JP4073738B2 - 車両の荷受台昇降装置におけるストッパ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、貨物自動車などの車両の車体に設けられて、車体上の荷箱と地上間で荷物の積み降ろしを行なう荷受台昇降装置において、荷受台上に載置されるカートの車輪などを荷受台上に受け止めて、その落下を防止するようにしたストッパ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、貨物自動車の車体後部に設けた荷受台昇降装置(テールゲイトリフター)において、荷受台にストッパと、このストッパを突出・格納操作する操作レバーとを設け、前記ストッパを突出させたとき、これを荷受台上に載置されたカートの車輪に当接させて、該カートを受け止めてその落下を防止するようにした、ストッパ装置は、公知である(たとえば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−123975号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記公知のものでは、図12(a)に示すように、操作レバーをロック位置に操作することにより、圧縮ばねの弾発力により、係合部材を被係合部材に係合させてストッパを伏倒位置に格納させ、また、図12(b)に示すように、操作レバーをロック解除位置に操作することにより、係合部材を被係合部材から外してストッパを圧縮ばねの附勢力により突出させて荷受台の荷受面よりも突出させるように構成されている。
【0005】
ところが、この公知のものでは、係合部材と被係合部材間の多少の位置ズレ、その他何らかの原因により、図13に示すように、係合部材が被係合部材に完全に係合しきらずに、半ロック状態になることがあり、このとき、操作レバーは、ロック位置とアンロック位置との中間に位置して、フリーに回転可能な状態になる。この場合、
▲1▼前記特許文献(特開平11−123975号公報)に示されるもののように、荷受台昇降装置の荷受台が起立格納式のものでは、荷受台を荷箱に沿うように起立回動して格納した際に、フリー状態にある操作レバーは自重により揺動、起立して、その先端部が荷箱側に向いた状態になり、その結果荷受台は格納位置で、操作レバーの先端部が荷箱に衝接して、その荷箱を損傷させる虞れがあるという問題がある。また、
▲2▼後述する本発明の実施例に示すように、荷受台昇降装置の荷受台(折り畳み可能)が床下格納式のものでは、荷受台の格納時に、基部側荷受台に対して先部側荷受台を折り畳むべく裏返すと、フリー状態にある操作レバーが自重により揺動して、その先端部が下向きになり、先部側荷受台を基部荷受台上に折り畳んだときに、その操作レバーの先端部が基部側荷受台に衝接して、基部側荷受台を損傷させる虞れがあるという問題がある。
【0006】
本発明はかかる実情に鑑みてなされたもので、係合部材が被係合部材に対して半ロック状態になったとき、操作レバーをロック側に附勢して、そのフリーな揺動、スライド移動を規制して前記問題を解決できるようにした、新規な車両の荷受台昇降装置におけるストッパ装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、荷箱を搭載した車体に、昇降機構を介して荷受台を昇降可能に設け、該荷受台は、水平状態で荷箱の荷台と地上間で昇降作動され、また前記荷受台は折り畳まれて荷箱の床下に格納、あるいは荷箱に沿って起立格納されるようにした、車両の荷受台昇降装置において、前記荷受台は、その荷受面と略面一な格納位置と、その荷受面より突出する突出位置とに保持され、かつ附勢手段により突出位置に附勢されるストッパおよび前記ストッパを格納位置にロック、あるいはロック解除するロック手段を備え、前記ロック手段は、前記ストッパ側に設けられる被係合部材と、前記荷受台側に設けられて前記被係合部材に係脱し得るように、ロック側とロック解除側にスライド作動し得る係合部材と、前記係合部をロック側に附勢する第1の附勢手段と、前記荷受台に揺動可能に軸支されて前記係合部材に連動される操作部材と、該操作部材の揺動操作に関連して前記係合部材をスライド作動するガイド手段と、前記操作部材をロック側に附勢し、前記第1の附勢手段よりも附勢力の大きい第2の附勢手段とを含み、前記第2の附勢手段は、係合部材が被係合部材に対して半ロック状態になったとき、前記操作部材をロック側に附勢してそのフリーな揺動およびスライド移動を規制し、荷受台の格納時に、該操作部材の先端部が荷受台の荷受面から突出するのを防止するようにしたことを特徴としており、かかる特徴によれば、荷受台側の係合部材が、ストッパ側の被係合部材と半ロック状態となることがあっても、該係合部材を操作する操作部材が、フリーに揺動、スライド移動するのを規制して、荷受台の格納時に、操作部材の先端部が、荷箱や荷受台に衝接することがなく、該荷箱や荷受台の損傷を防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
【0009】
まず、図1〜9を参照して本発明の第1実施例について説明する。
【0010】
この実施例は、床下格納式の荷受台を備えた荷受台昇降装置に、本発明ストッパ装置を実施した場合であり、図1は、本発明装置を備えた貨物自動車の後部側面図、図2は、図1の2矢視平面図、図3は、図2の3矢視仮想線囲い部分の一部破断拡大図、図4は、図3の4−4線に沿う断面図、図5は、図2の5矢視仮想線囲い部分の一部破断拡大図、図6は、図5の6−6線に沿う断面図、図7は、図5の7−7線に沿う断面図、図8は、図6の8−8線に沿う断面図、図9は、ストッパ装置の作用を示す断面図である。
【0011】
図1において、貨物自動車の車体1上には、荷台3を有する荷箱2が搭載され、この荷箱2の後面に図示しない後部扉により開閉される出入口4が開口される。車体1の後部には、荷箱2の床下に格納可能な荷受台昇降装置Lが、前後方向に移動可能に支持される。車体1の後部には、支持フレーム5が該車体1の前後方向に移動可能に支持されている。支持フレーム5には、メインアーム6およびサブアーム7が上下方向に揺動可能に軸支され、これらのアームの先部に後述する荷受台8の基部フレーム9が連結される。また、前記支持フレーム5とメインアーム6との間には昇降用油圧シリンダ10の両端が連結されている。荷受台8は、前記支持フレーム5に一体的に設けられる基部側荷受台8Aと、その自由端に、ヒンジ軸11を以て折り畳み可能に連結される先部側荷受台8Bとよりなり、図1鎖線に示すように先部側荷受台8Bは、ヒンジ軸11まわりに基部側荷受台8A上に重なるように反転して折り畳むことができる。荷受台8は昇降用油圧シリンダ10の伸縮作動により、図1の実線と鎖線で示すように昇降作動することができ、上昇位置にある荷受台8は、荷箱2の荷台3と略同一面とすることができ、また、鎖線に示すように下降位置にある荷受台8は、荷箱2の床下に格納することができる。
【0012】
なお、荷受台8の昇降装置およびその荷箱2の床下への格納装置は従来公知のものであるので、その詳細な説明を省略する。
【0013】
図2に示すように、基部側荷受台8Aと、その先部にヒンジ軸11を以て折り畳み可能に接続される先部側荷受台8Bとよりなる荷受台8は、全体がAl合金の押出成型により構成され、それらの左右両側縁は、縁取部材12により縁取りされている。
【0014】
先部側荷受台8Bの後端寄りの部分には、本発明にかかるストッパ装置Sが設けられ、このストッパ装置Sは、荷受台8上に載置された荷役物、特にカートを的確に受け止めて、これが荷受台8の昇降中に落下するのを未然に防止するためのものであり、以下にこのストッパ装置Sの構造を説明する。
【0015】
図2,4に示すように、先部側荷受台8Aの後端、すなわちその自由端寄りの部分には、その左右方向の帯状のストッパ収容凹部16が形成され、このストッパ収容凹部16には、後述する帯状のストッパ15が収容され、このストッパ15の一方の端縁に隣接して先部荷受台8Bに側縁(図5、左側縁)には、後述する操作レバー56を配置するための操作フレーム13が固定されている。
【0016】
図4に示すように、ストッパ収容凹部16の後部寄りの底部には、断面優弧状のピボット軸17が、その全長に亘って一体に形成されている。ストッパ収容凹部16内には、帯状のストッパ15が突出、格納可能に収容されており、このストッパ15の長手方向の一側に形成した断面優弧状の凹溝18が、前記ピボット軸17に回動自在に嵌合されており、ストッパ15はピボット軸17まわりに、図4に実線で示す伏倒位置(格納位置)と、同図鎖線に示す突出位置(作動位置)との間で回動できるようになっている。ストッパ15の先部、すなわちその自由端部には、内向きに傾斜した係止面15aが形成されており、ストッパ15が、図4に鎖線で示すように起立されると、前記係止面15aは、荷受台8の荷受面に対して略鉛直に突出した状態となり、荷受台8上のカートの車輪などを受け止めることができるようになっている。また、前記ストッパ収容凹部16には、前記係止面15aに対応して傾斜面16aが形成されており、ストッパ15が、図2に実線で示すように、格納位置に伏倒すると、前記係止面15aが傾斜面16aに当接されるようになっている。前記ストッパ15の係止面15aに嵌着した断面円形のゴムクッション19は、その当接時のショックおよび衝撃音を緩和する。また、ストッパ収容凹部16の後端隅部にもゴムクッション20が設けられ、ストッパ15が起立回動したとき、その基部が、そのゴムクッション20に当接して、その際のショックおよび衝撃音を緩和する。
【0017】
図3,4に示すように、前記ストッパ収容凹部16の空間部には、ストッパ15を突出位置に附勢する附勢手段21が収納されている。この附勢手段21は、その空間部の長手方向に沿って設けらる長いボルト22aと、これに螺着されるナット22bとよりなるばね軸22と、このばね軸22に巻装されて、長いボルト22aの頭部と、ナット22b間に取付けられる一対の捩りばね23,23より構成されており、一対の捩りばね23,23の一方の自由端は、ストッパ収容凹部16の底壁に形成したフック状の下部係合凹部24に、またその他方の自由端は、ストッパ15の裏面に形成したフック状の上部係合凹部25にそれぞれ係合されており、一対の捩りばね23,23の弾発力は、前記ストッパ15を突出位置(図4鎖線位置)に附勢している。
【0018】
前記ストッパ収容凹部16の左右方向の一側(車両の進行方向左側)には、前記ストッパ15を伏倒位置(格納位置)にロックし、あるいはロック解除するロック手段LOが設けられる。つぎにこのロック手段LOの構成を、主に図5〜8を参照して説明する。
【0019】
このロック手段LOは、ストッパ15の裏面に固定される被係合部材30と、この被係合部材30に係脱し得る係合部材31と、この係合部材31を作動する作動機構32とより構成されている。前記被係合部材30は、図6に示すように、ストッパ15の裏面にボルト止めされる支持部材33に一体に垂設されて、U字状に形成される。一方、前記係合部材31は、先端に前記被係合部材30と係脱し得る先部の上面に、前方に向かって下る傾斜案内面31aを有して断面四角な棒状に形成されている。前記作動機構32は、手動により前記係合部材31を、被係合部材30に対して前後にスライド移動させて、そこに係脱できるように構成されており、以下にその具体的な構造について説明すると、荷受台8の、ストッパ収容凹部16下の底板35にはベース36が固定され、このベース36の、前記被係合部材30寄りの上面には、中空の角筒部材38が固定され、この角筒部材38に前記係合部材31が前記被係合部材30に対して前後にスライド移動できるように嵌挿されている。角筒部材38内には、その後端壁と係合部材31の後端間に第1の附勢手段40、すなわち第1の圧縮コイルばねが縮設されており、この第1の附勢手段40の弾発力は、係合部材31を突出する方向、すなわち被係合部材30と係合する方向に常時附勢している。また、角筒部材38内には、その後端壁に開口した通孔を貫通して、その角筒部材38の中心軸線に沿って案内棒41が挿入され、この案内棒41は、前記圧縮コイルばねよりなる第1の附勢手段40を挿通して係合部材31の中心軸線に沿って穿設した行き止まりの案内孔43内に摺動自在に嵌入されている。また係合部材31の中間部には、その長手方向に沿って長孔44が穿設され、この長孔44に、案内棒41の途中に横向きに固定した係合ピン46が摺動自在に係合されている。したがって図6,8に示すように、前記係合部材31は、第1の圧縮コイルばね40の弾発力により、係合ピン46が長孔44の後端に係合するまで前方、すなわち被係合部材30に向けて突出するように附勢される。案内棒41の角筒部材38よりも後方に突出する後端には、径大なボス部41aが一体に形成され、このボス部41aの端面が、後述する第2の附勢手段である前記第2の圧縮コイルばね54(第1の圧縮コイルばね40よりもばね力が大きい)の弾発力により角筒部材38の後端面に突き当たることにより、案内部材41の位置が規制される。前記案内棒41後端のボス部41aには、その案内棒41と同一軸線上に、長いボルトよりなる作動棒48の先端部が螺合されて、長さを調節機構49を介して一体に連結される。長さ調節機構49は、ボス部41aに形成した雌ねじ孔49aと、作動棒48の一端部に形成されて雌ねじ孔49aに長さ調節可能に螺合される雄ねじ49bと、その雄ネジ49bに螺合されてボス部41aの外端にに衝き当てられるナット49cとより構成されている。
【0020】
図5、6に示すように、作動棒48は、前記ストッパ15を越えて荷受台8の側縁の操作フレーム13の下まで延長しており、その延長部は、そこに嵌挿されるスリーブ50を介してベース36に固定された軸受51に摺動自在に貫通支持されている。スリーブ50の外端は末広状に拡開されていて長いボルトよりなる作動棒48の外端の頭部に、第2の附勢手段すなわち第2の圧縮コイルばね54の弾発力により係合しており、作動棒48とスリーブ50とは一体的に外方(図6左方向)へ移動可能である。作動棒48の嵌挿されて前記ナット49cに着座されるバネ座53と、前記軸受51の端縁間には、前記第1の附勢手段40よりもばね力の大きい第2の附勢手段すなわち第2の圧縮コイルばね54が縮設されており、この第2の圧縮ばね54は、作動棒48および案内棒41を介して前記係合部材31を突出する方向(図6,8右方向)に弾発附勢している。
【0021】
図5〜7に示すように、前記軸受51と作動棒48の端縁間のスリーブ50の外周には、上方に延びる操作部材としての操作レバー56を固定したレバースリーブ57が一体に設けられており、ベース36の外端部には、前記操作レバー56を取り囲むようにして、門型の形成した操作盤58が固定され、この操作盤58の上面は、先部荷受台8Bの一側に固定した操作フレーム13の開口を通して外部に露出しており、その上面にガイド溝60が形成され、このガイド溝60に前記操作レバー56が貫通し、この操作レバー56は、操作フレーム13の開口を通って荷受台8上より操作できるようになっている。ガイド溝60には、操作レバー56を前記第1、第2の圧縮コイルばね40,54の弾発力に抗してロック解除位置(係合部材31の後退位置)に係止するための第1溝部60aと、この第1溝60aと反対側にあって、前記操作レバー56を前記第1、第2の圧縮コイルばね40,54の弾発力によりロック位置(係合部材31の前進位置)に保持するとともに前記ロック解除位置への移動を許容する軸方向の長さを有する第2溝部60bが形成され、さらに前記第1溝部60aと第2溝部60b間に跨がり、操作レバー56をそれらの溝60a,60b間に案内する傾斜カム面60cが形成されており、この傾斜カム面60cの一端は、第2溝60b内に臨んでいる。
【0022】
つぎに、この第1実施例の作用について説明する。
【0023】
いま、貨物自動車が走行状態にあり、荷受台8が図1に示すように、格納位置にあるときは、荷受台8に設けたストッパ15は、格納位置すなわち伏倒位置にあり、この状態では、ロック位置に保持される。すなわち、操作レバー56は図5,6に示すように、第2溝部60bにあり、係合部材31は第1および第2の圧縮コイルばね40,54の弾発力により、作動棒48および案内棒41を介して係合位置に突出附勢され、これがストッパ15側の被係合部材30に係合してストッパ15は格納位置に伏倒される。
【0024】
つぎに、貨物自動車を停車させ、荷箱2内の荷物を地上に降ろす場合には、荷台3を格納状態から図1に実線で示すように、荷箱2の荷台3と同じレベルまで上昇させ、先部側荷受台8Bを手動により張出位置に回動させる。つぎに格納位置にある操作レバー56を足で蹴るなどして外側に移動させると、該操作レバー56は、第1,2圧縮コイルばね40,54の弾発力に抗して案内溝60の傾斜カム面60cに沿って外側に移動して第1溝部60aに係合する。これにより作動部棒48および案内棒41が第1,2圧縮コイルばね40,54の弾発力に抗して後退し、図9(a)に示すように、係合部材31が後退作動されて、被係合部材30から外れる。以上のように、ストッパ15がロック解除位置に保持されると、ストッパ15は、附勢手段21の一対の捩りばね23の附勢力により、図4鎖線に示すように上方に回動して突出位置に保持される。このとき、操作レバー56は、案内溝60の傾斜カム面60cに係合しているため、第1,2圧縮コイルばね40,54の附勢力により自動的にロック位置に戻される。
【0025】
つぎに、荷台3上の荷物を図示しないカートに移載して荷受台8上に移動し、荷受台昇降装置Lの作動により荷受台8を下降させる。このときカートの車輪は、突出しているストッパ15の係合面15aに当接して、荷受台8の先部からカートが落下するのを防止することができる。荷受台8が地上まで下降したら、突出しているストッパ15を足で踏みつけるなどして図4に示すように格納位置に揺動する。このとき、ストッパ15下の被係合部材30は、ロック位置(突出位置)にある係合部材31の傾斜案内面31aに押し付けられ、この押付力の、係合部材31の軸方向の分力により係合部材31は、第1,2コイル圧縮ばね40,54の附勢力に抗して後退方向にスライドするため、被係合部材30が係合部材31よりも下方に移動すると、被係合部材30による押付力から解除された係合部材31は、第1,2圧縮コイルばね40,54の附勢力により係合方向にスライド前進して、図6に示すように被係合部材30に係合することができる。これにより、ストッパ15は、荷受台8の上面と略同一面になり、荷受台8上のカートを支障なく地上に降ろすことができる。
【0026】
つぎに、地上の荷物を荷箱2の荷台3上に積み込む場合には、操作レバー56を荷受台8の基部側から先部側に向かって足で蹴るなどして、該操作レバー56を起立揺動させる。すると、操作レバー56は、案内溝60の傾斜カム面60cに沿って移動し、これにより係合部材31はロック位置からロック解除位置に後退してその位置に保持される。これによりストッパ15は捩りばね23の弾発力によりふたたび突出位置に保持される。
【0027】
つぎに、地上の荷物をカートに載せて荷受台8上に走行移動させる。このとき、カートの前輪が、捩りばね23の弾発力に抗してストッパ15を乗り越えると、ストッパ15は、ふたたび捩りばね23の弾発力により、起立位置まで上方に回動して、カートを荷受台8上に係止することができる。このため、作業者が誤ってカートから手を離しても、カートが地上に逆戻りすることが防止される。
【0028】
さらに荷受台8上のカートを荷箱2に向けて押して、その後輪がストッパ15を踏み越えると、ふたたびストッパ15が突出位置に保持される。その後、荷受台昇降装置Lの作動により荷受台8を荷台3と略面一になるまで上昇させ、カートを荷台3上に走行移動させることができる。このとき、カートの後輪は、ストッパ15の係止面15aに当接されているためカートが荷受台8から落下することが防止される。
【0029】
前述した積み降ろし作業が終了したら、操作レバー56を先部側から基部側に向かって足で蹴るなどして揺動させると、該操作レバー56はガイド溝60の傾斜カム面60cから第2溝部60bに移動し、作動棒48は第1,2の圧縮コイルばね40,54の附勢力により、係合部材31は後退位置(ロック解除位置)からスライドして前進位置(ロック位置)に保持される。この状態からストッパ15を踏みつけるなどして伏倒位置に回動すると、図6に示すように、被係合部材30は係合部材31に係合して、図4に実線で示すように、ストッパ15は格納位置に保持される。そして、ストッパ15の格納後は、荷受台昇降装置Lの格納作動により、荷受台8は、その基部荷受台8上に、先部荷受台8を折り畳んで、図1に鎖線で示すように荷箱2の床下に格納される。
【0030】
ところで、ストッパ15は、操作レバー56の揺動およびスライド操作で係合部材31を前進あるいは後退させて、被係合部材30に係脱させ、ストッパ15を格納位置に伏倒し、あるいは作動位置に突出させるものであるが、係合部材31と被係合部材30の相互間の多少の位置ずれ、その他の何らかの原因で、図9(b)に示すように、係合部材31は、被係合部材30に対して半ロック状態(半係合状態)になることがある。かかる場合に、前記従来のものでは、操作レバーは、自由な揺動およびスライド移動が許容される状態となるため、荷受台8の格納時には、操作レバーはその自重で下方に揺動し、その先端部が、荷受台8の
荷受面から突出して、前記【発明が解決しようとする課題】の項で述べた▲1▼あるいは▲2▼の不都合を生起するが、この実施例のものでは、操作レバー56は、係合部材31が被係合部材に対して半ロック状態にある場合に、第1の圧縮コイルばね40よりもばね力の大きい第2の圧縮コイルばね54の弾発力で一方向に附勢され、第2の溝60b内でロック側に弾発保持されるので、そのフリーな揺動およびそのスライド移動が抑止されて、荷受台8を格納しても操作レバー56がその自重で揺動、スライド移動することがなく、その先端部が、荷受台8に衝接して該荷受台を損傷することがない。
【0031】
なお、荷受台昇降装置の荷受台が起立格納式の場合には、操作レバー56の先端部が、荷箱に衝接して該荷箱を損傷することがない。
【0032】
つぎに、本発明の第2実施例について説明する。
【0033】
図10(a)は、本発明の第2実施例を示す、ストッパ装置の要部の断面図であり、図中、前記第1実施例と同じものには、同じ符号が付される。
【0034】
この第2実施例は、第2の附勢手段である、第2圧縮コイルばね54の取付位置が、前記第1実施例のものと相違しており、作動棒48の外端には、ばね座101が固定され、このばね座101と操作レバー56間に第2圧縮コイルばね54が縮設され、このばね54の弾発力は、係合部材31の位置に関係なく、操作レバー56を案内溝60の第2溝部60b側に附勢し、そのフリーな揺動、スライド移動を防止する。
【0035】
そして、この第2実施例のものも前記第1実施例のものと同じ作用効果を奏する。
【0036】
つぎに、本発明の第3実施例について説明する。
【0037】
図10(b)は、本発明の第3実施例を示す、ストッパ装置の要部の断面図であり、図中、前記第1実施例と同じものには、同じ符号が付される。
【0038】
この第3実施例は、第2の附勢手段である、第2圧縮コイルばね54の取付位置が、前記第1実施例のものと相違しており、作動棒48の外端には、ばね座201が固定され、このばね座201と操作レバー56と一体のレバースリーブ57間に第2圧縮コイルばね54が縮設され、このばね54の弾発力は、係合部材31は被係合部材に対して半ロック状態にある場合に、操作レバー56を案内溝60のロック側に附勢し、そのフリーな揺動、スライド移動を防止する。
【0039】
そして、この第3実施例のものも前記第1実施例のものと同じ作用効果を奏する。
【0040】
つぎに、本発明の第4実施例について説明する。
【0041】
図10(c)は、本発明の第4実施例を示す、ストッパ装置の要部の断面図であり、図中、前記第1実施例と同じものには、同じ符号が付される。
【0042】
この第4実施例は、第2の附勢手段である、第2圧縮コイルばね54の取付位置が、前記第1実施例のものと相違している。すなわち図10(C)に示すように、角筒部材31の外周には、外筒302が嵌合され、その前端は係合部材31の前端に係合される。係合部材31の中間部には、ばね座301が固定され、このばね座301と外筒302の後端間に、第2の附勢手段である第2圧縮コイルばね54が縮設される。この第2圧縮コイルばね54は、係合部材31を突出方向に附勢すると共に操作レバー56を第2溝部60bの係合させて、そのフリーな揺動、スライド移動を防止するので、前記第1〜3実施例と同じ作用効果を奏する。
【0043】
つぎに、本発明の第5実施例について説明する。
【0044】
図11(d)および(e)は、本発明の第5実施例を示す、図11(d)はストッパ装置の要部の断面図であり、図11(e)は、図11(d)のe−e線に沿う断面図であり、前記第1実施例と同じものには、同じ符号が付される。
【0045】
この第5実施例は、第2の附勢手段54として、捩りばねを用いた場合であり、作動棒48の中間部に巻装した、第2の附勢手段としての捩りばね54の一方の端部はベース36に係合され、またその他方の端部は操作レバー56と一体のスリーブ50の一端に係合される。捩りばね54の弾発力は、スリーブ50を介して操作レバー56をガイド溝60の第2溝60b側に附勢して、そのフリー揺動、スライド移動を防止するので、前記第1〜第4実施例と同じ作用効果を奏する。
【0046】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。
【0047】
たとえば、荷受台昇降装置の荷受台は、床下格納式のものについて説明したが、荷受台は、起立格納式、垂直昇降式、その他の型式のものでもよい。また、第2の附勢手段の取付位置は、前記第1〜第4実施例のほか、その機能を逸脱しない範囲で何処に取付けてもよく、また第1,2の附勢手段は、圧縮コイルばね、捩りばねのほか、従来公知の同効のものの使用が可能である。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明によれば、車両における荷受台昇降装置において、荷受台側の係合部材が、ストッパ側の被係合部材と半ロック状態となることがあっても、該係合部材を操作する操作部材が、フリーに揺動するのを規制して、荷受台の格納時に、操作部材の先端部が、荷箱や荷受台に衝接することがないようにして、該荷箱や荷受台の損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置を備えた貨物自動車の後部側面図(第1実施例)
【図2】図1の2矢視平面図
【図3】図2の3矢視仮想線囲い部分の一部破断拡大図
【図4】図3の4−4線に沿う断面図
【図5】図2の5矢視仮想線囲い部分の一部破断拡大図
【図6】図5の6−6線に沿う断面図
【図7】図5の7−7線に沿う断面図
【図8】図6の8−8線に沿う断面図
【図9】ストッパ装置の作用を示す断面図
【図10】ストッパ装置の要部の断面図(第2、第3、第4実施例)
【図11】ストッパ装置の要部の断面図およびそのe−e線に沿う断面図(第5実施例)
【図12】従来のストッパ装置のロック状態およびロック解除状態を示す断面図
【図13】従来のストッパ装置の半ロック状態を示す断面図
【符号の説明】
1・・・・・・・・・車体
2・・・・・・・・・荷箱
3・・・・・・・・・荷台
8・・・・・・・・・荷受台
15・・・・・・・・ストッパ
21・・・・・・・・附勢手段(ばね手段)
24・・・・・・・・摩擦パッド
30・・・・・・・・被係合部材
31・・・・・・・・係合部材
40・・・・・・・・第1の附勢手段(第1圧縮コイルばね)
54・・・・・・・・第2の附勢手段(第2圧縮コイルばね)
56・・・・・・・・操作部材(操作レバー)
60・・・・・・・・ガイド手段(ガイド溝)
LO・・・・・・・・ロック手段
Claims (1)
- 荷箱(2)を搭載した車体(1)に、昇降機構を介して荷受台(8)を昇降可能に設け、該荷受台(8)は、水平状態で荷箱(2)の荷台(3)と地上間で昇降作動され、
また前記荷受台(8)は折り畳まれて荷箱(2)の床下に格納、あるいは荷箱(2)に沿って起立格納されるようにした、車両の荷受台昇降装置において、
前記荷受台(8)は、その荷受面と略面一な格納位置と、その荷受面より突出する突出位置とに保持され、かつ附勢手段(21)により突出位置に附勢されるストッパ(15)および前記ストッパ(15)を格納位置にロック、あるいはロック解除するロック手段(LO)を備え、
前記ロック手段(LO)は、前記ストッパ(15)側に設けられる被係合部材(30)と、前記荷受台(8)側に設けられて前記被係合部材(30)に係脱し得るように、ロック側とロック解除側にスライド作動し得る係合部材(31)と、前記係合部(31)をロック側に附勢する第1の附勢手段(40)と、前記荷受台(8)に揺動可能に軸支されて前記係合部材(31)に連動される操作部材(56)と、該操作部材(56)の揺動操作に関連して前記係合部材(31)をスライド作動するガイド手段(60)と、前記操作部材(56)をロック側に附勢し、前記第1の附勢手段(40)よりも附勢力の大きい第2の附勢手段(54)とを含み、
前記第2の附勢手段(54)は、係合部材(31)が被係合部材(30)に対して半ロック状態となったときに、前記操作部材(56)をロック側に附勢してそのフリーな揺動およびスライド移動を規制し、荷受台(8)の格納時に、該操作部材(56)の先端部が荷受台(8)の荷受面から突出するのを防止するようにしたことを特徴とする、車両の荷受台昇降装置におけるストッパ装置。
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