JP2021101592A - 回転子及び該回転子を備える回転電機 - Google Patents

回転子及び該回転子を備える回転電機 Download PDF

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孝之 井上
Takayuki Inoue
孝之 井上
冨田 彰子
Akiko Tomita
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Abstract

【課題】 軽量化、小型化及び高性能化を同時に実現する回転子及び該回転子を備える回転電機を提供する。【課題を解決するための手段】偶数個の磁石挿入孔52を有するとともに熱可塑性樹脂から構成される円環柱形状の回転子コア5と、磁石挿入孔52のそれぞれに、隣り合う磁極が異なるように挿入された永久磁石6と、回転子コア5の中央部に挿通されたシャフト4を有する回転子3であって、熱可塑性樹脂には、炭素繊維が含有されており、回転子コア5の磁石挿入孔52は、回転子コア5の外周方向に略弧状の外側膨らみ部53が形成された中高形状の断面を有する柱形状である。【選択図】図2

Description

本発明は、樹脂製の回転子コアを備える回転子及び該回転子を備える回転電機に関する。
例えば、自動車社会においては、近年、地球温暖化対策の一つとしての二酸化炭素排出削減のため、特にハイブリッド自動車(HV、又は、HEV)が急速に普及しており、更に、二酸化炭素を含む排気ガスを全く排出しない電気自動車(EV)の普及の要求も世界的に高まっている。これらのHV(HEV)やEVでは、電動機及び/又は発電機として働く回転電機が、多数使用されている。
回転電機の回転子(「ロータ」とも言う)には、回転子に設けられた磁石挿入孔に永久磁石を挿入する埋込磁石型(IPM:Interior Permanent Magnet)の回転子と呼ばれるタイプのものがある。
例えば、特許文献1には、同心の円環状に打抜き加工して形成した多数の電磁鋼板を軸方向に積層した回転子コアと、回転子コアに形成された磁石挿入孔に永久磁石が挿入された回転子が開示されている。
又、特許文献2には、回転磁石ホルダ(回転子コア)の材質として、成形や加工のしやすさ、重量等を考慮すると、樹脂材料(熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂)が好適である旨が記載されている。
特開2019−68655号公報 特開2009−95151号公報
特に、EVにおいては、航続距離が短いことが不安視されており、その対応として、高性能の電池の開発が鋭意進められているが、一方で、補機の高性能化、軽量化も航続距離を延ばすことに貢献することができる。したがって、補機の一つである回転電機においても、高性能化、軽量化が要求されている。これは、HV(HEV)においても同様である。
ところで、特許文献1に示された回転子及び該回転子を用いた回転電機では、回転子コアは多数の電磁鋼板を軸方向に積層して製造されるため重いという問題がある。又、磁石挿入孔も打抜き加工し、それらを積層して軸方向に深さを形成することによって製造されるため、打抜き加工時及び積層時の誤差を考慮する必要があり、永久磁石同士を接近させること、永久磁石を回転子コアの外周端部に近接して配置すること等に限界があり、永久磁石の磁場を効率的に利用することが難しい。
一方、永久磁石が挿入された回転子は高速で回転するため、回転子コアの、特に永久磁石の外側に向けて大きな遠心力が働く。又、この回転等による熱の発生も伴う。特許文献2に示されるように、樹脂材料(熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂)は、成形や加工のしやすさ、重量面において優位性はあるが、単に電磁鋼板の回転子の回転子コアを樹脂材料に変更するのみでは、例えば、上記の遠心力に対する耐クリープ性や耐熱性等に対応できず、新たな対策が必要である。
そこで、本発明は、軽量化、小型化及び高性能化を同時に実現する、樹脂製の回転子コアを備える回転子及び該回転子を備える回転電機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の本発明は、偶数個の磁石挿入孔を有するとともに熱可塑性樹脂から構成される回転子コアと、磁石挿入孔のそれぞれに、隣り合う磁極が異なるように挿入された永久磁石と、回転子コアの中央部に挿通されたシャフトを有する回転子であって、熱可塑性樹脂には、炭素繊維が含有されており、回転子コアの磁石挿入孔は、回転子コアの外周方向に略弧状の外側膨らみ部が形成された中高形状の断面を有する柱形状であることを特徴とする回転子である。
請求項1の本発明では、第1に、熱可塑性樹脂には、炭素繊維が含有されているので、機械的強度及び熱的強度に優れ、リサイクル可能であり、安価な回転子コアを製造することができる。
第2に、回転子コアの磁石挿入孔は、略弧状の外側膨らみ部を有する柱形状であるので、永久磁石を回転子コアの外周端部に近接するように配置することができ、永久磁石の磁場を効率的に利用することができる。
第3に、磁石挿入孔は、中高(なかだか)形状、すなわち、中央部付近が小高く盛り上がり、周囲が低くなっている断面を有しているので、断面積の大きな永久磁石、すなわち、磁力の大きな永久磁石を挿入・使用することができ、高性能化を図ることができる。
したがって、断面積の大きな永久磁石を、樹脂製の回転子コアの外周端部に近接するように配置することができるので、回転子の小型化、軽量化、高性能化を同時に達成することができる。
なお、「略弧状の膨らみ」とは、弧形状による膨らみのみならず、弧と直線の連結による膨らみ、直線が連続して形成される膨らみも含まれる。
請求項2の本発明は、磁石挿入孔の中高形状は、回転子コアの中心方向にも略弧状の内側膨らみ部が形成されている回転子である。
請求項2の本発明では、磁石挿入孔の中高形状は、回転子コアの中心方向にも略弧状の内側膨らみ部が形成されているので、さらに断面積の大きな永久磁石を挿入・使用することができ、高性能化を図ることができる。
又、回転子コアの磁石挿入孔は、回転子コアの外周方向と中心方向の両方向に略弧状の外側膨らみ部と内側膨らみ部が形成されている、すなわち、磁石挿入孔の両端部の幅は、磁石挿入孔の中央部付近等の他の部分に比較して短く形成されているので、隣り合う磁石挿入孔間の距離を短くすることができ、隣り合う永久磁石を近接して配置することができる。
請求項3の本発明は、回転子コアの磁石挿入孔の外側膨らみ部は、円弧であり、外側膨らみ部と回転子コアは、同心である回転子である。
請求項3の本発明では、回転子コアの磁石挿入孔の外側膨らみ部は、円弧であり、外側膨らみ部と回転子コアは、同心であるので、回転子コアの外周端部と外側膨らみ部の間の樹脂の肉厚が同じになる。その結果、回転子が回転し、遠心力が作用した時も、遠心力を回転子コアの外周端部と磁石挿入孔の外側膨らみ部の間で均等に受け止めることができるので、耐クリープ性が向上し、永久磁石を回転子コアの外周端部に更に近接するように配置することができ、永久磁石の磁場をより効率的に利用することができる。
請求項4の本発明は、回転子コアの磁石挿入孔は、回転子コアの直径に対して対称形状に形成されている回転子である。請求項4の本発明では、回転子コアの磁石挿入孔は、回転子コアの直径に対して対称形状に形成されているので、隣り合う磁極が異なるように挿入される永久磁石は、同じ永久磁石を使用し、上下を逆にして磁石挿入孔に挿入すればよく、永久磁石の製造コストを安価にすることができる。
請求項5の本発明は、回転子コアの外側には、軟質磁性材料からなる外リングが配設されている回転子である。請求項5の本発明では、回転子コアの外側には、軟質磁性材料からなる外リングが配設されているので、回転子コアの耐熱性及び耐クリープ性を向上させることができる。又、上記効果に伴い、永久磁石を回転子コアの外周端部により近接するように配置することができ、永久磁石の磁場をより効率的に利用することができる。
請求項6の本発明は、回転子コアの外リングには複数の貫通孔が形成されている回転子である。軟質磁性材料からなる外リングが配設される結果、永久磁石の有する磁場の一部の活用が妨げられる。請求項6の本発明では、回転子コアの外リングには複数の貫通孔が形成されているので、外リングに形成された貫通孔により、外リングによって妨げられていた磁場を活用することができ、永久磁石の磁場を更に効率的に利用することができる。
請求項7の本発明は、熱可塑性樹脂は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂であり、炭素繊維の含有量は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂100重量部に対して、5重量部から45重量部である回転子である。
請求項7の本発明では、熱可塑性樹脂は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂であるので、特に、剛性等の機械的特性、耐熱性、電気絶縁性及び成形加工性に優れた回転子コア及びそれを用いた回転子を製造することができる。
なお、炭素繊維の含有量は、PPS樹脂100重量部に対して、5重量部から45重量部が好ましい。5重量部を下回ると、樹脂の機械的強度が不足するので、回転子コアの磁石挿入孔の外側膨らみ部を外周端部に近接するように配置することが難しくなる。一方、45重量部を越えると、成形性が悪化し、回転子コアの成形時の寸法安定性も低下する。加えて、割れ易くなる。
請求項8の本発明は、上記請求項1から請求項7の回転子を備えた回転電機である。請求項8の本発明では、上記の回転子を備えているので、軽量化、小型化及び高性能化を同時に実現する回転電機を製造することができる。
第1に、熱可塑性樹脂には、炭素繊維が添加されているので、機械的強度及び熱的強度に優れ、リサイクル可能であり、安価な回転子コアを製造することができる。
第2に、回転子コアの磁石挿入孔は、略弧状の外側膨らみ部を有する柱形状であるので、永久磁石を回転子コアの外周端部に近接するように配置することができ、永久磁石の磁場を効率的に利用することができる。
第3に、磁石挿入孔は、中高形状、すなわち、中央部付近が小高く盛り上がり、周囲が低くなっている断面を有しているので、断面積の大きな永久磁石、すなわち、磁力の大きな永久磁石を挿入・使用することができ、高性能化を図ることができる。
したがって、断面積の大きな永久磁石を、樹脂製の回転子コアの外周端部に近接するように配置することができるので、回転子の小型化、軽量化、高性能化を同時に達成することができる。
本発明の一実施形態に係る回転電機を説明する図である。 本発明の第1の実施形態に係る回転子の平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る回転子を構成する回転子コアの平面図である。 図3におけるA−A断面である。 本発明の第2の実施形態に係る回転子コアの断面図である(第1の実施形態に係る図3に示した回転子コアのA−A断面に相当)。 本発明の第3の実施形態に係る回転子コアの、(a)は側面図であり、(b)は断面図である(第1の実施形態に係る図3に示した回転子コアのA−A断面に相当)。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る回転子2及び回転電機1の実施形態を説明する。以下では、回転電機1として、HVやEV等の車両に搭載される回転電機について説明する。なお、これは説明のための例示であって、他の用途の回転電機であってもよい。
又、以下に述べる寸法、形状、材質、永久磁石の数や配置方法等も例示であり、回転電機における回転子の仕様等により適宜変更される。
[回転電機の構成]
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る回転電機1は、永久磁石埋込型のブラシレスの回転電機である。回転電機1は、走行時は、電動機(モータ)として、制動時は発電機(ジェネレータ)として機能する。
回転電機1は、円柱形状の回転子2と、円筒状の固定子3を備える。回転子2と一体化されたシャフト4の軸方向の両端部は、ケース(図示せず)に設けられた軸受によって、回動自在に支持されている。固定子3は、回転子2の外周側において、所定の隙間を有するようにケースに固定される。固定子3のティース部31には、巻回されたコイル32が配設されている。回転子2の回転位置を検出し、検出された回転子2の位置に応じて、コイル32に流す電流の切り替えを制御することにより、シャフト4及び回転子2が一体となって回転する。
[回転子]
図2は第1の実施形態に係る回転子2の平面図である。回転子2は、回転子コア5と、回転子コア5の円環部51に形成された磁石挿入孔52に挿入された永久磁石6と、回転子コア5の中央部に形成された軸孔56に挿通されたシャフト4からなる。
磁石挿入孔52は、偶数個形成されており、それぞれの磁石挿入孔52には、磁石挿入孔52の形状とほぼ同じ断面形状を有する柱状の永久磁石6が挿入され、それぞれが磁極を形成する。図2においては、8個の磁石挿入孔52が設けられているので、磁極数が8となる。又、図2において、磁石挿入孔52は、回転中心Oを中心にして、45度の角度で周方向に均等に離間配置されている。
永久磁石6は、例えば、ネオジムと鉄とホウ素を主成分とするネオジム磁石、サマリウムとコバルトを主成分とするサマリウムコバルト磁石などの希土類磁石が好ましい。本発明の実施形態では、加工性に優れ、磁石挿入孔52の形状への追従性のよいサマリウムコバルト磁石を使用した。なお、ネオジム磁石を使用してもよい。又、永久磁石6の形状は、断面が回転子コア5の磁石挿入孔52である柱状であり、磁石挿入孔52の深さとほぼ同じ長さを有するものを使用した。
永久磁石6においては、外側がN極であるとき、内側はS極になる。磁石挿入孔52に永久磁石6を配置するとき、回転子コア5の周方向に沿って隣り合う磁極の間では、図2に記載のように、磁界方向が互いに逆になるように配置される。
なお、回転子コア5の磁石挿入孔52に永久磁石6を挿入する時に、磁石挿入孔52と永久磁石6との間の隙間に、磁石固定材として、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂を充填してもよい。
[回転子コア]
本発明の第1の実施形態の回転子コア5について、図3と図4に基づいて説明する。回転子コア5は、円環部51と、円環部51に形成された偶数個(図3では、8個)の磁石挿入孔52と、中央部にシャフト4を挿通するための軸孔56が形成されたシャフト挿通部57を有する円柱形状である。シャフト挿通部57と円環部51の間は、薄肉の連結部58で連結されている。なお、この連結部58は、軽量化の目的で薄肉化されたものであり、連結部58をシャフト挿通部57、円環部51と同じ厚さにし、シャフト挿通部57と円環部51を一体として形成してもよい。
回転子コア5の直径は、55mm、軸孔56の直径は、10mm、シャフト挿通部57の厚さは、4mm、円環部51の幅は、10mmである。
回転子コア5は、熱可塑性樹脂から構成され、射出成形によって製造される。回転子コア5を構成する熱可塑性樹脂としては、耐熱性が高く、成形時の収縮が少ない樹脂、例えば、PPS(ポリフェニルサルファイド)樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂が好ましいが、剛性等の機械的特性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性と成形加工性をバランスよく備えている観点から、PPS樹脂が最も好ましい。
PPS樹脂には、炭素繊維が含有されている。この発明を限定しない例示として、炭素繊維で強化されたPPS樹脂は、三菱ケミカル株式会社製の品番PPS−C−15T15、PPS−C−30である。上記樹脂は、PPS100重量部に対して、15重量部、30重量部の炭素繊維を含有している。なお、炭素繊維を含有するPPS樹脂には、無機系や有機系の添加剤を含むことができる。
なお、炭素繊維の含有量は、PPS100重量部に対して、5重量部から45重量部が好ましい。5重量部を下回ると、樹脂の機械的強度が不足するので、回転子コア5の磁石挿入孔を円環部51の外周端部59に近接するように配置することが難しくなる。一方、45重量部を越えると、成形性が悪化し、回転子コア5の成形時の寸法安定性も低下する。加えて、割れ易くなるため好ましくない。
磁石挿入孔52は、円環部51内に形成され、外側膨らみ部53と内側膨らみ部54を有し、外側膨らみ部53と内側膨らみ部54の端部が直線部55で連結した断面を有する柱形状である。すなわち、中高形状は、回転子コア5の外周方向に略弧状に形成された外側膨らみ部53に加え、回転子コア5の中心方向にも略弧状の内側膨らみ部54を有している。又、外側膨らみ部53及び内側膨らみ部54は同じ半径を有する弧状であり、外側膨らみ部53と回転子コア5の円環部51は同心である。
更に、磁石挿入孔52は、回転子コア5の直径(図3のX)に対して、対称形状に形成されている。なお、本第1の実施形態では、磁石挿入孔52は、直径に垂直方向(外側膨らみ部53と内側膨らみ部54の関係であり、図3のY)に対しても対称形状に形成されている。ちなみに、本第1の実施形態における回転子コア5の外周端部59と磁石挿入孔52の外側膨らみ部53の間の樹脂の肉厚は、1.6mmである。又、磁石挿入孔52の直線部55の長さは、4mmであり、直線部55間は、15mmである。更に、隣り合う磁石挿入孔52の間の最短部分の長さ(図3のt)は、1.6mmである。
磁石挿入孔52は、外側膨らみ部53及び内側膨らみ部54を有しているので、断面積の大きな永久磁石6を挿入して使用することができ、永久磁石6そのものの磁力を大きくすることができる。又、磁石挿入孔52は、断面が外側膨らみ部53と内側膨らみ部54の両側が直線部55で連結した形状を有しているので、隣り合う永久磁石6を近接して配置することができる。更に、回転子コア5の直径(図3のX)に対して対称の形状になっているので、隣り合う磁極が異なるように挿入される永久磁石6は、同じ永久磁石6を使用し、上下逆方向に挿入すればよい。
加えて、外側膨らみ部53と回転子コア5の円環部51は同心であり、回転子コア5の円環部51の外周端部59と磁石挿入孔52の外側膨らみ部53の間の樹脂部の肉厚が均一になるので、回転子2が回転し、遠心力が作用した時も、遠心力を外周端部59と外側膨らみ部53の間で均等に受け止めることができ、磁石挿入孔52の外側膨らみ部53を回転子コア5の円環部51の外周端部59に近接して配置することができる。
なお、磁石挿入孔52の外側膨らみ部53と内側膨らみ部54は、直線部55ではなく、弧状で連結されていてもよい。又、磁石挿入孔52の外側膨らみ部53と回転子コア5の円環部51の外周端部59は同心でなくてもよい。更に、断面積の大きな永久磁石6を挿入する観点から、磁石挿入孔52の内側膨らみ部54の膨らみを外側膨らみ部53より大きくしてもよい。
本第1の実施形態の回転子コア5を用いた回転子2を、従来の回転子(同心の円環状に打抜き加工して形成した多数の電磁鋼板を軸方向に積層した回転子コアと、回転子コアに形成された外側膨らみ部53と内側膨らみ部54を有しない磁石挿入孔、すなわち、断面が長方形の磁石挿入孔に直方体の永久磁石が挿入された回転子)と比較した結果、回転子コアの重量を75%軽量化することができ、回転子の磁力が約40%増大した。したがって、回転子の軽量化と高性能化を同時に図ることができた。又、高性能化に伴い、小型化を図ることもできる。
次に、本発明の第2の実施形態について、図5に基づいて説明する。図5は、第1の実施形態に係る図3に示した回転子コア5のA−A断面に相当する断面図である。本第2の実施形態と上記の第1の実施形態の相違点は、本第2の実施形態においては、回転子コア5の円環部51の外周端部59には、軟質磁性材料からなる外リング7が配設されている点にある。
外リング7は、回転子コア5を構成する熱可塑性樹脂の耐熱性及び耐クリープ性を向上するために設けられている。外リング7は、例えば、鉄、ケイ素鋼(電磁鋼板)、パーマロイ、センダスト、ソフトフェライト等、保磁力が小さく透磁率が高い軟質磁性材料からなる。外リング7は、回転子コア5を成形する時に、インサート成形によって、一体的に配設される。そのため、図5に示すように、外リング7は回転子コア5の円環部51の外周端部59より内側に食い込んだ形で配設されている。
本第2の実施形態で使用した外リング7は、厚さが0.6mmの鉄製である。又、外リング7が装着された部分の回転子コア5の円環部51の外周端部59と外側膨らみ部53の間の樹脂の肉厚は、1.3mmである。
したがって、回転子コア5を構成する熱可塑性樹脂の耐熱性及び耐クリープ性を向上できるので、上記の第1の実施形態に比較して、回転子コア5の円環部51の外周端部59と磁石挿入孔52の外側膨らみ部53の間の樹脂部の肉厚を薄くすることができ、永久磁石6の磁場を効率的に利用することができる。
次に、本発明の第3の実施形態について、図6に基づいて説明する。図6(a)は、回転子コア5の側面図であり、(b)は、第1の実施形態に係る図3に示した回転子コア5のA−A断面に相当する断面図である。
本第3の実施形態と上記の第2の実施形態の相違点は、本第3の実施形態においては、回転子コア5の円環部51の外周端部59に配設された軟質磁性材料からなる外リング7には、複数の貫通孔71が形成されている点にある。
第2の実施形態で示したように、外リング7を配設することにより、回転子コア5を構成する熱可塑性樹脂の耐熱性及び耐クリープ性を向上させることができるので、回転子コア5の外周端部59と磁石挿入孔52の外側膨らみ部53の間の樹脂部の肉厚を薄くすることができる。しかしながら、外リング7の透磁率は高いものの、外リング7の配設によって、永久磁石6の有する磁場の一部の活用が妨げられる。
本第3の実施形態では、外リング7に直径1mmの貫通孔71を、垂直方向に3mmピッチ、水平方向に7.5mmピッチで格子状に形成した。貫通孔71を有する外リング7は、上記の第2の実施形態と同様に、回転子コア5を成形する時に、インサート成形によって、一体的に配設される。なお、貫通孔71は、円形でなく、三角形や細長いスリット形状などの他の形状、及びそれらを組み合わせたものでもよい。
本第3の実施形態の回転子を上記の第2の回転子と比較した結果、回転子の磁力が約20%増大した。したがって、外リング7に貫通孔71を形成することにより、外リング7によって妨げられていた磁場の一部を活用することができるので、永久磁石6の磁場を更に効率的に利用することができ、回転子を高性能化することができる。
なお、貫通孔71の形成位置は、上記位置には限定されないが、永久磁石6の磁場を均一に効率的に利用する観点から、規則的に形成することが好ましい。ただし、貫通孔71の形成数の増加、及び/又は、貫通孔71の直径の増加と、回転子コア5を構成する炭素繊維が含有された熱可塑性樹脂の耐熱性及び耐クリープ性とは、トレードオフの関係にあるので、貫通孔71の形成位置は、磁場の効率的利用と、耐熱性及び耐クリープ性を考慮して決定する必要がある。
本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、更に高性能化を図るために、上記の回転子コア5の軸孔56の近傍等に連結結合部を形成し、回転子コア5を連結し、複数の回転子コア5の磁石挿入孔52に跨る長い永久磁石6を挿入してもよい。
1 回転電機
2 回転子
4 シャフト
5 回転子コア
6 永久磁石
7 外リング
21 軸孔
32 コイル
51 円環部
52 磁石挿入孔
53 外側膨らみ部
54 内側膨らみ部
55 直線部
56 軸孔
57 シャフト挿通部
58 連結部
59 外周端部
71 貫通孔

Claims (8)

  1. 偶数個の磁石挿入孔を有するとともに熱可塑性樹脂から構成される回転子コアと、
    前記磁石挿入孔のそれぞれに、隣り合う磁極が異なるように挿入された永久磁石と、
    前記回転子コアの中央部に挿通されたシャフトを有する回転子であって、
    前記熱可塑性樹脂には、炭素繊維が含有されており、
    前記回転子コアの前記磁石挿入孔は、前記回転子コアの外周方向に略弧状の外側膨らみ部が形成された中高形状の断面を有する柱形状であることを特徴とする回転子。
  2. 前記磁石挿入孔の前記中高形状は、前記回転子コアの中心方向にも略弧状の内側膨らみ部が形成されている請求項1に記載の回転子。
  3. 前記回転子コアの前記磁石挿入孔の前記外側膨らみ部は、円弧であり、前記外側膨らみ部と前記回転子コアは、同心である請求項1又は請求項2に記載の回転子。
  4. 前記回転子コアの前記磁石挿入孔は、前記回転子コアの直径に対して対称形状に形成されている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の回転子。
  5. 前記回転子コアの外周端部には、軟質磁性材料からなる外リングが配設されている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の回転子。
  6. 前記回転子コアの前記外リングには複数の貫通孔が形成されている請求項5に記載の回転子。
  7. 前記熱可塑性樹脂は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂であり、前記炭素繊維の含有量は、前記PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂100重量部に対して、5重量部から45重量部である請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の回転子。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の回転子を備えることを特徴とする回転電機。
JP2019232403A 2019-12-24 2019-12-24 回転子及び該回転子を備える回転電機 Pending JP2021101592A (ja)

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