JP4074541B2 - 折畳み可能な放熱板 - Google Patents
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Description
本発明は、折畳み可能な放熱板に関する。さらに詳しくは、一般住宅、集合住宅、商業ビル、養護施設、保育園、幼稚園、ホテルなどの建築物の床面上に敷設され、梱包、保管、輸送、施工作業などが容易な、折畳み可能な放熱板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、寒冷地の住宅の居住性、温暖地の住宅の寒冷期における居住性を向上させる目的で、住宅の床面から暖房する床暖房技術が提案され、実用化されている。例えば、一戸建て住宅にあっては、大引と床板との間に、大引の上に敷いた下張合板の上面(または上側)などに、床暖房用放熱板(またはパネル)を組込む方法が採用されている。マンションなどのような集合住宅やホテルなどにあっては、スラブ床の上面に敷いた下張合板の上などに、床暖房用放熱板を敷設する方法が採用されている。
【0003】
床暖房用放熱板(パネル)は、例えば、特開昭60−223922号公報(特許文献1)、特開平3−175216号公報(特許文献2)、特開平4−80596号公報(特許文献3)、特開平8−261485号公報(特許文献4)などに記載されているように、軟質発泡体または硬質発泡体よりなる板状体の表裏のいずれか一方の面に溝や空間を形成し、これら溝や空間部分に熱媒用チューブを埋設し、その表面にアルミニウム箔などの均熱材で被覆した構造のものが提案されている。
【0004】
これら提案されている放熱板(パネル)は、長尺狭幅の板状体に、板状体の長さ方向に沿って形成した溝や空間に、流体チューブを埋設するのが一般的であった。このような構造の放熱板を施工(または敷設)する際には多くの場合、あらかじめ工場で広幅に組立て、広幅に組立てたものを施工現場に搬入して床面に施工する手法が採用されている。しかしながら、この従来法によると、工場で広幅に組立てた放熱板を、梱包、保管、輸送などの作業性を向上させる目的で、折畳むと流体用チューブが挫屈したり、板状体に刻説した溝との摩擦により傷がついたりするという欠点があった。
【0005】
流体チューブが挫屈したり、板状体に刻説した溝との摩擦により傷がついたりするのは、流体用チューブを、長尺狭幅の一方の板状体から隣接する他方の板状体に連通させる板状体の幅方向端部で多発することに注目し、これら欠点を解消する方法を検討した結果、板状体の幅方向端部を取付け自在とした構造の放熱板を提案した{特開平11−281070号公報(特許文献5)}。しかし、その後さらに検討した結果、先に提案した構造の放熱板は、上記欠点は解消できたが、なお、板状体の数が多く放熱板の製作作業や、施工作業が繁雑であるという欠点があることがわかった。
【0006】
【特許文献1】
特開昭60−223922号公報
【特許文献2】
特開平3−175216号公報
【特許文献3】
特開平4−80596号公報
【特許文献4】
特開平8−261485号公報
【特許文献5】
特開平11−281070号公報
【0007】
【発明が解決しようとした課題】
本発明者は、製作が簡単で、折畳みが可能で、梱包、保管、運搬、施工(敷設)する際に流体チューブが挫屈したり、板状体に刻説した溝との摩擦により傷がついたりせず、施工現場に簡単に敷設できる折畳み可能な放熱板を提供すべく鋭意検討の結果、本発明を完成したものである。
【0008】
本発明の目的は、製作が簡単で、折畳みが可能で、梱包、貯蔵、運搬、施工(敷設)する際に流体チューブが挫屈したり、板状体に刻設した溝との摩擦により傷がついたりせず、施工現場に簡単に敷設できる折畳み可能な放熱板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、一方の面に流体チューブの埋設溝が刻設された長尺狭幅の複数枚の板状体を、相互の幅方向端部同士を接触させて配置して広幅とされ、上記埋設溝には流体チューブを埋設し、相互に隣接する板状体の端部同士が隣接する部分を折曲部とした折畳み可能な放熱板において、相互に隣接する板状体の第一板状体幅方向端部の流体チューブ出口開口部が、長さ方向の一方の端部近傍に、幅方向端部に対して直角にされた部分と、流体チューブが湾曲可能な最小径より大きい径で弧状にされた部分との双方で末広がり状にされて設けられ、第二板状体幅方向端部の流体チューブ入口開口部が、第一板状体と同様の長さ方向の一方の端部近傍であって第一板状体の開口部とは対応しない位置に、幅方向端部に対して直角にされた部分と、流体チューブが湾曲可能な最小径より大きい径で弧状にされた部分との双方で、上記第一板状体と異なる方向に末広がり状にされて設けられ、第二板状体幅方向端部の流体チューブ出口開口部が第一板状体の出口開口部とは異なる長さ方向の他方の端部近傍に、第三板状体幅方向端部の流体チューブ入口開口部が第二板状体の流体チューブ出口開口部と同様、長さ方向の他方の端部近傍にそれぞれ設けられ、および、第三板状体と第四板状体以降の板状体も順次上と同様に、長さ方向の一方の端部近傍と他方の端部近傍に交互に末広がり状の出口開口部と入口開口部が設けられてなることを特徴とする、折畳み可能な放熱板を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る折畳み可能な放熱板は、長尺狭幅の複数の板状体によって構成され、施工(敷設)後は長尺で広幅のほぼ四角形の床暖房用放熱板(パネル)とされる。板状体の素材は、木質合板、木板、合板、パーチクルボード、繊維板、合成樹脂板、ゴム板などの中から選ばれる。
【0012】
板状体の厚さは、流体チューブの直径と同じ寸法を最小とし、最大は流体チューブの直径プラス25mmまでの範囲で選ぶことができる。板状体の厚さが流体チューブの直径プラス25mm以上であると、部材が厚くなりすぎ、流体チューブから表装材側への伝熱が悪くなり、好ましくない。板状体の長さは、60〜400cmの範囲で選ぶことができる。板状体の幅は、10〜100cmの範囲で選ぶことができる。幅が100cmを超えると、折畳み、梱包、保管、運搬などの作業性に劣り、10cm未満であると一定の幅にするのに板状体の数が多くなり、製作作業や折畳み作業、施工時の折畳み解放作業が繁雑となり、流体用チューブを方向転換させるU字状溝を刻設できないので、好ましくない。複数枚の板状体は、厚さ、長さ、幅などを同じ寸法とするのが好ましい。
【0013】
放熱板を構成する板状体の表裏のいずれか一方の面に、流体チューブの埋設溝を刻設する。埋設溝を刻設する面は、板状体の表面側、裏面側のいずれでもよい。この埋設溝は、直線状、U字状(若干変形させた変形U字状のものを含む)および末広がり状(いずれも上側から見た際の構造)とされて刻設される。直線状溝は板状体の長さ方向に沿って刻設される溝であり、U字状溝は板状体の長さ方向に一端または両端に設けられ、流体チューブはU字または変形U字に湾曲させて、流体チューブを方向転換させる溝であり、湾曲させる径は湾曲可能な最小径より大きい径とする。湾曲させる径を上のようにすることにより、流体チューブを湾曲させる際に破損することがないので好ましい。
【0014】
末広がり状溝は、板状体の長さ方向の一端または両端近傍に設けられ、一方を直線状の溝に連接させ、幅方向端部に対して直角にされた部分(以下、単に「直角部分」と記載することがある)と、流体チューブが湾曲可能な最小径より大きい径で弧状にされた部分(以下、単に「湾曲部分」と記載することがある)との双方とで構成する。この末広がり状溝は、板状体の幅方向端部壁面(側壁面)に開口した開口部を形成する(後記、図4参照)。
【0015】
流体チューブが湾曲可能な最小径とは、流体チューブを湾曲させて方向転換する際などに流体チューブを破損させずに湾曲できる最小の直径を意味する。湾曲部分の径を湾曲可能な最小径より大きい径で湾曲させると、流体チューブを湾曲させる際に破損することがないので好ましい。この湾曲できる最小の直径は、流体チューブの素材、直径、チューブの肉厚などによって変るので、事前に確認しておく必要がある。
【0016】
末広がり状溝は、放熱板を折畳む際には、流体チューブが移動できる隙間を広く、流体チューブが挫屈しないように機能し、かつ、放熱板を施工(敷設)場所で施工する際には、流体チューブの表面に傷をつけず、流体チューブを末広がり状に弧状にされた部分(湾曲部分)に沿って配置することができる。末広がり状溝の直角部分は、流体チューブが移動できる範囲を制限する。
【0017】
相互に隣接する板状体において、第一板状体幅方向端部の流体チューブ出口開口部は、長さ方向の端部近傍に、直角部分と弧状部分との双方で末広がり状にする(後記、図4参照)。第二の板状体幅方向端部の流体チューブ入口開口部もまた、長さ方向の端部近傍であって第一板状体の開口部とは対応しない位置に、幅方向端部に対して直角にされた部分(直角部分)と、流体チューブが湾曲可能な最小径より大きい径で弧状にされた部分(弧状部分)との双方で、上記第一板状体と異なる方向に末広がり状とする(後記、図2、図3および図4参照)。板状体幅方向端部の流体チューブ出口開口部を設ける位置を、第二板状体流体入口開口部とを対応しない位置とすることによって、流体チューブを円滑に緊張させることができ、同時に、放熱板表装材の繋ぎ目の位置に一定の規則性をもたせ、外観を美麗にすることができるので好ましい。第二板状体と第三板状体、および、第三板状体と第四板状体以降の板状体も順次、上と同様に末広がり状の開口部を設け、同様に配置するものとする(後記、図1参照)。
【0018】
本発明に係る折畳み可能な放熱板は、板状体の一方の面に刻設された埋設溝に流体チューブを埋設し、流体チューブを埋設した側の全面または一部にアルミニウム箔のような金属箔を放熱シート(または均熱材)を貼着し、埋設溝に埋設した流体チューブが外れるのを防止し、隣接する板状体の端部同士が隣接する複数の接触部を折曲部とした折畳み可能とされる。
【0019】
埋設溝に埋設される流体チューブは、その内側空間に熱媒を通す機能を果たすものであり、可撓性に優れ、機械的強度、耐熱性、耐薬品性などにも優れている必要がある。このような特性を発揮する流体チューブとしては、架橋ポリエチレン管、ポリブテン管、管の壁面内部に金属線を埋設した樹脂管などが挙げられる。中でも好ましいのは、架橋ポリエチレン管、ポリブテン管である。流体チューブの外径は、建築物の構築される地域、建築物の種類などにより異なるが、5〜25mmの範囲で選ぶことができる。
【0020】
本発明に係る折畳み可能な放熱板は、あらかじめ施工現場とは異なる工場などで、上記板状体に埋設溝を刻設し、この埋設溝に流体チューブを埋設して複数枚の板状体を繋ぎ、放熱シート(または均熱材)を貼着して、埋設溝から流体チューブが外れないようにする。第一板状体幅方向端部に末広がり状にされた開口部と、第二板状体幅方向端部に末広がり状にされた開口部との間で、流体チューブが一方から他方に渡り(第一板状体と第二板状体とを繋ぐ)、流体チューブがこの渡り部分で露出する。双方の末広がり状の開口部は空間が広くされているので、折畳む際には流体チューブを弛緩させると(後記、図4参照)折畳む際、折畳み状態を開放する際に、流体チューブが挫折することがない。
【0021】
本発明に係る折畳み可能な放熱板を折畳む際の手順は、第一板状体の表面側に第二板状体の表面側を重ね、第二板状体の裏面側に第三板状体の裏面側を重ね、第三板状体の表面側に第四板状体の表面側を重ね、これ以降の板状体も順次上のような重ね合わせればよい。複数の板状体より構成された放熱板を、上の手順で折畳むことができるので、梱包、貯蔵、運搬、施工現場えの搬入などが容易となる。
【0022】
以下、本発明に係る折畳み可能な放熱板の施工方法を説明する。まず、
放熱板の施工する床面に、必要があれば、裏面材を配置する。裏面材としては、不織布、ゴム板、繊維板、樹脂板、パーチクルボードなどが挙げられる。裏面材の厚さは、その種類、放熱板を施工する場所などにより異なるが、0.1〜10mmの範囲で選ぶことができる。なお、裏面材の上に、アルミニウム箔などの金属箔を貼着すると、流体チューブからの熱を均一化して伝熱することができるので好ましい。金属箔の厚さは、10〜200μmの範囲で選ぶのが好ましい。
【0023】
施工現場に、折畳まれ梱包された放熱板を搬入し、折畳まれて梱包されている放熱板の梱包を解く。床面に折畳まれた数枚の板状体の折畳み状態を解いて広げ、まず、第一板状体を床面の適所に固定する(後記、図1参照)。第一板状体の位置が、最終的に得られる放熱板の基準となる。ついで、第二板状体の幅方向端部を第一板状体の幅方向端部と密着させ、密着させたまま第二板状体をスライドさせ、双方の板状体に繋がっている流体チューブを緊張させて、第二板状体を床面に固定する(後記、図5〜図10などを参照)。第三板状体は、第二板状体と同様の手順で床面に固定し、以後同様の手順で固定することによって放熱板の面積を広げる。板状体によって被覆されない床面には、流体チューブが埋設されていないダミー部材を配置し固定する。
【0024】
床面に板状体を固定する方法は、ビスまたは釘による固定方法が好適である。隣接する板状体を相互の幅方向端部を密着させて固定する方法としては、▲1▼幅方向端部を「本さねはぎ」構造とし、ビスや釘によって床面に固定する方法、▲2▼幅方向端部を段状にした「相じゃくり」構造とし、ビスや釘で床面に固定する方法、▲3▼幅方向端部を段状にした「相じゃくり」構造とし、「Z」字型押え具(長さ方向に直角に切断した断面が「Z」字型を呈する)によって、段を「Z」の頭部で押え「Z」の下部をビスや釘などで床面に固定する方法、▲4▼上記▲1▼の「本さねはぎ」構造を若干変更した方法(後記、図9、図10参照)、▲5▼幅方向端部を「本さねはぎ」構造を若干変更し、隣接する板状体の低壁に、「コ」字型固定具を渡らせて固定する方法、などが挙げられる。
【0025】
これらの固定方法は、流体チューブを埋設した板状体とダミー部材との接合・固定する際にも採用することができる。「Z」字型押え具や「コ」字型固定具は、板状体の端部全長に亘る長さにする必要はなく、10〜50mmの短いものを、一定間隔で複数個配置するのが好ましい。
【0026】
幅方向端部を「本さねはぎ」構造とする場合、板状体のみで形成することができるが、一方を発泡体と表装材とで形成し、他方をダミー部材で形成することもできる(後記、図5および図6参照)。また、「相じゃくり」構造とする場合も、板状体のみで形成することができるが、一方を板状体で形成し、他方をダミー部材で形成することもできる(後記、図9および図10参照)。ダミー部材として好ましいのは、合成樹脂板である。合成樹脂板をダミー部材とすると、施工場所に上記の放熱板を配置したあと、放熱板の周辺の隙間に大きさを調節しながら配置することができるので好ましい。
【0027】
合成樹脂板は、独立気泡を有しかつ優れた剛性を有する硬質発泡樹脂製平板の中から選ぶのが好適である。硬質発泡樹脂の具体例としては、発泡ポリスチレン、発泡ポリスチレンと発泡ポリエチレンとの混合物、発泡ポリプロピレン、硬質ポリウレタン、発泡硬質ゴムなどが挙げられるが、これら例示したものに限定されるものではない。発泡樹脂製平板の発泡倍率は、1.2〜50倍の範囲で選ぶことができる。
【0028】
上記板状体とダミー部材を固定したあと、これらの表面に表装材を配置するのが好ましい。表装材は、放熱板の表面に堅さを付与し、板状体が押しつぶされたり、変形したりしないように保護し、表面外観を向上させるように機能する。表装材としては、合板、木板、繊維板、パーチクルボードなどが挙げられるが、これら例示したものに限定されるものではない。
【0029】
表装材の厚さは、あまり薄すぎると上の機能を発揮させることができず、あまり厚すぎると流体用チューブからの伝熱効率が低下するので、いずれも好ましくない。表装材の厚さは、その種類、放熱板を施工する場所などにより異なるが、0.1〜15mmの範囲で選ぶことができる。裏面材としては、不織布、ゴム板、繊維板、樹脂板、パーチクルボードなどが挙げられる。
【0030】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下に例示したものに限定されるものではない。
【0031】
図1は、本発明に係る折畳み可能な放熱板を施工した状態を示す平面略図である。図2は、図1のA部分の部分拡大平面略図であり、二枚の板状体を対向させて配置した状態を示す、図3は、図2に示した二枚の板状体を床面に固定する前で、流体チューブを緊張させず、弛緩させている状態を示す平面略図であり、図4は、末広がり状にされた開口部の部分拡大平面略図である。図5、図6、図7、図9および図10は、板状体の端部を固定する際の端部構造を示す縦断側面略図であり、図8「コ」字型隙間発生防止具の一例の斜視図であり、図11は「Z」字型押え具の一例の斜視図である。
【0032】
図1に平面図として示した放熱板1は、厚さが12mm、幅が303mm、長さが1818mmの合板フローリング10枚によって形成されている。板状体2の表面側には開口部の幅が7.2mmで、深さが7.2mmの断面(延在する方向に対して直角に切断した断面)がU字型の埋設溝が直線状溝3、U字状溝4、変形U字状溝5、末広がり状溝6、7(いずれも上側から見た際の形状を言う)を組合せて形成され、外径が7.2mm、内径が5mmの二本の架橋ポリエチレン製流体チューブ8が、各板状体の端部および末広がり状溝部分で湾曲されて埋設されている。放熱板1の幅方向の一端に配置された第一板状体は、流体チューブ8が長さ方向の両端部で方向転換されており、かつ、長さ方向の端部近傍(図1では右側)に設けられた末広がり状溝6で、流体チューブ8が第一板状体から第二板状体に設けられた末広がり状溝7に渡らされている。
【0033】
第一板状体の末広がり状溝6は、一端が直線状溝3に連接されており、直角部分6aと弧状部分6bとによって形成され、第一板状体の幅方向端部が開口部6cとされる。第二板状体の末広がり状溝7は、一端が直線状溝3に連接されており、直角部分7aと弧状部分7bとによって形成され、第二板状体の幅方向端部が開口部7cとされる。弧状部分6bと弧状部分7bとは、流体チューブが湾曲可能な最小径(50mm)より大きい径で弧状にされている。
【0034】
第二板状体で流体チューブ8が長さ方向の両端部で方向転換されており、長さ方向の一方の端部近傍(図1では右側)で、第一板状体から渡った流体チューブ8は、長さ方向の他方の端部近傍(図1では左側)で、第三板状体に渡らされている。第二板状体では、第一板状体の流体チューブ開口部6cと、第二板状体の流体チューブ入口開口部7cの位置を、長さ方向端部から同じ間隔で配置せず、間隔を違えて配置されている(図1、図2参照)。
【0035】
図2には、図1のA部分の部分拡大平面図であり、流体チューブ8が第一板状体から隣接する第二板状体に渡る部分であって、隣接する二枚の板状体の幅方向端部を密着させ、第二板状体をスライドさせて流体チューブ8を緊張させ、床面に固定した状態の拡大平面略図である。図3は、図2に示した二枚の板状体の幅方向端部を密着させる前で、流体チューブ8を緊張させず、弛緩させている状態を示す平面略図である。流体チューブ8が第一板状体から隣接する第二板状体に渡る部分には、二枚の板状体の幅方向端部に形成された末広がり状溝6、7によって広い隙間が形成されているので、流体チューブ8がこの隙間の中で自由に移動できる。図4は、図3のB部分の部分拡大平面略図であり、末広がり状にされた開口部の部分拡大平面略図であり、相互に対向する第一板状体の弧状部分6bと第二板状体の弧状部分7bとは、弧が異なる方向に形成されている。
【0036】
本発明に係る折畳み可能な放熱板を床面に施工する際には、まず、放熱板幅方向最端部となる第一板状体を床面に固定する。続いて、第二板状体の幅方向端部を第一板状体の幅方向端部と密着させ、密着させた状態でスライドさせ、同時に双方の板状体に繋がっている流体チューブを緊張させて、第二板状体を床面に固定する。第二板状体以降の板状体も順次上のような態様での密着、スライド、流体チューブの緊張、床面えの固定を繰り返せばよい。板状体によって被覆されない床面には、流体チューブが埋設されていないダミー部材を配置し固定する。ダミー部材を合成樹脂板と表装材とによって構成すると切断が容易となり、施工現場の状況に応じて大きさを容易に変更することができる。
【0037】
隣接する板状体の幅方向端部には、前記のとおり、種々の継ぎ構造を採用することができる。図5は、継ぎ目構造の一例であり、木質合板に表装材を後貼りする場合は「相じゃくり」構造となり、前もって木質合板に表装材を貼着している場合は「本さねはぎ」構造となる。継ぎ目構造の一方を合板合板12で構成し、他方をダミー部材13(樹脂発泡体14と表装材15とで構成)で形成した例である。図6は、変形した「本さねはぎ」構造の一例であり、「本さねはぎ」の双方を木質合板13で形成した例である。放熱板の流体チューブに熱媒を通して暖房用に長期間使用する間に、木質合板13が乾燥して収縮することがあるので、隣接する板状体の低壁に溝16を形成し、この溝16に図8に斜視図として示した「コ」字型固定具を、隣接する板状体に渡らせて配置した状態の縦断側面図である。この「コ」字型固定具を図6のように渡らせて配置することにより、収縮による継ぎ目の拡大を防止することができる。
【0038】
図9および図10は、合板フローリング13の端部に段を形成し、この段を図11に斜視図として示した「Z」の頭部で押え、「Z」の下部をビスで床面に固定し、ダミー部材である発泡体14と表装材15を接合して変形「相じゃくり」構造とした例を示した。
【0039】
【発明の効果】
本発明は、以上詳細に説明したとおりであり、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
1.本発明に係る折畳み可能な放熱板は、部品が少ないので部品管理や製作が容易である。
2.本発明に係る折畳み可能な放熱板は、流体チューブを隣接する板状体の一方から他方に渡る部分を末広がり状にされた開口部にされており、この部分で流体チューブを弛緩させ、放熱板の折畳み状態を解くので、流体チューブが挫屈したり、板状体に刻設した溝との摩擦により傷がついたりし難い。
3.本発明に係る折畳み可能な放熱板を施工する際には、まず、第一板状体を所定位置に配置し固定し、ついで第二板状体の幅方向端部を密着させ、スライドさせて流体チューブを緊張させて固定し、以後同様に上の手順を繰り返せばよいので、施工作業が極めて簡単であり、施工に熟練を要しない。
4.ダミー部材を、合成樹脂板と表装材とによって構成すると切断が容易となり、施工現場の状況に応じて大きさを容易に変更することができ、施工に熟練を要しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る折畳み可能な放熱板を施工した状態を示す平面略図である。
【図2】 図1のA部分の部分拡大平面略図である。
【図3】 図2に示した二枚の板状体を床面に固定する前で、流体チューブを緊張させていない状態を示す平面略図である。
【図4】 図3のB部分の部分拡大平面略図である。
【図5】 板状体の端部を固定する際の端部構造を示す縦断側面略図であり、「本さねはぎ」構造の一例である。
【図6】 変形した「本さねはぎ」構造の一例である。
【図7】 変形した「本さねはぎ」構造の他の例である。
【図8】 「コ」字型固定具の一例の斜視図である。
【図9】 板状体の端部を固定する際の端部構造を示す縦断側面略図であり、変形した「相じゃくり」構造の一例である。
【図10】 変形した「相じゃくり」構造の他の例である。
【図11】 「Z」字型押え具の一例の斜視図である。
【符号の説明】
1:放熱板
2:板状体
3:直線状溝
4:U字状溝
5:変形U字状溝
6、7:末広がり状溝
6a、7a:直角部分
6b、7b:弧状部分
6c、7c:開口部
8:流体チューブ
9:釘またはビス
10:「コ」字型固定具
11:「Z」字型押え具
12:木質合板
13:ダミー部材
14:樹脂発泡体
15:表装材
16:溝
Claims (3)
- 一方の面に流体チューブの埋設溝が刻設された長尺狭幅の複数枚の板状体を、相互の幅方向端部同士を接触させて配置して広幅とされ、上記埋設溝には流体チューブを埋設し、相互に隣接する板状体の端部同士が隣接する部分を折曲部とした折畳み可能な放熱板において、相互に隣接する板状体の第一板状体幅方向端部の流体チューブ出口開口部が、長さ方向の一方の端部近傍に、幅方向端部に対して直角にされた部分と、流体チューブが湾曲可能な最小径より大きい径で弧状にされた部分との双方で末広がり状にされて設けられ、第二板状体幅方向端部の流体チューブ入口開口部が、第一板状体と同様の長さ方向の一方の端部近傍であって第一板状体の開口部とは対応しない位置に、幅方向端部に対して直角にされた部分と、流体チューブが湾曲可能な最小径より大きい径で弧状にされた部分との双方で、上記第一板状体と異なる方向に末広がり状にされて設けられ、第二板状体幅方向端部の流体チューブ出口開口部が第一板状体の出口開口部とは異なる長さ方向の他方の端部近傍に、第三板状体幅方向端部の流体チューブ入口開口部が第二板状体の流体チューブ出口開口部と同様、長さ方向の他方の端部近傍にそれぞれ設けられ、および、第三板状体と第四板状体以降の板状体も順次上と同様に、長さ方向の一方の端部近傍と他方の端部近傍に交互に末広がり状の出口開口部と入口開口部が設けられてなることを特徴とする、折畳み可能な放熱板。
- 板状体の表面側の全面に放熱シートが、裏面側の全面または一部に裏面材が貼着されてなる、請求項1に記載の折畳み可能な放熱板。
- 長尺狭幅の複数枚の板状体が、第一板状体の表面側に第二板状体の表面側を重ね、第二板状体の裏面側に第三板状体の裏面側を重ね、第三板状体の表面側に第四板状体の表面側を重ね、これ以降の板状体も順次上のような態様で重ね合わせが可能とされた、請求項1また請求項2に記載の折畳み可能な放熱板。
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