JP4069443B2 - アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む金属表面のスケール洗浄剤及びそれを用いたアルミニウムまたはアルミニウム合金を含む金属表面のスケール洗浄方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キレート剤系洗浄剤でアルミニウム等の金属を使用した装置、機器等を洗浄する際に金属表面の腐食を抑制し、スケール洗浄に十分な時間をかけることができ、優れた洗浄効果を発揮する金属表面の洗浄剤及びそれを用いた金属表面の洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水系、ガス系において、スケールの付着による効率回復、または定期的な母材の点検を目的にスケール洗浄を行う。スケール種は、水系では炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ガス系では硫酸カルシウムなどのカルシウム系スケールである。
これらのスケールを除去するため、一般には塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などの無機酸やクエン酸、蓚酸、リンゴ酸、グルコン酸などの有機酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA),ニトリロ三酢酸(NTA),ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA),ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸(HEDTA),ヒドロキシエチレンジホスホン酸(HEDP)などのキレート剤などの洗浄剤を含む洗浄液が用いられる。
洗浄対象とする金属製の装置や機器(以下、被洗浄物という)の構造は複雑化、小型化され、かつ被洗浄物を構成する材料は鋼材、銅、アルミニウム、種々の合金などの複数の材料を用いた複雑な構成が多くなってきている。特に、構成材料にアルミニウム材が含まれる被洗浄物を洗浄する場合、無機酸、有機酸およびキレート剤には有効な防食剤がないため、洗浄剤として適用するケースはほとんどなかった。ただし、キレート剤系はアルミニウム材に対する腐食速度が無機酸、有機酸ほど速くないので、洗浄時間を短くして(スケールの洗浄効果は不十分であるが)適用しているケースがまれにある。
【0003】
従来、洗浄剤に関して次の提案がなされている。
(1)アルカリ(NaOH,KOH,Na2CO3)と防食剤としてケイ酸塩とを含む、pH10〜14のアルミニウム金属表面の洗浄剤(例えば、特許文献1参照。)。
(2)アルミニウム合金部材の陰極電解処理に先だって、ケイ酸ソーダ、ホウ酸ソーダ及び炭酸ソーダから選ばれる少なくとも1種と、必要に応じて8g/L以下のリン酸ソーダからなるアルカリビルダーの水溶液にてアルミニウム合金部材を洗浄する電解前処理方法(例えば、特許文献2参照。)。
(3)(A)アミノ酸型キレート剤、(B)グルコン酸塩、(C)アルカリビルダー及び(D)陰イオン性界面活性剤および/または非イオン性界面活性剤を含む鋼板の表面清浄剤組成物(例えば、特許文献3参照。)。
(4)ナトリウムイオン、カリウムイオンおよびルビジウムイオンからなる陽イオン群から選ばれる陽イオンと、水酸イオン、炭酸イオンおよびシュウ酸イオンからなる陰イオン群から選ばれる陰イオンとが組み合わされた塩を主成分とする洗浄剤(例えば、特許文献4参照。)。
(5)スルファミン酸10〜80質量%、炭酸ナトリウム5〜50質量%、結合剤0.1〜20質量%、酸性溶液に可溶な滑沢剤0.01〜10質量%を主成分として含有すると共に、スルファミン酸と炭酸ナトリウムとの質量比を1:1〜10:1の間に設定した錠剤型スケール洗浄剤(例えば、特許文献5参照。)。
(6)脂肪分解酵素と非イオン系界面活性剤とを含有する金属材料用の水溶性洗浄剤であり、必要に応じて炭酸塩等のpHを6.5〜10に調整できる緩衝剤およびキレート剤が添加される洗浄剤(例えば、特許文献6参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特公昭63−21754号公報
【特許文献2】
特開平8−269757号公報
【特許文献3】
特開平11−158492号公報
【特許文献4】
特開平11−92789号公報
【特許文献5】
特開平5−50095号公報
【特許文献6】
特開平8−188893号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
アルミニウムまたはアルミニウム合金は、酸やアルカリには本質的に耐食性のない材料であり、その表面を洗浄する場合には、前述した従来技術(1)及び(2)のように、アルカリ性洗浄液にケイ酸塩などの防食剤を添加した洗浄液が用いられている。一方、アルミニウム材の表面に付着したカルシウム系スケールは、このようなアルカリ系洗浄剤では除去することはできず、酸系またはキレート剤系を適用するのが一般的である。
しかしながら、アルミニウム材洗浄用の酸系またはキレート剤を含む洗浄剤に添加する最適な防食剤がないため、アルミニウム材の表面に付着したカルシウム系スケールの洗浄は困難であった。キレート剤系洗浄剤を使用する場合スケールの溶解に時間を要するので、アルミニウムに対する腐食性をできるだけ小さくすることが課題である。キレート剤系洗浄剤は一般にアルカリ性であるが、前述した従来技術(1)及び(2)において防食剤として用いられているケイ酸塩(オルトケイ酸、メタケイ酸、二ケイ酸、四ケイ酸のナトリウム、カリウム塩)は、キレート剤系洗浄剤に溶解しない。つまり、前記ケイ酸塩は水には溶けるが、キレート剤系洗浄剤と混合するとケイ酸塩が析出、白濁し、沈殿してしまう。したがって、ケイ酸塩はアルミニウムの防食剤として有効かもしれないが、キレート剤系洗浄剤を使用する場合の防食剤としては実用性がない。
このように従来は、アルミニウム材の腐食を抑えながら、表面のカルシウム系スケール等を効果的に洗浄するための洗浄液は提供されておらず、洗浄剤を使用する場合、アルミニウム材を傷めない程度の短い洗浄時間で実施するか、または物理的方法(たとえばブラスト洗浄、高圧水洗浄など)で洗浄しているのが現状である。従って、残存スケールがあったり、死角部分はそのままスケールが残っていたりして本来の性能復帰まで至らないまま装置あるいは機器を再使用している場合が多い。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、アルミニウム等の金属表面を効果的に洗浄できるとともに腐食を減少できる金属表面の洗浄剤及びそれを用いた金属表面の洗浄方法の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、メチルグリシン二酢酸又はその塩からなるキレート剤1質量部に対して、防食剤として炭酸塩4〜10質量部を含むことを特徴とするアルミニウムまたはアルミニウム合金を含む金属表面のスケール洗浄剤を提供する。
本発明のスケール洗浄剤において、溶液のpHが6.0以上であることが好ましい。
本発明のスケール洗浄剤において、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤からなる群から選択される1種又は2種以上の界面活性剤を含有させてもよい。
また本発明は、前記スケール洗浄剤でアルミニウムまたはアルミニウム合金を含む金属表面のスケールを洗浄することを特徴とするアルミニウムまたはアルミニウム合金を含む金属表面のスケール洗浄方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の金属表面の洗浄剤は、メチルグリシン二酢酸又はその塩からなるキレート剤1質量部に対して、防食剤として炭酸塩4〜10質量部を含むことを特徴としている。
この洗浄剤の剤形は限定されず、使用者が使用時に水に溶かして所定濃度の洗浄液を調製するための粉末状、顆粒状、成形錠剤などの固体状としてもよいし、予め水に溶かしてそのまま或いは希釈して用いることができる液状としてもよい。以下の説明において、洗浄剤は固体(粉末状、顆粒状、錠剤状等)および水に溶かした液状の何れの剤形をも含むものとし、洗浄液と記する場合もある。
【0010】
本発明の洗浄剤において防食剤として用いる炭酸塩は、炭酸または重炭酸のアルカリ金属塩が好ましく、特に炭酸または重炭酸のナトリウム塩またはカリウム塩、例えば炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムからなる群から選択される1種または2種以上が好ましい。これらの炭酸塩は水に対する溶解性が良く、従来は洗浄剤成分として配合される場合はあったが、これらの炭酸塩をキレート剤系洗浄剤に配合することで、洗浄剤のアルミニウム材に対する腐食を減少させる作用があることは知られておらず、本発明により見出された。
【0011】
本発明の洗浄剤において、キレート剤に対する炭酸塩の配合比率は、キレート剤1質量部に対して炭酸塩4〜10質量部程度とする。炭酸塩の配合比率が前記範囲未満であると、該洗浄剤を用いてアルミニウム材の表面を洗浄する際に、アルミニウム材表面の腐食抑制効果が十分に得られなくなる。一方、炭酸塩の配合比率が前記範囲を越えると、アルミニウム材に対する腐食は減少するものの、洗浄液中の炭酸塩濃度が高まってpH調整が困難となる、洗浄後の濯ぎに手間がかかるなどの問題が生じる。
【0012】
本発明の洗浄剤において、溶液(洗浄液)のpHは6.0以上であることが好ましい。洗浄液のpHが6.0未満であると、金属表面のカルシウム系スケールなどの汚染物質に対する洗浄能力が低下する。一方、pHが極端に高いと、それによってアルミニウム材が腐食されるおそれがあるため、pHの上限は12以下とするのが好ましい。洗浄液のpHを調整するために、適当な無機酸や水酸化アルカリを添加することが望ましい。またクエン酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩などの緩衝剤を添加してもよい。
【0013】
本発明の洗浄剤によって洗浄する被洗浄物はアルミニウムからなる表面を有する装置、機器等が挙げられる。本発明の洗浄剤はアルミニウム材の腐食を抑制しつつ、カルシウム系スケール等の汚染物質の洗浄効果が得られるために、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む金属表面の洗浄用に用いられる。
【0014】
本発明の洗浄剤には、前記キレート剤と炭酸塩の他に、pH調整剤(酸、アルカリ剤)、緩衝剤(クエン酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩等)、界面活性剤などを添加することができる。
pH調整剤としては塩酸、硫酸、ホウ酸、リン酸などの無機酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸などの有機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリが好適に用いられる。
緩衝剤としては、溶液のpHを6.0以上に維持できればよく、例えば水溶液のpHが6.0以上のクエン酸、リン酸またはホウ酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤からなる群から選択される1種又は2種以上の界面活性剤を用いることが好ましい。界面活性剤の添加により、カルシウム系スケールの除去能力がさらに向上する。好適なノニオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミドなどを挙げることができる。好適なアニオン性界面活性剤としては脂肪酸モノカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、硫酸アルキル塩、スルホコハク酸ジアルキルエステルなどを挙げることができる。界面活性剤の添加量は、キレート剤1質量部に対し、0〜5質量部、好ましくは0〜1質量部程度とするのが好ましい。
【0015】
また本発明の金属表面の洗浄方法は、メチルグリシン二酢酸又はその塩からなるキレート剤1質量部に対して、防食剤として炭酸塩4〜10質量部を含む本発明に係る洗浄剤(洗浄液)で金属表面を洗浄することを特徴とする。
本発明の方法で用いる洗浄液は通常、水溶液の形態で用いられるが、必要に応じてアルコール、アセトンなどの有機溶媒を混入した溶液とすることもできる。洗浄液が水溶液である場合、洗浄液中のキレート剤の濃度は1〜30質量%程度、好ましくは1〜20質量%程度とされる。
【0016】
この洗浄液を用いた被洗浄物の洗浄工程は、例えば被洗浄物の槽内を洗浄する場合、槽内に洗浄液を満たし、必要に応じて撹拌したり、超音波を照射しながら一定時間放置したり、あるいは流路内を洗浄する場合には、洗浄液を流路内に一定時間循環させながら、流路内壁の洗浄を行う方法が採用される。
この洗浄工程の処理時間は、通常1〜100時間程度、好ましくは1〜24時間程度とするのが好ましい。
また、この洗浄工程の洗浄液温は10〜70℃、好ましくは20〜60℃程度とするのが好ましい。
【0017】
この洗浄工程は、通常1回で行われるが、洗浄液を交換しながら短時間の処理を複数回繰り返し行っても良い。
洗浄工程の終了後、被洗浄物から剥落したスケール等の汚染物質を含む洗浄液を抜き出し、廃棄する。その後、高圧水洗浄などを行って被洗浄物を水洗して濯ぎ、スケール等の汚染物質を水流で排出すると共に、被洗浄物内の洗浄液を流し去る。濯ぎ終了後、被洗浄物は必要に応じて乾燥される。
【0018】
本発明の洗浄剤は、メチルグリシン二酢酸又はその塩からなるキレート剤1質量部に対して、防食剤として炭酸塩4〜10質量部を含むものなので、カルシウム系スケール等の汚染物質に対して十分な洗浄効果を有すると同時に金属表面、特にアルミニウム材の表面に対する腐食を減少させることができる。したがって、本発明によれば、アルミニウム等の金属表面の腐食が少なくなり、洗浄に十分な時間をかけることができ、スケール等の汚染物質に対して優れた洗浄効果を発揮する金属表面の洗浄剤及びそれを用いた金属表面の洗浄方法を提供することができる。
以下、実施例によって本発明の効果を明確にする。
【0019】
【実施例】
(実施例1:アルミニウムの腐食試験)
腐食試験に供した洗浄液No.1〜18の組成を表1に示す。
洗浄液No.13,14,16及び17は、メチルグリシン二酢酸又はその塩からなるキレート剤1質量部に対して、防食剤として炭酸塩4〜10質量部を含む本発明に係る実施例である。洗浄液No.1は精製水のみの比較例であり、洗浄液No.2〜8および15は、キレート剤を含むが炭酸塩を含まない比較例である。また洗浄剤No.9〜12および18は、キレート剤1質量部に対し炭酸塩を4質量部未満の量で含む比較例である。なお、表1中、EDTA4−Naはエチレンジアミン四酢酸4ナトリウム、NTA−3Naはニトリロ三酢酸3ナトリウム、HEDTA−3Naはヒドロキシエチレンジアミン三酢酸3ナトリウム、GDA−Naはグルタミン酸二酢酸ナトリウム、MGDA−3Naはメチルグリシン二酢酸3ナトリウム、ADA−4Naはアスパラギン酸二酢酸4ナトリウム、HEDP−Kはヒドロキシエチレンジホスホン酸カリウム、炭酸Naは炭酸ナトリウム、重炭酸Naは炭酸水素ナトリウム、炭酸Kは炭酸カリウム、重炭酸Kは炭酸水素カリウムを表す。
洗浄液No.2〜18のpHは、1N硫酸と1N水酸化ナトリウムを用いて、すべてpH10になるように調整した。洗浄液No.1はpH調整していない。
アルミニウム板(Al:99.85%以上)のテストピースを用い、以下の方法で腐食試験を行った。
60℃の恒温水中に冷却管付きフラスコに各洗浄液500mLを入れ、テストピース(表面積:31.0cm2)を1枚吊るし、30rpmでスターラー撹拌しながら、5時間処理した。処理前後のテストピースの重量差から、各洗浄液のアルミニウム腐食量を求めた。その結果を表2にまとめて記す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
表2の結果から、メチルグリシン二酢酸又はその塩からなるキレート剤1質量部に対して、防食剤として炭酸塩4〜10質量部を含む本発明に係る実施例(No.13,14,16及び17)の洗浄液は、キレート剤のみを添加した比較例(No.2〜8および15)に比べて、アルミニウム腐食量が低かった。またキレート剤1質量部に対して炭酸塩を4質量部未満配合したNo.9〜12および18の比較例と、発明に係る実施例(No.13,14,16及び17)とを比べた結果、炭酸塩はキレート剤1質量部に対し4質量部以上添加するのが好ましいことがわかる。メチルグリシン二酢酸又はその塩からなるキレート剤1質量部に対して炭酸塩を4質量部以上添加したNo.13,14,16および17の各洗浄液は、顕著に低いアルミニウム腐食性を示した。
【0023】
(実施例2:硫酸カルシウムの溶解試験)
表1に記したものと同じ洗浄液のうち表3に記した各洗浄液を用い、硫酸カルシウムの溶解能力を比較した。なお、No.13の洗浄液については、1N硫酸と1N水酸化ナトリウムを用いて、同一の組成でpHの異なる(pH5,6および11)洗浄液(それぞれ表3において13*で表す)を作製し、試験に供した。
洗浄液100mLを100mLビーカーに採り、硫酸カルシウム(試薬特級)5.0gを入れ、マグネチックスターラーで撹拌した(室温)。5時間後、洗浄液を濾過し、濾液中のカルシウム濃度を原子吸光硬度計により測定した。結果を表3にまとめて記す。
【0024】
【表3】
【0025】
表3の結果から、キレート剤の配合量を増加するに従って硫酸カルシウム溶解量が増加した。またNo.13の洗浄液について、同一の洗浄液組成でpHを変えた洗浄液での比較の結果、pH6以上とすることで、それ以下のpH(pH5)の場合と比べて硫酸カルシウム溶解量が急増すること、すなわち洗浄能力が増加することが確認された。
【0026】
【発明の効果】
本発明の洗浄剤は、キレート剤に防食剤として炭酸塩を添加したことによって、カルシウム系スケール等の汚染物質に対して十分な洗浄効果を有すると同時にアルミニウム材の表面に対する腐食を減少させることができる。したがって、本発明によれば、アルミニウム表面の腐食が少なくなり、洗浄に十分な時間をかけることができ、スケール等の汚染物質に対して優れた洗浄効果を発揮するアルミニウムまたはアルミニウム合金を含む金属表面の洗浄剤及びそれを用いたアルミニウムまたはアルミニウム合金を含む金属表面の洗浄方法を提供することができる。
Claims (4)
- メチルグリシン二酢酸又はその塩からなるキレート剤1質量部に対して、防食剤として炭酸塩4〜10質量部を含むことを特徴とするアルミニウムまたはアルミニウム合金を含む金属表面のスケール洗浄剤。
- 溶液のpHが6.0以上である請求項1記載のアルミニウムまたはアルミニウム合金を含む金属表面のスケール洗浄剤。
- ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤からなる群から選択される1種又は2種以上の界面活性剤を含有する請求項1又は2に記載のアルミニウムまたはアルミニウム合金を含む金属表面のスケール洗浄剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のスケール洗浄剤でアルミニウムまたはアルミニウム合金を含む金属表面のスケールを洗浄することを特徴とするアルミニウムまたはアルミニウム合金を含む金属表面のスケール洗浄方法。
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