JP4972514B2 - 真空アーク蒸着源を用いたフィルム上への微粒子形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、蒸着装置に係り、カーボンナノチューブの下地膜(触媒層)や燃料電池や車の排ガス触媒金属担持に使用される。
燃料電池の電極部にはカーボンが使われており、そのカーボンには水素を電離するための触媒作用のある白金が担持されている。
従来、ポリマフィルム上への微粒子の形成方法としては、エアロゾルデポジションやレーザアブレーション法がある。
エアロゾルデポジション法(Aerosol Deposition Method)は、あらかじめ他の方法で準備された微粒子、超微粒子原料をガスと混合してエアロゾル化し、ノズルを通して基板に噴射して被膜を形成する技術である。
例えば、特許文献1には、セラミック材料のエアロゾルを発生させ、分級あるいは解砕によりエアロゾル中の二次粒子を排除した後に、一次粒子あるいはそれに準じる粒径の粒子のみを基板上に吹き付けることにより、焼成させることなく高密度の緻密質のセラミック構造を基板上に得ることが開示されている。
エアロゾルデポジション法では、ガス搬送により加速された原料粒子の運動エネルギーが、基板に衝突することにより局所的に何らかのエネルギー解放が行われ、基板−粒子間、粒子同士の結合を実現する。しかしながら、そのエネルギー変化のメカニズムはまだ十分に明らかになっていない。図10に成膜装置101の基本構成を示す。
この装置101は、細い搬送チューブで接続された真空槽であるエアロゾル発生器183と真空槽である成膜槽102とを有し、成膜槽102は真空ポンプで50〜1kPa前後に減圧される。原料であるドライな微粒子材料や超微粒子材料は、エアロゾル発生器183内のガスと攪拌・混合してエアロゾル化され、次いで両真空槽の圧力差により生じるガスの流れにより成膜槽102に搬送され、さらにスリット状ノズル186を通して加速されて、最後に基板104へ向けて噴射される。原料微粒子には通常セラミックス材料の場合、機械的に粉砕した粒径0.08〜2μm程度の焼結粉末を用いる。ガス搬送された超微粒子は、1mm以下の微小開口のノズル186を通すことで、数百m/secまで容易に加速される。成膜速度や成膜体の密度は、使用するセラミックス微粒子の粒径や凝集状態、乾燥状態などに大きく依存するため、エアロゾル発生器183と成膜槽102の間に凝集粒子の解砕器184や分級装置185を導入し、高品位な粒子流を実現している。
一方、レーザアブレーション法(Laser Ablation Method)は、成膜材料で出来たターゲットの表面にレーザ光を照射することによってターゲットの表面から飛散させた成膜材料の粒子を対象物の表面に堆積させる技術である。
例えば、特許文献2には、レーザ光導入窓を有する真空チャンバと、真空チャンバの外部に設けられたレーザ光を発振するレーザ発振器と、真空チャンバの内部に設けられレーザ光導入窓を通してレーザ光が照射されるターゲットと、ターゲットから飛び出した粒子の飛来する位置に配置される基板を取り付ける基板取付け手段を設けたレーザアブレーション成膜装置が開示されている。
ここで、レーザアブレーション法の装置構成を図11に示す。
レーザアブレーション装置201の真空槽202は円筒状をしている。
また、レーザアブレーション装置201は、フィルム走行装置203、レーザユニット207、真空排気系209、ターゲット211、ターゲット回転機構272を有する。
フィルム走行装置203は、送出ローラ283、キャン285、巻取ローラ284を有する。送出ローラ283及び巻取ローラ284は、特に図示しない駆動装置によって回転し、それぞれフィルム204の送り出し及び巻き取りを行なって、フィルム204を案内用及び冷却用ローラであるキャン285の側壁に倣うように走行させることができる。
レーザユニット207は、レーザ光源291、ミラー292、レーザ入射窓293(以下、窓とする)からなる。
さらに、真空排気系209は、ターボ分子ポンプ251、仕切りバルブ252、ロータリポンプ253、調整バルブ254からなる。ターボ分子ポンプ251からロータリポンプ253までは金属製の真空配管で接続されており、真空槽202内の真空排気を行っている。真空排気を行うことで真空槽202内は10-5Pa以下に保たれている。
レーザアブレーション法の典型的な成膜条件は、例えば、真空槽内の圧力を10-3Pa〜10-4Pa台にする。レーザ出力としては、KrFエキシマレーザを用いて、10J/cm2、20Hzのパルスを亜鉛等のターゲット211に照射するものである。ターゲット211の表面が加熱されて、粒子流211aが発生する。
以上の構成において、フィルム204は、巻いた状態である送り出しロール281として送出ローラ283にセットされ、送り出しロール281から送り出されて、キャン285に案内され、キャン285に接している間に蒸着され、巻取ローラ284に巻き取られて巻き取りロール282となる。なお、フィルムの材質は、PETやポリイミド・ポリアミド等様々なものが用いられる。
特開2001−181859号公報 特開平11−12723号公報
しかしながら、従来のエアゾルデポジション法では、成膜スキャン速度が遅いという問題があった。つまり、最大1.25mm/sであり幅200mmのフィルムを蒸着するのに約180秒程度必要になり、ノズルの大きさが5mm×0.4mmであれば、180秒で200mm×5mm程度しか蒸着できない。
また、従来のレーザアブレーション法では、大口径化するには、ミラーで反射してスキャンすることができる。しかしながら、窓を通してレーザを照射するため、スキャンの範囲の幅は窓の大きさにより制限される。
また、スキャンすることで成膜レートが減少し、フィルム幅が1m程度にまでなると生産速度が遅くなりすぎて、量産を考えたとき現実的な方法ではなくなる。
以上のような従来の方法についての問題から、本発明では、高分子フィルム上に成膜レートが早く、かつ、連続して均一な良質の微粒子を形成できる装置を提供することを課題としている。
上記の課題は、請求項1に記載の発明、「金属材料を蒸着する真空アーク蒸着源と、
被蒸着材料であるフィルムを走行させるフィルム走行手段と、
前記真空アーク蒸着源をパルス駆動する制御手段とを備え、
前記真空アーク蒸着源をフィルムの走行方向に対して交差するように複数配列したことを特徴とする微粒子形成装置。」によって解決される。
すなわち、請求項1に記載の発明にあっては、担持法としてドライプロセスの一つである真空アーク蒸着源を用いる。真空アーク蒸着源を適当なパルス数放電させて高分子ポリマでなるフィルム上にナノメートル単位の厚さで白金を担持する。フィルムは、フィルム走行手段によって、送り出され、走行する間に蒸着され、巻き取られることにより連続して担持することが可能となる。さらに、フィルムの幅で並んだ複数の蒸着源を個々に制御することよって、蒸着材料のガスを所望の流速、濃度に調整し易いので均一化された良質の微粒子の形成が可能となる。
この場合、請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載の発明において、真空アーク蒸着源として、同軸型真空アーク蒸着源を用いることも効果的である。
請求項2に記載の発明によれば、制御性の良い同軸型真空アーク蒸着源を用いるので
蒸着材料のガスを所望の流速、濃度に調整し易いため、良質の微粒子の形成が可能となる。
また、請求項3に記載の発明のように、請求項2に記載の発明において、複数個の真空アーク蒸着源の配列が直線状の配列であり、フィルムの走行方向に対して垂直に配列させることも効果的である。
請求項3に記載の発明によれば、複数の蒸着源を最も短い距離で交差できるので効率が良い。
また、請求項4に記載の発明のように、請求項3に記載の発明において、複数の蒸着源を多段に配列することも効果的である。
請求項4に記載の発明によれば、複数の蒸着源を多段に配列したことによって、蒸着材料のガスの量を増やせるため、蒸着レートをさらに上げることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、請求項1に記載の発明において、真空アーク蒸着源として、直線型真空アーク蒸着源を用いることも効果的である。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、直線配置の真空アーク蒸着源は、平板状のトリガ電極と平板状のカソード電極が平板状の絶縁碍子と隣接して固定され、前記平板状のカソード電極と対向して平板状のアノード電極が配置されているため、複数個を隣接させて並べるのに適しているので、蒸着材料のガスをフィルムの幅方向により均一化し易い。
また、請求項6に記載の発明のように、請求項1に記載の発明において、フィルム上にチャージした電荷の滞留を抑制する手段を具備するようにすることも効果的である。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、蒸着材料のガスによりフィルム上にチャージされた電荷の滞留が抑制されるので、微粒子の形成レートを維持することが可能となる。
本発明の微粒子形成装置によれば、フィルム上に、早い形成レートで、かつ、連続して均一化された良質の微粒子を形成可能とし、表面に微粒子を形成したフィルムを大量に生産できるという効果を奏する。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図1〜5を参照しながら説明する。
まず、本発明の第1の実施の形態の触媒担持用同軸型真空アーク蒸着源5を用いた微粒子形成装置1について図3〜5に基いて説明する。
図3に示す微粒子形成装置1は、真空槽2、フィルム走行装置3、蒸着源5、電源装置6、ガス供給系8、真空排気系9からなる。
蒸着を行う真空雰囲気を維持するための真空槽2内に、蒸着対象であるフィルム4を蒸着源5の出射口の前方を走行させるようにフィルム走行装置3を配置する。蒸着源5をパルス駆動して蒸着材料を気化させ、フィルム走行装置3によって走行するフィルム4の表面に蒸着させて微粒子を形成させるというものである。
真空槽2内に適切な真空雰囲気をつくりだすために、ガス供給系8と、真空排気系9を用意した。
また、蒸着源5において蒸着材料を気化するために電源装置6を用いて蒸着源5に必要な電力を供給する。
以下、各構成要素を詳細に説明する。
真空槽2は、立方形をしている。フィルム走行装置3は、送出ローラ83、キャン85、巻取ローラ84をから成る。
フィルム4は、PETやポリイミド・ポリアミド等様々である。
ここで、本発明の第1の実施の形態においては、蒸着源5には、同軸型真空アーク蒸着源を用いた。
同軸型真空アーク蒸着源5は、円筒状をした蒸着材料11が用いられている。蒸着材料11は、カソード電極12の先に取り付けられている。蒸着材料11としては白金を用いた。なお、蒸着材料には、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム等がある。
また、絶縁碍子14はハット形状をしている(以降、ハット型碍子と呼ぶ)。材質はアルミナが用いられている。
トリガ電極13は円筒状をしており、材質はステンレスである。
カソード電極12、ハット型碍子14、トリガ電極13の3つの部品は、同心円状に密着させて取り付けられている。
また、アノード電極23とカソード電極12は同心円状に取り付けられている。アノード電極23は円筒状をしており、材質はステンレスで出来ている。このアノード電極23の外径は約30mmである。
ここで、同軸型真空アーク蒸着源5を5つ配列したものを図1及び図2に示す。
図1は、要部の斜視図である。
図2は、平面図である。
図2に示すように、同軸型真空アーク蒸着源5a〜5eを直線状に配列した場合、フィルムの幅に対応させる横方向の寸法は150mmになる。
図1は、フィルム4と同軸型真空アーク蒸着源5a〜5eの関係を示す要部の斜視図である。特に図示しないが、フィルム4の上方にキャン85がある。
すなわち、ここでは理解を容易にするため、キャン85は除いた状態で表している。また、キャン85がローラであることによるフィルム4の湾曲も考慮せず、真っ直ぐに表している。
なお、フィルム4の走行方向を矢印で示す。また、図中に簡易に電気的な配線図を記載している。同軸型真空アーク蒸着源5a〜5eに対して、各々電源装置6a〜6eが接続され、これら電源装置6a〜6eは、放電コントローラ65の制御を受けるようになっている。
図2に示すように、5つが直線状に配置されているので、5つの同軸型真空アーク蒸着源5を特に図示しないが1つの真空フランジに取付け、その真空フランジは、真空槽2の底面に取り付けられている。
そして、キャン85の下面と蒸着材料11の先端の距離tsは約160mmである。
また、図1では、図中に簡易に電気的な配線図を記載している。電源装置6は、トリガ電源31、アーク電源32、コンデンサユニット33を有する。
コンデンサユニット33は、1つの容量が2200μF、耐圧100vのコンデンサを4つ並列に接続されている。
トリガ電源31は、パルストランスからなり、入力電圧200Vのμs単位のパルスを約17倍に変圧して3.4kV、数μAのプラス極性で出力する。
アーク電源32は、100V 数Aの容量の直流電源であり、8800μFのコンデンサユニット33を充電する。充電時間は約1秒を必要とする。本システムでは、8800μFのコンデンサユニット33が放電を繰り返すことによりパルス駆動する。最短の場合、周期は1Hzで行われる。
トリガ電源31のプラス出力端子はトリガ電極13に接続され、マイナス出力端子はアーク電源32のマイナス側出力端子と同じ電位に接続されてカソード電極12に接続されている。アーク電源32のプラス端子はグランド電位に接地され、アノード電極23に接続されている。
コンデンサユニット33の両端子はそれぞれ、アーク電源32のプラス及びマイナス端子間に接続されている。
真空排気系9は、ターボ分子ポンプ51、仕切りバルブ52、ロータリポンプ53、調整バルブ54を有する。
ターボ分子ポンプ51からロータリポンプ53までは金属製の真空配管で接続されており、真空槽2内の真空排気を行っている。真空排気を行うことで真空槽2内は10-5Pa以下に保たれている。
次に、同軸型真空アーク蒸着源5の動作を図3を参照して説明する。
コンデンサユニット33には、アーク電源32により100Vで電荷を充電しておく。
ここで、コンデンサユニット33は、8800μFとする。トリガ電極13にトリガ電源31からの3.4kVのトリガパルスを印加し、カソード電極12側の蒸着材料11とトリガ電極13の間に、ハット型碍子14を介して印加することで、ハット型碍子14表面で沿面放電が発生し、蒸着材料11とアノード電極23との間でコンデンサユニット33に蓄電された電荷が放電され、蒸着材料11に多量の電流が流入し、白金で成る蒸着材料11が液相から気相、さらに白金のプラズマが形成される。
この時、カソード電極12側の蒸着材料11に多量の電流(2000A〜5000A)が、200μS〜500μSの間に流れるので、蒸着材料11に磁場が形成される。プラズマ中の電子が、蒸着材料11の形成した磁場によるローレンツ力を受けて、同軸型真空アーク蒸着源5の前方へ飛行するようになる。
プラズマ中の蒸着材料である白金イオンは、分極することでクーロン力により、同軸型真空アーク蒸着源5の前方へ飛行する電子に引き付けられるようにして同軸型真空アーク蒸着源5の前方へ飛行するようになる。
一方、プラズマ中の蒸着材料である白金のイオンは、分極することでクーロン力により、同軸型真空アーク蒸着源5の前方へ飛行する。その結果、白金のイオンは、カーボンの粉7aを核にして成長し、ナノメートル単位の白金の微粒子が形成される。
ここで、5つの同軸型真空アーク蒸着源5を、各々に対応する5つの電源装置6を放電コントローラ65により、各々5Hzで順番に端から動作させることによって、各真空アーク蒸着源5で10発程度蒸発すると約幅方向300mm、フィルム4の進行方向100m程度蒸着され、その部分に1〜5nm程度の白金の微粒子が形成される。
蒸着終了後、送出ローラ83と巻取ローラ84、さらに、キャン85を動かして、フィルム4を10cm程送り、前記と同様に蒸着する。
しかし、蒸着中はイオンがフィルム4上に降り注ぐため、フィルム4の表面にイオンの電荷が滞留してチャージアップする恐れがある。チャージアップすると、後から来た白金のイオンに対しては、反発力が生じるため、白金の微粒子の形成レートを下げることとなる。
そこで、表面のチャージアップを防ぐためにキャン85をグランド電位に接地させておいて、キャンの側壁にフィルムの横の端面を接触させて、表面のイオンからの電荷をキャン85を介してグランドに流し、表面のチャージアップを低減する。
図5に、この同軸型真空アーク蒸着源を10発稼動させてコロジオンフィルム上に付着した白金粒子のTEM(Transmission Electron Microscope)写真を示す。図から明らかなようにコロジオンフィルム上に白金が均一に形成されていることが分かる。
次に、本発明の第2実施の形態につていて説明する。
本発明の第2実施の形態の微粒子形成装置は、図3の微粒子形成装置1において、同軸型真空アーク蒸着源5の代わりに直線型アーク蒸着源90を用いたものである。
ここで、直線型真空アーク蒸着源90を5つ配列したものを図8及び9に示す。
図9は、平面図である。
図9に示すように、直線型真空アーク蒸着源90は、平板状のトリガ電極93a、93bとカソード電極92の先に取り付けられている平板状の蒸着材料91が平板状の絶縁碍子94a、94bと隣接して固定され、前記カソード電極92の先に取り付けられている平板状の蒸着材料91に対向して平板状のアノード電極95が配置される直線配置の真空アーク蒸着源である。
従って、対応する符号をそれぞれ読み替えれば、微粒子形成装置の断面図は、図3の微粒子形成装置1と同じである。
また、図9に示すように、直線型真空アーク蒸着源90a〜90eを直線状に配列した場合、隣接させて配置し易いことは明白である。
図8は、第2実施の形態の微粒子形成装置の要部の斜視図である。
図8には、フィルム4と直線型真空アーク蒸着源90a〜90eの関係を示す。特に図示しないが、フィルム4の上方にキャン85がある。
すなわち、ここでは理解を容易にするため、キャン85は除いた状態で表している。また、キャン85がローラであることによるフィルム4の湾曲も考慮せず、真っ直ぐに表している。なお、フィルム4の走行方向を矢印で示す。
また、図中に簡易に電気的な配線図を記載している。直線型真空アーク蒸着源90a〜90eに対して、各々電源装置6a〜6eが接続され、これら電源装置6a〜6eは、放電コントローラ65の制御を受けるようになっている。
この、5つの直線型真空アーク蒸着源5を用いた微粒子形成装置を本発明の第1の実施の形態と同様の条件下で、各々に対応する5つの電源装置6を放電コントローラ65により、各々5Hzで順番に端から動作させることによって、良質の白金の微粒子が形成される。
以上のように、本発明の実施の形態によれば、
金属材料を蒸着する真空アーク蒸着源と、
被蒸着材料であるフィルムを走行させるフィルム走行手段と、
前記真空アーク蒸着源をパルス駆動する制御手段とを備え、
前記真空アーク蒸着源をフィルムの走行方向に対して交差するように複数配列している。
ここで、フィルムは、フィルム走行手段によって、走行する間に蒸着され、その上に微粒子を連続して形成することが可能となる。
さらに、真空アーク蒸着源として、同軸型真空アーク蒸着源を用いた場合は、放電の制御性が良いのでガスを所望の流速、濃度をより正確に調整することが可能となる。
さらに、複数個の真空アーク蒸着源の配列が直線状であり、フィルムの走行方向に対して垂直に配列させたことにより、複数の蒸着源を最も短い距離で交差できるので蒸着源の利用効率が良い。
さらに、キャンがアースされていることにより、蒸着時に照射されフィルム上にチャージした電荷の滞留を抑制されるので、早い形成レートを維持することができる。
また、直線型真空アーク蒸着源を用いた場合は、さらに、複数個を隣接させて並べるのに適しているので、蒸着ガスをより均一化し易い。
さらに、電荷の滞留を抑制したので、微粒子の形成レートを維持できる。
その結果、本発明の実施の形態の微粒子形成装置は、フィルム上に、早い形成レートで、かつ、連続して均一化された良質の微粒子を形成可能となった。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基いて種々の変形が可能である。
本発明の実施の形態では、横方向に幅広く蒸着するのに、真空アーク蒸着源を横方向(フィルムの進行方向に対し垂直に)配列した。フィルムの進行方向に対し垂直にすると、最短距離で交差できるので、真空アーク蒸着源の利用効率は一番良いからである。
しかし、それに限らず、フィルムに対しで交差していれば蒸着は可能である。
例えば、傾斜して交差させ、個々の蒸着源のカバーする範囲を重なるようにすれば、真空アーク蒸着源の利用効率は多少低下するが、蒸着材料ガスの均一化には良好となる。
また、本発明の実施の形態では、横方向に幅広く蒸着するのに、真空アーク蒸着源を横方向(フィルムの進行方向に対し垂直に)配列したが、それに限らず、多段を配列しても良い。例えば、図6に示すように格子状でも良いし、図7に示す千鳥格子状でも良い。蒸着材料のガスの量を増やせるため、蒸着レートを上げることができる。
また、本発明の実施の形態では、チャージアップを防ぐのに、アース線を接続させたキャンの側壁にフィルム端面を接触させることにしたが、例えばタングステン線に電気を通電し、2000℃以上に加熱して電子をフィルム上に付着させるようにしても良い。勿論フィルムは耐熱性が低いので、30cm以上離すこと。これでもフィルムがチャージアップすれば、電子は動きやすいため、タングステン線からフィルム上に飛行して付着し、フィルムのチャージアップを抑制するように働く。
また、本発明の実施の形態では、フィルム走行装置は、送出ローラ及び巻取ローラの両方を駆動するようにしたが、巻取ローラだけを駆動して、送出ローラは回動可能に支持してフィルムの巻き取りに付随して回転するようにしても良い。
また、本発明の実施の形態では、真空アーク蒸着源に対応する電源装置を放電コントローラにより制御するようにしたが、個々の電源装置に制御回路を持っても良い。同期させる手段があれば同様の制御が可能である。また、これら複数の電源装置と放電コントローラを纏めてユニット化しても良い。関連する部分を適宜纏めてユニット化することが可能である。
また、5つの真空アーク蒸着源を、端から順番にパルス駆動させたが、同時にでも良い。
すなわち、真空アーク蒸着源各々等間隔のパルス放電を行なえば、蒸着材料のガスの濃度を均一に保つことが可能である。
本発明の第1の実施の形態の同軸型真空アーク蒸着源を用いたポリマフィルム上への微粒子形成装置1の要部の斜視図である。 本発明の第1の実施の形態の5個配置した同軸型真空アーク蒸着源の平面図である。蒸着源を射出口側から見たところである。 本発明の実施の形態の真空アーク蒸着源を用いたポリマフィルム上への微粒子形成装置の断面図である。 本発明の実施の形態のフィルム走行装置のキャンの縦断面図である。走行するフィルムとの位置関係を示す。 本発明実施の形態の微粒子形成装置によるコロジオンフィルム膜上の白金微粒子のTEM像である。 本発明の変形例1を示す平面図である。 複数段並べて配置した同軸型真空アーク蒸着源の一例である。格子状に配列した例である。 本発明の変形例2を示す平面図である。 複数段並べて配置した同軸型真空アーク蒸着源の他の一例である。千鳥格子状に配列した例である。 本発明の第2の実施の形態を示す。直線型真空アーク蒸着源90を用いたポリマフィルム上への微粒子形成装置の要部の斜視図である。 本発明の第2の実施の形態の5個配置した直線型真空アーク蒸着源90の平面図である。 従来のエアロゾルデポジション法による構成を示す摸式図である。 従来のレーザアブレーション法による構成を示す摸式図である。
符号の説明
1・・・微粒子形成装置(蒸着装置)、2・・・真空槽、3・・・フィルム走行装置、4・・・フィルム、5・・・同軸型真空アーク蒸着源、5a〜5j・・・同軸型真空アーク蒸着源、6・・・電源装置、8・・・ガス供給系、9・・・真空排気系、
11・・・蒸着材料、12・・・カソード電極、13・・・トリガ電極、14・・・ハット型碍子(絶縁碍子)、16・・・スリーブ、17・・・スリーブ押さえ、17a・・・上側スリーブ押さえ、17b・・・下側スリーブ押さえ、19・・・ステージ、
21・・・トリガ配線、23・・・アノード電極、24・・・カソード配線、25・・・アノード配線、31・・・トリガ電源、32・・・アーク電源、33・・・コンデンサユニット、
41・・・ガス供給源、42・・・仕切りバルブ、
51・・・ターボ分子ポンプ、52・・・仕切バルブ、53・・・ロータリポンプ、54・・・調整バルブ、
81・・・送り出しロール、82・・・巻き取りロール、83・・・送出ローラ(送出機構)、84・・・巻取ローラ(巻取機構)、85・・・キャン、86・・・アース線、
90・・・直線型真空アーク蒸着源、90a〜90e・・・直線型真空アーク蒸着源、91・・・蒸着材料、92・・・カソード電極、93・・・トリガ電極、94・・・絶縁碍子、95・・・アノード電極、
101・・・エアロゾルデポジション装置(蒸着装置)、102・・・真空槽(成膜槽)、103・・・XYZθステージ、104・・・基板、105・・・エアロゾル発生源、109・・・真空排気系、
151・・・メカニカルブースタポンプ、153・・・ロータリポンプ、
181・・・高圧ガス源、182・・・マスフロー制御器、183・・・エアロゾル発生器、184・・・解砕器、185・・・分級器、186・・・ノズル、187・・・粒子ビーム濃度測定器、188・・・光センサー、188a・・・発光器、188b・・・受光器、
201・・・レーザアブレーション装置(蒸着装置)、202・・・真空槽、203・・・フィルム走行装置、204・・・フィルム、207・・・レーザユニット、208・・・ガス供給系、209・・・真空排気系、
211・・・ターゲット、211a・・・粒子流、
251・・・ターボ分子ポンプ、252・・・仕切りバルブ、253・・・ロータリポンプ、254・・・調整バルブ、
272・・・回転機構、
281・・・送り出しロール、282・・・巻き取りロール、283・・・送出ローラ(送出機構)、284・・・巻取ローラ(巻取機構)、285・・・キャン、
291・・・レーザ光源、292・・・ミラー、293・・・窓(レーザ入射窓)、

Claims (5)

  1. 金属材料を蒸着する真空アーク蒸着源と、
    被蒸着材料であるフィルムを走行させるフィルム走行手段と、
    前記真空アーク蒸着源をパルス駆動する制御手段とを備え、
    前記真空アーク蒸着源をフィルムの走行方向に多段に、かつフィルムの走行方向に対して交差するように複数配列したことを特徴とする微粒子形成装置。
  2. 前記真空アーク蒸着源が、同軸型真空アーク蒸着源であることを特徴とする請求項1に記載の微粒子形成装置。
  3. 前記複数個の真空アーク蒸着源の配列が直線状の配列であり、フィルムの走行方向に対して垂直に配列したことを特徴とする請求項2に記載の微粒子形成装置。
  4. 前記真空アーク蒸着源が、平板状のトリガ電極と平板状のカソード電極が平板状の絶縁碍子と隣接して固定され、前記平板状のカソード電極に対向して平板状のアノード電極が配置される直線配置の真空アーク蒸着源であることを特徴とする請求項1に記載の微粒子形成装置。
  5. 前記フィルムの走行案内及び冷却をするキャンを備え、前記キャンが前記フィルム上にチャージした電荷の滞留を抑制する手段を具備したことを特徴とする請求項1に記載の微粒子形成装置。
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