JP4096367B2 - 粒子状組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルカリ電池の正極活物質、コバルト(II)イオンの酸化剤等の用途に好適であり、特に、リチウム二次電池の正極用材料であるリチウムニッケル複合酸化物の原料としての利用に好適である粒子状組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウム二次電池の正極用材料であるリチウムニッケル複合酸化物の原料としては、これまで、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、オキシ水酸化ニッケル等が用いられている。
これらのうち、オキシ水酸化ニッケルの製造法としては、(1)乾式法、(2)湿式法、(3)溶融法等がある。このうち、乾式法としては、例えば、特公昭61−12345号公報には、水酸化ニッケルに銀及び銀化合物のうち少なくとも一種と苛性アルカリとを添加しオゾンで乾式酸化を行い、オキシ水酸化ニッケルを製造する方法が開示されている。
しかしながら、この方法では、銀及びアルカリ成分が残留することとなり、純粋なオキシ水酸化ニッケルが得られない欠点があった。
【0003】
湿式法としては、例えば、特開昭48−18195号公報には、2価のニッケル塩の溶液をペルオキシ二硫酸塩等の酸化剤で処理した後、該溶液のpHを苛性アルカリ等によって調整し、オキシ水酸化ニッケルを沈殿させる方法が開示されている。
しかしながら、この方法により得られるオキシ水酸化ニッケルは、無定形又は低結晶性の微粒子であり、かつ、酸化度が低いものであるので、実用上の欠点が多かった。
【0004】
特開昭56−155025号公報には、このような湿式法の欠点を改善する方法として、溶融法でつくった結晶性のよいオキシ水酸化ニッケルを反応開始前に入れて温度を一定に保ちつつ反応を行うことにより、粗大な結晶が製造され良好な濾過性が得られる技術が開示されている。
しかしながら、この方法によっても、得られるオキシ水酸化ニッケルの酸化度は90%を上回らない等の問題があった。
【0005】
溶融法としては、例えば、ニッケル坩堝にニッケル粉を入れ、これに水酸化ナトリウムと過酸化ナトリウムとを添加して、600〜700℃に加熱溶融し、長時間加熱して結晶性のよいオキシ水酸化ニッケルを得る方法等があるが、この結晶は鱗片状であり、また、製造コストも高くつく等の欠点があった。
【0006】
上に掲げたオキシ水酸化ニッケルは、いずれも種々の欠点を有しており、例えば、リチウムイオン二次電池の正極材の一つであるニッケル酸リチウム製造用原料とした場合、粒子の形状、サイズ、反応率及び製造コストにおいて不満足なニッケル酸リチウムしか得られない等の欠点を有していた。
【0007】
ところでこれらのオキシ水酸化ニッケルの利用上の欠点を補う目的のため、オキシ水酸化ニッケルをリチウム二次電池の正極用材料であるリチウムニッケル複合酸化物の原料として利用しようとする試みにおいて、リチウムイオン二次電池の正極材であるニッケル酸リチウムの電池特性を改善するために、例えば、特開平5−198301号公報、特開平6−215800号公報、特開平6−283174号公報には、リチウムニッケル酸複合酸化物にCu、Zn、Nb、Mo、W、Co、Fe、Mn、Cr、V、Ti等の金属イオンをドープさせたものが開示されている。
しかしながら、これらの技術においては、金属イオンがドープされるリチウムニッケル酸複合酸化物そのものの本質的な欠点を解決することができず、これらの利用上の欠点を充分に改善するには至っていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、ニッケル酸リチウムの原料に好適なオキシ水酸化ニッケル含有粒子状組成物の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、オキシ水酸化ニッケルからなる粒子であり、微細一次粒子が集合してなる二次粒子であって実質的に球状を有する粒子からなることを特徴とする粒子状組成物の製造方法である。以下に本発明を詳述する。
【0010】
本発明の製造方法によって得られる粒子状組成物を構成する粒子は、オキシ水酸化ニッケルからなる。上記オキシ水酸化ニッケルは、種々の方法により得ることができるが、例えば、以下に詳述する本発明の製造方法により、水酸化ニッケルを酸化することにより得ることができる。
【0011】
本発明の製造方法によって得られる粒子状組成物を構成する粒子は、微細一次粒子が集合してなる二次粒子である。上記微細一次粒子の形状は特に限定されず、例えば、鱗片状、板状、ラグビーボール状、球状等を挙げることができる。
【0012】
上記微細一次粒子の平均粒子径は、0.01〜5μmであることが好ましい。上記微細一次粒子の平均粒子径が0.01μm未満であると、リチウムイオン二次電池の正極用材料の原料として用いた場合に充填密度が低く、電池の単位容積当たりの電気容量が低くなり、5μmを超えると、これを原料にリチウムニッケ複合酸化物にする場合に、反応が不充分となる。より好ましくは、0.1〜3μmである。
上記微細一次粒子の平均粒子径は、例えば、電子顕微鏡写真等により測定することができる。
【0013】
本発明の製造方法によって得られる粒子状組成物を構成する二次粒子は、実質的に球状を有する粒子である。本明細書において、上記「実質的に球状を有する」とは、本発明の粒子状組成物を構成する粒子が、本発明の目的の一つであるリチウム二次電池の正極用材料であるリチウムニッケル複合酸化物の原料として利用しようとする場合において、球状を呈していることを意味する。上記粒子状組成物を構成する粒子が球状を有することは、電子顕微鏡写真等により確認することができる。
【0014】
上記二次粒子の平均粒子径は、1〜100μmであることが好ましい。1μm未満であると、これを用いて得られるリチウムニッケル複合酸化物粒子が小さく、これをリチウムイオン二次電池の正極材活物質として用いた場合、充填密度が低く、従って、電池の単位容積当たりの電気容量が低くなり、100μmを超えると、同様にリチウムイオン二次電池を作成した場合、その粒子がポリプロピレン等の高分子フィルムからなる負極と正極とのセパレータを貫通し、短絡を生じるおそれがある。より好ましくは、3〜50μmであり、更に好ましくは、5〜30μmである。
【0015】
本発明の製造方法によって得られる粒子状組成物は、結晶子径が100〜10000Åであることが好ましい。上記結晶子径は、X線回折法に基づいて下記シェラー(Scherrer)の式より算出することができる。
【0016】
【数1】
Figure 0004096367
【0017】
式中、εは、結晶子径(Å)を表す。λは、測定X線波長(Å)を表す。β1/2 は、半価幅(ラジアン)を表す。θは、回折線のブラック角(ラジアン)を表す。
【0018】
本発明の製造方法によって得られる粒子状組成物は、見掛密度がバルク密度(JIS K5101〈18〉嵩密度測定法)で1.3〜1.7g/ml、タッピング密度で1.8〜2.1g/mlであることが好ましい。このように密度を調整することにより、上記した本発明の目的を的確に達成することができる。
【0019】
本発明の製造方法によって得られる粒子状組成物は、比表面積が1〜200m/gであることが好ましい。1m/g未満であると、リチウム2次電池の正極用材料の原料として用いた場合に信頼性と再現性とに劣ることになり、200m/gを超えると、充填密度が低下して良好な電池特性を得ることができない。より好ましくは、3〜150m/gであり、更に好ましくは、5〜100m/gである。
【0020】
本発明の製造方法によって得られる粒子状組成物は、ニッケル元素の原子価の3価への酸化率が、実質的に100%であるものが好ましい。このことにより、上記した本発明の目的を的確に達成することができる。しかしながら、本発明の粒子状組成物は、ニッケル元素の原子価の3価への酸化率が、用途によっては、100%以下のものであってもよい。
【0021】
本発明の製造方法によって得られる粒子状組成物は、B、Mg、Al、Si、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Sn、Sb、La、Ce、Pr、Nd、Hf、Ta、W及びPbからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有することができる。上記元素のうち、一つを含有してもよいし、二以上を含有していてもよい。本発明の粒子状組成物は、これらの元素を含有することにより、上記した本発明の目的を良好に達成することができる。
【0022】
本発明の製造方法によって得られる粒子状組成物は、水酸化ニッケルからなる粒子であり、微細一次粒子が集合してなる二次粒子であって実質的に球状を有する粒子を、酸化することにより製造することができる。上記水酸化ニッケルからなる粒子は、微細一次粒子が集合してなる二次粒子であって実質的に球状を有する粒子である。上記微細一次粒子が集合してなる二次粒子であって実質的に球状を有する粒子については、上記に詳述した本発明の粒子状組成物の構成を、そのまま当てはめることができる。本発明の製造方法によれば、上記の微細一次粒子が集合してなる二次粒子であって実質的に球状を有する粒子であって、本発明のオキシ水酸化ニッケルの原料となる水酸化ニッケル粒子を、酸化することにより、本発明の粒子状組成物を製造することができる。
【0023】
上記水酸化ニッケルの微細一次粒子の比表面積は、10〜200m2 /gであることが好ましい。10m2 /g未満であると、ニッケル元素の3価への酸化率が低下し、200m2 /gを超えると、無定形又は低結晶性の微粒子となるため、本発明の目的を達成できない。より好ましくは、10〜100m2 /gである。
【0024】
上記酸化にあたっては、上記水酸化ニッケル粒子を、水系分散媒に分散し、これに酸化剤を添加することにより行うことが好ましい。
上記水酸化ニッケルとしては特に限定されず、例えば、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、硫酸ニッケル等の2価のニッケルを有する化合物をアンモニア存在下でアルカリ中和したもの等を挙げることができる。
上記水系分散媒としては特に限定されず、例えば、水にpH調整剤等の添加剤を適宜加えたもの等を挙げることができる。
【0025】
上記酸化剤としては特に限定されず、例えば、オゾン;過マンガン酸(HMnO4 )、MMnO4 (Mは、アルカリ金属を表す。)等で表される過マンガン酸塩;クロム酸(CrO3 )、M2 Cr2 7 、MCrO3 Cl(Mは、アルカリ金属を表す。)、CrO2 Cl2 等で表されるクロム酸関連化合物;F2 Cl2 、Br2 、I2 等のハロゲン;ペルオクソ酸、M2 2 8 、M2 2 5 (Mは、アルカリ金属を表す。)、CH3 CO3 H等で表されるその塩;酸素酸、MClO、MBrO、MIO、MClO3 、MBrO3 、MIO3 、MClO4 、MIO4 (Mは、アルカリ金属を表す。)、Na3 2 IO6 、KIO4 等で表されるその塩等を挙げることができる。
これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0026】
上記製造方法にあたっては、水酸化ニッケル又は水酸化ニッケルを含む水系分散媒に上記酸化剤を含む水溶液又は酸化剤を加えることにより酸化を行うことができる。また、上記酸化剤を含む水溶液に水酸化ニッケル又は水酸化ニッケルを含む水系分散媒を加えることより酸化を行うこともできる。
【0027】
上記水酸化ニッケルの分散液中の濃度は特に限定されないが、通常、水酸化ニッケルの濃度に換算して、0.05〜10モル/Lが好ましい。製造工程における操作性や経済性の点から、より好ましくは、0.1〜5モル/Lである。
【0028】
上記酸化剤の溶液中の濃度は特に限定されないが、通常、酸化剤の濃度に換算して、0.05〜4モル/Lが好ましい。製造工程における操作性や経済性の点から、より好ましくは、0.1〜4モル/Lである。
【0029】
上記水酸化ニッケルと上記酸化剤との仕込み比は、酸化当量比で(酸化剤)/(ニッケル)≧1であればよい。製造工程における操作性や経済性の点から、酸化当量比は、好ましくは(酸化剤)/(ニッケル)=1/1〜4/1である。1/1未満であると、得られるオキシ水酸化ニッケルの酸化率が低くなり、4/1を超えると、経済性の点で不利である。より好ましくは、(酸化剤)/(ニッケル)=1/1〜2/1である。
【0030】
上記酸化反応における反応系のpHは、通常5〜12が好ましい。5未満であると、ニッケルその他の陽イオンが溶出し、収率が悪くなり、12を超えると、アルカリ性物質の使用量が多くなり、経済性が悪くなる。より好ましくは、7〜9である。
【0031】
上記酸化反応における反応系の温度は、通常0〜80℃が好ましい。例えば、酸化剤として、過硫酸塩等のペルオクソ酸を用いる場合には、50〜80℃がより好ましく、一方、過塩素酸塩等の酸素酸を用いる場合には0〜20℃がより好ましい。
上記酸化反応における酸化時間は、酸化剤の種類及び反応温度により異なるが、数分〜数日が好ましい。
上記酸化反応により取得されたオキシ水酸化ニッケルは、形状が球状であるので、濾過速度が大きく、水洗工程での不純物除去効率が高く、しかも、乾燥後の粉砕を必要としない等の多くの利点を有する。
【0032】
本発明の製造方法によって得られる粒子状組成物が、B、Mg、Al、Si、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Sn、Sb、La、Ce、Pr、Nd、Hf、Ta、W及びPbからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する場合には、このような粒子状組成物を製造するにあたっては、上記製造方法において、原料である水酸化ニッケルのNiが当該元素に置換されたものを原料として使用することにより、同様に製造することができる。
【0033】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0034】
粒子状組成物の製造
実施例1
表1に示した水酸化ニッケルを水中に分散し、1モル/Lの水酸化ニッケルスラリー1Lとし、これに酸化当量が2となるように、1モル/Lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液1Lを攪拌しつつ滴下し、pHを7〜9、温度を10℃に保ったまま5時間攪拌しながら酸化を行った後、スラリーを濾過水洗し、オキシ水酸化ニッケル(III)の沈殿のケーキを得た。このケーキを80℃で乾燥させて、粉末を得た。得られた粉末のX線回折パターンを測定したところ、オキシ水酸化ニッケルであることが確認された。得られたオキシ水酸化ニッケル粒子の平均一次粒子径、平均二次粒子径及び酸化率を表2に示した。
【0035】
実施例1で得られたオキシ水酸化ニッケル粒子の電子顕微鏡写真を図1に示した。また、実施例1で得られたオキシ水酸化ニッケルのX線回折チャートを図2に示した。
【0036】
参考例1
表1に示した水酸化ニッケルを水中に分散し、1モル/Lの水酸化ニッケルスラリー1Lとし、これに酸化当量が2となるように、1モル/Lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液1Lを攪拌しつつ滴下し、pHを7〜9、温度を5℃に保ったまま24時間攪拌しながら酸化を行った後、スラリーを濾過水洗し、オキシ水酸化ニッケル(III)の沈殿のケーキを得た。このケーキを80℃で乾燥させて、粉末を得た。得られた粉末のX線回折パターンを測定したところ、オキシ水酸化ニッケルであることが確認された。得られたオキシ水酸化ニッケル粒子の平均一次粒子径、平均二次粒子径及び酸化率を表2に示した。
【0037】
実施例3
表1に示した水酸化ニッケルを水中に分散し、1モル/Lの水酸化ニッケルスラリー1Lとし、これに酸化当量が4となるように、1モル/Lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液2Lを攪拌しつつ滴下し、pHを7〜9、温度を20℃に保ったまま2時間攪拌しながら酸化を行った後、スラリーを濾過水洗し、オキシ水酸化ニッケル(III)の沈殿のケーキを得た。このケーキを80℃で乾燥させて粉末を得た。得られた粉末のX線回折パターンを測定したところ、オキシ水酸化ニッケルであることが確認された。得られたオキシ水酸化ニッケル粒子の平均一次粒子径、平均二次粒子径及び酸化率を表2に示した。
【0038】
実施例4
表1に示した水酸化ニッケルを水中に分散し、1モル/Lの水酸化ニッケルスラリー1Lとし、これに酸化当量が2となるように、1モル/Lの過硫酸ナトリウム水溶液1Lを攪拌しつつ滴下し、pHを7〜9、温度を50℃に保ったまま8時間攪拌しながら酸化を行った後、スラリーを濾過水洗し、オキシ水酸化ニッケル(III)の沈殿のケーキを得た。このケーキを80℃で乾燥させて粉末を得た。得られた粉末のX線回折パターンを測定したところ、オキシ水酸化ニッケルであることが確認された。得られたオキシ水酸化ニッケル粒子の平均一次粒子径、平均二次粒子径及び酸化率を表2に示した。
【0039】
実施例5
表1に示した水酸化ニッケルを水中に分散し、1モル/Lの水酸化ニッケルスラリー1Lとし、これに酸化当量が4となるように、1モル/Lの過硫酸ナトリウム水溶液1Lを攪拌しつつ滴下し、pHを7〜9、温度を80℃に保ったまま0.5時間攪拌しながら酸化を行った後、スラリーを濾過水洗し、オキシ水酸化ニッケル(III)の沈殿のケーキを得た。このケーキを80℃で乾燥させて粉末を得た。得られた粉末のX線回折パターンを測定したところ、オキシ水酸化ニッケルであることが確認された。得られたオキシ水酸化ニッケル粒子の平均一次粒子径、平均二次粒子径及び酸化率を表2に示した。
【0040】
実施例6
表1に示したNiの10モル%がCoに置換された水酸化ニッケル粒子1モルを1Lの水に分散したスラリーを作成し、これに酸化当量が2となるように、1モル/Lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液1Lを攪拌しつつ滴下し、pHを7〜9、温度を10℃に保ったまま5時間攪拌しながら酸化を行った後、スラリーを濾過水洗し、オキシ水酸化ニッケル(III)の沈殿のケーキを得た。このケーキを80℃で乾燥させて粉末を得た。得られた粉末のX線回折パターンを測定したところ、オキシ水酸化ニッケルと同様であることが確認された。得られたオキシ水酸化ニッケルコバルト粒子の平均一次粒子径、平均二次粒子径及び酸化率を表2に示した。
【0041】
実施例7
表1に示したNiの10モル%がAlに置換された水酸化ニッケル粒子1モルを1Lの水に分散したスラリーを作成し、これに酸化当量が2となるように、1モル/Lの臭素水溶液1Lを攪拌しつつ滴下し、pHを7〜9、温度を10℃に保ったまま2時間攪拌しながら酸化を行った後、スラリーを濾過水洗し、オキシ水酸化ニッケル(III)の沈殿のケーキを得た。このケーキを80℃で乾燥させて粉末を得た。得られた粉末のX線回折パターンを測定したところ、オキシ水酸化ニッケルと同様であることが確認された。得られたオキシ水酸化ニッケルアルミニウム粒子の平均一次粒子径、平均二次粒子径及び酸化率を表2に示した。
【0042】
実施例8
表1に示したNiの5モル%がFeに置換された水酸化ニッケル粒子1モルを1Lの水に分散したスラリーを作成し、これにオゾンガスを吹き込みなから、pHを7〜9、温度を20℃に保ったまま1時間攪拌オゾン酸化を行った後、スラリーを濾過水洗し、オキシ水酸化ニッケル(III)の沈殿のケーキを得た。このケーキを80℃で乾燥させて粉末を得た。得られた粉末のX線回折パターンを測定したところ、オキシ水酸化ニッケルと同様であることが確認された。得られたオキシ水酸化ニッケル鉄粒子の平均一次粒子径、平均二次粒子径及び酸化率を表2に示した。
【0043】
比較例1
表1に示した水酸化ニッケルを水中に分散し、1モル/Lの水酸化ニッケルスラリー1Lとし、これに1モル/Lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液1Lを攪拌しつつ滴下し、pHを7〜9、温度を10℃に保ったまま5時間攪拌しながら酸化を行った後、スラリーを濾過水洗し、オキシ水酸化ニッケル(III)の沈殿のケーキを得た。このケーキを80℃で乾燥させて粉末を得た。得られた粉末のX線回折パターンを測定したところ、水酸化ニッケルとオキシ水酸化ニッケルの混合物であることが確認された。得られたオキシ水酸化ニッケル粒子の平均一次粒子径及び酸化率を表2に示した。
【0044】
酸化率の測定
オキシ水酸化ニッケルを必要量採取秤量し、これを硫酸−ヨウ化カリウム溶液中で完全に溶解させ、ニッケル元素の3価から2価への還元を行った後、遊離したヨウ素をチオ硫酸ナトリウム溶液で逆滴定し、得られた滴定量より酸化率を算出した。
【0045】
【表1】
Figure 0004096367
【0046】
【表2】
Figure 0004096367
【0047】
【発明の効果】
本発明の製造方法によって得られる粒子状組成物は、微細一次粒子が集合した実質的に球状を有する粒子なので、リチウム二次電池の正極用材料の原料として用いると、高い充填密度及び電池の諸特性に対し高い信頼性と再現性を有することができるが、これに限定されることなく、他のいかなる用途にも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のオキシ水酸化ニッケル粒子の電子顕微鏡写真である。
【図2】実施例1のオキシ水酸化ニッケル粒子のX線回折チャートである。縦軸は、X線強度(cps)を表し、横軸は、回折角(2θ)を表す。

Claims (2)

  1. 水酸化ニッケルからなる粒子であり、微細一次粒子が集合してなる二次粒子であって実質的に球状を有する粒子を、酸化する粒子状組成物の製造方法であって、
    前記微細一次粒子の比表面積は、10〜200m/gであり、
    前記酸化は、前記水酸化ニッケルからなる粒子を、水系分散媒に分散し、これに酸化剤を添加することにより行われるものであり、
    前記酸化反応における反応系のpHは、7〜9である
    ことを特徴とする、オキシ水酸化ニッケルからなる粒子であり、微細一次粒子が集合してなる二次粒子であって実質的に球状を有する粒子からなり、比表面積が1〜200m /gであり、前記微細一次粒子の平均粒子径が、0.2〜3μmであり、前記二次粒子の平均粒子径が、1〜100μmである粒子状組成物の製造方法。
  2. 前記粒子状組成物が、B、Mg、Al、Si、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Sn、Sb、La、Ce、Pr、Nd、Hf、Ta、W及びPbからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する請求項1記載の製造方法
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