMnおよびNの濃度が高く長短のあるワイヤー状形態をしたアモルファス相がランダムないし規則的に存在する金属組織とが観察された。それぞれの磁性粉末の平均粒径、残留磁化σr、保磁力Hc、シェル層の平均厚み、Mn/(Fe+Mn)原子比、N原子%、保磁力Hcと300℃1時間加熱した後の保磁力Hc,300の比であるHc,300/Hcの値を表2に示す。
実施例5において、媒体攪拌ミルの粉砕時間を変えることでSm2Fe17合金粉末、酸化サマリウムSm2O3粉末とMn3O4粉末の平均粒径を変えて、さらに、それらの混合量、粒状金属カルシウムの投入量を変えるとともに、還元拡散処理条件、窒化熱処理時間を、それぞれ表1に示すように変更して希土類鉄窒素系磁性粉末を作製した。
これらの粉末は、XRDによりTh2Zn17型の結晶構造で、TEM観察により表面にSm2(Fe1−xMnx)17Ny層を有するコアシェル構造を有するものであることが確認された。そして、このシェル層には、セル状微結晶粒とアモルファス境界層とからなる金属組織とSm2(Fe,Mn)17N3化合物結晶相の内部にMnおよびNの濃度が高く長短のあるワイヤー状形態をしたアモルファス相がランダムないし規則的に存在する金属組織とが観察された。それぞれの磁性粉末の平均粒径、残留磁化σr、保磁力Hc、シェル層の平均厚み、Mn/(Fe+Mn)原子比、N原子%、保磁力Hcと300℃1時間加熱した後の保磁力Hc,300の比であるHc,300/Hcの値を表2に示す。
実施例2において、媒体攪拌ミルにより粉砕した、Sm2Fe17合金粉末、酸化サマリウム粉末、Mn3O4粉末の平均粒径とそれらの混合量、粒状金属カルシウムの投入量、還元拡散処理条件、窒化熱処理時間を、それぞれ表1に示すように変更した以外は、実施例2と同様にして希土類鉄窒素系磁性粉末を作製した。
これらの粉末は、すべてTh2Zn17型の結晶構造であり、比較例1では、TEM観察で磁性粉末表面にコアシェル構造が見られない部分が散見されたが、比較例2〜7では、TEM観察により表面にSm2(Fe1−xMnx)17Ny層を有するコアシェル構造を有するものであることが確認された。
それぞれの磁性粉末の平均粒径、残留磁化σr、保磁力Hc、シェル層の平均厚み、Mn/(Fe+Mn)原子比、N原子%、保磁力Hcと300℃1時間加熱した後の保磁力Hc,300の比であるHc,300/Hcの値を表2に示す。
媒体攪拌ミルによる粉砕混合物を管状炉に入れて真空中300℃で加熱する操作を省いた以外は実施例4と同様にして希土類鉄窒素系磁性粉末を作製した。粒状金属カルシウムを加える前の混合物50gを真空中400℃で5時間加熱したときの減量αは1.2質量%だった。
得られた磁性粉末のXRD測定を行ったところ、Th2Zn17型の結晶構造を主相とするものだったが、α‐Feのピークが強く観察された。またTEM観察をしても粒子表面にはSm2(Fe1−xMnx)17Nyシェル層は確認できなかった。磁性粉末の平均粒径、残留磁化σr、保磁力Hc、保磁力Hcと300℃で1時間加熱した後の保磁力Hc,300の比であるHc,300/Hcの値を表2に示す。
実施例5と同様に、Sm2Fe17合金粉末500gに対して、平均粒径(D50)が2.3μmの酸化サマリウム40gと、平均粒径(D50)が0.3μmのMn3O4粉末4gをロッキングミキサーで予備混合し、2kgのフッ素系不活性液体を溶媒として媒体攪拌ミル粉砕した。粉砕物の平均粒径は、SEM観察により、Sm2Fe17合金粉末で1.1μm、酸化サマリウムで0.1μm、Mn3O4粉末で0.01μmだった。
得られたスラリーを実施例1〜6よりもさらに十分に減圧乾燥した後、アルゴンガス雰囲気中で粒状金属カルシウム120gを加えて混合し、還元拡散処理として、鉄るつぼに入れてアルゴンガス雰囲気下で加熱し、750℃で0.5時間保持し、続いて830℃で0.05時間保持して冷却した。粒状金属カルシウムを加える前に、乾燥物から抜き取った混合粉末50gを真空中400℃で5時間加熱したときの減量αは0.07質量%だった。
回収された反応生成物を20mm以下になるよう解砕し、窒化熱処理として、管状炉に入れてN2ガス気流中で昇温し、440℃で180min保持した後、NH3ガス0.2L/min、H2ガス0.2L/minの混合ガス気流に切り替え5min保持し、さらに同じ温度でArガス0.2L/minの気流に切り替えて100min保持して冷却した。
冷却後に管状炉から回収された窒化反応生成物を、1Lの水中に投入しアルゴンガス雰囲気中12時間放置しスラリー化した。このスラリーの上澄みを捨て、新たに水を1L加えて攪拌し、窒化合金粉が沈降したところで水酸化カルシウムが懸濁する上澄みを捨てる。この操作をpHが10以下になるまで繰り返した。次に窒化合金粉と水1Lとが攪拌されている状態でpHが6になるまで酢酸を添加し、その状態で5分間攪拌を続けた。その後、上澄みを捨てて再び水1Lを加え攪拌する操作を5回行い、最後にアルコールで水を置換し、ろ過したケーキをミキサーに入れて減圧しながら140℃で1時間攪拌乾燥した。
得られた窒化合金粉100gを、直径0.2mmのアルミナボールを媒体とし、400gのエチルアルコールを溶媒として、2gのリン酸水溶液を加えて媒体攪拌ミルで解砕し、ろ過したスラリーを減圧下140℃で1時間乾燥した。
以上の製造条件を表3に示す。
このようにして得られた希土類鉄窒素系磁性粉末は、Th2Zn17型の結晶構造で、TEM観察により表面にSm2(Fe1−xMnx)17Ny層を有するコアシェル構造を有するものであることが確認された。そして、このシェル層には、セル状微結晶粒とアモルファス境界層とからなる金属組織とSm2(Fe,Mn)17N3化合物結晶相の内部にMnおよびNの濃度が高く長短のあるワイヤー状形態をしたアモルファス相がランダムないし規則的に存在する金属組織とが観察された。磁性粉末の平均粒径(D50)、残留磁化σr、保磁力Hc、シェル層の平均厚み、Mn/(Fe+Mn)原子比、N原子%を表4に示す。またこの磁性粉末の耐熱性として、保磁力Hcと300℃1時間加熱した後の保磁力Hc,300の比であるHc,300/Hcの値を表4に示す。
実施例7において、それぞれの原料と還元剤である粒状金属カルシウムの混合量、還元拡散処理の温度と時間、そして窒化熱処理の温度、時間、雰囲気を表3のように変えた以外は、実施例7と同様にして希土類鉄窒素系磁性粉末を作製した。なお粒状金属カルシウムを加える前に、乾燥物から抜き取った混合粉末50gを真空中400℃で5時間加熱したときの減量αを測定した。
実施例8〜14の希土類鉄窒素系磁性粉末では、Th2Zn17型の結晶構造で、TEM観察により表面にSm2(Fe1−xMnx)17Ny層を有するコアシェル構造を有するものであることが確認された。これらのシェル層には、セル状微結晶粒とアモルファス境界層とからなる金属組織とSm2(Fe,Mn)17N3化合物結晶相の内部にMnおよびNの濃度が高く長短のあるワイヤー状形態をしたアモルファス相がランダムないし規則的に存在する金属組織とが観察された。それぞれの磁性粉末の平均粒径、残留磁化σr、保磁力Hc、シェル層の平均厚み、Mn/(Fe+Mn)原子比、N原子%、保磁力Hcと300℃1時間加熱した後の保磁力Hc,300の比であるHc,300/Hcの値を表4に示す。
比較例9および10の磁性粉末では、TEM観察をしても粒子表面にはSm2(Fe1−xMnx)17Nyシェル層は確認できず、Mnは粒子の中心まで拡散しているのが認められた。また比較例11ではN2ガスのみで窒化しているため、シェル層のN組成が12原子%に留まっていた。磁性粉末の平均粒径、残留磁化σr、保磁力Hc、保磁力Hcと300℃で1時間加熱した後の保磁力Hc,300の比であるHc,300/Hcの値を表4に示す。
実施例1で使用したのと同じSm2Fe17合金粉末を、不純物酸素量が0.2ppm未満、水分が3ppm未満、圧力0.6MPaのN2ガスをキャリアとして、スパイラルジェットミルに2回かけることで、D50が2.4μmの微粉末とした。
この微粉末3gをテフロン(登録商標)容器に入れ、アークプラズマ法ナノ粒子形成装置にセットした。この装置には、セットした微粉末容器の上方に純度99.9質量%の金属Smと金属Mnがターゲットとして取り付けられているので、容器を振動させながら微粉末全面にSmとMnをアークプラズマ蒸着できる。Smターゲットには150V、Mnターゲットには200Vの電圧をかけ1HzでSmとMnを各20000ショット同時蒸着した。
蒸着後の微粉末の表面をSEM観察すると、微細なSmとMnが付着しており、EDXによる表面組成がSm 12.4原子%、Mn 2.4原子%、Fe 85.2原子%であることが確認された。表面に付着したSmとMnをSm2Fe17合金微粉末表層に拡散させてシェル層を形成するため、蒸着微粉末を管状炉に入れてArガス雰囲気中500℃に昇温し、30min保持した後に急冷した。続いて窒化熱処理として、0.2L/minのN2ガス気流中で430℃に昇温し240min保持した後、NH3ガス0.2L/min、H2ガス0.2L/minの混合ガス気流に切り替え8min保持し、さらに同じ温度でArガス0.2L/minの気流に切り替えて60minアニール処理して冷却した。
なおジェットミルによる微粉砕から窒化熱処理までは、N2グローブボックス中で大気に暴露しないように扱っている。以上の作製条件を表5に示す。
回収された窒化後の微粉末は、100gのエチルアルコールに0.5gのリン酸水溶液を加えた溶液に浸漬し、特殊機化工業製T.K.フィルミックス30−25型を用い10,000rpmで1min解砕処理し、ろ過したスラリーを減圧下140℃で1時間乾燥した。
このようにして得られた希土類鉄窒素系磁性粉末は、Th2Zn17型の結晶構造で、TEM観察により表面にSm2(Fe1−xMnx)17Ny層を有するコアシェル構造を有するものであることが確認された。このシェル層には、セル状微結晶粒とアモルファス境界層とからなる金属組織とSm2(Fe,Mn)17N3化合物結晶相の内部にMnおよびNの濃度が高く長短のあるワイヤー状形態をしたアモルファス相がランダムないし規則的に存在する金属組織とが観察された。磁性粉末の平均粒径(D50)、残留磁化σr、保磁力Hc、シェル層の平均厚み、Mn/(Fe+Mn)原子比、N原子%を表6に示す。またこの磁性粉末の耐熱性として、保磁力Hcと300℃で1時間加熱した後の保磁力Hc,300の比であるHc,300/Hcの値を表6に示す。
実施例15において、アークプラズマ蒸着のショット回数、拡散処理の温度、そして窒化熱処理の温度、時間、雰囲気を表5のように変えた以外は、実施例15と同様にして希土類鉄窒素系磁性粉末を作製した。
実施例16〜24の希土類鉄窒素系磁性粉末では、Th2Zn17型の結晶構造で、TEM観察により表面にSm2(Fe1−xMnx)17Ny層を有するコアシェル構造を有するものであることが確認された。これらのシェル層には、セル状微結晶粒とアモルファス境界層とからなる金属組織とSm2(Fe,Mn)17N3化合物結晶相の内部にMnおよびNの濃度が高く長短のあるワイヤー状形態をしたアモルファス相がランダムないし規則的に存在する金属組織とが観察された。
比較例12では、SmとMnが表面に付着したままでシェル層の形成が認められなかった。比較例13では還元拡散処理が終了した時点でMnが粒子の中心部まで拡散してシェル層が形成されなかった。比較例14〜16では、還元拡散処理によってシェル層が形成されたが、窒化熱処理が終了した時点でMnが粒子中心部まで拡散してシェル層が消失していた。比較例17では窒化が進まずシェル層のN組成も1原子%未満だった。比較例18では、磁性粉末のXRD測定を行ったところ、Th2Zn17型の結晶構造を主相とするものだったが、α‐Feのピークが強く観察された。またTEM観察をしても粒子表面にはSm2(Fe1−xMnx)17Nyシェル層は確認できなかった。
それぞれの磁性粉末の平均粒径、残留磁化σr、保磁力Hc、シェル層の平均厚み、Mn/(Fe+Mn)原子比、N原子%、保磁力Hcと300℃1時間加熱した後の保磁力Hc,300の比であるHc,300/Hcの値を表6に示す。
上記製造条件を示す表1、3、5、それにより得られた磁性粉末の物性を示す表2、4、6から次のことが分かる。
比較例8では、原料混合物の加熱減量αが1質量%を超えているため、シェル層が形成されず、α‐Feが析出して、残留磁化σrが68Am2/kg、保磁力Hcが374kA/mと低くなっている。
これに対して比較例9では、還元拡散条件が高温であるためシェル層が形成されず、耐熱試験に基づくHc,300/Hc比が48%と悪化している。
比較例10では、460℃の高温でNH3とH2の混合ガス気流中のみで窒化熱処理したため、粒子の中心までMnが拡散し還元拡散処理で生成したシェル層が消失してしまった。その結果、耐熱試験に基づくHc,300/Hc比が46%と悪化している。
一方、比較例11では、N2ガス気流中のみで窒化熱処理しているので、シェル層のN組成が12原子%で、Sm2(Fe、Mn)17N3.5〜5.7の原子比(N:16〜24原子%)とならず、耐熱試験に基づくHc,300/Hc比が46%と悪化している。
比較例14〜16では、460℃以上の高温でH2ガスを含む気流中で窒化熱処理しているので還元拡散処理で形成されたシェル層が消失している。そのため耐熱試験に基づくHc,300/Hc比が48%以下に悪化している。
比較例17では、窒化熱処理温度が低いので粒子が窒化されず、残留磁化σrが47Am2/kg、保磁力Hcが223kA/mと低くなっている。比較例18では、窒化熱処理温度が高いので一部の化合物が分解してα−Feが生成し、また還元拡散処理で形成されたシェル層も消失している。そのため残留磁化σrが41Am2/kg、保磁力Hcが271kA/mと低くなっている。
Claims (12)
- 希土類元素R、鉄Fe、窒素Nを主構成成分とし、Th2Zn17型、Th2Ni17型、TbCu7型のいずれかの結晶構造を有する平均粒径が1μm以上10μm以下の磁性粉末であって、
前記希土類元素Rは、Smであり、
粉末の粒子表面に、平均的な組成としてFeの2原子%以上20原子%以下がMnで置換されNが16原子%以上24原子%以下であり、かつ厚みが10nm以上で粉末平均粒径の10%未満のシェル層が形成されていることを特徴とする希土類鉄窒素系磁性粉末。 - 前記シェル層の表面には、さらに燐酸系化合物被膜を有することを特徴とする請求項1記載の希土類鉄窒素系磁性粉末。
- 請求項1に記載の希土類鉄窒素系磁性粉末の製造方法であって、
平均粒径が0.5〜10μmのR2Fe17希土類鉄合金粉末、平均粒径が1μm以下の希土類酸化物粉末、平均粒径が1μm以下のMn酸化物粉末を用意し、これら原料物質の混合物に還元剤として金属Caを加え、不活性ガス中にて還元拡散処理する工程と、
前記還元拡散処理により得られた生成物を、窒素ガス及び/又はアンモニアと水素の混合ガスの雰囲気中で300〜500℃の温度で窒化熱処理する工程と、
前記窒化熱処理により得られた生成物の塊を、水中に投入して湿式処理し崩壊させ、得られた磁石粗粉末を粉砕機に装入し解砕・微粉末化する工程と、を含み、
前記還元拡散処理の工程で、希土類鉄合金粉末の100重量部に対して、希土類酸化物粉末とMn酸化物粉末とがそれぞれ1〜20重量部の割合となり、金属Caが、希土類酸化物粉末とMn酸化物粉末の還元に必要な量に対して1.1〜10倍となるように混合し、730〜1000℃の温度範囲内にて加熱処理し、該加熱処理の温度および時間を調整することにより、Caによって還元されたMnをR 2 Fe 17 希土類鉄合金粉末の表面に拡散させて、R 2 Fe 17 希土類鉄合金からなるコア部の表面にR 2 (Fe、Mn) 17 シェル層を形成させ、
前記窒化熱処理する工程で、前記窒化熱処理の雰囲気、温度および時間を調整することにより、前記R 2 Fe 17 希土類鉄合金からなるコア部と前記R 2 (Fe、Mn) 17 シェル層を窒化させる、ことを特徴とする希土類鉄窒素系磁性粉末の製造方法。 - 前記R2Fe17希土類鉄合金粉末の平均粒径が8μm以下、かつMn酸化物粉末の平均粒径が0.1μm以下であることを特徴とする請求項3記載の希土類鉄窒素系磁性粉末の製造方法。
- 前記窒化熱処理の温度が400〜450℃であることを特徴とする請求項3記載の希土類鉄窒素系磁性粉末の製造方法。
- 前記原料物質は、含有水分量が1質量%以下であることを特徴とする請求項3記載の希土類鉄窒素系磁性粉末の製造方法。
- 前記の還元拡散処理の工程において、加熱処理条件を2段階とし、前段で730〜810℃の温度において0.5〜4時間保持し、後段では、さらに温度を上げて800〜1000℃の温度において3時間以内保持することを特徴とする請求項3記載の希土類鉄窒素系磁性粉末の製造方法。
- 前記の窒化熱処理する工程において、窒素気流中で処理を開始し、途中でアンモニア、アンモニアと水素の混合ガス、またはアンモニアと窒素と水素の混合ガスに切り替えることを特徴とする請求項3又は5記載の希土類鉄窒素系磁性粉末の製造方法。
- 請求項1に記載の希土類鉄窒素系磁性粉末の製造方法であって、
R2Fe17希土類鉄合金粉末を希土類金属とMnによりプラズマ蒸着処理した後、加熱処理する工程と、
前記加熱処理により得られた反応生成物を、窒素ガス及び/又はアンモニアと水素の混合ガスを供給し、窒素ガスを含む気流中で該反応生成物を300〜500℃の温度で窒化熱処理する工程と、
前記窒化熱処理により得られた生成物の磁石粗粉末を、粉砕機に装入し解砕・微粉末化する工程と、を含み、
前記プラズマ蒸着処理及び加熱処理は、平均粒径が0.5〜10μmのR2Fe17希土類鉄合金粉末を処理容器に入れてから、希土類金属とMnをターゲットとして備えたプラズマ蒸着装置に装入して、真空条件下、ターゲットから蒸発する希土類金属とMnの微粒子をR2Fe17希土類鉄合金粉末の表面全体に付着させ、引き続き、形成された希土類金属とMnが含まれる蒸着膜を480〜630℃の温度範囲で加熱処理し、R2Fe17希土類鉄合金粉末がコア部となり、その表面でMnの拡散反応を促進させてR2(Fe、Mn)17シェル層を形成させ、
前記窒化熱処理する工程で、前記窒化熱処理の雰囲気、温度および時間を調整することにより、前記R 2 Fe 17 希土類鉄合金からなるコア部と前記R 2 (Fe、Mn) 17 シェル層を窒化させる、
ことを特徴とする希土類鉄窒素系磁性粉末の製造方法。 - 前記プラズマ蒸着処理する工程において、処理容器を振動させて、R2Fe17希土類鉄合金粉末を撹拌することを特徴とする請求項9記載の希土類鉄窒素系磁性粉末の製造方法。
- 前記プラズマ蒸着処理する工程において、微粒子の大きさが1μm以下、かつ組成の(希土類)/(希土類+Mn)が原子比で2/17以上であることを特徴とする請求項9記載の希土類鉄窒素系磁性粉末の製造方法。
- 前記窒化熱処理工程において、窒素気流中で処理を開始し、途中でアンモニア、アンモニアと水素の混合ガス、またはアンモニアと窒素と水素の混合ガスに切り替えることを特徴とする請求項9記載の希土類鉄窒素系磁性粉末の製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017019280 | 2017-02-06 | ||
JP2017019280 | 2017-02-06 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018127716A JP2018127716A (ja) | 2018-08-16 |
JP6980207B2 true JP6980207B2 (ja) | 2021-12-15 |
Family
ID=63172252
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017167235A Active JP6980207B2 (ja) | 2017-02-06 | 2017-08-31 | 希土類鉄窒素系磁性粉末とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6980207B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20220189669A1 (en) * | 2019-03-12 | 2022-06-16 | Tdk Corporation | Anisotropic magnetic powder, anisotropic magnet and method for manufacturing anisotropic magnetic powder |
WO2020183885A1 (ja) * | 2019-03-12 | 2020-09-17 | Tdk株式会社 | 希土類金属-遷移金属系合金粉末の製造方法及びサマリウム-鉄合金粉末 |
JP7364158B2 (ja) * | 2019-12-26 | 2023-10-18 | 国立大学法人東北大学 | 希土類鉄窒素系磁性粉末、ボンド磁石用コンパウンド、ボンド磁石及び希土類鉄窒素系磁性粉末の製造方法 |
JP7385868B2 (ja) | 2020-06-29 | 2023-11-24 | 国立大学法人東北大学 | 希土類鉄窒素系磁性粉末、ボンド磁石用コンパウンド、ボンド磁石及び希土類鉄窒素系磁性粉末の製造方法 |
CN115472409A (zh) | 2021-06-10 | 2022-12-13 | 日亚化学工业株式会社 | SmFeN系稀土磁体的制造方法 |
CN115881415A (zh) | 2021-09-27 | 2023-03-31 | 日亚化学工业株式会社 | SmFeN系稀土类磁体的制造方法 |
CN114480939B (zh) * | 2022-02-10 | 2022-11-29 | 兰州大学 | 双相高频软磁材料及其制备方法和包括其的电子器件 |
WO2024038829A1 (ja) * | 2022-08-19 | 2024-02-22 | 日亜化学工業株式会社 | α-Fe含有希土類-鉄-窒素系磁性粉体、その製造方法、磁場増幅用磁性材料、超高周波吸収用磁性材料 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006049865A (ja) * | 2004-06-30 | 2006-02-16 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 耐食性希土類磁石及びその製造方法 |
JP2006144048A (ja) * | 2004-11-17 | 2006-06-08 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法、これを用いたボンド磁石用組成物、およびボンド磁石 |
JP2006149865A (ja) * | 2004-11-30 | 2006-06-15 | Aruze Corp | ゲーム機 |
JP5974975B2 (ja) * | 2012-06-20 | 2016-08-23 | 住友金属鉱山株式会社 | 希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末及びその製造方法 |
JP2015142119A (ja) * | 2014-01-30 | 2015-08-03 | 住友電気工業株式会社 | 希土類磁石の製造方法 |
-
2017
- 2017-08-31 JP JP2017167235A patent/JP6980207B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018127716A (ja) | 2018-08-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6980207B2 (ja) | 希土類鉄窒素系磁性粉末とその製造方法 | |
JP6963251B2 (ja) | 希土類鉄窒素系磁性粉末 | |
CN109982791B (zh) | 稀土类铁氮系磁性粉末及其制造方法 | |
JP5515539B2 (ja) | 磁石成形体およびその製造方法 | |
JP6334754B2 (ja) | 窒化物相を有するネオジム鉄ホウ素永久磁石およびその製造方法 | |
JP7364158B2 (ja) | 希土類鉄窒素系磁性粉末、ボンド磁石用コンパウンド、ボンド磁石及び希土類鉄窒素系磁性粉末の製造方法 | |
JP5609783B2 (ja) | 希土類−遷移金属系合金粉末の製造方法 | |
JPWO2002103719A1 (ja) | 希土類永久磁石材料 | |
KR20190062187A (ko) | 소결 자석의 제조 방법 및 소결 자석 | |
WO2022004081A1 (ja) | 希土類鉄窒素系磁性粉末、ボンド磁石用コンパウンド、ボンド磁石及び希土類鉄窒素系磁性粉末の製造方法 | |
CN115376773A (zh) | 稀土类铁氮系磁性粉末、粘结磁体用复合物、粘结磁体及稀土类铁氮系磁性粉末的制造方法 | |
JPH09190909A (ja) | R−t−n系永久磁石粉末および異方性ボンド磁石の製造方法 | |
JP4241461B2 (ja) | 希土類−遷移金属−窒素系磁石合金粉末、その製造方法及びそれを用いた希土類ボンド磁石 | |
JP2017218623A (ja) | 希土類−鉄−窒素系合金粉末の製造方法 | |
JP2012132068A (ja) | 希土類−遷移金属−窒素磁石粉末とその製造方法、製造装置及びそれを用いたボンド磁石用組成物、並びにボンド磁石 | |
US20220310292A1 (en) | Method of Producing Sintered Magnet | |
JP4814856B2 (ja) | 希土類−鉄−マンガン−窒素系磁石粉末 | |
KR102399418B1 (ko) | 소결 자석 제조 방법 및 이에 따라 제조된 소결 자석 | |
US9136049B2 (en) | Magnesium—aluminium magnetic powder and method for making same | |
JP4345588B2 (ja) | 希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末とその製造方法、および得られるボンド磁石 | |
JP2016037611A (ja) | 希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法及び希土類−鉄−窒素系磁石粉末 | |
US12020835B2 (en) | Manufacturing method of sintered magnet | |
JP2006060049A (ja) | 希土類−鉄−マンガン−窒素系磁石粉末とその製造方法 | |
JP2011219819A (ja) | 希土類−遷移金属−窒素磁石粉末とその製造方法、及びそれを用いたボンド磁石用組成物、並びにボンド磁石 | |
JP2009030149A (ja) | 複合粒子の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
AA64 | Notification of invalidation of claim of internal priority (with term) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764 Effective date: 20171003 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170921 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200615 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210303 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210316 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20210514 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210618 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20211012 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20211108 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6980207 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |