JP4074704B2 - 蒸着源及び蒸着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蒸着源及び蒸着装置に係り、特に磁性薄膜の形成等に適した高真空の蒸着装置や、それに用いる蒸着源の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、薄膜は半導体装置や液晶表示装置等の種々の分野に用いられており、金属薄膜の他に、絶縁性薄膜や磁性薄膜などの種々の薄膜が形成されている。
【0003】
以下で説明する従来技術の蒸着装置は、同軸型真空アーク蒸着源(特開平9−165673)と呼ばれる蒸着源を用いており、蒸着材料を高真空雰囲気下で蒸発させ、放出される微小粒子によって基板表面に薄膜を形成するものである。
【0004】
その蒸着源を説明すると、図4(a)を参照し、符号109は同軸型真空アーク蒸着源を模式的に示した断面図であり、カソード電極105を有している。該カソード電極105の先端には、金属などから成る蒸着材料101が設けられている。
【0005】
この蒸着材料101は円柱状に形成されており、周囲に円筒形形状の絶縁管103が密着して設けられている。絶縁管103の周囲にはリング状のトリガ電極102が設けられており、これら全体を取り囲むように円筒形形状のアノード電極104が配置されている。
【0006】
上記の蒸着源109を高真空雰囲気に置き、アノード電極104に正電圧を印加し、蒸着材料101に負電圧を印加した状態で、トリガ電極102に正のパルス電圧を印加すると、絶縁管103の端部表面でトリガ放電(沿面放電)が発生し、トリガ電極102から蒸着材料101に向けてトリガ電流が流れる。
【0007】
そのトリガ電流によって蒸着材料101が蒸発し、その表面からイオン化した微小粒子が放出されると、アノード電極104と蒸着材料101との間の絶縁耐圧が低下し、この間にアーク放電が誘起され、蒸着材料101にアーク電流が流れ始める。
【0008】
そのアーク電流は大電流であるため、蒸着材料が多量に蒸発し、蒸着材料を構成する物質の微小粒子が様々な方向に放出される。
【0009】
上記のアーク電流は、蒸着材料101内を流れるが、そのアーク電流によってカソードの周囲に形成される磁界は、正電荷を帯びた荷電粒子に対し、アーク電流が流れる向きとは逆向きの方向、即ち、蒸着材料101の中心軸線方向に沿って、蒸着材料101から微小粒子を遠ざける方向の力を及ぼす。
【0010】
従って、蒸着材料101の微小粒子は、アノード電極104の開口部から基板115に向けて直線的に放出され、その表面に堆積することにより薄膜が形成される。
【0011】
一般に、トリガ放電によってアーク放電を誘起させる場合には、トリガ放電が高電圧を必要とするが、上記蒸着源109では、トリガ放電は沿面放電であり、トリガ電極102の端面102aから、絶縁管103の沿面103a上を電流が走るため、トリガ放電電圧は比較的低い電圧(約2kV)になっている。
【0012】
しかしながら、上述の蒸着材料101から微小粒子が放出される際、基板115方向に飛行するものの他、一部は絶縁管103に向かって飛行し、沿面103a上に堆積する。
【0013】
トリガ放電を発生させるためには、トリガ電極102と蒸着材料101との間に高電圧を印加できることが前提であるのに、放電回数を重ねると、図4(b)に示すように沿面103aやカソード電極102の端面102a上に堆積した蒸着材料101bによって、蒸着材料101とトリガ電極102の間の絶縁耐圧が低下し、トリガ電圧に必要な電圧を印加できなくなるという問題がある。
【0014】
実例として蒸着材料101にグラファイトを用いた場合は、約5000回の放電で絶縁耐圧が極度に低くなり、トリガー放電電圧(2kV)を印加できなくなってしまっていた。
【0015】
このような問題が生じないようにするには、トリガ電極102を絶縁管103から離間させる方法もあるが、その場合には、トリガ放電は沿面放電ではなくなるため、トリガ放電電圧が非常に大きくなってしまう(約10kV)。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、蒸着材料とトリガ電極との間の絶縁耐圧を低下させない技術を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、円筒状のアノード電極と、 カソード電極と、前記カソード電極に取り付けられた蒸着材料と、前記蒸着材料と密着して設けられた絶縁部材と、前記蒸着材料とは非接触の状態で前記絶縁部材に密着配置されたトリガ電極と、前記カソード電極と前記蒸着材料と前記絶縁部材と前記トリガ電極は前記アノード電極の内部に配置され、前記アノード電極と前記カソード電極との間に電圧を印加した状態で、前記トリガ電極に電圧を印加すると、該トリガ電極と前記蒸着材料との間の前記絶縁部材表面にトリガ放電電流が流れ、前記トリガ放電電流によって前記蒸着材料の蒸気が放出されて前記アノード電極内部の絶縁耐圧が低下し、前記蒸着材料と前記アノード電極との間にアーク放電が誘起され、前記蒸着材料の構成粒子を放出させるように構成された蒸着源であって、前記絶縁部材表面の前記トリガ放電電流が流れる経路の一部領域に、前記絶縁部材の一部によって遮蔽物を設け、前記蒸着材料から見て影となる非付着面を形成し、前記非付着面には、前記蒸着材料から放出され、直線的に飛来する前記蒸着材料の構成粒子が到達できないように構成したことを特徴とする蒸着源である。
【0018】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の蒸着源であり、前記絶縁部材は、前記蒸着材料の周囲を取り囲むように設けられたことを特徴とする。
【0019】
さらに、請求項3記載の発明は、真空排気可能に構成されたチャンバーを有し、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の蒸着源が、前記チャンバー内に配置されたことを特徴とする蒸着装置である。
【0020】
上述の発明の構成によれば、トリガ放電等によって蒸着材料の構成粒子が飛散しても、この構成粒子が直接衝突しない非付着面が絶縁部材に設けられている。
【0021】
この非付着面は、絶縁部材の沿面(沿面放電の発生経路)の一部であって、蒸着材料から見て陰となる面であり、蒸着材料から微小粒子が直線的に飛来しても、その微小粒子が直接衝突し得ない面である。
【0022】
このように、沿面放電が生じる経路中に非付着面を設けると、トリガ電極と蒸着材料との間の絶縁耐圧はその非付着面で確保されるので、蒸着源の寿命を長くすることができる。
【0023】
蒸着材料の微小粒子を均一に放出させるために、蒸着材料は円柱形等の柱状に成形され、トリガ電極はリング形状にされるので、絶縁部材を円筒形等の筒体に成形し、蒸着材料の周囲を取り囲むように配置するとよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下で、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1(a)は、本発明の第1の実施形態の蒸着装置の構成を示す図である。
【0025】
図1(a)で符号8は、本発明の一例の蒸着装置であり、チャンバー17を有している。チャンバー17内部には、同軸型真空アーク方式の蒸着源10が設けられており、蒸着源10の開口と対向する位置に、基板ホルダー16が配置されている。
【0026】
蒸着源10は、アノード電極4と、カソード電極5と、トリガ電極2と、絶縁部材3とを有している。アノード電極4と、カソード電極5と、トリガ電極2とは、それぞれ金属材料で構成されており、絶縁部材3は、絶縁性材料で構成されている。
【0027】
カソード電極5は円柱形形状に成形されており、円筒形形状の絶縁部材3内部に挿入されている。トリガ電極2は、リング形状に成形されており、絶縁部材3の外周面に密着固定されている。また、カソード電極5の先端部分には、金属材料から成る蒸着材料1の底面が固定されており、絶縁部材3の先端からは、蒸着材料1の先端部分だけが突き出されている。
【0028】
アノード電極4は円筒形形状に成形されており、カソード電極5、蒸着材料1、絶縁部材3、トリガ電極2が、アノード電極4とは非接触の状態で、その内部に配置されている。
【0029】
チャンバー17の外部には、トリガ電源6とアーク電源7とが設けられており、各電源6、7の正電位側の端子は、それぞれトリガ電極2とアノード電極4に接続され、負電位側の端子は、それぞれカソード電極5に接続されている。
【0030】
上記構成の蒸着装置8を用いて薄膜を形成する場合には、まず薄膜形成対象である基板15をチャンバー17内に搬入し、基板ホルダー16に保持させる。
【0031】
次に、不図示の真空排気系によってチャンバー17内を10-8Pa程度の高真空雰囲気にした後、アーク電源7を起動し、蒸着材料1に対してアノード電極4に正電圧を印加する。
【0032】
その状態でトリガ電源6を起動し、トリガ電極2に正のパルス電圧を印加すると、絶縁部材3の表面のうち、トリガ電極2と蒸着材料1との間で露出する沿面13上でトリガ放電が発生し、トリガ電極2から蒸着材料1に向けてトリガ電流が流れる。
【0033】
そのトリガ電流が流れると、蒸着材料1の表面から蒸着材料1を構成する物質が蒸発し、アーク電極4内の圧力が上昇し、アーク電極4内の絶縁耐圧が低下し、アーク電極4と蒸着材料1の間にアーク放電が誘起される。
【0034】
アーク放電によって蒸着材料1とカソード電極5内を流れるアーク電流iは大電流であり、蒸着材料1を構成する物質が大量に蒸発し、微小粒子20となって大量に放出される。その微小粒子20は蒸発の際にイオン化されており、正電荷が付与されているため、アーク電流iが形成する磁場によって、アーク電流が流れる方向とは逆向きの力Fを受け、蒸着源10の開口からチャンバー17内に放出される。
【0035】
微小粒子20の飛行方向には基板15が位置しており、チャンバー17内に放出された微小粒子が基板15の表面に付着すると薄膜が形成される。
【0036】
他方、無電荷の微小粒子21や、電荷を有していても質量の大きい巨大粒子22は、磁場の影響を受けないので、蒸着材料1から放出されると様々な方向に直線的に飛行し、それら粒子21、22の大部分は、アノード電極4に到達し、その部分に付着するが、一部分は、絶縁部材3やトリガ電極2にも到達する。
【0037】
この蒸着源10では、図1(b)に示すように、絶縁部材3の先端がトリガ電極2の先端よりも1mmだけ突き出されており、従って、絶縁部材3の表面のうち、蒸着材料1とトリガ電極2の間で露出する沿面13は、蒸着材料1と直角を成す先端部表面13aと、蒸着材料1とは平行で、蒸着材料1から見て陰となる外周部表面13bとで構成されている。
【0038】
トリガ放電を発生させるために必要なトリガ電圧は、従来の蒸着源と同様に比較的低電圧(約2.5kV)であるようにされたまま、外周部表面13bは、蒸着材料1の外周表面と平行になっている。そのため、沿面13に向けて直線的に飛来する粒子21、22は、先端部表面13aには到達できるが、外周部表面13bは蒸着材料1から見て陰となるため、到達できない。
【0039】
このように、外周部表面13bが、蒸着材料1から放出された微小粒子に対する非付着面となるため、先端部表面13aに蒸着材料1を構成する物質が堆積し、導電性の薄膜が形成されても、非付着面には薄膜は形成されないので、非付着面によって、トリガ電極2と蒸着材料1との間の絶縁耐圧は確保される。
【0040】
上記微小粒子20〜22を放出させたアーク電流iは大電流であるため、アーク電源7の電圧は低下する。そして、アーク電源7の出力電圧が、アーク放電を維持できなくなるまで低下するとアーク電流iは停止する。
【0041】
1回のアーク放電で放出される微小粒子20は、薄膜形成に必要な量と比べると少量なので、アーク電源7の回復を待ってトリガ放電を繰り返し発生させ、アーク放電を所望回数誘起させると、基板15表面に所望の膜厚の薄膜を形成することができる。
【0042】
このように、基板15表面に所望膜厚の薄膜が形成された後、その基板15をチャンバー17外に搬出し、未成膜の基板を搬入して基板ホルダ16に保持させ、薄膜形成作業を続行する。
【0043】
以上説明したように、本発明の蒸着源10、及びその蒸着源10を設けた蒸着装置8によれば、非付着面によってトリガ電極2と蒸着材料1の間の絶縁耐圧が確保されるので、従来の蒸着源では、5000回の放電(トリガ放電及びアーク放電)で、トリガ電極にトリガ放電を発生させるための電圧(トリガ電圧)を印加できなくなっていたのに対し、本発明では、倍以上の回数のトリガ放電を発生させることが可能となった(蒸着材料1にグラファイトを用いた場合、約12000回)。従って、本発明によれば、多数の基板の連続処理が可能となり、装置稼働率が向上する。
【0044】
なお、多数の基板に対して薄膜を形成した場合にトリガ放電を印加できなくなる原因は、処理枚数が多くなると、本来は非付着面である外周部表面13bにも薄膜が堆積してしまうためと推測される。
【0045】
次に、本発明の蒸着源の他の形態について説明する。その蒸着源は、上記蒸着源10と同じ構成のアノード電極、蒸着材料、カソード電極、トリガ電極を有しているため、それらについては、同じ符号を付して説明する。
【0046】
図2(a)に示す蒸着源51は、本発明の第2の実施形態の蒸着源であり、絶縁性材料が円筒形形状に成形されて成る絶縁部材31を有しており、その絶縁部材31が、上記蒸着源10と同様に、蒸着材料1及びカソード電極5の周囲に設けられている。
【0047】
この蒸着源51でも、絶縁部材31の端部は、リング形状のトリガ電極2の端部よりも突き出されており、絶縁部材31の先端である先端部表面41aは、蒸着材料1との成す角度が90度未満で傾斜するように成形されている。
【0048】
従って、絶縁部材31の表面のうち、カソード電極1からトリガ電極2との間で露出する沿面41は、傾斜した先端部表面41aと外周部表面41bとで構成されている。
【0049】
従って、外周部表面41bは、蒸着材料1から見て庇の陰になり、従って、蒸着材料1から直線的に飛散する粒子が到達せず、非付着面となる。これにより、この蒸着源51は、上記蒸着源10と同様に長寿命である。
【0050】
実際にこの蒸着源51を用いて蒸着装置を構成すると、トリガ放電電圧は約2.7kVであり、トリガ放電を発生させられる回数は約12000回となった。
【0051】
図2(b)に示す蒸着源52は、本発明の第3の実施形態の蒸着源であり、絶縁性材料が円筒形形状に成形されて成る絶縁部材32を有しており、その絶縁部材32が、上記蒸着源10、51と同様に、蒸着材料1及びカソード電極5の周囲に設けられている。
【0052】
その絶縁部材32の端部の断面は、先端に向かう程厚みが増すように成形されており、それにより、リング状の突起32aが形成されている。そして、トリガ電極2は、絶縁部材32表面で、突起32aよりも後退した位置に配置されており、トリガ放電は突起32aを超えて流れるように構成されている。
【0053】
従って、絶縁部材32の表面のうち、トリガ電極2と蒸着材料1との間で露出する沿面42は、蒸着材料1と直角を成す先端部表面42aと、傾斜した外周部表面42bとで構成されている。
【0054】
リング状の突起32aが存在するため、外周部表面42bは、蒸着材料1から見て陰になるので、その部分が非付着面となり、この蒸着源52は、上記蒸着源10、51と同様に長寿命となる。
【0055】
実際にこの蒸着源52を用いて蒸着装置を構成すると、トリガ放電電圧は約3kVとなり、トリガ放電を発生させることができる回数は、約13000回となった。
【0056】
図3(a)に示す蒸着源53は、本発明の第4の実施形態の蒸着源であり、絶縁性材料が円筒形形状に成形されて成る絶縁部材33を有しており、その絶縁部材33が、上記蒸着源10、51、52と同様に、蒸着材料1及びカソード電極5の周囲に設けられている。
【0057】
絶縁部材33の端部表面には、リング状の凹条33aが形成され、それによって形成されるリング状の凸条33bが、蒸着材料周囲に配置されており、トリガ電極2は、凸条33bよりも後退して配置されている。
【0058】
従って、蒸着源53では、凸条33bがトリガ電極2の端面よりも突き出されており、絶縁部材33の表面のうち、トリガ電極2と蒸着材料1との間で露出する沿面43は、凸条33bの側面43aと、絶縁部材33の外周部表面43bとで構成されている。
【0059】
この絶縁部材33bでは、外周部表面43bが非付着面となる他、凸条33bの側面43aのうち、蒸着材料1から見て陰となる部分が存する場合には、その部分も非付着面となるため、上記蒸着源10、51、52と同様に、長寿命となる。
【0060】
実際にこの装置を用いたときに、絶縁抵抗が破壊されるまでの放電回数は約13000回となった。またトリガ放電電圧は約3kVになり、比較的低い放電電圧を維持できた。
【0061】
図3(b)に示す蒸着源54は、本発明の第5の実施形態の蒸着源であり、絶縁性材料が円筒形形状に成形されて成る絶縁部材34を有しており、その絶縁部材34が、上記蒸着源10、51〜53と同様に、蒸着材料1及びカソード電極5の周囲に設けられている。
【0062】
この蒸着源54では、絶縁部材34の先端部に、リング状の凹条34aが形成され、蒸着材料1は凹条34a内に位置している。従って、絶縁部材34の沿面44は、先端部表面44aと、凹条34aの内周面44bで構成されている。
【0063】
この蒸着源54の場合、蒸着材料1から直線的に飛来した微小粒子は、凹条34aの内周面44bの深い部分には付着できないので、その部分が非付着面となり、上記蒸着源10、51〜53と同様に、長寿命となる。
【0064】
なお、上記各蒸着源10、51〜54においては、いずれも、沿面距離は1mm程度になるように構成されており、それにより、約2k〜3kV以下という比較的低い電圧でトリガ放電を発生させることが可能になっている。
【0065】
なお、本実施形態は、上記蒸着源10、51〜54に限定されるものではなく、絶縁部材の沿面が、直線的に飛散する導電材料の微小粒子が直接付着しない非付着面を有していればよい。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、低いトリガ放電電圧を維持しつつ、蒸着源の寿命を長くすることができる。
従って、蒸着装置の長時間の連続運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a):本発明の蒸着装置と本発明の第1の実施形態の蒸着源を説明するための図
(b):その蒸着源の部分拡大図
【図2】(a):本発明の第2の実施形態の蒸着源を示す図
(b):本発明の第3の実施形態の蒸着源を示す図
【図3】(a):本発明の第4の実施形態の蒸着源を示す図
(b):本発明の第5の実施形態の蒸着源を示す図
【図4】(a):従来の蒸着源の先端部の構造を説明するための図
(b):従来の問題点を説明するための図
【符号の説明】
1……蒸着材料 2……トリガ電極 3、31〜34……絶縁部材 4……アノード電極 5……カソード電極 10、51〜54……蒸着源 13b、41b〜44b……非付着面 17……チャンバー

Claims (3)

  1. 円筒状のアノード電極と、
    カソード電極と、
    前記カソード電極に取り付けられた蒸着材料と、
    前記蒸着材料と密着して設けられた絶縁部材と、
    前記蒸着材料とは非接触の状態で前記絶縁部材に密着配置されたトリガ電極と、
    前記カソード電極と前記蒸着材料と前記絶縁部材と前記トリガ電極は前記アノード電極の内部に配置され、
    前記アノード電極と前記カソード電極との間に電圧を印加した状態で、前記トリガ電極に電圧を印加すると、該トリガ電極と前記蒸着材料との間の前記絶縁部材表面にトリガ放電電流が流れ、
    前記トリガ放電電流によって前記蒸着材料の蒸気が放出されて前記アノード電極内部の絶縁耐圧が低下し、前記蒸着材料と前記アノード電極との間にアーク放電が誘起され、前記蒸着材料の構成粒子を放出させるように構成された蒸着源であって、
    前記絶縁部材表面の前記トリガ放電電流が流れる経路の一部領域に、前記絶縁部材の一部によって遮蔽物を設け、前記蒸着材料から見て影となる非付着面を形成し、前記非付着面には、前記蒸着材料から放出され、直線的に飛来する前記蒸着材料の構成粒子が到達できないように構成したことを特徴とする蒸着源。
  2. 前記絶縁部材は、前記蒸着材料の周囲を取り囲むように設けられたことを特徴とする請求項1記載の蒸着源。
  3. 真空排気可能に構成されたチャンバーを有し、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の蒸着源が、前記チャンバー内に配置されたことを特徴とする蒸着装置。
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