JP4693443B2 - 臭気が低減された硬質金属箔の製造方法 - Google Patents

臭気が低減された硬質金属箔の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、臭気が低減された硬質金属箔の製造方法に関する。
従来から、アルミニウム箔を容器状にプレス成形してなる食品用容器が多数、提供されている。このような食品用容器は、例えば、特許文献1に示したように、アルミニウム箔を複数枚、重ね合わせて積層シートを形成し、この積層シートからブランクを打ち抜き、このブランクを容器形状にプレス成形することによって製造されている。一方、アルミニウム箔は、その製造工程において、圧延箔の表面に圧延油を塗布し、圧延箔と圧延ロールとの間の摩擦を低減させている。
しかしながら、上述のように、アルミニウム箔の製造工程において圧延油を使用していることから、得られるアルミニウム箔の表面には圧延油が僅かながら残存しており、このようなアルミニウム箔を食品用容器に用いると、臭気に敏感な者は、圧延油の臭気が気になることがあるといった問題点があった。
特開昭50−80258号公報
本発明は、臭気が低減されており、食品用容器の原材料として好適に用いることができる硬質金属箔の製造方法を提供する。
本発明の臭気が低減された硬質金属箔の製造方法は、表面に圧延油が残存し且つJIS H0001に規定されているように最終焼なましのない長尺状の硬質金属箔の少なくとも一面に、脂肪酸グリセリドを溶媒に溶解させてなり且つ脂肪酸グリセリドを0.01〜1.0重量%含有する洗浄溶液を1〜10g/m2となるように塗布した後、硬質金属箔を加熱して上記溶媒を蒸発、除去した上で巻取り軸に連続的に巻き取ることを特徴とする。
先ず、本発明で用いられる長尺状の硬質金属箔は、汎用の方法を用いて製造されたものが用いられるが、JIS H0001に規定されているように「最終焼なましのないもの」であり、具体的には、鋳塊に含有される元素成分の偏析を極力小さくするために鋳塊を均一に加熱する均質化処理を行い、この均質化処理が施された鋳塊に熱間圧延処理及び冷間圧延処理を順次、施して、長尺状の金属箔とされたものであり、上記圧延処理にあたって、鋳塊に圧延処理を施して得られる圧延箔の表面には、この圧延箔と圧延ロールとの間の摩擦抵抗を低減させる目的で圧延油が供給される。なお、冷間圧延の途中で中間焼鈍を施してもよい。
上記金属箔としては、特に限定されず、例えば、アルミニウム箔、ステンレス箔、銅箔などが挙げられ、アルミニウム箔が好ましく、Al純度が95重量%以上であるアルミニウム箔がより好ましい。
上記圧延油は、圧延処理中に圧延箔に加えられる熱によって蒸発、除去されるものの、完全に除去されるものではなく、得られる硬質金属箔の表面には僅かながら圧延油が残存している。
そして、本発明では、上述の硬質金属箔の表面に残存した圧延油を除去或いは包み込んで圧延油に起因した臭気を除去するために、硬質金属箔の少なくとも一面に、好ましくは両面に、脂肪酸グリセリドを溶媒に溶解させてなる洗浄溶液を塗布する。
なお、硬質金属箔の少なくとも一面に洗浄溶液を塗布する方法としては、汎用の方法が用いられ、例えば、オフセットグラビアコーター、グラビアリバースコーター、コンマコーターなどのグラビアコーター、キスロールコーター、ボトムリバースコーター、バーコーター、スプレーコーターなどを用いて塗布する方法が挙げられる。
上記脂肪酸グリセリドとしては、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセリド、脂肪酸モノグリセリドの何れであってもよいが、脂肪酸トリグリセリドが好ましく、式1で示される脂肪酸グリセリドがより好ましい。
Figure 0004693443
(但し、R1 ,R2 ,R3 は、ヘプチル基又はノニル基である。)
そして、式1で示される構造式を有する脂肪酸トリグリセリドのR1 ,R2 ,R3 は、ヘプチル基又はノニル基であることから、式1で示される脂肪酸トリグリセリドは、R1 ,R2 ,R3 におけるヘプチル基とノニル基との組合せによって、複数種類の構造式を持った脂肪酸トリグリセリドの混合物となっている。
更に、式1で示される構造式を有する脂肪酸トリグリセリドのR1 〜R3 の総量中、80〜90モル%がヘプチル基で且つ10〜20モル%がノニル基であることが好ましい。これは、ヘプチル基又はノニル基のモル%が上記範囲外となると、硬質金属箔の臭気の低減効果が低下する虞れがあるからである。
洗浄溶液中における脂肪酸グリセリドの含有量は、少ないと、圧延油に起因した臭気の除去効果が発現しない一方、多いと、巻き取られた硬質金属箔を巻き出す際に内外方向に隣接する硬質金属箔同士が密着してしまい互いに剥離しにくくなるので、0.01〜1.0重量%に限定される。
そして、脂肪酸グリセリドを溶解させる溶媒としては、脂肪酸グリセリドを溶解させることができれば、特に限定されないが、圧延油或いは圧延油の一部を溶解させることができ、硬質金属箔の表面に洗浄溶液を塗布した後の加熱によって圧延油の蒸発を助長できる点で、酢酸エチル、アセトン、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ノルマルパラフィン、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びブタノールからなる群から選ばれた一種又は二種以上の溶媒が好ましい。なお、溶媒は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
なお、上記洗浄溶液中には、オリーブ油、コーン油、ごま油、大豆油、なたね油、パーム油、ひまわり油、落花生油などを添加してもよい。
又、硬質金属箔の少なくとも一面に塗布する洗浄溶液の量は、少ないと、硬質金属箔に残存する圧延油の除去が不充分となり、得られる硬質金属箔の臭気が低減されない虞れがある一方、多いと、硬質金属箔の表面の脂肪酸グリセリドが多くなり、巻取り軸に巻き取った硬質金属箔同士がひっついて互いに剥離し難くなるので、1〜10g/m2 に限定される。
又、硬質金属箔の少なくとも一面に洗浄溶液を塗布する前に、硬質金属箔の表面に残存する圧延油を下記に示す低減化前処理を施すことによって低減させておくことが好ましい。このような低減化前処理としては、例えば、(1)硬質金属箔の表面をブラシで擦る方法、(2)硬質金属箔の表面に加圧空気を噴射し、この加圧空気によって硬質金属箔表面の圧延油を吹き飛ばす方法、(3)硬質金属箔の表面の圧延油を吸引除去するする方法、(4)圧延油を溶解し得る溶剤を硬質金属箔の表面に塗布し、圧延油を溶解させた溶剤を除去することによって、硬質金属箔の表面の圧延油を除去する方法が好ましい。なお、上記(4)の方法で用いられる溶剤としては、洗浄溶液の溶媒と同様のものが用いられるのでその説明を省略する。
次に、硬質金属箔の少なくとも一面に洗浄溶液を塗布した後に硬質金属箔を加熱し、洗浄溶液の溶媒を蒸発、除去する。この溶媒の蒸発に伴って、硬質金属箔の表面に残存した圧延油の蒸発も助長することができ、得られる硬質金属箔の表面に残存する圧延油量を低減して硬質金属箔の臭気を低減することができる。
そして、洗浄溶液の溶媒が蒸発した後の硬質金属箔の一面には脂肪酸グリセリドが均一に全面的に塗布された状態となっており、この脂肪酸グリセリドが、硬質金属箔の表面に残存した圧延油を包み込み、圧延油に起因する臭気を抑制することができる。
上記硬質金属箔の加熱温度は、低いと、溶媒が充分に蒸発せず、硬質金属箔表面に残存し、得られる硬質金属箔に溶媒に起因する臭気が発生することがある一方、高いと、硬質金属箔が軟化して硬質金属箔に皺が生じたり或いは亀裂が発生する虞れがあるので、80〜200℃が好ましい。
しかる後、硬質金属箔を巻取り軸に連続的に巻取った上で所定期間に亘って放置する。すると、硬質金属箔の少なくとも一面には脂肪酸グリセリドが全面的に塗布された状態となっていると共に、硬質金属箔同士が内外方向に互いに密着した状態となっているので、内外方向に互いに密着した硬質金属箔間において、一方の硬質金属箔の一面に塗布された脂肪酸グリセリドの一部が、他方の硬質金属箔の他面に転写され、双方の硬質金属箔の両面に脂肪酸グリセリドが全面的に塗布された状態となる。
なお、硬質金属箔の両面に洗浄溶液を塗布した場合には、硬質金属箔の両面に既に脂肪酸グリセリドが全面的に塗布された状態となっているが、上述のように、硬質金属箔同士を互いに密着させることによって、硬質金属箔の両面に脂肪酸グリセリン量を全面的に均等に塗布することができる。
このように、硬質金属箔の両面に塗布された脂肪酸グリセリドは、硬質金属箔の両面に僅かに残存した圧延油を包み込み、圧延油に起因した臭気が硬質金属箔から発生するのを概ね防止して、臭気の低減された硬質金属箔を得ることができる。
次に、臭気の低減された硬質金属箔を用いて食品用容器を製造する要領について説明する。先ず、臭気の低減された硬質金属箔を所定長さ毎に切断して、複数枚の硬質金属箔シートを作製する。次に、この硬質金属箔シートを複数枚、重ね合わせて積層シートとし、この積層シートから平面円形状のブランクを打ち抜く。
そして、上記ブランクを容器状にプレス成形することによって、複数個の食品用容器が重なり合った積層体を得ることができる。この積層体の食品用容器を使用するには、最上層にある食品用容器をこの食品用容器に隣接する食品用容器から剥離させる必要がある。
この際、食品用容器の両面には脂肪酸グリセリドが全面的に塗布された状態となっていることから、隣接する食品用容器同士を剥離する際の抵抗が低減されており、食品用容器を一個づつ円滑に剥離して使用することができる。
本発明の硬質金属箔の製造方法は、表面に圧延油が残存し且つJIS H0001に規定されているように最終焼なましのない長尺状の硬質金属箔の少なくとも一面に、脂肪酸グリセリドを溶媒に溶解させてなり且つ脂肪酸グリセリドを0.01〜1.0重量%含有する洗浄溶液を1〜10g/m2となるように塗布した後、硬質金属箔を加熱して上記溶媒を蒸発、除去した上で巻取り軸に連続的に巻き取ることを特徴とするので、洗浄溶液の溶媒の蒸発に伴って圧延油の蒸発、除去を助長し、硬質金属箔上に残存した圧延油の量を低減し、更に、硬質金属箔上に依然として残存した僅かな量の圧延油を脂肪酸グリセリドによって包み込んでおり、得られる硬質金属箔は、圧延油に起因した臭気を殆ど有することはなく、食品用途などにも好適に用いることができる。
そして、硬質金属箔の表面には脂肪酸グリセリドが塗布されており、従って、硬質金属箔を複数枚、重ね合わせた上で所望形状のブランクに打ち抜き、このブランクを例えば、食品用容器などの所定形状にプレス成形して、複数個の成形品を硬質金属箔の厚み方向に積層した状態に同時に成形した場合にあっても、成形品を一枚づつ簡単に分離させることができる。
又、上記硬質金属箔の製造方法において、脂肪酸グリセリドが上記式1で示される場合には、脂肪酸グリセリドによって圧延油を更に確実に包み込んで圧延油に起因した臭気を更に確実に低減することができる。
更に、上記硬質金属箔の製造方法において、式1に示した脂肪酸グリセリドにおけるR1 〜R3 の総量中、80〜90モル%がヘプチル基であり、10〜20モル%がノニル基である場合には、洗浄溶液の溶媒を蒸発、除去させた後に、硬質金属箔の表面に脂肪酸グリセリドを略均一に塗布した状態とすることができ、硬質金属箔の表面に残存した圧延油を包み込み、圧延油に起因した臭気をより確実に低減することができる。
(実施例1〜30、比較例1〜4)
酢酸エチル、トルエン、アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、イソプロピルアルコール(IPA)及び炭素数が10であるノルマルパラフィンを所定割合で混合して混合溶媒を作製し、この混合溶媒中に、上記式1に示した脂肪酸グリセリド(日本油脂社製 商品名「パナセート810」、R1 〜R3 の総量中、ヘプチル基が85モル%で且つノニル基が15モル%)を表1に示した重量%となるように溶解させて洗浄溶液を作製した。なお、混合溶媒を構成している各溶媒の洗浄溶液中における含有量を表1に示した。
次に、巻取り軸に巻回され且つ両面に製造時の圧延油が残存している、表1に示した材質からなる長尺状の硬質金属箔(厚み:11μm)を連続的に巻き出し、この硬質金属箔の一面(片面)全面に連続的に上記洗浄溶液を表1に示した塗布量でもってグラビアコーターを用いて塗布し、しかる後、硬質金属箔を100℃に加熱して、洗浄溶液の混合溶媒を蒸発、除去したところ、硬質金属箔の一面に脂肪酸グリセリドが全面的に塗布された状態となっていた。なお、表1に示した硬質アルミニウム箔において、括弧内の数値は、Al純度である。
続いて、上記長尺状の硬質金属箔を巻取り軸に連続的に円柱状に巻取り、3日間に亘って室温にて放置し、内外方向に隣接する硬質金属箔同士を互いに密着させた状態に保持して、内外方向に隣接する硬質金属箔間において、一方の硬質金属箔の一面に全面的に塗布された脂肪酸グリセリドの一部を、他方の硬質金属箔の他面に転写させた。この巻取り軸に巻回された、臭気が低減された硬質金属箔を巻き出したところ、硬質金属箔の両面には脂肪酸グリセリドが全面的に塗布されていた。
(実施例31〜39)
巻取り軸に巻回され且つ両面に製造時の圧延油が残存している、長尺状の硬質アルミニウム箔(厚み:11μm、Al純度:99.3重量%)を連続的に巻き出し、この硬質アルミニウム箔の一面に表2に示した溶剤をグラビアコーターを用いて塗布し、この溶剤に硬質金属箔の一面に残存した圧延油の一部を溶解させ、この圧延油を蒸発させることによって除去した。
一方、炭素数が10であるノルマルパラフィン中に、上記式1に示した脂肪酸グリセリド(日本油脂社製 商品名「パナセート810」、R1 〜R3 の総量中、ヘプチル基が85モル%で且つノニル基が15モル%)を0.1重量%となるように溶解させて洗浄溶液を作製した。
次に、硬質アルミニウム箔の一面(片面)全面に連続的に上記洗浄溶液を表2に示した塗布量でもってグラビアコーターを用いて塗布し、しかる後、硬質アルミニウム箔を100℃に加熱して、洗浄溶液の混合溶媒を蒸発、除去したところ、硬質アルミニウム箔の片面に脂肪酸グリセリドが全面的に塗布された状態となっていた。
続いて、上記長尺状の硬質アルミニウム箔を巻取り軸に連続的に円柱状に巻取り、3日間に亘って室温にて放置し、内外方向に隣接する硬質アルミニウム箔同士を互いに密着させた状態に保持して、内外方向に隣接する硬質金属箔間において、一方の硬質金属箔の一面に全面的に塗布された脂肪酸グリセリドの一部を、他方の硬質金属箔の他面に転写させた。この巻取り軸に巻回された、臭気が低減された硬質アルミニウム箔を巻き出したところ、硬質アルミニウム箔の両面には脂肪酸グリセリドが全面的に塗布されていた。
(実施例40)
巻取り軸に巻回され且つ両面に製造時の圧延油が残存している、長尺状の硬質アルミニウム箔(厚み:11μm、Al純度:99.3重量%)を連続的に巻き出し、この硬質アルミニウム箔の一面を真空吸引することによって、硬質アルミニウム箔の一面に残存する圧延油の一部を除去した。
一方、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)及びメチルイソブチルケトン(MIBK)を所定割合で混合して混合溶媒を作製し、この混合溶媒中に、上記式1に示した脂肪酸グリセリド(日本油脂社製 商品名「パナセート810」、R1 〜R3 の総量中、ヘプチル基が85モル%で且つノニル基が15モル%)を0.1重量%となるように溶解させて洗浄溶液を作製した。なお、混合溶媒を構成している各溶媒の洗浄溶液中における含有量を表3に示した。
次に、硬質アルミニウム箔の一面(片面)全面に連続的に上記洗浄溶液を3.2g/m2 の塗布量でもってグラビアコーターを用いて塗布し、しかる後、硬質アルミニウム箔を100℃に加熱して、洗浄溶液の混合溶媒を蒸発、除去したところ、硬質アルミニウム箔の片面に脂肪酸グリセリドが全面的に塗布された状態となっていた。
続いて、上記長尺状の硬質アルミニウム箔を巻取り軸に連続的に円柱状に巻取り、3日間に亘って室温にて放置し、内外方向に隣接する硬質アルミニウム箔同士を互いに密着させた状態に保持して、内外方向に隣接する硬質金属箔間において、一方の硬質金属箔の一面に全面的に塗布された脂肪酸グリセリドの一部を、他方の硬質金属箔の他面に転写させた。この巻取り軸に巻回された、臭気が低減された硬質アルミニウム箔を巻き出したところ、硬質アルミニウム箔の両面には脂肪酸グリセリドが全面的に塗布されていた。
(実施例41)
硬質アルミニウム箔の一面に洗浄溶液を塗布する前に、硬質アルミニウム箔の一面をブラシで擦ることによって、硬質アルミニウム箔の一面に残存する圧延油の一部を除去したこと以外は、実施例40と同様にして、臭気が低減された硬質アルミニウム箔を得た。
(実施例42)
硬質アルミニウム箔の一面に洗浄溶液を塗布する前に、硬質アルミニウム箔の一面に圧縮空気を噴射して、硬質アルミニウム箔の一面に残存した圧延油を吹き飛ばして、硬質アルミニウム箔の一面に残存する圧延油の一部を除去したこと以外は、実施例40と同様にして、臭気が低減された硬質アルミニウム箔を得た。
(実施例43)
硬質アルミニウム箔の一面に洗浄溶液を塗布する前に、硬質アルミニウム箔の一面を真空吸引し、硬質アルミニウム箔の一面に残存する圧延油の一部を吸引除去した後、更に、硬質アルミニウム箔の一面をブラシで擦ることによって、硬質アルミニウム箔の一面に残存する圧延油の一部を除去したこと以外は、実施例40と同様にして、臭気が低減された硬質アルミニウム箔を得た。
(比較例5)
硬質アルミニウム箔の一面に洗浄溶液を塗布しなかったこと以外は実施例31と同様にして、臭気が低減された硬質アルミニウム箔を得た。
(比較例6)
硬質アルミニウム箔の一面に洗浄溶液を塗布しなかったこと以外は実施例36と同様にして、臭気が低減された硬質アルミニウム箔を得た。
(比較例7)
硬質アルミニウム箔の一面に洗浄溶液を塗布しなかったこと以外は実施例40と同様にして、臭気が低減された硬質アルミニウム箔を得た。
(比較例8)
巻取り軸に巻回され且つ両面に製造時の圧延油が残存している、表1に示した材質からなる長尺状の硬質金属箔(厚み:11μm)を何らの処理を施すことなく用いた。
得られた硬質金属箔の臭気係数、静摩擦係数(ステンレス板対象、金属箔同士)及び剥がれ性を下記に示した要領で測定し、その結果を表4に示した。
(臭気係数)
硬質金属箔から一辺が100mmの平面正方形状の試験片を50枚、切り出した。しかる後、内容積が5リットルの臭気測定用袋(近江オドエアーサービス社製 商品名「臭気測定用袋フレックサンプラー」)中に50枚の試験片を入れた後に臭気測定用袋内に窒素ガス3リットルを圧入した上で臭気測定用袋を密封した。
上記臭気測定用袋を40℃にて1時間に亘って加熱した後、におい識別装置「島津製作所社製 商品名「FF−2A」)を用いて、JIS Z8402−4に準拠して、臭気測定用袋中のにおいの強さが0となる希釈率Mを求め、この希釈率Mから下記式2に基づいて臭気指数Yを得た。なお、臭気測定用袋内を希釈するにあたっては、窒素ガスを用いた。
臭気指数Y=10×logM ・・・式2
(静摩擦係数)
硬質金属箔とステンレス板との間の静摩擦係数tanθをJIS P8147-1994 に規定された「紙及び板紙の摩擦係数試験方法」に準拠して測定した。なお、表4においては、静摩擦係数における「ステンレス板対象」の欄に記載した。
又、硬質金属箔をステンレス板上に貼着した上で、硬質金属箔間の静摩擦係数tanθをJIS P8147-1994 に規定された「紙及び板紙の摩擦係数試験方法」に準拠して測定した。なお、表4においては、静摩擦係数における「金属箔同士」の欄に記載した。
(剥がれ性)
硬質金属箔を50枚、重ね合わせて積層シートを作製し、この積層シートから平面円形状のブランクを打ち抜き、このブランクをプレス成形し、50個の食品用容器が重なり合った積層体Aを得た(図1参照)。
そして、積層体から食品用容器を一つづつ剥がす際の剥がし易さを5人の者に試してもらい、下記基準に基づいて判断した。
◎・・・5人が食品用容器を剥がし易いと感じた。
○・・・3人又は4人が食品用容器を剥がし易いと感じた。
△・・・1人又は2人が食品用容器を剥がし易いと感じた。
×・・・全ての者が食品用容器を剥がしにくいと感じた。
Figure 0004693443
Figure 0004693443
Figure 0004693443
Figure 0004693443
実施例で得られた食品用容器の積層体を示した斜視図である。
符号の説明
A 積層体

Claims (4)

  1. 表面に圧延油が残存し且つJIS H0001に規定されているように最終焼なましのない長尺状の硬質金属箔の少なくとも一面に、脂肪酸グリセリドを溶媒に溶解させてなり且つ脂肪酸グリセリドを0.01〜1.0重量%含有する洗浄溶液を1〜10g/m2となるように塗布した後、硬質金属箔を加熱して上記溶媒を蒸発、除去した上で巻取り軸に連続的に巻き取ることを特徴とする臭気が低減された硬質金属箔の製造方法。
  2. 脂肪酸グリセリドが下記式1で示されることを特徴とする請求項1に記載の臭気が低減された硬質金属箔の製造方法。
    Figure 0004693443

    (但し、R1,R2,R3は、ヘプチル基又はノニル基である。)
  3. 式1に示した脂肪酸グリセリドにおけるR1〜R3の総量中、80〜90モル%がヘプチル基であり、10〜20モル%がノニル基であることを特徴とする請求項2に記載の臭気が低減された硬質金属箔の製造方法。
  4. 硬質金属箔がAl純度が95重量%以上の硬質アルミニウム箔であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の臭気が低減された硬質金属箔の製造方法。
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