JP3844611B2 - 暖房可能な床の施工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、暖房可能な床の施工方法に関する。さらに詳しくは、一般住宅、集合住宅、商業ビルまたはホテルなどの建築物の下地材の面上に施工され、折り畳みが可能で、梱包、保管、輸送、施工作業などが容易な暖房可能な床の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、寒冷地の住宅の居住性、温暖地の住宅の寒冷期における居住性を向上させる目的で、住宅の床面から暖房する床暖房技術が提案され、実用化されている。例えば、一戸建て住宅にあっては、大引と床板との間、大引の上に敷いた下張合板の上面(または上側)などに床暖房用放熱板(パネルともいう)を組込む手法が採用され、マンションなどのような集合住宅にあっては、スラブ床の上面に直接またはスラブ床の上面に敷いた下張合板の上面などに、床暖房用放熱板を敷設する方法が採用されている。
【0003】
床暖房用放熱板(パネル)は、例えば、特開昭60−223922号公報、特開平3−175216号公報、特開平4−80596号公報、特開平8−261485号公報などに記載されている様に、軟質発泡体または硬質発泡体よりなる板状体の一方の上面に溝や空間を形成し、この溝や空間部分に熱媒用可撓性チューブ(以下、単に「熱媒用チューブ」または「チューブ」ということがある)を埋設し、その表面をアルミニウム箔などの均熱材で被覆した構造のものが提案されている。
【0004】
これら従来から知られている放熱板(パネル)は、狭幅で長尺の板状体に、板状体の長さ方向に沿って形成した溝や空間に、熱媒用チューブを埋設するのが一般的であった。このような構造の放熱板を敷設する場合には、多くの場合、あらかじめ工場で広幅のものに組立て、敷設現場に搬入して敷設する手法が採用されている。しかしながら、この従来法によると、広幅に組立てた放熱板は折り畳むと熱媒用チューブが挫屈したり、板状体に刻設した溝が破壊したりするという欠点があった。
【0005】
熱媒用チューブが挫屈したり、板状体に刻設した溝が破壊したりするのは、熱媒用チューブを、狭幅で長尺の一方の板状体から隣接する他の板状体に連通させる板状体の端部で多発することに注目し、これら欠点を解消する方法を検討した結果、板状体の端部を取付け、取外し自在とした構造の放熱板を提案した(特願平8−240255号)。しかし、その後さらに検討の結果、先に提案した構造の放熱板は、上記欠点は解消できたが、なお製造作業、敷設作業が繁雑であるという欠点があることが分った。
【0006】
【発明が解決しようとした課題】
本発明者らは、先に、製作が簡単で、折畳みが可能で、梱包、貯蔵、運搬、敷設する際に熱媒用チューブが挫屈したり、板状体に刻設した溝が破壊したりせず、施工現場に簡単に敷設することができる床暖房用放熱板(パネル)を提供すべく鋭意検討の結果、放熱板の幅方向両端部を狭幅で長尺の複数枚の平板で形成し、この端部平板の裏面に刻設した湾曲溝にあらかじめ熱媒用チューブを埋設し、この熱媒用チューブが湾曲溝から外れないようにして、幅方向両端部の間に、長さ方向に直角に熱媒用チューブ配置用溝を刻設した狭幅で長尺の線状平板を配置することにより、一挙に解決できることを見出だし構造の放熱板を提案した(特願平10−54883号)。
【0007】
しかし、その後さらに検討の結果、先に提案した構造の放熱板は、熱媒用チューブの挫屈、板状体に刻設した溝が破壊などの欠点は解消できたが、実際に施工する際に最終列の板状体を配置する隙間が不足するなどの問題が生じることが分った。このため、施工する際に最終列の板状体を配置する隙間が不足することのない施工方法を提供することを目的として鋭意検討の結果、本発明を完成するに至った。本発明の目的は、次の通りである。
1.製作が簡単で、折畳みが可能で、梱包、貯蔵、運搬、敷設する際に熱媒用チューブが挫屈したり、平板に刻設した溝が破壊したりせず、施工現場に簡単に敷設することができる暖房可能な床の施工方法を提供すること。
2.上記の暖房可能な床を施工する際に、最終列の板状体を配置する隙間が不足することのない施工方法を提供すること。
【0008】
【発明を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、平面形状がほぼ四角形の対向する両端部を形成する端部部材(A)と、この対向する端部部材(A)の間に配置される複数枚の狭幅で長尺の直線状平板(B)とよりなり、端部部材(A)は、狭幅で長尺に1枚ないし5枚の平板によって構成され、裏面には熱媒用チューブを埋設して方向転換させる湾曲溝が刻設されてなり、対向する両端部の湾曲溝には連通する熱媒用チューブが埋設され、その表面に均熱材および/または裏打材を貼り付けて熱媒用チューブが湾曲溝から外れないようにされ、対向する端部部材(A)の間は熱媒用チューブが露出した状態で連通配置されてなり、直線状平板(B)はその裏面に長さ方向に対して直角に熱媒用チューブ埋設用の複数の平行溝が刻設されてなり、平面形状がほぼ四角形の暖房可能な床構築用部材によって暖房可能な床を施工するにあたり、まず、端部部材(A)の対向する両端部を、熱媒用チューブを埋設した面を下側に位置させ、露出した複数の熱媒用チューブを両端部に対して直角にして所定場所に配置し、ついで端部部材(A)の両端部の間に露出した複数の熱媒用チューブに上側から、直線状平板(B)を端部部材(A)の一端部側から他端部側に順次配置し、最終列とその近傍の直線状平板(B)を配置する際に、熱媒用チューブに加熱した熱媒を通して熱媒用チューブを緊張および熱膨張させ、対向する端部部材(A)の他端部側を移動させて露出した熱媒用チューブ部分を拡幅し、最終列とその近傍の直線状平板(B)を配置することを特徴とする、暖房可能な床の施工方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明方法で使用される暖房可能な床の構築用部材は、施工後は広幅で長尺の四角形の床暖房用放熱板(パネル)を形成するもので、四角形の両端部を構成する端部部材(A)(以下、単に「端部部材(A)」ということがある)と、この端部部材の間に配置される狭幅で長尺の直線状平板(B)(以下、「直線状配置部材(B)」ということがある)とによって構成される。端部部材(A)は狭幅で長尺の四角形の平板1枚ないし5枚によって構成され、対向する端部部材(A)の間に、端部部材(A)の長さ方向に対してほぼ直角を配置させる熱媒用チューブを、これらの端部部材(A)の部分で湾曲させ、一定の間隔で対向する端部部材(A)側に戻す機能を果たす。
【0010】
端部部材(A)は、平板1枚ないし5枚の狭幅で長尺の四角形の平板の長さ方向の端を相互に接触させ一定幅として一体化され、一方の面(表面)側には表装材を貼り付けるのが好ましい。端部部材の他方の面(裏面)側には湾曲溝を刻設し、この刻設した湾曲溝に熱媒用チューブを埋設し、湾曲溝から外れないように端部部材の裏面全体に裏打材を貼り付ける。端部部材(A)の幅は、10〜100cmの範囲で選ぶことができる。幅が100cmを超えると、折畳み、梱包、貯蔵、運搬などの作業性に劣り、10cm未満であると熱媒用チューブを方向転換させる湾曲溝を刻設できないので、いずれも好ましくない。なお、湾曲溝とは、直線状配置部材側の端から熱媒用チューブを受け入れ、円弧または変更された円弧を描いて方向転換させる溝をいう。
【0011】
狭幅で長尺の四角形の平板としては、木板、合板、パーチクルボード、繊維板、合成樹脂板などの中から選ぶのが好ましい。合成樹脂板の場合は、独立気泡を有しかつ優れた剛性を有する硬質発泡樹脂製平板の中から選ぶのが好適である。具体的には、発泡ポリスチレン、発泡ポリスチレンと発泡ポリエチレンとの混合物、発泡ポリプロピレン、硬質ポリウレタン、発泡硬質ゴムなどが挙げられるが、これら例示したものに限定されるものではない。なお、平板が合成樹脂板の場合には、平板の間に一定間隔で木製の小根太を配置することもできる。
【0012】
合成樹脂板の場合は、平板の発泡倍率は2〜80倍の範囲で選ぶことができ、一個の平板に幅は5〜30cmの範囲で選ぶことができ、平板の厚さは熱媒用チューブの直径と同じ厚さを最小とし、最大は熱媒用チューブの直径プラス15mmまでの範囲で選ぶことができる。平板の厚さが熱媒用チューブの直径プラス15mm以上であると、平板が厚くなりすぎ、熱媒用チューブから表装材側への伝熱が悪くなり、好ましくない。平板の長さは、60〜400cmの範囲で選ぶことができる。
【0013】
表装材は、平板の表面に堅さを付与し、平板が押しつぶされたり、変形しないように保護したり、表面外観を向上させる機能を果たす。表装材の具体例としては、合板、木板、繊維板、樹脂板、パーチクルボードなどが挙げられるが、これら例示したものに限定されるものではない。平板の種類によって、組合せる表装材を選ぶものとする。表装材は、一枚で構成してもよいし、薄い小片を複数枚組合せて構成したものであってもよい。表装材の表面には、塗料を塗布したり、木目模様、その他の模様などを印刷してもよい。表装材の厚さは、余り薄すぎると上記機能を発揮させることができず、余り厚すぎると熱媒用チューブからの伝熱効率が低下するので、いずれも好ましくない。表装材の厚さは、1〜3mmの範囲で選ぶことができる。
【0014】
直線状配置部材(B)は、予め施工場所の両端に敷設された端部部材(A)の間に配置されて、端部部材(A)と組合わされて暖房可能な床を形成する機能を果たす。直線状配置部材(B)には、その裏面に長さ方向に対して直角に、熱媒用チューブを埋設する(または嵌め込む)複数の溝を一定の間隔で刻設した構造とする。直線状配置部材(B)を二つの端部部材(A)の間に配置する際に、端部部材(A)の間に露出した複数の熱媒用チューブを直線状配置部材(B)の裏面の複数の溝に埋設させる。直線状配置部材(B)は、端部部材(A)と同様の硬質発泡樹脂製平板で構成し、端部部材と同じ厚さとするのが好ましい。長さは端部部材(A)と同じにしてもよく、違う長さとしてもよい。直線状配置部材(B)の幅は、余り大き過ぎると折畳み、梱包、貯蔵、運搬、施工などの作業性に劣るので、6〜50cmの範囲で選ぶのが好ましい。
【0015】
直線状配置部材(B)の表面には表装材を貼り付けるものとし、表装材の種類、厚さ、模様などは端部部材(A)の表面に貼り付ける表装材と同種のものとする。なお、直線状配置部材(B)の裏面には、アルミニウム箔などの金属箔製の均熱材を貼り付けのが好ましい。均熱材は、裏面に刻設した溝の内側壁面まで押込んで貼り付けのが好ましい。均熱材の厚さは、余り薄過ぎると強度が不足して破損し易くなり、逆に厚過ぎるとコスト高になり、いずれも好ましくない。均熱材の好ましい厚さは、10〜200μmの範囲である。直線状配置部材(B)の長さ方向の側面でには、一方に凸状の突起を、他方に凹状溝をそれぞれ設け、配置する際に両者を嵌合させる構造とするのが好ましい。
【0016】
端部部材(A)と直線状配置部材(B)の裏面側に配置される熱媒用チューブは、その内側空間に熱媒を通す機能を果すものであり、可撓性に優れ、機械強度、耐熱性、耐薬品性などにも優れている必要がある。このような特性を発揮するチューブとしては、架橋ポリエチレン管、ポリブテン管、ポリプロピレン管、そのほか管の壁面に金属線を埋設した樹脂管などが挙げられる。これらの中でも好ましいのは、架橋ポリエチレン管、ポリブテン管である。熱媒用チューブの直径は、建築物の構築される地域、建築物の種類などにより異なるが、5〜17mmの範囲で選ぶことができる。
【0017】
上記構造の端部部材(A)と熱媒用チューブとを組合せた部材、および、直線状配置部材(B)は、暖房可能な床の施工場所とは異なる工場などであらかじめ製造する。端部部材(A)と熱媒用チューブとを組合せた部材は、直線状配置部材(B)を配置することによって覆われる部分の熱媒用チューブが露出しているので、これを挫屈させない様にかつ表装材を損傷しない様に折畳むことが可能で、保管、施工場所への運搬など取扱いが容易である。また、直線状配置部材(B)は広幅ではないので、数枚重ねることが可能で、同様に保管、施工場所への運搬など取扱いが容易である。
【0018】
以下、上記構造部材を使用して暖房可能な床の施工方法を説明する。上記の構築用部材は、端部部材(A)および直線状配置部材(B)の双方とも、あらかじめ工場などで製作し、施工現場に運搬・搬入され、建造物の床の下地面の所定位置に敷設する。下地面とは、マンション、商業ビル、ホテルなどのコンクリート製の建造物にあってはスラブ面、これらの上に形成された下地床合板などをいい、一戸建て住宅にあっては下地床合板をいう。下地面や下地床合板の上には、不織布、ゴムシートや、前記の金属箔製の均熱材を敷きつめるのが好ましい。所定位置とは、部屋の床面の全体であったり、部屋の床面の特定の一部分であることもある。
【0019】
本発明に係る方法に従って暖房可能な床を施工するときは、まず、上記のあらかじめ刻設された湾曲溝に熱媒用チューブを埋設し、熱媒用チューブを埋設し均熱材および/または裏打材を積層した二枚の端部部材(A)を、敷設場所に配置して複数の熱媒用チューブを端部部材(A)の長さ方向に対して直角にして露出させ、かつ、緊張させて下地床合板に仮り留めする。ついで、二枚の端部部材(A)の間に露出した複数の熱媒用チューブ相互の間隔を調節し、熱媒用チューブの上から一枚目の直線状平板(B)の裏面の複数の平行溝に一挙に嵌め込み配置する。以下同様の手順で、二枚目以降の直線状平板(B)を、端部部材(A)の一端部側から他端部側に順次嵌め込み配置する。
【0020】
ついで、最終列近傍の直線状平板(B)を配置する際に、熱媒用チューブに加熱した熱媒を通して端部部材(A)の他端部側を移動させて露出した熱媒用チューブ部分を拡幅し、最終列とその近傍の直線状平板(B)を配置する。熱媒用チューブに加熱した熱媒を通すことにより熱媒用チューブが緊張・熱膨張して若干伸張するので、対向する端部部材(A)を移動させて対向する端部部材(A)の間の寸法が若干拡幅され、最終列または最終列から二枚目の直線状平板(B)を配置する露出した熱媒用チューブ部分拡幅される。拡幅した後には、最終列から二枚目および最終列の直線状平板(B)を容易に嵌め込み配置することができる。
【0021】
直線状配置部材(B)の対向する側面には、さね溝とさねはぎとを設けたり、さね溝のみを設けて雇いさねはぎと組合せられるような構造とするのが好ましい。また、かくし釘で下地床合板に固定したり、接着剤で下地床合板に接着することができる。なお、部屋の壁面近傍の家具類などの置き場とする位置には、熱媒用チューブを埋設していない平板を配置するのが好ましい。
【0022】
本発明に係る方法に従って暖房可能な床を施工するときには、櫛状の施工部材(C)を使用するのが好ましい。櫛状の施工部材(C)は、(i)仮り留めされた二枚の端部部材(A)の間に露出している複数の熱媒用チューブを緊張させ、(ii)熱媒用チューブ相互の間隔を直線状配置部材(B)の裏面に刻設された複数の平行溝に正確に対向するように調節し、(iii)熱媒用チューブの直線状配置部材(B)の複数の平行溝への嵌め込み作業を容易にし、かつ、(iv)下地面の表面に事前に接着剤などが塗布されていた場合であっても熱媒用チューブを下地面に接触しないように持ち上げ、直線状配置部材(B)を所定の位置にスライドさせて配置できるように機能する。
【0023】
櫛状の施工部材(C)は、狭幅で長尺の板状体によって構成し、その幅方向の一方の辺に深さの浅い複数の案内溝を一定間隔で設け、他方の辺に深さの比較的深い複数の案内溝を一定の間隔で設けた構造とする。端部部材(A)と直線状配置部材(B)との間に露出している熱媒用チューブが100cm程度以上で広い場合には深さの比較的浅い案内溝を活用し、これが30〜90cm程度で狭い場合には深さの比較的深い案内溝を活用するなど、溝を使い分けるのが好ましい。
【0024】
櫛状の施工部材(C)の長さ方向の少なくとも一方の端部は、鋭角状に刃物の刃状に切り欠いてもよく、または少なくとも一方の角隅部を切り欠いて鋭角状とし(後記の図6参照)、かつこの鋭角状に切り欠いた辺の一方の角隅部をナイフ等の刃物の刃状に切り欠くのが好ましい。このように刃物の刃状に切り欠いた構造とすると、鋭角状先端部から下地床合板などの下地面と複数の熱媒用チューブとの間に容易に挿入することができるので好ましい。
【0025】
櫛状の施工部材(C)は、木板、合板、合成樹脂板、金属板、パーチクルボード、繊維板などから製造することができる。案内溝の間隔は熱媒用チューブの間隔に合せて3〜20cmの間隔で選ぶことができ、案内溝の深さは施工部材(C)の幅によって変るが、深さの比較的浅い案内溝は5mm程度まで、深さの比較的深い案内溝は3cm程度までの範囲で選ぶことができる。櫛状の施工部材(C)の長さ、幅、厚さなどには特に制約はなく、暖房床を施工する場所の種類、場所の大きさなどに応じて長さは45〜200cm、幅は1〜10cm、厚さは3〜20mmの範囲で選ぶことができる。端部部材(A)が長く、露出している熱媒用チューブの本数も多い場合には、長い櫛状の施工部材(C)を複数本組合せて使用してもよい。また、暖房床を施工する部屋が小さい場合には、短い櫛状の施工部材(C)を複数本組合せて使用することもできる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を図面に基いて詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の記載例に限定されるものではない。
【0027】
図1は、二枚の端部部材を対向させて配置した状態の平面図であり、図2は、図1のA−A部分における拡大縦断端面図であり、図3は、二枚の端部部材の表面側を重ねて折畳む状態の斜視図であり、図4は、直線状配置部材を複数枚積重ねた状態の斜視図であり、図5は、本発明に係る暖房可能な床の施工方法に一例を示す斜視図であり、図6は、本発明に係る櫛状の施工部材の一例の側面図である。
【0028】
図1、図2に示した例では、端部部材11が3枚の狭幅で長尺の平板によって構成されており、裏面に湾曲溝13、13´が刻設され、この溝に熱媒用チューブ12が埋設され、表面にアルミニウム箔16が貼り付けられて、3枚の狭幅長尺の平板が一体化され、湾曲溝から熱媒用チューブ12が外れないようにされている。湾曲溝は、図1に示したとおり、直線状配置部材側の端から熱媒用チューブを受け入れ、円弧または溝を言い、熱媒用チューブ12の入り側から戻り側の間が相互に隣接している場合は、半径が小さい円弧(13)を形成して方向転換させるが、入り側から戻り側の間が離れている場合は、変更された円弧(13´)を描いて方向転換させる。平板(複合板)の表面には表装材が貼り付けられていてもよいことは、前記の通りである。
【0029】
端部部材11の湾曲溝に埋設された熱媒用チューブ12は、1本で一単位分を連通させ、一個のヘッダ14に繋げる。2枚の端部部材の間の熱媒用チューブ12は、相互に同じ間隔で平行になる様に配置するのが好ましい。図2では、端部部材11の側面にさね溝17を設けた例を示した。このさね溝17は対向する側面に設けたさねはぎとの組合せたり、さね溝17と雇いさねはぎとの組合せることができるのは、前記した通りである。
【0030】
二枚の端部部材の湾曲溝に埋設した熱媒用チューブ12は、端部部材の間では露出した状態とされ(図1参照)、図3に示した様に、端部部材31の表面同士を対向させて折畳むことができる。この際、熱媒用チューブ32は絡み合わないように配慮する。狭幅で長尺の直線状配置部材34は、図4に示した様に、複数枚重ねて梱包、保管が可能であるので、省スペースを図ることができる。
【0031】
本発明に係る方法に従って暖房可能な床を施工するときは、図5に示した様に、コンクリート製の建造物のスラブ面、断熱材35と根太36を置き、この上に下地床合板37を配置する。この下地床合板37の上に、まず、二枚の端部部材31を所定位置に配置し、釘39によって借り止めする。ついで、下地床合板37の上であって露出した熱媒用チューブ32の下側に、図6に示した櫛状の施工部材50を鋭角状にした先端部53側から、熱媒用チューブ32に対してほぼ直角に櫛状の施工部材50を押込む。押込んだ施工部材50を下地床合板37に対して直角に立たせて熱媒用チューブ32を下地床合板37から浮上がらせ、この状態で直線状配置部材34の裏面に刻設した溝に、熱媒用チューブ32を埋設する。
【0032】
櫛状の施工部材50を他方の端部部材31側に移動させ、最初の直線状配置部材34の長さ方向の一端を、端部部材31の対向する端部に押し付け固定する。熱媒用チューブ32の露出した部分が十分に長い場合は、露出した複数の熱媒用チューブ32は櫛状の施工部材50の比較的浅い案内溝51によって案内するが、最終列とその近傍(最終列から二枚目)の直線状平板(B)を配置する露出した熱媒用チューブの部分を拡幅することができる。この際に熱媒用チューブを櫛状の施工部材50を使用する場合には、櫛状の施工部材50の比較的深い案内溝52によって案内するのが好ましい。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
1.本発明に係る暖房可能な床の施工方法によれば、まず二枚の端部部材を所定位置に配置し、ついで、二枚の端部部材の間に直線状配置部材を順次配置すればよいので、施工作業が極めて簡単であり、熟練を要しない。
2.本発明に係る暖房可能な床の施工方法によれば、端部部材と直線状配置部材の2種類の部材で構成され、端部部材は製造が容易で、折畳みが可能であり、直線状配置部材は複数枚積重ねが可能であるので、梱包、保管、運搬、施工する際の取り扱いが容易である。
3.本発明に係る暖房可能な床の施工方法によれば、二枚の端部部材の間に露出した熱媒用チューブ部分の残り幅が狭くなった際に、熱媒用チューブに加熱した熱媒を通すことにより熱媒用チューブが緊張・熱膨張して若干伸張するので、対向する端部部材(A)を移動させて対向する端部部材(A)の間の寸法が若干拡幅され、最終列または最終列から二枚目の直線状平板(B)を配置する露出した熱媒用チューブ部分拡幅される。拡幅した後には、最終列から二枚目および最終列の直線状平板(B)を容易に嵌め込み配置することができる。
4.櫛状の施工部材を使用して施工すると、複数の熱媒用チューブを緊張させ、熱媒用チューブ相互の間隔を調節するのが容易であり、下地面の表面に事前に接着剤などが塗布されていた場合であっても熱媒用チューブを下地面に接触しないように持ち上げ、直線状配置部材をスライドさせて所定の位置に極めて容易に配置できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 二枚の端部部材を対向させて配置した状態の平面図である。
【図2】 図1のA−A部分における拡大縦断端面図である。
【図3】 二個の端部部材の表面側を重ねて折畳む状態の斜視図である。
【図4】 直線状配置部材を複数枚積重ねた状態の斜視図である。
【図5】 暖房可能な床の施工方法の一例を示す斜視図である。
【図6】 本発明に係る櫛状の施工部材の一例の側面図である。
【符号の説明】
11、31:端部部材
12、32:熱媒用チューブ
13、13´:湾曲溝
14:ヘッダー
15:平板
16:アルミニウム箔
17:溝
34:直線状配置部材
35:断熱材
36:根太
37:下地床合板
38:ダミー平板
39:釘
40:ヘッダ用穴
41:接着剤または両面接着テープ
50:櫛状の施工部材
51:比較的浅い案内溝
52:比較的深い案内溝
53:鋭角状にした先端部

Claims (2)

  1. 平面形状がほぼ四角形の対向する両端部を形成する端部部材(A)と、この対向する端部部材(A)の間に配置される複数枚の狭幅で長尺の直線状平板(B)とよりなり、端部部材(A)は、狭幅で長尺に1枚ないし5枚の平板によって構成され、裏面には熱媒用チューブを埋設して方向転換させる湾曲溝が刻設されてなり、対向する両端部の湾曲溝には連通する熱媒用チューブが埋設され、その表面に均熱材および/または裏打材を貼り付けて熱媒用チューブが湾曲溝から外れないようにされ、対向する端部部材(A)の間は熱媒用チューブが露出した状態で連通配置されてなり、直線状平板(B)はその裏面に長さ方向に対して直角に熱媒用チューブ埋設用の複数の平行溝が刻設されてなり、平面形状がほぼ四角形の暖房可能な床構築用部材によって暖房可能な床を施工するにあたり、まず、端部部材(A)の対向する両端部を、熱媒用チューブを埋設した面を下側に位置させ、露出した複数の熱媒用チューブを両端部に対して直角にして所定場所に配置し、ついで端部部材(A)の両端部の間に露出した複数の熱媒用チューブに上側から、直線状平板(B)を端部部材(A)の一端部側から他端部側に順次配置し、最終列とその近傍の直線状平板(B)を配置する際に、熱媒用チューブに加熱した熱媒を通して熱媒用チューブを緊張および熱膨張させ、対向する端部部材(A)の他端部側を移動させて露出した熱媒用チューブ部分を拡幅し、最終列とその近傍の直線状平板(B)を配置することを特徴とする、暖房可能な床の施工方法。
  2. 対向する端部部材(A)の間に露出した熱媒用チューブを、櫛状の施工部材(C)によって熱媒用チューブの相互の間隔を調節し、熱媒用チューブを緊張させつつ直線状平板(B)を配置する、請求項1に記載の暖房可能な床の施工方法。
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