JP4089341B2 - ロータおよび回転機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転機などに用いられるロータ(回転子)およびその製造方法に関し、特に、複数の磁石を用いて磁界を形成するロータおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁力の強い永久磁石が開発されており、モータや発電機などの回転機のロータに利用されている。特に、希土類・鉄・ボロン系焼結磁石(R−Fe−B系焼結磁石)は、高い磁気エネルギー積を示し、かつ、価格も比較的安いため、幅広い分野で利用されている。
【0003】
永久磁石を用いるモータとしては、永久磁石がロータ内に埋め込まれる、いわゆるIPM(Interior Permanent Magnet)モータが知られている。IPMモータは電気自動車などにおいて使用されている。図1は、IPMモータ用のロータ10を示す。このロータ10の本体16は、ロータ軸12の周囲において積層するようにして固定された複数の金属板16aを用いて作製されている。金属板16aは、例えば、ケイ素鋼などから形成される。これらの金属板16aは互いに絶縁されており、これによって、ロータ回転時に発生し得る渦電流を抑制することができる。
【0004】
また、金属板16aのそれぞれには、ロータ軸12の周囲に位置する複数の矩形の孔14aが形成されており、各金属板16aの孔14aが軸方向D0に連続するように金属板16が積層されている。これらの孔14aによって、ロータ10の本体16には、ロータ軸方向D0に沿って所定の奥行きを有する複数のスロット14が形成される。このスロット14には、ロータ10の磁極を形成するための永久磁石18が矢印Aで示すように挿入される。この永久磁石18として、優れた磁気特性を示すR−Fe−B系焼結磁石を用いれば、高いエネルギー変換効率が実現されるため、モータの性能を向上させることができる。
【0005】
このように、IPMモータのロータ10を作製するためには、スロット14内に永久磁石18を収納することが必要であるが、各金属板16の孔の形状や位置がずれることなどによって、スロット14の内壁面には段差が形成される場合が多い。この場合、スロット14内に磁石をスムーズに挿入することが困難になる。特に、1つのスロット14に対して複数の磁石を収納する場合には、非常に手間がかかる。
【0006】
これに対して、例えば、特開2001−16808号公報には、複数の磁石を、非磁性体からなるケースに収容した上で通し孔(スロット)に挿入するという方法が開示されている。このようにすれば、より容易に磁石の収容作業を行なうことが可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載されているように複数の永久磁石を近接させてロータに組み込む場合、磁石同士の電気的絶縁性を十分に確保しておかないと、ロータ回転中に磁石に大きな渦電流が発生する。上記公報には磁石を非磁性体からなるケースに収容することが記載されているが、このケースが例えばアルミニウムのような導電性の高い非磁性体から形成されているときには、隣接する磁石同士の電気的な絶縁性が低い。このことによって、大きな渦電流が発生し、モータや発電機におけるエネルギー変換効率が低下する。
【0008】
また、上記公報に記載されているケースは、各磁石の位置を規制するような構成を有しておらず、それぞれの磁石が所望の寸法よりも小さく形成されている場合には、ケース内で磁石が比較的大きく動くことがある。この場合、ケースをスロットに挿入するときなどにおいて、磁石同士の衝突が生じ、欠けやひびなどが発生しやすい。また、これを防止するために、接着剤等を用いて固定する際にも位置を規制しておく必要がある。
【0009】
特開2001−86671号公報には、複数の磁石を高強度の繊維帯で拘束することによって一体化し、これによってスロットへの挿入を容易にするとともに、磁石の表面に非導電性の樹脂層を形成しておくことで隣接する磁石同士の絶縁性を向上させることが記載されている。このような方法によれば、渦電流の発生を防止することはできるが、繊維帯で磁石を拘束して固定する工程が複雑であり、ロータの作製に手間がかかる。
【0010】
また、上述のようなIPM用のロータだけでなく、ロータ本体の外周面に複数の磁石を固定することによって作製されるロータにおいても同様の問題が生じていた。すなわち、ロータ本体に固定される磁石同士を適切に絶縁しておかないと、渦電流の発生によって回転機のエネルギー変換率が低下する。また、複数の磁石をロータ本体に固定するときに、各磁石を適切な位置にそれぞれ固定することが容易ではない。
【0011】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その主な目的は、ロータへの磁石の取り付けが容易で、かつ、渦電流の発生が効果的に抑制されるロータおよびその製造方法ならびにそのようなロータを備える回転機を提供することにある。本発明の他の目的は、上記ロータに好適に用いられる磁石ユニットを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によるロータは、ロータ軸と、前記ロータ軸に固定された本体であって複数のスロットを有する本体と、それぞれが前記複数のスロットのそれぞれに収容された複数の磁石ユニットとを備えるロータであって、前記複数の磁石ユニットのそれぞれは、複数の磁石と、前記複数の磁石を保持する磁石保持ケースとを有し、前記磁石保持ケースは、前記複数の磁石が載置される底面部材と、前記底面部材に対する予め決められた位置において、前記複数の磁石のうちの隣接する磁石間に配置される、電気的に絶縁性の仕切り部材とを有する。
【0013】
ある好ましい実施形態において、前記仕切り部材は前記底面部材に接続されている。
【0014】
ある好ましい実施形態において、前記磁石保持ケースは、前記複数の磁石の周囲に近接して配置される側壁部材をさらに有し、前記側壁部材は、前記複数の磁石に当接する弾性変形可能な複数の凸状部分を持つ。
【0015】
本発明によるロータは、ロータ軸と、前記ロータ軸に固定された本体であって複数のスロットを有する本体と、それぞれが前記複数のスロットのそれぞれに収容される複数の磁石ユニットとを備えるロータであって、前記複数の磁石ユニットのそれぞれは、複数の磁石と、前記複数の磁石を保持する磁石保持ケースとを有し、前記磁石保持ケースは、前記複数の磁石が載置される底面部材と、前記複数の磁石の周囲に近接して配置される側壁部材であって、前記複数の磁石に当接する弾性変形可能な複数の凸状部分を持つ側壁部材とを有する。
【0016】
ある好ましい実施形態において、前記本体は、互いに固定された複数の板状部材から形成されている。
【0017】
ある好ましい実施形態において、前記底面部材の、前記複数の磁石との当接面は樹脂から形成されている。
【0018】
ある好ましい実施形態において、前記磁石保持ケースは、樹脂によって一体的に形成されている。
【0019】
ある好ましい実施形態において、前記樹脂は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂のいずれかである。
【0020】
ある好ましい実施形態において、前記複数の磁石のそれぞれはR−Fe−B系焼結磁石であり、前記複数の磁石のそれぞれの表面には保護膜が形成されている。
【0021】
本発明の回転機は、上記のロータと、前記ロータの近傍に設けられるステータとを備える。
【0022】
本発明のロータの製造方法は、ロータ軸と、前記ロータ軸に固定された本体であって複数のスロットを有する本体と、前記複数のスロットのそれぞれにおいて収容された複数の磁石とを備えるロータの製造方法であって、磁石保持ケースを用意する工程と、前記複数の磁石を前記磁石保持ケースに収容する工程と、前記複数の磁石が収容された磁石保持ケースを前記スロットに挿入する工程とを包含し、前記磁石保持ケースは、前記複数の磁石が載置される底面部材と、前記底面部材に対する予め決められた位置に配置された仕切り部材とを有し、前記複数の磁石を前記磁石保持ケースに収容する工程は、前記仕切り部材によって前記複数の磁石のそれぞれを前記磁石保持ケースの所定の場所に互いに離間して配置させる工程を包含する。
【0023】
ある好ましい実施形態において、前記仕切り部材は電気的絶縁性を有する。
【0024】
ある好ましい実施形態において、前記磁石保持ケースは、前記複数の磁石の周囲に近接して配置された複数の凸状部分を持つ側壁部材を有しており、前記複数の磁石を前記磁石保持ケースに収容する工程は、前記側壁部材の一部を弾性変形させた状態で、前記複数の磁石と前記複数の凸状部分とを当接させる工程を包含する。
【0025】
または、本発明のロータは、ロータ軸と、前記ロータ軸に固定された本体と、それぞれが本体の外周面に固定される複数の磁石ユニットとを備えるロータであって、前記複数の磁石ユニットのそれぞれは、複数の磁石と、前記複数の磁石を保持する磁石保持ケースとを有し、前記磁石保持ケースは、前記複数の磁石が載置される底面部材と、前記底面部材に対する予め決められた位置において、前記複数の磁石のうちの隣接する磁石間に配置される、電気的に絶縁性の仕切り部材とを有する。
【0026】
本発明の磁石ユニットは、ロータのスロット内に配置される磁石ユニットであって、複数の磁石と、前記複数の磁石を互いに絶縁し、かつ前記複数の磁石を一体に保持する絶縁性構造体とを有する。前記絶縁性構造体は、熱可塑性樹脂から形成されていることが好ましい。
【0027】
本発明のある実施形態のロータは、ロータ軸と、前記ロータ軸に固定された本体であって複数のスロットを有する本体と、それぞれが前記複数のスロットのそれぞれに収容される複数の磁石ユニットとを備えるロータであって、前記複数の磁石ユニットのそれぞれは、複数の磁石と、前記複数の磁石を互いに絶縁し、かつ前記複数の磁石を一体に保持する絶縁性構造体とを有する。前記絶縁性構造体は、熱可塑性樹脂から形成されていることが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0029】
(実施形態1)
本実施形態のロータは、図1に示す従来のロータと同様に、ロータ軸12と、複数のスロット14が設けられた本体16と、このスロット14内に収容される複数の永久磁石とを備えている。ただし、複数の永久磁石は、保持ケース20(図2参照)によって保持されており、この保持ケースごと磁石ユニットとしてスロット14内に収容される。なお、本実施形態においてロータの本体16は従来と同様の構成であってよく、ロータ軸12に固定された例えばケイ素鋼からなる複数の積層された金属板16aによって構成されている。また、各金属板16aに形成された孔を連続させることによってスロット14が形成されている。これらの金属板16aは、金属板16aの表面に形成された樹脂膜などによって互いに絶縁されており、これによって、ロータ回転時に発生する渦電流が抑制されている。
【0030】
以下、複数の磁石と保持ケースとによって構成される本実施形態の磁石ユニットについて説明する。図2に示すように、磁石ユニットは、複数の長尺状の永久磁石2を保持ケース20内の所定の位置に配置することによって作製されている。なお、図示するように、磁石2が保持された保持ケース20にさらに蓋30を被せることで磁石ユニットを作製してもよい。蓋30は、保持ケース20と一体的に形成されていても良い。この磁石ユニットは、図2において矢印Aで示す方向に沿ってロータ本体16のスロット14内に収容される。
【0031】
永久磁石2としては、R−Fe−B系焼結磁石が用いられる。R−Fe−B系焼結磁石の磁気特性は高いため、このような磁石を用いれば回転機の性能を向上させることができる。ただし、R−Fe−B系焼結磁石は、腐食しやすいという性質を有している。このため、その表面に、耐食性の向上させるための保護膜が形成されている。保護膜は、NiまたはAlなどの金属材料を磁石の表面にめっきまたは蒸着することによって形成されている。Niめっき膜またはAl蒸着膜は、膜が緻密であり、耐食性の信頼性に優れているので好適に用いられる。
【0032】
蓋30と保持ケース20とによって充分な気密性が得られる場合、磁石には耐食膜を設けなくてもよい。磁石に耐食膜を設けない場合は、磁石を保持ケース20に挿入した後、磁石と保持ケース20との隙間に樹脂などを充填してもよい。
【0033】
次に、保持ケース20について説明する。この保持ケース20は、磁石2が載置される底面部材22および磁石の側面に近接する側壁部材24とを有しており、上面が開放された箱型を為している。保持ケース20はさらに底面部材22と側壁部材24とによって規定される収容空間を、複数の空間(部屋)に区切るための仕切り部材26を有している。仕切り26部材は、底面部材26に対して予め決められた所定の位置に形成されており、これによって、底面部材26上の所定の場所において複数の部屋が規定される。なお、保持ケース20全体の寸法は、例えば、縦60mm×横40mm×高さ5mm程度である。このとき、側壁部材24の厚さは約0.01〜2mmであり、仕切り部材26の厚さは、約0.01〜1mmである。
【0034】
本実施形態において、底面部材22、側壁部材24、および仕切り部材26(すなわち保持ケース20全体)は、絶縁性の樹脂材料(熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂)によって一体的に形成されている。より具体的には、例えば、不飽和ポリエステル、ナイロン、液晶ポリマーなどの熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂から形成することができる。
【0035】
このような保持ケース20において、上述のように仕切り部材26によって規定された各部屋に複数の磁石2のそれぞれが収容される。このとき、仕切り部材26によって各磁石2に対応する形状を有する空間が形成されているので、複数の磁石2を所望の位置に容易に精度良く配置することができる。
【0036】
図3は、保持ケース20内に磁石2が収容された状態を示す。磁石2は保持ケース20内で同極どうしが隣接するように収容される。図示するように、仕切り部材26は磁石2の間に配置され、隣接する磁石2同士を互いに離間させる。また、仕切り部材26は、電気的に絶縁性を有する樹脂材料から形成されており、隣接する磁石2を確実に絶縁することができる。さらに樹脂から形成された仕切り部材26は、隣接する磁石2同士の衝突を防止するとともに、その弾性によって、保持ケース20を運ぶ際などに磁石に付与され得る衝撃を吸収し得る。従って、磁石2の割れや欠けを効果的に防止することができる。
【0037】
磁石2を保持ケース20に収容した後に着磁を行えば、磁石どうしが吸着しあうことによって発生する磁石の割れ・欠け、および/または保護膜の剥がれなどを防止できる。
【0038】
このような仕切り部材26を設けることは、上述のように表面にAl膜やNi膜などの導電性の保護膜が形成されている磁石2を用いる場合には特に有効である。このような磁石2を用いる場合において、仕切り部材26がない場合には磁石同士が接触すると複数の磁石2間に電気が流れるのに対し、仕切り部材26が設けられていれば磁石間の絶縁性が大幅に向上される。従って、ロータ回転時に渦電流が発生することを効果的に防止することができる。なお、上述のように底面部材22の磁石載置面も絶縁性の樹脂材料から形成されているので、この底面部材22を介して磁石同士が電気的に接続される(導通する)ことも防止されている。
【0039】
ただし、磁石2の保護膜として、上述のような金属膜に限られず、樹脂膜が形成されていてもよい。樹脂膜は、有機高分子材料を用いて、電着塗装、スプレー塗装、静電塗装、ディップ塗装、ロールコート法などの種々の方法を用いて形成できる。また、同様の方法で、無機高分子材料(例えばシリコーン樹脂)の膜を形成することもできる。また、カップリング剤(シラン系、チタネート系、アルミネート系、ジルコネート系など)やベンゾトリアゾールなどの低分子量有機材料を用いて保護膜を形成することもできる。これらの低分子有機材料は、溶液としてボンド磁石に種々の方法で付与することができる。さらに、鉄鋼の分野で一般に用いられている化成処理や酸化被膜処理を用いても十分な耐食性を得ることができる。このような膜が形成されている場合であっても、仕切り部材26を設けることによって、膜剥がれなどによる磁石表面における絶縁性の低下が生じた場合にも、確実に磁石同士を絶縁することができる。
【0040】
なお、このような非導電性膜による表面処理が磁石に施されている場合には、仕切り部材26は必ずしも絶縁性を有している必要はない。仕切り部材26が絶縁性を有していない場合にも、仕切り部材26によって、隣接する磁石が離間させるように磁石の配置決めを容易に行うことができ、磁石同士の衝突の可能性を低減し、また、磁石間の絶縁性を向上させ得る。
【0041】
また、図1および図4(a)および(b)に示すように、側壁部材24は、弾性変形可能な複数の凸状部分28を有している。凸状部分28は長尺状の磁石2の長手方向において磁石2を挟むように設けられており、弾性変形して磁石2に当接するようになっている。すなわち、図4(a)に示すように磁石が収容されていない状態での凸状部分28の突出量P1に比べ、図4(b)に示すように磁石が収容された状態での凸状部分28の突出量P2の方が小さくなる。このようにして、凸状部分28は、磁石2が収容された後は磁石2を押すことによって磁石2が動くことを防止することができ、磁石2は保持ケース20に対して固定され得る。なお、磁石が収容されていない状態での凸状部分28の突出量P1は、例えば、0.01〜1mm程度にされる。また、この突出量P1は、部屋の幅方向の間隔の1%から10%程度であることが好ましい。このようにして凸状部分28によって磁石2を支持するようにしておけば、一旦ケース20に収容した磁石2が作業中にはずれることを防止できるので、作業性を向上させることができる。ただし、必要に応じて、接着剤などで磁石2をケース20により確実に固定したり、磁石2とケース20との間に樹脂などを充填して固定するようにしてもよい。
【0042】
なお、図1および図4に示すように、例えば、凸状部分28はその中央に向かってテーパがつけられた、半球状または円錐の頂点部を切り取ったような形状を有している。このような形状を有する凸状部分28が形成されている場合、磁石を収容する際に、凸状部分28のテーパに沿わせて磁石2を滑らせるようにして押し込むことができるので、収容が容易になるという利点が得られる。
【0043】
ただし、側壁部材24の凸状部分28は上記の形態に限られず、図5に示すように側壁部材24をケース内側に湾曲させることで形成されていてもよい。この場合にも、磁石2が収容された後には、凸状部分(湾曲部分)29が弾性変形して磁石2に当接するとともに、磁石2を内側に押すことによって磁石2を保持ケース20に対して固定し得る。また、凸状部分29はテーパ状ではなく、階段状に形成されていてもよい。
【0044】
このようにして保持ケース20に複数の磁石2を収容したもの(すなわち磁石ユニット)を、ロータの本体16に形成されたスロット14内に収容する。このとき、本体16を構成する金属板16aの継ぎ目においてスロット14の内壁には段差が形成されていることが多いが、複数の磁石のそれぞれをスロット14内に1個ずつ収容する場合に比べて、保持ケース20に保持させた状態で収容すれば、段差に突き当たる確率が低減するため収容がより容易になる。また、特に、図2等において示されるように、挿入方向Aと直交する方向に延びる長細い磁石をスロット14に収容する場合には、磁石2がスロット14内で所望でない向きに配置されることを防止することができ、保持ケース20を用いることによる効果が大きい。
【0045】
さらに、本実施形態のように、保持ケース20が樹脂から形成されていれば、ケースが弾性変形することを利用し、多少の段差および凹凸があっても押し込むことが可能である。また、上述のように弾性変形する凸状部分28によって磁石を支持するようにしている場合、ケース20の外側から力が加えられたときに凸状部分28が変形することによって保持ケースの幅がより小さくなり得る。これによって、ケース内において磁石2が動くことを抑制しつつ、スロット14へのケース20の挿入をより容易に実行し得る。
【0046】
なお、本実施形態では、保持ケース20を樹脂から形成しているが、保持ケース20はゴムやエラストマなどの材料から形成してもよい。
【0047】
このようにしてスロット14内に保持ケース20ごと複数の磁石2を収容することによってロータが作製される。なお、スロット内に収容された保持ケース20および保持ケース20内に収容された複数の磁石がロータ回転中に動くことを防止するために、ケース収容後のスロット20に、熱硬化性の樹脂材料などを流し込んでスロット14内の磁石をより強固に固定するようにしてもよい。この場合、樹脂がケース20の内部に均一に流れることが好ましい。このために、ケース20の側壁部材24または仕切り部材26において、樹脂が流れやすくなるような溝や孔を設けるようにしても良い。
【0048】
このようにして作製されたロータ62は、図6に示すようなモータ60に組み込まれる。モータ60は、ロータ62の周囲に設けられ、コイルなどによって磁界を形成することができるステータ64を備えており、ステータ64を用いてロータ62を回転させることができる。なお、ロータ62の磁石2の着磁は、ケース20内に収容する前に行なっても良いし、ケース20内に収容後に行なっても良いし、あるいは、ロータ本体16に収容した後に行なうことも可能である。
【0049】
モータ60を動作させるとロータ62が回転し、このとき、磁石2が磁界変化を受けることによって渦電流が発生し得る。しかし、ロータ62では、仕切り部材26によって隣接する磁石2の絶縁性が確保されているため、好適に渦電流の発生を抑制することができる。
【0050】
さらに、図2に示したように、側壁部材24は、挿入方向(すなわちロータ軸方向)Aに略直交する方向(ロータ接線方向)において弾性変形可能な凸状部分28を有しており、この凸状部分28がロータ回転中などにおいて磁石2の端面に付与され得る衝撃を吸収する。これによって、磁石2を適切に保護することができる。
【0051】
以上本発明の実施形態1について説明したが、仕切り部材26の形態としては、磁石を収容前に底面部材に対して予め決められた位置に配置されるものであれば種々の形態を採用することができる。例えば、図7(a)に示すように側壁部材24とは接続されず、底面部材22の中央部においてのみ形成されるものであってもよい。また、仕切り部材26の高さは、隣接する磁石2を適切に離間することができるのであれば、図示するように側壁部材(または磁石)の高さよりも低いものであってもよいし、逆に高いものであってもよい。
【0052】
また、図7(b)に示すように、仕切り部材26は、異なる方向(好適には互いに直交する方向)のそれぞれに延びる部分を有し、これによって、磁石を保持する空間を行列状に規定するものであってもよい。
【0053】
さらに、上記には、仕切り部材26が底面部材22または側壁部材24と一体的に形成されている形態を説明したが、図7(c)に示すように、底面部材22および側壁部材24とは分離され得るものであってもよい。ただし、仕切り部材26は、磁石を所定の位置に離間させて配置させ得るように、底面部材に対する予め決められた位置に配置される。
【0054】
また、底面部材26も、上記実施形態のように複数の磁石の全体が載置されるような形態である必要はなく、磁石の底面の少なくとも一部を支持できるものであればよい。例えば、底面部材26には、各磁石に対応するように磁石よりも小さいサイズの孔が形成されていてもよい。
【0055】
以下、上記のロータとは別の形態のIPM用のロータについて図8を参照しながら説明する。図8に示すロータ80は、磁界発生部を有するステータの中空部分に配置されており、全体として円柱形状を有している。ロータ80は、ロータ軸82と、このロータ軸82の周囲に固定された鉄心中央部84と、鉄心中央部84の外側に設けられた鉄心外周部86とを有している。また、鉄心中央部84と鉄心外周部86との間には空隙88が設けられており、この空隙88において磁石ユニット90が配置されている。
【0056】
この磁石ユニット60は、上述のロータの場合と同様に、保持ケース92と、この保持ケース92に収容された複数の磁石94とによって構成されている。保持ケース92には、各磁石を収容する空間を規定する仕切り部材96が設けられている。好適には、各磁石94は、仕切り部材96によって規定される空間において、保持ケース92内で動くことがないように隙間を設けずに収容される。
【0057】
また、保持ケース92に収容される磁石94のうち、より強い逆磁力にさらされるケースの両端部分に配置される磁石94aとしては保磁力Hcjの高い磁石が用いられ、それ以外の磁石94bとしては残留磁束密度Brの高い磁石が用いられている。このようにして両端の磁石94aの保磁力を高くしておくことによって、ステータから受ける逆向きの磁界によって両端の磁石94aが減磁されることが防止される。従って、使用とともにモータの性能が劣化することが抑制される。また、上述の逆向きの磁界の影響を受けにくい中央部の磁石94bとしては残留磁束密度Brが高い磁石が用いられているので、この磁石ユニット90が全体として形成する磁界の強度を比較的大きいものとすることができる。
【0058】
このように、ロータ80では、保持ケース92に収容した状態で、複数の磁石94を、鉄心中央部84と鉄心外周部86との間の空隙(スロット)に挿入するため、複数の磁石を所望の位置に容易に配置させることができる。また、保持ケースに収容することで、上述のように種類(保磁力や残留磁束密度)の異なる磁石をロータに容易に組み込むことができる。従って、上述のように、減磁されやすい場所に高保磁力の磁石を配置させ、これ以外の場所に高残留磁束密度の磁石を配置させることが容易であり、モータ用のロータとして良好なロータが得られる。
【0059】
以下、図9(a)および(b)を参照しながら、さらに別の形態のIPM用のロータについて説明する。
【0060】
図9(a)に示すロータ100も、ロータ軸102に固定されたロータ本体104に形成されたスロット内に磁石ユニット110が収容された構成を有する。ただし、図9(a)および図9(b)からわかるように、磁石ユニット(および対応するスロット)110は瓦状(断面が円弧状)の形状を有している。
【0061】
また、図9(b)に示すように、瓦状の磁石ユニット110は、曲面を有する底面部材を備えた保持ケース112と、この保持ケース112に収容された複数の磁石116とによって構成されているが、ケースの両端部に配置される磁石116aとしては保磁力の高い磁石が用いられ、それ以外の磁石116bとしては残留磁束密度の高い磁石が用いられている。このような構成とすることで、上記ロータ80と同様に減磁を適切に防止しながら強い磁界を形成することができる。
【0062】
さらに、保持ケース112は、隣接する磁石同士を分離するための絶縁性の仕切り部材114を有しており、これによって、磁石間の絶縁性を向上させている。このようにすれば、ロータ回転時に発生し得る渦電流を適切に抑制することができる。
【0063】
次に、図10を参照しながら、本実施形態のロータに好適に用いられる磁石ユニット50の構造およびその製造方法を説明する。
【0064】
磁石ユニット50は、複数の磁石2と、これらの磁石を互いに絶縁し、かつ一体に保持する樹脂構造体50aとを有している。樹脂構造体50aは、磁石2を包囲するように設けられており、上述の磁石ケースと異なり、磁石2を出し入れ出来る開口部を有していない。
【0065】
樹脂構造体50aは、熱可塑性樹脂を用いて射出成形で一体に形成されており、底面52と、4つの側面54と、上面55とを有している。側面54には開口部54aが設けられており、上面55には開口部55aおよびスリット状の開口部55bとが設けられている。また、隣接する磁石2間のスリット状開口部55bを除く部分は樹脂が充填されており、隔壁部56を形成している。隔壁部56によって磁石2は互いに絶縁されている。
【0066】
樹脂構造体50aが有する開口部54a、55aおよび55bは、磁石ユニット50の製造工程において、複数の磁石2を所定の位置に固定するために設けられている。即ち、射出成形工程において、金型のキャビティ内で磁石2を所定の位置に固定する部材が磁石2に当接する部分が、最終的に開口部となる。なお、使用する樹脂や成形条件によっては、当接部分にバリが侵入し、開口部が形成されないこともある。これらの開口部の位置は、例示したものに限られず、磁石2の形状や大きさ、あるいは成形方法などに応じて適宜変更すればよい。
【0067】
樹脂構造体50aを形成する熱可塑性樹脂としては、不飽和ポリエステル、ナイロン、液晶ポリマー等を例示することができる。特に、液晶ポリマーは、耐熱性や機械的強度が高く、また寸法精度が高く、熱膨張係数が低い等の特長を有するので好ましい。また、液晶ポリマーを用いると、樹脂を配向させることによって、薄くても十分な強度を有する磁石ユニットを形成することができるので、モータの回転によって強い力がかかる部分に用いて十分な耐性を得ることができる。液晶ポリマーとして、液晶ポリエステル樹脂(例えば東レ社製、シベラス)を好適に用いられる。勿論、樹脂材料は、ガラス繊維などの充填剤によって強化されたものを含む。
【0068】
図10に示した樹脂構造体50は、熱可塑性樹脂で形成した例を説明したが、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を用いてもよく、さらには、セラミックスやガラスなどの無機絶縁材料を用いてもよい。なお、生産性の観点からは、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
【0069】
さらに、ここでは、磁石ユニットを一体に形成した例を示したが、図2に示したような磁石ケースを成形した後に、磁石を挿入・固定するようにしても良い。磁石ケースを別途作製する場合にも、生産性の観点から熱可塑性樹脂(特に液晶ポリマー)を用いる射出成形が好ましいが、熱硬化性樹脂や無機絶縁材料を用いてもよい。
【0070】
(実施形態2)
以下、図11(a)および図11(b)を参照しながら、実施形態2のロータを説明する。
【0071】
本実施形態のロータ120は、実施形態1において説明したようなIPM用のロータとは異なり、ロータ軸122に固定されたロータ本体124の外周面124Sにおいて、複数の磁石を配置させることによって作製されている。このモータはSPM型モータと呼ばれる。この複数の磁石は、保持ケースに収容された状態で磁石ユニット130として、ロータ本体の外周面124Sにおいて固定されている。
【0072】
磁石ユニット130は、保持ケース132と、これに収容された複数の磁石134とによって構成され、図9(b)に示した磁石ユニット110と同様の構成を有している。すなわち、磁石が載置される保持ケース132の底面部材は曲面をなしており、全体として瓦状(断面が円弧状)の形状を有している。保持ケースのロータ接着面の曲率は、ロータ本体の外周面におけるそれと、実質的に同じであることが好ましい。
【0073】
また、保持ケース132は、図9に示す保持ケース112と同様に、隣接する磁石同士を分離するための絶縁性の仕切り部材を有しており、これによって、磁石間の絶縁性を向上させている。このようにすれば、上述のように、ロータ回転時に発生し得る渦電流を適切に抑制することができる。また、磁石ユニット130において、ケースの両端部に配置される磁石134aとしては保磁力の高い磁石が用いられ、それ以外の磁石134bとしては残留磁束密度の高い磁石が用いられている。このような構成とすることで、減磁を適切に防止しながら強い磁界を形成することができる。
【0074】
本実施形態のように、複数の磁石を保持ケースに収容した状態で磁石ユニット130としてロータ本体の外周面124Sに固定するようにすれば、複数の磁石の固定を容易に行なうことができる。また、ロータの寸法精度を向上させることができるという利点も得られる。これは、保持ケース132を使用せずにロータの外周面124Sに接着剤などを用いて直接磁石を固定する場合に比べて、保持ケースに入れてから接着剤などを用いて固定した場合の方が、外周面124Sからの磁石の出っ張り程度のバラツキを低減できるからである。
【0075】
例えば、図11(b)に示すように、外周面において磁石が固定されたロータ本体の外側に金属スリーブ126を設けることによってロータが完成するが、このようにして完成したロータの寸法精度が低い場合、ロータとステータとの間のギャップを大きく設計する必要が生じる。これは、磁石が形成する磁界の利用効率を低下させることになるため、回転機の性能の低下につながる。これに対して、上述のように保持ケースを用いることでロータの寸法精度を高くできる場合には、ロータとステータとの間のギャップを小さくすることが可能であり、これによって性能の良い回転機を作製することが可能である。
【0076】
なお、図11(a)には、ロータの周方向において分離された複数の磁石ユニットを固定する例を示しているが、ロータの周方向においてロータ外周面を一周するような形態を有する磁石ユニットを用いても良い。
【0077】
なお、上記の金属スリーブ126を設けた後に、スリーブ126とロータ本体124との間に生じた空間を樹脂などによって充填してもよい。このようにすれば、ロータ使用時に振動や衝撃によって磁石ユニット130がロータ本体124から脱離することが適切に防止され得る。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、磁石間に配置される仕切り部材を有する保持ケース内に複数の磁石を収容した状態でロータのスロット内に磁石を収容する。または、仕切り部材を有する保持ケース内に複数の磁石を収容した状態でロータの外周面に磁石を固定する。このようにすれば、スロットへの収容または外周面への固定を容易にすることができる。また、仕切り部材によって磁石同士を離間させることでこれらの絶縁性を確保することができ、それによって渦電流の発生を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】IPMモータ用のロータを示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るロータが有する磁石ユニット(保持ケースおよび複数の磁石)を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態1に係るロータにおいて複数の磁石が収容された保持ケースを示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係るロータにおいて側壁部材の凸状部分を示す平面図であり、(a)は磁石が収容されていない状態、(b)は磁石が収容された状態を示す。
【図5】本発明の実施形態1に係るロータにおいて側壁部材の凸状部分の別の形態を示す斜視図である。
【図6】本発明に係るモータの構成を示す断面図である。
【図7】本発明のロータが備える保持ケースの別の実施形態を説明するための斜視図であり、(a)〜(c)はそれぞれ異なる実施形態を示す。
【図8】本発明の実施形態1にかかるSPMモータ用のロータを示す斜視図である。
【図9】本発明の実施形態1にかかる他のSPMモータ用ロータを説明するための図であり、(a)はロータの端面図、(b)は磁石ユニットの斜視図である。
【図10】本発明の実施形態1にかかるロータに好適に用いられる磁石ユニットの構造を模式的に示す斜視図である。
【図11】本発明の実施形態2にかかるロータを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【符号の説明】
10 ロータ
12 ロータ軸
14 スロット
16 本体
20 保持ケース
22 底面部材
24 側壁部材
26 仕切り部材
28、29 側壁部材の凸状部分
30 蓋
60 ロータ
65 ステータ
Claims (5)
- ロータ軸と、前記ロータ軸に固定された本体であって複数のスロットを有する本体と、それぞれが前記複数のスロットのそれぞれに収容された複数の磁石ユニットとを備えるロータであって、
前記複数の磁石ユニットのそれぞれは、複数の磁石と、前記複数の磁石を保持する磁石保持ケースとを有し、
前記複数の磁石は、R−Fe−B系焼結磁石から構成され、それぞれの表面には保護膜が形成されており、
前記磁石保持ケースは、
前記複数の磁石が載置される底面部材と、
前記複数の磁石の周囲に近接して配置される側壁部材と、
前記底面部材に対する予め決められた位置において、前記複数の磁石のうちの隣接する磁石間に配置される仕切り部材と
を有し、電気的に絶縁性の樹脂材料によって一体的に形成されており、
前記側壁部材は、前記複数の磁石に当接する弾性変形可能な複数の凸状部分を有し、該凸状部分が中央に向かってテーパがつけられた半球状または円錐の頂点部を切り取ったような形状を有するロータ。 - 前記樹脂は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂のいずれかである請求項1に記載のロータ。
- 前記樹脂は、液晶ポリマーである請求項1に記載のロータ。
- 請求項1から3のいずれかに記載のロータと、前記ロータの近傍に設けられるステータとを備える回転機。
- ロータ軸と、前記ロータ軸に固定された本体であって複数のスロットを有する本体と、前記複数のスロットのそれぞれにおいて収容された複数の磁石とを備えるロータの製造方法であって、
磁石保持ケースを用意する工程と、
前記複数の磁石を前記磁石保持ケースに収容する工程と、
前記複数の磁石が収容された磁石保持ケースを前記スロットに挿入する工程とを包含し、
前記複数の磁石は、R−Fe−B系焼結磁石から構成され、それぞれの表面には保護膜が形成されており、
前記磁石保持ケースは、前記複数の磁石が載置される底面部材と、前記複数の磁石の周囲に近接して配置される側壁部材と、前記底面部材に対する予め決められた位置に配置された仕切り部材とを有し、電気的に絶縁性の樹脂材料によって一体的に形成されており、前記側壁部材は、前記複数の磁石に当接する弾性変形可能な複数の凸状部分を有し、該凸状部分が中央に向かってテーパがつけられた半球状または円錐の頂点部を切り取ったような形状を有し、
前記複数の磁石を前記磁石保持ケースに収容する工程は、前記仕切り部材によって前記複数の磁石のそれぞれを前記磁石保持ケースの所定の場所に互いに離間して配置し、かつ前記側壁部材の一部を弾性変形させた状態で、前記複数の磁石と前記複数の凸状部分とを当接させる工程を包含するロータの製造方法。
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