JP2000195713A - 極異方性希土類ボンド磁石とその製造方法 - Google Patents

極異方性希土類ボンド磁石とその製造方法

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JP2000195713A
JP2000195713A JP10351289A JP35128998A JP2000195713A JP 2000195713 A JP2000195713 A JP 2000195713A JP 10351289 A JP10351289 A JP 10351289A JP 35128998 A JP35128998 A JP 35128998A JP 2000195713 A JP2000195713 A JP 2000195713A
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rare earth
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bonded magnet
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Takashi Ishikawa
尚 石川
Isao Kaneko
勲 金子
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の極異方性フェライト磁石よりも高い磁
気特性をもつ極異方性希土類ボンド磁石とその製造方法
を提供する。 【解決手段】 RとFeとNと必要によりCoとを主成
分とする磁性粉末と、樹脂バインダーとからなることを
特徴とする極異方性希土類ボンド磁石。バリウムフェラ
イトまたは/およびストロンチウムフェライト磁性粉末
を混合しても良い。また、上記磁性粉末と樹脂バインダ
ーとからなる組成物を、配向磁界発生側の金型キャビテ
ィー面での磁界強度が2.5kOe以上である金型に射
出成形することを特徴とする極異方性希土類ボンド磁石
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、極異方性のフェラ
イト磁石よりも高い磁気特性をもつ、極異方性希土類ボ
ンド磁石とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】永久磁石はその磁気的配向に着目する
と、「異方性磁石」と「等方性磁石」とに分類される。
更に、異方性磁石には、「アキシャル異方性磁石」、
「極異方性磁石」、「ラジアル異方性磁石」がある。
【0003】等方性磁石は磁石成形品の任意の方向に着
磁可能で、その着磁磁界の方向にN極とS極ができるの
に対し、異方性磁石は磁石成形品を製造した段階で磁化
の方向が定まっており、その方向に着磁磁界をかけるこ
とでN極とS極ができる。
【0004】近年、リング状永久磁石の径方向に多極に
N極とS極を生成した用途が、モーター用途を中心に増
えている。このような用途においては、異方性磁石であ
っては極異方性磁石またはラジアル異方性磁石が使用さ
れる。
【0005】極異方性磁石は、例えば図1に示すよう
に、磁石の外周面(あるいは内周面)に沿ってNS極が
現れ、内周面(あるいは外周面)にはほとんど現れない
ようになっている。これに対してラジアル異方性磁石
は、例えば図2に示すように、磁石の外周面と内周面と
にそれぞれNS極が現れているものである。極異方性磁
石は、同一形状のラジアル異方性磁石に比べて、一般的
にその磁石の動作点が高いため磁気特性が高い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来、このような極異
方性磁石としては、フェライト射出成形ボンド磁石また
はフェライト焼結磁石で製造されたものがほとんどで、
希土類磁石で製造されたものはなかった。その理由は、
希土類ボンド磁石では射出成形あるいは圧縮成形などの
成形工程において、また希土類焼結磁石では焼結工程前
のグリーン体(圧粉体)成形工程において、成形金型の
キャビティー(成形原料を充填する空間)内で磁性粉末
を磁界配向させることが困難であったためである。
【0007】ここで極異方性磁石の製造方法を簡単に説
明すれば、例えば『ボンデッドマグネット』(合成樹脂
工業新聞社、1990)p.216に記載されているよ
うに、これら成形金型に設けられたリング状キャビティ
ーの外周面(あるいは内周面)にNS極が現れるようキ
ャビティーの外側(あるいは内側)に永久磁石を埋め込
む。このような構成の金型では、キャビティーに極異方
性配向磁界が形成される。従って射出成形ボンド磁石で
あれば、この金型キャビティーに磁性粉末と樹脂バイン
ダーとからなる溶融した組成物(コンパウンド)を射出
充填させると、冷却後に金型から取り出した磁石成形体
は上述したような極異方性磁石となる。
【0008】圧縮成形ボンド磁石や焼結磁石でも同様に
成形し、それぞれ引き続き樹脂バインダーの硬化工程や
焼結工程に投入すれば、極異方性磁石が得られる。また
配向磁界を発生するための永久磁石の代わりに電磁石を
設けることもある。
【0009】金型キャビティー内で磁性粉末を配向させ
るために必要な磁界は大きいほど望ましい。しかしなが
ら製造しようとする極異方性磁石の寸法や極数、キャビ
ティーに接するスリーブの材質と肉厚、永久磁石や磁気
回路を構成するヨーク材の材質や、磁気回路を埋め込む
ために許容される空間の大きさなどによって磁界強度は
制限を受け、現実的にはキャビティー外周面(あるいは
内周面)近傍で2〜5kOe程度にしか得られない。
【0010】この程度の磁界で配向可能な磁石材質は、
従来から知られるバリウムフェライトやストロンチウム
フェライトのみであり、希土類磁石材料では配向が不十
分となるため製造された極異方性磁石の磁気特性が低か
った。
【0011】さらに、従来のフェライト磁石では、磁束
密度の温度係数αが−0.18%/Kとその絶対値が大
きく、温度特性が悪かった。
【0012】本発明の目的は、これら問題点を解決し、
従来の極異方性フェライト磁石よりも高い磁気特性をも
つ極異方性希土類ボンド磁石とその製造方法を提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、RとFeと
Nと必要によりFeの一部を置換したCoとを主成分と
する磁性粉末と、樹脂バインダーとからなる射出成形ボ
ンド磁石用組成物の検討を行うことで、組成物が従来の
異方性希土類ボンド磁石用組成物に比べて優れた配向特
性をもつことを見いだした。
【0014】例えばφ15×10mmのアキシャル配向
磁石用の金型において、キャビティーにかかる配向磁界
を変えて種々の異方性射出成形ボンド磁石用組成物を射
出成形した結果を図3に示す。図3は、φ15×10m
mのアキシャル配向磁石用の金型で種々の異方性射出成
形ボンド磁石用組成物を射出成形した各磁石について、
横軸に配向磁界、縦軸にオープンフラックスをとって比
較したグラフである。
【0015】図3より、本発明の組成物は、フェライト
射出成形ボンド磁石用組成物には及ばないものの、Sm
−Co系組成物やHDDR磁性粉末を使ったNd−Fe
−B系組成物に比べて良好な配向特性をもっていること
がわかる。この知見に基づき極異方性の射出成形ボンド
磁石を検討した結果、本発明に到達したものである。
【0016】すなわち本発明の希土類ボンド磁石は、希
土類元素(R)と、鉄(Fe)と、窒素(N)と、必要
により鉄を置換したコバルト(Co)とを主成分とする
磁性粉末と、樹脂バインダーとからなることを特徴とす
る極異方性希土類ボンド磁石である。
【0017】また、上記磁性粉末に更に、バリウムフェ
ライト磁性粉末または/およびストロンチウムフェライ
ト磁性粉末を混合して用いても良い。
【0018】また、本発明の他の希土類ボンド磁石は、
上記いずれかの磁性粉末に更に、射出成形のゲートが、
リング状磁石端面に極数の1/3以上の点数の多点ゲー
トとして、またはリング状磁石の円周方向に連続的なゲ
ートとして設けられていることを特徴とする。
【0019】本発明によれば、磁束密度の温度係数αの
絶対値が0.16%/K未満である極異方性希土類ボン
ド磁石が得られる。
【0020】ここでαは、極異方性磁石の1極から磁石
片を切り出し、20〜80℃の範囲でVSM(振動試料
型磁束計)にて評価した値である。
【0021】また、本発明の極異方性希土類ボンド磁石
の製造方法は、上記磁性粉末と樹脂バインダーとからな
る組成物を、配向磁界発生側の金型キャビティー面での
磁界強度が2.5kOe以上である金型に射出成形する
ことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明で用いる磁性粉末は、例え
ば特開平02−057663号公報に従い、溶解鋳造法
あるいは特許第1702544号あるいは特開平09−
157803号公報などで示される還元拡散法で製造さ
れるR−Fe系合金、あるいはR−(Fe、Co)系合
金を、窒化した後微粉砕すれば得られ、結晶構造はTh
2Zn1 7型またはTh2Ni17型またはTbCu7型であ
る。
【0023】Rは希土類元素であるが、RとしてSmが
40wt%以上含まれるものがボンド磁石の保磁力を高
めるために好ましい。Feに置換してCoを添加すると
磁石の飽和磁化と磁束密度の温度係数が向上する。
【0024】また、主成分に加えて、C、Al、Si、
P、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、
Ga、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Hf、T
a、W、Re、Os、Ir、Pt、およびAuの一種以
上を磁性粉末に3wt%以下添加すると、磁石の耐熱性
や耐候性を高めることができる。
【0025】微粉砕は、ジェットミル、振動ボールミ
ル、回転ボールミルなど公知の技術で実施することがで
き、フィッシャー平均粒径で1〜5μm、望ましくは1
〜2μmとなるように微粉砕すればよい。
【0026】なお微粉砕した磁性粉末は、発火防止など
ハンドリング性を向上させるために、例えば特開昭52
−054998号公報、特開昭59−170201号公
報、特開昭60−128202号公報、特開平03−2
11203号公報、特開昭46−007153号公報、
特開昭56−055503号公報、特開昭61−154
112号公報、特開平03−126801号公報等に開
示されているような、湿式ないし乾式処理による徐酸化
皮膜を表面に形成してもよい。
【0027】また、特開平05−230501号公報、
特開平05−234729号公報、特開平08−143
913号公報、特開平07−268632号公報や、日
本金属学会講演概要(1996年春期大会、No.44
6、p.184)などに開示されているような金属皮膜
を形成する方法や、特公平06−017015号公報、
特開平01−234502号公報、特開平04−021
702号公報、特開平05−213601号公報、特開
平07−326508号公報、特開平08−15361
3号公報、特開平08−183601号公報などによる
無機皮膜を形成する方法などの一種以上の表面処理を磁
性粉末に施すと、組成物およびボンド磁石の保磁力が向
上し耐熱性がさらに向上する。
【0028】RとFeとNとを主成分とする磁性粉末と
混合して用いることができるバリウムフェライトおよび
/またはストロンチウムフェライトは、通常のボンド磁
石用磁性粉末として入手できるものであればいずれでも
よいが、本発明の極異方性希土類ボンド磁石の磁気特性
を高めるためには異方性の磁性粉末が望ましい。また射
出成形で磁界配向性の観点からは、フェライト磁性粉末
のアスペクト比が1に近いものが望ましい。またフェラ
イト焼結磁石を粉砕し歪みを取り除くためのアニールを
施したものでも可能である。
【0029】バリウムフェライトおよび/またはストロ
ンチウムフェライトを混合する場合、Rを含む磁性粉末
とフェライトとの混合比は任意(ただし、Rを含む磁性
粉末が0wt%を含まず)であるが、全磁性粉末に対し
てRを含む磁性粉末が80wt%以下(ただし0wt%
を含まず)であるのがコストと磁気特性のバランスの観
点から望ましい。
【0030】次に、本発明で用いる樹脂バインダーは、
磁性粉末の結合材として働くものであり、用いられる樹
脂としては特に限定されることはなく、例えば熱可塑性
樹脂の場合は、6ナイロン、6,6ナイロン、11ナイ
ロン、12ナイロン、6,12ナイロン、芳香族系ナイ
ロン、これらの分子を一部変性した変性ナイロン等のポ
リアミド樹脂、直鎖型ポリフェニレンサルファイド樹
脂、架橋型ポリフェニレンサルファイド樹脂、セミ架橋
型ポリフェニレンサルファイド樹脂、低密度ポリエチレ
ン、線状低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン
樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂、エチレンーエチ
ルアクリレート共重合樹脂、アイオノマー樹脂、ポリメ
チルペンテン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリ
ルーブタジエンースチレン共重合樹脂、アクリロニトリ
ルースチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩
化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルア
ルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニル
ホルマール樹脂、メタクリル樹脂、ポリフッ化ビニリデ
ン樹脂、ポリ三フッ化塩化エチレン樹脂、四フッ化エチ
レン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、エチレン−四フ
ッ化エチレン共重合樹脂、四フッ化エチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、ポリテトラフ
ルオロエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセ
タール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブ
チレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンオキサイド
樹脂、ポリアリルエーテルアリルスルホン樹脂、ポリエ
ーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹
脂、ポリアリレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、酢
酸セルロース樹脂、各種エラストマーやゴム類等が挙げ
られる。
【0031】これらの単重合体や他種モノマーとのラン
ダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、
他の物質での末端基変性品などが挙げられる。またこれ
ら熱可塑性樹脂の2種類以上のブレンド等における系も
当然含まれる。これら熱可塑性樹脂の溶融粘度や分子量
は、所望の機械的強度が得られる範囲で低い方が望まし
く、形状は、パウダー、ビーズ、ペレット等特に限定さ
れないが、磁性粉との均一混合性から考えるとパウダー
が望ましい。
【0032】また、例えば熱硬化性樹脂の場合は、エポ
キシ樹脂、ビニルエステル系エポキシ樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア
樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ビスマレイミド・トリア
ジン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フラン樹脂、熱硬
化性ポリブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、シリコーン樹脂、キシレン樹脂等が挙げら
れ、これらの基本組成物や他種モノマーやこれら樹脂の
2種類以上のブレンド等における系も当然含まれる。
【0033】これら熱硬化性樹脂の粘度、分子量、性状
等は、所望の機械的強度や成形性が得られる範囲であれ
ば特に限定されないが、磁性粉との均一混合性や成形性
から考えるとパウダー状又は液状が望ましい。熱硬化性
樹脂を用いた射出成形ボンド磁石の製造では、金型内で
磁石成形品が硬化する直前でいったん樹脂バインダーの
粘度が低下するため良好な配向特性が得られる。
【0034】これらの樹脂バインダーの含有量は磁性粉
100重量部に対して100重量部よりも多く充填した
場合、ボンド磁石の磁束密度が著しく低下する。また、
3重量部より少ないと著しく成形性が低下し所望の成形
体が得られない。従って、これらの樹脂混合量は、磁性
粉100重量部に対し3重量部以上100重量部以下が
好ましい。
【0035】また本発明の組成物を製造するとき、添加
物としてカップリング剤や滑剤や安定剤などを使用する
と、さらに組成物の加熱流動性が向上し成形性や磁気特
性が向上する。
【0036】カップリング剤としては、シラン系カップ
リング剤、例えばビニルトリエトキシシラン、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4
エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン)、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエ
チル)γアミノプロピルトリメトキシシラン、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリ
メトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェ
ニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジ
メチルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメト
キシシラン、デシルトリメトキシシランなどが挙げられ
る。
【0037】またチタン系カップリング剤、例えばイソ
プロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピ
ルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネー
ト、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェー
ト)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチル
ホスファイト)チタネート、テトライソプロピルチタネ
ート、テトラブチルチタネート、テトラオクチルビス
(ジトリデシルホスファイト)チタネート、イソプロピ
ルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルトリドデ
シルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリ
(ジオクチルホスフェート)チタネート、ビス(ジオク
チルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプ
ロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、テト
ラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス
(ジトリデシルホスファイト)チタネート、イソプロピ
ルトリクミルフェニルチタネート、ビス(ジオクチルパ
イロホスフェート)オキシアセテートチタネート、イソ
プロピルイソステアロイルジアクリルチタネートなど、
が挙げられ、樹脂バインダーの種類にあわせた適当なも
のを選択しそれらの一種または二種以上を使うことがで
きる。
【0038】滑剤としては、例えばパラフィンワック
ス、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロ
ピレンワックス、エステルワックス、カルナウバ、マイ
クロワックス等のワックス類、ステアリン酸、1,2−
オキシステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、オレ
イン酸等の脂肪酸類、ステアリン酸カルシウム、ステア
リン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリ
ン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミ
ニウム、ラウリン酸カルシウム、リノール酸亜鉛、リシ
ノール酸カルシウム、2−エチルヘキソイン酸亜鉛等の
脂肪酸塩(金属石鹸類)ステアリン酸アミド、オレイン
酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘン酸アミド、パルミチ
ン酸アミド、ラウリン酸アミド、ヒドロキシステアリン
酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレン
ビスステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミ
ド、ジステアリルアジピン酸アミド、エチレンビスオレ
イン酸アミド、ジオレイルアジピン酸アミド、N−ステ
アリルステアリン酸アミド等脂肪酸アミド類、ステアリ
ン酸ブチル等の脂肪酸エステル、エチレングリコール、
ステアリルアルコール等のアルコール類、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコール、及びこれら変性物からなるポリエー
テル類、ジメチルポリシロキサン、シリコングリース等
のポリシロキサン類、弗素系オイル、弗素系グリース、
含弗素樹脂粉末といった弗素化合物、窒化珪素、炭化珪
素、酸化マグネシウム、アルミナ、二酸化珪素、二硫化
モリブデン等の無機化合物粉体が挙げられる。
【0039】また、安定剤としては、ビス(2,2,
6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケー
ト、ビス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−
ピペリジル)セバケート、1−[2−{3−(3,5−
ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−第三ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベン
ジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−
1,2,3−トリアザスピロ[4,5]ウンデカン−
2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン、こはく酸ジメチル−1−
(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[[6
−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−
1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]
ヘキサメチレン、[[2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)イミノ]]、2−(3,5−ジ・第三
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマ
ロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジル)等のヒンダード・アミン系安定剤のほか、
フェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系等の抗
酸化剤等が挙げられる。
【0040】また滑剤としては、パラフィンワックス、
流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレ
ンワックス、エステルワックス、カルナウバ、マイクロ
ワックスなどのワックス類、ステアリン酸、12−オキ
システアリン酸、ラウリン酸などの脂肪酸類や、ステア
リン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バ
リウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグ
ネシウム、ラウリン酸カルシウム、リノール酸亜鉛、リ
ノール酸カルシウム、2−エチルヘキソイン酸亜鉛など
の脂肪酸塩、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、
エルカ酸アミド、ベヘン酸アミド、パルミチン酸アミ
ド、ラウリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミ
ド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスス
テアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ジ
ステアリルアジピン酸アミド、エチレンビスオレイン酸
アミド、ジオレイルアジピン酸アミド、N−ステアリル
スアリン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、
N−ステアリルエルカ酸アミド、メチロールステアリン
酸アミド、メチロールベヘン酸アミドなどの脂肪酸アミ
ド、ステアリン酸ブチルなどの脂肪酸エステル、エチレ
ングリコール、ステアリルアルコールなどのアルコール
類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコールおよびこれらの変性
物からなるポリエーテル類、シリコーンオイル、シリコ
ングリースなどのポリシロキサン類、フッ素系オイル、
フッ素系グリース、含フッ素樹脂粉末といったフッ素化
合物、窒化珪素、炭化珪素、酸化マグネシウム、アルミ
ナ、シリカゲルなどの無機化合物粉体などが挙げられ、
これらの一種または二種以上を使うことができる。
【0041】これらの磁性粉末と樹脂バインダーなどと
を、例えばリボンブレンダー、タンブラー、ナウターミ
キサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、プラ
ネタリーミキサー等の混合機、およびバンバリーミキサ
ー、ニーダー、ロール、ニーダールーダー、単軸押出
機、二軸押出機等の混練機を使用して混合・混練するこ
とによってボンド磁石用組成物が得られる。
【0042】この組成物を、配向磁界発生側の金型キャ
ビティー面での磁界強度が2.5kOe以上である金型
に射出成形することによって本発明の極異方性希土類ボ
ンド磁石が得られる。ここで磁界強度が2.5kOe未
満だと磁性粉末の配向が低下し、必要な磁気特性が得ら
れない。
【0043】金型キャビティーに組成物を射出充填する
際のゲートは、リング状磁石の端面に配置されるのが一
般的である。ここで本発明の極異方性磁石のゲートは、
図4、図5に示すように、最終的に得られる極異方性磁
石の極数の1/3以上の点数の多点ゲート(図4)であ
るか、または円周方向に連続的なゲート(図5)である
のが望ましい。
【0044】円周方向に連続的なゲートとしては、例え
ばフィルムゲート、ファンゲート、リングゲート、ディ
スクゲートが挙げられる。
【0045】極数の1/3未満の点数の多点ゲートや1
点ゲートでは、組成物がリング状キャビティー内部を移
動する際に配向磁界の極間で磁粉が揺り動かされるため
に、流動が阻害されたり磁性粉末の配向性が乱され、表
面磁束密度ピーク値の低下とピーク値の極間ばらつきの
増加をもたらすからである。
【0046】すなわち充填過程では、キャビティー内で
配向磁界の極間を磁性粉末が極力横断しないよう、同一
極上でリング状磁石の軸方向に組成物を流動させること
が好ましい。これらのゲート構成により製造された極異
方性ボンド磁石は,磁石に設けられたゲート跡により確
認できる。
【0047】配向磁界の発生方法は特に限定されず永久
磁石方式・電磁石方式のいずれでもよい。永久磁石の場
合にはNd−Fe−B焼結磁石またはSm−Co焼結磁
石が望ましい。またNd−Fe−B焼結磁石を用いる場
合には、金型の加熱温度において大きな不可逆減磁を引
き起こさない程度に残留磁束密度の高い材質を選択す
る。あるいは射出成形ボンド磁石ではないが、特開平0
6−236807号公報、特開平07−249538号
公報などに開示されるような押出成形法でも、押出金型
で同様な配向磁界発生用磁気回路を組み込むことによっ
て、極異方性希土類ボンド磁石が製造できる。
【0048】このようにして得られた極異方性希土類ボ
ンド磁石は、このまま後着磁することなく使用可能であ
るが、成形時の付与されたNS極に極性をあわせて後着
磁することによってさらに磁気特性が向上する。後着磁
を行う場合にはNS極の極性の目印となるようにボンド
磁石に凸凹部を設けることもできる。また、後着磁を行
う場合には、磁石のNS極と着磁ヨークの極性が合うよ
うに、例えばボンド磁石に凸凹部を設けることもでき
る。
【0049】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0050】実施例1 ・・・ 純度99.9wt%、
粒度150メッシュ(タイラー標準、以下同じ)以下の
電解Fe粉:7.5kgと、純度99wt%平均粒度3
25メッシュの酸化Sm粉末:3.4kgと、純度99
wt%の粒状金属Ca:1.5kgと、無水塩化Ca粉
末:0.17kgとを、Vブレンダーを用いて混合し
た。
【0051】得られた混合物をステンレス容器に入れ、
アルゴン雰囲気下1150℃で8時間加熱し還元拡散反
応させた。次いで反応生成物を、冷却してから水中に投
入し崩壊させた。得られたスラリーに対して水洗と酢酸
による酸洗浄を繰り返して未反応のCaと副生したCa
Oを除去した。
【0052】得られたスラリーを濾過しエタノールで置
換した後真空乾燥して150μm以下の25wt%Sm
−bal.Fe合金粉末を約10kgを得た。
【0053】ついでこの粉末を管状炉中に装填し、アン
モニア分圧0.35のアンモニア−水素混合ガス雰囲気
中465℃で6時間加熱(窒化処理)し、その後アルゴ
ンガス中465℃で2時間加熱(アニール処理)し、2
4.6wt%Sm−3.6wt%N−bal.FeのS
m−Fe−N磁性粉末を得た。
【0054】この磁性粉末をX線解析したところ、菱面
体晶系のTh2Zn17型結晶構造の回折線(Sm2Fe17
3金属間化合物)を示した。
【0055】次にこの磁性粉末を旋回式ジェットミル粉
砕機に給粉速度10g/minで投入し、フィッシャー
平均粒径が1.5μmまで微粉砕した。微粉砕した磁性
粉末100重量部に対して12−ポリアミド樹脂8重量
部、エチレンビスステアリン酸アミド2重量部を混合し
ニーダーにて混練した。混練温度は200〜210℃、
混練槽内の雰囲気は4%O2−N2、混練後に取り出した
組成物の冷却は空冷とした。
【0056】得られた混練物をプラスチック粉砕機によ
り粉砕し射出成形用組成物ペレットとした。
【0057】このペレットを用いて、φ9×φ5×7m
m外周面12極の極異方性希土類ボンド磁石を射出成形
した。シリンダー温度は220〜260℃、金型温度は
80℃、射出成形機の原料ホッパー・シリンダー内部の
雰囲気は8%O2−N2、金型キャビティー付近の雰囲気
は大気、および取り出した成形品の冷却方法は空冷とし
た。
【0058】金型には配向磁界発生用に44MGOe級
のNd−Fe−B系焼結磁石を組み込み、金型キャビテ
ィー外周面と焼結磁石との空隙を0.5mmとすること
により、金型温度80℃においてキャビティー外周面近
傍で3.7kOeの配向磁界を得ている。
【0059】得られた磁石の着磁パターンをマグネット
ビューワーで観察したところ、外周面に比べて内周面の
着磁パターンが弱く、さらに7mmの軸方向に垂直なリ
ング断面ではニュートラルラインが径方向に配列してお
り、極異方性磁石となっていることが確認できた。
【0060】次にこの極異方性磁石の表面磁束密度分布
を測定したところピーク値で1.4kGであった。さら
にこの磁石のNS極と極性をあわせてパルス磁界をかけ
て後着磁し、再び表面磁束密度を測定したところピーク
値が2kGであった。
【0061】また、磁石の1極から1.8mm角の磁石
片を切り出し、VSMで20〜80℃の磁束密度の温度
係数αを測定したところ、−0.07%/Kであった。
【0062】実施例2 ・・・ 微粉砕したSm−Fe
−N磁性粉末とバリウムフェライト磁性粉末を混合して
全磁性粉末に対するSm−Fe−N磁性粉末の量が50
wt%となるようにし、さらに磁性粉末100重量部に
対して12−ポリアミド樹脂7.7重量部、エチレンビ
スステアリン酸アミド1.8重量部とした以外は、実施
例1と同様にして射出成形用組成物を製造し希土類ボン
ド磁石を射出成形した。
【0063】その結果、実施例1と同様にして得られた
磁石が極異方性磁石であることが確認できた。この磁石
の表面磁束密度ピーク値は後着磁前で1.1kG、後着
磁後に1.3kGであった。
【0064】また、実施例1と同様にαを測定したとこ
ろ、−0.14%/Kであった。
【0065】比較例1 ・・・ 12−ポリアミドを樹
脂バインダーとする1.7MGOe級のストロンチウム
フェライト射出成形コンパウンドを用いて実施例1の金
型で極異方性フェライトボンド磁石を製造した。得られ
た磁石の表面磁束密度ピーク値を測定したところ0.9
kGであった。
【0066】また、実施例1と同様にαを測定したとこ
ろ、−0.18%/Kであった。
【0067】比較例2 ・・・ 実施例1において、金
型に埋め込んだ配向磁界発生用磁石を28MGOe級N
d−Fe−B系焼結磁石とし、キャビティー外周面と該
焼結磁石との空隙を0.8mmとした。これによってキ
ャビティー外周面近傍の配向磁界が2.4kOeとなっ
た。その他の条件は実施例1と同様にして極異方性希土
類ボンド磁石を射出成形した。得られた磁石の表面磁束
密度ピーク値は、後着磁前で0.7kG、後着磁後で1
kGであった。
【0068】実施例1および2で得られた本発明の極異
方性希土類ボンド磁石は、比較例1の同形状のフェライ
ト磁石に比べて高い表面磁束密度が得られており、後着
磁することによってさらに磁気特性が向上することがわ
かる。また比較例2により金型キャビティー面の配向磁
界が2.5kOe未満になると、フェライト磁石と表面
磁束密度が変わらないことがわかる。さらに、実施例で
はいずれも磁束密度の温度係数αの絶対値が0.16%
/Kよりも小さい。
【0069】実施例3 ・・・ 実施例1で使用した電
解Fe粉の10wt%を、粒度150メッシュ以下のC
o粉で置換した以外は同様にして25wt%Sm−7.
2wt%Co−bal.Fe合金粉末を製造し、菱面体
晶系のTh2Zn17型結晶構造の回折線(Sm2(Fe、
Co)173金属間化合物)を示す24.6wt%Sm
−3.5wt%N−7.1wt%Co−bal.Feの
Sm−(Fe、Co)−N磁性粉末を得た。さらに実施
例1と同様にして射出成形用組成物ペレットとした。
【0070】この組成物をφ23×φ21×10mm外
周24極のキャビティーをもつ金型に射出成形し評価し
た。キャビティー外周面近傍の配向磁界は4kOeであ
った。マグネットビューワーにより得られた磁石が極異
方性磁石であることが確認できた。表面磁束密度ピーク
値は後着磁前で2.2kG、後着磁後で2.8kGであ
った。
【0071】また磁石の1極から2.2mm角の磁石片
を切り出し、VSMで20〜80℃の磁束密度の温度係
数αを測定したところ、−0.06%/Kであった。
【0072】実施例4 ・・・ 実施例3のSm−(F
e、Co)−N磁性粉末とストロンチウムフェライト磁
性粉末を混合して全磁性粉末に対するSm−(Fe、C
o)−N磁性粉末の量が30wt%となるようにし、さ
らに磁性粉末100重量部に対して12−ポリアミド樹
脂7.6重量部、エチレンビスステアリン酸アミド1.
7重量部とした以外は、実施例3と同様にして射出成形
用組成物を製造し希土類ボンド磁石を射出成形した。
【0073】実施例1と同様にして得られた磁石が極異
方性磁石であることが確認できた。この磁石の表面磁束
密度ピーク値は後着磁前で1.9kG、後着磁後に2.
3kGであった。
【0074】また、実施例3と同様にして測定したα
は、−0.15%/Kであった。
【0075】比較例3 ・・・ ほぼ同一形状の極異方
性ストロンチウムフェライト焼結磁石(Br:4kG、
(BH)max:3.9MGOe)について、着磁後の
表面磁束密度ピーク値を測定したところ2kGであっ
た。
【0076】また、実施例3と同様にして測定したα
は、−0.18%/Kであった。
【0077】比較例4 ・・・ 12−ポリアミドを樹
脂バインダーとする2.1MGOe級のストロンチウム
フェライト射出成形コンパウンドを用いて実施例3の金
型で極異方性フェライトボンド磁石を製造した。得られ
た磁石の表面磁束密度ピーク値を測定したところ1.7
kGであった。
【0078】また、実施例3と同様にして測定したα
は、−0.18%/Kであった。
【0079】実施例3および4で得られた本発明の極異
方性希土類ボンド磁石は、比較例3および4の同形状の
フェライト磁石に比べて高い表面磁束密度が得られてお
り、後着磁することによってさらに磁気特性が向上する
ことがわかる。また、実施例ではいずれも磁束密度の温
度係数αの絶対値が0.16%/Kよりも小さい。
【0080】実施例5 ・・・ 実施例1の射出成形用
組成物ペレットを用いて、φ13×φ8×6mm外周面
12極の極異方性希土類ボンド磁石を射出成形した。こ
こで射出成形のゲートを、外径φ13mm内径φ8mm
の端面上に等間隔で配置された4点ピンポイントゲート
とした。キャビティー外周面近傍の配向磁界は3.9k
Oeであった。シリンダー温度は220〜270℃、金
型温度は30℃、射出成形機の原料ホッパー・シリンダ
ー内部の雰囲気は5%O2−N2、金型キャビティー付近
の雰囲気は大気、および取り出した成形品の冷却方法は
空冷とした。
【0081】4点ゲート跡をもつこの磁石が極異方性磁
石であることは、実施例1と同様にして確認できた。こ
の磁石の表面磁束密度ピーク値は後着磁前で1.9k
G、後着磁後に2.9kGであった。また表面磁束密度
ピーク値の極によるばらつきは0.1kG程度と小さか
った。
【0082】磁石の1極から2.3mm角の磁石片を切
り出し、VSMで20〜80℃の磁束密度の温度係数α
をを測定したところ、−0.07%/Kであった。
【0083】実施例6 ・・・ 射出成形のゲートをφ
8mmの内周に沿った厚み0.7mmのリングゲートと
した以外は実施例5と同様にして、φ13×φ8×6m
m外周面12極の極異方性希土類ボンド磁石を射出成形
した。
【0084】円周方向に連続的なゲート跡を持つこの磁
石が極異方性磁石であることは、実施例1と同様にして
確認できた。この磁石の表面磁束密度ピーク値は後着磁
前で2.0kG、後着磁後に3.1kGであった。また
磁束密度ピーク値の極間ばらつきは0.05kG以下と
さらに小さかった。αは−0.07%/Kであった。
【0085】比較例5 ・・・ 射出成形のゲートを、
外径φ13mm内径φ8mmの端面上で、その中心に対
して点対称に配置された2点ピンポイントゲートとした
以外には、実施例5と同様にしてφ13×φ8×6mm
外周面12極の極異方性希土類ボンド磁石を射出成形し
た。
【0086】得られた磁石が極異方性磁石であること
は、実施例1と同様にして確認できた。この磁石の表面
磁束密度ピーク値は後着磁前で1.7kG、後着磁後に
2.7kGであった。磁束密度ピーク値の極間ばらつき
は0.2kG程度であった。
【0087】実施例5および6で得られた本発明の極異
方性希土類ボンド磁石は、比較例5に比べて表面磁束密
度ピーク値が大きくかつその極間ばらつきが小さくなっ
ている。また実施例6で得られた磁石は実施例5よりも
さらに表面磁束密度ピーク値が大きくかつその極間ばら
つきが小さい。したがって、極数の1/3以上の点数の
多点ゲート(本実施例では12/3=4点)、さらに好
ましくは円周方向に連続的なゲート跡を持つ極異方性ボ
ンド磁石において、大きな表面磁束密度ピーク値と小さ
なピーク値の極間ばらつきが実現できることがわかる。
【0088】実施例7 ・・・ 実施例2の射出成形用
組成物ペレットを用いた以外は実施例5と同様にして、
φ13×φ8×6mm外周面12極の極異方性希土類ボ
ンド磁石を射出成形した。
【0089】4点ゲート跡を持つこの磁石が極異方性磁
石であることは、実施例1と同様にして確認できた。こ
の磁石の表面磁束密度ピーク値は後着磁前で1.7k
G、後着磁後に2.3kGであった。また表面磁束密度
ピーク値の極によるばらつきは0.1kG程度と小さか
った。αは、−0.14%/Kであった。
【0090】実施例8 ・・・ 実施例2の射出成形用
組成物ペレットを用いた以外は実施例6と同様にして、
φ13×φ8×6mm外周面12極の極異方性希土類ボ
ンド磁石を射出成形した。
【0091】円周方向に連続的なゲート跡を持つこの磁
石が極異方性磁石であることは、実施例1と同様にして
確認できた。この磁石の表面磁束密度ピーク値は後着磁
前で1.8kG、後着磁後に2.5kGであった。また
磁束密度ピーク値の極間ばらつきは0.05kG以下と
さらに小さかった。αは、−0.14%/Kであった。
【0092】比較例6 ・・・ 射出成形のゲートを、
外径φ13mm内径φ8mmの端面上で、その中心に対
して点対称に配置された2点ゲートとした以外には、実
施例7と同様にしてφ13×φ8×6mm外周面12極
の極異方性希土類ボンド磁石を射出成形した。
【0093】得られた磁石が極異方性磁石であること
は、実施例1と同様にして確認できた。この磁石の表面
磁束密度ピーク値は後着磁前で1.4kG、後着磁後に
2.1kGであった。磁束密度ピーク値の極間ばらつき
は0.2kG程度であった。
【0094】実施例7および8で得られた本発明の極異
方性希土類ボンド磁石は、比較例6に比べて表面磁束密
度ピーク値が大きくかつその極間ばらつきが小さくなっ
ている。また実施例8で得られた磁石は実施例7よりも
さらに表面磁束密度ピーク値が大きくかつその極間ばら
つきが小さい。したがってフェライト磁性粉末を含有す
る場合に置いても、極数の1/3以上の点数の多点ゲー
ト、さらに好ましくは円周方向に連続的なゲート跡を持
つ極異方性ボンド磁石において、大きな表面磁束密度ピ
ーク値と小さなピーク値の極間ばらつきが実現できるこ
とがわかる。
【0095】
【発明の効果】本発明によれば、従来の極異方性フェラ
イト磁石よりも高い磁気特性をもつ極異方性希土類ボン
ド磁石を提供することができる。従来極異方性磁石とし
ては、磁性粉末の配向特性の問題からフェライト磁石し
か用いられていなかったが、本発明は希土類磁石で初め
て極異方性磁石を実現したものであり、その工業的価値
はきわめて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】リング状の極異方性磁石を上から見た形状と、
磁界、NS極を示す図である。
【図2】リング状のラジアル異方性磁石を上から見た形
状と、磁界、NS極を示す図である。
【図3】φ15×10mmのアキシャル配向磁石用の金
型で種々の異方性射出成形ボンド磁石用組成物を射出成
形した各磁石について、横軸に配向磁界、縦軸にオープ
ンフラックスをとって比較したグラフである。
【図4】リング状異方性ボンド磁石の多点(4点)ピン
ポイントゲート位置を示す図である。
【図5】リング状異方性ボンド磁石の円周方向に連続な
ゲート位置を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 41/02 B22F 3/00 F 3/02 S R Fターム(参考) 4K018 AA27 CA07 CA30 KA46 5E040 AA03 AA19 AB04 AB05 AB09 AC05 BB04 BB05 CA01 HB06 HB07 HB09 HB11 NN15 5E062 CC02 CD02 CD05 CE02 CE07 CF02 CF03 CF05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類元素(R)と鉄(Fe)と窒素
    (N)とを主成分とする磁性粉末と、樹脂バインダーと
    からなる極異方性希土類ボンド磁石。
  2. 【請求項2】 希土類元素(R)と鉄(Fe)とコバル
    ト(Co)と窒素(N)とを主成分とする磁性粉末と、
    樹脂バインダーとからなる極異方性希土類ボンド磁石。
  3. 【請求項3】 希土類元素(R)と鉄(Fe)と窒素
    (N)とを主成分とする磁性粉末、または、希土類元素
    (R)と鉄(Fe)とコバルト(Co)と窒素(N)と
    を主成分とする磁性粉末と、バリウムフェライト磁性粉
    末または/およびストロンチウムフェライト磁性粉末
    と、樹脂バインダーとからなる極異方性希土類ボンド磁
    石。
  4. 【請求項4】 磁束密度の温度係数αの絶対値が0.1
    6%/K以下である請求項1〜請求項3のいずれかに記
    載の極異方性希土類ボンド磁石。
  5. 【請求項5】 射出成形のゲートが、リング状磁石端面
    に極数の1/3以上の点数の多点ゲートとして、または
    リング状磁石の円周方向に連続的なゲートとして設けら
    れている請求項1〜請求項4のいずれかに記載の極異方
    性希土類ボンド磁石。
  6. 【請求項6】 希土類元素(R)と鉄(Fe)と窒素
    (N)とを主成分とする磁性粉末、または、希土類元素
    (R)と鉄(Fe)とコバルト(Co)と窒素(N)と
    を主成分とする磁性粉末と、樹脂バインダーとからなる
    組成物を、配向磁界発生側の金型キャビティー面での磁
    界強度が2.5kOe以上である金型に射出成形するこ
    とを特徴とする極異方性希土類ボンド磁石の製造方法。
  7. 【請求項7】 希土類元素(R)と鉄(Fe)と窒素
    (N)とを主成分とする磁性粉末と、バリウムフェライ
    ト磁性粉末または/およびストロンチウムフェライト磁
    性粉末と、樹脂バインダーとからなる組成物を、配向磁
    界発生側の金型キャビティー面での磁界強度が2.5k
    Oe以上である金型に射出成形することを特徴とする極
    異方性希土類ボンド磁石の製造方法。
  8. 【請求項8】 希土類元素(R)と鉄(Fe)とコバル
    ト(Co)と窒素(N)とを主成分とする磁性粉末と、
    バリウムフェライト磁性粉末または/およびストロンチ
    ウムフェライト磁性粉末と、樹脂バインダーとからなる
    組成物を、配向磁界発生側の金型キャビティー面での磁
    界強度が2.5kOe以上である金型に射出成形するこ
    とを特徴とする極異方性希土類ボンド磁石の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002155302A (ja) * 2000-09-05 2002-05-31 Advanced Materials Technologies Pte Ltd 中空物品の形成方法
JP2013021191A (ja) * 2011-07-12 2013-01-31 Nichia Chem Ind Ltd ボンド磁石およびその製造方法並びにボンド磁石の製造装置
JP2015012635A (ja) * 2013-06-26 2015-01-19 シナノケンシ株式会社 異方性マグネットおよび電動機

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