JP4133296B2 - 蒸着源及び蒸着装置 - Google Patents
蒸着源及び蒸着装置Info
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は蒸着装置に関し、特に、ダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)や半導体の高誘電体薄膜、絶縁膜、銅薄膜、磁性薄膜、高融点金属薄膜に適した成膜装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3の符号101は従来技術の蒸着装置を示している。
この蒸着装置101は真空槽102を有しており、真空槽102内には蒸着源103が配置されている。
【0003】
蒸着源103は筒状のアノード電極部132と、棒状の放電部135とを有しており、アノード電極部132と放電部135は、放電部135がアノード電極部132に挿通された状態で、取り付け部120によって真空槽102内の底壁側にそれぞれ固定されている。
【0004】
放電部135は蒸着材料131と、トリガ電極134と、棒状電極139とを有している。取り付け部120の取り付け台125上には絶縁部材133が配置され、トリガ電極134はこの絶縁部材133上に配置され、蒸着材料131は絶縁ワッシャ136を介してトリガ電極134上に配置されている。
【0005】
蒸着材料131とトリガ電極134と絶縁部材133と絶縁ワッシャ136はそれぞれリング状に形成されており、棒状電極139はトリガ電極134と蒸着材料131と絶縁部材133と絶縁ワッシャ136にそれぞれ挿通された状態でその下端が取り付け部120に固定され、上端は蒸着材料131と同じ材料で構成されたキャップ137によって覆われている。
【0006】
蒸着材料131と棒状電極139は電気的に接続され、他方トリガ電極134は棒状電極139と蒸着材料131から絶縁されている。棒状電極139とトリガ電極134はアーク電源とトリガ電源に接続されており、それらの電源を起動し、アノード電極部132と真空槽102を接地電位に置いた状態で、棒状電極139に負の電圧を印加し、トリガ電極134に正の電圧を印加すると、トリガ電極134と蒸着材料131との間にトリガ放電が起こり、該トリガ放電によってアノード電極部132と蒸着材料131との間にアーク放電が誘起され、蒸着材料131から蒸着材料131の粒子が放出される。
【0007】
アーク電源にはコンデンサが装備され、該コンデンサには予め電荷が蓄積されており、アーク放電が起こるとアーク電流がパルス状に流れる。
蒸着材料131の粒子のうち、電荷質量比(電荷/質量)の大きい微小荷電粒子は、アーク電流により発生する磁界によって飛行方向が曲げられ、アノード電極部132の開口から放出されるが、電荷質量比の小さい巨大荷電粒子や中性粒子はアーク電流により飛行方向が曲げられる率が少なく、アノード電極部132の内壁に付着する。
【0008】
真空槽102の天井側には基板ホルダ105が配置されており、アノード電極部132から放出された微小荷電粒子は基板ホルダ105に保持された基板151に到達すると、基板151表面に薄膜が成長する。
このように、基板151には反応性が高い微小荷電粒子のみが到達するので、基板151表面には膜質の良好な薄膜が形成される。
【0009】
ところで、上述した蒸着装置101で成膜を続けると、トリガ電極134と蒸着材料131との間の絶縁ワッシャ136が徐々に汚れ、その絶縁抵抗が低下する。トリガ電極134と蒸着材料131との間の絶縁抵抗が低下すると、十分なトリガ(電子やイオン)が発生しなくなり、アーク放電が誘発されなくなるため結果として成膜が停止してしまう。
【0010】
例えば、蒸着材料として鉄(Fe)を用いた場合は、アーク放電の回数が20000発を超えるとアーク放電が誘発されなくなり、ハフニウム(Hf)やモリブデン(Mo)のような高融点金属材料を用いた場合はアーク放電の回数が10000発を超えるとアーク放電が誘発されなくなる。
【0011】
従って、膜厚の大きい膜を形成する場合や、複数の基板を連続して成膜する場合には、放電部135を交換する必要があり、放電部135の交換の度に真空槽2内が大気に晒されるため、作業効率が悪い。
【0012】
例えば、一つの真空槽2内に複数の蒸着源3を設け、1つの蒸着源3の成膜効率が低下したら、基板ホルダを他の蒸着源3上に移動させ、成膜を行うことも可能である。しかしながら、そのような蒸着装置は蒸着源3を複数設ける分、大型であり、また基板ホルダを移動可能にする分、製造コストが高くなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、蒸着源の寿命を延ばす技術を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、アノード電極部と、前記アノード電極部の近傍に配置された放電部とを有し、前記放電部は、1本の棒状電極を有し、前記棒状電極には、複数のリング状の蒸着材料と、複数のリング状のトリガ電極とが挿通され、前記各蒸着材料は、前記棒状電極に電気的に接続された状態で、互いに離間し、前記各トリガ電極は、前記棒状電極と前記蒸着材料とから電気的に絶縁された状態で、前記蒸着材料の近傍にそれぞれ配置され、前記複数のトリガ電極のうち、少なくとも1つのトリガ電極を選択し、選択したトリガ電極に電圧を印加することで、所望の蒸着材料と前記選択したトリガ電極との間でトリガ放電が起こるように構成された蒸着源である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の蒸着源であって、前記アノード電極部は筒状に形成され、前記放電部は前記アノード電極部の内部に配置された蒸着源である。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の蒸着源であって、前記棒状電極は前記アノード電極部の中心軸線と平行に配置された蒸着源である。
請求項4記載の発明は、蒸着装置であって、真空槽と、電源装置と、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の蒸着源とを有し、前記蒸着源の前記各トリガ電極と、前記棒状電極とはそれぞれ前記電源装置に接続され、前記電源装置は切り替え装置を有し、前記切り替え装置を切り替えると、電圧を印加する前記トリガ電極が切り替わるように構成された蒸着装置である。
【0015】
本発明は上記のように構成されており、各蒸着材料はそれぞれ同じ棒状電極に接続されているので、棒状電極に電圧を印加すると、各蒸着材料に同時に電圧が印加されるようになっている。他方、各トリガ電極は棒状電極と蒸着材料から絶縁されているだけではなく、トリガ電極同士も互いに絶縁されているので、各トリガ電極を切り替え装置を介して電源に接続すれば、トリガ電極に蒸着材料とは異なる大きさの電圧を個別に印加することが可能である。
【0016】
蒸着源を真空雰囲気に置き、アノード電極部を接地電位に置いた状態で、棒状電極に負の電圧を印加し、選択したトリガ電極に電圧を印加すると、選択されたトリガ電極と、該トリガ電極に対応する所望の蒸着材料との間でトリガ放電が発生し、該蒸着材料から蒸着材料の粒子が放出される。
【0017】
蒸着材料の粒子が放出されることでアノード電極部と蒸着材料との間の圧力が上昇すると放電耐性が低下し、選択された蒸着材料とアノード電極部との間に、トリガ放電よりも大きいアーク放電が発生し、選択された蒸着材料から大量の蒸着材料粒子が放出される。
【0018】
例えば、アノード電極部が筒状にされている場合、棒状電極をアノード電極部の中心軸線と平行に配置すれば、アーク放電により発生するアーク電流は棒状電極内をアノード電極部の中心軸線と平行な方向に流れることになる。
【0019】
蒸着材料の粒子のうち、電荷質量比の大きい微小荷電粒子は、蒸着材料からアノード電極部に向かって放出されるが、上述したアーク電流により飛行方向が曲げられ、アノード電極部の中心軸線と平行な方向であって、アーク電流とは逆方向に飛行し、アノード電極部の開口から放出される。
【0020】
他方、電荷質量比の小さい巨大荷電粒子や中性粒子は、アーク電流により飛行方向が曲げられる量が少なく、開口から放出されずにアノード電極部の内周面に付着する。従って、アノード電極部の開口からは微小荷電粒子のみが放出されるので、該開口と対向する位置に基板を配置しておけば、微小荷電粒子のみが基板に到達し、膜質の良い薄膜が形成される。
【0021】
トリガ電極が絶縁ワッシャによって蒸着材料から絶縁されている場合、蒸着を続けると徐々に絶縁ワッシャの表面が汚れて絶縁抵抗が低下し、アーク放電が誘起されなくなるが、アーク放電が誘起されなくなる前に、電源装置の切り替え装置を切り替え、別のトリガ電極と蒸着材料との間にトリガ放電を発生させれば、連続して成膜を行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下で図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1の符号1は本発明の蒸着装置の一例を示しており、蒸着装置1は真空槽2と蒸着源3とを有している。
図2はその蒸着源3の拡大断面図を示している。図2を参照し、蒸着源3は、アノード電極部32と、放電部35と、取り付け部20とを有している。
【0023】
アノード電極部32は円筒状に形成されている。取り付け部20は円盤状のスリーブ21と、スリーブ21周囲に設けられた台座22とを有しており、アノード電極部32の一端は台座22を介してスリーブ21に取り付けられ、他端の開口はスリーブ21表面から高く突き出されている。
【0024】
真空槽2内には基板ホルダ5が配置されており、蒸着源3はアノード電極部32の突き出された開口を基板ホルダ5に向けた状態で真空槽2内に挿入され、スリーブ21が真空槽2の底壁に気密に取り付けられている。
【0025】
アノード電極部32の内部には円柱状の取り付け台25が配置されており、取り付け台25の一端はスリーブ21の表面に接続され、他端はアノード電極部32の開口に向けられている。
【0026】
放電部35は複数個の蒸着材料311〜314と、複数個のトリガ電極341〜344とを有しており、取り付け台25のアノード電極部32の開口に向けられた端部には第一番目の絶縁部材331が取り付けられ、その絶縁部材331上には第一番目のトリガ電極341が載置され、該トリガ電極341上には第一番目の絶縁ワッシャ361が載置され、該絶縁ワッシャ361上には第一番目の蒸着材料311が載置されている。
【0027】
第一番目の蒸着材料311の上には、第二番目の絶縁部材332と、第二番目のトリガ電極342と、第二番目の絶縁ワッシャ362と、第二番目の蒸着材料312とがこの順番で積み重ねられている。
【0028】
このようにn番目の蒸着材料31nの上には、n+1番目の絶縁部材33n+1と、トリガ電極34n+1と、絶縁ワッシャ36n+1と、蒸着材料31n+1が順番に積み重ねられている。従って、蒸着材料31と絶縁部材33とトリガ電極34と絶縁ワッシャとで一つの構成単位とすると、同じ構成単位が下方から上方に複数個積み重ねられた状態になっている。
【0029】
各蒸着材料311〜314と、各トリガ電極341〜344と、各絶縁部材331〜334と、各絶縁ワッシャ361〜364はそれぞれリング状であって、各リングで囲まれた空間によって細長の空間が構成されている。棒状電極39はその空間に挿通され、その下端は取り付け台25に固定され、その上端は最上層に位置する構成単位の蒸着材料314から突き出されている。
【0030】
棒状電極39の蒸着材料314から突き出された上端は、蒸着材料31と同じ材料で構成されたキャップ37で覆われており、棒状電極39はその側面、下端及び上端のいずれの部分も露出しないようになっているので、後述する成膜工程で棒状電極30とアノード電極部32との間で放電が起こらないようになっている。
【0031】
棒状電極39と、各蒸着材料311〜314はそれぞれ導電性材料で構成されている。各蒸着材料311〜314は、少なくともその内周面の一部が棒状電極39の側面に密着しており、各蒸着材料311〜314はそれぞれ同じ棒状電極39に電気的に接続されているので、棒状電極39に電圧を印加すると各蒸着材料311〜314に同じ電圧が一斉に印加されるようになっている。
【0032】
他方、各トリガ電極341〜344は互いに離間しており、絶縁部材と絶縁ワッシャによって棒状電極からも蒸着材料からも絶縁されている。従って、各トリガ電極341〜344には棒状電極39とは異なる電圧を個別に印加可能になっている。
トリガ電極341〜344を選択して電圧を印加すると、選択されたトリガ電極341〜344と、該トリガ電極341〜344に対応する蒸着材料311〜314との間にトリガ放電が発生するように構成されている。
【0033】
例えば、上述した蒸着源3のように、トリガ電極341〜344が上下に隣接する2個の蒸着材料311〜314から絶縁ワッシャ361〜364と絶縁部材331〜334によってそれぞれ絶縁されている場合、絶縁ワッシャ361〜364の厚みを絶縁部材331〜334の厚みよりも大きくすれば、絶縁ワッシャ361〜364によって絶縁されたトリガ電極341〜344と蒸着材料311〜314との間の距離は、絶縁部材331〜334で絶縁されたトリガ電極341〜344と蒸着材料311〜314との間の距離よりも小さくなり、距離が小さい分絶縁抵抗が小さくなる。
【0034】
従って、選択されたトリガ電極341〜344と、該トリガ電極341〜344から絶縁ワッシャ361〜364によって絶縁された蒸着材料311〜314との間で発生することになる。
【0035】
次に、この蒸着装置1を用いて薄膜を形成する工程について説明する。
真空槽2に接続された真空排気系8を起動し、真空槽2内に所定圧力の真空雰囲気を形成する。該真空雰囲気を維持したまま、成膜対象物である基板51を真空槽2内に搬入し、基板ホルダ5に保持させる。
【0036】
真空槽2外には電源装置4が配置されており、電源装置4は電源41と切り替え装置42とを有している。蒸着源3が真空槽2に取り付けられた状態では、各トリガ電極341〜344が切り替え装置42を介して電源41内のトリガ電源に接続され、棒状電極39が取り付け台25を介して電源41内のアーク電源に接続されている。
【0037】
切り替え装置42によって、最初に選択されたトリガ電極341を電源41に接続し、アノード電極部32と真空槽2とを接地電位に置いた状態で電源41を起動すると、選択されたトリガ電極341に正の電圧(ここでは3.4kV)が印加され、各蒸着材料311〜314に負の電圧(100V)が印加される。
【0038】
各蒸着材料311〜314と選択されたトリガ電極341にそれぞれ電圧が印加されると、選択されたトリガ電極341と、そのトリガ電極341に対応する蒸着材料311との間に極短い時間トリガ放電が発生し、選択された蒸着材料とアノード電極部との間の放電耐性が低下し、選択された蒸着材料311とアノード電極部32との間の空間にアーク放電が発生し、選択された蒸着材料311から蒸着材料の粒子が放出されると共に、アノード電極部32から選択された蒸着材料311にアーク電流が流れる。
【0039】
アーク電流は、所定時間経過後、電源41内のコンデンサの放電が終了すると、流れなくなる。次に、そのコンデンサの充電が回復した後、上記と同じトリガ電極341に電圧を印加し、トリガ放電を発生させると、再度アーク電流が流れる。このように、1回のトリガ放電によって1回のアーク放電が発生するようになっている。
【0040】
膜厚の厚い薄膜を形成する場合には、成膜必要なアーク放電の放電回数が多くなるが、アーク放電の回数がある回数を超えると、選択されたトリガ電極341と蒸着材料311との間の絶縁ワッシャ36が徐々に汚れて絶縁抵抗が低下し、アーク放電が誘起されなくなる。
【0041】
アーク放電が誘起されなくなるまでのアーク放電の回数を予め求めておき、アーク放電の放電回数が設定された放電回数を超える前に、切り替え装置42を切り替え、2番目に選択したトリガ電極342を電源41内のトリガ電源に接続し、電圧を印加すれば、2番目に選択されたトリガ電極342と蒸着材料312との間にアーク放電が誘起される。
【0042】
このように、電圧を印加するトリガ電極341〜344を順次切り替えることで、アーク放電が停止することがなく連続して成膜を行うことが可能であり、蒸着源3を交換せずに膜厚の厚い薄膜を形成することができる。尚、各蒸着材料311〜314を同じ材料で構成しておけば、基板51上に同一材料からなる膜を形成することができる。
【0043】
以上はアーク放電の回数に基づいてトリガ電極341〜344を切り替える場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばアーク電流を検出し、アーク電流が流れなったときに、別のトリガ電極341〜344に切り替えるようにしてもよい。
【0044】
以上は1つのトリガ電極341〜344を連続して用いて所定回数のアーク放電を発生させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、1回のトリガ放電毎にトリガ電極341〜344を切り替えてもよい。
【0045】
また、一度に選択するトリガ電極の数も特に限定されず、例えば2個以上のトリガ電極341〜344を同時に選択し、電圧を印加することもできる。要するに、本発明はトリガ電極341〜344を選択することで、所望の蒸着材料311〜314にアーク放電を生じさせるものであればよい。
【0046】
トリガ電極と蒸着材料の数は2個以上であれば特に限定されるものではない。また、トリガ電極341〜344と蒸着材料311〜314の数は同じである必要はなく、例えば1個の蒸着材料に対し、2個以上のトリガ電極を設けてもよい。
【0047】
トリガ電極341〜344と蒸着材料311〜314の形状もリング状に限定されるものではなく、例えば、棒状のトリガ電極341〜344と蒸着材料311〜314を棒状電極39の側面近傍に設け、放電部とすることもできる。
【0048】
また、図1に示すように、真空槽2に反応ガス供給系9を接続し、蒸着材料の粒子と反応する反応ガスを真空槽2内に供給しながら成膜を行えば、反応ガスのガス成分と蒸着材料の反応物からなる薄膜を得ることができる。そのような反応ガスの種類も特に限定されず、メタンガス、エタンガスのような有機ガスや、モノシランガス、ジシランガスのようなケイ素系ガス等種々のガスを用いることができる。
【0049】
蒸着材料31を構成する物質は特に限定されず、Fe、Ta、NiFe、Cu、Co、FeMn等を蒸着材料として用いて、これらの高性能磁気薄膜を製造する場合にも適用可能である。
【0050】
アノード電極部32は、例えばステンレスのような導電性材料の筒で構成することができるが、その材質や形状も特に限定されず、例えばアノード電極部の形状は角筒状でもよいし、あるいは板状に形成されていてもよい。棒状電極39を構成する導電性材料も特に限定されるものではないが、グラファイトのような熱膨張率が小さい材料で構成することが好ましい。
【0051】
【発明の効果】
本発明はトリガ電極と蒸着材料とを複数個有しており、1つのトリガ電極と蒸着材料との間の絶縁抵抗が低下したら、電圧を印加するトリガ電極を他のトリガ電極に切り替えることで、蒸着源を取り替えなくても連続して成膜を行うことができる。このように、本発明の蒸着源は従来に比べて寿命が長い。また、本発明ではトリガ電極と蒸着材料がそれぞれ棒状電極の周囲に配置されている。従って、トリガ電極と蒸着材料は直線状に配置され、細長の放電部が構成されているので、放電部が広い設置面積を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸着装置の一例を示す断面図
【図2】本発明の蒸着源の一例を示す断面図
【図3】従来技術の蒸着装置を説明する断面図
【符号の説明】
1……蒸着装置 2……真空槽 3……蒸着源 4……電源装置 5……基板ホルダ 311〜314……蒸着材料 32……アノード電極部
331〜334……絶縁部材 341〜344……トリガ電極 35……放電部
361〜364……絶縁ワッシャ 39……棒状電極 41……電源 42……切り替え装置
Claims (4)
- アノード電極部と、前記アノード電極部の近傍に配置された放電部とを有し、
前記放電部は、1本の棒状電極を有し、
前記棒状電極には、複数のリング状の蒸着材料と、複数のリング状のトリガ電極とが挿通され、
前記各蒸着材料は、前記棒状電極に電気的に接続された状態で、互いに離間し、
前記各トリガ電極は、前記棒状電極と前記蒸着材料とから電気的に絶縁された状態で、前記蒸着材料の近傍にそれぞれ配置され、
前記複数のトリガ電極のうち、少なくとも1つのトリガ電極を選択し、選択したトリガ電極に電圧を印加することで、所望の蒸着材料と前記選択したトリガ電極との間でトリガ放電が起こるように構成された蒸着源。 - 前記アノード電極部は筒状に形成され、前記放電部は前記アノード電極部の内部に配置された請求項1記載の蒸着源。
- 前記棒状電極は前記アノード電極部の中心軸線と平行に配置された請求項2記載の蒸着源。
- 真空槽と、電源装置と、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の蒸着源とを有し、
前記蒸着源の前記各トリガ電極と、前記棒状電極とはそれぞれ前記電源装置に接続され、
前記電源装置は切り替え装置を有し、前記切り替え装置を切り替えると、電圧を印加する前記トリガ電極が切り替わるように構成された蒸着装置。
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