JP4074420B2 - ブラインド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラインドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のブラインドとして、特開平7−324572号公報に記載されたものがある。この公報に記載されたブラインドは、昇降コードを巻取可能な巻き取り装置を駆動する第一の駆動軸と、ラダーコードの上端を支持するラダーコード支持装置を駆動する第二の駆動軸と、をそれぞれ独立して設け、操作装置によって第一の駆動軸及び第二の駆動軸をそれぞれ駆動可能とし、操作装置と第一の駆動軸との間にクラッチ装置を介在させ、クラッチ装置を操作手段で操作して、操作装置及び第二の駆動軸と第一の駆動軸とを分離操作可能とし、分離操作時にはスラット及びボトムレールの自重による第一の駆動軸のスラット下降方向の回転を許容可能としている。そして、このクラッチ装置は、互いに噛み合い可能な歯をそれぞれ有する駆動クラッチ軸と従動クラッチ軸からなり、駆動クラッチ軸は、コイルスプリングによって従動クラッチ軸と噛み合う方向に軸方向に付勢されている。操作手段としてのクラッチコードを引くことにより、駆動クラッチ軸が軸方向に移動して、従動クラッチ軸から離れることができるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる公報によるブラインドにおいては、前記操作装置としての操作コードと、前記操作手段としてのクラッチコードの2つのコードを要しており、スラットの上昇動作及び回転操作をさせる場合には、前記操作装置としての操作コードを操作し、スラットの下降動作をさせる場合には、操作手段としてのクラッチコードを操作しなければならず、操作が煩わしいばかりか、ブラインドを操作するためのコードがヘッドボックスの2箇所から垂下されるため、ブラインドとしての美観を損なうという課題がある。
【0004】
また、クラッチ装置の駆動クラッチ軸の軸方向の移動により、駆動クラッチ軸と従動クラッチ軸との連結及び非連結の切り換えを行っているため、駆動クラッチ軸の軸方向のストロークを確保する必要があり、クラッチ装置の軸方向の長さを短くすることができない、という課題がある。
【0005】
さらには、スラットが自重により下降していて従動クラッチ軸が回転している状態から、スラットの下降を停止させるべく、クラッチコードを解除して駆動クラッチ軸の歯を従動クラッチ軸の歯に噛み合わせようとした場合に、駆動クラッチ軸が従動クラッチ軸に完全に噛み合わず滑ってしまう半クラッチ状態が発生しやすく、ガタガタと音が発生して、スラットを所望の位置に確実に停止させることができない、という課題がある。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みなされたもので、請求項1ないし6記載の発明の目的は、1つの操作部で、スラットの上昇動作、下降動作及び回転動作のすべてを行わせることができ、且つクラッチ装置を小型化し、美観も向上させることができるブラインドを提供することである。
【0007】
また、請求項2記載の発明の目的は、上記目的に加えて、スラット下降時にスラット及びボトムレールの重量を利用し、クラッチ装置によってスラットの下降、上昇及び停止を切り換えるブラインドにおいて、クラッチ装置の半クラッチ状態を回避することができるブラインドを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、請求項1記載の発明によるブラインドは、ヘッドボックス内で回転可能に支持される回転用シャフトと、該回転用シャフトに一体回転可能に設けられる回転ドラムと、多数のスラットを整列状態に支持するとともに上端が回転ドラムに連結されるラダーコードと、ヘッドボックス内に回転可能に支持される昇降用シャフトと、該昇降用シャフトに一体回転可能に設けられる昇降ドラムと、スラット列の最下端に配置されるボトムレールに一端が固定されると共に他端はスラット列を通ってヘッドボックス内の昇降ドラムに巻取り及び巻解き可能に連結される昇降コードと、回転用シャフト及び昇降用シャフトを回転駆動可能な操作部と、を有するブラインドにおいて、昇降用シャフトと操作部との間には、操作部がスラットを上昇するよう操作されたときに、径方向に突出して昇降用シャフトと操作部とを連結して一体回転可能とし、操作部がスラットを下降するよう操作されたときに、径方向に引き込んで昇降用シャフトと操作部との間の連結を解除する係合部材を有するクラッチ装置が設けられることを特徴とする。スラットを上昇させるように操作部を操作すると、クラッチ装置の係合部材が径方向に突出して、操作部と昇降用シャフトとを連結する。これにより、操作部からの回転が昇降用シャフトを介して昇降ドラムに伝達し、昇降ドラムが回転して、昇降コードを巻取り、スラットは上昇する。一方、操作部を操作して、スラットの下降動作を行うように前記反対方向に回転させると、クラッチ装置の係合部材が径方向に引き込んで、操作部と昇降ドラムとの連結を解除する。このため、昇降ドラムはスラット及びボトムレールの重量により昇降コードを巻解き、スラットは下降する。スラットの下降を停止させるときには、再び操作部と昇降用シャフトとを連結するべく、係合部材が径方向に突出する。また、スラットの回転動作を行わせるときには、操作部を操作して、回転用シャフトを所望の方向に回転させると、回転ドラムが回転し、ラダーコードの前側または後側のコードのいずれか一方が引き上げられ、他方が引き下げられて、スラットが回転する。このスラットの回転動作のときには、クラッチ装置は、前記操作部と昇降用シャフトとを連結していても、または連結を解除していても良いが、好ましくは、スラットの回転角度に対応して回転ドラムが回転する間、即ち、操作部の所定量の操作の間は、操作部の回転が昇降用シャフトに伝達しないようにするとよりよい。クラッチ装置の係合部材は径方向に移動するのみであり、軸方向に移動しないため、軸方向のストロークを確保する必要がなく、ヘッドボックス内の空間の有効利用ができ、小型化することができる。そのため、羽根出し寸法を小さくすることもできる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の前記クラッチ装置の係合部材が、昇降用シャフトと一体回転する回転筒の周面に周方向に分離して形成された複数の溝に係合可能となっており、該溝の周方向の幅は、係合部材の周方向の幅に比べて大きく設定されることを特徴とする。係合部材が径方向に突出するときに、昇降用シャフトと一体回転する回転筒の溝の周方向の幅の方が大きくなっているため、係合部材を溝内へとスムーズに突出することができ、半クラッチ状態の発生を回避することができる。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のクラッチ装置が、操作部と回転方向に所定量の遊びを持って連結可能な係合筒と、操作部と係合筒との相対回転によって選択的に係合筒から突出または係合筒内に収容され、突出時に昇降用シャフトと係合する係合部材と、からなることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の前記クラッチ装置の係合部材が、一方向にのみ回転可能に設けられることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の前記係合筒が、前記係合部材を径方向に相対移動可能に且つ相対回転不能に案内し、クラッチバネを介して固定シャフトに連結されることを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項3ないし5のいずれか1項に記載の前記操作部と前記係合筒との間には切換筒が設けられ、切換筒は、操作部に対して回転方向に所定量の遊びを持って連結され且つ係合筒に対して回転方向に所定量の遊びを持って連結されることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1ないし図6は本発明に係るブラインドの実施形態を表す図である。
【0015】
このブラインド10は、壁面または天井面にブラケットを介して取り付けられるヘッドボックス12を有しており、ヘッドボックス12内には、互いに平行に回転用シャフト14及び昇降用シャフト15とがそれぞれ回転可能に配設されている。
【0016】
また、ヘッドボックス12内には複数のドラム台16がそれぞれ固定されており、各ドラム台16には、前記回転用シャフト14が挿通されて該回転用シャフト14と一体回転する回転ドラム18と、前記昇降用シャフト15が挿通されて該昇降用シャフト15と一体回転する昇降ドラム28と、がそれぞれ回転可能に支持されている。
【0017】
回転ドラム18には、ラダーコード20の上端が連結されており、ラダーコード20は、ヘッドボックス12から垂下されて、多数のスラット22を整列状態に支持している。
【0018】
また、昇降ドラム28には、昇降コード30の上端が巻取り及び巻解き可能に連結されている。昇降コード30の下端は、ヘッドボックス12から垂下されて多数のスラット22を挿通し、スラット列の最下端に配置されるボトムレール32に固定される。
【0019】
ヘッドボックス12の端部には、操作部64が設けられる。操作部64は、図2に示すように、操作コード65と、操作コード65が巻き掛けられ、ヘッドボックス12に固定された固定シャフト52に軸止されたプーリ66と、プーリ66と噛み合う減速ギヤ68と、該減速ギヤ68に噛み合う回転ギヤ70と、プーリ66と噛み合う空転筒71と、ケース69とから構成される。詳細には、前記プーリ66に一体的にギヤ軸67が組み付けられており、該ギヤ軸67に前記減速ギヤ68が噛み合っている。さらにこの減速ギヤ68に噛み合う回転ギヤ70は、クラッチ機構72及び入力キャンセラー74を介して回転用シャフト14に連結される。
【0020】
このクラッチ機構72は、クラッチバネ76と中間軸78とを有しており、クラッチバネ76は、回転ギヤ70から伸びる延長部70aに巻回されていて、その一端が中間軸78と係合可能となっている。回転ギヤ70からの回転が所定角度を超えるまでは、延長軸70aからの回転が中間軸78に伝達され、回転ギヤ70からの回転が所定角度を超えると、クラッチバネ76が緩み、延長軸70aが中間軸78に対して空転するようになっている。
【0021】
さらに、入力キャンセラー74は、クラッチバネケース80と、クラッチバネ82と、出力軸84とを有している。前記中間軸78が回転すると、クラッチバネ82を緩めつつ、クラッチバネ82及び出力軸84を回転させて、結果として回転用シャフト14を回転させるようになっている。また、回転用シャフト14側から回転しようとすると、出力軸84がクラッチバネ82を拡径させてクラッチバネケース80の内周面に押しつけるため、回転が阻止され、中間軸78に回転が伝達されないようになっている。
【0022】
前記空転筒71には、複数の遊星ギヤ71aが軸止されており、該遊星ギヤ71aは前記ギヤ軸67及びケース69に噛み合っており、プーリ66が回転すると遊星ギヤ71aが公転し、プーリ66の回転が減速されて空転筒71に伝達されるようになっている。さらに空転筒71の反プーリ66側には、軸方向に延びる延長部71bが突設されており、延長部71bの周面には、外径方向に突出する突出部71cが形成されている。
【0023】
さらに、操作部64の空転筒71と昇降用シャフト15との間には、操作部64と昇降用シャフト15との連結、非連結を切り換えるクラッチ装置40が配置される。クラッチ装置40は、図2及び図3に示すように、主に、前記空転筒71に対して回転方向に所定量の遊びを持って連結される切換筒42と、切換筒42に対して回転方向に所定量の遊びを持って連結される係合筒44と、係合筒44に径方向に移動可能に案内され該係合筒44に対して相対回転不能となった係合部材46と、係合筒44及び係合部材46の回転方向を規制するためのクラッチバネ48と、クラッチバネ48を支持するバネ受け50と、昇降用シャフト15に連結された回転筒54とを、有している。以下、これらの詳細構造について説明する。
【0024】
前記空転筒71の延長部71bの外周側を覆うようにして、切換筒42が設けられ、切換筒42の端部に形成された軸方向に突出する突出片42aが前記空転筒71の突出部71cと回転方向で当接可能となっている(図6参照)。言い換えれば、空転筒71は切換筒42に対して、その突出部71cが突出片42aに当接するまで、相対回転ができるようになっている。
【0025】
切換筒42の空転筒71と反対側の端部には、図3及び図5に示すように、複数の(図の例では2つの)周方向に伸びる溝42b、42bが形成されており、この溝42b、42b内に、係合筒44の端部に形成された軸方向に突出する突出片44a、44aが挿入されている。突出片44a、44aは、溝42b、42bの端面に当接可能となっており、言い換えれば、切換筒42は、係合筒44に対して、その突出片44a、44aが溝42b、42bの端面に当接するまで、相対回転ができるようになっている。
【0026】
また、切換筒42の空転筒71と反対側の端部には係合受部42cが突設されており、該係合受部42cの周面には、周方向に等間隔に離間して3つの円弧状の凹部42dが形成されている。係合筒44は、係合受部42cの外周側を覆っており、その端部には、周方向に等間隔に離間して3つの切欠溝44bが形成されている。尚、1つの切欠溝44bは、1つの突出片44aの中央を通り軸方向に伸びている。この3つの切欠溝44bには、それぞれ球状の係合部材46がはめ込まれている。係合部材46は、切欠溝44bを径方向に移動可能となっており、言い換えれば、係合部材46は切欠溝44bによって係合筒44に対して径方向に移動可能に案内され、且つ係合筒44に対して相対回転不能となっている。
【0027】
図4(a)、(b)に示すように、切換筒42の凹部42dと係合筒44の切欠溝44bとの周方向位置が一致していない状態で、係合部材46は、係合筒44から径方向に突出し、図4(c)に示すように、切換筒42の凹部42dと係合筒44の切欠溝44bとの周方向位置が一致した状態で、係合部材46は、係合筒44内及び凹部42dへと収容されている。回転筒54の内周面には、リブ54bによって周方向に分離して形成された溝54aが形成されており、図4(a)、(b)に示すように、係合部材46が径方向に突出している状態において、係合部材46は、回転筒54の溝54a及びリブ54bに係合している。この回転筒54の溝54aの周方向の幅は、係合部材46の周方向の幅に比べて大きく設定されている。
【0028】
また、係合筒44には、クラッチバネ48の一端が挿入されており、クラッチバネ48は、バネ受け50の外周に巻回されて、その他端が遊端となっている。バネ受け50は、固定シャフト52の非円形断面となった部分に固定されている。クラッチバネ48は、係合筒44が一方向(昇降ドラム28の昇降コード30巻取方向と同じ方向)に回転するときに拡径されてバネ受け50に対する係合筒44の回転を許容し、係合筒44が他方向に回転しようとするときには、バネ受け50に締め付けられて、係合筒44の回転を禁止する。こうして、係合筒44及び係合部材46は、一方向にのみ回転可能となっている。
【0029】
図1の全体図に戻ると、上記ドラム台16、回転ドラム18、昇降ドラム28は、ヘッドボックス12の幅寸法に応じて適宜の台数が適宜離間されて設けられている。昇降用シャフト15の一端には、減速機構であるガバナ機構60が取り付けられている。
【0030】
以上のように構成されるブラインド10の動作を次に説明する。
【0031】
まず、ブラインド10の操作コード65を操作していない状態において、クラッチ装置40は、図4(a)に示すように、その係合部材46が径方向に突出して、回転筒54の内周面に分離して形成された溝54a及びリブ54bに係合している。このとき、昇降ドラム28及び昇降用シャフト15に連結された回転筒54は、スラット22及びボトムレール32の自重によって昇降コード30を巻き解く方向に回転しようとするが、係合部材46が突出して回転筒54に係合しており、且つ係合部材46は前述のようにクラッチバネ48によってその方向に回転することができないようになっているため、回転筒54、昇降用シャフト15及び回転ドラム28は回転せずに、スラット22はその状態を保持している。
【0032】
この状態で、操作コード65をある方向に操作すると、プーリ66が回転し、この回転が減速ギヤ68、回転ギヤ70、クラッチ機構72及び入力キャンセラー74を介して回転用シャフト14に伝達し、回転用シャフト14と一体に回転ドラム18が回転する。これにより、ラダーコード20を介してスラット22が回転し、その傾きを調整することができる。また、プーリ66の回転は、空転筒71に伝達するが、空転筒71と切換筒42とは回転方向に遊びがあるために、操作コード65を所定量操作してスラット22が十分傾斜するまでは、空転筒71の回転は切換筒42に伝達されず、スラット22の回転のみが行われる(図6(a)参照)。
【0033】
さらに、操作コード65を上記所定量を超えて、スラット22の上昇動作を行うような方向に操作すると、前述のクラッチ機構72の作用により回転用シャフト14には回転が伝達されないようになる。その一方で、空転筒71の突出部71cが切換筒42の突出片42aに当接し、切換筒42が図4(b)、図5(b)及び図6(b)の矢印の方に回転する。切換筒42が同図の矢印の方に回転すると、切換筒42の溝42bの端面に当接している突出片44aを同方向に回転させるために、係合部材46、回転筒54、昇降用シャフト15及び昇降ドラム28に回転が伝達し、昇降ドラム28は昇降コード30を巻き取る。これにより、ボトムレール32が引き上げられ、順にスラット22が上昇する。操作コード65の操作を停止すると、先と同様に、昇降ドラム28が巻き解き方向に回転しようとするが、係合部材46によってその回転が阻止され、スラット22はそのときの上昇位置及び回転角度に保持される。
【0034】
先と反対に、操作コード65を上記所定量を超えて、スラット22の下降動作を行うような方向に操作すると、空転筒71が回転し、空転筒71の突出部71cが切換筒42の突出片42aに当接し、切換筒42が図4(c)、図5(c)及び図6(c)の矢印の方に回転する。切換筒42が同図の矢印の方に回転すると、係合筒44に対して溝42b分だけ回転方向に遊びがあるため、切換筒42はその遊び分だけ係合筒44に対して相対回転し、切換筒42の凹部42dと係合筒44の切欠溝44bとの周方向位置が一致し、係合部材46は凹部42dに向かって沈み、係合筒44内へと収容される。こうして、係合部材46と回転筒54との係合が解除される。これにより、昇降シャフト15及び昇降ドラム28は、操作部64に対して自由となり、ボトムレール32及びスラット22はそれらの重量により下降し、昇降コード30は、昇降ドラム28から巻解かれる。但し、各昇降ドラム28は、昇降用シャフト15の一端に設けられたガバナ装置60によって、その回転速度が抑制されるため、スラット22及びボトムレール32の急降下が阻止される。
【0035】
ここで、操作コード65をスラット22の下降動作を行うような方向に操作した際に、ある程度操作すると、係合部材46が切換筒42の凹部42dに係合され、及び/または、係合筒44の突出片44aが切換筒42の溝42bの端面に当接し、切換筒42はそれ以上回転できないようになっている。こうして、操作コード65の同方向への操作もできなくなるので、必要以上に操作コード65が引っ張られるのを防ぐと共に、操作者も操作の限界を知るため操作性の良いものとなる。
【0036】
スラット22の下降動作中に停止させたい場合には、操作コード65をスラット22を上昇させる方向に操作すると、空転筒71を介して切換筒42が回転し、切換筒42が係合筒44に対して相対回転して、係合部材46を突出させて、回転筒54の溝54a及びリブ54bに係合させる。こうして、図4(a)及び図5(a)の状態へと戻り、昇降ドラム28の回転が停止する。この係合部材46が径方向に突出して、回転筒54へと係合する際に、回転筒54の溝54aの周方向の幅の方が係合部材46の幅よりも大きいため、係合部材46がリブ54bと干渉することなく、スムーズに溝54a内へと突出することができ、半クラッチ状態の発生を回避することができる。
【0037】
以上のブラインド10によれば、クラッチ装置40が、その係合部材46が径方向に移動することで、その切り換え動作を行うので、軸方向のストロークを確保する必要がなく、ヘッドボックス内の空間の有効利用をすることができる。さらには羽根出し寸法を小さくこともできる。
【0038】
また、単一の操作コード65の操作によって、スラット22の上昇動作、下降動作及び回転動作のすべてを行わせることができるので、操作が簡単で迷うこともなく、また、単一の操作コード65がヘッドボックス12から導出されるだけであるので、美観上も優れたものとなる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし6記載の発明によれば、クラッチ装置の係合部材が径方向に移動し、軸方向に移動しないため、軸方向のストロークを確保する必要がなく、ヘッドボックス内の空間の有効利用ができ、また羽根出し寸法を小さくすることができる。さらに、単一の操作部の操作によって、スラットの上昇動作、下降動作及び回転動作のすべてを行わせることができるので、操作が簡単で迷うこともなく、また、単一の操作部を備えるだけでよいので、美観上も優れたものとなる。
【0040】
また、請求項2記載の発明によれば、係合部材が径方向に突出するときに、回転筒の溝の周方向の幅の方が大きくなっているため、係合部材を溝内へとスムーズに突出することができ、半クラッチ状態の発生を回避することができる。
【0041】
また、請求項3記載の発明によれば、係合筒と操作部との相対回転を利用して係合部材を径方向に突出または係合筒内に収容させることができる。
【0042】
また、請求項4記載の発明によれば、係合部材が一方向にのみ回転可能となっていることから、係合部材が回転筒に係合している状態で、係合部材と共に昇降ドラムをスラットの上昇させる方向に回転させることができる一方で、昇降ドラムがスラットの自重によりスラットを下降させる方向に回転しようとしても、係合部材によって昇降ドラムの回転を阻止することができる。
【0043】
また、請求項5記載の発明によれば、クラッチバネ及び係合筒を介して、係合部材を一方向にのみ回転するように構成することができる。
【0044】
また、請求項6記載の発明によれば、スラットの回転をさせるべく、操作部を操作したときに、操作部と切換筒との間に回転方向に遊びがあるため、操作部の回転がすぐには切換筒に伝達せず、スラットが昇降せずに回転のみを行うようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブラインドの実施形態を表す正面図である。
【図2】図1の操作部及びクラッチ装置の拡大縦断面図である。
【図3】図1の操作部及びクラッチ装置の分解斜視図である。
【図4】図2の4−4線に沿って見た断面図であり、(a)はスラット停止時、(b)はスラット上昇時、(c)はスラット下降時の状態を表す。
【図5】図2の5−5線に沿って見た断面図であり、(a)はスラット停止時、(b)はスラット上昇時、(c)はスラット下降時の状態を表す。
【図6】図2の6−6線に沿って見た断面図であり、(a)はスラット停止時、(b)はスラット上昇時、(c)はスラット下降時の状態を表す。
【符号の説明】
10 ブラインド
12 ヘッドボックス
14 回転用シャフト
15 昇降用シャフト
18 回転ドラム
22 スラット
20 ラダーコード
28 昇降ドラム
30 昇降コード
32 ボトムレール
40 クラッチ装置
42 切換筒
44 係合筒
46 係合部材
48 クラッチバネ
52 固定シャフト
54 回転筒
54a 溝
64 操作部
Claims (6)
- ヘッドボックス(12)内で回転可能に支持される回転用シャフト(14)と、該回転用シャフト(14)に一体回転可能に設けられる回転ドラム(18)と、多数のスラット(22)を整列状態に支持するとともに上端が回転ドラム(18)に連結されるラダーコード(20)と、ヘッドボックス(12)内に回転可能に支持される昇降用シャフト(15)と、該昇降用シャフト(15)に一体回転可能に設けられる昇降ドラム(28)と、スラット(22)列の最下端に配置されるボトムレール(32)に一端が固定されると共に他端はスラット(22)列を通ってヘッドボックス(12)内の昇降ドラム(28)に巻取り及び巻解き可能に連結される昇降コード(30)と、回転用シャフト(14)及び昇降用シャフト(15)を回転駆動可能な操作部(64)と、を有するブラインドにおいて、
昇降用シャフト(15)と操作部(64)との間には、操作部(64)がスラットを上昇するよう操作されたときに、径方向に突出して昇降用シャフト(15)と操作部(64)とを連結して一体回転可能とし、操作部(64)がスラットを下降するよう操作されたときに、径方向に引き込んで昇降用シャフト(15)と操作部(64)との間の連結を解除する係合部材(46)を有するクラッチ装置(40)が設けられることを特徴とするブラインド。 - 前記クラッチ装置(40)の係合部材(46)は、昇降用シャフト(15)と一体回転する回転筒(54)の周面に周方向に分離して形成された複数の溝(54a)に係合可能となっており、該溝(54a)の周方向の幅は、係合部材(46)の周方向の幅に比べて大きく設定されることを特徴とする請求項1記載のブラインド。
- クラッチ装置(40)は、操作部(64)と回転方向に所定量の遊びを持って連結される係合筒(44)と、操作部(64)と係合筒(44)との相対回転によって選択的に係合筒(44)から突出または係合筒(44)内に収容される係合部材(46)と、係合部材(46)突出時に該係合部材(46)に係合する回転筒(54)と、からなることを特徴とする請求項1または2記載のブラインド。
- 前記クラッチ装置(40)の係合部材(46)は、一方向にのみ回転可能に設けられることを特徴とする請求項3記載のブラインド。
- 前記係合筒(44)は、前記係合部材(46)を径方向に相対移動可能に且つ相対回転不能に案内し、クラッチバネ(48)を介して固定シャフト(52)に連結されることを特徴とする請求項4記載のブラインド。
- 前記操作部(64)と前記係合筒(44)との間には切換筒(42)が設けられ、切換筒(42)は、操作部(64)に対して回転方向に所定量の遊びを持って連結され且つ係合筒(44)に対して回転方向に所定量の遊びを持って連結されることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載のブラインド。
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