JP4594455B2 - 蒸着源及び蒸着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蒸着源及び蒸着装置に係り、特に磁性薄膜の形成等に適した蒸着源や、この蒸着源を用いた蒸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、薄膜は半導体装置や液晶装置等の種々の分野に用いられており、金属薄膜の他に、絶縁性薄膜や磁性薄膜などの種々の薄膜が形成されている。
【0003】
図4の符号100に従来の高真空成膜装置の断面図を示す。
この高真空成膜装置100は、同軸型真空アーク蒸着源(特開平9−165673)を用いた高真空成膜装置であり、チャンバー101を有している。このチャンバー101の内部には薄膜形成対象である基板103を保持するための基板ホルダー102が設けられている。また、チャンバー101内には、この基板ホルダー102に対向して蒸着材料を蒸発させるための蒸着源105が設けられている。
【0004】
上記の蒸着源105は、先端に蒸着材料が装填された円柱状のカソード電極105aと、その周囲に密着して形成された絶縁性の材料から成る絶縁管105dと、その周囲に密着して形成されたリング状のトリガ電極105cと、これらを取り囲むように配置された円筒状のアノード電極105bとを有する。
【0005】
チャンバー101の外部には、カソード電極105aとトリガ電極105cとの間にトリガ電圧を印加するトリガ電源161と、カソード電極105aとアノード電極105bとの間にアーク放電を発生させるための電圧を印加するアーク電源162とが設けられている。
【0006】
上記の高真空成膜装置100で薄膜を形成するには、まず、チャンバー101の不図示の搬入口より基板103をチャンバー101内に導入し、基板ホルダー102に保持させる。
【0007】
次に搬入口を密閉し、排気系107を用いてチャンバー101内を真空排気し、チャンバー101内部の圧力が10-5Pa程度になるまで真空排気を続ける。この圧力に達したら、蒸着源105に接続するトリガ電源161を起動してトリガ電極105cとカソード電極105aとの間にトリガ電圧を印加し、蒸着源105と基板ホルダー102の間に設けられたシャッター104を開く。
【0008】
すると、トリガ電極105cとカソード電極105aとの間にトリガ放電(沿面放電)が生じ、アーク電源162によってアノード電極105bとカソード電極105aとの間にパルス状の電圧を印加すると、これらの間でアーク放電が生じる。
【0009】
このアーク放電の発生によりカソード電極105aの表面に装填された蒸着用の金属材料が瞬間的に蒸発し、余弦則に従って、アノード電極105bに向けて放出される。その蒸発の際に蒸着材料表面から蒸発した微小粒子はイオン化され、正電荷が付与される。
【0010】
蒸発の際に流れるアーク電流は大電流であり、アーク電流が形成する磁場は、正電荷に電流が流れる向きとは逆向きの力を及ぼすから、正電荷を有する微小粒子は、その力によって、蒸着材料中を流れるアーク電流の向きとは逆向きの力を受け、基板方向に曲げられ、蒸着源105の開口からチャンバー101内に放出される。
【0011】
他方、微小粒子が放出される際、電荷を持たない中性粒子も放出されるが、これら中性粒子は磁場の影響を受けないため、基板方向へは飛行できない。また、質量が大きく、電荷を持った巨大粒子も放出されるが、巨大粒子は質量に対する電荷量が小さいため、磁場の影響が小さく、放出された方向に飛行し、アノード電極105bに付着する。
【0012】
蒸着源105の開口と対向配置された基板103は、通常チャンバーと同電位の接地電位に置かれており、正電荷を有する微小粒子は、基板103に引きつけられ、その表面に堆積することにより薄膜が形成される。
【0013】
基板103の表面に形成された薄膜が所定の膜厚に達したら、シャッター104を閉じ、蒸着源10の駆動を停止させる。その後大気をチャンバー101内に導入し、チャンバー101内を大気圧に戻して扉を開けて基板103を取り出す。
【0014】
以上説明した高真空成膜装置100を用いれば、放電で生じる磁界により、微小粒子だけが基板103に到達でき、巨大粒子は基板103に到達できないことから、液滴となる巨大粒子が薄膜中に混入せず、高品質の薄膜を形成することが可能となっている。また、上記高真空成膜装置100では、蒸着材料の直径が9mmの場合、Ф20mmの基板に対し、±10%程度の膜厚のばらつきで薄膜を形成することができる。
【0015】
しかし、上記の高真空成膜装置100では、微小粒子が基板方向に直進するため、成膜可能な薄膜面積は、蒸着源105の側面の大きさに依存してしまい、大面基板へ薄膜を形成できないという問題がある。
【0016】
そこで、図5の符号110で示す蒸着装置のように、大口径のカソード電極105eを設けることが考えられる。このような大口径のカソード電極105eでは、表面積が増大しており、放電によって発生する微小粒子が広範囲から放出されるため、薄膜形成可能な面積も広くなる。
【0017】
しかし、アーク放電は、アノード電極105bの内周面と、カソード電極105e先端の蒸着材料の外周側面との間で発生するため、微小粒子はカソード電極105eの外周側面から放出され、磁場で曲げられて基板103方向に飛行するため、カソード電極105eの中心軸線の延長線上では、到達できる微小粒子の量が少なくなるため、基板103中心部分の膜厚が薄くなってしまう。図6の横軸に、基板中心からの距離r、縦軸に形成される薄膜の膜厚dをとり、上記大口径カソード105eを用いた場合の薄膜の膜厚分布を示す。この蒸着源でも、Ф50mmという比較的大きい基板では、面内膜厚分布は±50%程度になってしまい、より面内膜厚分布のばらつきが小さい蒸着源が求められている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、大面積基板に対し、膜厚のばらつきの小さい薄膜を形成する技術を提供するものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、カソード電極と、前記カソード電極の先端に設けられた蒸着材料と密着して設けられた絶縁管と、前記蒸着材料とは非接触の状態で前記絶縁管に密着配置されたトリガ電極とを具備し、前記カソード電極は、前記絶縁管内に挿入され、前記絶縁管からは、蒸着材料だけが突き出されており、前記トリガ電極は、リング形状に形成され、前記絶縁管の先端部分外周表面の蒸着材料と近接した位置に配置されているカソード部と、円筒形形状に成形された金属材料で構成されたアノード電極を具備し、前記蒸着材料近傍に配置されたアノード部とを有し、前記カソード電極と前記トリガ電極との間にトリガ電圧を印加するトリガ電源と、前記アノード電極と前記カソード電極との間にアーク放電を誘起する電圧を印加するアーク電源とを有し、前記アノード電極と前記カソード電極との間にアーク電圧を印加した状態で、前記トリガ電極にトリガ電圧を印加すると、該トリガ電極と前記蒸着材料との間の前記絶縁管の沿面でトリガ放電が発生し、前記蒸着材料と前記アノード電極との間にアーク放電が誘起され、前記蒸着材料の構成粒子放出さるように構成された蒸着源であって、3本のカソード部が、円筒状のアノード電極の内部でアノード電極中心軸線を中心とした正三角形頂点位置に配置されており、前記トリガ電源及び前記アーク電源は、前記3本のカソード部のうち、各々のカソード部ごとに、前記トリガ電圧及び前記アーク電圧を順次印加することを特徴とする蒸着源である。
また、請求項2記載の発明は、真空排気可能に構成されたチャンバーを有し、請求項1記載の蒸着源が、前記チャンバー内に配置されたことを特徴とする蒸着装置である。
【0020】
上述の発明の構成によれば、先端に蒸着材料が設けられたカソード電極を有するカソード部が、筒状のアノード部に囲まれた領域内に複数個設けられている。このため、放出される蒸着材料の微小粒子の量が増大するので、成膜速度が上昇し、大面積の蒸着対象にも容易に対応することが可能になる。
【0021】
また、本発明では、複数のカソード部の間隙からも蒸着材料の構成粒子が蒸着対象に向けて飛行するので、大口径で1個のカソード電極を用いた場合に蒸着材料の構成粒子の量が少なかった箇所(例えば蒸着源開口の中心部)からも、他の箇所とほぼ同量の構成粒子が基板に向けて飛び出す。
【0022】
蒸着源全体として蒸着対象表面に形成される薄膜の膜厚分布は、個々のカソード電極より形成される薄膜の膜厚分布を重ね合わせた値になり、個々のカソード部による薄膜の膜厚のばらつきが相互に相殺されるので、大口径のカソード電極を1個だけ用いた蒸着源に比して、膜厚のばらつきをさらに低減することが可能になる。
【0023】
さらに、放電で蒸着材料が蒸発する際には、微小粒子として放出されるほかに、巨大な液滴粒子も飛び出す。この液滴粒子は電荷を有していてもその質量が大きいため、放電によって生じる磁場による影響を受けず、蒸着材料の表面から直線的に飛行する。
【0024】
本発明ではカソード電極がアノード部内に複数設けられているため、飛び出した液滴粒子の一部は隣接する他のカソード電極の蒸着材料に再び付着する。これにより、1本のカソード電極のみを用いていた従来に比して、蒸着材料の消耗が少なくなるので、カソード電極の寿命を長くすることが可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下で、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1の符号10は、本発明の一実施形態の蒸着装置であり、図2はそのA−A線截断面図である。
【0026】
この蒸着装置10は、真空気密構造のチャンバー1を有しており、チャンバー1内には成膜対象である基板3を保持する基板ホルダー2が設けられており、この基板ホルダー2と対向して、蒸着材料を蒸発させる蒸着源50が設けられている。
【0027】
蒸着源50は、アノード電極54と、第1のカソード部51と、第2のカソード部52と、第3のカソード部53とを有している。
【0028】
第1〜第3のカソード部51〜53は、それぞれ、第1〜第3のカソード電極51a〜53aと、第1〜第3の絶縁管51b〜53bと、第1〜第3のトリガ電極51c〜53cを有している。
【0029】
第1〜第3のカソード電極51a〜53aは、先端に金属製の蒸着材料が固定されており、それぞれの全体形状が円柱形を呈するように成形されている。
【0030】
第1〜第3のカソード電極51a〜53aは、第1〜第3の絶縁管51b〜53b内にそれぞれ挿入され、第1〜第3の絶縁管51b〜53bの先端からは、蒸着材料だけが突き出されており、第1〜第3のトリガ電極51c〜53cは、リング形状に成形され、絶縁管51b〜53bの先端部分外周表面の蒸着材料と近接した位置に配置されている。
【0031】
アノード電極54は、円筒形形状に成形された金属材料で構成されており、第1〜第3のカソード部51、52、53は、図2に示すように、いずれもアノード電極54の中に納められ、アノード電極54の中心軸線を中心とする同心円上の正三角形頂点位置に配置されている。
【0032】
チャンバー1の外部には、第1〜第3のトリガ電源611〜613と、第1〜第3のアーク電源621〜623が設けられている。
【0033】
第1〜第3のトリガ電源611〜613は、第1〜第3のカソード電極51a〜53aと、第1〜第3のトリガ電極51c〜53cとの間にそれぞれ接続されており、第1〜第3のカソード電極51a〜53aに負電圧を、第1〜第3のトリガ電極51c〜53cに正電圧を印加するように構成されている。
【0034】
第1〜第3のアーク電源621〜623は、一端が第1〜第3のカソード電極51a〜53aにそれぞれ接続され、他端が共通してアノード電極54に接続されており、第1〜第3のカソード電極51a〜53aに負電圧を、アノード電極54に正電圧を印加するように構成されている。
【0035】
上記のように構成された蒸着装置10を用いて薄膜を形成する場合には、先ず、基板3をチャンバー1内に搬入し、基板ホルダー2に保持させる。
【0036】
次に、不図示の真空排気系によってチャンバー1内を10-8Pa程度の高真空雰囲気にした後、基板3近傍に配置されたシャッター4を開け、第1のアーク電源621を起動し、第1のカソード電極51aに対してアノード電極54に正電圧を印加する。
【0037】
その状態で第1のトリガ電源611を起動し、第1のトリガ電極51cに正のパルス電圧を印加すると、第1の絶縁管51bの沿面上でトリガ放電が発生し、第1のトリガ電極51cから、第1のカソード電極51aの先端に設けられた蒸着材料に向けてトリガ電流が流れる。
【0038】
蒸着材料中をトリガ電流が流れると、その表面から蒸着材料を構成する物質が蒸発し、その結果、第1のカソード電極51aの蒸着材料とアノード電極54との間の絶縁耐圧が低下し、これらの間にアーク放電が誘起される。
【0039】
アーク放電によって流れるアーク電流は大電流であって、蒸着材料を構成する物質が蒸発し、正電荷を有する微小粒子が大量に放出される。その微小粒子は、アーク電流が形成する磁場によってアーク電流が流れる方向とは逆方向に曲げられ、蒸着源の開口からチャンバー1内に放出され、電界で加速され、基板ホルダー2上の基板3の表面に付着する。
【0040】
この放電によって蒸着材料から放出される粒子には、前述した荷電微小粒子の他、巨大な液滴粒子も飛び出すが、液滴粒子が蒸着材料表面から余弦則に従って放出されると、電荷に比して質量が大きいため、アーク電流が形成する磁場の影響をほとんど受けずに直線的に飛行し、アノード電極54の内周面に付着する他、隣接する第2、第3のカソード電極52a、53a先端の蒸着材料に付着する。
【0041】
第1のアーク電源621の出力電圧が低下し、アーク放電が停止した後、第1のアーク電源621の出力電圧をゼロにし、替わりに第2のアーク電源622を起動し、第2のカソード電極52aとアノード電極54との間に電圧を印加した状態で、第2のトリガ電源612を起動し、第2のトリガ電極52cに正のパルス電圧を印加する。
【0042】
そのパルス電圧により、第2のトリガ電極52cと、第2のカソード電極52a先端の蒸着材料との間にトリガ放電が発生し、第2のカソード電極52aとアノード電極54との間のアーク放電が誘起されると、第2のカソード電極52aの先端に取り付けられた蒸着材料から荷電微小粒子と液滴粒子が放出される。
【0043】
第2のカソード電極52a先端の蒸着材料から放出された荷電微小粒子中には、第2のカソード電極52a先端の蒸着材料に付着していた第1のカソード電極51a先端の蒸着材料も含まれており、その結果、液滴粒子が荷電微小粒子に再生され、有効に利用される。
【0044】
他方、この第2のカソード電極52a先端の蒸着材料から放出された液滴粒子は、アノード電極54内周面の他、第1又は第3のカソード電極51a、53a先端の蒸着材料にも付着し、それらのカソード電極51a、53aでアーク放電が誘起される際に、荷電微小粒子として再生され、有効に利用される。
【0045】
第2のアーク電源622の出力電圧が低下し、アーク放電が停止した後、第2のアーク電源622の出力電圧をゼロにし、替わりに第3のアーク電源623を起動し、第3のカソード電極53aとアノード電極54との間に電圧を印加した状態で、第3のトリガ電源613を起動し、第3のトリガ電極53cに正のパルス電圧を印加し、第3のカソード電極53a先端の蒸着材料から微小粒子を放出させる。
【0046】
そして、第3のアノード電源623の出力電圧が低下し、アーク放電が停止すると、再度第1〜第3のアノード電源621〜623を順次起動し、荷電微小粒子を放出させる。
【0047】
以上説明したように、本発明の蒸着装置10によれば、複数のカソード部51〜53から微小粒子が放出されるので、図4に示した小口径のカソード電極部に比べ、薄膜を形成可能な面積が大きくなっており、また、図5に示した大口径のカソード電極部に比べ、蒸着源50の中心部分からも荷電微小粒子が放出されるので、面内膜厚分布のばらつきが小さくなっている。
【0048】
図3の横軸に、基板中心からの距離r、縦軸に形成される薄膜の膜厚dをとり、上記の蒸着源50を用いた場合の薄膜の膜厚分布を示す。
【0049】
この蒸着源50では、基板3に形成される薄膜の膜厚は、第1〜第3のカソード電極51a〜53aの各々で形成される薄膜の膜厚を重ね合わせたものになるが、3本のカソード部51、52、53を円筒状のアノード電極54の内部でアノード電極54中心軸線を中心とし、正三角形頂点位置に配置されているので、個々のカソード部51、52、53で成膜される膜厚のばらつきが相殺されるようになっている。
【0050】
従って、膜厚dは基板からの距離rに関係なくほぼ一定になっており、図3に示したグラフは、図6のグラフとは異なり、膜厚の最大値と最小値との差が小さくなっている。
【0051】
実際にФ75mmの基板を用いた場合には、膜厚のばらつきを±5%程度まで低減することができており、また、4インチの基板を用いた場合でも、膜厚のばらつきを±10%程度にまで低減できることが確認できた。
【0052】
さらに、微小粒子とともに飛び出した液滴粒子は、近接するカソード側に飛行すると、そのカソード電極先端の蒸着材料に付着し、再利用されるので、1本のカソード電極のみを用いていた従来に比して、カソード電極の消耗が少なくなり、寿命を長くすることが可能になっている。
【0053】
なお、本実施形態では、トリガ電源611〜613とアーク電源621〜623を、カソード部の本数に対応して3台ずつ設けているが、本発明はこれに限らず、1台の電源を設け、順次第1〜第3のカソード部51〜53に所定の電圧を印加するような構成にしてもよい。
【0054】
また、上記蒸着装置10では、3つのカソード部51、52、53を用いているが、本発明はこれに限らず、さらに大面積の基板に対応する目的で、カソード部の本数をさらに増やしてもよい。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、膜厚のばらつきが少ない薄膜を、大面積の蒸着対象に形成することが可能になる。また、カソード電極先端の蒸着材料の消耗を少なくして、蒸着源の寿命を長くすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例の蒸着装置の構成図
【図2】蒸着源の構造を説明する上面図
【図3】本実施形態の蒸着装置によって形成された薄膜の分布状態を示すグラフ
【図4】従来の蒸着装置の構成図
【図5】大口径の蒸着源を用いた従来の蒸着装置の構成図
【図6】大口径の蒸着源を用いた従来の蒸着装置によって形成された薄膜の分布状態を示すグラフ
【符号の説明】
1……チャンバー 50……蒸着源 51、52、53……カソード部 51a、52a、53a……カソード電極 51b、52b、53b……絶縁管(絶縁物) 51c、52c 53c……トリガ電極 54……アノード電極611、612、613……トリガ電源 621、622、623……アーク電源

Claims (2)

  1. カソード電極と、
    前記カソード電極の先端に設けられた蒸着材料と密着して設けられた絶縁管と、
    前記蒸着材料とは非接触の状態で前記絶縁管に密着配置されたトリガ電極とを具備し、
    前記カソード電極は、前記絶縁管内に挿入され、前記絶縁管からは、蒸着材料だけが突き出されており、前記トリガ電極は、リング形状に形成され、前記絶縁管の先端部分外周表面の蒸着材料と近接した位置に配置されているカソード部と、
    円筒形形状に成形された金属材料で構成されたアノード電極を具備し、前記蒸着材料近傍に配置されたアノード部とを有し、
    前記カソード電極と前記トリガ電極との間にトリガ電圧を印加するトリガ電源と、
    前記アノード電極と前記カソード電極との間にアーク放電を誘起する電圧を印加するアーク電源とを有し、
    前記アノード電極と前記カソード電極との間にアーク電圧を印加した状態で、前記トリガ電極にトリガ電圧を印加すると、該トリガ電極と前記蒸着材料との間の前記絶縁管の沿面でトリガ放電が発生し、前記蒸着材料と前記アノード電極との間にアーク放電が誘起され、前記蒸着材料の構成粒子放出さるように構成された蒸着源であって、
    3本のカソード部が、円筒状のアノード電極の内部でアノード電極中心軸線を中心とした正三角形頂点位置に配置されており、
    前記トリガ電源及び前記アーク電源は、前記3本のカソード部のうち、各々のカソード部ごとに、前記トリガ電圧及び前記アーク電圧を順次印加することを特徴とする蒸着源。
  2. 真空排気可能に構成されたチャンバーを有し、請求項1記載の蒸着源が、前記チャンバー内に配置されたことを特徴とする蒸着装置。
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