JP4086964B2 - 補助アノード電極を有する同軸型真空アーク蒸着源及び蒸着装置 - Google Patents

補助アノード電極を有する同軸型真空アーク蒸着源及び蒸着装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は同軸型真空アーク蒸着源、及びその同軸型真空アーク蒸着源を用いた蒸着装置にかかり、特に、複数のカソード部材を有する同軸型真空アーク蒸着源、及びその同軸型真空アーク蒸着源を用いた蒸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属や誘電体材料等の薄膜は、半導体装置や液晶表示装置に不可欠なものとなっており、スパッタリング法、蒸着法、CVD法等の種々の薄膜形成方法が開発されている。
それらの形成方法のうち、膜厚制御性に優れ、高品質の薄膜を形成できることから、近年では同軸型真空アーク蒸着源を用いた蒸着装置が注目されている。
【0003】
図3を参照し、符号110は、従来技術の蒸着装置であり、真空槽101を有している。真空槽101底壁側には、同軸型真空アーク蒸着源103が配置されており、天井側には、基板ホルダ105が配置されている。
【0004】
この同軸型真空アーク蒸着源103は、円筒形状のアノード電極111を有しており、該アノード電極111内には、複数(ここでは3個)のカソード部材1121〜1123が配置されている。
【0005】
同軸型真空アーク蒸着源103の模式的な断面図を図4(a)に示す。
各カソード部材1121〜1123は、蒸着材料1151〜1153と、絶縁管1161〜1163と、トリガ電極1171〜1173とを有している。
【0006】
各蒸着材料1151〜1153は円柱形形状に成形されており、一端を各絶縁管1161〜1163の先端部分にそれぞれ挿入されている。ここでは各蒸着材料1151〜1153は同じ金属材料で構成されているものとする。
【0007】
トリガ電極1171〜1173はリング形形状に成形されており、各絶縁管1161〜1163の先端部外周に装着されている。各絶縁管1161〜1163は、絶縁性材料で構成されており、従って、各蒸着材料1151〜1153と各トリガ電極1171〜1173は電気的には絶縁されている。
【0008】
各カソード部材1121〜1123は、アノード電極111と非接触で、且つ互いに非接触で配置されており、各カソード部材1121〜1123は、アノード電極111内で、各蒸着材料1151〜1153の中心軸線がアノード電極111の中心軸線と平行になるように配置されている。
【0009】
真空槽101の外部には、アーク放電発生装置131とトリガ放電発生装置132とが配置されている。アーク放電発生装置131内には、3台のアーク電源1311〜1313が配置されており、同様に、トリガ放電発生装置132内には、3台のトリガ電源1321〜1323が配置されている。
【0010】
アーク電源1311〜1313は、正電圧側がアノード電極111に接続され、グラウンド電位に接地されている。負電圧側は各カソード部材1121〜1123内の蒸着材料1151〜1153にそれぞれ接続されており、蒸着材料1151〜1153に負電圧をそれぞれ印加できるように構成されている。
【0011】
トリガ電源1321〜1323は、正電圧側が、各カソード部材1121〜1123内のトリガ電極1171〜1173にそれぞれ接続され、負電圧側が、各カソード部材1121〜1123内の蒸着材料1151〜1153にそれぞれ接続されている。
【0012】
この蒸着装置110を用いて薄膜を形成する場合には、基板108を基板ホルダ105に保持させ、真空槽101内部を真空排気しながら基板108を加熱する。
【0013】
基板108が所定温度まで昇温した後、先ず、1台目のカソード部材1121に接続されたアーク電源1311を起動し、そのカソード部材1121内の蒸着材料1151に負電圧を印加しておく。
【0014】
その状態で、同じカソード部材1121に接続されたトリガ電源1321を起動し、そのカソード部材1121内のトリガ電極1171に正のパルス電圧を印加する。
【0015】
すると、図4(b)に示すように、トリガ電極1171と蒸着材料1151の間の絶縁管1161先端部表面でトリガ放電(沿面放電)が発生し、1台目のカソード部材1121内で、トリガ電極1171から蒸着材料1151に向けてトリガ電流iTが流れる。
そのトリガ電流iTが流れると蒸着材料1151表面が部分的に蒸発し、蒸着材料1151を構成する微小粒子が蒸気となって放出される。
【0016】
その結果、アノード電極111と蒸着材料1151の間の絶縁耐圧が低下し、アーク放電発生器131によって電圧が印加されている蒸着材料1151(1台目のカソード部材1121の蒸着材料1151)の側面と、アノード電極111との間でアーク放電が発生する。
【0017】
アーク放電によって、アノード電極111内周面から蒸着材料1151側面に向けてアーク電流iAが流れると、そのアーク電流iAは大電流であるため、蒸着材料1151側面が溶融し、トリガ電流iTが流れたときよりも大量の蒸気が放出される。
【0018】
アーク電流iAは、1台目のカソード部材1121内で、その中心軸線上を先端部から奥方向に向けて直線的に流れるため、アーク電流iAが形成する磁界は、正電荷に対してアーク電流iAの向きとは反対方向、即ち、カソード部材1121の奥方向から先端方向に向かう力F1を及ぼす。
【0019】
蒸着材料1151から放出された微小粒子中には、正に帯電した微小粒子151が含まれているため、その正帯電の微小粒子151は力F1の影響を受ける。従って、蒸着材料1151側面から放出された正帯電の微小粒子151はアノード電極111の開口部方向に軌道が曲げられ、真空槽101内に放出される。
【0020】
アノード電極111の中心軸線の延長方向には、基板108が配置されており、真空槽101内に放出された正帯電の微小粒子151は基板108方向に向けて飛行し、その表面に付着すると、蒸着材料1151を構成する物質の薄膜を成長させる。
【0021】
アーク電流iAが流れると、微小粒子151の他に、蒸着材料1151から成る巨大粒子152も同時に放出されるが、その巨大粒子152は、無電荷であるか、電荷を有していても、電荷量に比べて質量が大きいので、力F1による曲げ量が少なく、その結果、巨大粒子152はアノード電極111の内周面に付着し、真空槽101内には放出されない。
【0022】
アーク電流iAは大電流であるため、アーク電源1311中のコンデンサが電荷を放電してしまうと、その出力がアーク放電を維持できなくなる電圧まで低下し、自動的にアーク放電は消灯する。
【0023】
次に、2台目のカソード部材1122に接続されているアノード電源1312を起動し、そのカソード部材1122内の蒸着材料1152とアノード電極111との間に電圧を印加し、その状態でトリガ電源1322を動作させ、2台目のカソード部材1122内のトリガ電極1172と蒸着材料1152の間にトリガ放電を発生させ、アノード電極111と蒸着材料1152との間にアーク放電を誘起させ、微小粒子を大量に放出させる。
【0024】
この場合も、蒸着材料1152内を流れるアーク電流iAによって磁界が形成され、力F2によって正帯電の微小粒子の軌道は曲げられ、真空槽101内に放出された微小粒子が基板108表面に付着すると薄膜が成長する。
2台目のカソード部材1122に接続されたアーク電源1312のアーク電圧が下がったら、3台目のカソード部材1123を用いて薄膜を成長させる。
【0025】
このように、上記蒸着装置110によれば、微小粒子だけで薄膜が成長し、しかも、複数のカソード部材1121〜1123を用い、広い範囲から微小粒子が放出されることから、基板108表面に形成される薄膜の膜厚均一性が良く、Ta、NiFe、Cu、Co、FeMn等の、高性能磁気薄膜を製造する場合に用いられている。
【0026】
しかしながら上記の同軸型真空アーク蒸着源103では、アーク放電は、各蒸着材料1151〜1153側面のうち、アノード電極111内周面と近接した位置で頻繁に発生し、アノード電極111内周面から離間した位置では発生しにくくなっている。
【0027】
そのため、同軸型真空アーク蒸着源103の使用回数が増えると、各蒸着材料1151〜1153は部分的に消耗してしまい、蒸着材料1151〜1153の交換頻度が高くなり、装置稼働率が低下してしまう。
また、アーク放電がアノード電極111内周面に近接した位置だけで発生すると、アノード電極111の中心付近から微小粒子が放出されなくなり、基板108表面に形成される薄膜の膜厚分布が悪化してしまう。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、均一なアーク放電を発生させられる同軸型真空アーク蒸着源を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、中空の主アノード電極内に複数のカソード部材が配置され、前記各カソード部材は、柱状の蒸着材料の一端が絶縁管の先端内に挿入され、トリガ電極が前記絶縁管先端部分の外周に配置されて構成された同軸型真空アーク蒸着源であって、前記主アノード電極は多角形状に形成され、前記各カソード部材の間に、前記主アノード電極と電気的に接続された補助アノード電極が設けられ、前記主アノード電極は六角形状の小区画に区分けされ、前記カソード部材は前記小区画内に一個ずつ配置されたことを特徴とする。
【0030】
請求項2記載の発明は、蒸着装置であって、真空槽を有し、該真空槽に、請求項1記載の同軸型真空アーク蒸着源が配置されたことを特徴とする。
【0032】
本発明は上記のように構成されており、中空の主アノード電極内に複数のカソード部材が配置されが同軸型真空アーク蒸着源である。各カソード部材は、蒸着材料とトリガ電極と絶縁管とを有しており、蒸着材料は柱状に形成され、その一端が絶縁管の先端内に挿入されている。また、トリガ電極は絶縁管先端部分の外周に配置されており、主アノード電極に電圧を印加した状態でトリガ電極と蒸着材料との間にトリガ放電を発生させるとアーク放電が誘起されるようになっている。
【0033】
この同軸型真空アーク蒸着源では、各カソード部材の間に、主アノード電極と電気的に接続された補助アノード電極が設けられており、従って、アーク放電は主アノード電極と蒸着材料の間だけでなく、補助アノード電極と蒸着材料との間にも発生するため、蒸着材料外周面から均等に微小粒子が放出される。
【0034】
その結果、蒸着材料が片寄って消耗することはなく、また、アノード電極から不均一に微小粒子が放出されることもない。
【0035】
この場合、各蒸着材料周囲には主アノード電極又は補助アノード電極が配置され、各蒸着材料が主アノード電極又は補助アノード電極で囲まれるようにしておくと、アーク放電は一層均一に発生するようになる。
【0036】
【発明の実施の形態】
図1を参照し、符号10は本発明の蒸着装置であり、真空槽1を有している。真空槽1の底壁側には同軸型真空アーク蒸着源3が配置されており、天井側には基板ホルダ5が配置されている。
【0037】
この同軸型真空アーク蒸着源3は、円筒形形状の金属から成る主アノード電極11を有しており、該主アノード電極11内には、複数(ここでは3個)のカソード部材121〜123が配置されている。
【0038】
この同軸型真空アーク蒸着源3を基板ホルダ5側から見た模式的な平面図を図1(a)に示す。また、模式的な断面図を図2に示す。
各カソード部材121〜123は、蒸着材料151〜153と、絶縁管161〜163と、トリガ電極171〜173とを有している。
【0039】
各蒸着材料151〜153は、形成したい薄膜材料が円柱形形状に成形されて構成されており、下端部は各絶縁管161〜163の先端部分内にそれぞれ挿入され、上端部は各絶縁管161〜162の先端部分から突き出されている。
【0040】
トリガ電極171〜173はリング形形状に成形されており、各絶縁管161〜163の先端部外周に、蒸着材料151〜153とは非接触の状態で装着されている。各絶縁管161〜163は絶縁性材料で構成されており、従って、各蒸着材料151〜153と各トリガ電極171〜173とは電気的に絶縁されている。
【0041】
主アノード電極11内には、主アノード電極11の長手方向に沿って、板状の補助アノード電極131〜133が立設されており、各補助アノード電極131〜133の一方の側部は主アノード電極11の内周面に固定され、他方の側部は、主アノード電極11の中心軸線上で互いに固定されている。
【0042】
従って、主アノード電極11内は、3個の小区画141〜143が形成されており、3個のカソード部材121〜123は、各小区画141〜143内に、それぞれ1個ずつ配置されている。
【0043】
各カソード部材121〜123は、各小区画141〜143の中心に位置し、主アノード電極11や補助アノード電極131〜133と略等距離になるように配置されており、また、各カソード部材121〜123は、各蒸着材料151〜153の中心軸線がアノード電極11の中心軸線と平行になるようにされている。
【0044】
真空槽1の外部には、アーク放電発生装置31とトリガ放電発生装置32とが配置されている。アーク放電発生装置31内には、3台のアーク電源311〜313が配置されており、同様に、トリガ放電発生装置32内には、3台のトリガ電源321〜323が配置されている。
【0045】
アーク電源311〜313は、正電圧側がアノード電極11に接続され、グラウンド電位に接地されている。負電圧側は、各カソード部材121〜123内の蒸着材料151〜153にそれぞれ接続されており、各蒸着材料151〜153に個別に負電圧を印加できるように構成されている。
【0046】
補助アノード電極131〜133は、主アノード電極11と同じ金属材料で構成されており、また、主アノード電極11に電気的に接続されているため、主アノード電極11に印加された電圧は補助アノード電極131〜133にも印加される。
【0047】
トリガ電源321〜323は、正電圧側が各トリガ電極171〜173にそれぞれ接続されており、負電圧側は、そのトリガ電極171〜173が設けられた蒸着材料151〜153にそれぞれ接続されており、各カソード部材121〜123内のトリガ電極171と蒸着材料151〜153との間に個別に電圧を印加できるように構成されている。
【0048】
この蒸着装置10を用いて薄膜を形成する場合には、基板8を基板ホルダ105に保持させ、真空槽1内部を真空排気しながら基板8を加熱する。
【0049】
基板8が所定温度まで昇温した後、上記従来技術の蒸着装置101と同様に、1台目のカソード部材121に接続されたアーク電源311を起動し、蒸着材料151に負電圧を印加する。
【0050】
その状態で、1台目のカソード部材121に接続されたトリガ電源321を起動し、トリガ電極171に正のパルス電圧を印加し、トリガ放電を発生させ、主アノード電極11と蒸着材料151の間にアーク放電を誘起させる。
【0051】
蒸着材料171の周囲には、主アノード電極11だけではなく、2枚の補助アノード電極131、133が配置されており、アーク放電は、主アーク電極11と蒸着材料151の間で発生するか、又は、補助アノード電極131、133と蒸着材料151との間で発生する。
【0052】
その場合、主及び補助アノード電極11、131、133と蒸着材料151との間の距離は略等しくされているので、アーク放電は主及び補助アノード電極11、131、133において、ほぼ等しい確率で発生する。
【0053】
蒸着材料151内を流れるアノード電流が形成する磁界は、蒸着材料151から放出された正帯電の微小粒子に対し、電流の向きとは逆向きの力F1を及ぼし、その結果、正帯電の微小粒子は、小区画141内から真空槽1内に向かって放出され、基板8表面に付着すると薄膜を成長させる。
【0054】
他方、蒸着材料151から放出された中性粒子や巨大粒子はアノード電流が形成する磁界の影響を受けないため、主又は補助アノード電極11、131、133に付着し、真空槽1内には放出されない。
【0055】
アーク電源311の電圧が低下し、アーク放電を維持できなくなると、2台目のカソード部材122に接続されたアーク電源312を起動し、主及び補助アノード電極11、131、132と蒸着材料152の間に電圧を印加し、その状態でトリガ電源322を起動し、トリガ放電を発生させ、アーク放電を誘起させる。このとき形成される磁界により、正帯電の微小粒子は力F2を受け、真空槽1内に放出される。
【0056】
この蒸着源152は、主及び補助アノード電極11、131、132と蒸着材料152との間の距離はほぼ等しくされており、蒸着材料152側面で均等にアーク放電が生じるようになっている(3台目の蒸着源153も同様である)。
【0057】
2台目のカソード部材122のアーク放電が終了したら、3台目のカソード部材123でアーク放電を発生させ、次に、1台目のカソード部材121に戻り、薄膜形成作業を続行する。
【0058】
このように、各蒸着材料151〜153と主及び補助アノード電極11、131〜133の間に繰り返しアーク放電を発生させるため、この同軸型真空アーク蒸着源3では、各蒸着材料151〜153外周面から均等に微小粒子が放出されるため、蒸着材料151〜153が片寄って消耗することはない。
【0059】
また、各蒸着材料151〜153外周面から均等に微小粒子が放出される結果、アノード電極11の中心付近からも真空槽1内に多量の微小粒子が放出され、その結果、基板8表面に膜厚分布の良い薄膜を形成することができる。
【0060】
以上は、円筒状の主アノード電極11内に板状の補助アノード電極131〜133を3枚設けた場合を説明したが(補助アノード電極131〜133が互いに成す角度は120°)、図1(c)に示すように、多角形形状の主アノード電極21内に3枚の補助アノード電極231〜233を設け、それらで六角形形状の小区画241〜243を形成し、上記各カソード部材121〜123を各小区画241〜243内に配置して同軸型真空アーク蒸着源4を構成してもよい。
【0061】
この場合、円筒形形状の主アノード電極11を用いた場合よりも、各蒸着材料151〜153と主及び補助アノード電極21、231〜233との間の距離が均一になるので、アーク放電も一層均一に発生するようになる。
【0062】
なお、以上は3個のカソード部材121〜123を用いたが、2個又は4個以上のカソード部材を用いた場合でも、主アノード電極内に補助アノード電極を配置し、上記同軸型真空アーク蒸着源3、4と同様に小区画を形成し、各カソード部材を小区画内に1個ずつ配置することができる。
【0063】
小区画を形成する場合、補助アノード電極により、小区画間を完全に遮蔽しても良いし、アーク放電が発生し得る部分にだけ補助アノード電極を配置しても良い。
【0064】
また、上記同軸型真空アーク蒸着源3では、各カソード部材121〜123内に同じ金属から成る蒸着材料151〜153を配置したが、それらを異なる物質で構成し、各カソード部材121〜123から順番に微小粒子を放出させると、多層薄膜を形成することが可能になる。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、多数のカソード部材から均一に微小粒子が放出されるので、カソードの局所的な消耗をさけ、寿命を長くするとともに膜厚分布の良好な薄膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a):本発明の一例の蒸着装置 (b):その蒸着装置に用いられる同軸型真空アーク蒸着源の一例の平面図 (c):同軸型真空アーク蒸着源の他の例の平面図
【図2】本発明の同軸型真空アーク蒸着源の模式的な断面図
【図3】従来技術の蒸着装置を説明するための図
【図4】その蒸着装置に用いられる同軸型真空アーク蒸着源の模式的な断面図
【符号の説明】
10……蒸着装置 1……真空槽 3、4……同軸型真空アーク蒸着源 11、21……主アノード電極 131〜133、231〜233……補助アノード電極 151〜153……蒸着材料

Claims (2)

  1. 中空の主アノード電極内に複数のカソード部材が配置され、
    前記各カソード部材は、柱状の蒸着材料の一端が絶縁管の先端内に挿入され、トリガ電極が前記絶縁管先端部分の外周に配置されて構成された同軸型真空アーク蒸着源であって、
    前記主アノード電極は多角形状に形成され、
    前記各カソード部材の間に、前記主アノード電極と電気的に接続された補助アノード電極が設けられ
    前記主アノード電極は六角形状の小区画に区分けされ、前記カソード部材は前記小区画内に一個ずつ配置されたことを特徴とする同軸型真空アーク蒸着源。
  2. 真空槽を有し、該真空槽に、請求項1記載の同軸型真空アーク蒸着源が配置されたことを特徴とする蒸着装置。
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