JP4084799B2 - 横葺き外装材及びその接続構造 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、合成樹脂等によって成形された部材2,3により、左右に配される外装材(瓦1)の側縁を上下から挟着状に保持し、その部材3に外装材(瓦1)と同質材からなる化粧カバー(キャップ14)を取り付ける構成が記載されている。
さらに、特許文献3には、長さ方向の端部を櫛歯状に切り欠いた後、プレス加工して成形する屋根板が開示されている。より詳しくは、長さ方向の端縁に突出片(交差部材24a,24b)を多数形成し、各突出片(交差部材24a,24b)は端部から裏面側に延びる折曲部25と、その下端から外方に延びる一定幅の平行部26と、その先端から下方へ延びる傾斜部27とからなる。
また、前記特許文献2に記載の構成でも、外装材(瓦1)の側縁を上下から保持する部材2,3、及び化粧カバー(キャップ14)が必要であるため、部材管理が煩雑であり、製造コストがかかり、屋根としての全体的なコストの高騰に繋がっていた。
前記特許文献3に記載の構成では、外装材の側縁に重合部を形成するために、部材数を減らすことができるが、外装材の側縁(重合)をプレスによって成形するため、成形コストは削減されていなかった。また、プレスによる製造工程が必要となるため、成形ラインの高速化が図れなかった。
尚、長手方向の端縁とは、水流れ方向に沿う側縁である。
即ちこの横葺き外装材の接続構造は、長手方向に隣接させた横葺き外装材の接続部を、互いの凸状部分が他方の凹状部分の表面側に位置するように噛み合わせた後、面板部上に位置する接続部(凸状部分)に対し、両側縁に係合溝を有する化粧部材を、凸状部分の先端が係合溝内に位置するように取り付ける。
より詳しくは、隣接する横葺き外装材の両凸状部分に化粧部材の係合溝を係合させるということは、例えば一方側の横葺き外装材の複数の凸状部分が不完全(不均一)な状態で係合していたとしても、他方側の横葺き外装材の凸状部分に係合溝を係合させることによって、化粧部材は隣接する横葺き外装材により左右から突き合わせられるように所定位置に配され、一方側の横葺き外装材の不完全(不均一)な係合も適正(均一)な係合に修正される。
この接続部における凸状部分、凹状部分の数は特に限定するものではない。
図1に示す実施例では、水上側、水下側に形成される成形部とは、面板部11の水下側の端縁に設けられる水下側成形部12、面板部11の水上側の端縁に設けられる水上側成形部13を指す。これら成形部12,13は、相互に係合するものであれば特にその形状等について限定するものではない。
図示実施例の水下側成形部12は、面板部11の軒縁を下方へ略鉛直状に曲げ成形した折り下げ片121と、その下端を棟側へ曲げ成形して略水平状に延在させ、さらにその先端を裏面側へ折り返した水平片122とからなる構成とした。
また、水上側成形部13は、面板部11の端縁を表面側へ折り返し状に曲げ成形して延在した軒向き片131と、その軒端を棟側へ折り返し状に曲げ成形して延在させ、その上端を緩く上方へ折り曲げた棟向き片132とからなる構成とした。
これらの水下側成形部12と水上側成形部13とは、図4(e)に示すように、敷設状態において係合する構成とした。
また、各凸状部分14A,15Aは段部16を介して設けられている。したがって、この図1の実施例における各凸状部分14A,15Aは面板部11に対して段部16分だけ表面側に位置している。
〔第1工程〕
まず、外装材1の金属材料素材としては、代表的には概ね0.4〜1.6mm程度の溶融亜鉛メッキ鋼板やガルバリウム鋼板等の防錆処理鋼板、特殊鋼、非鉄金属、ステンレス鋼板、耐候性鋼板、銅板、アルミニウム合金板、鉛板、亜鉛板、チタニウム板などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは殆ど長尺なコイル状形態で供給される。また、これら各種の長尺なコイル状の金属材料の裏面に、結露防止、防音、防火対策上の理由により、必要に応じてポリエチレンフォーム、グラスウールシート等の裏貼り材を添装してもよい。
上記各種の長尺なコイル状の金属材料を定尺切断する等して、一定幅で所定長さの金属材を作成し、これを成形材料とする。
この成形材料に、長手方向の両端縁にブランク加工を施して前述の接続部14,15が形成されるようにする。この実施例では、前述のように長手(桁行き)方向の一方(図面左側)の接続部14には、2つの略矩形状の凸状部分14Aと3つの凹状部分が形成され、他方(図面右側)の接続部15には、3つの略矩形状の凸状部分15Aと2つの凹状部分15Bが形成され、各凸状部分14A,15Aは段部16を介して設けられている。尚、これらのブランク加工は、各端縁それぞれに行うようにしてもよいし、接続部14,15は、前述のように一方の凹状部分と他方の凸状部分とが短手方向に同位状になるように設けるので、一度のジグザグ状の切断にて形成するようにしてもよい。
前記ブランク加工を施された成形材料を、ロール成形機にかけ、面板部11の軒端縁に前記構成の水下側成形部12が、棟端縁に前記構成の水上側成形部13がロール成形により形成される。
その結果、安価な外装材1を市場に提供することができる。
短手(軒棟)方向に隣接する外装材1,1を接続する場合は、従来の横葺き外装材と全く同様であり、図4(e)に示すように、軒棟方向に隣接する外装材1,1の水下側成形部12と水上側成形部13を係合して接続し、水上側成形部13の棟向き片132を外装下地3に適した公知の釘やビス等の固着具(図示せず)で固定する。
尚、長手(桁行き)方向の接続位置は、通りを揃えてもよいが、一般的には、軒棟方向に隣り合う外装材の接続の通りと同じにならないよう1段ごとに位相させることが好ましい。
次に、前記差し込んだ部分を支点として右側の外装材1を反時計回りに回動させる。その際、右側の外装材1は、凸状部分14Aが略平坦状であるため下地に載置した状態で回動させればよいので、作業に多人数を要することなく容易に実施できる。
そして、水下凸部14Dを水下凹部15Dの裏面側に差し込むと共に、各凸状部分14Aを、順次凹状部分15Bの表面側に噛み合わせるように接続する。尚、この実施例では、接続部14ばかりでなく接続部15にも凸状部分15Aを設けているので、各凸状部分14A,15Aを各凹状部分15B,14Bの表面側へ沿わせるように噛み合わせて接続する。
さらに、水上凸部14Cについては、水上凹部15Cの裏面側に差し込むように接続して、図2(b)に示すように組み合わせる。
その後、化粧部材3の係合溝32を凸状部分14A,15Aに係合させつつ、水下側から水上側へスライドさせるように添わせる。
したがって、長手方向の接続部14,15から浸入した雨水等は、この捨板2上に導かれ、下段側の外装材1の面板部11上に流下させることができる。
したがって、図3に示すように噛み合わせられた凸状部分14A,15Aの先端に、化粧部材3の係合溝32を係合させることにより、化粧部材3は双方の外装材1,1の凸状部分14A,15Aによってずれ動くことがなく、適正な位置に規制される。
段部16がない同図(b)は、軒側と棟側で均等に突き合わせることにより、図示するような接続面を得られるが、他方側の裏面に位置する凸状部分14A,15Aは傾斜状に配されていると推察される。これに対して同図(a)では、段部16があるため、均一長さの凸状部分14A,15Aが他方側の裏面に近接もしくは当接する状態となっている。そして、凸状部分14A,15Aの基端に歪みが生ずることがなく、外装(接続)面はほぼ平坦になり、切断面が露出せず意匠性に優れた接続構造を形成できる。また、段部16により、凹凸のかみ合いが適正に行われるので、作業性が向上する。尚、このような段部16は、1つに限定するものではなく、複数設けるようにしてもよい。
11 面板部
12 水下側成形部
13 水上側成形部
14,15 接続部
14A,15A 凸状部分
14B,15B 凹状部分
16 段部
Claims (3)
- 水上側、水下側に相互に係合する成形部を有する横葺き外装材において、
長手方向の両端縁に、ブランク加工により、少なくとも1以上の凸状部分及び凹状部分を有する平面視凹凸状の接続部を、一方の凹状部分と他方の凸状部分とが短手方向に同位状になるように形成すると共に、凸状部分の先端が面板部より上方に位置するように形成した横葺き外装材。 - 凸状部分は、少なくとも一段以上の段部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の横葺き外装材。
- 請求項1又は2に記載の横葺き外装材の接続部を噛み合わせた状態で、面板部上に位置する接続部に対して化粧部材を取り付けたことを特徴とする横葺き外装材の接続構造。
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