JP4213641B2 - 横葺き外装材及び横葺き外装構造 - Google Patents
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Description
特許文献1には、外装材の一方の側縁に、別体の水切り片をかしめ嵌合させて一体化させ、側縁と水切り片の間に、隣接する外装材の他方の側縁の突片を差し込んで接続する構造が開示されている。しかし、この構造では、施工後の外装材の接続部分が段差違いに形成され、美観上(意匠上)好ましくないものであった。また、水切り片を別体として作製する作業、作製した水切り片を外装材の一方の側縁にかしめ嵌合する作業等が必要となるので、製造コストが高いものであった。
尚、短手方向の端縁とは、長手方向に沿う側縁であり、長手方向の端縁とは、短手方向に沿う側縁である。
また、長手方向の一方の端縁の水下側成形部にブランク加工にて切欠部を設けることにより、施工時に水下側成形部の端部を弾性変形させて長手方向に隣接する横葺き外装材の水下側成形部内に差し込むように配することができるので、雨仕舞性が確保される外装構造を提供することができる。
尚、図示実施例では、短手方向とは水流れ方向(軒棟方向)を指し、長手方向とは左右方向(桁行き方向)を指す。
本発明における重合成形部は、係合又は嵌合により接続するものであれば特にその形状等について限定するものではなく、さらに詳しくは、その接続状態において一部が重合状に組み合わされて係合又は嵌合されるものである。そのため、水下側成形部12も水上側成形部13もそれに準ずる。
図示実施例の水下側成形部12は、面板部11の軒縁を下方へ略鉛直状に曲げ成形した折り下げ片121と、その下端を棟側へ曲げ成形して略水平状に延在させ、さらにその先端を裏面側へ折り返した水平片122とからなる構成とした。
また、水上側成形部13は、面板部11の端縁を表面側へ折り返し状に曲げ成形して延在した軒向き片131と、その軒端を棟側へ折り返し状に曲げ成形して延在させ、その上端を緩く上方へ折り曲げた棟向き片132とからなる構成とした。
上記第一の態様における接続部14及び接続受部15は、前述のように1以上の凸状部分14A,15Aを有する平面視凹凸状であればよく、特にその形状等について限定するものではない。また、上記第二の態様における接続受部15は、前述のように前記凸状部分14Aが差し込み可能な挿入孔15Cを有するものであればよく、特にその形状等について限定するものではない。これら接続部14及び接続受部15は、外装材1の長手方向の端縁にブランク加工によって形成するが、一部をプレス成形で形成してもよい。
尚、上記図示実施例の説明においては、図面左側の端部を一方側及び接続部14と説明し、図面右側の端部を他方側及び接続受部15と説明したが、長手方向に外装材1,1を接続する際に差し込み側(内側に入る側)を一方、即ち切欠部123を形成した側の端縁を一方とした。
まず、外装材1の金属材料素材としては、代表的には概ね0.4〜1.6mm程度の溶融亜鉛メッキ鋼板やガルバリウム鋼板等の防錆処理鋼板、特殊鋼、非鉄金属、ステンレス鋼板、耐候性鋼板、銅板、アルミニウム合金板、鉛板、亜鉛板、チタニウム板などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは殆ど長尺なコイル状形態で供給される。また、これら各種の長尺なコイル状の金属材料の裏面に、結露防止、防音、防火対策上の理由により、必要に応じてポリエチレンフォーム、グラスウールシート等の裏貼り材を添装してもよい。
上記各種の長尺なコイル状の金属材料を定尺切断する等して、一定幅で所定長さの金属材を作成し、これを成形材料とする。
この成形材料に、長手方向の両端縁にブランク加工を施して(その後のロール成形により)前記構成の接続部14、接続受部15が形成されるようにする。尚、これらのブランク加工は、各端縁それぞれに行うようにしてもよいし、接続部14及び接続受部15の各凸状部分と相手側の凸状部分とが短手方向に同位状になるように設けるので、一度のジグザグ状の切断にて形成するようにしてもよい。
図2(a)に示すように、既に左側に配された外装材1の右端の接続受部15に、右側に配する外装材1の左端の接続部14を接続するに際し、まず、第一の工程として、右側の外装材1の接続部14の切欠部123が形成された水下側成形部12の端部を弾性的に変形させて、左側の外装材1の接続受部15の水下側成形部12内に差し込む。より詳しくは、左側の外装材1の軒棟方向に配された接続受部15に対し、右側の外装材1を、接続部14が傾斜状になるように臨ませ、切欠部123が形成された水下側成形部12の端部(及びそれに続く最軒側の凸状部分14A)を完全に差し込むのではなく、その軒縁のみを差し込むようにする。
次に、第二の工程として、第一の工程で差し込んだ部分を支点Fとして右側の外装材1を反時計回りに回動させる。その際、右側の外装材1は、凸状部分14Aが略平坦状であるため下地に載置した状態で回動させればよいので、作業に多人数を要することなく容易に実施できる。
そして、第三の工程として、切欠部123が形成された水下側成形部12の端部及び該端部に続く最軒側の凸状部分14A以外を、順次凹状部分15Bに差し込んで接続する。尚、この実施例では、接続部14ばかりでなく接続受部15にも凸状部分15Aを設けているので、各凸状部分14A,15Aを各凹状部分15B,14Bの裏面側へ沿わせるように差し込んで接続し、図2(b)に示すような略平坦状の外装面を施工する。
この図示実施例の外装材1は、軒側から棟側へ向かって順次敷設するので、前述のような長手(桁行き)方向の接続に際してその軒側には既に外装材1が敷設されている。したがって、既に敷設された軒側の外装材1の水上側成形部13に対し、その水下側成形部12が係合するように左側の外装材1を敷設した後、前述の第一〜第三の工程により右側の外装材1を接続するが、その際、右側の外装材1は既に敷設された軒側の外装材1の水上側成形部13に対し、その水下側成形部12の右端を係合させつつ、前述のように接続部14の最軒側の凸状部分14Aの軒縁を、左側の外装材1の接続受部15の最軒側の凹状部分15Bの軒縁に差し込む。
尚、長手(桁行き)方向の接続位置は、通りを揃えてもよいが、一般的には、軒棟方向に隣り合う外装材の接続の通りと同じにならないよう1段ごとに位相させることが好ましい。
段部16がない場合は、他方側の裏面に位置する凸状部分14A,15Aは先端に向かって下降する傾斜状に配される場合もあると推察される。これに対して段部16があると、均一長さの凸状部分14A,15Aが段部16の分だけ他方側の裏面側に平行状に近接もしくは当接する状態となっている。そして、凸状部分14A,15Aの基端に歪みが生ずることがなく、外装(接続)面はほぼ平坦になり、切断面が露出せず意匠性に優れた接続構造を形成できる。また、段部16により、凹凸のかみ合いが適正に行われるので、作業性が向上する。
また、例えば一方の端縁を他方の端縁に重合させる場合などでは、重ね代部分の接合に依存するため、重ね代も相応の幅を必要とするが、この場合、凸状部分接続部の挿入片を接続受部の挿入孔に差し込み挿入するように重合するので、その幅(長さ)も上記重合代に比べて短くてよく、原材料の使用量が少なくなり、製造コストの低減に寄与するものとなる。
尚、このような段部16は、1つに限定するものではなく、複数設けるようにしてもよい(複数設けた場合の効果は、後述する図4の実施例にて説明する)。
捨板2は、図3に示すように矩形状の平板部21の左右側縁を表面側へ折り返した折返し部22,22、平板部21の棟縁を表面側へ折り返した水返し部23が形成され、さらに軒縁を裏面側へ折り返し状に折曲して前記外装材1の水下側成形部12の内部に位置する軒側係合部24が設けられた構成である。
したがって、長手方向の接続部から浸入した雨水等は、この捨板2上に導かれ、下段側の外装材1の面板部11上に流下させることができる。
同図(b)に示すように、回動させる外装材1の切欠部123が形成された水下側成形部12の端部及びそれに続く最軒側の凸状部分14Aを、既に固定された左側の外装材1の水下側成形部12の内部及び最軒側の凹状部分15Bの軒縁に差し込む。
この時、接続部14の軒側から2番目の凸状部分(挿入片)14A’の2段目の段部16の軒端は、接続受部15の最軒側の挿入孔15Cの軒端に当接している(この部分を図面では規制部分E1と記した)。そのため、軒側から2番目の凸状部分(挿入片)14A’の2段目の段部16の先端が、挿入孔15Cに係止される状態を保持しながら回動することになり、右側の外装材1が軒側にずれたりすることがなく回動させることができる。
このように、段部16を複数設けることにより、適正箇所への差し込みが容易になり、右側の外装材1を安定に回動させることができ、作業性が向上する。
11 面板部
12 水下側成形部
123 切欠部
13 水上側成形部
14 接続部
15 接続受部
14A,15A 凸状部分
14B,15B 凹状部分
15C 挿入孔
16 段部
F 支点
Claims (3)
- 短手方向の端縁に重合成形部を形成した横葺き外装材であって、
ブランク加工により、長手方向の両端縁に、1以上の凸状部分を有する平面視凹凸状の接続部を、一方の凸状部分と他方の凹状部分とが短手方向に同位状になるように設け、前記凸状部分は段部を介して設けられ、他方の凹状部分の裏面に沿わせる部分が平行状となり、長手方向の一方の端縁に、ロール成形方向に延在する切欠部が水下側成形部に形成されていることを特徴とする横葺き外装材。 - 切欠部は、垂下片と折り返し片の境界部分に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の横葺き外装材。
- 請求項1又は2の何れか一項に記載の横葺き外装材を、短手方向に隣接する横葺き外装材と短手方向の端縁を重合接続すると共に、長さ方向の端縁に設けられた切欠部が形成された水下側成形部を、長手方向に隣接する横葺き外装材の水下側成形部内に配するように接続したことを特徴とする横葺き外装構造。
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