JPH07305093A

JPH07305093A - 洗浄剤組成物

Info

Publication number: JPH07305093A
Application number: JP12318394A
Authority: JP
Inventors: Toshiichi Nabeshima; 敏一鍋島; Takeshi Kono; 武司河野; Hisami Sato; 久美佐藤
Original assignee: Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
Current assignee: DKS Co Ltd
Priority date: 1994-05-11
Filing date: 1994-05-11
Publication date: 1995-11-21

Abstract

(57)【要約】【目的】工業部品の深部に付着した汚染物質の洗浄性
及び洗浄剤自体の除去性に優れ、かつ発泡性の低い洗浄
剤組成物を提供すること。【構成】水酸化テトラアルキルアンモニウム、無機ア
ルカリビルダー、有機ビルダー、界面活性剤及び水から
なる工業部品洗浄用液体洗浄剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、工業部品、詳しくは、
金属，樹脂，硝子，セラミック等の部品に付着する加工
油，切粉等を洗浄する洗浄剤組成物に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の工業部品洗浄用洗浄剤として、例
えば、金属素材（鋼板、ステンレス等）の熱処理、表面
処理後の洗浄において、広く液体アルカリ洗浄剤が利用
されている。

【０００３】一方プラスチック、ガラス、セラミック部
品等の洗浄には水酸化第四級アンモニウム化合物を含有
した洗浄剤組成物が数多く提案されている。例えば、ハ
ロゲン化炭化水素、界面活性剤及び水酸化第四級アンモ
ニウム化合物からなる組成物（特開昭６０−１０６８９
６号公報）や非イオン界面活性剤、アルカノールアミン
及び水酸化第四級アンモニウム塩基を含有する洗浄剤組
成物（特開平５−２７１６９９号公報）である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のアルカリ液体洗浄剤にあっては、金属表面深
部に浸透した汚れは除去し難く、表面の濡れ性及び素材
の仕上がり性を良くすることには限界がある。又、素材
深部への洗浄性向上のためにフッ素系界面活性剤の併用
も行われているが、このフッ素系界面活性剤の添加にお
いては発泡性に懸念があり、又洗浄方式に制限があるこ
とも知られている。

【０００５】更に前記した特開昭６０−１０６８９６号
公報に記載された水酸化第四級アンモニウム化合物を用
いた洗浄剤組成物においては、溶剤としてハロゲン化炭
化水素を用いているため、オゾン層を破壊する原因物質
として利用に制限を受けるという問題点があり、また特
開平５−２７１６９９号公報に記載された洗浄剤組成物
においては、金属部品あるいはガラス部品の汚染物質の
洗浄性がまだ不充分である。

【０００６】本発明の目的は、工業部品の深部に付着し
た汚染物質の洗浄性（すなわち素材の濡れ性及び仕上が
り性）、洗浄剤の除去性に優れ、かつ発泡性の低い洗浄
剤組成物を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明は、このような
従来の問題点に着目してなされたものであって、水酸化
第四級アンモニウムを含んだ特定の組成物が前記問題点
を解決できることを見出し本発明に到達した。すなわ
ち、第一の発明として水酸化テトラアルキルアンモニウ
ム、無機アルカリビルダー、有機ビルダー、界面活性剤
及び水からなる工業部品洗浄用液体洗浄剤組成物であ
る。第二の発明として特定割合の前記洗浄剤組成物に更
に可溶化安定剤として特定量の芳香族スルホン酸あるい
はそのアルカリ金属塩を配合した工業部品洗浄用液体洗
浄剤組成物であり、すなわち、水酸化テトラアルキルア
ンモニウムが０．１〜１０重量％、無機アルカリビルダ
ーが１〜１５重量％、有機ビルダーが１〜１５重量％、
界面活性剤が０．５〜３０重量％、芳香族スルホン酸あ
るいはそのアルカリ金属塩が１〜３０重量％及び残部が
水からなる工業部品洗浄用液体洗浄剤組成物である。

【０００８】（手段を構成する要件）本発明に使用する
水酸化テトラアルキルアンモニウムは下記一般式（１）
で表されるものであり、具体的にはテトラメチルアンモ
ニウムハイドロオキサイド（ＴＭＡＨ）、テトラエチル
アンモニウムハイドロオキサイド又はテトラブチルアン
モニウムハイドロオキサイド等が挙げられる。

【０００９】

【化１】

【００１０】これらの水酸化テトラアルキルアンモニウ
ム化合物は、例えば第三級アミンにヨウ化アルキルを付
加して生成した第四級アンモニウム塩を酸化銀で処理す
る方法や、前記ＴＭＡＨにおいては、塩化テトラメチル
アンモニウムのメタノール溶液に水酸化カリウムを反応
させるという方法等によって得られたものが使用でき
る。

【００１１】本発明に使用する無機アルカリビルダーは
カセイアルカリ（ＮａＯＨ、ＫＯＨ）、ケイ酸塩類（オ
ルソケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等）、リ
ン酸塩類（第三リン酸ナトリウム），炭酸塩類（炭酸ナ
トリウム）又は硫酸塩類（硫酸ナトリウム）等が挙げら
れる。

【００１２】本発明に使用する有機ビルダーはグルコン
酸、クエン酸、リンゴ酸、グリコール酸等のオキシカル
ボン酸あるいはその塩類又はエチレンジアミン四酢酸
（ＥＤＴＡ）、ニトリロ三酢酸（ＮＴＡ）等のアミノポ
リカルボン酸あるいはその塩類が挙げられる。

【００１３】本発明に使用する界面活性剤は、炭素数８
〜２２の飽和あるいは不飽和アルキル基から構成された
アルキルカルボキシベタイン型、アルキルアミノカルボ
ン酸型あるいはアルキルイミダゾリン型に代表される両
性界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテルあるいはポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテルのリン酸エステル塩等の
アニオン界面活性剤又はポリオキシアルキレンフェニル
エーテルあるいはポリオキシアルキレンアルキルエーテ
ル等の非イオン界面活性剤等が挙げられる。

【００１４】本発明の洗浄剤組成物の前記各構成成分の
配合割合について、水酸化テトラアルキルアンモニウム
は０．１〜１０重量％が好ましく、更に好ましくは０．
２〜５重量％であり、０．１重量％未満では洗浄力が劣
る傾向にあり、１０重量％を越えると被洗浄素材の仕上
がり性に劣るようになるのと同時に本発明の洗浄剤組成
物の水溶液の分離が生じる。無機アルカリビルダーは１
〜１５重量％が好ましく、更に好ましくは２〜１０重量
％であり、１重量％未満では洗浄力に劣る傾向にあり、
１５重量％を越えると洗浄剤除去性に劣るようになるの
と同時に本発明の洗浄剤組成物の水溶液の分離が生じ
る。有機ビルダーは１〜１５重量％が好ましく、更に好
ましくは２〜１０重量％であり、１重量％未満では洗浄
力に劣るようになり、１５重量％を越えると被洗浄素材
の仕上がり性に劣るようになるのと同時に本発明洗浄剤
組成物の水溶液の分離が生じる。界面活性剤は０．５〜
３０重量％が好ましく、更に好ましくは１〜１０重量％
であり、０．５重量％未満では洗浄力に劣る傾向にあ
り、３０重量％を越えると洗浄剤除去性に劣るようにな
る。

【００１５】上記成分すなわち水酸化テトラアルキルア
ンモニウム、無機アルカリビルダー、有機ビルダー、界
面活性剤と水からなる洗浄剤組成物では、均一な水溶液
は得られず、液の分離が生じる。本発明の均一な洗浄剤
組成物の水溶液を得るためには可溶化安定剤の配合が必
要であり、更にその可溶化安定剤の配合量が特定量であ
ることと、前記洗浄剤組成物の成分が特定割合となって
いることが必要である。

【００１６】可溶化安定剤としては例えば、トルエンス
ルホン酸、キシレンスルホン酸あるいはナフタリンスル
ホン酸等の芳香族スルホン酸又はそのアルカリ金属塩類
等が用いられ、均一な洗浄剤組成物の水溶液を得るため
の配合量としては、１〜３０重量％、好ましくは５〜１
５重量％である。配合量が１重量％未満では均一な組成
物は得られず、また３０重量％を越えると被洗浄素材の
仕上がり性に劣る。

【００１７】更に前記洗浄剤組成物の成分の特定割合と
は、水酸化テトラアルキルアンモニウムが０．１〜１０
重量％、無機アルカリビルダーが１〜１５重量％、有機
ビルダーが１〜１５重量％、界面活性剤が０．５〜３０
重量％である。

【００１８】前記可溶化安定剤を配合すれば前記条件の
もとで均一な洗浄剤組成物の水溶液が得られるが、その
洗浄効果については何ら変わるものではない。

【００１９】本発明の洗浄剤組成物は、通常、使用の際
には水で２〜１００倍に希釈する。好ましくは３〜２０
倍希釈であり、２倍未満では洗浄剤のすすぎ性に多大な
労力を要し、１００倍を越えると洗浄性が劣るので好ま
しくない。

【００２０】本発明の対象となる素材は、工業部品であ
り、具体的には金属部品、電子部品、電機部品、精密機
械部品、樹脂加工部品、光学部品、ガラス部品等をい
う。

【００２１】ここで金属部品とは、軟鋼、硬鋼、鋳鉄、
強靭鋼、ステンレス鋼、ケイ素鋼等の鉄系金属素材部品
をいう。

【００２２】電子部品とは、例えば電算機及びその周辺
機器、家電機器、通信機器、ＯＡ機器、時計、電算機
器、玩具、液晶表示器、映像・音声記録／再生部品、磁
気記録部品、水晶震動子等の電極部品、光電変換部品等
をいう。

【００２３】電機部品とは、例えばブラシ、ロータ、ス
テータ、ハウジング等の電動機部品、販売機や各種機器
に用いられる発券用部品、販売機、キャッシュディスペ
ンサ等に用いられる貨幣検査用部品等をいう。

【００２４】精密機器部品とは、例えば精密駆動機器、
ビデオレコーダー等に用いられるベアリング、超硬チッ
プ等の加工用部品、シリンダーヘッド、エンジンブロッ
ク、ギヤ、シャフト等の自動車部品等をいう。

【００２５】樹脂加工部品とは、例えばカメラ、自動車
等に用いられる精密樹脂加工部品などをいう。

【００２６】光学部品とは、例えば、カメラ、眼鏡、光
学機器等に用いられているレンズをいう。

【００２７】ガラス部品とは、ガラス容器、ガラス板、
レンズ、プリズム、ガラスフィルター等に用いられるガ
ラス加工部品をいう。またその他の部品としてメガネフ
レーム、時計ケース、時計ベルト等が例示される。

【００２８】本発明の洗浄剤組成物は、特に落ちにくい
汚染物質である金属加工油の洗浄に有効であることか
ら、これらの対象素材の中では、金属部品が他の素材よ
り優れた効果が得られる。

【００２９】本発明の対象となる汚染物質は、切削油、
研削油、圧延油、絞り油、防錆油、プレス加工油、鍛造
油、焼き入れ油等の金属加工油、切粉等があり、又その
他カーボン、指紋等が例示される。

【００３０】本発明の洗浄剤組成物は使用に当たって、
前記したようにまず水で２〜１００倍に希釈し、その後
スプレー洗浄、バレル洗浄、バブリング洗浄、浸漬洗浄
あるいは超音波洗浄等の洗浄方式を用いて対象素材を洗
浄する。

【００３１】

【作用】本発明洗浄剤組成物において、水酸化テトラア
ルキルアンモニウムが高い浸透力を発揮し、被洗浄物表
面深部に浸透した汚れを除去し、濡れ性を良好なものと
し、無機アルカリビルダー及び有機ビルダーによって汚
染物質を剥離するという効果を相乗的に発揮し、更に界
面活性剤の使用によって汚染物質の再付着防止及び洗浄
剤除去性の向上が達成される。また従来のフッ素系界面
活性剤のような発泡性の懸念がなく洗浄方式の制限のな
い洗浄剤が得られる。

【００３２】

【実施例】実施例１〜２０及び比較例１〜１０表１〜表４の各洗浄剤組成物を調整し、下記の効果例−
１〜６の評価を行った。

【００３３】

【表１】

【００３４】

【表２】

【００３５】

【表３】

【００３６】

【表４】

【００３７】効果例−１（加工油付着鋼板のスプレー洗
浄性）冷間圧延鋼板（ＪＩＳＧ−３１４１）にプレスオイル
（６０スピンドリュー）を塗布した加工油付着鋼板を表
１〜表４の各洗浄剤の水３倍希釈品（但し表２の実施例
１１，１２の洗浄剤は水６倍希釈品である）を用いて、
６０℃、３０秒間、１ｋｇ／ｃｍ² 圧のスプレー洗浄を
行った。次に、５０℃、３０秒間で２ｋｇ／ｃｍ² 圧の
スプレーリンスを行い、その後浸漬リンス処理を実施し
乾燥後、まず素材の仕上がり性について加工油の残り具
合を目視評価で行い、次いでプライマーの濡れ性を目視
評価にて行った。又、洗浄液の発泡性については、洗浄
槽の液面からの泡立ち高さを測定し比較を行った。併せ
て洗浄剤で洗浄しない未洗浄品についても同様に評価し
た。これらの結果を表５、表６に示した。

【００３８】効果例−２（加工油付着鋼板の超音波洗浄
性）効果例１と同じ加工油付着鋼板を表１〜表４の各洗浄剤
の水１０倍希釈品（但し表２の実施例１１，１２の洗浄
剤は水２０倍希釈品である）を用いて、６０℃、６０秒
で２８／３９ＫＨｚ、３００Ｗの超音波洗浄を行った。
次に、後リンス処理を実施し、乾燥後、残存油分量を赤
外分光光度法にて残油分測定を行った。併せて未洗浄品
について同様に行った。結果を表７、表８に示した。

【００３９】効果例−３（洗浄剤除去性）塩素系溶剤で脱脂後の冷間圧延鋼板を表１〜表４の各洗
浄剤の水１０倍希釈品（但し表２の実施例１１，１２の
洗浄剤は水２０倍希釈品である）を用いて、６０℃、６
０秒、で２８／３９ｋＨｚ、３００Ｗの超音波洗浄を行
い、次に純水にて４０℃、６０秒間でリンス処理を行
い、乾燥後、洗浄剤の残渣量を重量法にて測定を行っ
た。その結果を表７、表８に示した。

【００４０】効果例−４（洗浄剤組成物水溶液の均一性
の評価）表１〜表４の各洗浄剤を２５℃の恒温槽にて２４時間放
置し、その後の溶液の分離状態を目視にて評価し、結果
を表７、表８に併記した。

【００４１】効果例−５（ガラス、及び、樹脂レンズの
超音波洗浄性）全面に指紋の付いたガラス、及び、アリルジグリコール
カーボネート樹脂（ＣＲ−３９）のレンズを表１の実施
例１〜３、表４の比較例１〜３の各洗浄剤の純水１０倍
希釈品で、５０℃、６０秒で４０ＫＨｚ、３００Ｗの超
音波洗浄を行った。次に、後リンス処理を実施し、外観
状態（指紋の落ち具合）を目視評価にて行った。併せて
未洗浄品についても同様に行った。その結果を表９に示
した。

【００４２】効果例−６（セラミック板のスプレー洗浄
性）セラミック板にプレスオイル（６０スピンドリュー）を
塗布し、表１の実施例１〜３、表４の比較例１〜３の各
洗浄剤の水２０倍希釈品で、６０℃、３０秒間、１ｋｇ
／ｃｍ² 圧のスプレー洗浄を行った。次に、５０℃、３
０秒間で２ｋｇ／ｃｍ² 圧のスプレーリンスを行い、後
浸漬リンス処理を実施し乾燥後、残存油分量を赤外分光
光度法にて残油分測定を行った。併せて未洗浄品につい
ても同様に行った。結果を表９に示した。

【００４３】

【表５】

【００４４】

【表６】

【００４５】

【表７】

【００４６】

【表８】

【００４７】

【表９】

【００４８】効果例１，２より金属部品の洗浄におい
て、本発明の洗浄剤組成物は、優れた仕上がり性、濡れ
性、発泡防止性及び洗浄性を示した。効果例３より洗浄
剤自体の除去性にも優れた効果を示した。また効果例４
より特定量の可溶化安定剤を洗浄剤組成物の各成分を特
定割合としたものに配合すれば、均一な洗浄剤水溶液が
得られることが判明した。更に効果例５と６より、ガラ
ス、樹脂及びセラミック部品においても優れた洗浄性を
示した。更に比較例２，３よりフッ素系界面活性剤を併
用したものは超音波洗浄は良好であるものの、スプレー
洗浄では発泡しやすいが、本発明の洗浄剤組成物ではス
プレー洗浄でも超音波洗浄でも同様な優れた洗浄性を示
し、洗浄方式に差のないことが判明した。

【００４９】

【発明の効果】本発明洗浄剤組成物は、工業部品例え
ば、ガラス、セラミック、樹脂に付着する汚染物質や金
属部品の圧延処理、熱処理、及び、プレス加工処理時に
付着する汚染物質の洗浄に優れ、且つ、高い浸透力によ
り微細部分（袋穴等）の脱脂に優れ、素材の仕上がり性
及び洗浄剤自体の除去性にも優れる。又、発泡性が低
く、洗浄方式の選択が広範囲である。更に可溶化安定剤
の配合により本願発明の洗浄剤組成物の安定な均一水溶
液が得られる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｃ１１Ｄ 3/30

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】水酸化テトラアルキルアンモニウム、無
機アルカリビルダー、有機ビルダー、界面活性剤及び水
からなる工業部品洗浄用液体洗浄剤組成物。
【請求項２】水酸化テトラアルキルアンモニウムが
０．１〜１０重量％、無機アルカリビルダーが１〜１５
重量％、有機ビルダーが１〜１５重量％、界面活性剤が
０．５〜３０重量％及び残部が水からなる請求項１記載
の洗浄剤組成物。
【請求項３】水酸化テトラアルキルアンモニウムが
０．１〜１０重量％、無機アルカリビルダーが１〜１５
重量％、有機ビルダーが１〜１５重量％、界面活性剤が
０．５〜３０重量％、芳香族スルホン酸あるいはそのア
ルカリ金属塩が１〜３０重量％及び残部が水からなる工
業部品洗浄用液体洗浄剤組成物。