JP7406384B2 - 既存屋根の改修用屋根材 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明のある局面に係る改修用屋根材は、薄板形状の既設屋根材が軒棟方向に階段状に重ねられて施工された既存屋根の改修用屋根材であって、棟側差し込み部と化粧面部と軒側折り返し部とが一体的に形成され、前記改修用屋根材の働き幅は、前記既設屋根材の働き幅の整数倍であり、前記軒側折り返し部には水抜き孔が複数形成され、前記水抜き孔は、前記既設屋根材の働き幅毎の位置の両側でかつ前記働き幅毎の位置から100mm以内に少なくとも形成されるとともに、前記改修用屋根材の両端縁から100mm以内に形成されていることを特徴とする。
さらに好ましくは、前記軒側折り返し部は水切り部を備えているように構成することができる。
なお、この改修用屋根材は、本発明に係る改修用屋根材が以下の形状に限定されるものではないが、軒棟方向に垂直な方向(左右方向:桁方向)が軒棟方向に沿った方向よりも長い矩形形状の金属製薄板を折り曲げ加工等されている。そして、その長手方向(軒棟方向に垂直な方向(左右方向:桁方向))の両端側をヘミング加工していない改修用屋根材100について図1~図5を参照して第1の実施の形態として説明して、両端側をヘミング加工している改修用屋根材200について図6を参照して第2の実施の形態として説明して、両端側をヘミング加工している改修用屋根材であって改修用屋根材100および改修用屋根材200とは異なる化粧面部110(流水制御手段として機能する凹凸の形状が異なる)を備え水抜き孔140の配置が特徴的な改修用屋根材500について図7~図11を参照して第3の実施の形態として説明する。
本発明の第1の実施の形態に係る改修用屋根材100を用いた改修中の屋根の斜視図を示す図1、この改修用屋根材100の3面図を示す図2(A)、この改修用屋根材100とともに用いられるジョイントカバー150の3面図を示す図2(B)、図1の平面図を示す図3、図1の流れ方向の断面図を示す図4、および、図1のけらば方向の断面図を示す図5を参照して、第1の実施の形態に係る改修用屋根材100およびこの改修用屋根材100を用いた屋根の施工構造について詳しく説明する。
まず、この改修用屋根材100を用いて改修される既存屋根に施工されている化粧スレート1000の一例について説明する。この化粧スレート1000は既設屋根材であって、たとえば、図1に示すように、建築物(構築物を含む)の屋根に用いられている屋根材であって、屋根の下地(詳しくは後述する下地材である野地板1020、下葺材1030等)の上に施工された屋根材である。ここで、これらの図1~図5においては、本発明と直接的には関係しないために、屋根の施工構造に関係する全ての部材について記載しているわけではない(たとえば、一部の図における軒先水切、けらば水切等は省略)。また、この図1では化粧スレート1000を千鳥配置して(改修用屋根材100も千鳥配置して)いるが、本発明に係る改修用屋根材の施工構造はこのような配置に限定されるものではない。また、この図1においては、化粧スレート1000が棟側の両角部を欠いた略矩形形状としているが、本発明に係る改修用屋根材の施工構造はこのような形状の屋根材に限定されるものではなく、完全な矩形形状、軒側端部に軒棟方向のスリットを有する形状、軒側端部に軒棟方向の凹凸を有する形状(波型、山型、段違いなど)など種々の形状の屋根材に対応できるものである。
一列分の化粧スレート1000を施工(葺く)場合には、いずれか一方端から他方端への葺かれたものではなく中央から葺かれたものであっても構わない。また、化粧スレート1000は屋根釘1002により固定されている。
このように施工された既存屋根において化粧スレート1000を取り外すことなく、化粧スレート1000に本実施の形態に係る改修用屋根材100を覆うように(カバーするように)施工して改修用屋根材100を用いた施工構造が完成する。この場合において、本実施の形態に係る改修用屋根材100はジョイントカバー150と組み合わせて施工される。これらの改修用屋根材100およびジョイントカバー150について次に詳しく説明する。
本実施の形態に係る改修用屋根材100は、薄板形状の既設屋根材(化粧スレート1000)が軒棟方向に階段状に重ねられて施工された既存屋根の改修用屋根材である。
図2(A)に示すように、この改修用屋根材100は、棟側差し込み部130と化粧面部110と軒側折り返し部120とが一体的に形成され、化粧面部110に流水制御手段が形成されている。そして、この流水制御手段の一例として、化粧面部110に軒棟方向の略垂直方向(左右方向:桁方向)に沿った凹部が形成されている。さらに、この凹部は、少なくとも軒側斜面および棟側斜面の2つの斜面を含む蛇腹折り形状(図2に示す山折れと谷折れとの繰り返し形状)により形成され、図4(D)に示すように軒側斜面の傾斜角度β(deg)は、既存屋根の屋根勾配α(deg:度)未満である。なお、凹部は化粧面部110に軒棟方向の略垂直方向に沿って略全長にわたり形成されていることが好ましい。
さらに、棟側差し込み部130の端縁が裏面側(図2に示す改修用屋根材100においては下方(裏面)側への折り返し)へヘミング加工(棟側ヘミング加工部132)されている。また、軒側折り返し部120の端縁が裏面側(図2に示す改修用屋根材100においては上方(表面)側への折り返し)へヘミング加工(軒側ヘミング加工部122)されている。なお、この裏面側へのヘミング加工とは、この改修用屋根材100は、上述したように軒棟方向に垂直な方向(左右方向:桁方向)の長さWが軒棟方向に沿った方向の長さLよりも長い矩形形状の金属製薄板を折り曲げ加工等により棟側差し込み部130と化粧面部110と軒側折り返し部120とが一体的に形成された構造を備えるが、この折り曲げ加工等される前の矩形形状かつ平面形状の金属製薄板における裏面側へのヘミング加工を意味する。また、ヘミング加工には、第1の実施の形態および第2の実施の形態において採用される断面がループ形状であるもの(軒側ヘミング加工部122)も、断面が折り畳み形状であるものも、それら以外の形状で強度向上を主たる目的として端部(端面)が折り返された形状に加工されているものを基本的に全て含む。
形成されている。この場合において、たとえば、ロール状に巻かれた金属製薄板を桁方向に繰り出して、長さWで切断した後にヘミング加工を含めて所定の形状に折り曲げられて製造される。なお、本実施の形態においては、金属製薄板を所定長さWで切断した後にベンダー加工等によりヘミング加工や折り曲げ加工を施す場合について説明したがこれに限らず、ロール状に巻かれた金属製薄板を桁方向に繰り出しながら、ロールフォーミング加工により、ヘミング加工や折り曲げ加工を施してもよく、また、これらの加工方法に限定されるものではない。
図2(A)に示すように、この改修用屋根材100は、上述したように、棟側差し込み部130と化粧面部110と軒側折り返し部120とが一体的に形成されている。上述したように、化粧面部110においては流水制御手段の一例である蛇腹折り形状が設けられ、棟側差し込み部130においてはその端縁が裏面側へヘミング加工(棟側ヘミング加工部132)されている。
このジョイントカバー150は、既設の化粧スレート1000の上側に化粧スレート1000を覆うように施工された改修用屋根材100とその桁方向に施工された改修用屋根材100との間に設けられる。このような改修用屋根材100およびジョイントカバー150を用いた施工構造について次に詳しく説明する。
上述したように、化粧スレート1000で施工された既存屋根に対して、既設の化粧スレート1000の上側に化粧スレート1000を覆うように改修用屋根材100が施工され、その桁方向に施工された改修用屋根材100どうしの間隙を覆うようにそれらの間にジョイントカバー150が設けられる。以下においては、この施工構造について主として図4を参照して説明する。なお、ここでは、本発明と直接的には関係しないために、改修用屋根材100およびジョイントカバー150以外の屋根の施工構造および施工方法については説明していないものがある。
一列分の改修用屋根材100およびジョイントカバー150をいずれか一方端から他方端へ順次施工する(順次葺く)と、軒棟方向の棟側からN番目(N=2、3・・・)について桁方向に一列分の改修用屋根材100およびジョイントカバー150をいずれか一方端から他方端へ(または逆でも構わない)順次施工することを、軒側に到達するまで繰り返す。ここで、軒棟方向の最も軒側については、図4(A)に示すように改修用屋根材100の軒側折り返し部120は(屋根傾斜を一致させるための)スタータ1050を覆わないで化粧スレート1000のみを覆うようにしても構わないし、図4(C)に示すように改修用屋根材100の代わりに軒側折り返し部の垂直部126をスタータ1050の厚み分に対応させて延長した垂直部196を備えた改修用屋根材190を用いて、軒側折り返し部がスタータ1050および化粧スレート1000を覆うようにしても構わない。改修用屋根材100およびジョイントカバー150の固定には、差し込むだけでもよく、接着剤を用いて化粧スレート1000に接着固定してもよく、その他、一般的な方法を用いることができる。
以上のようにして、本発明の実施の形態に係る改修用屋根材100およびそれを用いた施工構造によると、以下の作用効果を奏する。
(1)化粧面部110に流水制御手段が形成され、この流水制御手段の一例として化粧面部110に軒棟方向の略垂直方向に沿った凹部が形成され、この凹部の一例として少なくとも軒側斜面および棟側斜面の2つの斜面を含む蛇腹折り形状(図2に示す山折れと谷折れとの繰り返し形状)により形成され図4(D)に示すように軒側斜面の傾斜角度β(deg)は、既存屋根の屋根勾配α(deg)未満である。
これにより、流水制御手段の一例である凹部により、(軒側斜面の傾斜が水平以上にならないで必ず水平未満になるために凹部に)雨水が貯まることなく桁方向に雨水の流れを作ることができるので棟から軒へ流れる雨水の流れ(流量)を桁方向に平均化できる。なお、平均化できるとは、棟から桁へ流れを完全に平均化できることを意味するものでなく、少しでも平均化を発生させることができることを含むものである。また、この凹部の形状により、改修用屋根材100の意匠性を向上することができたり、改修用屋根材100の強度を向上することができたりする。
これにより、化粧面部110の軒側端部付近に、雨水の表面張力による残留を抑制できるよう改修用屋根材100の水切り性能を向上させたり、改修用屋根材100の意匠性を向上することができたり、改修用屋根材100の強度を向上することができたりする。
(3)棟側差し込み部130の端縁が裏面側へ(折り曲げ加工等される前の矩形形状かつ平面形状の金属製薄板における裏面側へ)ヘミング加工(棟側ヘミング加工部132)されている。
これにより、改修用屋根材100の水返し性能が向上し建屋内への雨水の進入を好ましく阻止することができたり、改修用屋根材100の強度を向上することができたり、施工後の改修用屋根材100どうしの抜け止めを好ましく実現することができたりする。
これにより、改修用屋根材100の軒側における化粧スレートへの挿入が容易にすることができたり、改修用屋根材100の強度を向上させたりすることができる。ここで、(3)の棟側差し込み部130の端縁のヘミング加工と(4)の軒側折り返し部120の端縁のヘミング加工とは、折り曲げ加工等される前の矩形形状かつ平面形状の金属製薄板に対するヘミング加工であるために、同じ方向へのヘミング加工(化粧面部の外側(外気側)を表面とすると両方とも裏面側へ折り返すヘミング加工)であるために容易にヘミング加工することができる。
(5)改修用屋根材100の棟側差し込み部130の端縁(棟側ヘミング加工部132)を軒側折り返し部120の端縁(軒側ヘミング加工部122)より棟側に位置させている。
このように、本実施の形態に係る改修用屋根材100によると、軒棟方向に階段状に重ねられて施工された薄板形状の既設屋根材を覆って施工される改修用屋根材を提供することができる。
次に本発明の第2の実施の形態に係る改修用屋根材200を用いた改修中の屋根の斜視図を示す図6を参照して、第2の実施の形態に係る改修用屋根材200について説明する。
なお、上述した第1の実施の形態に係る改修用屋根材100がその長手方向(軒棟方向に垂直な方向(左右方向:桁方向))の両端側をヘミング加工していない屋根材であることに対して、この第2の実施の形態に係る改修用屋根材200は、両端側をヘミング加工している点が異なる。それ以外の構造および施工構造であって第1の実施の形態と同じ構造については、第2の実施の形態においては第1の実施の形態と同じ符号を付している。そして、それらについての説明は、上述した説明と重複するために、以下においては繰り返して説明しない。
なお、上述した作用効果(1)~(5)に加えて、この改修用屋根材200は、以下の作用効果を奏する。
根材ヘミング加工部202、形状はループ形状)されている。
これにより、改修用屋根材200を施工する際、位置合わせのために、金づちや木づちなどの工具で改修用屋根材200の桁方向の端縁を強く叩いても変形し難くすることができたりする。
なお、後述するが、第3の実施の形態に係る改修用屋根材500も長手方向(桁方向)の両端がヘミング加工されているために(屋根材ヘミング加工部202が形成されているために)、ジョイント捨て板250を改修用屋根材500の下側に施工することにより桁方向に隣接する改修用屋根材500どうしの間隙を下側から覆い隠している。このため、上述した作用効果(6)を発現する。
次に本発明の第3の実施の形態に係る改修用屋根材500について、図7~図11を参照して説明する。なお、第1の実施の形態または第2の実施の形態と同じ構造については、第3の実施の形態においては第1の実施の形態または第2の実施の形態と同じ符号を付している。そして、それらについての説明は、上述した説明と重複するために、以下においては繰り返して説明しない。なお、この第3の実施の形態に係る既存屋根材は、上述した第1の実施の形態に係る既存屋根材および第2の実施の形態に係る既存屋根材と同様、両角部を欠いた略矩形形状の化粧スレート1000である。また、棟側差し込み部130と化粧面部110と軒側折り返し部120とが一体的に形成されている点も、この第3の実施の形態に係る改修用屋根材500は、上述した第1の実施の形態に係る改修用屋根材100および第2の実施の形態に係る改修用屋根材200と同じである。
上述したように施工された既存屋根において化粧スレート1000を取り外すことなく、化粧スレート1000に本実施の形態に係る改修用屋根材500を覆うように(カバーするように)施工して改修用屋根材500を用いた施工構造が完成する。この場合において、本実施の形態に係る改修用屋根材500はジョイント捨て板250と組み合わせて施工される。そして、これらの改修用屋根材500およびジョイント捨て板250は、既設の化粧スレート1000の上側に化粧スレート1000を覆う前にその桁方向に施工される改修用屋根材500どうしの間隙を下側から覆うようにそれらの間にジョイント捨て板250が設けられた後に改修用屋根材500が施工される。このジョイント捨て板250は、桁方向に並設された2枚の改修用屋根材500の間隙を改修用屋根材500の下側で覆う捨て板である。このジョイント捨て板250は、長手方向(桁方向)の両端がヘミング加工されていない平板形状であって(軒側折り返し部120および棟側差し込み部130に略合致する形状を備えないで)、軒側の端部が垂直部126に対応する略90度折り曲げられた捨て板垂直部を備えるように形成されている。
図8(B)に示す一点鎖線で(一点鎖線からずれることなく)垂直部126と軒側差し込み部124とが略90度折り曲げられて、図8(B)に示す水抜き孔140が角部に形成される。
上述したように、この改修用屋根材500は、けらば側の桁方向の長さ調整のために短辺(軒棟方向)に沿って切断して使用される。このような場合であっても、切断された改修用屋根材500に水抜き孔140が存在しないと水抜き孔がないことに起因する排水性能の低下を招いてしまう。このような事態を回避するために、本実施の形態に係る改修用屋根材500は、以下のような個数および配置で水抜き孔140が、軒側折り返し部120における垂直部126と軒側差し込み部124との角部に跨って形成される。なお、水抜き孔140は、必ずしも、垂直部126と軒側差し込み部124との角部に跨って形成される必要はなく、図4(B)の黒塗り矢示で示すように、水抜き孔140から雨水が好適に進行して排水することができれば構わない。ここで、上述したように、この改修用屋根材500における桁方向の長さ(改修用屋根材500の桁方向の働き幅)Wは1800mm~2000mm程度であって、軒棟方向に沿った方向の長さ(改修用屋根材500の軒棟方向の働き幅))Lは200mm~250mm程度であって、既存屋根の化粧スレート1000における桁方向の長さ(化粧スレート1000の桁方向の働き幅))は略W/N(Nは自然数)であって桁方向において改修用屋根材500の働き幅が既設屋根材1000の働き幅の整数倍であることとする。
図9を参照して、改修用屋根材500の働き幅が既設屋根の化粧スレート1000の働き幅の整数倍である場合について説明する。
この場合、水抜き孔140は、
・・既設屋根材(ここでは化粧スレート1000)の働き幅毎の位置の両側でかつ働き幅毎の位置から100mm以内に少なくとも形成されるとともに、
・・改修用屋根材の両端縁から100mm以内に形成される。
図9に、一例として、N=1~6について示す。図9においては、黒丸印が化粧スレート1000)の働き幅毎の位置の両側でかつ働き幅毎の位置から100mm以内に形成された水抜き孔140を示し、逆黒三角印が改修用屋根材500の両端縁から100mm以内に形成された水抜き孔140を示す。
なお、化粧スレート1000の働き幅毎の位置の両側でかつ働き幅毎の位置から100mm以内の水抜き孔140は少なくとも備えていれば構わないために、この他に水抜き孔140が設けられていても構わない。
図10を参照して、改修用屋根材500の働き幅が既設屋根の化粧スレート1000の働き幅の偶数倍である場合について説明する。
この場合、水抜き孔140は、
・・改修用屋根材500の働き幅の1/2長さの位置の両側でかつこの1/2長さの位置から100mm以内に少なくとも形成されるとともに、
・・改修用屋根材の両端縁から100mm以内に形成される。
図10に、一例として、N=2、4、6について示す。図10においては、黒丸印が改修用屋根材500の働き幅の1/2長さの位置の両側でかつこの1/2長さの位置から100mm以内に形成された水抜き孔140を示し、逆黒三角印が改修用屋根材500の両端縁から100mm以内に形成された水抜き孔140を示す。
なお、改修用屋根材500の働き幅の1/2長さの位置の両側でかつこの1/2長さの位置から100mm以内の水抜き孔140は少なくとも備えていれば構わないために、この他に水抜き孔140が設けられていても構わない。
図11を参照して、改修用屋根材500の働き幅が既設屋根の化粧スレート1000の働き幅の2倍である場合について説明する。
この場合、上述の偶数にまず当てはまるために、水抜き孔140は、
・・改修用屋根材500の働き幅の1/2長さの位置の両側でかつこの1/2長さの位置から100mm以内に少なくとも形成されるとともに、
・・改修用屋根材の両端縁から100mm以内に形成される。
これに加えて、水抜き孔140は、
・・一方の端縁から改修用屋根材500の働き幅の3/4長さの第一位置よりも一方の端縁側でかつ第一位置から100mm以内に少なくとも形成されるとともに、
・・他方の端縁から改修用屋根材500の働き幅の3/4長さの第二位置よりも他方の端縁側でかつ第二位置から100mm以内に少なくとも形成される。
、改修用屋根材の両端縁の近傍(100mm以内)にも水抜き孔140が設けられ、さらに、第一位置および第二位置の桁方向中心側の近傍(100mm以内)にも水抜き孔140が設けられているので、けらば側の桁方向の長さ調整のために短辺(軒棟方向)に沿って切断して使用される場合であっても、切断された改修用屋根材500に水抜き孔140が存在しない可能性が低くなり、水抜き孔がないことに起因する排水性能の低下を招くことを抑制することができる。
上述した、この他に水抜き孔140が設けられる場合として、防水性を損なわない程度に多数の水抜き孔を設けたり、任意の寸法で切断する際にはできる限り切断端縁から100mm以内に水抜き孔が位置するように水抜き孔を設けたりすること等が考えられる。
たとえば、特に図示しないが、改修用屋根材の桁方向の両端側のヘミング加工の有無、ジョイントカバーおよびジョイント捨て板の両端のヘミングの有無の組み合わせについては、上述した実施の形態に限定されるものでなく、また、ジョイントカバーとジョイント捨て板のいずれを使用するかは、意匠などの面から自由に選択することができる。
なお、本実施の形態においては、短辺(軒棟方向)に沿って平行に切断して長さを調整することを説明したが、上述した実施の形態に限定されるものではなく、屋根の形状(寄棟、方形、切妻など)によっては、短辺と傾斜する方向に切断することができる。この場合の水抜き孔が形成される位置の基準となる位置は、垂直部の切断位置とすることができるものである。
150 ジョイントカバー
200 改修用屋根材(第2の実施の形態)
500 改修用屋根材(第3の実施の形態)
1000 化粧スレート(既設屋根材)
1002 屋根釘(既設)
1010 垂木(既設)
1020 野地板(既設)
1030 下葺材(既設)
1040 軒先水切(既設)
1050 スタータ(既設)
1060 けらば水切(既設)
1070 シーリング
Claims (4)
- 薄板形状の既設屋根材が軒棟方向に階段状に重ねられて施工された既存屋根の改修用屋根材であって、
前記改修用屋根材は、軒棟方向に沿って切断して桁方向の長さを調整可能であり、
棟側差し込み部と化粧面部と軒側折り返し部とが一体的に形成され、
前記改修用屋根材の桁方向の働き幅は、1800mm~2000mm程度であって、かつ、前記既設屋根材の働き幅の2倍以上の整数倍であり、
前記軒側折り返し部には水抜き孔が複数形成され、
前記水抜き孔は、前記既設屋根材の働き幅毎の位置には形成されず当該位置を挟んで両側でかつ前記働き幅毎の位置から100mm以内に少なくとも形成されるとともに、前記改修用屋根材の両端縁から100mm以内に形成されていることにより、桁方向の長さ調整のために前記改修用屋根材の軒棟方向の短辺に沿って切断して使用される場合において、切断された前記改修用屋根材に前記水抜き孔が存在しない可能性を低くして、前記水抜き孔が存在しないことに起因する排水性能の低下を招くことを抑制することができることを特徴とする改修用屋根材。 - 薄板形状の既設屋根材が軒棟方向に階段状に重ねられて施工された既存屋根の改修用屋根材であって、
前記改修用屋根材は、軒棟方向に沿って切断して桁方向の長さを調整可能であり、
棟側差し込み部と化粧面部と軒側折り返し部とが一体的に形成され、
前記改修用屋根材の桁方向の働き幅は、1800mm~2000mm程度であって、かつ、前記既設屋根材の働き幅の偶数倍であり、
前記軒側折り返し部には水抜き孔が複数形成され、
前記水抜き孔は、前記改修用屋根材の働き幅の1/2長さの位置には形成されず当該位置を挟んで両側でかつ前記1/2長さの位置から100mm以内に少なくとも形成されるとともに、前記改修用屋根材の両端縁から100mm以内に形成されていることにより、桁方向の長さ調整のために前記改修用屋根材の軒棟方向の短辺に沿って切断して使用される場合において、切断された前記改修用屋根材に前記水抜き孔が存在しない可能性を低くして、前記水抜き孔が存在しないことに起因する排水性能の低下を招くことを抑制することができることを特徴とする改修用屋根材。 - 前記改修用屋根材の働き幅は、前記既設屋根材の働き幅の2倍であり、
前記水抜き孔は、
一方の端縁から前記改修用屋根材の働き幅の3/4長さの第一位置よりも前記一方の端縁側でかつ前記第一位置から100mm以内に少なくとも形成されるとともに、
他方の端縁から前記改修用屋根材の働き幅の3/4長さの第二位置よりも前記他方の端縁側でかつ前記第二位置から100mm以内に少なくとも形成されていることを特徴とする請求項2に記載の改修用屋根材。 - 前記軒側折り返し部は水切り部を備えていることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の改修用屋根材。
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